レースタイヤは、サーキットを走行しないから関係がないと思う人も多いでしょう。本格的なスポーツカーに標準装備されている場合もあり、タイヤ交換時期に業者からすすめられて公道対応のレースタイヤに交換するケースもあります。今回は、レースタイヤの保管場所の条件や破棄した方がよいケースについて解説します。レースタイヤに限らず、冬用との交換でタイヤを長期保管する場合の参考にしてください。
レースタイヤの保管場所の条件
レースタイヤは、高いグリップ力が特徴です。サーキットやラリーなど、限定された環境で高いパフォーマンスを出すために作られています。一方、公道におけるタイヤに求められる条件は全天候で安定走行ができることです。そのために縦横に溝が存在し、悪天候時でも問題が起きないように設計されています。
レースタイヤの多くは環境に適した高い性能を引き出すかわりに、一般公道では条件によって走行が不安定になります。また、摩耗が激しく経済的な面でも不利となるため、スポーツラジアルタイヤが一般化するまでは従来のタイヤに履き替えて保管しておくのが一般的でした。
レースタイヤの種類と特徴
スリックタイヤ........グリップ力を高めるために溝がなく、走行時の摩擦熱でゴムを溶かして粘着力を増す
セミレーシング(スリック)タイヤ........溝があり公道でも走れるレースタイヤ
ラリータイヤ........一般のタイヤよりも溝が広くて深いものが主流で、土などに食い込ませてグリップを生むせん断力を得る。接地面の圧を上げるために細いタイヤが多い
レインタイヤ........排水用の溝があり、低温時にも高い摩耗でグリップできる仕様。ドライ用タイヤとは素材が異なる
スポーツラジアルタイヤ........街乗りとサーキット走行の両方に適したタイヤ。ジムカーナレースなどでセミレーシングタイヤの仕様が禁止になったことで需要が高まっている。本格的なスポーツカーに標準装備されることも多い
※スリックタイヤ以外は基本的に公道での走行が可能
レースタイヤは一般的なタイヤ以上に熱に弱く、湿気や油分(タイヤワックスも長期保管時は使用不可)でも劣化を促進します。また、腐食性が高いオゾンを発生するバッテリーなどの近くに置くと、ひび割れの原因になるため注意が必要です。
保管するときは、雨風や日光のあたらない風通しがいい屋内が最適です。屋内保管が難しい場合は、劣化しないように厳重に保護した上で冷暗所での保管が望ましいでしょう。
レースタイヤの保管方法
続いて、レースタイヤの保管方法について詳しく解説します。
エアー圧を若干下げる
レースタイヤに限らず、一般的なタイヤでも保管時にはエアー圧を若干下げましょう。タイヤ内の空気圧が高いと内圧で負荷がかかります。指定空気圧の半分程度の数値まで減らしておくと、ゴムやワイヤーの変形を抑えて劣化を最小限にできるでしょう。
ラッピングとカバーで汚れを防ぐ
タイヤの劣化を抑制するためにラッピングとカバーで汚れを防ぎましょう。ラッピングには、ホームセンターなどで販売されているストレッチフィルムや布団用真空圧縮袋がおすすめです。また、カバーは紫外線を防ぎ密封性の高いものを使用するといいでしょう。
レースタイヤの間違った保管方法
レースタイヤの間違った保管方法について解説します。おろそかにするとタイヤの寿命を一気に縮めてしまうため注意が必要です。
じめじめ・直射日光の環境
じめじめ・直射日光の環境はレースタイヤの保管に適していません。水分はタイヤ内部のスチールコードを錆びさせる原因となり、さらにカビを発生させます。また、直射日光はゴムのひび割れやタイヤの形状を保つ繊維(タイヤコード)を劣化させる原因です。風通しのよい冷暗所に保管するようにしましょう。
タイヤコード........タイヤはゴム以外に硫黄やカーボンブラックなどを合わせた混合ゴムを使用し、ポリエステルやナイロンなどの糸で補強しています。この補強材をタイヤコードといいます。
洗わずに保管する
レースタイヤに限らず、タイヤを長期的に保管するときは必ず洗いましょう。泥や埃以外にタイヤワックスや油汚れもしっかりと洗浄し、乾燥させてから保管することが重要です。タイヤワックスなどの油汚れは長期間の保管時にゴムを浸食する恐れがあり、洗剤の残留物質もタイヤを劣化させるため注意しましょう。
レースタイヤを保管ではなく破棄した方がよいケース
レースタイヤは、一般的なタイヤと比べてグリップ力が高いため寿命が短いのが特徴です。レースで十分な性能を発揮できなくなるタイミングはタイヤによって違うため、メーカーの推奨値を参照しましょう。寿命や劣化したレースタイヤの使用は危険も伴うため、保管ではなく廃棄した方がよいでしょう。
公道での走行に対応しているレースタイヤは、摩耗してスリップサイン(溝が1.6mm以下)が出る前に交換してください。また、タイヤのショルダーやトレッド面にひび割れや大きな(深い)傷ができた場合も同様です。
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