過去3回「サンブレフェスタ」で進化をふりかえる!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.6

目次
1.■サンブレフェスタ2021 2.■サンブレフェスタ2022 3.■サンブレフェスタ2023 4.■各部のディテールの変化 5.■まとめ:作り手の魂が宿る「手作りの6輪F1タイレルP34」を、ぜひご自身の目で確かめみてほしい 6.■手作りの6輪F1タイレルP34とは? 7.■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報 8.■「道の駅おおた」について

誰もが入手できるスチール製角材とアルミ板を素材に、手作業で創り出された「手作りの6輪F1タイレルP34」。

このマシンを間近で観られる貴重な機会のひとつが、去る6月末に道の駅おおた(群馬県太田市)で開催された「サンブレフェスタ2023」だ。

当メディアでも、サンブレフェスタに初めてこのマシンが展示された2021年から毎年このイベントを取材している。

今回、今年を含む過去3回の模様を振り返ってみた。その進化の過程で見えたものとは……?

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■サンブレフェスタ2021

1977年仕様のマシンとしてサンブレフェスタに展示したのが、2021年6月のサンブレフェスタ2021。当時、ハヤブサのエンジンはシャーシにマウントされているものの、吸排気系、燃料系、駆動系とはつながっておらず、自走はまだできない状態。さらにリアウイングのステーやメーター周り、コクピットなども未塗装のまま。しかし、ファンにとってはこの日が初見という方が多く、その存在感に圧倒されていたのが印象的だった。

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■サンブレフェスタ2022

それから1年後、2022年6月のサンブレフェスタ2022で展示されたときの模様がこちら。この時点で自走可能な状態になっており、キャリアカーから展示スペース(私有地内)まで綿引氏自らタイレルP34をドライブして移動。朝早くから会場に足を運んだファンにとっても嬉しいサプライズとなった。また、新造の1976年仕様のカウルが製作段階(未塗装)の状態で被せられ、前年とはまったく異なる装いに。未塗装だからこそ味わえる、ハンドメイドボディの質感が間近で観られるまたとない機会となった。

■サンブレフェスタ2023

そして今年。サンブレフェスタ2023に展示されたときの模様がこちら。1976年日本GP「シェクター仕様」を再現して展示。見た目の進化だけでなく、この1年間でサーキットを攻められるほどの領域に到達。コクピットやフロントカウルなど、相応のスピード域で走り、乗り降りの際についたであろう傷も確認できた。もはやこのタイレルは「見せる」ために生を受けたマシンではなく、このまま姿でサーキットを攻めることで「魅せる」術を身につけていることを実感した。

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■各部のディテールの変化

それでは、各部の進化の過程をふりかえってみよう。可能な限り同じアングルの画像を集めてみた。なお、上から2021年/2022年/2023年の順となる。

●フロント

●リア

●サイド

●リアウイング(リアまわり)

●エンジンまわり

●コクピットまわり

●ホイール

■まとめ:作り手の魂が宿る「手作りの6輪F1タイレルP34」を、ぜひご自身の目で確かめみてほしい

この連載でも何度もお伝えしているが、このタイレルP34はコンプリートマシンではない。

模型や当時の資料などを元に綿引氏が図面を引き、スチールの角材とアルミの板を切り貼りして溶接を繰り返し、たたき出して完成させた「手作りのF1マシン」だ。

ゼロベースで実車さながらのタイレルP34を造り上げただけでも離れ業といえるのに、ここからさらに市販のバイクやクルマなどの部品、さらにはワンオフで自作したものを組み合わせて実走、しかもサーキットを連続して周回できるマシンへと仕立て上げてしまったのだ!

