「都市工学スカイライン」のキャッチコピーでハイソカー路線へ舵を切ったR31スカイライン。実際に手にした際の維持費が気になる方もいるのではないでしょうか。どれだけ魅力的なモデルでも、維持費がいくらかかるのかを理解せずに購入すると、維持できずに結局は手放すことになりかねません。
そこで今回は、R31スカイラインの維持費について詳しく解説します。燃料代や自動車税、保険料といった内訳も詳しく紹介しますので、現実的に維持できそうかどうかの判断に役立ててください。
R31スカイラインの特徴
R31スカイラインは、1980年代の日産を象徴するモデルです。1985年に4ドアセダンとして発表され、1986年には2ドアクーペのGTSが登場しました。当時のトレンドを反映した直線的なボディラインと、スポーツクーペを体現したデザインが特徴です。
Bピラーによってボディ剛性を高めつつ、サッシレスなドアでスタイリッシュさを強調しています。また、4ドアセダンモデルと変わらないホイールベースにより、クーペでありながら後席に十分な居住性を実現しました。
エンジンは直列6気筒DOHCで、2,000ccのニッサンECCS(電子制御燃料噴射システム)を採用し、低燃費とパフォーマンスの両立を実現しています。ターボチャージャーのタービンに軽量なセラミックを採用したセラミックターボを搭載することにより、ターボラグの軽減に成功しました。
GT-Rグレードが存在しない時代のモデルでありながら、現在でも熱狂的なファンをもつR31スカイラインは、80年代を象徴するデザインとモータースポーツへの参戦により、スカイラインの歴史や伝統の根幹を作る役割を果たしました。
また、限定生産モデルや高性能グレードのラインナップは、コレクターズアイテムとして高い価値を持ちます。
R31スカイラインの維持費の内訳
ここからは、R31スカイラインの維持費について、5つの項目に分けて詳しく金額を解説します。
※金額は、1988年式 GT 型式:E-HR31を例に算出
燃料代
R31スカイラインGTは、レギュラーガソリンモデルです。燃費のベンチマークである10・15モードは1991年に定められたためカタログ数値は不明ですが、実燃費は9km/L程度といわれています。登場から30年以上経過した旧車のなかでは、十分な燃費といえるでしょう。
具体的な燃料代をシミュレーションした結果は、以下のとおりです。
1ヶ月通勤で1,000キロ走行したと仮定すると、消費するガソリンは111.1L、ガソリン代は1万8,977円(*1)、年間で換算すると22万7,724円(*2)ほどかかる計算です。
*1 燃費は9km/Lで算出
*2 2024年3月4日のレギュラーガソリン1Lあたりの平均価格170.8円で算出
自動車税
R31スカイラインは、1.5L〜2L以下の自家用自動車に該当するため、2024年3月現在の基本税額は3万6,000円/年です。(新車登録が2019年10月1日以降の場合)しかし、1988年が初年度登録の場合、13年以上経過した15%の重課対象のため、4万5,400円/年がかかります。
任意保険
R31スカイラインの任意保険料を、大手のネット型保険で見積もりをとった結果、約4万2,400円/年でした。見積もりの条件と具体的な補償内容は以下のとおりです。
<条件>
年齢:30歳
等級:6E
使用目的:通勤・通学
運転者:本人限定
<補償内容>
対人賠償(1名につき):無制限
対物賠償(1事故につき):無制限
対物超過特約:なし
人身傷害:あり(車内のみ補償)
人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円
入院時諸費用特約:なし
車輌保険:なし
一般的な補償内容を付けても、大きな負担になるような金額にはなりませんでした。しかし、車輌保険が付帯できない可能性があります。中古車市場では評価の高いR31スカイラインですが、一般的な任意保険では、その価値は考慮されないため0円と算出されるケースが多々みられます。以上の内容から、車輌保険は付帯できない場合がある点には注意が必要です。
車検
R31スカイラインを自家用乗用車で登録した場合の車検代は、10万7,750円です。それぞれの金額は以下のとおりです。
自賠責保険(24ヶ月):1万7,650円
自動車重量税:3万7,800円(24ヶ月)※初年度登録から18年以上経過で算出
印紙代:2,300円 ※認定工場の場合
車検料:5万円
合計:10万7,750円
※車検料は、内容や整備工場などによって増減します
R31スカイラインは、30年以上の歴史をもつクルマのため、自動車重量税の重課対象です。納税の頻度は2年に1回なものの、予想以上に高額な納税が必要にならないように、あらかじめ確認しておきましょう。
メンテナンス費用
R31スカイラインのメンテナンス費用は、年間5万円程度が目安です。メンテナンスの主な内容は以下のとおりです。
・洗車代
・ワイパーゴム交換
・ウォッシャー液絵交換
・エンジンオイル交換
・ブレーキオイル交換
・オイルフィルター交換
・冷却水交換
・エアコンフィルター交換
・オイル漏れ修理
・水漏れ修理
なお、購入したクルマの状態によっては、以下の内容も追加で必要になる可能性があります。
・ドア周りのゴム交換
・エンジンベルト交換
・タイミングベルト交換
・バッテリー交換
・タイヤ交換
製造から30年以上が経過した旧車は、より丁寧なメンテナンスが必要です。加えて、R31のパーツは探すこと自体が困難なケースも想定されます。取り寄せたり、ほかのパーツで代用したりすれば、費用はかさむでしょう。
R31スカイラインの年間維持費はいくら?
R31スカイラインの年間維持費は、約41万円〜です。項目別の金額は以下のとおりです。
<自家用車登録のR31スカイライン年間維持費>
ガソリン代:22万7,724円
自動車税:4万5,400円
任意保険:4万2,400円
車検:5万3,875円(2年ごとにかかる費用の半額分)
メンテナンス費用:5万円(パーツ交換費用の合算有無で変動)
合計:41万9,399円
1ヶ月あたり3万4,950円ほどです。さらに、ローンや駐車場代などの費用を見積もって、維持費を計算する必要があります。
R31スカイラインの維持費が高いと思った時の対処法
R31スカイラインの維持費は、旧車としては現実的な範囲といえます。しかし、快適に乗り続けるためには、手を掛ける必要があるのも事実です。ガソリン代やオイル交換など、乗り方でおさえられる部分はありますが、全体からみるとわずかな金額です。
想定外の出費がかさんでしまったり、維持費が負担に感じたりした場合、思い切って手放すことも考えてみましょう。R31スカイラインは、1980年代のレトロな雰囲気と高い走行性能により、多くのファンがいるモデルです。中古車市場での需要は衰えを知らず、高く売却できる可能性を秘めています。
まとめ
R31スカイラインは、当時の日産の技術を集約したクルマです。その魅力は、R32や33、34とGT-Rがグレードに設定されたモデルにも負けないものがあります。また、フロントから真っ直ぐに伸びたボディラインは、見ていて飽きがきません。
なお、維持費は3万4,950円と、近年のモデルよりも負担が大きいです。実際に手にしてみて、負担に感じる場合は乗り換えることも選択肢の1つでしょう。
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