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最近よく聞く「免許返納」ですが、芸能人ではどのような方が運転免許の返納をしているのでしょうか。芸能人が免許返納をしたことをきっかけに、ファンやそのほかの人たちも免許返納するようになる場合があります。ここでは、免許返納している芸能人と、その返納理由などについて紹介します。 免許返納をした芸能人一覧 調べて見ると、予想より多くの芸能人が免許の返納をしていることがわかります。免許返納した芸能人を一覧にまとめてみました。 【免許返納した芸能人一覧】・Mr.マリック・高木ブー・加藤茶・加山雄三・尾木ママ・大村崑・伊東四朗・杉良太郎・みのもんた 以下からはそれぞれの意外な理由、納得の理由について詳細に紹介します。 Mr.マリック Mr.マリックさんは、70歳の時に「高齢者の方、返納期がきてます!」というコメントとともに、免許返納したことをTwitterで報告しています。きっかけは、お孫さんがMr.マリックさんの運転を怖がったことで、自分の視野が狭くなってきており、まっすぐ走れておらず片側によっているのに気が付かされたということでした。身分証明証がなくなるのも不便になると躊躇していたとのことですが、運転免許証そっくりの「運転経歴証明書」が身分証明証として発行してもらえるのを知ったのも大きなきっかけになったとのことでした。 高木ブー 高木ブーさんは、84歳でクルマの運転を辞め自主返納をしました。きっかけは、娘さんからの「お父さんは今までずっと子どもたちを笑顔にしてきたのに、人生の終わりになって悲しませるようなことをしちゃいけないと思う」という言葉に諭されたからでした。「まだ運転できる!」という気持ちもあったものの、娘さんが言うように周りの皆さんをガッカリさせてはいけないと納得しての返納だったそうです。 加藤茶 加藤茶さんが免許返納したことが公表されたのは、妻でタレントの加藤綾菜さんがテレビ番組の中で「(2年前返納した)高木ブーさんに触発され、加藤も免許返納した」と発言されたことからでした。やはり身近な人が返納すると、自分ごとに感じるようですね。 加山雄三 加山雄三さんは、テレビ番組のなかで、2019年の82歳の時に返納したことを明かしました。返納のきっかけはなんと趣味のゲームだったそうです。若大将との二つ名を持つ、活発でアウトドアイメージの強い加山雄三さんですが、意外にもゲームも趣味で「ゲームの反応が悪くなった。あれ、何でだろう?点数が伸びない。それで反射神経とかだいぶ鈍くなったって思った。それが運転とか全部に影響すると悟った」とのことで、そこからキッパリと運転を辞めることを決断し返納したそうです。 尾木ママ 「尾木ママ」の名で親しまれている教育評論家の尾木直樹さんは、72歳で免許を返納しました。まだまだ安全運転の自信はあるものの、たびたび起こる高齢ドライバーによる悲惨な交通事故をみて自主返納を決意したとのことです。自主返納した際のコメントでは「今回、自分が免許証を自主返納することで、返納を考えていたり、ためらっている人などの後押しになればと思っています」と世間に呼びかけをされていました。 大村崑 コメディアンの大村崑氏は、20代で運転免許証を取得してから当時珍しかったメルセデスベンツを乗り継いだほど若い頃から有名なクルマ好きでした。しかし、高齢者の重大事故の増加や、都心に住んでおり車がなくても不自由しないと気がついたなどの理由から返納を考え始めたということです。また、自身の交通違反にショックを受けて、「まだまだ運転に自信はあるものの、過信はいけない」と思い返納を決断したとのことでした。 伊東四朗 伊東四朗さんは、79歳のときに免許返納しました。その理由は、ゴールドであった免許の更新時に受けた講習に納得がいかなかったとのことでした。週に2〜3回運転していて無事故でゴールド免許であるにもかかわらず、認知症検査や、運転免許センター内の基礎的な運転技術チェックが非常に苦痛だったとのことで、79歳という年齢も考えて即座に返納することにしたとのそうです。 杉良太郎 俳優の杉良太郎さんは、74歳で運転免許証を自主的に返納しました。きっかけは70歳の免許更新時に受けた高齢者講習で、運転でのさまざまな反応が遅くなっているのに気がついたからだそうです。しかし、池袋駅前の12人を巻き込む死傷事故をみて、予定を前倒しで74歳での返納を行いました。自身が返納することで話題になり「高齢者が返納について考えるきっかけになれば」とコメントされています。 みのもんた みのもんたさんは75歳で免許を返納しましたが、現在も4台の車を所有しているということです。みのもんたさんは、免許更新時の高齢者講習を受講した際に、段差乗り上げる実技講習時に、アクセルの後すぐにブレーキに踏み変えることができず、危うく衝突する寸前になったそうです。その際に自身の運転に必要な運動神経の衰えにショックを受けて、免許返納を決断されました。しかし、免許は返納したものの車好きは変わらないため、車のハンドルをときどき握ったり、運転席に座ったりするそうです。免許返納しても運転しなければ車は所有していても問題ありません。そんな車との付き合い方も素敵ですね。 芸能人が免許返納するメリット 多くの芸能人が免許返納をしていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。それは、人に怪我をさせない、自分が怪我をしないのはもちろんのことですが、芸能人はイメージが大切です。軽い接触事故程度でも事故を起こすと「CMに起用されなくなる」「多くの人が関係する舞台に立てなくなる」などのリスクがあります。そのため、少しでも運転技術に不安がある場合は、免許返納を検討した方がよいかもしれません。 免許返納のよくある理由 免許返納には、どのような理由があるのでしょうか。よくある理由を3つご紹介します。 高齢者の事故が起きた 高齢者が運転する車の事故を知り、「自分も事故を起こしてしまうのでは」と考え、免許返納を考える人が多いようです。また、ニュース報道を見た家族から運転をやめるようにめられ、免許返納を決断するケースもあります。 運転に自信を持てなくなった 自分の運転に自信が持てなくなった場合も免許返納を検討する方が多いでしょう。走りなれた道で車を擦ってしまった、ぶつけてしまった、車庫入れがうまくいかなくなったなどの理由で、運転に対する自信を失ったときに免許返納を検討するようです。 運転能力の衰えを感じた 信号への反応が遅くなった、歩行者の発見が遅れるようになったなどの問題が起こり、運転能力の衰えを感じて免許返納を決断するケースがあります。
2021年4月5日、TGR(トヨタ・ガズー・レーシング)のグローバルモデル第二弾として、大々的に公開された「GR86」。ユーザーが待ち望んでいた新型の86でしたが、エンジンは従来通りの自然吸気となり、先代から要望の多かったターボの搭載は見送られました。 ユーザーの要望を蹴ってでも、あえて自然吸気を選んだトヨタのこだわりとは一体!? 走る楽しさを継承した新型86 「直感ハンドリングFR」として業界を賑わせた先代86のコンセプトを引き継ぎ、「スポーツ性能に特化した、さらなる高い次元でのダイレクトで気持ちのいい走り」を目指したGR86。新型でも水平対向エンジンの低重心はそのままに、排気量は2.4Lにアップされました。 ボディサイズは全長4,265mm×全幅1,775mm×全高1,310mmと、先代の全長4,240mm×全幅1,775mm×全高1,320mmと比べ、全幅は変わらずに全長は25mm延長し、全高は10mmダウンしています。 外見はよりたくましくなり空力性能もアップ エクステリアは全体的に先代のスポーティな姿から、膨らみをもったマッシブな印象へと変化。フロントフェイスはGRカーシリーズではおなじみの「ファンクショナルマトリックスグリル」を採用し、先代よりも開口の広いグリルがダイナミックさをより強調しています。 そして、新たに追加されたフロントフェンダーのエアーアウトレットは、タイヤハウス内で起こる空気の乱流を防ぎ、走行安定性を向上。リアスポイラーレスのトランクリッドはダックテール形状に変更され、印象を変えたとともに効率の良いダウンフォースを得ることができます。 