マシンを造る人、そしてマシンに合う部品を集めて組み上げる人、さらにはある程度のハイスピードの領域で攻められるセッティングと耐久性を生み出してしまう人。

本来であれば、それぞれ別々の人が力を合わせてはじめてようやく完成できる領域だろう。

それを綿引氏はほぼ1人でやってのけてしまった。

取材を通じて何度もこのマシンを観てきたが、その事実を目の当たりにするたびに身震いがする。

しかし、当の綿引氏は「0から1のものを造り上げる」苦労よりも、楽しんでここまで仕上げたような印象が強い。

やはり、好きに勝るものはないのかもしれない。

今回、改めて思ったことがある。

このタイレルはまだまだ進化の過程なのだということを。

もし、まだこの手作りの6輪F1タイレルP34の実車を観たことがない人であれば、ぜひ何かの機会にその目で確かめてほしい。

もはや、このクルマがゼロベースで造られたとはにわかに信じられないほどの完成度だ。

実は手作り……と説明をしないと、コンプリートマシンだと信じてしまう人も多いだろう。

そして「作り手の魂が宿るマシン」の表現が大げさではないことを実感できるはずだ。

そして、これまで実車を観たことある人であれば、ちょっとした変化に気づくかもしれない。

繰り返しになるが、ぜひ1度、ご自身の目で、細部にいたるまでこのクルマの造り込みを観て欲しいと思う。

驚きと感動に満ちた体験となるに違いない。

展示されるイベントの情報が分かり次第、旧車王ヒストリアでもアナウンスする予定だ。

なお、直近の予定では、8月20日にキナラガーデン豊洲で開催される「PURPOOL PARADISE KIRANAH GARDEN TOYOSU」にてタイレルが展示される。イベントは夕方からだが、タイレルは朝10時から展示されるとのことだ。

●PURPOOL PARADISE KIRANAH GARDEN TOYOSU

・開催日時:8月20日(日)16:00〜22:00
・場所:キナラガーデン豊洲
・URL:https://www.kiranahresort-toyosu.com
・住所:東京都江東区豊洲6-5-27
・アクセス:https://www.kiranahresort-toyosu.com/access/
・tel:03-6910-1818

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■手作りの6輪F1タイレルP34とは?

茨城県水戸市にある「カスタムビルド&レストア WATAHIKI(以下、CBR WATAHIKI)」代表の綿引雄司氏が、仕事の合間を縫って手作りで製作している、6輪が特徴的なF1マシン「タイレルP34」。

その完成度の高さから、ネット上ではタイレルP34のコンプリートマシンを綿引氏が所有していると誤解されることもしばしばだ。

また「タイレルP34のレプリカ」と評されることもあるが、綿引氏独自の解釈で製作された箇所も少なからずある。

そのため、忠実なレプリカというわけではない。

つまり、この「レプリカ」という表現がこのマシンに当てはまるかどうかは人それぞれの解釈に委ねたい。

製作者である綿引氏によると、このF1マシンが存在することは、タイレルのルーツでもあるケン・ティレル氏のご子息、ボブ・ティレル氏も把握しているという。

しかも、ボブ・ティレル氏は好意的に受け止めてくれているとのことだ。

■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報


住所:〒310-0912 茨城県水戸市見川3-528-2
TEL:TEL/FAX 029-243-0133
URL:http://cbr-watahiki.com
お問い合わせ:http://www.cbr-watahiki.com/mail.html

●綿引氏のYouTubeチャンネル"cbrwatahiki"

※「アルミのイオタ」および「タイレル P34」の製作風景も紹介されています

https://www.youtube.com/@cbrwatahiki

※YouTubeで動画を配信している「ぺーさんxyz」さんがイオタの製作過程を詳細にまとめた動画。手作業で造られていったことが分かる構成となっています。

●板金職人の技炸裂!アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【前編】

https://www.youtube.com/watch?v=hvAf5PfcSJg&t=8s

●アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【後編】

https://www.youtube.com/watch?v=WidFHqbp4QA

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■「道の駅おおた」について

・所在地:〒370-0421 群馬県太田市粕川町701-1
https://goo.gl/maps/E3vus5Vmbpjn8mz68
・電話:0276-56-9350
・FAX:0276-56-9351
・駐車場;普通車:126台、大型車:40台、身体障害専用:4台
・URL:http://michinoeki-ota.com

●道の駅 おおた <公式> Facebookページ

https://www.facebook.com/michinoeki.ota/

●道の駅おおた広報「おっくん」 Facebookページ

https://www.facebook.com/ekicho.ota/

●道の駅 おおた <公式> Twitter

https://twitter.com/michinoekiota

[ライター・カメラ/松村 透]

 

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