「車売却ってそもそもどんな流れなのか」「車の相続について相談したい」など車売却をご検討の際に出てくる悩みに無料でお答えいたします!
【相談例】
● 車売却のそもそもの流れが分からない
● どういった売り方が最適か相談したい
● 相続で車を売りたいけど売り方が分からない
● 二重査定や減額について知りたい
など
2025年2月22日、23日の2日間にわたり、パシフィコ横浜で「ノスタルジック2デイズ」が開催された。 同イベントは神奈川県と横浜市観光協会をはじめ、自動車部品・部品アフターマーケット振興会などが後押しする日本最大級のクラシックカーの祭典であり、今回で16回目の開催となる。 主催はノスタルジックヒーローやハチマルヒーローなどの雑誌で知られる芸文社。会場には日本中から旧車ショップやレストアメーカー、各種パーツを取り扱う企業などが集結。華やいだ空気と熱気があふれていた。 会場内には国産旧車はじめ、アメ車や欧州車などが数多く並び、外周部には貴重なコレクターズアイテムのような車輌やヒストリーを持った車体、あるいはかつてTVや映画で見た劇中車のレプリカなどが整然と置かれていた。 入口からほどなくして柵に囲まれた赤絨毯の上に1台のクルマが置かれていた。型式はPGC10。いわゆるハコスカである。このクルマは実際にレースで使われていた車輌を市販車としてレストア、それゆえ、いたるところに軽量化のための穴がそのまま残されていたり、各所の部品が正規のモノとは違っていたりしたという。塗装も当時純正色であったグローレッドに塗られている(会場パンフレットより)。ちなみに車台番号もかなり早く、50番ということだ。 こちらのクルマは会場の人波をかき分けゆっくりと進む日産バイオレット。走行入場をする「選ばれし10台」の中の1台だ。 ■緑色が映えるレーシングレプリカ 皆さんは1960年代に実際に日本グランプリに出走した「ケロヨン号」というクルマをご存じだろうか?ご年配の方なら思い出すかもしれないが、「あのケロヨン」というキャラクターが由来のクルマであり、1968年の日本グランプリで伊能祥光選手がステアリングを握って日産やトヨタのワークスを相手に戦った車体である。 デルRSBというパイプフレームシャーシに日野コンテッサの5速ミッション、エンジンはセンチュリーのV8 3リッター(3.5Lに拡大とも)を搭載してFRP製の軽量ボディを架装し、仕上げられた車体である。 また同車輌は映画ケロヨンの大自動車レースという作品でも登場している。こちらの映像は今でもDVDとして入手可能とのことだ。ただし、作品中の個体はさすがに本物ではなく、撮影用の車輌と思われる。 ここではそのケロヨン号を可能な限り忠実に再現しようと製作したのだという。もちろんオリジナルの車体はすでに存在しない。また同車輌制作にあたっては原作者の藤城清治氏に許諾を得ている。市販車輌としてナンバー取得ができるようにあえてパイプフレームを止め、トライアンフのシャーシを使用。エンジンはセルシオの1UZ-FE型、それにスバルの5速ミッションを組み合わせる。ノーチラスの古川氏は組み合わせの関係でミッションの後ろが出てしまったから、うまくまとめないといけないと話されていたが、いまから完成が待ち遠しいクルマである。 ■小さめの謎のシート 会場内には車輌に関係した物以外にもウェアやグッズ、もちろん書籍なども展示販売されている。そのなかで少しばかり奇妙な物を見つけた。それがデンモータース(といっても車屋ではない)の「DEN GT SOFA」である。 ハコスカのシートを忠実に再現したリビング家具であり、その製品は日産の監修の下に許諾を受けた確かなものである。しかし、実物のシートと比べていささか小さいのでは?と思い質問をぶつけてみると、そこは本物と同じ仕上げにできないこともないが、あくまでもソファとしての実用性から使いやすい大きさや形状変化をさせているという。 なるほど。昨今の自動車のシートをそのままデスクチェアにするのとは真逆の考えで、形状や縫製を忠実にしながらあくまでもイスとしての実用性を優先するということだ。ガレージハウスの一角でこのソファーにもたれて愛車を愛でるのもアリかもしれない。 ■本物を味わえるビジネス 会場に展示された2台のラリーカー。日産 ブルーバード(510型)と、マツダ サバンナ RX-7(SA22型)。見るからに本物感がにじみ出る車輌に目を疑う説明が。本物のラリーカーの「レンタカー」だという。 いいのだろうか?そもそも、誰とも知れない人間に貸しても大丈夫なのか?ブルーバード510といえばサファリラリー完全制覇の車輌であり、RX-7もクラス優勝とはいえモンテカルロで優勝したクルマである。もし何かあったらどうするのだろう。そんな不安を抱きつつレンタルできる理由訪ねると、ブルーバード510は精巧なレプリカ、RX-7は競技車輌のスペアカーだったそうだ。 それでも貴重な当時の生き証人のようなクルマである。いったいどんな方が借りていくのか訪ねると、主に雑誌関係者やプロのドライバーやレーサーの方が借りに来られるのだとか。現在実質プレオープン状態で本格稼働にはもう少し時間がかかるということだが、興味は尽きない。ちなみにこのときに答えてくれたのは、まだあどけなさが残る男の子。なんとRX-7の関係者のお孫さんだという。自分の物にできるまでこのクルマには頑張ってほしいと明るく話していた。 ■複製はついにここまで 神奈川トヨタのブースで「はじまりに出逢う」と銘打って展示されていた初代クラウン。その後ろではその再生に協力をしたと思われる企業の製品が展示されていた。 多くのパーツが3Dプリンターなどで復刻できる時代。一番やりにくい物はなんであろうか?ガラスである。そして多くの車輌で割れたら後がない部品である。そんなガラスを複製してくれる会社が板橋区にあるTOKYO HOKUTOだ。会場にはトヨタスポーツ800のリアガラスがサンプルとして展示されていた。製品としてもキチンとしており、日本のJISはじめ欧州のE6規格(ベルギー)、北米のAS1などの規格もクリアしているとのこと。 原型となるオリジナルさえあれば車種問わず制作可能ということだ。ただし金額的にはこちらのサンプルで200万くらいは掛かってしまうので、幾人か同志やクラブメンバーなどで希望者を募ってお願いするのが正解だろう(制作枚数が多ければ多いほど1枚単価は下げることができる。上記の値段も20枚ほどのオーダーで行われたものだという)。 ただ少なくとも希少なモデルのフロントスクリーンやパーツなどを万が一失ってもサンプルさえあれば再生できるというのは大きいと思う。 もうひとつ3Dスキャンして複製を作るのとは別に同社の得意とする分野がある。それがメーター修理だ。実はこちらの会社、元々制御基板の会社でありそういった機器には精通している。今回のことでも新規開拓を進めていくうちに神奈川トヨタと出逢ったそうだ。 80年代以前からメーターは電子部品が使われ、故障するとそのままにせざる得ない部品のひとつでもあった。多くは中古部品からのコンバートで直されるが、部品が出なかったり、海外で取り寄せが難しかったりした場合専門店に修理を頼むしかない。しかし、車種に偏りがあったり年式で出来ないと言われたりもすることがある。こちらでは車種は問わないという大変心強い言葉をいただいた。 サンプルに使われているアリストのメーターはじめ展示している場所も神奈川トヨタというだけあり、商談窓口は基本的に神奈川トヨタからお願いしますということだ。ここで思いきって聞いてみたのが欧州車とかも大丈夫ですか?という質問に依頼そのものは全く問題ないと答えをいただいた。