引っ越しする際には車検証も住所変更しなければなりません。車検証の住所変更は、必要書類をいくつか揃えなければならないほか、15日以内に手続きを行う必要があります。この記事では、車検証の住所変更をしなければならない理由や手続きの手順、発生する費用などを紹介します。
車検証の住所変更をしなければならない理由
車検証の住所変更をしないと、車に関する通知が自宅に届きません。罰金を科せられるケースもあるため、住所が変わったらすみやかに手続きしましょう。まずは、車検証の住所変更をしなければならない理由を紹介します。
そもそも車検証とはどのような書類?
車検証とは、車が保安基準に適合していることを証明する書類です。車の権利関係や課税に関する情報を明確にするための書類でもあります。車検証には所有者や使用者、車に関する情報が記載されており、運転する際は必ず車に備え付けておかなければなりません。
デジタル化推進により2023年1月4日以降は、従来の車検証の1/4の大きさで、ICタグが搭載されたものが発行されます。記載事項に変更があった際や車検時に陸運局へ出向く必要がなくなるため、スムーズな更新手続きが可能です。
また、車検証に記載されている所有者の住所に自動車税の納付書やリコールの通知が届くため、居住地が変わった場合は必ず住所変更をしておきましょう。
車検証の住所変更をしないとどうなる?
車検証の住所変更をしないと、自動車税の納付書が旧住所に届いてしまうため、税金の納付をし忘れる可能性があります。期日までに納付しないと延滞金が発生するほか、車検の更新や売却もできなくなります。
また、車検証の住所変更をしないとリコールの通知も届きません。リコール通知が届かないとリコール対象車か把握できないほか、改修を受けないと保安基準に適合していない状態となることもあるため注意が必要です。リコールを受けなかったことが原因で事故を起こした場合は、車の所有者や使用者が責任を問われる可能性があります。
なお、車検証の住所変更の期日は、住所に変更があってから15日以内にと定められています。期日を過ぎると50万円以下の罰金が科せられる可能性があるため、すみやかに手続きしましょう。
車検証の住所変更の手順
車検証の住所変更の手順をあらかじめ把握しておくと、スムーズに手続きできるでしょう。続いて、車検証の住所変更の手順を紹介します。
車検証の住所変更をするための事前準備
車検証の住所変更をする前に、管轄の役所で転入手続きを済ませておきましょう。先に転入手続きを済ませないと、住所変更に必要な新住所の住民票を入手できません。
また、住所変更手続きをする際は、車庫証明も必要です。自宅から2km以内の駐車場を保管場所として申請しなければならないため、敷地内に止められない場合は、周辺の月極駐車場を事前にチェックしておきましょう。
車検証の住所変更手続きをする場所
車検証の住所変更手続きは、住所を管轄する陸運局で行います。軽自動車の場合は、住所を管轄する軽自動車検査協会で変更手続きをします。
普通車と軽自動車では、車検証の住所変更手続きする場所が異なるため、混同しないように気をつけましょう。なお、管轄の陸運局と軽自動車検査協会は以下から確認できるため、参考にしてみてください。
準備する書類について
車検証の住所変更手続きに必要な書類は、普通車と軽自動車で異なります。それぞれの必要書類を紹介します。
普通車(登録車)の場合
普通車の住所変更手続きに必要な書類は、以下のとおりです。
【自分で用意する書類】 | 【陸運局で入手できる書類】 |
車検証 | 申請書(第1号様式) |
使用者の住所を証明する書類 | 手数料納付書 |
車庫証明書 | 自動車税申告書 |
ナンバープレート※管轄が変わる場合 | 委任状 ※第三者が手続きする場合 |
希望番号の予約済証 ※希望ナンバーを取得する場合 | 手数料印紙 350円分 |
使用者の住所を証明する書類は、新旧住所の移り変わりが記載されている以下が必要です。
・個人......住民票もしくは戸籍謄本
・法人......商業登記簿謄本
新旧住所の移り変わりが記載されていない場合は、以下で代用できるため、参考にしてください。
・個人......住民票の除票もしくは戸籍の附票
・法人......商業閉鎖登記簿謄本等
出典:国土交通省東北運輸局「Q1.自動車の名義変更や住所変更はどのようにすればよいですか?」
また、陸運局の管轄に変更がある場合は、旧ナンバープレートを返却する必要があります。たとえば、練馬区から足立区に引っ越した場合、練馬ナンバーから足立ナンバーになるため管轄の陸運局が変わります。
管轄の陸運局に変更がなくても、好きな数字を選べる「希望ナンバー」を申請する場合も旧ナンバープレートを返却しなければなりません。
