事故車とは?事故車の定義や購入時の見抜き方についても解説

目次
1.事故車とは 2.事故車となるケース 3.事故車にならないケース 4.事故車とそうではない車の違い 5.購入時の事故車の見抜き方

中古車を購入するときに、事故車だったらどうしようかと不安になる人も多いでしょう。事故車には明確な定義があり、事故歴があるからといって全てが事故車扱いになるわけではありません。今回は、事故車の定義や見抜き方について解説します。中古車の購入を検討中の方は参考にしてください。

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事故車とは

事故車とは、単に交通事故によって損傷した車ではありません。中古車販売や査定における事故車の定義は、自動車公正取引協議会や日本自動車査定協会などが定めたルールに基づいた状態にある車です。事故でへこみや傷がついてバンパーやドアを交換しただけの車や、鈑金塗装を行った車は事故車扱いされません。

事故車は車の骨格部位に損傷があるもの、もしくは修復されているものが該当します。

【損傷や修復歴があると事故車扱いとなる骨格部位】

フレーム(サイドメンバー) 車体の左右に配置され前後に伸びている骨格部位 ※モノコックボディの場合はフロアパネルに溶接
クロスメンバー 車の横方向に取り付けられた骨格部位
インサイドパネル エンジンルームの左右にあるパネルで外側にフェンダーが取り付けられている骨格部位
ピラー 車の屋根を支える骨格部位
ダッシュパネル エンジンルームと客室の間にある隔壁板
ルーフパネル 車の屋根部分
フロア 車の床部分
トランクフロア トランクの底部分

ネジ止め部分は骨格には該当しません。

また、冠水、火災、雹害、塩害で大きなダメージを受けた車も、業者によっては事故車扱いとなります。

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事故車となるケース

事故車となるケースは、車の骨格部位が損傷するか修復されているものです。また、事故ではなく整備中に工具を落とすなどの理由で骨格部位が損傷した場合も事故車扱いとなります。事故車の定義は状況の変化に合わせて定期的に変更されており、以前までは骨格部位とされていたラジエターコアサポートは除外されました。

衝突安全ボディがスタンダードとなった現在では、事故のときに客室を守るために衝撃が骨格に分散されやすい造りとなっています。客室保護を優先した結果、軽微な事故でも比較的事故車(修復歴)扱いをされやすくなったのはそのためです。

事故車にならないケース

車の骨格以外の損傷や修復に関しては、基本的に事故車扱いにはなりません。しかし、車のフロント部分をぶつけてラジエターコアサポートを修復した車は、その部位が他の骨格部分と接しているため、査定士によっては事故車扱いと判断する可能性があります。定義としては事故車にならなくても、業者ごとの基準で違いがあるため注意が必要です。

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事故車とそうではない車の違い

続いて、事故車とそうではない車の違いについて解説します。

故障のリスクが高い

事故車は、故障のリスクが高めです。きれいに修復していても、骨格にダメージを受けると工場出荷時の車よりも強度が落ちます。また、不十分な修復によりサビが発生することや、事故の衝撃により電気系統に不具合が後々出るなどするため注意が必要です。中古車として販売価格が安くても、十分に検討する必要があります。

査定額が低くなる

事故車は、査定額が低くなります。修復されていて走行や機能的に問題がなくても、数十万円単位で価値が減少すると考えましょう。これは普通の車に比べて買い手が少なくなり、後の不具合が起こりやすいことが原因です。事故の損傷状況や修理代によっては、廃車や事故車としてそのまま売却して買い換えた方がよいといえます。

自走できなければ下取りを断られる可能性が高い

事故車は、自走できなければ下取りを断られる可能性が高いでしょう。自走できない状態では、足回りやエンジンなどが大きなダメージを受けていると考えられます。この場合、高額な修理代がかかり、修復しても中古車としての価値が低くなるため、下取りを断られるケースが多いのです。事故車は損傷の大小に関わらず、業者にとっても時間と手間が非常にかかる扱いにくい車だと考えられています。

査定時には事故車であることを伝える義務がある

査定時に事故車であることを伝えるのは義務です。車を売却後に事故車であることが発覚すると瑕疵担保責任を追及される恐れがあり、多額の損害賠償を請求される可能性があります。瑕疵担保責任とは、契約の内容に不適合な欠陥品であった場合に売主が負う責任です。事故車であることを認識している場合は、わかる範囲で伝えましょう。

購入時の事故車の見抜き方

中古車を購入する時の事故車の見抜き方について解説します。プロの査定士でなくとも見抜けるポイントです。中古車の購入を検討中の方は参考にしてください。

プライスボードに修復歴なしと表記されている車を選ぶ

中古車のプライスボードの「修復歴有無」表示は、自動車公正取引協議会や日本自動車査定協会などによる統一基準により表示されています。基本的に中古車販売業者は修復歴の表示を義務として行っているため、明記されているかどうか確認するようにしましょう。

車両検査証明書を確認

中古車は車両検査証明書を公開している(業者によっては店頭のプライスボードやインターネット上に表記)業者を選ぶと、事故車かどうかすぐに判断できます。評価点方式で状態を明示する車の通知表のようなもので、カーオークションに用いられる書類です。この総合評価点でRもしくはRAがあると修復歴があることを表しています。

総合評価点の目安(参考)

S 新車登録から1年未満で走行距離1万km以内(新古車、登録済未使用車に多い)
6 新車登録から3年未満で走行距離3万km以内(中古車としては最高点)
5 走行距離が5万km以内の美麗車
4.5 走行距離10万km以内のきれいな車
4 キズやへこみが少ない良好車
3.5 キズやへこみはあるが比較的きれいな車
3 多少気になるキズやへこみのある車
2 走行に支障のないキズやへこみのある車
1 冠水歴車など
RA 軽度な修復歴あり
R 走行に支障のない修復歴あり
× 事故現状車など

※オークション先によって評価点の内容は若干異なります。

エンジンルームを確認する

事故車を見抜くために、ボンネットを開いてエンジンルームを確認しましょう。正面やフロント側面部分の修復歴は、エンジンを囲っているフレーム(インサイドパネルやラジエターコアサポート)部分の塗装や歪みで判断できます。

・インサイドパネル(フロントフェンダーの内側)とラジエターコアサポート(ラジエターの上部)の塗装が他の部分と均一かを確認する。エンジンルーム内で視認できる車体の塗装は外観の色よりも薄くクリア塗装されていないことが多く、修復されている場合は部分的に色やツヤが異なります。

・インサイドパネル(フロントフェンダーの内側)とラジエターコアサポート(ラジエターの上部)は基本的に左右対称の形状です。片方だけに歪みがある場合は修復している可能性があります。

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