プリンス自動車が生み出した名車スカイライン2000GTの歴史的価値と魅力に迫る

目次
1.プリンス自動車から始まった名車スカイラインの歴史 2.スカイラインに課された命題はレースで勝つこと 3.現在も人気のスカイラインGT

日本のスポーツセダンを牽引し続ける「スカイライン」。今では日産を代表する車種として認識されていますが、その源流は日産に吸収合併される前のプリンス自動車という国内メーカーが生み出しました。今回は、特に名車の呼び声が高い2代目スカイラインのレースモデル「スカイライン2000GT」にフォーカスを当て、プリンス自動車 スカイラインについて振り返ります。

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

プリンス自動車から始まった名車スカイラインの歴史

1950年代にプリンス自動車によって開発されたスカイラインは、当時としては先進的なデザインと性能を誇る小型車でした。初代の成功により誕生した2代目は、高性能スポーツセダンとしての地位を確立します。

2世代に渡って開発されたスカイラインは、常にクラストップの先進性と性能を誇っていました。

戦後すぐに生まれた国内トップクラスの小型車

プリンス自動車 スカイラインの誕生は、終戦から12年後の1957年で、プリンス自動車の前身である「富士精密工業」によって開発されました。

従来のプリンス車から構造を一新したオリジナルのセミ・モノコックボディに、アメリカンスタイルのボリュームあるボディデザインを採用しています。当時の国産車としては先進的なスタイリングが特徴的でした。

また、クラストップの性能面も、多くの注目を集めました。新型エンジンではないものの、改良されたGA30型エンジンは、同クラスで競合するトヨタや日産を超える60psを発生。当時の国産1,500cc最速となる125km/hを達成しています。

スカイラインの地位を確立した2代目S50系

スカイラインは、初代発売から6年後の1963年にフルモデルチェンジを受けます。明確に小型量産車市場を狙った2代目のボディデザインは、初代とは異なるヨーロピアンテイストに変更されました。

新たに採用したモノコックボディによって軽量化と高剛性も実現し、高性能スポーツセダンとしての認知を高めていくことになります。搭載されたG1型1.5L直列4気筒OHVエンジンは、クラストップの性能とともにメンテナンスフリーエンジンとしても話題を呼びました。

2年間または4万kmの保証をつけたエンジンは、シリンダーヘッドとエンジンブロックを「封印」しました。必要なメンテナンスは6000kmごとのオイル交換と3万kmごとのエアクリーナー交換だけとされています。さらに、サスペンションやステアリングギアボックスも1年間または3万kmまでグリスアップ不要で、日本初のメンテナンスフリー車として販売されました。

スカイライン 2000GTの買取専門ページはこちら

旧車王バナー旧車王バナー

スカイラインに課された命題はレースで勝つこと

S54A型、S54B型として人気の高いスカイライン2000GTシリーズが誕生したのは、レースに惨敗したことがきっかけでした。レースに勝つことを課せられ、結果を残したことで一気に評価が高まったスカイライン2000GT。当時の国内での人気が、S54B型の派生モデルとなるS54A型の発売につながりました。

初戦に惨敗したことで生み出されたS54型

2代目S50系スカイラインは、発売直前に初開催された日本グランプリに出場したものの惨敗を喫しています。この結果を受けてS54型として開発されたのが、スカイライン2000GTにつながるスカイラインGTでした。

エンジンにG7型2L直列6気筒OHCエンジンを採用し、エンジンの大型化にあわせてフロントの車軸を前方に移動させホイールベースが200mm延長されました。標準使用でも105psを発生する高性能モデルで、S54Rと呼ばれるレース仕様車は、ウェーバー製の3連キャブレターを装備し最終的に152ps以上を絞り出します。

そして迎えた第2回日本グランプリで、スカイラインGTはポールポジションを獲得します。レースでは格上のポルシェを抜いて1周ではあるもののトップに立つ活躍を見せ、サーキットに集まったファンを熱狂させます。最終的にポルシェに敗れてしまいますが、上位を独占するという輝かしい結果を残しました。

スカイラインGTはホモロゲーションを満たすために合計100台が製作されましたが、レース結果を受けて一般販売用として用意された92台はすぐに完売。スカGの愛称がつけられるなど、スカイラインGTの発売を望む声が高まっていきました。

世間の強い要望によって発売されたスカイライン2000GT

レースで実力を証明したスカイラインGTを望む声を受けて、カタログ掲載モデルとして1965年に発売されたのが通称54Bと呼ばれるスカイライン2000GT(のちのスカイライン2000GT-B)です。

