2024年11月23日(土)、埼玉県某所にて1990年代のクルマにスポットを当てた「第5回東京キューマルミーティング」が開催された。
このイベントは、1990年代のクルマ(1990年〜1999年に生産されたクルマ)であれば。日本車・輸入車を問わず参加が可能だ。なお、1990年代に発売されたクルマであれば、2000年代に入って追加されたモデルであっても参加できるという。
開催場所はシークレットであり、エントリーが受理された時点で主催者から当日の会場がアナウンスされる仕組みだ。会場となる場所は、主催者が許可を得て借りているので、参加者は安心してイベントを楽しめる。
第1回目の開催は2022年12月、今回は第5回目となる東京キューマルミーティングには、各地から70台を優に超える1990年代のクルマがエントリー(イベント主催者によると、過去に臨時で開催したことがあり、それは"2.5回"と銘打ったそうだ)。
取材中、参加したクルマを可能な限り撮影したので、メーカー別に紹介していこう。
■トヨタ
80スープラをはじめ、スターレット、「トイチ」のレビンや初代セルシオ、V12エンジンを搭載した先代センチュリーなど、最近はあまり見かけなくなりつつあるトヨタ車が多数エントリー。しかもどの個体もすみずみまで磨き上げられており、普段から大切に乗られていることが伝わってきた。
こちらの白いクラウンは、イベントスタッフである「獅子丸◢⁴⁶ the last phantom(@pS2q_mzk_204)」さんの愛車。実は筋金入りの30系ソアラフリーク。しかし今回はイベント運営のサポート役に徹していた。90年代車ではないけれど、イベント成功のために尽力している姿に感銘を受けたので記念に1枚。お疲れ様でした!
■日産
第5回東京キューマルミーティングでは最大勢力となった日産車。S13型シルビアや180SX(逆輸入仕様の240SXも!)をはじめ、R32スカイラインをはじめ、90年代を彩ったローレルやブルーバード、そして初代キューブもエントリー。
撮影に応じてくれた「Miyata(@GTETypex1998)」さんは、今回R32型スカイラインのGTE TypeXでエントリー。お父さん世代には懐かしい「navan」のアイテムがこれでもか!と装着されたR32はまさに素晴らしきヘンタイ(※ほめ言葉)だ。
そして、お父様が所有していたS13シルビアと同色の個体が愛車の「しげ(@shigezou_s13)」さんはハコスカも所有しているという。若くして旧車およびネオクラシックカーを2台所有しているというから驚きだ。
そして東京キューマルミーティングの主催者である「じゅんや(@CW30GT_NW30HWS)」さんは愛車であるラルゴでエントリー。お父様がじゅんやさんのために手に入れたラルゴをが受け継ぎ現在も所有。まさに家族の一員ともいえる存在だ。
■ホンダ
アイルトン・セナがCMに起用されていた4代目プレリュード、そして現時点では最終型となる5代目プレリュードもエントリー。当時はステップワゴン以上に注目されていたS-MXもエントリー。4ドアモデルの3代目インテグラはなんとフェンダーミラー仕様。内装のカスタマイズにも時代考証がなされており、お父さん世代としては感激してしまった。トゥデイやアコードワゴンなど、この時代のホンダは魅力的なクルマが多いことを再確認した。
■スバル
2代目および3代目レガシィ(B4含む)/レガシィツーリングワゴンが大挙してエントリー。個人的な話で恐縮だが、ウィンドウフィルムを貼るアルバイトをしていた時代、2代目レガシィツーリングワゴンのリア5面にフィルムを貼りまくっていただけに、懐かしさがこみあげてきた。最近は見掛ける機会もかなり減ってしまった感があるのだが、こうして大切に乗っているオーナーがいることを改めて実感できた。
快く撮影に応じてくれた、「なべJUN(@Chiba_FunkyUnit)」さんは、足車だというプレオネスタでエントリー。ネスタのなかでも「RG」というスーパーチャージャーを搭載したモデルであり、高速を使った遠出もスムーズで、足車にはもったいないほどだと教えてくれた。時代やジャンルを問わずクルマ好きとのことだ。
