AE86に400万円!?旧車に市場価格と同等の車両保険をつけられる?

目次
1.1.旧車を盗難から守る方法とは? 2.2.市場価格と同等の車両保険はつけられる?

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

1.旧車を盗難から守る方法とは?

自動車盗難情報局には相変わらず旧車スポーツカーの盗難が毎日のように報告されている。

▲旧車は盗難されるとあっという間にバラバラにされてしまう

7月だけを見ても、RX-7(FD3S)、スカイライン(R33GT-R、同R32GT-R)、シビック(EK9)、スープラ(A80)…などの貴重な国産旧車スポーツカーが盗難の被害にあっている。

これらの盗難情報には「盗難対策の有無」という欄があるのだが、そこには「なし」「ハンドルロック」「ハンドルを外していた」「周りをクルマで囲んでいた」などと書き込まれている。

逆に言えば、完璧なセキュリティ対策が施された旧車は盗まれていないことになる。

これまで筆者が取材をしてきた盗難車のオーナーさんたちに、どのような対策をしていたかを聞くと、「ドアロック」「ハンドルロックとタイヤロック」「とくに対策なし」「バッテリーとハンドルを外していた」などの回答が目立つ。

正直言って…盗む方がもちろん悪いわけだが、盗まれた方も「施錠」以外に、もう少し本気で盗難対策をするべきではないかと思う。

「まさか、自分のクルマが盗まれる対象になるとは思わず、何の盗難対策もしていなかった」

「普段は夜帰ってきたら、ハンドルを外して、バッテリーも外していたのに、その日に限って外していなかった」と、嘆く被害者の皆さん、後悔してもしきれないのではないだろうか?

ではどうすればいいのか?

ハンドルロックやタイヤロック、ハンドルを外すなどの対策はポピュラーではあるが、実際は数分間の時間稼ぎにしかならないのが現実だ。

旧車窃盗団は数週間前から下見をしており、ターゲットとなる旧車にどのようなセキュリティ対策が行われているのか?を入念に確認している。

時にはセキュリティが作動するのか(どのような音が出るのか)なども確認している。

▲セキュリティアラームを付けるなら多少高くても確実な取り付けができるお店で

ハンドルロックやタイヤロックをしているクルマにはそれらを簡単に切断できる道具を準備し、ステアリングがない場合はサイズの合うステアリングを、バッテリーを外している場合はバッテリーを持参して盗みにくるのだ。

理想の盗難対策はゴルゴ、パンテーラに代表される国産セキュリティを専門店にお願いして確実に取り付けることである。

これがもっとも「盗まれにくい」方法といえる。

価格にして30~40万円とかなり高額にはなるが効果は絶大である。

▲誤報ゼロの国産セキュリティなら安心!こちらはユピテルのパンテーラ

そして大事なことは高級カーセキュリティでも誤報が多いのはダメ。

例えば、地震や豪雨や台風による影響で誤報を多く出してしまうセキュリティでは、オーナー自身が「近所迷惑」だと思ってアラームを切ってしまう。

東日本大震災のあと、高級セキュリティを装着したR32スカイラインGT-Rが東北~関東各地で盗難被害にあったのもこれが理由である。

旧車王バナー旧車王バナー

2.市場価格と同等の車両保険はつけられる?

盗まれてしまった後の対策としては、GPSで追跡する方法が有効だ。

GPSなんてすぐ外されて役に立たないと思うかもしれないが、ココセコムの「セコムくるま盗難監視」のように自動車盗難に特化したシステムであれば安心度も高い。

GPSで追跡して盗まれたクルマの居場所を特定し、オーナーに返還された例も実際にある。

また、最後の手段としては旧車に車両保険を付けることだ。

一般的な車両保険ではどれだけ価値がある旧車であっても、たとえば400万円で購入したAE86でもせいぜい保険金額は50万円以下。

さらに通販型の自動車保険では初度登録から15年~20年など一定の年数を経たクルマの車両保険は新規の場合は一律に引き受け拒否される。

新車時から継続して保険契約を行い、そのうえで15年を超えた場合などには継続して車両保険を付けられることもあるがその場合も保険金額は低額となる。

しかし、旧車に市場価格と同レベルの車両保険を付けることは不可能ではない。

同じ代理店型損保でも、「車両保険の金額は年々下がってR32GT-Rで60万円」というケースもあれば、「19歳オーナーが所有するAE86に新規で購入額とほぼ同じ360万円の車両保険がつけられた」というケースもある。

▲ShowさんのRX-3 奥に見えるのはFDをベースにした『RX-7 Fortune』

この違いは何なのか?

筆者の友人であるRX-3オーナーShowさんは現在の市場価格と同レベルの800万円の車両保険を付けているが、どうやってつけたのか?

