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2019年から取材を続けている、「カスタムビルド&レストア WATAHIKI」代表・綿引雄司氏が造り上げたハンドメイドのタイレルP34。
これにF3000に参戦していた「レイナード93D」が加わった。現在「カスタムビルド&レストア WATAHIKI」には2台のフォーミュラカーが収まっている。
「見せる」マシンから「攻める」マシンへと変貌しつつあるタイレルP34、そして不動の状態で綿引氏のところに嫁いできたレイナード93D。
この2台を並べてみると、まったく違和感がないことに驚かされる(フォーミュラー関係者の視点で見れば異なるかもしれないが)。
しかし、タイレルP34は昨年秋にエビスサーキットでクラッシュ。現在、復活に向けて作業中だという。
気になる2台の現状と今後について、カスタムビルド&レストア WATAHIKIに赴き、代表の綿引氏に取材を行った。
■綿引さん、まずは「タイレルP34」の状況を聞かせてください
昨年秋にクラッシュしたあと、各部の修正作業を進めている状況です。それに加えて、タイレルP34のマフラーを変更しました。これまでは「4in2-2マフラー」だったものを1本出しに仕様変更を行っています。
その理由として「音量規制があるサーキットをタイレルP34で走ってみたいと思ったから」こと、そして「パワーアップおよびトルクアップ」が狙いです。
AE86カローラ レビン/スプリンター トレノ(4A-G用)のマフラーを加工して、集合管にしました。当初、専門の方に依頼することも検討していました。しかし、これまでタイレルP34を自作してきた経緯もあり、それならばということでマフラーも自分で作ることにしました。
■AE86用をベースにしようと思ったのは何かヒントがあったのですか?
以前から「もしかしたら、隼のエンジンにAE86用タコ足マフラーが適合するんじゃないか」というイメージが湧いていたんです。
実際にピッチを測ってみたところ、取り付けられそうということでヤフーオークションで中古品を入手しました。隼用のノーマルのエキパイとパイプの径は同じでしたが「ポン付け」できるわけではなく、ここから先は試行錯誤の連続でしたね。詳しくは下記動画をご覧ください。
●4AGでP34用集合菅制作!
https://www.youtube.com/watch?v=lzOMVK9LkbA
■(お聞きするのは忍びないですが)カウルの修復も進んでいるのでしょうか?
2度のクラッシュで76年型および77年型のフロントカウルを破損してしまったので、現在は77年型の方を修理を進めているところです。現在、塗装まで完了しています。
■実際に「サーキットを攻めた」からこそ見えてきたウィークポイントもあるそうで・・・
ロアアームやピロボールに負荷が掛かることが分かってきました。サーキット走行を繰り返すうちにロアアームの後ろ側のボルトや緩んできてしまったり、ピロボールもガタが出てきてしまっています。負荷が掛かる部分は高価だけど強化版に交換して、それ以外の箇所は汎用品にするなど、コスト面も考えつつ、進めています。
■タイレルP34が復活を遂げたらエビスサーキットですか?
エビスサーキットもだけど、筑波2000も走りたいですね。筑波サーキットでフォーミュラカーだけのカテゴリーで年に3戦、草レースを開催しているんです。筑波サーキットはマフラーの音量規制が厳しいので、今回の仕様変更もそれに合わせた仕様なんです。
YouTubeの動画を観てくださった方から、ウィリー防止用に低速ギヤでの高回転の制御をカットする製品があることを教えてもらい、こちらもタイレルP34に取り付けました。今後は低速ギヤでもエンジンが回るようになるので、特にショートコースでのタイムアップが期待できます。
■レイナード93Dの方はいかがですか?
レイナードに関しては、カウルの塗装してステッカーを貼った状態のままです。機関系に関してはそのままなのでもう少しお待ちください
■直近で参加予定のイベント情報がありましたら教えてください
2025年4月27日(日)午前9時より、モビリティリゾートもてぎにて開催される「水戸道楽クラシックカミーテイング2025」にタイレルP34を展示予定です。
詳細が分かり次第、YouTubeでもお知らせします!
本業を終えたあとや週末などの時間を割いて、ハンドメイドタイレルP34およびレイナード93Dの復活に向けて1歩ずつ前進していることは確かだ。
■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報
住所:〒310-0912 茨城県水戸市見川3-528-2
TEL:TEL/FAX 029-243-0133
URL:http://cbr-watahiki.com
お問い合わせ:http://www.cbr-watahiki.com/mail.html
●綿引氏のYouTubeチャンネル"cbrwatahiki"
※「アルミのイオタ」および「タイレル P34」の製作風景も紹介されています
https://www.youtube.com/@cbrwatahiki
※YouTubeで動画を配信している「ぺーさんxyz」さんがイオタの製作過程を詳細にまとめた動画。手作業で造られていったことが分かる構成となっています。
●板金職人の技炸裂!アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【前編】
https://www.youtube.com/watch?v=hvAf5PfcSJg&t=8s
●アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【後編】
https://www.youtube.com/watch?v=WidFHqbp4QA
[ライター・カメラ/松村 透]