圧巻の走り!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.2

目次
1.■手作りの6輪F1タイレルP34とは? 2.■前回の取材後「全バラ」となったタイレルP34 3.■1976年仕様のカウルを纏ったタイレルP34がサーキットを駆ける! 4.■課題点を改善し、妙高ヒルクライムに参戦 5.■さらなる飛躍へと・・・ 6.■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報 7.■Special Thanks!

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■手作りの6輪F1タイレルP34とは?

茨城県水戸市にある「カスタムビルド&レストア WATAHIKI(以下、CBR WATAHIKI)」代表の綿引雄司氏が、仕事の合間を縫って手作りで製作している、6輪が特徴的なF1マシン「タイレルP34」。

その完成度の高さから、ネット上ではタイレルP34のコンプリートマシンを綿引氏が所有していると誤解されることもしばしばだ。

また「タイレルP34のレプリカ」と評されることもあるが、綿引氏独自の解釈で製作された箇所も少なからずある。

そのため、忠実なレプリカというわけではない。

つまり、この「レプリカ」という表現がこのマシンに当てはまるかどうかは人それぞれの解釈に委ねたい。

むしろ、イベントやCBR WATAHIKI(事前にアポイントを取れば実物を見せてくれる)に赴けばホンモノさながらのタイレルP34が間近で観られるのだ。

この事実に素直に感激し、喜ぶべきなのかもしれない。

製作者である綿引氏によると、このF1マシンが存在することは、タイレルのルーツでもあるケン・ティレル氏のご子息、ボブ・ティレル氏も把握しているという。

しかも、ボブ・ティレル氏は好意的に受け止めてくれているとのことだ。

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■前回の取材後「全バラ」となったタイレルP34

8月にオートランドテクノ(茨城県石岡市)でお披露目したあと、カスタムビルド&レストア WATAHIKIにて隼用エンジンのドライサンプキットの取り付けおよびフレームの塗装を行ったタイレルP34。

ただ単に「走る」ことから少しずつ「攻める」マシンへと、つまりフォーミュラ本来の姿へと、進化の歩みを進めている最中だ。

…といっても、筑波サーキット2000を●●秒台といったような限界までタイムアタックをするようなマシンではないことを明記しておきたい。

■1976年仕様のカウルを纏ったタイレルP34がサーキットを駆ける!

10月某日、綿引氏よりオートランドテクノにてタイレルP34を走らせるとの連絡をいただき、現地へ。

試走当日は前日まで雨の予報。

事実、カスタムビルド&レストア WATAHIKIからオートランドテクノまで移動するあいだに雨が降ったようで、タイレルP34のボディにも雨粒がついていた。

しかし、現地は曇り。

ときどき薄日が差すような奇跡(綿引氏曰く、晴れ男らしい)が起こったのだ。

こうしてタイレルP34をピットロードへと移動させ、エンジン始動!

製作者である綿引氏自ら、オートランドテクノのコースを走らせることとなった。

しかし、どこかエンジンの吹き上がりが今ひとつ。

様子を観つつ、周回を重ねて行くタイレルP34。

エンジンの駆動力を各部へ伝達するチェーンの緩みや、バキュームホース(負圧ホース)の配線の接続がうまくいっていない可能性あるようだ。

動力系はあらゆる流用部品の集合体だ。

本来の設計とは異なる使われ方をしている部位もある。

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■課題点を改善し、妙高ヒルクライムに参戦

去る10月15日・16日に新潟県妙高市で開催された「妙高ヒルクライム」にタイレルP34を持ち込み、コースとなった一般道へ放たれたマシン。

しかし、エンジンが吹き上がらない…。

1気筒火花が出ていない(つまり3気筒で)走っていたのだ。

点火コイルのひとつに不具合が見つかったようだ。

このイベントにエントリーしていた(有)上条自動車商会のスタッフの方たちも、隼のエンジンを積んだフォーミュラーカーを持ち込んでいたのだ。

点火コイルの予備部品を譲ってくださったり、タイレルP34のトラブルシューティングをサポートしてくれたのだ!

