元々フランスでハロウィンはあまり有名ではなく、日本ほどデコレーションやイベントなどほとんど注力されていません。
近年、少しずつですが、子どもや若者を中心に仮装やお菓子配りなどで盛り上がり、フランスでも確実に地位を上げつつあるように感じます。
そんな10月、ハロウィンムードも割と薄いパリの街角で信号待ちをしていると、なんとも綺麗なカボチャ色の旧車も信号待ちをしているではありませんか。
運転席の男性と目があったので、親指でグーとジェスチャーをすると、わざわざ窓を開けて近くの公園に停めることを教えてくれました。
その週末はヴィンテージのイベントがあり、会場内にはクルマだけではなく古着やアンテーク家具など、古いモノを扱うSHOPやディーラーさんが出店される日だったのです。
私たちはそこへ向かう途中でしたが、その男性のクルマをじっくり見るべく、目の前の公園へ少し寄り道をすることに。
■カリフォルニアからやって来た英国車
このイベントにクルマを見るために来場されていたマチューさんが乗っていたのは、イギリスのMGB(1974年製)です。
エンブレムがかっこいいMGですが、実は私、このとき初めてMGというメーカーを知り、『モーリス・ガレージ』のイニシャルだと教えていただきました。
調べてみると、イギリスのスポーツカーメーカーで、1955年に発売された流れるようなボディのクーペモデル『MGA』を筆頭に、当時世界中で英国スポーツカーブームが起きたとのこと。
その後継モデルである『MGB』は多くの部分が改良・近代化され、長きに渡って製造販売されたそうです。
■レアなオレンジボディを探して
本当に綺麗なパンプキンカラーは、塗り直しはされていますがオリジナルだそうで、この色に一目惚れして購入されたのだとか。
マチューさんはオレンジ色が大好きなのですが、現在MGBのほかに所有している『BMW Z3』はシルバー。
長年『オレンジ色のクラシックカー』を探していたようです。
やはりオレンジ色にもいろいろあるようで、メーカーやモデルよりも『まず第一優先は好ましいオレンジ色』という、割と珍しい探し方をされたマチューさん。
前オーナーさんがカリフォルニアにて所有していた個体を、4年前フランス国内で見つけたそうです。
英国車なので通常は右ハンドルが主ですが、アメリカへの輸出用で既に左ハンドルとなっていたことも、マチューさんには好都合だった模様。
エンジンはオリジナルで、座席は合皮ですが傷みにくさを優先しているとのこと。
今回も試乗を薦めて頂いたので乗ってみることに!
木製のハンドルとフレームの黒色が英国らしく、大変かっこよかったです。
この日もばっちりオレンジ色のお召し物を羽織っていたので、せっかくですのでクルマとマチューさんのツーショットを…とお願いしたところ、残念ながらNG。
息子さんもクルマ好きらしく、この冬一緒にに日本旅行をされるそうで、東京で珍しいクルマが見れることを楽しみにされていました。
日本でもお気に入りのオレンジ色のクルマが見つかるといいですね!
■余談
ヴィンテージ好きが集まるイベントだけあって、公園の一角にはクラシックカーの修理屋さんの宣伝カーも来園していました。
フランス人の愛するシトロエン2CVの上には大きなペンギン!
なぜペンギンなのかはわかりませんが、大人からも子供からも大注目されていました。
それでは遅ればせながらパリより“Des bonbons ou un sort!!”
(フランス語版トリック・オア・トリートです)
[ライター・画像 / スミ]