R32型 スカイラインといえば、16年ぶりにGT-Rが復活したことで人気を博した日産が世界に誇るスポーツカーです。走行性能はもちろん、シャープでスタイリッシュなデザインに魅せられ、「いつかは所有したい」と憧れを抱いている方も多いでしょう。
しかし、30年以上前に発売された古いクルマで、なおかつハイパフォーマンスモデルであるだけに、気になるのは維持費です。そこで本記事では、R32型 スカイライン GT-Rを維持するのにかかる費用の内訳を解説いたします。
R32型 スカイライン GT-Rの維持費の内訳
R32型 スカイライン GT-Rの維持費について、燃料代、自動車税種別割、任意保険料、車検代、メンテナンス費用の5項目に分けて解説します。
燃料代
R32型 スカイライン GT-Rのカタログ燃費は年式によって異なり、7〜8.2km/Lです。今回は8.2km/Lで燃料代を算出します。
たとえば、毎週末2時間ほどドライブした場合、走行距離はおおよそ400km程度まで伸び、約48Lの燃料を使用します。ハイオクガソリン1Lあたり184円(※)だとすると、1ヶ月あたりの燃料代は8,832円で、1年間に換算すると10万5,984円かかります。
※2024年7月11日時点のハイオクガソリン1Lあたりの価格
自動車税
続いて、自動車税種別割について解説します。
自動車税種別割は年に1回納める税金で、クルマの排気量で税額が決まります。R32型 スカイライン GT-Rには、日産の名機である「RB26DETT型エンジン」が搭載されており、排気量は2,568ccです。2,500cc超〜3,000cc以下の区分に該当し、年間で5万1,000円支払うことになります。(2019年9月30日以前に新規登録した場合)
しかし、新規登録から13年以上経過していると税額が高くなります。R32型 スカイライン GT-Rの最終モデルが発売されたのは1994年です。どんなに年式が新しい個体でも車齢は13年を超えます。そのため、自動車税種別割は重課されて年間で5万8,600円かかります。
任意保険
R32型 スカイライン GT-Rの任意保険料について大手のネット型保険で見積もりをしました。
<条件>
年齢:25歳
等級:6S
使用目的:日常・レジャー
運転者:本人限定
クルマの年式:1993年
<補償内容>
対人賠償(1名につき):無制限
対物賠償(1事故につき):無制限
人身傷害:あり(車内のみ補償)
人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円
入院諸費用特約:なし
車両保険:なし
上記でシミュレーションしたところ、約5万円/年でした。
注意したいポイントは、車両保険がつけられない点です。車両保険をつけることができれば、万が一の事故の際に一定の金額まで修理代金が保証されます。しかし、古いクルマのだと車両保険を申し込みできないケースが非常に多いです。車両保険を付帯できないと、事故発生時の修理代金を全額自分で負担しなければなりません。
R32型 スカイライン GT-Rは、高性能エンジンを搭載するハイパフォーマンスモデルであるためにスポーツ走行を楽しむ方が多いですが、ボディを擦ったりバンパーが破損したりしてしまうと10万円以上の修理代金がかかる可能性があります。さらに大きな事故で車輌が致命的なダメージを負った場合には、100万円近い金額に上るかもしれません。
車検
続いて、スカイライン R32 GT-Rの車検代について解説します。
<ディーラー車検の場合>
自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)
自動車重量税:3万7,800円(24ヶ月)※初年度登録から18年経過で算出
印紙代:1,800円
車検料:4万円
合計:9万7,250円
自賠責保険は「強制保険」とも呼ばれる、加入が義務付けられている保険です。自家用の乗用車の保険料は一律で1万7,650円です。(2024年7月時点)
自動車重量税は、車輌重量によって税額が変わります。R32型 スカイライン GT-Rは、1t超~1.5t以下の区分に該当し税額は2万4,600円です。しかし、自動車税種別割と同様に古いクルマの場合は重課されます。新規登録から18年以上経過していると、2段階の重課によって3万7,800円まで税額が上がります。