メーターや部品の再生でお困りの方、ぜひ一度相談してはいかがだろうか? ■筆者の思うところ ノスタルジック2デイズを振り返って変わらず国産車の展示が圧倒的に多い。その中でもスカイラインは群を抜いて多かったと思われる。 またメーカー別でも日産車は多かったのではなかろうか。ここしばらくの日産の話を耳にするに付け、なんとも皮肉なほどに日産車が人気である。もちろん他メーカーや外車勢も増えている。 これには複製技術や小ロット生産の方法がかなり確立してきたおかげだろうと考える。この先新車に対して新たな車検制度やセンサーシステムの追加によって、ますますランニングコストが増えていくのではないだろうかと思う。 そうなったときにこの先果たして旧車と新車、いったいどちらが維持がしやすくなるのか?もしかしたら旧いクルマの方がよほど安心して維持ができるようなってくるのではないかと思えてしまう。いや、もちろんそんなことはないハズなのだが。 原初のBMWM5と最新のM5。1987年のデビュー時の値段が1,198万円。展示中の最新モデルがフルオプションで2,231万円。価格もおそらくは性能も倍以上の設定である。 ■旧車を知り、楽しむために 旧いクルマと新しいクルマ。その大きな違いはなんであろう?おそらくはトランスミッションではないだろうか。 もちろん今ならエンジンかモーターかということもあるであろうし、旧車でもATのクルマが好きな方もいるだろう。それでも会場を訪れる方々はMTを好む方が多いと思われる。 近年よくMTなどの時代じゃないなどと言われたり、MT免許がオプション的な扱いになる法改正が行われようとしている。確かにシステムとしてのトランスミッションで言えばATの方がすぐれているし、もはやよーいドンで速いのも間違いなくATだろう。それでもボク等はMTを好む。速さではなくシフトチェンジすることで走らせるのが楽しいからだ。 ノスタルジック2デイズはそうした走らせること、クルマを直すことの楽しさを表現するための知識や交流の場としてこれからも必要になるだろう。 再生の灯を絶やすな!マニュアルトランスミッションを決してロストテクノロジーになどしたりしない。この会場からはそうした決意にも似た熱気にあふれているように思えてならない。 [ライター・カメラ / きもだこよし]
2025年1月10日〜1月12日まで、幕張メッセにて「東京オートサロン2025」が開催された。「東京エキサイティングカーショー」としてスタートした1983年から数えて今回が43回目となる。 東京オートサロン事務局が公開した情報によると、今年の参加人数および出展者数は以下のとおりだ。 ■参加人数(※出展者、関係者を含む)・1月10日(金):63,982人(前回51,014人)・1月11日(土):102,175人(前回95,081人)・1月12日(日):92,249人(前回83,978人)●累計:258,406人(前回230,073人) ■出展者数・出展者数:389社(前回実績378社)・出展車両台数:857台(前回実績893台)・ブース総数:4,336小間(前回実績4,329小間) 朝イチに会場入りした時点で昨年よりあきらかに混んでいると感じたが、その印象は間違っていなかったようだ。来年はさらに・・・? ■駅前の混雑&駐車場に空きがない!? 初日の「ビジネスデイ(業界&報道関係者公開日)」は午前9時スタート。報道関係者の多くがそれよりも前に現地入りし「押さえられるものを"なる早で"押さえて」おかないと、撮れ高が確保できない可能性もあるからとにかく必死だ。 そのいっぽうで、業界関係者の多くが午前9時の開場をめがけて幕張メッセにやって来るため、駐車場が取り合い状態に。筆者の知人(業界関係者)も、駐車場にクルマが止められず、会場入りできたのは午前10時すぎとのことだった。 ちなみに筆者は・・・というと、幕張メッセまでの移動には公共交通機関(JR京葉線)を利用している。同業者から「えっ、幕張メッセまで電車で来るの?クルマじゃないんだ・・・」と驚かれたことがある。普段からクルマでの移動が多い分、電車(満員電車)での移動を好まない人も少なくない。 東京オートサロン会場まで公共交通機関(JR京葉線)を利用する理由は2つ。先述したとおり、駐車場確保に時間を取られたくないというのがまず1点。そして朝から晩まで会場で歩きまわり、自分の運転で自宅まで帰宅しなければならない。それならば公共交通機関の方が気楽、というのが2点目の理由だ(たまたま帰路は途中駅で座ることができ、東京駅まで爆睡してしまった)。 ■プレスルームは新年の挨拶の場を兼ねて ジャパンモビリティショーと同様に、東京オートサロンにもプレスルームが用意されていた(初日のみ)。ニューモデルやプレスカンファレンスなどの速報記事はここから発信されていることが多い。報道関係者が集うプレスルームに足を運べば、誰かしら同業者の皆さんと顔を合わせることができる。 そのため、東京オートサロンのプレスルームは新年の挨拶の場も兼ねている。つい1ヶ月ほど前の年末進行の苦労話などしたいものだが、実際にそんな悠長なことはいっていられない。各メディアが競争しているわけではないのだが、それでも注目のモデルはいち早く記事にして公開すればより多くのPV(ページビュー)が稼げるからだ。 そうなると、結果としてタイムアタックにならざるをえない。そういうときは「話掛けないでオーラ」が出ているので、頃合いを見て挨拶をするように心掛けている(かといって、プレスルーム内はギスギスしている雰囲気はないのでご安心を)。 ■日本車 トヨタがGR ヤリスをミッドシップ化してしまった「GRヤリス Mコンセプト」、その他にも新型ホンダ プレリュードプロトタイプや、マツダ スピリット レーシング・ロードスター12R、スバル S210をはじめとする最新モデルのお披露目があった。 そのいっぽうで、トムスからはレストア済みのホワイトボディとなった状態のAE86など、新旧ともに話題満載だ。 数年前はGRヤリスをベースにチューニングしたクルマが多かったように記憶しているが、今年は比較的ばらけていたように見受けられた。そのなかでも第2世代スカイラインGT-Rや、AE86の人気は凄まじいことを実感した(そしてついに日産ブースではスカイラインGT-R EVの展示が)。 ついにスカイラインGT-RがEVに・・・。安い中古車を手に入れ、その分の予算をチューニング費用にをつぎ込む・・・といったいじりかたがもはやできない存在となってしまった感がある。 ■輸入車 チューニング&ドレスアップのベース車としていつの時代も格好の素材なのか、新旧ポルシェ911の展示が多かった。筆者がはじめて東京オートサロン会場に足を踏み入れたのは1992年だが、そのときもRUFのコンプリートカーが展示されていていたく感激した記憶がある。 また、ランボルギーニ ウラカンの後継モデルにあたる最新モデル「テメラリオ」も展示されており、注目を集めていた。オートサロンで実車を初めて見た人も多かったはずだ。 そして、お父さん世代には懐かしい、ケーニッヒ テスタロッサ エボリューションモデルがさらりと展示されていて驚いた。当時、1000psを標榜する超ド級のクルマとしてF40とは異なるファンを獲得していた1台だ。いまは絶版になってしまったようだが、フジミの1/24スケールプラモデルも販売されていたっけ。 最新モデルでは、フェラーリ プロサングエが数台展示されていたことにも驚かされた。 ■オートサロン会場の華であるコンパニオン 車輌の撮影と並行してコンパニオンの皆さんも取材。あくまでも個人的な感想だが、今年は「ガチ勢」のカメラ小僧が多かったように思う。至近距離でストロボをたいて撮影したり、ローアングルで撮影したりと・・・。