S2000を高く売りたいけれど、「具体的なリセールバリューがわからない」「どの店舗へ査定に出すべきか悩んでいる」といった方は多いでしょう。また、リセールバリューを理解していても、高く売るためのポイントを把握しておかなければ、価値に見合った査定額を提示してもらえない可能性があります。
今回は、S2000の買取相場やリセールバリューが高い理由や高く売るためのポイントなどについて詳しく解説します。
S2000とは
S2000は、ホンダが1999年4月に創立50周年記念モデルとして発売した2シーターのオープンスポーツカーです。2009年6月の生産終了までに、国内で約2万台、全世界で約11万台を販売し、現在もホンダのスポーツカーを象徴するモデルとして高い人気を誇ります。
S2000の特徴の1つに、ストイックな設計思想があります。初期型に搭載されている2L「F20C型」エンジン(最高出力:250ps/8,300rpm、最大トルク:22.2kgm/7,500rpm、最大許容回転数:9,000rpm)は、当時のNAエンジンとしては世界最高レベルの性能を誇りました。
後期型には2.2L「F22C型」エンジン(最高出力:242PS/7,800rpm、最大トルク:22.5kgm/6,500〜7,500rpm)を搭載。低・中回転域からのトルクを向上させ、日常使いに適した乗り味へと進化しました。
また、電動ソフトトップにより手軽にオープンドライブを楽しめる点も魅力です。運転性能や付加価値の高さに定評があるS2000ですが、「ハイXボーンフレーム構造」の採用により、高い剛性と衝突安全性も兼ね揃えています。
S2000はスポーツカーとしての走行性能と日常的な使いやすさを両立させた、ホンダの技術力の結晶といえるでしょう。
S2000の買取相場
S2000の買取相場は、モデルやグレード、製造年によって大きく異なります。ここでは、前期型モデルのAP1と後期型モデルのAP2に分けて、それぞれの買取相場を詳しく解説します。
AP1
AP1は、1999年から2005年まで製造販売されたS2000の前期モデルです。「ネオ・クラシックカー」に位置付けられ、多くのS2000ファンから根強い人気があります。AP1はさらに前期・中期・後期に分類されます。それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
前期
前期モデルは、ベースグレードと2000年に追加設定されたタイプVが該当します。このモデルの特徴は、可変ギアレシオステアリング(VGS)と、D型の専用ステアリングホイールが採用されている点です。買取相場は両グレードとも〜250万円程度です。
中期
中期モデルは、2001年9月から2003年10月までの2年間に製造されたものです。リアウィンドウにタイマー付き熱線入りガラス製幌が導入され、後方の視界がよりクリアになりました。
また、フロントガラス周りのカラーリングが変更され、2002年には特別仕様車のジオーレが追加設定されました。中期モデルの買取相場は〜270万円程度です。
後期
後期モデルは、2003年10月から2005年11月までに販売されたものが該当します。ベースグレードとタイプVの2種類があります。中期からの主な変更点として、ホイールサイズが16インチから17インチになり、フロントヘッドライトとリアコンビネーションランプ、前後バンパーのデザインも刷新されました。
また、フロントとリアのサイドフレームをつなぐパフォーマンスロッドが追加され、ボディ剛性がアップしています。どちらのグレードも買取相場は〜300万円程度です。
AP2
AP2はS2000の後期モデルで、AP1では2Lだったエンジンが2.2Lに変更され、さらに人気が高まりました。AP2もまた、前期と後期に分けられます。それぞれ詳しくみていきましょう。
前期
AP2の前期モデルは、2005年11月から2007年10月までに販売されたものが該当します。グレードは、ベースグレードとタイプVの2種類です。
電子制御スロットルDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)が採用され、アクセルフィールがより自然なものになりました。買取相場はどちらのグレードも〜350万円程度です。
後期
AP2の後期モデルは、2007年10月から2009年6月までに販売されたものが該当します。グレードは、ベースグレードとタイプSの2種類です。全タイプにクルマの挙動を安定させるVSA(Vehicle Stability Assist)を標準装備し、走行時の安全性がより高まりました。
タイプSは、専用装備を数多くもつ、それまでのモデルとは一線を画す外観のグレードです。専用のフロントスポイラーと大型リアスポイラーが装着され、ガイザーシルバー・メタリックに塗装されたアルミホイールが装備されています。また、専用装備は見た目を充実させるだけにとどまらず、空力性能やステアリングの応答性も向上させました。