剛性を上げたフレームとアルミ材で軽量化を図ったボディ GR86のプラットフォームは先代から変わりませんが、スバルの技術を取り入れたスポット溶接や、フレームの組み立て方法を変更したことで、フロント曲げ剛性は60%、ねじり剛性は50%向上しています。 フレームの剛性はアップしつつも、ボンネットやフロントフェンダー、ルーフに至ってはアルミ素材を使用し、車両重量は約40kg増の1,270kgに抑えています。 スポーティな雰囲気を高めつつも、快適性を増したインテリア スピードメーターは先代のアナログ仕様から7インチTFT液晶ディスプレイに変更し、始動時はGR86のロゴのオープニングアニメーションを表示。インパネ上部はドライバーの広い視野を確保するために、水平なデザインに変更されました。 ホールド性が増したシートは、長距離ドライブでも疲れにくくなった本革とウルトラスエードのコンビシート、左右独立調整式のオートエアコンなど、インテリアの先進性と快適性は先代よりも向上しています。 なぜ新型にはターボが搭載されなかったのか 先代86ではパワーへの不満が多く、ターボ化の要望は尽きることはありませんでした。しかし、GR86は先代の2.0Lから2.4Lまで排気量を上げた水平対向型の自然吸気エンジンを採用し、あくまでターボは搭載しない姿勢を貫きます。 その理由は複数あり、そもそも86は速さだけを求める車ではなく、高回転まで回して性能を限界まで引き出す車であること。そして今回の「ダイレクトで気持ちのいい走り」というGR86のコンセプトにもヒントがあります。 エンジンストロークは変えずにボアのみを拡大 GR86は昨今のエンジンとしては珍しく、排気量アップにはボアアップのみを施し、ストロークは従来のままとしました。ボアを86.0mmから94.0mmへ拡大し、86.0mmのストロークはそのままとすることで排気量は2.4Lにアップ。ストロークを伸延することなく、ボアの拡大のみとたことで、NAエンジンの気持ち良い吹け上りはそのまま継承されました。 NAの素直な挙動を徹底的に追い求めた 排気量を2.4Lまで上げたことにより、最高出力は235psにアップ。0-100km加速は、先代の7.4秒から6.3秒まで短縮されました。さらに最大トルクは212Nmから250Nmアップし、発生回転数も3,700回転まで落とされています。つまり、「低回転がモッサリしている」という先代86の弱点を、排気量アップと発生回転数をダウンすることで、よりトルクフルで扱いエンジンになったということです。走行の気持ちよさを最優先したGR86は、先代の課題となっていたパワー不足も補ったことで、もはやターボは無用の長物になってしまったと言えるのかもしれません。 ターボは構造的にも向いていない もうひとつ、GR86の構造的にターボの装着が難しいという点もあります。前後重量配分を限界まで突き詰めたGR86のプラットフォームには、バランスを維持したままタービンを装着できるスペースがありません。また、極限まで軽量化を施しているため、その大パワーを受け止めるには耐久性の面でもいささか不安があります。 ターボを装着するための剛性強化や構造の変更を行ったとしても、それに伴う重量増はハイパワー志向ではないGR86のコンセプトに反するのです。 まとめ 2021年夏に発売のBRZに対し、セッティング期間も含め、2021年秋ごろに予定しているGR86ですが、今後も通常モデルにターボが装着される可能性は低いでしょう。ハイパワーを求めるのならば、サーキットやドリフト仕様のタービンキットが各チューニングメーカーから発売される可能性が高いので、そちらに期待することになりそうです。 直感的に操れる低重心で軽量コンパクトというコンセプトを貫き、ターボに頼らない道を選んだ新型GR86。先代86だけでなくAE86にも通ずるこの素直で軽快なドライビングこそ、新型GR86の持つ最大の特徴であり魅力と言えるでしょう。 [ライター/増田真吾]
令和のいま、特にアメリカで80年代~90年代に発売された日本のスポーツカーが人気ということをご存じの方も多いのではないでしょうか。実は、スポーツカー以外でも今海外で注目されている日本車があります。 それは、軽トラの愛称で親しまれている軽自動車規格のトラックをはじめとした実用車です。日本では特に人気という訳でもなく、希少性もスポーツカーほどは高くない軽トラが「kei truck」と呼ばれ、なぜ今海外で人気なのか、その理由を探ります。 日本の実用車はコンパクトで使い勝手が良い 日本では一定の台数は走っているものの、年々製造するメーカーや車種が減少している軽トラですが、海外では人気が高まっています。海外ではあまり販売されていない軽自動車という規格のコンパクトなサイズ感、取り回しがしやすく、実用的な上に低燃費。特に広大な農地での作業従事者が多い農村部のユーザーを中心に支持を集めています。 農作業従事者からの支持される実用車としての実力 軽トラと言えば日本でも農村部で多く見かけますが、やはり海外でも農作業に従事する人々からの支持を集めています。<>海外の農地は広大なため、車での移動が欠かせません。また、逆に畑の中では小回りが利くに越したことはないため、燃費が良くコンパクトな日本の軽トラは最適なのです。 海外でも1~2人の移動という点では、ATV、いわゆるバギーがありますが、軽トラと違い屋根もエアコンもありません。さらに、軽トラとバギーの決定的な違いは、荷物の積載量です。軽トラはコンパクトであるにも関わらず、荷台はしっかりと確保されているため、かなりの荷物を積むことができます。 燃費の悪い大型のピックアップトラックを動かさなくても必要な荷物が積めて、ATVなどと違い快適性が確保されている軽トラは、女性でも気軽に取り回せるので人気が高いのです。 さらに近年では、低燃費で実用性が高いことから、アメリカの消防署や警察機関でも軽トラが使われ始めているとの話もあるほど。ちなみに、日本国内の米軍基地でも軽トラが使用されています。 シンプルで頑丈な構造と軽自動車という海外にはない規格が魅力 軽トラは小型ではあるものの、日本で自動車として販売されているので当然堅牢性は十分。その上シンプルな構造なので、メンテナンスもしやすく壊れにくい。農村などでのヘビーユースに加えて、カスタムカーベースとしても人気があります。 小型なので、ドレスアップでも比較的手軽にカスタムでき、シンプルで軽量なため用途に合わせてリフトアップや大型のフロントガードを装着するなど、目的に合わせたカスタムも盛んです。 デリカなどのオフロード車も人気 日本の実用車人気は、軽トラックだけはありません。普通車サイズの旧車オフロード車も人気です。 例えば、1986年発売の三菱 デリカスターワゴン。頑丈なオフロード車構造の4WD車でありながら小回りが利き、内装は豪華に仕上げてある点に魅力を感じるアメリカ人もいるようです。 アメリカのピックアップトラックなどは、基本的に内装に気を使って開発されていないため、フロアマット1つでさえ、高い評価を得ています。また、この手のオフロード車に乗る層は自分でメンテナンスをするユーザーが多いのも特徴で、コンピュータ制御となって素人が手を出せなくなった現代の車に比べて、自分でメンテナンスが出来る点も支持を集める理由の1つです。 新車としてはほとんど販売されていない アメリカにおいて、新車で正規輸入販売されていない日本の軽トラは、25年ルール適用による規制緩和によって現在輸入熱が高まっています。 スポーツカー人気と同じく、旧車としてのコレクター的需要ももちろん、軽トラの場合は、実用車としての需要が高いことがスポーツカー人気との大きな違いです。さらに、25年ルール以外で輸入されている場合もあります。 25年ルール適用で輸入が自由に 80~90年代の日本車人気が海外で高まった大きな理由は、アメリカの通称「25年ルール」と呼ばれる輸入規制緩和のルールです。 通常、新車時に正規輸入されていない車をアメリカへ輸入するためには、厳しい安全基準をクリアしなければなりません。しかし、発売から25年経過した車は、この規制が大幅に緩和され、事実上自由に輸入と販売が可能になります。 特に、軽自動車規格の軽トラや実用車は、ほとんどアメリカで正規販売されていないため、この25年ルールの解禁をきっかけに、一気に需要が高まっているのです。 