それでも彼女たちは笑顔を振りまかなければならないわけだし・・・端から見ているよりも忍耐力がいる仕事かもしれない。 ただ・・・なかには「クルマ単体で撮影がしたい」という人もなかにはいて、コンパニオンに「ちょっとどいてください」と画角から外れてもらうように指示する人もいた。さすがにいえなかったけれど、そりゃあんまりだよ・・・。 ■まとめ:3日間で約26万人が来場した「東京オートサロン2025」に思うこと 今年の出展者数は389社、出展車輌台数が857台、ブース総数が4,336小間。幕張メッセのスペースを目いっぱい使ってのイベントだけに、1日でじっくり見てまわるのは不可能に近い規模だ。 それだけに、出展者側も目立たせるのも一苦労だ。インパクトを持たせるにはかなり大胆なことをやらないと素通りされてしまう。とはいえ、インパクト狙いでいくと、誰が見ても格好いいカスタマイズカーに仕上げるか、はたまた「その手があったか!」といった意外性。さらには「まさか!」と思うようなベース車を選ぶ必要がある。 個人的に印象に残った1台といえばこれだ。東京自動車大学校の生徒さんが手掛けたW124型のメルセデス・ベンツ。昨年この世を去ったブルーノ・サッコへのリスペクトが感じられる展示が印象的であった。 そういった作り手の想いは素人である我々も敏感に感じ取る。そして逆も然りだ。現存する貴重な1台のクルマがまったく別の姿へと変わってしまった状態を見るにつけ、本来であれば「踏み込んではいけない領域に足を突っ込んでしまった」展示車があるように感じたことも事実だ。 日本の枠を超え、世界的にも注目されているイベントだけに、日本人が持つ美徳感や美意識を忘れてはならないように思う。 なお、 2026年の東京オートサロンは、1月9日(金)〜11日(日)の3日間、幕張メッセで開催されるという。 今年はインフルエンザが大流行しているまっただ中での開催だっただけに、来年はもう少し平穏な環境で取材ができることを祈るばかりだ(ベビーカーや抱っこひもで赤ちゃんを抱えて見学しているギャラリーも少なくなかったので、同じ子育て世代の立場としては心配になってしまった) [ライター・撮影/松村透]
2024年11月24日(日)、道の駅おおた(群馬県太田市)において、乗り物系YouTuber/クリエイターとの交流イベント「第3回YouTube Craftsman‘s Meeting@道の駅おおた」が開催された。 今回、計7組の乗り物系YouTuber/クリエイターが参加し、ファンとの交流を楽しんだ。また、道の駅おおたに偶然立ち寄った人たちも、珍しいクルマが敷地内の一角に並んでいることに気づき、興味深そうに展示車輌を眺めていた姿が印象的だ。 ■YouTube Craftsmans Meetingに参加した乗り物系ユーチューバー/クリエイターの皆さん では今回「YouTube Craftsmans Meeting」に参加した乗り物系ユーチューバー/クリエイターの皆さんをご紹介していこう。初エントリーとなるユーチューバー/クリエイターも2組いて、それぞれのファンとの交流を楽しんでいた。 【水戸道楽TV】 レストア中のR30型スカイライン、イベント初お披露目となった40ランクル、トヨタ プログレのボディをカットし、ピックアップトラックに改造後、公認車検を取得した「プロカミーノ」の3台を展示。イベント恒例、グッズ売り場は長蛇の列が。 ●YouTube:https://www.youtube.com/@mito.douraku 【CBR WATAHIKI】 旧車王ヒストリアでお馴染みの「CBR WATAHIKI」さん。今回は本物のF3000マシンである「レイナード93D」を展示。カウルを外してエンジンやサスペンションなど、間近で見られる貴重な機会だ。本物のフォーミュラカーのカウルの軽さに驚いていたギャラリーも。 ●YouTube:https://www.youtube.com/@cbrwatahiki●URL:http://cbr-watahiki.com●住所:〒310-0912 茨城県水戸市見川3-528-2 【GARAGE 521】 道の駅おおたの地元・群馬県太田市にショップを構えるスーパーカブカスタム専門店「GARAGE 521」。俳優の中尾明慶や山下健二郎の愛車であるカブのカスタマイズを手掛けているのもGARAGE 521だ。ギャル仕様のスクーターも遊び心満載。 ●YouTube:https://youtube.com/channel/UCvEo1P2WxY_ys8vZ-bINI3g●URL:https://www.garage521.com●メール:garage521@gmail.com●Instagram:https://www.instagram.com/garage.521/●住所:〒370-0426 群馬県太田市世良田町1130-2 【オフロードファクトリー軽トラ牧場】 地元・太田市からもう1店舗、さまざまな車種のオーダーメイドパーツの製作や、オフロード関連パーツ製作会社「オフロードファクトリー」もエントリー。軽トラックのさまざまな楽しみ方を提案してくれる動画も必見! ●YouTube:https://youtube.com/@offroad-factory●URL:https://www.offroad-factory.jp●住所:〒370-0303 群馬県太田市新田小金井町1640-1 【湘南物置クラブ】 神奈川県警で使われていたポルシェ912パトカー。各地のイベントでもお馴染みの912パトカーが今年もエントリー。そして横には、912パトカーのKさんも知らなかった(笑)という、主催者のサプライズで本物のクラウンのパトカー。しかも現役。広報の婦警さんもノリが良くてこのショットが実現。2台の警察車輌はインパクトがあり、偶然居合わせたギャラリーもじっくりと新旧パトカーを眺めていた。 ●YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCOiaOrm5NQf1fa-7yTf0Daw 【87WORKS TV】 今回、初エントリーとなる、実は新婚のドリフトドライバーの塙彰拡選手。FOMULA DRIFT JAPANにBMW Z4で参戦中であり、サーキットで走行会やドリフトスクールを定期的に開催している。詳細はX(@works_87)にて確認されたし。今回はS15シルビアを持ち込み、ギャラリーに愛車の説明にも熱が入る! ●YouTube:https://youtube.com/@a.hanawa?si=lymlhw8xJWJQ2Qh4●Instagram:https://www.instagram.com/akihiro_hanawa/●X(Twitter):https://x.com/works_87 【前橋サンデーミーティング】 前橋サンデーミーティングとは「クルマを趣味とする人たちが、愛車を持ち寄りお互いの車の価値を認め合い、クルマ談義をしながら日曜日の午前を過ごす集い」だという。毎月第1日曜日の午前9時~12時くらいまで、4輪・3輪・2輪を問わず参加できる無料イベントを開催中。会場は関越道前橋IC近くのショッピングモール「アカマル(群馬県高崎市中尾町44-1)」の臨時駐車場(ショッピングモールや周辺地域の発展に寄与する)ことを条件に借用しているため、参加者にも配慮が求められる)。 ●YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCKOGR9iglMwCtFBQP1WXpSA●Facebook:https://www.facebook.com/p/Maesun-Meeting-100082896834416/ ■イベントでは初となるトークショーを開催 午後からは、このイベントでは初となるYouTuber/クリエイターの皆さんを交えてのトークショーを開催。