サーモスタットとは何?交換の必要性やタイミング解説!

目次
1.サーモスタットとは 2.サーモスタットの交換の必要性 3.サーモスタットの交換時期 4.サーモスタットの寿命の見極め方 5.サーモスタットが故障したときの症状 6.サーモスタットの交換方法  7.サーモスタットを自分で交換する方法 8.サーモスタットの交換費用 9.まとめ

「メーターの水温警告灯が赤色になっている」「エアコンから冷たい風しか出ない」といった症状がある場合、サーモスタットが故障しているかもしれません。

サーモスタットとは、エンジンの温度を一定に保つために調整を行っている部品のことです。サーモスタットの異常をそのままにしていると、エンジンが故障して事故やトラブルが起こる可能性があります。

そこで今回は、サーモスタットの概要や交換のタイミングや必要性、交換方法、交換費用について詳しく解説します。

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サーモスタットとは

サーモスタットとは

サーモスタットとは、クルマのエンジンの温度調整を行っている部品のことです。クルマのエンジンにはオーバーヒートを防ぐためにラジエーターや冷却水(クーラント)が取り付けられており、サーモスタットはエンジンを循環する冷却水の温度を検知し、エンジンの状態に合わせてラジエーターに冷却水を送ることで温度を調整します。

エンジンが高温になりすぎると、オーバーヒートを起こして走行不能になるだけでなく、エンジンが故障する恐れもあります。そのため、サーモスタットによるエンジンの温度調整が欠かせません。

クルマのサーモスタットは冷却水の温度によってバルブが開いたり閉じたりする構造のものが多く、温度が低いときはバルブが閉じられます。冷却水の温度が上がってくるとバルブが少しずつ開き、ラジエーターに冷却水を循環させるという仕組みです。

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サーモスタットの交換の必要性

サーモスタットは消耗品のため、年数が経ったら交換が必要です。正常に作動しているときは冷却水の水温を70〜90℃になるように調整しています。しかし、経年劣化でバルブが作動しなくなるとエンジンの適温を保てなくなるため、定期的に新しいものに交換しましょう。

閉じっぱなしの場合はオーバーヒートの原因に

バルブが閉じたままだととラジエーターに冷却水が送られません。その結果、エンジンがオーバーヒートを起こす可能性があります。

オーバーヒートはエンジンの破損につながり、非常に危険です。また、エンジンが故障すると修理費用が高額になるだけでなく、最悪の場合エンジンが炎上したり、爆発したりする可能性があるため、早めに交換しましょう。

開きっぱなしの場合はオーバークールの原因に

バルブが開きっぱなしの場合は冷却水が流れ続けるため、エンジンが温まらない「オーバークール」という現象が起こります。

オーバークールでエンジンが故障することはないものの、クルマの内部にあるコンピューターがエンジンの温度が低いと判断するため、燃料の噴射量が増えて燃費が悪くなるでしょう。

エンジン始動後にエアコンの暖房がなかなか暖まらないときは、オーバークールになっている可能性があるため、サーモスタットの異常が考えられます。

サーモスタットの交換時期

サーモスタットは使用開始から10年または走行距離が約10万㎞を超えた時点で交換するのが一般的です。

これはあくまで目安であって、実際はクルマの使用環境によって異なるため、交換時期はタイミングベルトの交換時期と合わせるのがよいでしょう。

タイミングベルトとはエンジン内部にあるクランクシャフトとカムシャフトを結ぶ部品のことです。タイミングベルトは一般的に走行距離10万㎞が限界といわれており、メーカーごとに交換時期の目安を定めています。

メーカーが定めるタイミングベルトの交換時期が来たときに一緒にサーモスタットも新しくしておくと、エンジンの故障や事故を防げるでしょう。

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サーモスタットの寿命の見極め方

水温計の温度に異常がみられるときはオーバーヒートを起こしている可能性があります。しかし、冷却水が不足している可能性もあるため、まずは冷却水が規定量入っているかを確認しましょう。

リザーバータンクが破損して冷却水が漏れている可能性もあるため、リザーバータンクの残量の確認も必要です。どちらも問題なければ冷却水の量の問題ではないため、サーモスタットに異常があると考えられます。