Showさんの保険担当者である損害保険代理店の保険代理店、株式会社ソナエル(千葉県東金市)代表の泉明弘さんに聞いてみた。

「『特認』と呼ばれる制度で諸条件をクリアすれば、購入額と同程度の車両保険がつけられます。車種はもちろん年式や走行距離など同条件のクルマが中古車市場でどれくらいの価格で取引されているか?などを丹念に調べます。金額が決まると、保管状況をチェックします。かなり厳しい条件をクリアすることが必要となります。

私が旧車スポーツカーの保険を扱うときには、自宅までうかがって、
・車庫にシャッターがついているか
・そのシャッターは施錠できるか
・クルマはきれいな状態で保管されているか?
・周囲を壁に囲まれたしっかりした車庫に入っているか?
・どのようなセキュリティ対策が行われているか?

などを確認します。

他にも諸々の確認事項があります。

自宅から離れた露天の駐車場など、セキュリティしっかりしていない場所で保管されている場合には盗難のリスクが高いので、購入額と同レベルの車両保険を付けることはまずできないでしょう。

あとは、盗難リスクの高い千葉県や茨城県などの特定エリアも難しい場合があります」

かなり厳しい条件にはなるが旧車であってもマンションの駐車場であっても市場価格と同レベルの車両保険を付けることは不可能ではなさそう。

保険屋さんとの信頼関係を重ねていくことも重要な条件となる。

「もし盗難されて800万保険金がもらえても、同じクルマは2度と手に入りません。長い時間をともに過ごした家族同様の存在です。盗まれないように最大限の対策をしてください」

とShowさんは付け加えてくれた。

▲解体ヤードに運び込まれると盗難車が返還される可能性は限りなくゼロになる

また、保険契約の条件などがやや緩く、年間の保険料がリーズナブルなチャブ保険の「クラシックカー保険」なるものをご存じだろうか?

条件としては、
・製造年から25年以上経過した国産車および輸入車(二輪自動車を含む)
・年間走行距離が5,000km以内
・通常走行が可能な状態にある登録車両(ナンバープレートの付いた車両)
・レプリカや改造車はダメ

次回はこの「クラシックカー保険」を扱う保険会社に取材をして詳細をお伝えしてみたい。

[撮影・加藤ヒロト、Showさん/ライター・自動車生活ジャーナリスト加藤久美子]

画像1 画像2 画像3 画像4 画像5 画像6
画像ギャラリー(全6枚)を見る

この記事をシェアする

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して24年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

Web査定申込はこちら

まずは車について気軽に相談したい

LINEで売却相談する

関連する記事

AE86の価格高騰&値上がりはまだ続く?相場推移や当時の新車価格を解説

AE86の価格高騰&値上がりはまだ続く?相場推移や当時の新車価格を解説

旧車市場動向 2024-11-21
トヨタ AE86は単なるドリフト車ではない?! クルマとしての高い実力を再評価

トヨタ AE86は単なるドリフト車ではない?! クルマとしての高い実力を再評価

旧車の魅力 2024-10-23
初代マツダ サバンナはあのGT-Rよりも速かった!? RX-3とも呼ばれる最速マシンの歴史を振り返る

初代マツダ サバンナはあのGT-Rよりも速かった!? RX-3とも呼ばれる最速マシンの歴史を振り返る

旧車の魅力 2024-06-20
30年近い苦悩の果てに「適度な緩さがあった方が愛車とは長く付き合えるんじゃないか」と気づいた話

30年近い苦悩の果てに「適度な緩さがあった方が愛車とは長く付き合えるんじゃないか」と気づいた話

ライフスタイル 2024-06-02
トヨタの名機4A-Gエンジンの魅力とは? 今もなお人気を集める理由に迫る

トヨタの名機4A-Gエンジンの魅力とは? 今もなお人気を集める理由に迫る

旧車売買の豆知識 2024-01-24
絶版車の人気が上昇中!?その理由と魅力を解説します。

絶版車の人気が上昇中!?その理由と魅力を解説します。

旧車市場動向 2023-10-16
第68回湘南ヒストリックカークラブ主催ジムカーナ大会を取材!

第68回湘南ヒストリックカークラブ主催ジムカーナ大会を取材!

イベントレポート 2023-07-01
欲しいクルマが買える人と買えない人の決定的な差とは?という話

欲しいクルマが買える人と買えない人の決定的な差とは?という話

エディターズノート 2023-01-24

記事ランキング

1
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

ライフスタイル 2023-09-14
2
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車売買の豆知識 2024-10-08
3
車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

旧車売買の豆知識 2024-02-02
4
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車メンテナンス 2023-10-18
5
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車売買の豆知識 2024-10-08
6
MT車(マニュアル車)のギアチェンジのコツとは?変速方法について解説

MT車(マニュアル車)のギアチェンジのコツとは?変速方法について解説

旧車売買の豆知識 2024-04-19
7
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車売買の豆知識 2024-08-06
8
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車市場動向 2024-11-21

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