先日、群馬県邑楽郡で開催された「OURA86 meets 2022」の模様を取材してきた。
現在、鋭意原稿をまとめているところだ。
当日の予報は雨。
しかも、台風14号が接近しているという、開催するかどうか難しい判断が迫られるイベントだったように思う。
イベントの案内には「雨天決行(荒天の場合は途中で中止)」とあったので、主催者は「基本的には開催しまっせ」という心づもりなんだろうなと思っていた。
事実、前日夜に公式Twitterにアップされた内容に目を通す限り「中止」するつもりは毛頭ないらしい。
文字どおり「雨天決行」になりそうだ。
果たしてイベント当日、開演の30分前、午前9時30分に会場に到着。
奇跡的に現地は曇り。
雨は降っていなかった。
千載一遇のチャンスとばかりに、大急ぎで参加車両を撮りまくった。
それは他のギャラリーや取材者の方たちも同じようで、夢中で展示されているハチロクを撮影していた。
つまり、みんなもうすぐ雨が降ってくることを想定していたわけだ。
最近はスマホを片手にじっくりと動画を撮影する人(おそらく自身のYouTubeチャンネルに公開するのだろう)が増えてきたので、うっかりすると自分が見切れてしまったり、お互いによそ見をしていてぶつかってしまうこともある。
気をつけなければ。
だがしかし・・・あるていど覚悟はしていたが、撮影開始から1時間も経たないうちに本降りの雨が降ってきた。
当日の靴はレインブーツ、カメラにレインカバーを被せ、自分自身もレインコートを着て撮影続行。
傘片手に撮影なんてできっこないのは分かっていたので、あらかじめ用意しておいて正解だった。
とはいえ、周囲を見回しても、こんな格好で撮影している人なんて1人もいない。
端から見れば、雨ガッパにカメラカバーの重装備で寝そべって撮影しているなんて自分くらいなものだ(笑)。
重度のハチロクマニアに思われるだろうが、そんなことはもはやどうでもいい。
大事なのは撮れ高だ。
こうして3〜4時間、ぶっ続けで撮影して一息入れたころには、レインコートやレインブーツも用をなさない。
カメラ以外、何もかもずぶ濡れだった。
まぁ、どうにか撮れ高を確保できたので良しとしよう。
受付の方に挨拶を済ませて帰路についた。
ひとつ気になったのは、手塩に掛けて面倒をみてきた愛車がずぶ濡れになってしまったことをオーナーさんがどう思っているか、なのだが・・・(それを承知でエントリーしてきたのだと思うが)。
前にもどこかで書いたかもしれないが、オーナーインタビュー当日、雨の予報だった場合は基本的に延期としている。
たとえ晴れていても、路面がウェットの状態で愛車を走らせるのを嫌うオーナーさんもいるので、相談のうえ、延期にする場合もある。
さらに古いクルマだと、冬場だと残雪があったりして、塩カルを嫌うオーナーさんもいるし、海沿いでの撮影を避けて欲しいという方もいる。
錆を気にしているからだ。
「えー!そこまで気にするのかよ!?」と思うかもしれないが、自分の感覚では珍しいことではない。
それくらい気にしてやっと取材がスムーズに進むイメージがある。
もちろん、なかには旧車だろうが、日本に1台しか存在しないような貴重なクルマのオーナーさんであろうが「雨や台風なんてそもそも気にしない」という人もいる。
クルマなんだから走ってナンボ、汚れても気にしないというわけだ。
クルマ本来の正しい使い方だし、その潔さに敬服する。
とはいえ、春先、梅雨時、そして秋雨と、年間をとおして雨が多い時期は意外と多い。
そうなると、取材延期になることもしばしば。
1、2回延期というのはザラにあるのだが、数年に1度、あるかないかの頻度ではあるけれど「何度も何度も雨天延期になる」ケースがある。
4回とか、5回とか・・・。
そうなると最初の予定日からようやく取材ができるまで数ヶ月後、ということになってしまう。
なかにはオーナーさんがしびれを切らして音信不通になってしまうこともある。
できるだけオーナーさんに嫌な想いをさせないよう努力しているつもりだが、どうにもならないこともあるわけで・・・。
雨で取材が延期になるたび(割と確率が高い気がする)、ドラえもん34巻に登場する「雨男晴れ男メーター」で具体的な数値を計測してもらって真実を明かしてほしいと思ってしまう。
ちなみに、各キャラクターの計測結果は(プラスが晴れ/マイナスが雨)
・ドラえもん:プラス1.5
・のび太:マイナス2.0
・のび太のパパ:マイナス8.5
・しずかちゃん:プラス9
・スネ夫:マイナス7
・ジャイアン:プラス10
・・・とのことだ。
ジャイアンプラス10!!おそるべし!究極の晴れ男だ。
しずかちゃんもプラス9なのでかなりの晴れ女!
ジャイアンだと面倒くさそうだから、毎回しずかちゃんに取材同行をお願いしようかなと思ったり。
余談:
旧車オーナーが雨を嫌う理由は錆以外にもある。
それはエアコンだ。
エアコンレスのクルマだと、雨の日は窓の内側が曇ってしまう。
雨に濡れるわ、窓ガラスは曇るわ、錆は進行するわ・・・のまさに「三重苦」。
信号待ちのたびにタオルで拭き取ることになるのだが、これがけっこうな「苦行」なのだ。
[ライター・撮影/松村透]