昨年末、11度目の車検を終えた愛車のS15。
実はその数日後にエンジンが始動せず、年末の帰省がはたせなかったのですが……それはまた別の話。
今回の車検にかかった費用は、およそ23万円。
大きな修理やパーツの交換は行わず、消耗品の交換が中心です。
昨年を通してS15の維持費(所有していることで、支払の生じた費用)は、およそ53万円。
1ヶ月に、およそ44,000円。
今年は車検がないので、ずいぶんと楽にはなるはずです。
そりゃね、これほどのお金がかかっているとなると、配偶者の理解は必要不可欠。
クルマにかけるお金が、夫婦間の諍いの理由になるって話もよく聞きますし。
聞くのが怖くはありましたが、これも機会です。
今回は妻に「私がS15を維持しているのをどう思っているか」を聞いてみました。
■妻もまた、助手席でカーライフの苦楽をともにしてきた
交際当初、すでに私はS15を所有していました。
当時の妻の言動から「(私がS15に対して)特別な思い入れは持っておらず、古くなったら乗り換えるだろう」と、思っていたようです。
結婚から3年でS15の所有年数が10年を越え、それでも私が乗り続けているのを見て「日産車が好きで、乗り換えないのは後継となるクルマ(S16以降)が出ないからだろう」と、考えていたそう。
さて、問題はそこから。
一緒に出かける直前になってエンジンが始動しない。
走行中にエンジンが停止し、ヒヤリとさせられる。
出先でクルマが動かなくなり、レッカー到着まで途方に暮れる。
夏場にエアコンが故障し、熱中症を起こす等々……。
この10年間、普通なら「さっさと買い換えろ」と詰められてもおかしくない事態に、幾度も妻を巻き込みました。くわえて少なくない経済的な負担をかけ続けています。
文字にすると、自分の妻ながら本当によく認めてくれているよね。
やっぱり聞かない方がいいかな。藪の中の蛇を突きたくないなぁ……。
■日頃から家事とか、自分のやれることをやっておくことが、旧車を維持する秘訣?
単刀直入に聞くけど、S15を買い換えて欲しいって思ってる?
「いや、買い換えてもお金がかかるし、そうは思ってないよ。最近のクルマはフワフワしてフラフラするから苦手だし」
妻の母(私からみて義母)はスポーツカーが好きで、かつてはホンダのS600、新しいところだとコペンといった、ハイカラなカーライフを送ってこられた方。
その影響でしょう。妻もがっしりしたサスペンションに低重心のクルマの方が、乗っていて安心するそうです。
でも、クルマが新しい方がトラブル知らずで安心して乗れるよ。
「別に心配しながらクルマ(S15)に乗ってないよ。止まったら、止まっただし、故障があったら都度、直しているし」
理解と懐の深さに涙が出そう。
維持になにかとお金がかかることはどう思う?
「こちらも送り迎えとかしてもらってるからね、そこまで負い目を感じなくていいよ。さっきもいったけど、今のクルマって高いからね。同じくらいかかるんだったら、好きなクルマに乗ってなよ」
正確には「今のクルマが高い」じゃなく「日本の賃金が安い」だと思うのですが、今は口にしないでおきます。
「旦那、お酒も飲まないしタバコも吸わないじゃない。お金を使っているのクルマくらいでしょ。家事もやってくれてるし、そこで趣味を取り上げちゃうほど鬼じゃないよ」
ありがたいお言葉。
やっぱり日頃から家事とか自分のやれることをやっておくことが、こっちの無理を聞いてもらう秘訣な気がします。
「けどギリギリのラインだからね。出費どうこうよりも、旦那は頑張って収入をあげること。安い仕事を引き受けると、高いお仕事が逃げていくよ。なにより、高いお金を払ってくれるところに悪いでしょ! あとねぇ……」
あー、うー。やっぱりお説教の流れですか……。
私の収入はともかく、あらためて妻の理解あってこそ、S15を維持できているのだと知ることができました。
今後も理解を得続けられるように努め、クルマが原因で不仲になることだけは起こさないよう、気をつけたいと思います。
旧車オーナーだけでなく、縁の下の力持ちである配偶者に話を聞くのも、面白そうですよね。
もしお話を聞かせてもらえる方がいらっしゃったら、編集部までご連絡をお願いします。
後々、もめごとにならないよう、ちゃんと夫婦間で同意しておいてくださいね!
[ライター・撮影/糸井賢一]