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新車登場時から大人気だったR32型と、先代の成功から期待が大きかっただけに不評を買ってしまったR33型。この2台のスカイラインGT-Rは、第2世代GT-Rと呼ばれ海外で大きな人気を呼んでいます。中古車にもかかわらず、スーパーカー並の1,000万円以上で販売されることも少なくありません。
今も色あせない第2世代スカイラインGT-Rの両雄R32とR33の魅力と、その秘密に迫ります。
海外での日本車人気を作り上げた日産 スカイラインGT-R
今海外で人気を集めている車のジャンル、JDM。「Japan Domestic Market」の略で、直訳すると日本国内市場という意味ですが、カーマニアの間では、日本仕様の日本車、特に「スポーツカー」を指すジャンルです。
このJDM人気に火を付けたのが、映画などで人気が高まっていたR34型スカイラインGT-R。さらにその人気はR32、R33にも及びます。
スカイラインGT-Rの中古車が海外で人気を集めている理由
スカイラインGT-Rが海外で人気の理由は、映画「ワイルド・スピード」や、ゲームなどに登場して知名度が高くなったことです。また、スタイリングのかっこよさ、レースに勝つために設計されたという背景と高い走行性能に、多くのカーマニアが魅力を感じています。
しかし、R32、R33の頃のスカイラインGT-Rは、新車時に正規ルートで海外輸出されておらず、欲しいと思っても入手することが困難でした。また、新車販売がされていなかったため、海外では中古車もほとんど市場に出回りません。
需要に対して、車が供給されなかったという問題をクリアしたのが25年ルールと呼ばれる、アメリカの輸入車に適用されるルールです。
価格高騰に火をつけた25年ルールとは
アメリカに車を輸入するには、厳しい安全基準をクリアすることが必要で、正規ルートでない限り海外の車を入手するのは困難です。
しかし、発売から25年を経過すると、この厳しい安全基準をクリアする必要がなくなるという、いわゆる「25年ルール」と呼ばれる規則があります。
このルールの追い風を受け、発売から25年が経過した2015年頃からR32型スカイラインGT-Rがアメリカに中古車として正規輸入されるようになり、一気に価格の高騰が始まりました。もともと需要があったところに、輸入規制がなくなったことで購入希望者が殺到。高騰した価格から、カーマニアだけではなく、投機的需要も生まれたことで、さらに価格高騰が加速します。
新車時から人気だった走りのスカイラインGT-Rの地位を築いたR32
先代スカイラインGT-R(KPGC110型)から16年ぶりに、第2世代スカイラインGT-Rの先陣を切ったR32型スカイラインGT-R。ハイパワーエンジンに、4WDという駆動方式、個性的なスタイリングを高額なパッケージに押し込んで発売し、当時大きなインパクトを与えました。
専用に開発されたハイパワーエンジンを搭載
R32型スカイラインGT-Rの目玉は、レース用なら600馬力を発生させられるGT-R専用に開発されたRB26DETTエンジンです。市販モデルでも、当時の自主規制いっぱいの280馬力を発生するハイパワーエンジンは、多くのスポーツカーファンを魅了しました。
また、先進的な4WDシステム、スパルタンな印象のボディデザインなど、他車を圧倒する性能と装備で市場の注目を集めます。
その後、R33型、R34型と後継車が登場しますが、デザインやエンジンなどの基本設計はそのまま受け継がれるほど、R32型の完成度は高かったのです。
高額にも関わらず国内でも人気だった
R32型スカイラインGT-Rは、ベース車の2倍近い新車価格という高額モデルだったにも関わらず人気を集めました。レースで勝てる車というコンセプトで開発された規格外のスペックと、先鋭的なスタイリングがユーザーから高い評価を受けたのです。
FRが主流だった当時のレースシーンで、4WDにも関わらず圧倒的な速さを見せつけ、日産の持つ技術の高さを証明し高評価につながりました。
人気の高さは、販売台数に表れています。発売がバブル景気末期の1989年だったにも関わらず、4万台以上の販売台数を記録。後継の、R33型、R34型GT-Rの販売台数が、それぞれ1万台代だったことを考えると驚異的な数字です。
大きなボディサイズが不評だったR33型スカイラインGT-R
人気を博したR32型の後継車種として登場したのがR33型スカイラインGT-Rです。R32の成功から期待が大きかったにも関わらず、発表後から評価はあまり高くありませんでした。
大きな理由は、3ナンバーサイズに大型化されたボディサイズと内装。軽くシャープなスタイリングで、走行性能の高さを表現していたR32型のイメージからあまりにかけ離れ、セダンのようなイメージさえ抱かせる大型のボディは当時不評を買いました。
性能は上がったのに不人気
R33型スカイラインGT-Rは、R32型の数少ない弱点の1つだった居住性を補うべく大型化されますが、この大型化が裏目に出ます。シャープな印象のR32型と比べ、大きく重くなったことで愚鈍なイメージになり不評につながったのです。
しかし、そんな世間の評判とは裏腹に、R32型から性能は大幅に向上。エンジンはR32型と同様のRB26DETTながら、ECU変更など細かな見直しによって性能をアップしています。さらに、サイズの大型化によってホイールベースが伸び、コーナリングの安定性も向上。その結果、ニュルブルクリンクでR32型が記録したタイムを21秒も短縮したのです。
世間での低評価に加え、バブル景気の終焉を迎えたことでR33型の販売台数は1.6万台ほどに留まります。ところが、販売台数の少なかったことで、後の中古価格高騰につながることになるのです。
不人気の理由だった大型化が海外で人気の理由
R33型スカイラインGT-Rは、R32型と同様に海外で人気が高まっています。R33型スカイラインGT-Rが海外で人気なのは、もちろん走行性能の高さですが、サイズが大きいことも理由として挙げられます。
日本人に比べ比較的体格の大きい海外の人にとって、R32型よりもゆったりとした設計のR33型の方がちょうどいいサイズなのです。また、セダンのようにゆったりと車を使いたいファミリー層からの支持も集めています。
新車時に日本で不人気だったポイントが、人気を集める理由になるとは不思議なものです。
さらに、不人気から新車販売台数がR32型の3分の1ほどに留まったことが、さらに希少価値を高め価格の高騰を招いています。
GT-Rの両雄R32とR33の中古車価格&買取事情
第2世代GT-RであるR32型とR33型の海外人気は変わらず、今後も高値が続くことが予想されます。R33型スカイラインGT-Rが約2,500万円で取引されている事例もあるほどです。
日本の中古車市場でも高値が続いていて、大手中古車サイトを見てみると、R32で1,800万円以上、R33で1,500万円以上の車両もありました。(2021年10月原稿執筆時)
また、旧車王での買取価格は、ベースグレードで200万円前後、R32型VスペックIIやR33型LMリミテッドともなると500~600万円という実績が出ています。買取価格は走行距離や車両の状態によって大きな違いが出るものですが、新車価格より高く売れる可能性があるのは流石です。
R32型、R33型それぞれのスカイラインGT-Rの購入を検討している方、逆に手放すことを考えている方共に、今後の価格動向から目が離せません。旧車王では、人気のGT-Rも高価買取しています。R32、R33GT-Rがお手元にある方はぜひ一度相談してみてください。
[ライター/増田真吾]
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