オフロード車登録という裏技もある ほとんど新車販売されていない軽自動車ですが、25年ルール以外にもう一つ輸入する方法があります。それが、オフロード車登録です。 オフロード車として登録をすると、アメリカの安全基準の規制対象から外れ、25年を待たずに輸入が可能になります。オフロードといっても、山や砂利のような道なき道での走行限定という意味ではありません。「舗装された高速道路以外での走行」という広い意味合いなので、高速道路が走れない最高速度など、州によっていくつかの制限項目はありますが、日常的には問題なく使用することができます。 また、オフロード車登録以外にも、LSV(LOW SPEED Vehicle)という登録手段もあって、具体的には制限速度35マイル(約56km)以下の道路のみ走行ができるという登録方法です。 これらの登録方法も25年ルールに縛られず、比較的新しく状態の良い軽トラを輸入できることから、最近注目を集めています。 まとめ 海外での日本車人気は、今やスポーツカーだけに留まらず、軽トラ、実用車にまで広がっています。 1990年代後半から2000年代へと25年ルールの適用範囲になる車種が増加すると、軽トラの需要は、今後さらに高まるかも知れません。さらに、オフロード車登録という手段もあるので、発売から25年経たない比較的新しい車種にも需要が集まる可能性があるのも注目ポイントです。 コレクターや投機目的だけではなく、実用車として実体を伴った人気であるだけに、今後の価格動向から目が離せません。 決して希少車ではない日本の軽トラが、トラック大国アメリカで評価されているというのは、どこか誇らしい気持ちにもなります。 [ライター/増田真吾]
ワイド&ローな出で立ちに曲線と直線が調和したスタイリング。そして、ミッドシップレイアウトを採用したフェラーリ ディーノ246GTは、現在では歴史的な名車と呼ばれる1台です。しかし、フェラーリらしい特徴を備えていたにも関わらず、販売当初はフェラーリのブランド名は与えられず、ユーザーからの人気も薄いという不遇の時代もありました。 今回は、現在のフェラーリへの橋渡し役になったとも言える、ディーノ246GTの歴史を振り返ります。 現在まで続くフェラーリの基礎となった F40、F50、F430、488GTB、F8トリブート。名だたるフェラーリの人気車種に共通しているのが、ミッドシップレイアウト(MR)という点です。フェラーリと言えばMRというイメージすらあります。(実際はFR車も数多く生産) このフェラーリの象徴とも言えるミッドシップレイアウトを市販車モデルで初めて採用したのが、ディーノ246GTです。 フェラーリ市販車初のミッドシップレイアウト ディーノ246GTは、先代となった206GTも含めて、現在のフェラーリの基礎を築いたとも言える歴史的なモデルです。現代までフェラーリの名車に数多く採用され続けているミッドシップレイアウト(リア駆動:MR)を初めて市販モデルで採用したのが206GTでした。 しかし、F2参戦のエンジン生産数条件をクリアすることを目的に開発された206GTは、実用性に乏しく生産台数も約150台とわずかで、純粋な市販モデルとは言えません。その点から、フェラーリ初の市販MRモデルは246GTと言えるのです。 そして、ディーノにはもう1つ、名前の由来ともなった大きな特徴があります。ミッドシップレイアウトでは縦置き配置がほとんどだったエンジンを、横置きにレイアウトした点です。この横置きレイアウトは、フェラーリ創業車エンツォ・フェラーリの息子、アルフレードが考案したため、その愛称から「ディーノ」という名が与えられました。 課題だったパワーを克服した246GT 最初に発売されたディーノ206GTのエンジンは、8,000回転で最高出力185馬力を発生。さらに、高回転型すぎたため扱いにくく、当時としても非力なパワーが課題でした。 しかし、F2参戦条件のエンジン生産数をクリアしたことで、2,000ccという排気量にこだわる必要がなくなり、排気量2,400ccにアップした246GTが登場します。 排気量を20%増加させたことで、最高出力が195馬力に向上。さらに最高出力発生回転数も低回転化し、誰でもスムーズな加速が味わえる車に進化しました。登場当初こそ、206GTのイメージから評価は低かったものの、特徴的なスタイリングと性能の高さから、その後年々評価を上げることになります。 人気の上昇とともに3モデルが発売された ディーノ発売当時は、V12エンジンこそがフェラーリというイメージが主流でした。そのため、小型で非力なV6エンジン搭載のディーノは、当初フェラーリのブランド名が与えられなかっただけではなく、ユーザーからもフェラーリとみなされませんでした。 しかし、課題だったパワーを克服した246GTの登場で徐々に世間の見方が変わり、現在では名車と呼ばれるほどの高い評価を得ることになります。 スタイリングは、曲線基調だった1950~60年代のフェラーリから、Origami(折り紙)スタイルとも言われるより直線的な1970年代後半以降のデザインのちょうど中間とも言えるデザインで、結果的に現代のフェラーリへの橋渡し的存在になりました。 1代限り、1969年から1974年のわずか5年しか生産されなかったディーノ246GTですが、人気の上昇に後押しされるように、発売後も細かな変更を重ねていて、3モデルが存在します。 ティーポL 1969年~1970年の約2年弱生産。246GT初期モデルで、元となった206GTと多くの共通点を持ちつつ、2,400ccとなったエンジン以外の大きな変更点は、コストダウンと市販車としての扱いやすさ向上のため、モノコックがアルミ製から鉄製に変更された点です。ただ、ボディ、ドアなどはアルミ製(一部のモデル)で、ホイールも206GTと同じセンターロック式(ノックオフ式センタースピンナー)のホイールを採用していました。 ティーポM 1971年初頭のわずかな期間のみ生産。大きな変更点は、206GTから続いていたセンターロックのホイールナットが、5穴仕様に変更された点です。また、リアのトレッド幅が30mm拡幅されました。 ティーポE 1971年のティーポM生産終了以降1974年まで生産。246GTの中で最も生産期間が長く、生産台数も多いのがティーポEです。エンジン、トランスミッションにさらなる改良が加えられ、246GTの完成形とも言えるモデルとなりました。また、タルガトップ(屋根が開けられる)モデルとなる246GTSもこのティーポEで加えられます。 まとめ 単純なクラシックカーとしてだけではなく、現在にも通じるスポーツカーとして魅力的なディーノ246GTですが、欲しいと思っても入手するのは困難です。 最初のティーポL発売から既に50年以上が経過していることと、総生産台数もわずか4,000台弱のため、状態の良い個体を市場で見つけることはほぼ不可能。それでも欲しい方は、国内の中古車業者だけではなく、海外のオークション等にも幅広くアンテナを貼って、粘り強く探すことが重要です。 ちなみに、状態のいい車体は3,800万円弱で取引されており、平均価格も2,800万円程度という情報(2021年9月現在)もあるので、予算は余裕を持って用意しておいた方が良いかもしれません。 [ライター/増田真吾]