軽自動車の場合
自動車の住所変更手続きには、以下の書類が必要です。
【自分で用意する書類】 | 【軽自動車検査協会で入手できる書類】 |
車検証 | 自動車検査証記入申請書(軽第1号様式) |
使用者の住所を証明する書類 | 申請依頼書 ※第三者が手続きする場合 |
ナンバープレート※管轄が変わる場合 | 軽自動車税申告書 |
希望番号の予約済証 ※希望ナンバーを取得する場合 |
使用者の住所を証明する書類として、マイナンバーが記載されていない住民票、もしくは印鑑登録証明書を提出する必要があります。
車が法人名義の場合は、以下のうち1点が必要なため用意しておきましょう。
・商業登記簿謄本
・登記事項証明書
・印鑑証明書
上記の書類がない法人は、公的機関が発行する以下のうち1点が必要です。
・事業証明書
・営業証明書
・課税証明書
・電気、水道料金などの領収書
また、軽自動車は普通車のように車庫証明書を取得する必要がありません。ただし、車の保管場所を確保していることを届け出る「保管場所届出」が必要な地域もあります。住所変更時は不要なものの、後日管轄の警察署で届出をしなければならない地域もあるため、保管場所届出が必要かどうか確認しましょう。
なお、管轄の軽自動車検査協会に変更がない場合は車を持ち込まずに住所変更ができます。
字光式ナンバーを希望する場合は「字光式車両番号指示願」も必要なため、忘れずに持参しましょう。
住所変更の手続きの流れ
住所変更の手続きは、普通車か軽自動車かによって流れが異なります。それぞれの手続きの流れは以下のとおりです。
【普通車】
1.管轄の陸運局へ出向く
2.ナンバープレートを外す
3.手数料納付書と申請書、自動車税申告書を入手して記入する
4.整備振興会の窓口で350円分の印紙を購入して手数料納付書に貼り付ける
5.検査登録事務所の窓口に必要書類を提出する
6.住所変更後の車検証を受け取る
7.自動車税事務所の窓口で税申告をする
8.旧ナンバープレートを返却する
9.新しいナンバープレートを受け取る
10.封印取付場でナンバープレートに封印をしてもらう
【軽自動車】
- 1.管轄の軽自動車検査協会へ出向く
2.申請書や軽自動車税申告書を入手して記入する
3.「総合案内窓口」へ必要書類を提出する
4.旧ナンバープレートを返却する(ナンバープレートの変更を伴う場合)
5.住所変更後の車検証を受け取る
6.新しいナンバープレートを受け取る(ナンバープレートを変更する場合)
7.「自動車税事務所」の窓口で税申告をする
普通車と軽自動車の大きな違いは、手続きする場所が異なる点です。手数料や封印の取付の有無にも違いがあるため、スムーズに住所変更手続きができるよう、事前に流れを把握しておきましょう。
また、車検証の住所変更は自動車販売店や行政書士に手続きの代行を依頼できます。陸運局や軽自動車検査協会は、平日9〜16時頃までしか手続きを受け付けていないため、期日までに住所変更を行えないケースもあるでしょう。
代行費用が発生するものの、スムーズに住所変更を行えるため、時間内の手続きが難しい場合は依頼を検討してみてください。
車検証の住所変更にかかる費用
車検証の住所変更をする際は、陸運局でかかる手数料に加えて、住民票や車庫証明の交付料も発生します。
住所変更にかかる具体的な費用は以下のとおりです。
・手数料 350円
・住民票 300円程度
・車庫証明 2,500円程度
・ナンバープレート 1,500円程度 ※管轄の運輸支局に変更がある場合
希望ナンバーや字光式ナンバーを申請する場合は、以下の費用が発生します。
・希望ナンバー 4,000円程度
・字光式ナンバー 6,000円程度
また、賃貸の敷地内や月極駐車場を保管場所にする場合は「保管場所使用承諾書」を、車庫証明の申請時に警察署へ提出する必要があります。保管場所使用承諾書には、管理会社の署名や捺印が必要であり、数千円〜数万円程度の発行手数料がかかるケースがあることも把握しておきましょう。
まとめ
車検証は、保安基準に適合していることを証明するほか、車の権利関係や課税に関する情報を明確にするための書類です。住所に変更があってから15日以内に陸運局や軽自動車検査協会で住所変更手続きをする必要があります。期日を過ぎると50万円以下の罰金が科せられる可能性もあるため、住所が変わった場合はすみやかに手続きしましょう。
なお、車検証の住所変更は自動車販売店や行政書士に手続きを代行してもらうことが可能です。陸運局や軽自動車検査協会の開庁時間に自分で手続きできない場合は、業者に代行してもらうことも視野に入れましょう。
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