メンテナンス費用
次に、メンテナンス費用を紹介します。基本的なメンテナンス箇所とR32型 スカイライン GT−R特有の故障箇所、それぞれにかかる費用について解説します。
基本的なメンテナンス箇所
R32型 スカイライン GT-Rだけではなく、ほとんどのクルマでメンテナンスが必要といわれている項目は以下のとおりです。一般的に年間5万円ほどかかります。
・洗車
・ワイパーゴム交換
・ウォッシャー液交換
・冷却水補充
・エアコンフィルター交換
・ヘッドライト交換
・エンジンオイル交換
・オイルフィルター交換
・ブレーキオイル交換
・エアクリーナー交換 など
R32型 スカイライン GT-Rで故障しやすい箇所
R32型 スカイライン GT-Rは発売から30年以上経過しているうえにスポーツ走行でダメージが蓄積している個体が多い傾向にあります。そのため、一般的なクルマよりもこまめに、半年に一度くらいは工場やショップでメンテナンスしてもらうほうがよいがよいでしょう。
R32型 スカイライン GT-Rで故障しやすいといわれている箇所は以下のとおりです。
・パワステオイルの漏れ
・アッパーアームの故障
・バッテリーターミナルの劣化
・タイミングベルトの劣化
・燃料ポンプのモジュレーターの腐食 など
上記はあくまで一例で、車輌の状態によってはさらに修理箇所が増える場合があります。費用については、多く見積もって30万円程度と考えておくとよいでしょう。
【知っておきたい】R32型 スカイライン GT-Rは今後も長く乗ることができるのか?
複数の箇所にダメージが残っている個体の多いと知り、「もし購入してもあまり長く乗ることができないのではないか?」と不安を感じた方がいらっしゃるかもしれません。
もちろん定期的なメンテナンスは欠かせませんが、すぐに乗れなくなるわけではないでしょう。クルマは、たとえ壊れてしまっても部品さえ存在していれば修理できます。逆にいうと、古いクルマであればあるほど部品も製造されなくなるため修理が難しくなります。
しかし、日産では「NISMOヘリテージ」という生産終了したクルマの純正部品を復刻する活動を行っています。もちろんR32型 スカイライン GT-Rも対象車種です。しばらくは部品の供給が続くことが予想されるため、すぐに修理できないという状況には陥らないでしょう。ただし、部品によってはなかなか入手できないものもあるためご注意ください。
▼NISMOヘリテージについてはこちらでも解説しています。
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R32型 スカイライン GT-R年間維持費はいくら?
ここまでR32型 スカイライン GT-Rの維持費の内訳を解説しました。合計すると年間でいくらかかるのでしょうか。
<R32型 スカイライン GT-R年間維持費>
燃料代:10万5,984円
自動車税種別割:5万8,600円
任意保険料:5万円
車検:4万8,625円(2年ごとにかかる費用の半額分)
メンテナンス費:35万円
合計:61万3,209円
月額では5万1,000円ほどかかります。ローンで購入するとさらに月々の返済が発生するほか、月極駐車場を契約する場合は別途駐車場代が毎月かかります。
まとめ
R32型 スカイライン GT-Rの維持費について解説しました。
年間だと約61万円、月々だと約5万円ほどの費用がかかります。古いスポーツカーであるだけに、自動車税種別割や自動車重量税の負担が大きいうえに、やはりメンテナンス費用が高額になりがちです。
しかし、RB26DETT型エンジンによるパワフルな走行、いかにもスポイーツカーらしい雰囲気をまとう洗練された外観など、多くの魅力を備えた歴史的な名車・R32型 スカイライン GT-Rを所有できると考えれば、相応の金額なのかもしれません。今回紹介した維持費の情報をぜひ購入の検討材料としてお役立てください。
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