車を所有している人にとって毎年負担になる自動車税(種別割)。車によって納税額が高額になるケースもあるため、クレジットカードで納付してポイント還元を受けたい人もいるでしょう。この記事では、自動車税(種別割)をクレジットカードで納付できるかについて詳しく解説します。納付方法や注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。 自動車税(種別割)とは 自動車税(種別割)は、自動車の排気量に応じて毎年課せられる税金です。4月1日時点の車の所有者に対して、自動車税(種別割)の納付書が5月頃に送付されます。車検証記載の住所に届くため、住所変更を忘れないようにしましょう。 また、車が登録された年によっては増税されます。自動車の所有年数が13年、18年を超えたタイミングで増税される点に注意が必要です。 自動車税(種別割)はクレジットカードで納付できる クレジットカードで自動車税(種別割)を納めるには、支払い専用サイトまたは、Yahoo!公金払いにアクセスする必要があります。続いて、クレジットカードによる納付について詳しく解説します。 クレジットカード支払いができるようになった年月日 自動車税(種別割)のクレジットカード支払いができるようになったのは、2017年からです。2016年の税制改正により、クレジットカード支払いが可能になりました。以前からクレジットカード支払いが可能な地域はありましたが、2016年の税制改正を機に、対応できる自治体が増えました。 対応している自治体 下記の自治体は、Yahoo!公金払いによる自動車税(種別割)の納付が可能です。 北海道地方北海道 東北地方青森県・山形県 関東甲信地方茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・神奈川県・長野県 北陸地方新潟県・富山県・福井県 近畿地方奈良県・和歌山県 東海地方静岡県・岐阜県 中国・四国地方鳥取県・岡山県・島根県・広島県・山口県・香川県・愛媛県 九州地方福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・宮崎県・鹿児島県 Yahoo!公金払いが対応していない地域は、自治体の支払い専用サイトからクレジットカードで納付ができます。自治体によってはクレジットカード納付に対応していないため、事前に自治体のWEBサイトや窓口で確認しましょう。 納付方法 クレジットカードによる自動車税(種別割)の納付方法は下記のとおりです。 ・納付書とクレジットカードを準備・支払い専用サイトまたは、Yahoo!公金払いにアクセス・納付書に記載されている納付番号や確認番号などの情報を入力・クレジットカード情報を入力・入力内容を確認して、誤りがなければ完了 支払い専用サイトは「○県 自動車税 クレジットカード」と検索すれば表示されます。 自動車税(種別割)をクレジットカードで納めるメリット 続いて、自動車税(種別割)をクレジットカードで納めるメリットを解説します。 現金を下ろす必要がない クレジットカードで自動車税(種別割)を納めれば、銀行から現金を下ろす必要がありません。そのため、銀行やATMに出向く手間が省けます。また、現金を持ち歩くことによる紛失や盗難のリスクも抑えられるでしょう。クレジットカードも盗難されるリスクがありますが、暗証番号が必要であったり、すぐに利用を停止できたりと、現金と比べて被害を抑えられます。 時間と場所を問わず納付できる クレジットカード払いであれば、時間と場所を問わずに自動車税(車種別))を納付できます。そのため、自分の好きなタイミングで自動車税(種別割)の納付が可能です。また、納付書が自宅に届く時期がゴールデンウィークと重なる可能性があり、忙しくて支払う時間がない人もいるでしょう。外出先でも納付が可能なため、自動車税(種別割)の納付が遅れることもなくなります。 クレジットカードのポイントが貯まる クレジットカードで自動車税(種別割)を納めた場合、支払い金額に応じてポイントが貯まります。自動車税(種別割)は数万円以上かかるため、多くのポイントを貯めることが可能です。 クレジットカードの利用実績がつく クレジットカードで自動車税(種別割)を納めれば、カードに利用実績がつき、返済能力や信用性の評価が高まります。返済能力や信用性は、他の金融機関でローンを組むときや利用限度額の増額などの審査に影響を及ぼします。返済能力や信用性の評価を高めたい場合は、自動車税(種別割)を毎年クレジットカードで納めるとよいでしょう。 分割払い・リボ払いができる クレジットカードであれば、分割払い・リボ払いで自動車税(種別割)を納付できます。現金で自動車税(種別割)を納める場合、原則として一括で税金を支払う必要があります。クレジットカードであれば、支払い回数やリボ払いが可能なため、金銭的な負担を分散できるでしょう。 自動車税(種別割)をクレジットカードで納めるときの注意点 続いて、自動車税(種別割)をクレジットカードで納めるときの注意点を解説します。 決済手数料がかかる クレジットカードで自動車税(種別割)を納めると、決済手数料が発生します。金額は自治体によって異なりますが、300円前後で設定されています。還元されるポイントより、決済手数料の方が高いケースもあるでしょう。しかし、お金を下ろしたりコンビニに出向く手間を考えると、多少の手数料は必要なコストです。 納付期限が設けられている 納付書に記載されている期限を過ぎてしまうと、クレジットカードで納付できません。納付期限を過ぎてしまうと、延滞料金が発生し、税務署に納付書を再発行してもらう手間もかかります。また、金融機関の窓口や郵便局で現金一括で納付する必要があります。クレジットカードで自動車税(種別割)を納める場合は、納付期限を考慮し、早めに納税した方がよいでしょう。 納付後の取り消しができない クレジットカードで自動車税(種別割)を納付した場合、納付の取り消しができません。違うクレジットカードで決済し直したい場合でも、取り消しが不可能です。そのため、どのクレジットカードを利用するか、事前にきちんと決めておく必要があります。 納税証明書の発行に時間がかかる クレジットカードで自動車税(種別割)を納めた場合、納税証明書の発行に時間がかかります。現金で支払う場合は、その場で検修印が押されるため、すぐに納税証明書が発行されるでしょう。しかし、クレジットカードの場合は発行までに2〜3週間程かかります。また自治体によって、車検時に納税証明書が必要な場合があります(※軽自動車は必須) そのため、2〜3週間以内に車検に出す予定がある場合は、コンビニや金融機関の窓口で自動車税(種別割)を納めましょう。 領収書が発行されない クレジットカードで自動車税(種別割)を納めた場合、手続きはインターネット上で完結するため、領収書が発行されません。しかし、クレジットカードの利用明細書で領収書の代用が可能です。領収書が必要な場合は、クレジットカードの利用明細書を保管しておきましょう。 残高不足になっていないか事前に確認する クレジットカードで自動車税(種別割)を納める場合は、事前に銀行口座の残高を確認しておきましょう。残高不足の場合、自動車税(種別割)が引き落とされず、自分の信用情報に傷がつく可能性があります。信用情報に傷がつかないよう、銀行口座にお金が入っていることを確認してからカードを利用するようにしてください。
かつて車好きが熱狂した市販車ベースのレース「グループA」。このレースで活躍した車は今でも人気です。今回は、グループAとはどんなレースだったのか、グループAのマシンのベース車にはどのようなモデルがあったのか紹介するとともに、グループAで活躍していたベース車の中古車事情についても解説します。 グループAとは グループAとは、市販車をベースにしたツーリングカー選手権です。日本では、全日本ツーリングカー選手権として1985年~1993年まで開催されました。レースに出場するためには、座席数が4座以上で、連続する12ヶ月間に5,000台以上(1993年以降は2,500台以上)生産された車両が対象となります。また、年間500台生産すればエボリューションモデル(進化型)として出場できるというルールもありました。 レースに参戦するためのホモロゲーション(公認)は、エンジン排気量によって区分けされ、最低重量やタイヤサイズなどが規定されています。なお、ターボ車については、排気量に1.4倍(1988年からは1.7倍)が換算されたクラスになります。 外観は、空力パーツも含めて市販車の形状を保つことがルールとなっていました。エンジンは、排気量の拡大、過給機の変更、補器類の形状や数の変更は認められていませんでしたが、ピストン交換ができ、原型が留まっていれば加工や研磨ができました。なお、エンジンの過給圧の制限はありません。足まわりやブレーキの変更範囲は幅広く、大幅な性能アップができるレースでした。 グループAの人気車種一覧 グループAで活躍した車には、三菱 スタリオン、日産 R32GT-R、BMW 635CSi、ボルボ 240ターボ、トヨタ AE86などがあります。ここからは、各モデルのグループAでの活躍、ベース車両の特徴などを解説します。 