動画では語られていなかったエピソードや気になる収益のことなど、オフレコトーク満載で盛りあがった。と同時に「続けることの大切さと難しさ」をギャラリーも実感できたようだ。 YouTubeチャンネルを立ち上げて多くの登録者数を獲得すれば収益につながる。しかし、常に刺激的な話題を提供しなければあっという間に離れていってしまう。「好きでなければ続けられない」というメッセージは何よりの説得力があった。 ■国内外のクラシックカーをメインにした展示も Sunday Breakfast in Ota(以下、サンブレ)メンバーとその関係者による国内外の旧車・ネオクラシックカーも展示された。 国籍を問わずさまざまなクルマが集まるのもサンブレの特色であり、魅力のひとつだ。たまたま道の駅おおたに立ち寄った人たちも、珍しいクルマがたくさん並んでいることに興味を示してイベント会場に足を踏み入れるきっかけにもなっていたようだ。 いずれにしても、当日、たまたま道の駅おおたに立ち寄った人はラッキーだったことは間違いない。 ■まとめ:「乗り物系YouTuber/クリエイター」という、ユニークな企画のイベント 暑さがひと段落して、秋(今年は特に短かったような気がするが)の行楽シーズンになると、全国各地でさまざまなクルマ関連のイベントが開催される。9月〜12月上旬頃はまさにイベントシーズンといえるだろう。そのなかで「乗り物系YouTuber/クリエイター」というイベントは非常にユニークであり、全国的に見ても珍しい企画だと思う。 好きなことを動画にして収益が得られることは、一見すると楽しそうに映るかもしれないが、見えないところでさまざまな苦労がある。何より「続けること」「視聴者が見たいと思っているネタを提供する(探す)」必要があるからだ。ホームランバッターが打席に立ったら、常にホームランを打ってくれる(に違いない)という期待とプレッシャーに応えなければならないようなものだ。 今回「YouTube Craftsman‘s Meeting@道の駅おおた」に参加した乗り物系YouTuber/クリエイターの皆さんは、その期待と苦労を積み重ねてきたからこそいまの人気を獲得しているのだと思う。 イベント終了後に皆さんで記念撮影(湘南物置クラブさんは別の撮影があるため次の予定へ。忙しい!)来年も、新たに乗り物系YouTuber/クリエイターが加わるのだろうか。第4回目の開催が今からとても楽しみだ。 ■会場となった「道の駅おおた」について ・所在地:〒370-0421 群馬県太田市粕川町701-1・電話:0276-56-9350・FAX:0276-56-9351・駐車場;普通車:126台、大型車:40台、身体障害専用:4台・URL:http://michinoeki-ota.com ■道の駅 おおた <公式> Facebookページhttps://www.facebook.com/michinoeki.ota/ ■道の駅おおた広報「おっくん」 Facebookページhttps://www.facebook.com/ekicho.ota/ ■道の駅 おおた <公式> Twitterhttps://twitter.com/michinoekiota [ライター・カメラ/松村 透]
2024年11月17日、雨上がりの空の下、芦ノ湖スカイラインレストハウスフジビューに多数の車輌が集結した。 その多くはポルシェ、フェラーリから日産GT-Rといったスーパースポーツをはじめ、走りに特化したクルマが多い。 これらは「GOGOミーテイング(以下GOGO mtg)」と銘打たれ、主催者である「やまけん」氏によるオファーで集められたクルマとそのオーナーたちだ。 多種多様なスタイルや生産国の車輌が参加するこちらのイベントは、今回で3回目を向かえる。 今回は前週に台風が4つも発生するという状況のなかということもあり、天候が危ぶまれていた。 しかし、イベントは当日は幸いにして明け方にこそ雨があったものの、ときどき雲に覆われることこそあったものの絶好の晴天に恵まれた。 ■「GOGO mtg」とは? 「GOGO mtg」とは、主催者である「やまけん」氏が3年前に発起したイベントだ。 とにかく走ることが好き。 それもひとりではなく、皆と一緒に走ったり遠出をしたりするのが楽しいと考えるやまけん氏。 周囲にもそんなクルマ好きがたくさん集まってくる。 そんなクルマ好き同士で走りに行った、出掛けてきたといった話を耳にしているうちに、それならば自分が主催者として「GOGO mtg」を立ち上げたという。 この日も多くの車輌が集まっていたが、3年前の第1回目の時点ですでに70台前後のクルマがエントリーしたという。 同じように個人がいきなりイベントを立ち上げてもこれだけの台数は集まりにくい。 やまけん氏の求心力の高さはもちろんだが、人望の厚さがなければこの種のイベントは継続して開催できない。 それだけ日ごろから人付き合いを大切にしているという、何よりの証だといえる。 そんなやまけん氏が今、一番のお気に入りだというのが、今年の3月に手に入れたランボルギーニ ディアブロSVだ。 ずっとあこがれていたうちの1台だという。 とりわけカラーリングはこの青が一番好きだったといい、実は以前から前オーナーの方に手放すときには一声かけてほしいとコンタクトをとっていたという。 この日はやはり最近手に入れたポルシェ911 カレラとメルセデスAMGを含め3台を出展。 ちなみに帰りの渋滞を考慮してディアブロのために積載車を用意。 それだけでもこのクルマに対する入れ込み方がわかるというものだ。 会場である芦ノ湖スカイレストハウスフジビューは貸し切りのため、一般車輌が入ってくることがないため走りに出ることも可能だ。 しかしながらイベントの時間が4時間ということからか、以外にもそうしたクルマは少ない。 ・・・というより筆者が見る限りいなかったように思えた。 もっとも筆者がイベント開催30分前には会場入りしたにも関わらず、すでに半数以上の車輌が到着していたことを考えると、早朝から走ってそのあと会場入りをしていたのかもしれない。 ■クルマとは一期一会、会場で気になったクルマたち ここからはその参加車輌の方に目を向けていこう。 国産、外車問わずのイベントだが、クラシックの域に入るクルマはあまり見られないが、希少なモデルやスーパースポーツが数多く見られる。 NSX type-Sなどは世界350台、国内30台というモデル(もっとも現行NSX自体も多くはないと思うが)が参加していた。 値段などと考えることはそれこそ野暮というものだろう。 そんななか、筆者はいくつかピックアップしてお話を伺ってみたクルマを見てみたい。 ●ポルシェ911(996)タルガ 911としては珍しいタイプ996のタルガモデル、そして6速MTというレアな組み合わせ。 乗りはじめてまだ1ヶ月そこそこというこちらのクルマのオーナーは、元々GT3に乗られていたという。 あるとき素のカレラというものをほしいと考えていた矢先、このタルガのMTが出てきたという。 これこそまさに「一期一会」というものに違いないと即決購入に至ったそうだ。 ちなみに、オーナーの話によると、996モデルのMT比率はティプトロニックに対して8:2だそうだ。 しかもタルガモデルは最後の2年間ほどしか生産されておらず、MTのタルガがいかに希少かわかるというものだ。 オーナーは手に入れてからほぼ毎回屋根を開けて走り、このクルマを存分に満喫しているという。 ●BMW M3(F80型) 「F80型」といわれるモデルから「M3」のモデル名は4ドアセダンモデルの名称になり、2ドアモデルは「M4」となった。 