■三菱
三菱はこちらの5台がエントリー。ランエボ3・ランエボ5・GTO・FTO、そしてミニカトッポと、まさに90年代を彩った三菱車ばかりだ。ランエボは街中でもときどき見掛けるが、FTOは本当に数が減ってしまったように思う。今回、エントリーしていた個体はおどろくほど美しく磨き上げられた個体だった。純正部品の欠品・製造廃止が相次いでいると思われるが、何とかこのコンディションを維持していただきたいと思う。
■スズキ
スズキからはこちらの2台がエントリー。これだけコンディション良好なアルトワークスを久しぶりに見られて、まさに眼福であった。残念ながらオーナー氏には話を伺えなかったのだが、純正部品の確保や愛車のトラブルおよびメンテナンスなど、別の形でじっくり取材できればと思う。
■ダイハツ
ダイハツからはこちらの2台がエントリー。シャレード、そしてムーヴ。シャレードは当時からレアなモデルだったと記憶しているが、スズキ ワゴンRの対向車としてデビューしたムーブは、街中でもひんぱんに見掛けた記憶がある。淘汰が進んでいるのか、ずいぶん数が減ってしまった。
■輸入車
輸入車は唯一となる、E36型BMW3シリーズクーペがエントリー。M3は高価で手が届かないけれど、エントリーモデルの「318isクーペ」には左ハンドル&MTモデルが用意されていた。当時400万円以下の価格で販売されていた(1994年時点で385万円)のだ。決して安くはないが、輸入車の入門編として人気を博したことを覚えている。
■まとめ:シークレットイベントだからこその安心感
クルマ系のイベントの多くが日時や開催場所などを事前にアナウンスするため、エントリーカーだけでなく、多くのギャラリーが会場に足を運ぶ。また、会場周辺に「招かねざるギャラリー」がやってきて騒音をまき散らし、泣く泣く休止に追い込まれてしまったイベントもあった。主催者としてはやりきれない思いであることは察するにあまりある。
しかし、今回の「東京キューマルミーティング」は、参加者とその同乗者だけが開催場所を知らされているため、その場にいる人たちはイベント関係者だと分かる安心感は何ものにも代えがたい。
そして、偶然その場に居合わせた人であっても、会場周辺にはロープが張られており、イベントスペースに足を踏み入れることができない仕組みとなっている。
旧車およびネオクラシックカーの盗難が相次いでいる昨今、このようなクローズド形式のイベントであればトラブルが起こる確率も低い。これなら安心して参加できそうだと感じたクルマ好きも少なくないだろう。
クルマ関連のイベントに参加したことがない、あるいは1人で参加しても話し相手がいなくて不安といった心配はいっさい不要だ。愛車の横にいるだけで、当日、イベントにエントリーした気軽に人が話し掛けてくれる。こうしていつしかクルマ談義がはじまり、あっという間に1日が終わる。充実した気持ちで家路につくことができるはずだ。
なお、今回のイベントの模様は当日取材に訪れていたCAR and DRIVER(カー・アンド・ドライバー)誌にも掲載されるという。Web記事もいいが、やはり紙媒体に掲載されるとのことで、参加者の皆さんにとっても良い記念になるだろう。
なお、参加者の集合写真は同誌のカメラマン氏が撮影したタイミングで便乗させてもらった。カメラマン氏の鮮やかな誘導で、あっという間にこのフォーメーションになった(とても助かりました。ありがとうございます)。
次回、第6回目のイベントも開催される可能性が高い。現時点では2025年夏前を予定しているとのことだ。イベントの詳細および次回の開催などの告知は、イベント公式X(@TOKYO_90MT)を参照されたし!
●X:東京キューマルミーティング【公式】
https://x.com/TOKYO_90MT
@TOKYO_90MT
●公式サイト
https://sites.google.com/view/tokyo90mt/
[撮影&ライター・松村透]