オーバークールの症状が出ているときは、エアコンの温度を一番高い温度に設定してみて、温風が出るかを確認しましょう。

温風が出ない場合、エンジンルームの中にあるラジエーターホースを触り、熱くなっているかを確認します。このときエンジンルームの他の部品や配管が非常に熱くなっている可能性があるので、他のものには触らないように気をつけましょう。

ラジエーターホースを触ったときに高温になっていれば問題ありませんが、触っても温度が高くなっていない場合はサーモスタットに問題があると判断できます。

サーモスタットが故障したときの症状

サーモスタットが故障すると、どのような症状が現れるのでしょうか。ここでは、サーモスタットが故障したときの代表的な症状を3つ紹介します。

水温計の警告灯が点灯する

サーモスタットが故障すると、水温計の警告灯(赤)が点灯します。サーモスタットが壊れると水温管理ができなくなり、エンジンまわりが高温になるため、警告灯が点灯するのです。

水温計の警告灯(赤)が点灯した場合は、安全な場所にクルマを停めてエンジンが冷えるまで待機しましょう。

エンジンがオーバーヒートする

サーモスタットの故障に気づかず運転を続けると、エンジンがオーバーヒートします。エンジンがオーバーヒートすると、エンジンが故障したり炎上したりする危険性があるため、早めにクルマを停めてエンジンを冷やしましょう。

エアコンから冷たい風しか出ない

エアコンから冷たい風しか出ない場合はサーモスタットが故障している可能性が高いです。また、温かい風しか出ない場合もサーモスタットが故障している可能性があります。つまり、エアコンの温度を変えても出てくる風の温度が変わらない場合は、サーモスタットが故障している可能性が高いということです。

他にも原因はありますが、いずれにしてもエアコンから出てくる風の温度が変わらない場合は一度点検してもらいましょう。

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サーモスタットの交換方法 

サーモスタットは自分で交換する方法と整備工場やディーラーに任せる方法があります。それぞれの方法について詳しくみていきましょう。

自分で交換する

サーモスタットは、手順をしっかり守れば自分で交換することは可能です。交換に必要な部品はホームセンターやカー用品店で購入できます。自分のクルマに適合する部品かどうか確認してから購入しましょう。

整備工場やディーラーに任せる

自分で交換するのが難しい場合や不安なときは整備工場やディーラーに任せましょう。自分で交換するのに比べて部品代に加えて工賃がかかるため費用は高くなりますが、プロの手で交換するため安心感があるでしょう。

整備工場とディーラーではディーラーのほうが費用が高い傾向にあります。また、交換を依頼する際には見積もりを取ってから依頼するとよいでしょう。

サーモスタットを自分で交換する方法

自分で交換する際の交換手順は以下のとおりです。

  1. 1.冷却水を抜く
  2. 2.ラジエーターホースを外す
  3. 3.新しいサーモスタットに交換する
  4. 4.冷却水を入れる
  5. 5.ラジエーターキャップを開けてしばらくアイドリング運転をおこなう
  6. 6.アイドリング運転で減った分の冷却水を補充する
  7. 7.ラジエーターのエア抜きをする
  8. 8.冷却水が規定量入っているか、漏れていないか再度チェックする
  9. 9.ラジエーターキャップを締めて完了

まずはエンジンが冷えているか確かめてから、冷却水を抜きましょう。サーモスタットは、ジグルバルブが上を向くように付けます。取り付け方を間違えると事故を起こす危険があるため、交換するときは手順を守り細心の注意を払いましょう。

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サーモスタットの交換費用

本体は2,000円〜3,000円程度です。交換に必要な部品と冷却水は1,000円〜3,000程度かかるため、自分で交換する場合の費用は3,500円〜7,500円程度です。

ディーラーや整備工場に依頼した場合は車種によって異なりますが、工賃が5,000円前後かかるため、部品代と合わせると1万2,000円前後になるでしょう。

まとめ

今回はサーモスタットの交換について解説しました。

サーモスタットは年月が経てば交換が必要なため、クルマを利用する以上は定期的に確認する必要があります。故障をそのままにしておくと重大な事故にも発展しかねないため、異常を感じたらすぐに交換しましょう。

自分での交換も可能ですが、ディーラーや整備工場に依頼するとより安心です。費用が気になる場合には見積もりをとり、あまりにも高額でもうそろそろ乗り換えを検討する時期なのであれば、売却を検討してもよいかもしれません。

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