このM3を購入してからちょうど1年ぐらいになったというオーナーは女性。他にも所有している車輌はあるというが、気に入っている点はその使い勝手の良さからだという。 他にも所有しているクルマもあるし、決して2ドアクーペのスタイルが嫌いなわけではないが、後席に友人を乗せたりするのに何か違うな?と考えていたという。 そんなときにスタイルも走りも満足のいくM3に出会い、今ではどこに行くにも日常から走りまでこのクルマで出かけるということが多いという。 ●フェラーリ812スーパーファースト フェラーリのフラグシップマシンの一角であり12気筒FRのモデル。 オーナーはYouTube界隈では知られた存在である「あま猫」さん。 納車の様子を動画配信されているのでその喜びはご存じの方もおられるかと思う。 6.5L V12から800馬力を叩き出し、そのすべてを後輪で路面に叩きつけるクルマを華奢な彼女がドライブする。 100ps強の小さな車で動く筆者には想像のつかない世界である。 当面はこのクルマで日本一周を動画配信の予定を考えているという。 ちなみに、当日の動画はこちら。 【やばい…】フェラーリでスーパーカーが集まるツーリングにぼっちで突撃してみたhttps://www.youtube.com/watch?v=zdPbc6YaU5w ●ジャガー F type 会場では唯一のエントリーだったジャガー。 英国のブランドとして知られるメーカーではあるが、ミニやロータスと違い、こうしたイベントではあまり見ることが少なくなってしまった。 それでも高級スポーツとしてのジャガーは何ら損なわれることはない。 数ヶ月前に購入したばかりという若いオーナーは、ちょっと見てみたいなと入ったお店のショールーム内にあったFタイプを、営業マンからエンジンを掛けてみますか?といわれたそう。 そのときの豪快なエキゾーストにすっかりやられて購入を決めたという。 まだまだ乗り出して間もないが、日々ドライブを満喫しているそうだ。 ■本部前の赤いクルマは消防車だった! 会場本部にはフリードリンクが置かれ、テーブル席では参加者が自由に座ってクルマ談義に華を咲かせている。 そんな本部テント前には1台のどう見ても場にそぐわない消防車が鎮座していた。 実はこれも参加車輌であり、れっきとした個人所有のクルマだ。 オーナーは官公庁のオークションで競り落として手に入れたとのこと。 その見た目からもてあましそうな気がするが、驚くことに回転半径4.1mとへたな軽自動車よりもよく、むしろ日常の使い勝手がよいくらいだという。 当然ながら元々は消防車であるため、拡声器も搭載されている。 そのことからこのイベントの移動本部となっていたのはいうまでもない。 オーナーは登録時にさまざまな加工と工夫、登録方法を調べて4ナンバー化。 誰でも扱えるようにしたという。 話が長くなるのでそのあたりは別の機会にしたいのでこの辺で。 ちなみに荷台はお立ち台になっているのでカメラ撮影時に使わせていただいた。 ■構想は広がるさらに先へ イベントの終わりにはコンクールの表彰があり、参加車輌でどのクルマがカッコいいか?ということを投票した(もちろん他薦だ)。 結果として、1位にフェラーリSF90ストラダーレ、2位はフェラーリの430スクーデリアが選ばれた。 また、その他の参加者にも主催者からさまざまな参加賞(各自が選ぶ形で)が出されていた。 クルマが好き、クルマが好きな人たちとの交流でより多くのつながりができていくのが楽しいと語るやまけん氏。 今後はこのイベントをいかに続けて行けるか考えているという。 そのためには、より台数が来ても対応できるように、会場もさらに大きな場所も念頭に入れて考えているそうだ。 いつかは並べ方も国ごと、メーカーごとやクラシックカーのような枠でも並べられるようなイベントにしていきたいと意気込みを語ってくれた。 GOGOミーテイングはまだまだ広がりをみせていきそうだ。 イベント終了後も、名残惜しいのか、参加者の多くがまだまだ語り足りないとばかりにその場を離れる人がほとんどいなかったのが印象的であった。 [ライター・カメラ / きもだこよし]
2024年11月23日(土)、埼玉県某所にて1990年代のクルマにスポットを当てた「第5回東京キューマルミーティング」が開催された。 このイベントは、1990年代のクルマ(1990年〜1999年に生産されたクルマ)であれば。日本車・輸入車を問わず参加が可能だ。なお、1990年代に発売されたクルマであれば、2000年代に入って追加されたモデルであっても参加できるという。 開催場所はシークレットであり、エントリーが受理された時点で主催者から当日の会場がアナウンスされる仕組みだ。会場となる場所は、主催者が許可を得て借りているので、参加者は安心してイベントを楽しめる。 第1回目の開催は2022年12月、今回は第5回目となる東京キューマルミーティングには、各地から70台を優に超える1990年代のクルマがエントリー(イベント主催者によると、過去に臨時で開催したことがあり、それは"2.5回"と銘打ったそうだ)。 取材中、参加したクルマを可能な限り撮影したので、メーカー別に紹介していこう。 ■トヨタ 80スープラをはじめ、スターレット、「トイチ」のレビンや初代セルシオ、V12エンジンを搭載した先代センチュリーなど、最近はあまり見かけなくなりつつあるトヨタ車が多数エントリー。しかもどの個体もすみずみまで磨き上げられており、普段から大切に乗られていることが伝わってきた。 こちらの白いクラウンは、イベントスタッフである「獅子丸◢⁴⁶ the last phantom(@pS2q_mzk_204)」さんの愛車。実は筋金入りの30系ソアラフリーク。しかし今回はイベント運営のサポート役に徹していた。90年代車ではないけれど、イベント成功のために尽力している姿に感銘を受けたので記念に1枚。お疲れ様でした! ■日産 第5回東京キューマルミーティングでは最大勢力となった日産車。S13型シルビアや180SX(逆輸入仕様の240SXも!)をはじめ、R32スカイラインをはじめ、90年代を彩ったローレルやブルーバード、そして初代キューブもエントリー。 撮影に応じてくれた「Miyata(@GTETypex1998)」さんは、今回R32型スカイラインのGTE TypeXでエントリー。お父さん世代には懐かしい「navan」のアイテムがこれでもか!と装着されたR32はまさに素晴らしきヘンタイ(※ほめ言葉)だ。 そして、お父様が所有していたS13シルビアと同色の個体が愛車の「しげ(@shigezou_s13)」さんはハコスカも所有しているという。若くして旧車およびネオクラシックカーを2台所有しているというから驚きだ。 そして東京キューマルミーティングの主催者である「じゅんや(@CW30GT_NW30HWS)」さんは愛車であるラルゴでエントリー。お父様がじゅんやさんのために手に入れたラルゴをが受け継ぎ現在も所有。まさに家族の一員ともいえる存在だ。 ■ホンダ アイルトン・セナがCMに起用されていた4代目プレリュード、そして現時点では最終型となる5代目プレリュードもエントリー。当時はステップワゴン以上に注目されていたS-MXもエントリー。4ドアモデルの3代目インテグラはなんとフェンダーミラー仕様。内装のカスタマイズにも時代考証がなされており、お父さん世代としては感激してしまった。トゥデイやアコードワゴンなど、この時代のホンダは魅力的なクルマが多いことを再確認した。 ■スバル 2代目および3代目レガシィ(B4含む)/レガシィツーリングワゴンが大挙してエントリー。