自作の燃料タンクに網状のフィルターを装着していなかったため、インジェクターに金属粉が混入していたことが判明。

除去することでエンジンが復活したのだ。

無事フリー走行に間に合ったタイレルP34。

そして2日目のタイムアタック。

あわせて6つのレグ(A地点からB地点までの区切られたタイムを競う競技)でタイムアタックを行い、それぞれのタイムの合計で順位を争うことになる。

綿引氏のタイレルP34は「クラスC」にエントリー。

ちなみに、エントリー台数は全12台。

前日のトラブル解決でエントリーできたものの、先日のテストランよりも高負荷の走行を行ったことでマシントラブルが発生。

果たして無事に完走できたのか…。

タイレルP34の圧巻の走り、そしてトラブルシューティング、クラスCにおける順位は…?

ぜひこちらのYouTubeにアップロードされた動画で堪能してみてほしい。

●フリー走行(妙高ヒルクライム1日目)
[Chapter-1] Tyrrell P34 FLAT-OUT on Japanese Public Road | TOUGE BATTLE
https://www.youtube.com/watch?v=4RRZZfAQ7qA

●タイムアタック(妙高ヒルクライム2日目)
Over 200km/h On Public Road in Japan | F1 Tyrrell P34
https://www.youtube.com/watch?v=V1blVF4SKIY

[10月27日追記]
●妙高ヒルクライムフロントサス動き確認動画!
https://www.youtube.com/watch?v=4oYrq-ubobE

●妙高ヒルクライムLeg1~2~3~4チェーンテンショナーの動き!
https://www.youtube.com/watch?v=SIRFCIVBusk

[10月28日追記]
●妙高ヒルクライム2022タイレル≪Leg5.Leg6≫4K画質!
https://www.youtube.com/watch?v=zzAKL9zzkpU

■さらなる飛躍へと・・・

部品の集合体がクルマであり、フォーミュラーマシンだ。

綿引氏はアルミ板や角材を切り貼りし、たたき出すことでタイレルP34のシルエットを創り上げた。

そして隼のエンジンを載せ、命を吹き込んだ。

走り込むことで美しくペイントされたアルミボディにも傷がつく。

しかし、そこには確実に魂が宿っているように思えてならない。

繰り返すが、このタイレルP34は手作りのフォーミュラカーだ。

ゼロからイチを創り出せる人こそクリエーターだと思う。

現代の名工、この言葉こそ綿引氏に相応しいように思えてならないのだ。

※前回の記事はこちら。

●手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.1
https://www.qsha-oh.com/historia/article/tyrell-p34-vol1/

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■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報

住所:〒310-0912 茨城県水戸市見川3-528-2
TEL:TEL/FAX 029-243-0133
URL:http://cbr-watahiki.com
お問い合わせ:http://www.cbr-watahiki.com/mail.html

●綿引氏のYouTubeチャンネル"cbrwatahiki"

※「アルミのイオタ」および「タイレル P34」の製作風景も紹介されています
https://www.youtube.com/user/cbrwatahiki/featured

※YouTubeで動画を配信している「ぺーさんxyz」さんがイオタの製作過程を詳細にまとめた動画。手作業で造られていったことが分かる構成となっています。

[10月30日追記]
●板金職人の技炸裂!アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【前編】
https://www.youtube.com/watch?v=hvAf5PfcSJg&t=8s

アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【後編】
https://www.youtube.com/watch?v=WidFHqbp4QA

■Special Thanks!

オートランドテクノ

●営業時間9:00~18:00(12時〜13時はお昼休み)
*ナイター営業は貸切のみとなります。

●住所:〒315-0028 茨城県石岡市半の木11210-1
●TEL/FAX:0299-23-4548
●E-Mail:autoland81@techno-as.com
●URL:http://www.techno-as.com
●Twitter:https://twitter.com/autolandtechno
●Facebookページ:https://www.facebook.com/autolandtechno/
*レンタルカートあり!
http://www.techno-as.com/charge.html

有限会社 上條自動車商会

●住所:〒390-1131 長野県松本市大字今井松本道7010
●TEL:0263-58-0026
●FAX:0263-86-6393
●E-Mail:kgs-sp@sea.plala.or.jp
●事業内容:廃車手続き、自動車解体、中古パーツ・中古タイヤ・バッテリー等の販売
●営業時間:8:30〜18:00
●定休日:日曜・祝日
●URL:https://www.kamijyou-jidousha.com

[ライター・カメラ/松村 透・画像提供 綿引雄司氏&I氏]

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