三菱 スタリオン 三菱 スタリオンは、1985年の国際ツーリングカー耐久レース(インターTEC)で予選から速さを見せ、決勝で日本車勢最高位の4位に入賞しました。1986年からは全日本ツーリングカー選手権(JTC)に参戦。1986年のインターTECでは、強豪のジャガーXJ-Sに次ぐ予選2位など好成績を残しました。 ベースとなった車両は三菱 スタリオンターボGSRで、エンジンは2.0L直列4気筒G63BT型エンジンを搭載。グロス値ではあるものの最高出力200PS/6,000rpm、最大トルク28.5kgm/3,500rpmを発生させます。駆動方式はFRで、サスペンションは4輪ストラットの独立懸架でした。サイズは、全長4,400mm、全幅1,695mm、全高1,320mmの5ナンバーコンパクトサイズです。 R32スカイラインGT-R 日産 R32スカイラインGT-Rは、1990年の全日本ツーリングカー選手権開幕戦でレースデビュー。その後、グループAの全日本ツーリングカー選手権が終了する1993年までの4シーズン全29戦をすべて優勝するという記録を残しました。搭載されるエンジンは名機のRB26DETTで、最高出力550PS/7,600rpm、最大トルク50.0kgm/6,000rpmを発生。サスペンションは、前後マルチリンクとなっています。 ベースとなった車両は、1989年に登場した日産 8代目スカイラインGT-R。エンジンは、2.6L直列6気筒ツインターボエンジン(RB26DETT型)で、市販車の最高出力が280PS/6,800rpm、最大トルクが36.0kgm/4,400rpmでした。ボディサイズは、全長4,545mm、全幅1,755mm、全高1,340mm。現在でも高い人気を誇る1台です。 BMW635CSi BMW 635CSiは、1985年の全日本ツーリングカー選手権で第2戦、第3戦で優勝。第4戦で4位という結果を残しました。グループAでは、3.4L直列6気筒の高回転型自然吸気エンジンで参戦。最高出力は296PS/6,800rpm、最大トルク35.0kgm/6,000rpmを発生するエンジンを搭載していました。 ベースとなったBMW 6シリーズは、2ドア4人乗りの伸びやかなスタイリングが特徴のクーペで、ボディサイズが全長4,815mm、全幅1,740mm、全高1,365mm。エンジンは3.4L直列6気筒で、最高出力211PS/5,700rpm、最大トルク31.1kgm/4,000rpmを発生します。駆動方式はFR、トランスミッションは4速ATです。 MA70スープラ トヨタ MA70スープラは、1987年から全日本ツーリングカー選手権に参戦。第4戦では予選2位、決勝で優勝するという結果を残しました。1988年には、生産台数500台のエボリューションモデル「スープラターボA」をインターTECに投入し、上位入賞をしています。 ベースとなったスープラは、1986年~1993年まで販売されていたスポーツカー。ボディサイズは、全長4,620mm、全幅1,745mm、全高1,300mmです。搭載されるエンジンは、3.0L直列6気筒ターボエンジンで、最高出力240PS/5,600rpm、最大トルク35.0kgm/3,200rpmを発生させます。1988年に販売された「ターボA」では、「ターボAダクト」と呼ばれるフロントバンパーを装備し、エンジンの最高出力が270PSに高められました。ターボAは、500台限定で販売されたため、現在では希少価値が高いモデルとなっています。 シエラRSコスワース フォード シエラRSコスワースは、1987年の開幕戦で予選3位からスタート。決勝では、エンジントラブルによりリタイアとなりましたが、実力の高さを見せていました。 ベースとなった車両は、フォード シエラRSコスワース。全長4,390mm、全幅1,720mm、全高1,360mmの3ドアハッチバックです。エンジンは、フォード製2.0Lエンジンブロックにコスワース特製の4バルブDOHCヘッドが架装され、ギャレット製のターボチャージャーとインタークーラーを装着しています。エンジンスペックは、最高出力204PS/6,000rpm、最大トルク28.1kgm/4,500rpm。駆動方式がFRで、トランスミッションが5速MTとなっています。 コモドールSS ホールデン コモドールSSは、5.0LのV型8気筒OHVエンジンを搭載する4ドアセダンのレーシングカー。見た目はセダンであるものの搭載されるパワフルなエンジンにより、トルクフルな走りが特徴です。インターTECでは、トラブルに見舞われながらも、上位をキープし続け3輪でゴールするなど、印象に残る走りをしていました。1987年の全日本ツーリングカー選手権に参戦。目立つ活躍はなかったものの、大排気量エンジンによるパワフルな走りなどが印象に残る1台でした。 ベースとなる車両は、ホールデンのコモドアの4ドアセダンで、6ライトウィンドウが採用されたデザインが特徴です。エンジンは、5.0LのV型8気筒を搭載しています。 AE86 トヨタ AE86は、プライベーターが出場しやすい1.6Lクラスの代表格のモデルです。1985年のインターTECでは、38台中9台がAE86という最大エントリー数になりました。中でも、鈴木恵一と土屋圭市の「ケイイチコンビ」が乗るAE86は、全日本ツーリングカー選手権で予選15位からのスタート。上位クラスを凌ぐ速さで周回を重ね、総合6位に入賞しました。 トヨタ AE86は、カローラレビン/スプリンタートレノの型式で、3ドアハッチバックと2ドアノッチバッククーペを用意するコンパクトFRです。ボディサイズは、全長4,200mm、全幅1,625mm、全高1,335mm。エンジンは、1.6L直列4気筒の4A-GEUです。エンジンスペックはグロス値で、最高出力130ps/6,600rpm、最大トルク15.2kgm/5,200rpmを発生。AE86は、現在でも高値で取引されている名車です。 ボルボ 240ターボ ボルボ 240ターボは、1985年に富士スピードウェイで開催された「1985インターTEC(国際ツーリングカー耐久レース)」で1-2フィニッシュしたマシンです。ボルボ 240ターボのスタイリングは、四角く角張ったスタイルが特徴で「空飛ぶレンガ」とも呼ばれていました。 ベースとなったのは、4ドアセダンのボルボ 240ターボ。エンジンは、2.1L直列4気筒SOHCのB21ET型を搭載し、155PSを発生させます。0-100km/h加速9秒、最高速度195km/hです。ワゴンの240ターボエステートは、当時世界最速のステーションワゴンとして知られています。ボルボを代表するモデルでもある240シリーズは現在でも人気がある車種です。 グループAで活躍した車は値上がりしてる? グループAで活躍した車は、現在でも人気があるため高値で取引されるケースが多いです。内装や外装、エンジンやトランスミッションなど車両の状態により買取額は異なるものの、現存する台数が減少する一方であるため、人気と値上がりが続くといえます。 そのため、グループAで活躍した車の購入を検討している場合には、早めに購入した方が良いでしょう。また、購入するときは、旧車のことを理解している販売店や購入後にアフターサービスを受けられる店舗を選ぶことをおすすめします。 中古車価格変動の実例 現在でも人気が高いAE86の2022年3月時点の中古車平均価格は200万円~230万円、車両の状態が良いものであれば300万円以上のプライスとなっています。また、中古車平均価格が前月比+38万円となっていることからも、値上がりが続いているといえるでしょう。 買取は専門店がおすすめ 買取では、中古車市場における需要や希少価値を評価して、価格を算出するため、高値で売却できる可能性が高いです。ただし、車を売却するときは、グループAで活躍した車であることや希少価値が高いことを熟知している専門買取店がおすすめ。専門買取店なら、車そのものの価値だけでなく、モータースポーツでの活躍や優れた性能を秘めていることも含めて評価することができます。 昔活躍した車は高値になる可能性が高い モータースポーツで活躍したことがある車は、中古車市場で高く評価されることがほとんどです。特にグループAのように市販車ベースのレースで活躍していたモデルの場合、市販されている車のポテンシャルがレースの結果を左右します。そのため、市販車であっても耐久性や走行性能が優れているといえるでしょう。 モータースポーツで活躍できる内に秘めた性能まで買取評価に反映できるのは、旧車への理解がある専門店でなければできません。モータースポーツで活躍した車を売却するときは、レースでの活躍や旧車のことを理解している業者に依頼しましょう。