個人的な話で恐縮だが、ウィンドウフィルムを貼るアルバイトをしていた時代、2代目レガシィツーリングワゴンのリア5面にフィルムを貼りまくっていただけに、懐かしさがこみあげてきた。最近は見掛ける機会もかなり減ってしまった感があるのだが、こうして大切に乗っているオーナーがいることを改めて実感できた。 快く撮影に応じてくれた、「なべJUN(@Chiba_FunkyUnit)」さんは、足車だというプレオネスタでエントリー。ネスタのなかでも「RG」というスーパーチャージャーを搭載したモデルであり、高速を使った遠出もスムーズで、足車にはもったいないほどだと教えてくれた。時代やジャンルを問わずクルマ好きとのことだ。 ■三菱 三菱はこちらの5台がエントリー。ランエボ3・ランエボ5・GTO・FTO、そしてミニカトッポと、まさに90年代を彩った三菱車ばかりだ。ランエボは街中でもときどき見掛けるが、FTOは本当に数が減ってしまったように思う。今回、エントリーしていた個体はおどろくほど美しく磨き上げられた個体だった。純正部品の欠品・製造廃止が相次いでいると思われるが、何とかこのコンディションを維持していただきたいと思う。 ■スズキ スズキからはこちらの2台がエントリー。これだけコンディション良好なアルトワークスを久しぶりに見られて、まさに眼福であった。残念ながらオーナー氏には話を伺えなかったのだが、純正部品の確保や愛車のトラブルおよびメンテナンスなど、別の形でじっくり取材できればと思う。 ■ダイハツ ダイハツからはこちらの2台がエントリー。シャレード、そしてムーヴ。シャレードは当時からレアなモデルだったと記憶しているが、スズキ ワゴンRの対向車としてデビューしたムーブは、街中でもひんぱんに見掛けた記憶がある。淘汰が進んでいるのか、ずいぶん数が減ってしまった。 ■輸入車 輸入車は唯一となる、E36型BMW3シリーズクーペがエントリー。M3は高価で手が届かないけれど、エントリーモデルの「318isクーペ」には左ハンドル&MTモデルが用意されていた。当時400万円以下の価格で販売されていた(1994年時点で385万円)のだ。決して安くはないが、輸入車の入門編として人気を博したことを覚えている。 ■まとめ:シークレットイベントだからこその安心感 クルマ系のイベントの多くが日時や開催場所などを事前にアナウンスするため、エントリーカーだけでなく、多くのギャラリーが会場に足を運ぶ。また、会場周辺に「招かねざるギャラリー」がやってきて騒音をまき散らし、泣く泣く休止に追い込まれてしまったイベントもあった。主催者としてはやりきれない思いであることは察するにあまりある。 しかし、今回の「東京キューマルミーティング」は、参加者とその同乗者だけが開催場所を知らされているため、その場にいる人たちはイベント関係者だと分かる安心感は何ものにも代えがたい。 そして、偶然その場に居合わせた人であっても、会場周辺にはロープが張られており、イベントスペースに足を踏み入れることができない仕組みとなっている。 旧車およびネオクラシックカーの盗難が相次いでいる昨今、このようなクローズド形式のイベントであればトラブルが起こる確率も低い。これなら安心して参加できそうだと感じたクルマ好きも少なくないだろう。 クルマ関連のイベントに参加したことがない、あるいは1人で参加しても話し相手がいなくて不安といった心配はいっさい不要だ。愛車の横にいるだけで、当日、イベントにエントリーした気軽に人が話し掛けてくれる。こうしていつしかクルマ談義がはじまり、あっという間に1日が終わる。充実した気持ちで家路につくことができるはずだ。 なお、今回のイベントの模様は当日取材に訪れていたCAR and DRIVER(カー・アンド・ドライバー)誌にも掲載されるという。Web記事もいいが、やはり紙媒体に掲載されるとのことで、参加者の皆さんにとっても良い記念になるだろう。 なお、参加者の集合写真は同誌のカメラマン氏が撮影したタイミングで便乗させてもらった。カメラマン氏の鮮やかな誘導で、あっという間にこのフォーメーションになった(とても助かりました。ありがとうございます)。 次回、第6回目のイベントも開催される可能性が高い。現時点では2025年夏前を予定しているとのことだ。イベントの詳細および次回の開催などの告知は、イベント公式X(@TOKYO_90MT)を参照されたし! ●X:東京キューマルミーティング【公式】 https://x.com/TOKYO_90MT@TOKYO_90MT ●公式サイト https://sites.google.com/view/tokyo90mt/ [撮影&ライター・松村透]
2024年11月17日(日)、岡山県真庭市で初の開催となった「MHヒルクライム/真庭速祭」。 モータースポーツ文化を、地域の活性化へとつなげる目的で企画された「公道ヒルクライム」のイベントだ。舞台となった広域農道「木山街道」では、プロドライバーによる本格的な走行が繰り広げられ、観客を魅了した。 ここで、本記事を通じて改めて強調しておきたい。 イベント終了後、木山街道や周辺での暴走行為や迷惑行為は絶対に避けたい。地域との調和があってこそのイベント。地元住民への配慮なくして、このすばらしいイベントは成り立たない。 今回は、来場者や関係者の声を交えつつ、この特別な1日を振り返る。 ■真庭速祭とは 真庭速祭は「真庭速祭実行委員会」が主催し、自動車メディア「モーターヘッド」が企画運営を担当。地元住民や行政との協力のもと開催されている。 舞台となったのは広域農道「木山街道」。ちなみに広域農道とは、農産物輸送のために整備された道のことだ。 木山街道は、標高500m付近の山間部を、アップダウンを繰り返しながら延びている。この道の区間に4.3km(計測区間/パドックからゴールまでは約6.5km)のセクション(コース)が設けられた。 そして、スタート地点には会場にはドライバーやメカニックが集うパドック、特設ステージ、飲食や物販コーナー、貴重な車両やエンジンが展示されるミュージアムも設置。来場者数を限定しながらも大盛況となった。 さらに、イベントの様子はYouTubeでもライブ配信され、会場に来られなかったファンにも熱狂が届けられた。 ■イベントダイジェスト 当日の朝は曇りで気温は17度。午前中には霧が立ちこめ、一部路面はウェットコンディションに。午後からは雨が降り出したため、路面はヘビーウェットとなった。それでも、プロドライバーたちは悪条件をものともせず、観客を唸らせる走りを披露した。 走行はクラスごとに分けられ、マシンが観客に囲まれながらスタートする様子はドラマチック。走行を終えたマシンがそろって戻るパレードランのような場面もあり、華やかな空気が漂った。 ▲出走前に安全確認を行う「ゼロカー」を、パイクスピークにも参戦する小林昭雄選手が担当。車両はパイクスピーク仕様のポルシェ911(type996)GT3CSが使用された。小林選手のスムーズなコース確認が安全面でもイベントを支えた ▲走行を終えて帰還するマシンたち。観客に拍手で迎えられていた ■ドライバーとマシンの顔ぶれ 真庭速祭では、チューニングクラスからレジェンドクラスまで、バラエティ豊かなマシンが登場。それぞれのマシンをトップドライバーたちが担当した。 チューニングクラス ・BOLD WORLD GT-R BNR34:稲岡優樹・FUJITA Engineering FD3S GT3:和田久・Jing BNR32 Group A spec:木下みつひろ・OS GIKEN TC24-B1Z / S30Z:井入宏之・HKS Racing Performer GR86:谷口信輝・ARVOU S2000:柴田優作 ●地元「オーエス技研」のマシンに熱視線 地元・岡山県のオーエス技研も「S30Z(フェアレディZ)」で出走。