車検の頻度が3年に1回のクルマは?3年目の車検の特徴や費用も紹介

目次
1.車検の有効期限が初回3年のクルマ 2.新古車は3年よりも短くなることに注意 3.2回目以降の車検は2年ごとに受ける 4.初回の車検の有効期限が1年・2年のクルマ 5.3年目の車検の特徴 6.3年目の車検の費用の目安

クルマは2年ごとに車検を受けないと、公道を走行できません。ただし、クルマによっては登録してから3年後に車検を受ける場合もあります。

適切な頻度で受けられるように車検のサイクルについての知識を深めましょう。この記事では、車検の頻度が3年のクルマや、初回車検の費用の目安について紹介します。

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車検の有効期限が初回3年のクルマ

車検の有効期限が初回3年のクルマは、自家用乗用車と自家用軽自動車です。

もともと自家用乗用車の初回車検は、新車で登録してから2年後でしたが、昭和58年に3年へ延長されました。

ここでは、車検の有効期限が初回3年のクルマの詳細を紹介します。

自家用乗用車(普通・小型)

自家用乗用車とは、人の移動のために利用される、定員10人以下のクルマのことです。買い物や通勤など日常で使用しているクルマであり、普通車(3ナンバー車)や小型車(5ナンバー車)が該当します。

普通車と小型車の規格は、以下のとおりです。

  排気量 ボディサイズ
普通車 2,001cc以上 全長4,701cm以上×全幅1,701mm以上×全高2,001mm以上
小型車 660cc〜2,000cc以下 全長4,700mm以下×全幅1,700mm以下×全高2,000m以下

ただし、自家用乗用車でも、レンタカーは新車で登録してから2年後に初回車検を受けます。個人が所有する自家用乗用車とは初回車検の時期が異なることに留意してください。

自家用軽自動車

自家用軽自動車とは、黄色のナンバープレートが取り付けられている、人の移動のために利用されるクルマのことです。自家用乗用車と同様に普段の日常で使用されているクルマであり、以下の規格が定められています。

  排気量 ボディサイズ
軽自動車 660cc以下 全長3,400mm以下×全幅1,480mm以下×全高2,000mm以下

出典:軽自動車検査協会「軽自動車の規格のはじまり」

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新古車は3年よりも短くなることに注意

新古車とは、試乗車や展示車として使うため、もしくは販売ノルマ達成のために販売店やディーラーが自社名義で登録しているクルマです。新車の場合は購入時点で名義を登録するため、そこから3年が車検の有効期間になります。しかし、新古車の場合は購入より前に名義が登録されているため、買ってから初回車検までの期間が3年よりも短くなってしまいます

たとえば、以下の新古車を2024年4月に購入しても、初度登録年月日から3年後の2026年10月25日までに受ける必要があります。

・初年度登録月日:2023年10月25日
・車検満了日:2026年10月25日

新古車の初回車検は、購入してからぴったり3年後ではないことに留意してください。

2回目以降の車検は2年ごとに受ける

自家用乗用車の2回目以降の車検は、2年ごとに受けます。たとえば、2024年4月30日に初度登録をした場合、クルマの車検のサイクルは以下のとおりです。

・初回車検:2027年4月30日まで
・2回目の車検:2029年4月30日まで
・3回目の車検:2031年4月30日まで
・4回目の車検:2033年4月30日まで
・5回目の車検:2035年4月30日まで
・以降も2年ごと

自家用乗用車の初回車検は3年、以降は2年ごとと覚えておきましょう。

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初回の車検の有効期限が1年・2年のクルマ

クルマによっては、新車で登録してから1〜2年後に初回車検を受ける場合もあります。

初回車検の有効期限が1年のクルマの一例は、以下のとおりです。

自家用 ・貨物自動車 ※8t以上
・大型特殊貨物自動車 ※8t以上
・幼児専用バス ※定員10人以下
・マイクロバス ※定員11人以下
運送事業用 ・旅客自動車(バス、タクシー、ハイヤー)
・貨物自動車 ※8t以上

初回車検の有効期限が2年のクルマの一例は、以下のとおりです。

自家用 ・貨物自動車 ※8t未満 以降1年ごと
・軽貨物自動車 以降2年ごと
・特種用途自動車 以降2年ごと(貨物用の一部は初回車検が1年)
・大型特殊自動車 以降2年ごと(貨物用の一部は初回車検が1年)
運送事業用 ・旅客自動車(軽自動車) 以降2年ごと
・貨物自動車 ※8t未満 以降1年ごと
レンタカー ・乗用車(普通・小型・軽自動車) 以降1年ごと

事業用や使用頻度が多いクルマは、自家用乗用車より走行距離が延びやすく、部品の消耗が早い傾向にあります。そのため、新車で登録してから1〜2年後に初回車検を受ける必要があり、自家用乗用車と車検のサイクルが異なります。