西部警察は、派手なアクションやカースタントなどが特徴の刑事ドラマです。作中に登場した車の中には、今でも高い人気を誇り、高額で取引されているモデルもあります。今回は、西部警察にどのような車が登場したのか振り返りながら、各車種の概要を紹介します。 西部警察とは 西部警察とは、1979年(昭和54年)から1984年(昭和59年)まで放映された刑事ドラマで、大門圭介団長(渡哲也)が率いる「大門軍団」を木暮謙三捜査課長(石原裕次郎)が見守りながら、凶悪犯罪に立ち向かうという物語です。「PART-I」「PART-II」「PART-III」の3部作になっており、全236話が放送されました。全国平均20%以上の視聴率を記録しています。 西部警察は、派手なアクションシーンやカースタント、巨額の費用を投じた爆破シーンなどにより人気を博しました。石原プロモーションによって製作された西部警察は、渡哲也、舘ひろし、石原裕次郎などの名優が出演しています。 西部警察に採用された車種一覧 西部警察に採用された主な車種はスポンサーでもあった日産車で、フェアレディZやスカイライン、セドリックなど、現在でも名車として語り継がれるモデルがほとんどです。ここからは、西部警察に登場した日産車を紹介します。 フェアレディZ S130型 フェアレディZ S130型は、1978年~1983年まで販売されていた2代目です。初代モデルからロングノーズ、ショートデッキといったスポーツカーらしいスタイリングを受け継いでいます。ボディタイプは、クーペ、オープンエアを楽しめるTバールーフをラインナップしました。西部警察では、フェアレディZ 280 Tバールーフ 2by2の後期モデルをベースにしたガルウィング仕様が「スーパーZ」として登場しています。フェアレディZ S130型は中古車市場での流通台数が少なく、状態が良い車両については高値で取引されています。 スカイライン C210型 スカイライン C210型は、1977年~1981年まで販売されていた5代目で、「ジャパン」の通称で親しまれました。ボディタイプは、4ドアセダンや2ドアハードトップなどをラインナップしています。西部警察では、特別機動車両の第1号「マシンX」として登場しました。スカイライン C210型は中古車市場での流通台数が少なく希少価値が高いです。状態が良くターボエンジン搭載の2ドアハードトップの中には、500万円以上の価格がついた車両もあります。 ガゼール S110型 ガゼール S110型は、1979年~1983年まで販売されていた初代モデルです。型式のS110型からもわかるように、3代目シルビアの兄弟車となります。デビュー当初は、2ドアハードトップのみのラインナップでしたが、デビューから約5ヶ月後にハッチバックのクーペが追加されました。西部警察では、オープン仕様のガゼールが木暮課長(石原裕次郎)の専用車として登場しています。 当時ディーラーオプションとして設定されていたボンネットとトランクのグラフィックやセンターコンソールの自動車電話が特徴です。ガゼール S110型は中古車市場での流通台数が非常に少なく、希少なモデルとなっています。 サファリ 160系 サファリ 160系は、1980年~1987年まで販売されていた初代モデルです。西部警察では、サファリエクストラバンをベースにした特殊車両が登場し、ルーフにある高圧放水銃が特徴的な装備となっています。サファリ 160系は中古車市場での流通台数が少なく、西部警察で使われていた年式のサファリはほぼ流通していません。 セドリック 330型 セドリック 330型は、1975年~1979年まで販売された4代目です。ボディタイプは、2ドアハードトップ、4ドアハードトップ、4ドアセダンを用意していました。西部警察では黒パト(覆面パトカー)として登場し、大門が乗る後期型は「団長セドリック」の愛称で親しまれ、PART-II以降はカースタントで破壊される脇役になりました。 セドリック 330型は中古車市場での流通台数が少なく、車両本体価格300万円前後で売買されています。 セドリック 430型 セドリック 430型は、1979年~1983年まで販売されていた5代目です。先代の330型の躍動感あるスタイリングから直線的な造形に変更されました。ボディタイプは、4ドアセダン、4ドアハードトップ、5ドアワゴンの3タイプです。 西部警察では、覆面パトカーとして活躍していました。セドリック 430型は中古車市場での流通台数が多くないため、状態が良いハイパフォーマンスなターボエンジン搭載車は300万円前後の高値で取引されることもあります。 セドリック Y30型 セドリック Y30型は、1983年~1987年まで販売されていた6代目です。国産の量産乗用車として初めてV型6気筒エンジンを搭載したことで話題を呼びました。西部警察では、ブラックのボディカラーにエンケイホイールを装備したパトカーとして登場しています。またY30型セドリックのパトカーは、「西部警察」だけでなく「あぶない刑事」にも登場しました。セドリック Y30型は中古車市場での流通台数が少なく、車両本体価格150万円前後で取引されています。 ローレル C130型 ローレル C130型は、1972年~1977年まで販売されていた2代目です。「ゆっくり走ろう」のキャッチコピーでデビューしたローレル C130型は、ボディ外板に灯火類がないスタイルから「ブタケツ」の愛称で親しまれました。ボディタイプは、4ドアセダンと2ドアハードトップの2種類です。西部警察では、日本縦断ロケで登場しました。ローレル C130型は中古車市場で流通台数が少ないだけでなく、希少価値がついていることから車両本体価格300万円~500万円前後で取引されています。 ローレル C230型 ローレル C230型は、1977年~1980年まで販売されていた3代目です。直線的なスタイルと四角いフロントグリルなどにより落ち着きのあるスタイリングとなっています。ボディタイプは、4ドアセダン、4ドアハードトップ、2ドアハードトップをラインナップしました。西部警察では、黒パト(覆面パトカー)として登場し、「団長ローレル」の愛称で親しまれました。ローレル C230型は中古車市場での流通台数は非常に少なく、希少価値が高くなっています。 フェアレディZ S30型 フェアレディZ S30型は、1969年~1978年まで販売されていた初代です。ロングノーズ、ショートデッキ、ファストバックのスタイリングが特徴となっています。西部警察では、2代目フェアレディZの「スーパーZ」が有名ですが、初代フェアレディZも白パトとして登場していました。フェアレディZ S30型は中古車市場での流通台数が少なく、さらにはプレミアがついているため、非常に高い価格で取引されています。 ブルーバード 910型ハードトップ ブルーバード 910型は、1979年~1983年まで販売されていた6代目です。直線的でシンプルなスタイリングが特徴となっています。ボディタイプは4ドアセダンと2ドアハードトップをラインナップしていました。西部警察ではPART-II以降、白パトとして登場しています。ブルーバード 910型は中古車市場での流通台数が少なく、状態が良い車両は高値になることもあります。 スカイライン R30型セダン スカイライン R30型は、1981年~1985年まで販売されていた6代目です。前期は「ニューマン・スカイライン」と呼ばれ、後期は「鉄仮面」の愛称で親しまれました。ボディタイプは4ドアセダンや2ドアハードトップなどが用意され、ターボエンジン搭載モデルやRSモデルなどもラインナップされました。 西部警察では、「マシンRS」として登場しています。スカイライン R30型は中古車市場で車両本体価格200万円~400万円前後で取引される人気モデルです。 