今回走行したマシンの中で、もっとも車齢を重ねた車両だった。自社開発されたエンジン「TC24-B1Z」を搭載するこちらのマシンには、同じく自社で開発・製作されたクラッチやLSDを搭載。ドライバーは井入宏之選手が担当した。 【VOICE】:OS GIKEN TC24-B1Zを見て 「地元企業の力を感じました」 「オーエス技研のマシンを目的に来ました。技術の結晶ですね。展示されていたエンジンも間近で見られて感動しました。市販車とは違う点も丁寧に解説していただき、勉強になりました」(宮本英貴さん 岡山県在住) ●「アルボー S2000」が再び木山街道を駆ける 真庭速祭のプロモーション映像にも登場した、人気ショップ「アルボー」のマシンも出走。S2000をベースとしたこちらのマシンは、ドライバーでアルボー代表でもある柴田優作選手自身が手掛けている。2023年のワールド・タイムアタック・チャレンジでクラス優勝を果たしている“国内最速級”のマシンだ。 レーシングクラス ・ZENKAIレーシング:林寛樹・ACR ASTON MARTIN V8 Vantage GT4:ハナ・バートン・Katsu Taguchi FIESTA Special:田口勝彦・CUSCO SUBARU Impreza / JGTC GT300:小林且雄・HONDA WTCC CIVIC:道上龍 ●「JGTC GT300 クスコ・スバル・インプレッサ」の勇姿にファン歓喜! 全日本GT選手権(JGTC)のGT300クラスで活躍した「クスコ・スバル・インプレッサ」が登場。このマシンを操ったのは、当時のドライバーである小林且雄選手。なんと、当時のレーシングスーツに袖を通しての出走だった。その姿は、あたかも時間を巻き戻したかのよう。ファンからは歓声と拍手が沸き起こっていた。 ●圧巻の走り!「Katsu Taguchi ・フィエスタ スペシャル」がイベント最速を記録 地元・岡山県出身のラリースト、田口勝彦選手が駆る「Katsu Taguchi ・フィエスタ スペシャル」が、この日のトップタイムを記録。2分11秒327を叩き出した。午後からの雨でヘビーウェットとなった木山街道をものともせず見せつけた走りは、今後の真庭速祭で目標タイムとして語り継がれるだろう。 ●MEC120を戦う「ZENKAIRACING v.Granz」が木山街道を疾走! 耐久レース「MEC120」に参戦するZENKAIRACINGのマシン「ZENKAIRACING v.Granz」が出走。代表でもある林寛樹選手がドライバーを務めた。また、ミュージアム内にてレーシングシミュレーターの体験ブースも展開、好評を博していた。 【VOICE】ZENKAIRACING ドライバー・林寛樹選手に聞く 先が見えないし、怖い…でも、とにかく面白い! 通常ではありえない2車線フルレーン走行、レーシングマシン(v.Granz)での走行、レーシングスリックでの走行、速度制限なし、制限区間以外は音量規制もなしという条件で、正式なコースとして全開走行できたことに感動しました。そして大変面白かったです。地元住民や関係者の皆様のご理解と協力のおかげで、この夢のようなイベントが実現できたことに、心から感謝申し上げます。 真庭速祭には、昨年のテストイベント時から注目しており「峠をレーシングマシンで全開走行する」という夢のような企画に心を奪われていました。 今年に入って高田さん、三栄さん、MADLANE大橋さん、多くの方々との出会いやご縁を通じて、関係者として参加する機会を得ることができ、本当に感謝しています。イベント終了から1週間経った今でも興奮が冷めません。真庭速祭は、たくさんの方々の想いをカタチにした特別なイベントです。これからも地元に根付く「秋祭り」のような継続的なイベントへと発展していくよう、微力ながらお手伝いできればと思っています。 ■レジェンドマシンの競演 往年のレースで輝かしい戦績を残したレジェンドマシンたち。その走りを一目見ようと、多くの観客がスマートフォンやカメラを手にスタート地点に集まった。 レジェンドクラス ・NISSAN R91CP:久保田克昭・RX-7 FC3S GTU IMSA:谷口信輝・ADVAN alpha 962C:諸井猛 ●デイトナ24時間レース優勝マシン「日産・R91CP」 1992年のデイトナ24時間レースで総合優勝を果たした「日産・R91CP」がヒルクライムに登場、V型8気筒ツインターボエンジンが咆哮をあげた。バーンアウトからスタートするその走りに、ギャラリーは釘付けとなった。 【VOICE】:R91CPを見て 走り去る音が忘れられない。 「R91CPを目の前で見られるとは思っていませんでした。この音は映像ではなく、生で体感しないとわからない迫力があります」(男性) デモラン ・Williams FW12:谷口信輝・MADLANE DIABLO GTR:大橋和生・Bond Cars Aventador SVJ:山田雅司 ●F1マシン「ウィリアムズFW12」に興奮! 1988年のF1で活躍した「ウィリアムズFW12」も登場。V型8気筒NAエンジンを搭載して戦ったこのマシンを、谷口信輝選手が駆った。 【VOICE】:ウィリアムズFW12を見て少年時代の憧れが蘇る 「TVで観ていたウィリアムズFW12を実際に目の前で見られるなんて。しかも火入れから!小学生の頃に戻った気分です」(男性) ●迫力!リバティーウォーク(LBWK)のトレーラーヘッドが峠を駆ける LBWK(リバティーウォーク) RUN ・LB40-AZ1 :後刻指名・LB 35GT-R :後刻指名・LB S15 SILVIA :後刻指名・LB Tractor Head :後刻指名・LB Tractor Head :後刻指名 人気ショップ、リバティーウォークが手掛けたドリフト仕様のマシンに加え、トレーラーヘッド4台が走行。重厚感あふれるトレーラーヘッドが駆け抜ける姿は、他のマシンとは異なる迫力を放っていた。 【VOICE】:マシンの迫力に圧倒された! 「初めて見る生の走行に感動しました」 「レーシングカーを見るのはもちろん良かったですが、トレーラーヘッドが走るシーンは圧巻でした。働く車がこんな形で公道を走るのを初めて見ました。今後も地域イベントとして継続してほしいです。広島でもこんなイベントがあればいいのに!」(男性 広島県在住) ■幅広い世代が楽しめる会場作り 特設会場では、モータースポーツファンだけでなく、家族連れも楽しめる工夫が満載だった。ミュージアム展示や物販、飲食エリアを通じて、地域の魅力や自動車文化を存分に感じられる空間が広がった。 また、特設ステージでは実況のほかにトークショーやジャンケン大会なども開催された。 進行役やゲストのトークでさらに熱狂 レース実況でおなじみの人気アナウンサー・ピエール北川さん、藤原よしおさんらが進行役を務め、ゲストとの軽快なトークで会場を盛り上げた。マシンや選手にまつわるトリビアを交えた楽しいやり取りに、観客も引き込まれていた。 【VOICE】:会場でしか味わえない魅力がある 音や匂い…現場ならではの臨場感を堪能 「音や匂いなど、現場でしか味わえないものがあるのが嬉しいです。実況のピエール北川さんのファンです。今日のトークもとてもおもしろかったです」(岡山県在住 生嶋美由紀さん) ●パドック見学 パドックエリアでは、走行を控えたマシンを至近距離で見学でき、観客とドライバー、チームクルーの距離が近いのも印象的だった。 マシンの整備作業やドライバーがリラックスする姿を、サーキットよりも近い距離で見られ、記念撮影に応じるドライバーの姿もあった。