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運転中にもしブレーキが効かなくなったら、自分や同乗者だけでなく、周りの車にも迷惑がかかる可能性があります。
今回はフットブレーキが効かなくなるべーパーロック現象について、原因や対策、対処法などについて解説します。起きた際に慌てずに済むように、ベーパーロック現象について確認しておきましょう。
べーパーロック現象とは
べーパーロック現象は、フットブレーキを連続で使用したことで生じた摩擦熱によってブレーキ液(ブレーキフルード)が沸騰し、液の中に気泡が発生することでブレーキが効かなくなる現象です。本来はブレーキのペダルを踏んだときに発生する圧力でスピードを落としますが、気泡ができたことで圧力がブレーキ液に伝わらなくなり、ブレーキが効かなくなります。
ベーパーロック現象が起きる原因
べーパーロック現象が起きる原因は以下の3つです。
- ・過度なブレーキ操作
- ・ブレーキ液の水分の吸収
- ・ブレーキ管内に空気が混入する
それぞれ詳しくみていきましょう。
過度なブレーキ操作
ベーパーロック現象のきっかけとなるブレーキ液の沸騰は200℃前後(※)で起こります。通常のブレーキ操作では、ブレーキ液がこれだけ高温になることはありません。
しかし、高速走行時に急ブレーキをかけたり、ブレーキを長時間使い続けたり、短時間で繰り返しブレーキを使ったりすると、200℃前後にまで達する可能性があります。
※ブレーキ液の種類によって沸点は異なります。
ブレーキ液の水分の吸収
ブレーキ液は、水分を吸収すると沸騰しやすくなります。
ブレーキ液には、水分を吸収しやすいという特徴があります。そのため、走行時と停車時の温度差によって生じた水滴がブレーキ管の中に入ってしまったり、ブレーキ液を交換するときに誤って水気が入ってしまったりすると、その湿気を吸収してしまい沸点が下がってしまうのです。結果としてブレーキ液が沸騰し、ベーパーロック現象が起こります。
ブレーキ管内に空気が混入する
ブレーキ管の内部に空気が混入して、ブレーキ液に気泡が生じる場合もあります。
空気が混入する原因は、ブレーキを分解して整備・点検を行ったときやブレーキ液の交換作業中などでの混入、エア抜き作業の失敗、ブリーダーというブレーキ管内のエアを抜くための部品がゆるんでいることなどです。
ブレーキ周りの交換や修理、点検の作業をしたあとは、ブレーキが正常に作動するか確認しましょう。
べーパーロック現象とフェード現象との違い
「フェード現象」もブレーキが効かなくなる現象ですが、べーパーロック現象とは仕組みが異なります。
ブレーキを連続使用すると、ブレーキパッドに熱が発生し、ゴムや樹脂が分解されてガスになります。そのガスがタイヤとパッドの間に入り込んで摩擦力が減少し、ブレーキが作用しなくなる現象がフェード現象です。
起こる仕組みは異なりますが、どちらもフットブレーキを連続で使用すると起こる可能性があります。
ベーパーロック現象を防ぐ方法
べーパーロック現象を起こさないためには、次の2点を押さえる必要があります。
- ・坂道ではエンジンブレーキを使う
- ・ブレーキ液を定期的に交換する
それぞれ詳しくみていきましょう。
坂道ではエンジンブレーキを使う
坂道が近づいてきたらギアを下げ、先にスピードを落としておきます。そして、坂道を走るときはエンジンブレーキでスピードを調整しましょう。
ブレーキ液を定期的に交換する
ブレーキ液を交換せずに使い続けると、空気中の水分を多く吸収してしまいます。その結果、沸点が下がり、多少の熱が加わっただけで沸騰するようになります。そのため、ブレーキ液は定期的に交換し、沸点を下げないようにすることが重要です。
ベーパーロック現象が起きたときの対処法
ブレーキペダルを踏んでも速度が落ちない場合は、ギアを段階的に下げてエンジンブレーキで走行スピードを下げます。ギアを一気に下げると駆動輪がロックされたりトラブルや故障の原因となったりするため、1段ずつ下げましょう。
車のスピードが落ちたら、パーキングブレーキをゆっくりかけて車を停止させます。車が停止してすぐにエンジンを切ってしまうとハンドル操作ができなくなるため、エンジンはすぐに切らないようにしましょう。
まとめ
べーパーロック現象の原因や対処法について解説しました。
車を安全に走行させるために、運転中はフットブレーキだけではなくエンジンブレーキも活用しましょう。
万一、運転中にペダルを踏んでもスピードが落ちないときは、エンジンブレーキを使って速度を落とし、その後パーキングブレーキをかけてゆっくり車を停止させてください。
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