スカイライン C10型 スカイライン C10型は、1968年~1972年まで販売されていた3代目です。通称「ハコスカ」とも呼ばれ、現在でも高い人気を誇っています。ボディタイプは4ドアセダンや2ドアハードトップなどをラインナップし、スカイライン初となる「GT-R」が登場しました。 西部警察では、1話限りの登場でしたが、印象に残るモデルとして知られています。スカイライン C10型は中古車市場でプレミア価値がつき高値で取引されています。GT-Rについては1,000万円を超えるのも珍しくありません。 スタンザ セダン A10型 スタンザ A10型は、1977年~1981年まで販売されていた初代で、高級感ある内装や外装が特徴のコンパクトモデルです。デビュー当初は4ドアセダンのみでしたが、1979年に5ドアハッチバックが追加されました。西部警察では、東部署の黒パトとして登場しています。スタンザ A10型は中古車市場での流通台数が少なく、希少なモデルといえるでしょう。 スタンザFX 5ドアハッチバック スタンザFXは、1981年~1986年まで販売されていた2代目です。FF(前輪駆動)を採用していたことから「FX」のサブネームが与えられました。ボディタイプは、4ドアセダンと5ドアハッチバックとなっています。1983年には5ドアハッチバックが廃止され、3ドアハッチバックが販売されていました。西部警察では、西部署の鑑識課員ロクさんが乗っていました。スタンザFXは販売台数に伸び悩み、中古車市場に流通することが少ないモデルです。 シルビア S110型 シルビア S110型は、1979年~1983年まで販売されていた3代目です。フロントからリアまで直線に伸びるショルダーラインが強調されたスタイリングが特徴となっています。ボディタイプは、2ドアハードトップと3ドアハッチバックを展開していました。西部警察では、団長の妹である明子と結婚した五代純刑事が乗っていました。シルビア S110型は中古車市場に出回っている台数が非常に少なく、希少なモデルといえるでしょう。 西部警察に登場した車は値上がりしてる? 西武警察に登場した車は、中古車販売価格からもわかるように、希少価値や旧車として評価が高いです。また、西部警察ファンから人気であるため、高値で取引されることが多いです。さらに、外装や内装など車の状態が良ければ、一般的な相場よりも高額買取になることもあります。今後は、現存する車両の台数が減少していく一方であるため、値上がりしていく可能性が高いでしょう。 昔活躍した車は高値になる可能性が高い 西部警察をはじめ、ドラマや映画などで活躍していた車は、ファンから人気があったり、旧車としての価値が高かったりします。そのため、売却するときには高値になることが多いです。しかし、旧車としての価値を正確に見抜ける買取業者でなければ、高値で売却することが難しいでしょう。かつてドラマや映画で活躍した車を売却するときは、旧車買取が専門の業者に査定依頼をすることをおすすめします。
免許返納と同時に運転経歴証明書の申請を検討している人もいるでしょう。運転経歴証明書の申請には、「免許写真判断基準」の条件を満たした写真が必要です。免許写真判断基準の条件をクリアしたものとは、どのような写真なのでしょうか。ここでは、運転経歴証明書の申請時に使用する写真の条件や、写真の悪い例を詳しく紹介します。また、申請時に写真と一緒に提出する書類も紹介するので、ぜひ参考にしてください。 運転経歴証明書の申請に写真が必要 運転経歴証明書は、免許返納時に申請すれば全ての人に発行される書類であり、金融機関などで本人確認書類として使用できます。また、運転経歴証明書を提示するとさまざまな特典を受けられます。運転経歴証明書の申請時に写真が必要になるため、免許返納時に持参しましょう。 運転経歴証明書の申請に使用する写真の条件 申請に使用する写真は「免許写真判断基準」を満たす必要があります。免許写真判断基準の条件について詳しく解説します。 道路交通法で定められる基準を満たしている 道路交通法で定められている基準は下記のとおりです。 ・縦3cm×横2.4cm(国外運転免許証申請時の場合は縦5cm×横4cm)・無帽・正面・上三分身・無背景・6ヶ月以内に撮影した写真 宗教や医療上の理由で顔を隠す必要がある人は、顔の輪郭がわかるように写っていれば、範囲内で頭部を覆うことができます。 容易に個人を識別できる 容易に個人が識別でき、社会通念上証明写真として相応しい写真を提出しましょう。また、カラーコンタクトを使用している写真だと、眼の色が違って見える場合があります。眼の色が違うと容易に個人を識別できないため、免許用写真としては不適切です。カラーコンタクトを使用している人は、撮影前に外しましょう。 運転経歴証明書の申請に使用する写真の悪い例 運転経歴証明書の申請に使用する写真の悪い例は下記のとおりです。 ・帽子をかぶっている・ヘアバンド・バンダナ・ハチマキ・サングラス・マスクをしている・顔・目線が正面を向いていない・顔が近すぎ・遠すぎて上三分身ではない・背景と同化している・背景に壁紙や模様が入っている・顔の一部が写っていない・明るすぎ・暗すぎて顔が識別できない・目を閉じている・前髪で目が隠れている・眼鏡のフレームが目にかかっていて・反射して目が見えない・口を大きく開けて笑っている・フードや襟で顔が隠れている・印刷不良や写真が変色している・頭上に3mm程度の余白がない 出典元:警視庁「申請用写真及び持参写真のご案内」 せっかく持ち込んだ写真で受付してもらえないと、二度手間になる可能性があるため、条件に合うように撮影しましょう。 警視庁のHPに悪い例の写真が詳しく掲載されているので、参考にしてみてください。 申請時に写真と一緒に提出する書類 運転経歴証明書の申請時に写真と一緒に提出する書類は下記のとおりです。 ・黒か青のボールペン・住民票の写しまたは住所や氏名、生年月日が確認できるもの(健康保険証やマイナンバーカードなど) ※免許返納と同時に申請する場合は不要・交付手数料(1,100円)
古い車を維持していく上で、大きな悩みの1つが、故障したときの修理や維持に掛かる費用です。これまで大切にしてきた愛車、やっとの思いで手に入れた愛車でもいつ起こるか分からない故障を避けることはできません。 そこで、古い車はどんなところが故障しやすいのかを知り、万が一直せない場合はどうすれば良いのかを事前に把握しておくことが大切です。 旧車にありがちな3つの故障箇所 車が古くなるとなぜ故障するのか?という疑問にひと言でお答えするなら、それはすべて経年劣化が原因です。 そして、経年劣化による古い車の故障は、大きく3つに分類することができます。・オイル漏れ/水漏れ ・錆びや腐食によるトラブル ・電気系のトラブル それでは、上記代表的な3つのトラブルについて、解説していきましょう。 オイル漏れ/水漏れ エンジンオイルや冷却水(LLC)など、いわゆる油脂類の漏れや雨漏れは、車が古くなると起こる代表的なトラブルです。 事故車など車体に大きなダメージを受けたケースを除き、これらの"漏れ"が起こる要因のほとんどは、経年劣化によるパッキンやシール類の硬化が原因。 パッキンやシール類のほとんどは、ゴムやプラスチックなどの樹脂系の素材でできています。 樹脂系の素材は、エンジンルーム内の熱や紫外線、乾燥などによって時間の経過とともに固くなり、回転や変形という動きについていけ無くなり漏れを止めることができなくなってしまうのです。 錆びや腐食によるトラブル ボディや下回り、さらにエンジン本体や車内の電装品にも発生する錆びや腐食も、車が古くなると避けて通れない代表的な故障です。 ボディの錆は見た目に影響を与えますが、本当に怖いのは下回りやエンジン本体、電装品に発生する錆び。 これら目に見えないところに発生する錆びや腐食は、先述した油脂類の漏れや雨漏れ、さらに後述する電気系トラブルの元凶にもなります。 電気系のトラブル 現代の車にとって、ガソリンだけでなく電気も欠かせい存在です。ヘッドライトをはじめとした灯火類はもちろん、走行に欠かせないエンジンやミッション、さらにエアコンやパワーウインドウなどの快適装備にも電気は欠かせません。 しかし、湿気や空気中の塩分などによって、金属の接点や回路の錆びや腐食が発生。