「限界レストアラー」による理想のガレージ物件探し(その1)

目次
1.■当初は屋外作業による限界レストアライフ 2.■屋外での作業にはさまざまな制約と限界が 3.■どうにか屋根のある場所で作業したい 4.■貸しガレージという手があることに気づく 5.■理想の物件探しはまだまだ続く

自己紹介のページでも触れましたが、筆者も最近縁あって、シャッター付きガレージを月極契約し、ささやかながらガレージライフというものを送っています。

最近巷では、何か一つのことに労力を費やしている人のことを「限界〇〇」というスラングで呼ぶようです。

そういう意味では、築50年は経っているであろう、小さなガレージで、念願の・・・でもドタバタで理想とはちょっとだけ離れている筆者のガレージライフはというと・・・?

もはや「限界ガレージライフ」と呼ぶほうがしっくりくるかもしれません。

今回はその「限界ガレージライフ」についてご紹介したいと思います。

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■当初は屋外作業による限界レストアライフ

大学生活をスバル360で謳歌するには間に合いませんでしたが、筆者が社会人になった年、1999年5月末にようやく所有することができたのです。

購入から2年後に全塗装を実施。

その後、手に入れてから15年経ったあたりで再びボディ全体のヤレやサビ、腐食が目立つようになります。

ちょうどそのころ、何年も前から計画していたセリカ リフトバックのボディレストアを実行することに。

せっかく「普通の人なら新車のトヨタ86の購入を考える金額」をかけて直すのだから、レストアの工程をしっかり見て学べることはしっかり学んでおこうと考えました。

そしてセリカのレストアが完成すると、一連の流れをリアルタイムで観られた経験を踏まえ、スバル360のレストアは自分でやってみようと思い立ちます。

この時点で、スバル360であればエンジンの脱着、分解組立やショックアブソーバーの交換など、ひととおりの作業は自分でできるようになっていました。

クラッチ交換くらいは日常整備の範囲、整備マニュアルは何度も読み込んで、どこに何が取り付けられているか、おおよそ把握できる状態でした。

「時間さえかければどうにでもなるだろう」という目論みだったのです。

とはいえ、作業をするのは自宅の敷地内。

納屋や屋内ガレージがあるわけではありません。

真夏の炎天下や真冬の寒風吹きすさむ中、屋外での作業は大変でした・・・。

当然雨が降ってくれば作業は中止、特にゲリラ豪雨の時季ともなれば、真っ先に車体にカバーをかけ、ずぶ濡れになりながら後片付けというのも頻繁にありました。

まさに「限界レストアラー」ならではのエピソード満載です。

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■屋外での作業にはさまざまな制約と限界が

やがて、ボルトオンで脱着可能な作業ならまだいいとしても、鈑金加工や塗装を伴う作業ともなれば、屋外では限界が見えてきます。

ハンマーや電動工具の騒音やグラインダーで塗装の剥離や錆び取りをすれば、その切粉でどうしてもご近所に迷惑をかけることになります。

つまり、夜は作業ができないのです。

時間的な制限がある一方で、塗料やパテを使う作業は中断して別の日に・・・ということができません。

確実にまとまった作業時間が確保できる日まで見送りになるということが何度もありました。

それでもどうにかモノコックを直し、サフェーサー(下地塗料)を吹き付けるところまでこぎつけたのですが、ボディ色の塗装は屋外ではどうにもならないという問題に直面するのです。

■どうにか屋根のある場所で作業したい

真っ先に思いついたのが、簡易ガレージ兼塗装ブースの制作。

まず単管パイプを直交クランプで組み合わせて、骨組みを作ります。

塩ビの波板を並べ、壁の部分はビニールハウスのビニールシートを使用するという構造です。

早速、単管パイプを隣県のリサイクル業者から買い込み、支柱を立てるためのアンカーを打つつもりでしたが・・・。

しかし、家族に猛反対され、簡易塗装ブース計画は頓挫。

その後、2年ほどレストアは休止。

どうやって作業を再開するか考えあぐねる日々が続きます。

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■貸しガレージという手があることに気づく

しかしある日「そもそも貸しガレージはいくらぐらいで借りられるのか?」という考えに至ります。

筆者が暮らす名古屋近郊に物件はないのか調べてみることに(実はそれまでシャッター付きガレージを借りるという事自体考えていませんでした)。

すると、名古屋近郊で本来はバイク用ですが、全幅1.3m全長3mの360cc軽ならピッタリ収まるという物件を発見。

あいにくそこのガレージはすでに先約がいたので借りることはできなかったのですが、

・都心部から離れている
・周辺の公共交通機関のアクセスが悪い
・住宅街から離れている(田畑や工場に囲まれている)

という立地のガレージは、賃料も安くなるといった傾向があることに気づいたのです。

しかも中には電源ありという物件まで・・・。

辺鄙な場所というのは、日常使用のクルマを保管するには不便ですが、趣味用のクルマを保管するのにはむしろ好都合です。

特に、クラシックカーをレストアするための場所が欲しい身としては、作業の騒音や排気音の大きい車両を乗りつけることを考えれば、周りに民家がなく、人がいない方が好都合です。

いっそ工場やトラックヤードなど、騒音が発生する施設に囲まれているほうがありがたいくらいです。

その話を友人に伝えたところ、いっそ大き目のガレージ(場合によっては倉庫)を田舎に借りてシェアするのはどうか?という話になり・・・

・場所は問わず(増車が目的ではないので車庫証明の条件は無視)
・クルマ数台、バイク数台と工具が保管できる
・3tロングの積車を横付けできる

という条件も追加して、目ぼしい物件があれば内見もしたのですが、なかなか都合よくは見つかりません。

■理想の物件探しはまだまだ続く

ちょっと予算はオーバー気味ですが、農家の納屋と思われる物件を見つけたときは、納屋の周りが軽自動車でさえ通行困難な狭小路。

なんと、ガレージとして使いたいのにクルマでは行けないという有様だったのです。

また、ある物件は2台収納可能なガレージ+外に1台分のスペース付きで。

路地を抜けたところにコンビニもあって、悪くないとは思いつつも周辺が民家で囲まれてまれているため、騒音の問題がシビア。

2tロングワイドボディの積車が入るのは難しいという懸念事項はあったものの、問い合わせるとすでに契約済。

なかなか都合のいい物件は見つかりません。

そしていい物件は、見つけた頃にはすでに他の人が契約しているというお約束のパターンが続きます。

(つづく)

[ライター・撮影/鈴木修一郎]

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