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季節の変化に応じて夏タイヤと冬タイヤを使い分ける場合、交換したタイヤは適切に保管する必要があります。タイヤはゴム製品なので保管環境によって、ひび割れなどの劣化が進行しやすい性質があるからです。この記事では、季節の変わり目に交換した夏タイヤや、スタッドレスタイヤの正しい保管方法について、詳しく解説します。
スタッドレスタイヤの保管場所の条件
スタッドレスタイヤを適切に保管するために、まずは適切な保管場所を選ぶ必要があります。タイヤの保管場所としては屋内の方が望ましいのですが、屋外で保管しなければならない方もいらっしゃるでしょう。ここからは屋内に保管する場合と屋外に保管する場合に分けて、詳しく説明します。
風通しがいい冷暗所
屋内で保管するなら、風通しがいい冷暗所を選びましょう。タイヤは熱と直射日光によって劣化が進行しやすくなります。風通しがよくて熱がこもらず、直射日光を受けない場所で保管してください。
直射日光が当たらない屋外
屋外で保管するなら、直射日光が当たらない場所を選びましょう。建物の北側で常に日陰になる場所などがおすすめです。またタイヤには雨がかからないようにしましょう。軒先などの雨を凌げる場所を選ぶか、タイヤケースやタイヤカバーを使う方法があります。タイヤケースやタイヤカバーは、ホームセンターやカー用品店で、1,000〜2,000円程度で入手可能です。
スタッドレスタイヤの保管方法
スタッドレスタイヤの保管場所が決まったら、適切な保管方法について確認しましょう。スタッドレスタイヤはゴム製品なので、不適切な置き方で長期間放置しておくと、変形してしまう恐れがあります。
空気を少しだけ抜く
スタッドレスタイヤをホイール付きで保管するなら、空気を少しだけ抜くようにしましょう。空気圧を下げることによって、空気圧からタイヤが受けるストレスを低減させます。空気圧は、適正値の半分程度が目安です。
立てて保管する
スタッドレスタイヤをホイールから外してタイヤ単体で保管するなら、タイヤは立てて保管しましょう。横積みにすると、タイヤサイドがタイヤの重さを受け続けることによって変形してしまう恐れがあります。縦置きのタイヤラックを使うと、タイヤを立てることができるだけでなく、タイヤの重さを受ける部分が2箇所に分散し、負担を軽減させることにもつながります。
ホイール付きの場合は横に寝かせる
スタッドレスタイヤをホイール付きで保管する場合には、タイヤは横に寝かせて置きましょう。タイヤを立てた状態で長期保管すると、タイヤの接地面にはタイヤ自体の重さと、ホイールの重さが常時かかり続け、フラットスポットという部分的な変形が発生することがあります。また横に寝かせる際には、タイヤのサイドウォールやホイールへの傷つき防止、床面の変色を防止するためにも、厚めの段ボールなどを敷くようにしましょう。
カバーをかけて汚れを防ぐ
先に屋外で保管する場合には、タイヤケースやタイヤカバーを使うことを紹介しました。屋内で保管する場合でも、カバーをかけて汚れや埃の付着を防ぎましょう。カバーすることによって、タイヤのゴムに含まれる油分の揮発を抑制し、ひび割れなどの進行を遅らせることにも繋がります。ただし熱がこもってしまわないように注意しましょう。カバーは専用品でなくとも、ビニールやストレッチフィルムなどでも構いません。
スタッドレスタイヤの間違った保管方法
スタッドレスタイヤを保管する上で、避けるべき注意点があります。間違った保管方法について3つご説明します。
高湿度・直射日光の環境
スタッドレスタイヤは、高湿度や直射日光が当たる環境では保管しないようにしましょう。高い湿度も直射日光も、タイヤのゴムを劣化させてひび割れの発生につながります。なるべく風通しがいい冷暗所を選びましょう。
洗わずに長期保管する
スタッドレスタイヤを洗わずに長期保管することも、タイヤの劣化に繋がります。タイヤの使用によって付着した泥や化学成分などによって、ゴムの劣化が促進される恐れがあるからです。スタッドレスタイヤを長期保管する際には、必ず洗うようにしましょう。
タイヤワックスを直前に使用する
スタッドレスタイヤを保管する直前に、タイヤワックスを使用することは避けましょう。タイヤワックスはタイヤの艶を出すためのものであり、タイヤの劣化を防止する機能はありません。タイヤワックスには油性と水性のものがありますが、油性製品の一部にはタイヤの劣化を促進させる成分が含まれているものもあります。
スタッドレスタイヤを保管する前のケア
スタッドレスタイヤを良い状態で保管するためには、保管前のケアも重要です。具体的には丁寧に水洗いした上で、十分に乾燥させましょう。これまでに解説してきたとおり、保管するスタッドレスタイヤに汚れやタイヤワックスが残っていると、ゴムの劣化が促進する可能性があります。水洗いでは洗剤を使いたくなるかもしれませんが、洗剤に含まれる成分もゴムを劣化させる可能性があるため、洗剤の使用は極力最小限にし、最後は水で十分に洗いましょう。
スタッドレスタイヤを保管ではなく破棄した方がよいケース
冬季に使用したスタッドレスタイヤは、次の冬に備えて保管の準備をする前に、破棄した方がよいケースもあります。 スタッドレスタイヤを保管する前のチェックを行い、保管するのか破棄するのか判断してください。チェックする内容は以下のとおりです。
50%以上摩耗している
スタッドレスタイヤの保管前のチェックとして、まずは溝の摩耗を確認しましょう。自動車用のタイヤは、道路輸送車両の保安基準第9条という法律によって、タイヤの使用限度は残り溝1.6mmと定められています。ただしスタッドレスタイヤでは、滑り止め効果を維持するために、50%以上の摩耗をしたタイヤの使用を禁止している県もあります。多くのタイヤメーカーでも、スタッドレスタイヤの使用限度を「溝深さ50%まで」としています。
プラットホームの露出がある
上記の50%以上の摩耗を判断するために、プラットホームの露出について確認しましょう。スタッドレスタイヤのプラットホームとは、スタッドレスタイヤの溝の摩耗を判断するために付けられた、溝部分の突起のことです。プラットホームの原理は、夏用タイヤにも設けられているスリップサインと同様と考えて構いません。プラットフォームが露出したら、このタイヤは使用限度に達したと判断しましょう。
なおスタッドレスタイヤには、プラットホームとスリップサインの両方が設けられています。冬用タイヤとして使う場合には、プラットホームの露出を確認しましょう。
ひどくひび割れている
スタッドレスタイヤの表面がひどくひび割れていたら、タイヤは保管ではなく破棄しましょう。タイヤのヒビ割れは溝底やサイドウォールに発生します。いずれもタイヤがヒビ割れしたまま走行を続けると、バーストという走行中にタイヤが突然破裂する事故になりかねません。
変形している
タイヤの変形とは、タイヤ側面の局部的な膨らみや、タイヤ接地面の局部的な平坦形状を指します。
タイヤの側面部分の局部的な変形は、タイヤを縁石などにぶつけてしまったために、内部のコードが切れて発生します。コードが切れれば、空気圧や路面からの衝撃にタイヤが耐えられなくなります。
タイヤの接地面の変形は、空気圧が不適切なまま使用した場合の偏摩耗や、急ブレーキが多く使われた場合に発生する変形などが挙げられます。いずれの現象も修復はできず、交換するしかありません。
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