その結果、エンジン警告灯が点灯したり、エアコンやパワーウインドウが正常に作動しなくなったりするのです。 ・故障にかかるコスト上記のように、古い車の故障の原因は経年劣化です。そして、それらの故障の中には車検に通らない故障はもちろん、安全に乗ることができなくなってしまう故障もあります。 古い車を所有していくためには、それらの故障やトラブルを修理していかなくてはなりません。 古い車の修理に掛かる費用(コスト)は、1万円以内で修理できるものから数十万円もの修理費が掛かるものまでさまざまです。 代表的な修理をご紹介すると、エンジンオイル漏れの定番であるタペットカバーのオイル漏れの場合の費用は1万円~数万円。ですが、クランクシャフトのオイル漏れの場合、車種によっては10万円以上のコストが掛かることもあります。 さらに、電気系のトラブルで言えば、エアコンやパワーウインドウが代表的な故障です。例えば、エアコンの故障で多いコンプレッサーを交換する場合、新品部品を使用すると10万円以上、中古品やリビルト品と呼ばれる再生部品を使用した場合は5万円~10万円程度です。 古い車の部品供給期間は平均7年~10年 古い車を修理する場合、費用が掛かるのはもちろんのこと、交換するための部品が存在しているかということが重要なポイントとなります。 メーカーにもよりますが、一般的なモデルの場合、純正部品の供給期間は、当該モデルの生産終了から7年~10年。つまり、車種によってはフルモデルチェンジ後10年経つと、純正部品が手に入らなくなってしまうのです。 もちろん、すべての純正部品が手に入らなくなるわけではありませんし、中古部品やリビルト部品で補うこともできます。しかし、車が工業製品である以上、時の流れに逆らうことはできません。古くなれば古くなるほど、部品は手に入れにくくなってしまうのです。また運良く手に入れられたとしても、通常より割高になってしまう可能性も否定できません。 直したいのに直せない場合は売却を最優先に考える 部品が無い、もしくは、直すために通常よりも費用が掛かるとなれば、車を乗り換えることを検討することになります。 その際、廃車にするか売却するかという2択になりますが、古いからどうせ値が付かないだろうと諦めず、売却する方法を考えましょう。 工業製品である車は、古くなれば商品価値を失うと考えられがちです。しかし、どんな車種であっても、一定のコアなファンが存在し、きちんとした販路を持った業者であれば古い車であってもシッカリした値を付けることができます。 まとめ 車に限らず、どんなものでもいつかは故障します。そして、故障内容によっては買い替えざるを得ないケースもあるでしょう。しかし、車は工業製品の中でも製品寿命が長く、古い車であっても一定の価値を持つ車種も少なくありません。 古いからと諦める前に、旧車王のような専門店に相談し、これまで大切にしてきた愛車をきちんと評価してもらうことが大切です。 [ライター/増田真吾]
2021年8月2日に新型300系を発売したトヨタ ランドクルーザー。現在も世界中で愛され続けているその歴史を語る上で、高い悪路走破性はそのままに、見た目も中身もファミリーユースに特化させたFJ55系の存在は外せません。今回はそんなステーションワゴン系の初代モデル、ランドクルーザー FJ55系の魅力や中古市場について紹介していきましょう。 半世紀以上前に誕生したFJ55系とは? 1967年8月に発売されたFJ55系は、レジャー利用を目的とした北米市場向けに開発されたランドクルーザー初のステーションワゴンです。 シリーズ初の社内デザイナーによる曲線を使った近代的なエクステリアに、室内にはウレタン製の保護パッドや発砲レザーのシートを採用。乗用車向けの多くの工夫を凝らし、アメリカのファミリー層から高い人気を獲得しました。 全長4,675mm×全幅1,735mm×全高1,865mm、パワートレインはそれまでの40系を引き継いでおり、最高出力は125馬力の3.9リッター直列6気筒OHVの「F型」エンジンを搭載。トランスミッションはコラムシフトの3速MTを基本とし、パートタイムの4輪駆動が装備されていました。 FJ55のマイナーチェンジにあたるFJ56 1975年、新たに定められた排ガス規制に適合させるため、FJ55系のエンジンは4.2リッター直列6気筒OHVの「2F型」となり、日本モデルのみ型式名もFJ56へと変更。エンジンの最高出力は140psまでアップし、トランスミッションも3速のコラムシフトから4速のフロアシフトへと改良されています。 最新の300系まで続く歴代ステーションワゴン系ランドクルーザー ヒットモデルを生み出し続けているランドクルーザーシリーズ。ここではFJ55系を始めとしたステーションワゴンタイプの各モデルを紹介していきます。 55系(初代:1967年~1980年) 上の項でも紹介したとおり、55系はランドクルーザーシリーズ初のステーションワゴンモデルです。それまでの武骨なデザインから脱したキャッチーな見た目と、居住性が向上したインテリアは北米市場で高い評価を得ました。 60系(2代目:1980年~1989年) 従来までの4.2リッターガソリンエンジンにくわえ、新たに3.4リッター直列4気筒ディーゼルエンジンも選択できるようになった60系。ハイルーフタイプやリアゲートの開閉方法、オーバーフェンダーの有無に角目ヘッドライトなど、モデルやグレード毎に多くのバリエーションが存在するのが特徴です。 80系(3代目:1989年~1998年) 80系はオンロードも快適に走ることができるというコンセプトのもと開発され、サスペンションも60系の板バネ式からコイルスプリング式に変更するなど、大幅な改良が加えられました。 エクステリア、インテリア共に高級感を感じさせ、ワゴンとしての使いやすさだけではなく上質さもプラス。以降最新の300系まで続く、ラグジュアリー性を持った革新的なモデルです。 100系(4代目:1998年~2007年) 新開発の4.7リッターV型8気筒ガソリンエンジンと、80系でも採用されていた4.2リッター・直6ディーゼルターボエンジンを搭載した100系。車体幅を拡大したことにより、車両安定性の向上と、広大な車内空間が得られ、高級4WDとしてのプレステージ性も高めたモデルです。 200系(5代目:2007年~2021年) 200系となりボディサイズは全長60mm、全幅30mとさらに拡大。2007年発売当時の国内仕様には、新たに吸気VVT-iを採用した2UZ-FE型を搭載し、100系の頃に比べ最高出力は53psアップされています。 車体は大きくなったものの、最小回転半径は100系と変わらないなど、運転のしやすさにも力を入れられています。 300系(6代目/現行型:2021年~) 2021年8月から待望の新型として登場した300系は、伝統のラダーフレームを継承しつつトヨタの新TNGAプラットフォーム「GA-F」を採用。軽量化や低重心、高剛性化などさまざまな改良が施されました。 エンジンは3.5リッターV6ガソリン、3.3リッターV6ディーゼルが選べ、どちらもツインターボを搭載。正式発表前となる2021年7月中旬の段階で受注停止になるほどの人気で、同年8月2日の発売日以降に購入した場合、納車は1年以上とアナウンスされています。 FJ55の中古市場と購入の際にチェックしておきたいポイント 2021年7月の執筆時点で、大手中古車サイトのFJ55の在庫はわずか2台のみ。本体価格は消費税込みでそれぞれ398万円と458万円でした。 FJ55系は車自体の耐久性はあるものの、年数の経過もあり、ルーフやフェンダーにサビが発生しやすいので、購入を検討するならば現車確認が必須です。また、修理や交換部品が必要になった場合に備え、メンテナンスを任せられるショップを探しておくことも重要になってくるでしょう。 まとめ FJ55系は現在の300系まで続く、ステーションワゴン系ランドクルーザーの源流ともいえるモデルです。それまでは悪路を走行する作業車というイメージの強かったランドクルーザーでしたが、デザイナーによる先進的な外観、過ごしやすさを追求した室内空間は、アメリカ市場で広く受け入れられました。 ファミリーユースとしての可能性を大きく広げたFJ55系は、ランドクルーザーシリーズの立役者として、これからも歴史に残り続けるでしょう。