スカイライン2000GTは、レース仕様とほぼ同スペックで販売され、ウエーバー製の3連装40DCOE型キャブレターに加えて、圧縮比を8.8から9.3に向上させます。その結果、125ps/5,600rpmの最高出力と17.0kgm/4,400rpmの最大トルクを発生させるまでになります。

さらに、3速フルシンクロを備えたトランスミッションにはオーバードライブも設定され、最高速は180km/hを記録し、当時としては日本最高のスペックを誇るモデルでした。

マイルドなスカイライン2000GT-A

ファン層が広がったことで「もっとマイルドな2000GTに乗りたい」という声が高まり、派生モデルとなるスカイライン2000GT-A(通称54A)が生み出されます。

スカイライン2000GTの発売からわずか7ヶ月後にスカイライン2000GT-Aが誕生したことで、従来2000GTと呼ばれていたモデルは、2000GT-Bに変更されました。スカイライン2000GT-Aは、エンジンがシングルキャブ仕様となり、54Bに比べるとマイルドなスペックであるものの国内トップクラスの105psを発生させるモデルです。

より幅広い層のスカイラインユーザーを獲得することに成功しました。

スカイライン 2000GTの買取専門ページはこちら

現在も人気のスカイラインGT

スカイラインのルーツともいえるスカイライン2000GTは、発売が60年以上前ということもあり、市場ではほとんど見かけません。また、歴史的価値と希少性から一般の中古車相場は当てはまらないため、購入したい場合はその都度問い合わせる必要があります。大手中古車サイトで検索したところ1966年式のS54Bが1台だけ見つかりましたが、価格は応談となっていて不明です。

旧車王での買取相場を見ると、1968年式のS54Bが不動車にもかかわらず20万円もの価格がついています。もしガレージで眠っているスカイライン2000GTがあれば、どんな状態でも思わぬ買い取り価格がつくかも知れません。

※中古車相場は2022年9月原稿執筆時

 

旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!

長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。

画像1
画像ギャラリー(全1枚)を見る

この記事をシェアする

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して24年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

Web査定申込はこちら

まずは車について気軽に相談したい

LINEで売却相談する

関連する記事

ホンダ・S800の歴史を改めて紐解く!ヨタハチとの違いや後期モデルについても詳しく解説

ホンダ・S800の歴史を改めて紐解く!ヨタハチとの違いや後期モデルについても詳しく解説

旧車の魅力 2025-01-27
クルマの売却時期は5年目がいい?カーライフに合った売却タイミングを解説

クルマの売却時期は5年目がいい?カーライフに合った売却タイミングを解説

旧車売買の豆知識 2025-01-27
クルマを4月に売却するのは損?自動車税の還付を受ける方法を解説

クルマを4月に売却するのは損?自動車税の還付を受ける方法を解説

旧車売買の豆知識 2025-01-27
自動車相続の廃車手続きの方法は?必要書類についても解説

自動車相続の廃車手続きの方法は?必要書類についても解説

旧車売買の豆知識 2025-01-24
軽自動車の相続方法は?必要書類やかかる費用なども紹介

軽自動車の相続方法は?必要書類やかかる費用なども紹介

旧車売買の豆知識 2025-01-24
残価設定ローンを組んだクルマを売却する方法は?流れや注意点を解説

残価設定ローンを組んだクルマを売却する方法は?流れや注意点を解説

旧車売買の豆知識 2025-01-24
5月にクルマを売却すると税金はどうなる?還付の有無や売却時の注意点も解説

5月にクルマを売却すると税金はどうなる?還付の有無や売却時の注意点も解説

旧車売買の豆知識 2025-01-23
3月にクルマは売却しないほうがよい?注意点や売るタイミングを解説

3月にクルマは売却しないほうがよい?注意点や売るタイミングを解説

旧車売買の豆知識 2025-01-22

記事ランキング

1
2025年8月にWRX STi GDB型が25年ルール解禁!今後値上がりする?

2025年8月にWRX STi GDB型が25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車市場動向 2025-01-14
2
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

ライフスタイル 2023-09-14
3
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車売買の豆知識 2024-10-08
4
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車メンテナンス 2023-10-18
5
ハイブリッド車は冬に弱い?燃費が落ちる理由や抑える方法を紹介

ハイブリッド車は冬に弱い?燃費が落ちる理由や抑える方法を紹介

旧車売買の豆知識 2023-11-28
6
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車市場動向 2025-01-14
7
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車売買の豆知識 2024-08-06
8
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車売買の豆知識 2024-10-08

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