3年目の車検の特徴

3年目の車検は初回車検にあたり、異常がないケースが多いため、整備しなくても車検に通ることがほとんどです。ただし、クルマの使い方や状態によっては、多くの部品交換を業者に提案される可能性があります。

たとえば、以下のような部品があげられます。

交換部品・箇所 交換時期の目安
エンジンオイル 3,000〜5,000km(3ヶ月〜6ヶ月)に1回
エンジンオイルフィルター エンジンオイル交換2回のうち1回
バッテリー 2〜3年に1回
ブレーキフルード 2年に1回
ブレーキパッド 3万km〜5万kmに1回
スパークプラグ 1万5,000km〜2万kmに1回
クーラント液 2年に1回
エアコンフィルター 1年に1回
ワイパーゴム 1年に1回

提案された部品を交換しておけば、良好なコンディションで運転できるうえに、クルマの故障を防げます。売却時に高値がつく可能性も高くなるでしょう。

業者に提案されたとはいえ、部品の劣化は車検に響くわけではないため、交換を見送ることも可能です。しかし、以下のような状態では保安基準を満たしていないため、交換もしくは整備しなければ車検に通りません。

・タイヤの溝の残量が1.6mm以下
・ライト類の球切れ
・オイル類の漏れ

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3年目の車検の費用の目安

3年目の車検の費用の目安は、以下のとおりです。

・軽自動車:5万5,940円〜9万5,940円程度
・5ナンバー車:7万円4,050円〜13万4,050円程度
・3ナンバー車:9万8,450円〜15万2,250円程度

車検費用の内訳や各クルマのシミュレーションをみていきましょう。

費用の内訳

車検の費用は「法定費用」と「整備費用」の2つに分けられます。法定費用は以下の3つで構成されており、どこの業者に依頼しても金額は変わりません。

・自動車重量税(2年分)※車輌重量や年式で異なる
・自賠責保険料(24ヶ月または25ヶ月分)
・印紙代

一方、整備費用には以下3つがあり、車検を依頼する業者やクルマの状態で金額が変わります。

・車検基本料
・部品代
・工賃

なかでも車検基本料は、業者によって数万円程度の差があります。各業者ごとの車検基本料の目安は、以下のとおりです。

・ディーラー 3万円〜8万円程度
・整備工場 2万円〜6万円程度
・カー用品店 1万円〜4万円程度
・ガソリンスタンド 1万5,000円〜3万円程度
・車検専門店 1万円〜3万円程度

費用を抑えたい場合は、車検基本料を低く設定している業者に車検を依頼するとよいでしょう。

ただし、車検基本料が低く設定されている場合、最低限の項目しか整備を実施しないケースがあります。愛車のコンディションを良好に保ちたい場合は、ディーラーや整備工場に依頼しましょう。

シミュレーション

3年目の車検の費用がどれくらいかかるのか、シミュレーションしてみましょう。各車種の目安の金額は、以下のとおりです。

【軽自動車】N-BOXやタントなど

■法定費用
自動車重量税:6,600円
自賠責保険料:1万7,540円
印紙代:1,800〜2,300円

■整備費用
車検基本料:1万円〜5万円程度
部品代:1万5,000円程度
工賃:5,000円程度

■合計:5万5,940円〜9万6,440円程度

【5ナンバー車】アクアやノートなど

■法定費用
自動車重量税:2万4,600円 ※車種によって変動
自賠責保険料:1万7,650円
印紙代:1,800〜2,300円

■整備費用
車検基本料:1万円〜7万円程度
部品代:1万5,000円程度
工賃:5,000円程度

■合計:7万円4,050円〜13万4,550円程度

【3ナンバー車】VOXYやステップワゴンなど

■法定費用
自動車重量税:3万2,800円 ※車種によって変動
自賠責保険料:1万7,650円
印紙代:1,800〜2,300円

■整備費用
車検基本料:1万円〜8万円程度
部品代:1万5,000円程度
工賃:5,000円程度

■合計:8万2,250円〜15万2,750円程度

参考:国土交通省「202351日からの自動車重量税の税額表 /三井住友海上「自賠責保険 保険料例(本土用)」/国土交通省「登録・検査手数料一覧表」

3年目の車検は、エコカー減税の対象になるケースが多く、重量税が減免または減税されます。愛車がエコカー減税の対象かどうかは、こちらからチェックしてください。

まとめ

初回車検が登録から3年後のクルマは、自家用乗用車と自家用軽自動車です。初回車検以降は、2年ごとに車検を受けます。

ただし、新古車の場合はすでに登録されているため、初回車検は購入してから3年後ではありません。新古車の初回車検は、初度登録日から3年後のため間違えないようにしましょう。

また、クルマの使い方や状態によっては、初回車検時に部品交換を多く提案されるケースがあります。提案された部品をすべて交換しないと車検に通らないわけではないため、交換目安やクルマの状態に応じて判断しましょう。

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