買取相場は、ベースグレードが〜350万円程度、タイプSが〜450万円程度となっています。
S2000のリセールバリューが高い理由
S2000は、発売から20年以上経った現在でも高いリセールバリューを維持しています。その理由について詳しくみていきましょう。
高い性能と独自性により根強いファンがいる
S2000のリセールバリューを支える大きな要因の1つは、その卓越した性能と独自性です。
S2000の性能の代表格といえば、高回転型エンジンでしょう。AP1に搭載された2L直列4気筒DOHC VTECエンジン「F20C型」は、9,000rpmという驚異的な回転数を誇る超高回転型エンジンです。自然吸気でありながら250psを発生し、1990年代最強ともいわれていました。
AP2では2.2Lエンジンの「F22C型」に変更され、最高回転数は8,000rpmに引き下げられましたが、低・中回転域のトルクが向上し、より扱いやすいエンジンになりました。特に前期型は、玄人好みのエンジン特性から、今もなお多くのファンを魅了し続けています。
また、ホンダのSシリーズの伝統を引き継いだFRオープンモデルとしての独自性も、中古車市場で高く評価されています。
流通台数が少なく販売期間も短い
S2000のリセールバリューが高い理由の2つ目は、その希少性にあります。S2000は、1999年4月から2009年6月までの約10年間と、販売期間が比較的短いクルマです。
販売期間中の国内累計販売台数は約2万台、全世界累計販売台数は約11万台にとどまりました。スポーツカーとしての販売台数としては、決して多いとはいえません。
中古車市場において、流通台数の少なさや販売期間の短さは、クルマの希少性を高める要因となります。
つまり、高性能で独自性のあるスポーツカーであることに加え、限られた台数しか生産されなかったことが、S2000の価値を長期にわたって保ち続けている大きな理由といえるでしょう。
S2000を高く売る方法
S2000は高性能スポーツカーとして知られていますが、その価値を維持し、高く売るためには適切な管理が欠かせません。ここでは、S2000を高く売るための効果的な方法を紹介します。
こまめなメンテナンスを欠かさない
S2000は高性能スポーツカーの部類に入るため、一般的な車輌よりもきめ細かなメンテナンスが必要です。特に、S2000の心臓部であるエンジンは細心の注意が必要です。
特にAP1は、シリンダーとピストンリングの間に隙間ができやすく、オイルがガソリンと一緒に燃焼してしまうことにより、エンジンのオイル消費が多いモデルです。
このような高回転型エンジンの特性を理解したうえで、オイル交換やオイル量のチェックなど、適切なメンテナンスを行うことがエンジンのコンディション維持につながります。
▼S2000のエンジンのメンテナンスについて、以下の記事でオーナーの実体験を紹介しています。
16年目・25万キロ超え。愛車ホンダ S2000のエンジンをリフレッシュ
また、S2000の特徴の1つである電動オープンカーの幌も、査定で注目される部分です。幌は雨風や紫外線で劣化しやすく、ひび割れや雨漏りの原因になることもあるため、定期的なクリーニングや撥水処理などのメンテナンスを行いましょう。
さらに、S2000ならではの性能を活かしてスポーツ走行を行った場合、サスペンションやブレーキなどの足回りにも負荷がかかりやすくなります。これらの部品も定期的な点検と適切なメンテナンスが必要です。
こまめなメンテナンスによってS2000の性能と外観を最良の状態に保つことで、高値での売却を実現できるでしょう。
点検記録簿を残しておく
点検記録簿を残しておくことは、S2000に限らず、どの車種でも高額査定につながりやすい方法です。点検記録簿によってメンテナンスの履歴を証明することで、車輌状態の信頼性が高まります。同時に、クルマを大切に扱ってきたことも証明できるため、心象もよくなるでしょう。
S2000の売却は旧車王へご相談ください
S2000の売却をお考えの方は、ぜひ旧車王へご相談ください。S2000は、エンジン性能やオープンカーとしての特徴など、クルマとしての魅力が豊富です。多くのファンに支持され続けているS2000は、発売から長い年月が経過した今でも高いリセールバリューを誇っています。
そのような価値あるクルマだからこそ、できるだけ高く買い取ってもらいたいという方は多いでしょう。旧車王では、新車から10年以上経過した旧車を専門に取り扱っています。S2000の買取実績も多く、価値を十分に理解した鑑定が可能です。
また、全国無料で出張鑑定に対応しています。鑑定のためにクルマを移動させる必要がなく、走行距離が変わってしまう心配もありません。S2000の売却をお考えの方は、ぜひ旧車王までお気軽にご相談ください。