スーパーチャージャーの仕組みとは? ターボとの違いも含めて詳しく解説

目次
1.エンジンに空気を詰め込むスーパーチャージャー 2.さまざまなモデルに使われるスーパーチャージャー 3.スーパーチャージャーモデルは人気が高い

排気量の小さいエンジンでも、絶大なパワーとトルクを得られるスーパーチャージャー。過給器といえばターボが有名ですが、実はターボにはない魅力がスーパーチャージャーに詰まっています。一方で、最近では搭載車がほとんどなくなったこともあり、詳しい仕組みを知らない方も少なくありません。

そこで今回は、スーパーチャージャーの基本的な仕組みやメリット・デメリット、さらにターボとの違いまで詳しく解説します。

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

エンジンに空気を詰め込むスーパーチャージャー

スーパーチャージャーとは、圧縮した空気(酸素)をエンジンに送り込んでより高い出力を発生させるための装置です。圧縮して送り込むことで、自然吸気よりも大量の空気をエンジンに取り込みます。

空気量が増えるとエンジン出力が上がる理屈とともに、スーパーチャージャーの仕組みを詳しくみていきましょう。

過給機でエンジンパワーを上げる

空気(酸素)と燃料の混合気に着火した際の爆発力が、エンジンパワーにつながります。混合気の量を増やせば当然爆発力が上がりますが、自然吸気ではシリンダーの容積以上には空気を吸い込めません。

そこで、空気を圧縮してシリンダーの容積以上の量を送り込むために開発された装置が、スーパーチャージャーをはじめとする過給器です。例えば、わかりやすく単純化した計算ではありますが、1気筒400ccの4気筒1.6Lエンジンに600cc×4の圧縮した空気を送り込めば実質2.4L相当のパワーとトルクを得られます。

過給のためにエンジンの動力を使うスーパーチャージャー

空気を圧縮するためには、何らかの動力源が必要です。スーパーチャージャーでは、ベルトなどを通じて伝達したエンジンの回転そのものを動力源に空気を圧縮します。

スーパーチャージャーの仕組みにはいくつかありますが、代表的な方式はルーツ式と遠心式の2種類です。ルーツ式は古くから多くの車種で採用されてきた方式で、2組の2葉〜4葉のねじりローターを回転させて空気を送り込みます。

一方、遠心式はカスタムパーツとして最近注目されている方式です。後述するターボのようにタービンを回転させて空気を圧縮します。プーリーの回転力が、遠心式スーパーチャージャーの内部ギアで増速され、タービンを回します。全体にコンパクトに設計でき、ルーツ式で発生する空気の脈動がなく静粛性が高い点がメリットです。

スーパーチャージャーのメリット・デメリット

スーパーチャージャーのメリットは、低回転域から過給圧を得られることです。圧縮する動力にエンジンの回転を利用するため、アクセルを踏み込んだ瞬間から高い出力で走り出せます。

一方でデメリットは、エンジンパワーの一部をスーパーチャージャーの駆動に利用するためロスが大きい点です。特に、高回転域ではスーパーチャージャーそのものがエンジンの足かせになって、十分なパワーが得られません。

また、サイズが大きく、重量も重くなる点もスーパーチャージャーの大きなデメリットです。取り付け位置がエンジン上部となり重心が高くなるほか、クルマの前後重量配分にも影響します。

ターボとは過給に使う動力源が違う

ターボ・チャージャー、通称ターボもスーパーチャージャーと同様に過給器の一種です。スーパーチャージャーと大きく異なる点は、空気を圧縮する動力源に排気ガスを使う点です。

ターボでは排気ガスの風圧によってタービンを回し、空気を圧縮します。スーパーチャージャーに比べてコンパクトに設計でき、エンジン出力のロスが少ない点が特徴です。ただし、排気ガスの圧力の低い低回転域では十分に空気を圧縮できない、ターボラグが発生する点が大きなデメリットです。

