シルビアといえば日産を代表するコンパクトなクーペモデルです。2ドアクーペモデルのデートカーとして爆発的人気を得たS13から一変し、S14型はボディサイズが拡大しパワーアップしました。発売当初は大型化によりS13型のような軽快感が失われたことで人気に陰りがありましたが、空前の国産旧車スポーツカーブームでS14型も現代の中古市場を賑わせています。しかし、購入しようと思っても約30年前にデビューしたクルマのため「古いクルマは維持費が大変そう……」と心配の方も多いですよね。そこでこの記事ではS14型シルビアにかかる維持費について解説いたします。
S14型シルビアの特徴
S14型シルビアは爆発的に売れたS13型シルビアの後継モデルです。当時のクルマはボディサイズがどんどん大きくなっていましたが、スポーツカーでは小さいほうが好まれました。S14型シルビアもボディが大型化したために人気が低迷。ガソリンはハイオク限定で維持費がかさんだことも一般市場での人気が伸び悩んだ理由の一つです。
しかし、近年の国産スポーツカーブームによってS14型シルビアに注目が集まっています。当時のクラシカルなデザイン、そして発売当初は不評だった大きなボディサイズも居住性の高さを見いだされ、S14ならではの魅力として車好きの心を掴んでいます。
S14型シルビア維持費の内訳
ここからS14型シルビアの維持費について、5項目に分けて解説します。
燃料代
まずはエンジンタイプ別に燃費を見ていきましょう。
直列4気筒 2.0L NA:10.0~12.0km/リットル
直列4気筒 2.0L ターボ:9.2~11.4km/リットル
10.15モードのカタログ燃費で比較しました。実燃費はそれぞれカタログ値より2kmほど低くなる場合が多いといわれています。
それでは実際にいくらかかるのか金額をシミュレーションしていきましょう。人気のあった2.0リットルターボのMTモデルに計算します。
通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンは約105リットル使用(*1)し燃料代は18,094円(*2)かかります。この条件で1年間走行した場合は、217,136円(*2)です。
*1 燃費は9.5km/リットルで算出(実燃費)
*2 2023年4月4日のハイオクガソリン1リットル当たりの平均価格171.9円で算出
自動車税
2023年4月現在、1.5リットル超~2.0リットル以下(自家用)の自動車税は39,500円/年です。S14型シルビアは最終モデルが1998年に発売されており、車齢が13年を超えます。そのため、自動車税は重課税され45,400円かかります。旧車の場合新車の自動車税と比較すると1年で5,900円も高くなってしまうのです。
任意保険
S14型シルビアの任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。
<条件>
年齢:30歳
等級:6E
使用目的:通勤・通学
運転者:本人限定
<補償内容>
対人賠償(1名につき):無制限
対物賠償(1事故につき):無制限
人身傷害:あり(車内のみ補償)
人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円
入院諸費用特約:なし
車両保険:あり
車両保険(保険金額):20万円
免責金額(1回目-2回目以降):5万円~10万円
上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約115,000円/年でした。この金額のうち車両保険は約43,000円です。保険料の3割強を占める金額ですが、補償される金額は20万円。一般的に事故の多いスポーツカーは、どうしても車両保険が高額になってしまいます。
車検
S14型シルビアの車検代について見ていきましょう。
<ディーラー車検の場合>
自賠責保険:17,650円(24ヶ月)
自動車重量税:37,800円(24ヶ月)※初年度登録から18年経過で算出
印紙代:2,300円
車検料:60,000円
合計:117,750円
※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します
S14型シルビアは、重量税が1.0トン超~1.5トン以下に区分されます。同区分の一般的な現行モデルの重量税は24,600円ですが、初年度登録から18年以上経過した個体は2段階の重課税により37,800円かかります。また、古いクルマは故障が多く交換部品や整備が必要なことが予想されるため車検代は高額になる可能性があります。
メンテナンス費用
最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。S14型シルビアのメンテナンスについては下記の費用がかかります。
・洗車代
・ワイパーゴム交換代
・ウォッシャー液交換代
・冷却水補充代
・エアコンフィルター交換代
・ヘッドライト交換代
・エンジンオイル交換代
・オイルフィルター交換代
・ブレーキオイル交換代
・エアクリーナー交換代
1年間でこれらの費用が発生します。高く見積もって5万円ほどを見込んでおけば良いでしょう。S14型シルビアのタイヤ交換が発生する場合はスポーツタイヤを購入する必要があるため追加で10万円以上かかるケースもあります。
S14型シルビア年間維持費はいくら?
維持費の内訳を見てきましたが、S14型シルビアの場合、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。
<自家用車登録のS14型シルビア年間維持費>
燃料代:217,136円
自動車税:45,400円
任意保険:115,000円
車検:58,875円(2年ごとにかかる費用の半分)
メンテナンス費:50,000円
合計:486,411円
月額では40,000円ほどかかります。通勤で使用しない場合は燃料代と任意保険料を下げられるでしょう。
また、ローンで購入するとさらに月々の返済が発生するほか、月極駐車場を契約する場合は別途駐車場代が毎月かかります。
S14型シルビアの維持費が高いと思った時の対処法
古いクルマは、自動車税と重量税の負担が大きいために維持費がかさんでしまいます。また、あちこちの故障や傷みが目立ってきやすく、修理や整備費用が跳ね上がる場合もあるでしょう。
S14型シルビアの維持費が高いと思ったら、手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないと言われていましたが、かつてのスポーツカーの人気が再燃しており、過走行でも高く売却できる可能性があります。
※2023年4月4日時点のデータです
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