車についてしまった傷やへこみは板金修理で元に戻せる可能性があります。修理には高い技術が必要となり、板金修理を依頼する業者選びも大切です。この記事では、板金修理について、また修理すべきケースや業者の特徴について解説します。
車の板金修理とは
板金修理とは、パーツなどを交換せずに車についた傷やへこみを、叩いたり引っ張ったりして元の状態に戻す作業のことです。車に乗っていると事故などにより車体に傷やへこみができてしまうことがあります。
車に傷やへこみができてそのままにしておくと、見た目が悪いのはもちろんのこと、傷やへこんだ部分が錆びてしまい雨漏りなどを引き起こすこともあるため、なるべく早く板金修理を依頼しましょう。
また、パーツを交換せずに元の状態に戻すには、優れた修理技術が必要です。元の綺麗な状態に戻したい場合は、実績が豊富で信頼できる業者に依頼しましょう。
車の板金修理を行うケース
車の板金修理を行うべきケースは以下の3点です。
・浅いひっかき傷
・こすり傷
・へこみ傷
それぞれ、詳しく解説します。
浅いひっかき傷
事故を起こしたり、何かにぶつけたりしていなくても車には傷がつくことがあります。走行中気づかない間に木や枝に触れてしまったり、ドアを開ける時に時計などのアクセサリーが当たってしまったりした場合にもひっかき傷ができます。
板金修理では、こうした浅いひっかき傷も直すことが可能です。細かいひっかき傷であれば、傷消し用の研磨剤を使用して自分で直すこともできますが、離れて見てもわかるくらいの目立つ傷であれば板金修理を依頼することをおすすめします。
こすり傷
ガードレールや電柱に当たってしまった場合にはひっかき傷に比べて大きなこすり傷ができてしまうことがあります。こすり傷は、傷のつく範囲が大きいだけでなく、ひっかき傷より深い傷になってしまうことも多く、自分で直すことは難しい場合も多いため、板金修理で直すことをおすすめします。
へこみ傷
事故などでどこかにぶつけてしまった場合、大きなへこみ傷ができることがあります。へこみ傷となれば塗装が剥がれてしまうだけでなく、車体が大きく歪んでしまうこともあり、なかなか自分では直すことができません。
大きなへこみをそのままにして走行していると錆びや雨漏りの原因にもなるため、へこみ傷ができた場合にはすぐに板金修理を依頼しましょう。
車の板金修理の流れ
板金修理とは、パーツなどを使用せずに元の状態に戻す修理方法ですが、傷のつき方によって修理の流れは異なります。以下、傷別に板金修理の流れについて解説します。
浅いひっかき傷、こすりの場合
1. 傷のある場所を見て、傷の深さや大きさを確認
2. 傷部分を綺麗に拭き、やすりで削りなめらかにする
3. 削った部分を綺麗に拭き、下地を塗布
4. 下地を平らに削り、塗装用の足つけをする
5. 車体と同じカラーで塗装する
へこみ傷の場合
1. へこみのある場所を見て、へこみの深さや大きさを確認する
2. へこみ部分を綺麗に拭き、やすりで削り塗装を剥がす
3. 半田ごてなどの専用の工具を使用し、へこみ部分を本来より少し低めになるように引っ張る(裏から叩くこともあります)
4. 引っ張った部分をやすりで削り、その部分をパテで埋める
5. パテを削り、本来の形に近づける
6. 平らになったら、車体と同じカラーで塗装する
板金修理の依頼先
板金修理は主に以下の3つの業者が対応できます。
・整備工場
・ディーラー
・カー用品店
それぞれの特徴について詳しく解説します。
整備工場
整備工場は、その名のとおり車の整備を主に扱っているため、板金修理も数多くこなしています。町の整備工場などは都会以外にも存在しており、わざわざ遠くに行かなくても依頼できることもあります。
また、業者に直接依頼をする形のため、ディーラーと比べて費用が安く済む傾向があります。ただし、技術力はピンキリのため、口コミや評判を確認してうえで依頼先を決めましょう。
ディーラー
車を購入したディーラーでも板金修理を依頼できます。車のことで困ったことがあればまずはディーラーに相談するという方も多くいます。日頃から車に関する相談をしていて信頼関係が築けていると板金修理も依頼しやすいでしょう。
ただし、ディーラーによっては自社工場を持っておらず、板金修理などは外部に依頼しているところもあります。そういった場合、手数料などが発生することもあるため、費用は事前に確認ください。
カー用品店
車のタイヤやパーツなどを販売しているカー用品店でも板金修理を取り扱っているところがあります。お店によっては年中無休や長時間営業をしているため、早く修理したい場合に依頼先の候補にしましょう。
板金修理は自分でできる?
板金修理には高い技術が必要です。へこんだ部分を裏から叩ける場所であれば、自分で板金修理することも可能ですが、やはり自分で元通りの見た目に戻すことは難しいでしょう。
また、場所によってはパーツを一旦取り外して作業を行うこともあります。パーツを外したものの取り付けできなくなるということもあるため、本格的な板金修理を自分ですることはおすすめしません。
さらに中途半端に自分で作業をした場合、業者に依頼をした時にかえって費用がかかってしまうこともあるため、注意しましょう。板金修理は信頼できる業者に依頼することをおすすめします。
車の板金修理にかかる費用・期間
板金修理にかかる費用は、傷の大きさや深さ、場所によってさまざまですが、おおよその費用は数万円〜十数万円です。小さなかすり傷であれば1〜5万円程度、ボンネットやドアの板金であれば、5〜10万円程度です。これはあくまでの目安のため、実際に板金修理を受ける際は事前に費用を確認しましょう。
また、傷の大きさや深さ、場所によって板金修理にかかる期間も異なります。小さな傷であれば即日修理してくれるところもありますが、長ければ数週間かかることもあります。通勤などで毎日車を利用している方は、事前に修理期間を確認しておき、また必要であれば代車の手配も早めに行っておきましょう。
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