旧車王バナー旧車王バナー

さまざまなモデルに使われるスーパーチャージャー

ターボに比べてあまり目立たないスーパーチャージャーですが、実は国産車、輸入車問わずさまざまなモデルに採用されています。

スーパーチャージャーは多くのモデルに採用されている

まず、日本国内ではトヨタ AE92、AE101型のレビン/ トレノ、AW11型MR2にスーパーチャージャーモデルが設定されていました。4A-Gの特徴であるレスポンスのよさを活かしたままパワーアップを図るためには、低回転域から過給効果を得られるスーパーチャージャーが最適だったのでしょう。

また、意外なところでは、軽トラックの定番、スバル サンバートラックにもスーパーチャージャーモデルが存在します。

一方で、大排気量エンジンでスーパーチャージャーを採用しているのが、シボレー コルベットZR1(C6)です。LS9型6.2Lのエンジンに、2基のスーパーチャージャーを搭載しています。気になるパワーは、標準車のLS2型6.0Lエンジンの436psに対して647psを発揮、最大トルクは83.5kgmにも達します。大排気量エンジンで犠牲になりがちなレスポンスをスーパーチャージャーで補って、さらにハイパワー化を果たした事例です。

86を始めとするカスタムシーンでも人気

スーパーチャージャーは、後づけで簡単にエンジンパワーを向上させる装置としても定着しています。特にトヨタ 86では、定番カスタムメニューの1つです。トヨタ直系のアフターチューニングメーカーであるTOM'sも、ルーツ式スーパーチャージャーを使用したコンプリートカー「86 Supercharger」を発売しました。

また、近年ではコンパクトで静粛性に優れる遠心式スーパーチャージャーも人気で、アフターパーツメーカーからさまざまな車種に対応したキットも販売されています。

スーパーチャージャーモデルは人気が高い

限られた車種にしか搭載されていないスーパーチャージャーは、同型車の自然吸気モデルよりも人気が高い傾向にあります。車種や状態にも寄りますが、標準車の2倍近い買取価格がつくことも珍しくありません。

ターボ車にはない独特のレスポンスとパワー感を味わえるスーパーチャージャーですが、残念ながら最近発売された車種にはほとんど搭載されていないため、今後さらに希少性が高まるでしょう。

旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!

長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。

画像1 画像2
画像ギャラリー(全2枚)を見る

この記事をシェアする

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して24年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

Web査定申込はこちら

まずは車について気軽に相談したい

LINEで売却相談する

関連する記事

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車市場動向 2024-11-21
初めてでも安心!中古車の名義変更の手順・必要書類・費用を解説

初めてでも安心!中古車の名義変更の手順・必要書類・費用を解説

旧車売買の豆知識 2024-11-21
AE86の価格高騰&値上がりはまだ続く?相場推移や当時の新車価格を解説

AE86の価格高騰&値上がりはまだ続く?相場推移や当時の新車価格を解説

旧車市場動向 2024-11-21
ダットサン フェアレディ(2代目 S310系)は量産国産車初の本格スポーツカー

ダットサン フェアレディ(2代目 S310系)は量産国産車初の本格スポーツカー

旧車の魅力 2024-11-20
車庫証明シール(保管場所標章)は貼らないとダメ?廃止って本当?綺麗に剥がす方法も紹介

車庫証明シール(保管場所標章)は貼らないとダメ?廃止って本当?綺麗に剥がす方法も紹介

旧車売買の豆知識 2024-11-20
車庫証明の取得にかかる費用は?支払い方法や取得の流れも紹介

車庫証明の取得にかかる費用は?支払い方法や取得の流れも紹介

旧車売買の豆知識 2024-11-18
クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

旧車売買の豆知識 2024-11-18
クルマのラジエーターって何?構造・役割・トラブルなどを解説

クルマのラジエーターって何?構造・役割・トラブルなどを解説

旧車売買の豆知識 2024-11-18

記事ランキング

1
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

ライフスタイル 2023-09-14
2
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車売買の豆知識 2024-10-08
3
車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

旧車売買の豆知識 2024-02-02
4
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車メンテナンス 2023-10-18
5
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車売買の豆知識 2024-10-08
6
MT車(マニュアル車)のギアチェンジのコツとは?変速方法について解説

MT車(マニュアル車)のギアチェンジのコツとは?変速方法について解説

旧車売買の豆知識 2024-04-19
7
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車売買の豆知識 2024-08-06
8
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車市場動向 2024-11-21

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