こんな場面も真庭速祭ならではの魅力のひとつかもしれない。 【VOICE】:地元で開催されたことを誇りに思う マシンやチームとの距離の近さがすごい 「地元で開催されたことを誇りに思います。ドライバーやチームクルーと会話できるのもすごいですね。今日は、30年前から交流のある田口選手の応援に来ました」(真庭市在住 内藤貴嗣さん) ●ミュージアム展示 ミュージアムでは、往年の名車やエンジンが数多く展示されていた。 歴史的なマシンを間近で観察できるのはもちろん、そのディテールに驚嘆したり、思わずため息をついたりするファンの姿が見られた。さらに、物販コーナーやドライビングシミュレーターの体験ブースも人気を集め、幅広い世代が楽しめる催しが充実していた。 「ZENKAIRACING」のシミュレーターコーナーでは今回のコースを再現! 【VOICE】ZENKAIRACING代表 ・林寛樹さんに聞く ヒルクライム走行にも出走したZENKAIRACINGが手がけるシミュレーターブースを、ミュージアムで楽しむことができた。代表の林寛樹さんに、今回の出展を通じて感じたことや、木山街道コースデータの製作秘話を伺った。 特製・木山街道の走行データを楽しんでいただきました。 普段は見ることのできない貴重なクルマやレーシングカーを間近で体験できたことは、来場された皆様にとって大きなインパクトを与えたと思います。加えて、私たちの最新レーシングシミュレーター(SIM)を通じて、時代の進化を伝える場にもなりました。SIMに馴染みのない方も含め、体験中には多くの会話が生まれており、そこに喜びを感じました。また、クルマ好きだけでなく、地元の家族連れや年配の方々も多く参加されており、地域の関心の高さを感じることができたことも意義深いものでした。 今回の体験コーナーでは、木山街道のコースデータをご用意しました。イベント2か月前から準備を進め、ギリギリでしたがイベント直前にベータ版が完成。最終調整を経て、約2000名の来場者のうち、約200名もの皆様に楽しんでいただくことができました。 限られた体験時間内では、通常のグリップ走行が中心でした。実は前日のテスト走行では、峠をドリフト状態のまま“一筆書き”で走り切ることも可能だったんです。この隠れた遊び方はまたの機会に…! 【VOICE】レーシングシミュレータースペース SimGoya代表・菅田政宏さんに聞く 株式会社オートショップカンダ代表で、シミュレータースペース「SimGoya」を運営する菅田政宏さんは、今回シミュレーター体験のアテンドスタッフとして携わった。岡山県民、そしてクルマを愛する一人としての思いを伺った。 地元の人間として携われてうれしい。青春のマシンたちとも再会できました。 今回、ZENKAIRACINGの林さんから地元開催ということでお手伝いをお願いされ、喜んで参加させていただきました。林さんはその名の通り「全開」で熱い方なので(笑)、その情熱に共感しながらお手伝いできたのがうれしかったです。 私がアテンドした方々の中には「レーシングシミュレーターの存在は知っていたけれど、実際に体験する機会がなかった」という方が多くいらっしゃいました。 今回の体験コーナーで、子どもたちが無我夢中でステアリングを握り、目を輝かせている姿がとても印象的でした。リアルとヴァーチャルが一つの場所で一体になったのを見たとき、レーシングシミュレーターも人の心を動かせるポテンシャルを秘めていると確信しましたし、この機会を通じてもっと身近な存在になればと思います。 岡山県民として、この真庭速祭を知った時から「何かの形で携わりたい」と思っていました。今回、スタッフとして現地で参加できたことは感慨深い体験です。FW12やMP4/6、グループAのGT-R・R91・GT選手権のF40など、まさに青春時代“ドンピシャ”なクルマたちがそろい、感動の連続でした。 特にグループAのGT-Rは、私が中学生の頃に初めて見たレーシングカーで、自動車業界に足を踏み入れるきっかけとなった車両です。その車両が、私の真後ろに展示されていて、本当にうれしかったですね。そして、FW12のエンジンに火が入った瞬間、思わず涙が出てしまいました。このイベントを通じて、来場された方がモータースポーツに興味を持ち、楽しんでいただけたなら幸いです。 ▲来場者にシミュレーターをアテンドする菅田さん。憧れのMP4/6の傍で仕事できたことにも幸せを感じていたそうだ ホンダRA271とマクラーレン・ホンダMP4/6の展示ブース ▲マクラーレン・ホンダMP4/6。アイルトン・セナが操ったマシンを360度見ることができた。「タイヤが意外と大きいね」という声が聞こえてきたほか、フロントウィングなど、マシンの緻密な造形に驚く声も多かった 「ホンダコレクションホール」による展示は、歴史的なF1マシン「RA271」と「マクラーレン・ホンダMP4/6」が並び、観客の目を引いた。 ▲ホンダ初のF1マシン「RA271」が展示された 【VOICE】エンジン車が持つ魅力を忘れてはならない 展示だけでもすごい! 「乗っているクルマはホンダ一筋です。今日は友人に誘われて初めて来ましたが、この展示だけでも大満足。EV化が進む中でも、こうしたエンジン車が持つ魅力を忘れてはならないですね」(男性) あの「トミタクZ」が登場 【VOICE】エンジンビルダー・富松拓也さんに聞く エンジンビルダーであり、オーエス技研のチーフエンジニア、人気YouTuberとしても知られる「トミタクさん」こと富松拓也さんの愛車「トミタクZ」が展示されていた。富松さんが復活させた“幻のエンジン”と呼ばれる「TC24-B1」を搭載したこのフェアレディZを一目見ようと、ファンが次から次へと訪れていた。 地元に根付くイベントとして続くことを願っています。 私たちの地元である岡山で、本物のレーシングカーが公道を走るという特別なイベントに参加でき、とても感激しました。実行委員長の大橋様をはじめ、関係者の皆様の多大なるご尽力のお陰です。 オーエス技研としても、1981年当時のTC24-B1エンジンを搭載した「トミタクZ」の展示や、現代版TC24-B1Zエンジンを搭載した「S30Z」レーシングカーの走行を通じてイベントに貢献できたことをうれしく思っています。 S30Zは、出走車両の中でも最も古い年式でしたが、そのNAキャブレターエンジンのサウンドを多くの方に楽しんでいただけたことが何よりの喜びです。 このイベントが地元に根付いた素晴らしい催しとして、次回、さらにはその先も続いていくことを願っています。今後も可能な限り協力させていただきます。ありがとうございました。 ▲TC24-B1は、当時のフェアレディZ、ローレルなどに搭載されていたL28型をベースにし、独自の技術でツインカム4バルブ(クロスフロー方式)にしたエンジンだ ●地元グルメと物販ブース フードエリアではさまざまなグルメが楽しめ、地元特産品のマルシェもにぎわった。オリジナルグッズなどの物販コーナーも並び、各ブース前には大勢の観客が列を作っていた。 立ち上げから携わってきた「木山神社」のブース 【VOICE】木山神社宮司・鈴木宏志さんに聞く 「木山神社・木山寺」のブースにお邪魔した。木山街道のすぐそばにある1200年以上の歴史をもつ木山神社。宮司の鈴木宏志さん自らもドライバーであり、軽四耐久レース参戦やフォーミュラ・ドリフトなどのサポートも行う。モータースポーツを心から愛し、この真庭速祭に立ち上げ当初から携わってきた。 このイベント名は、木山神社にちなんでいます 「立ち上げ当初から、運営を行う皆さんと一緒に、さまざまなことを経験してきました。 このイベント名は、木山神社から着想を得たものです。地元の皆様のご協力あって開催できました。あらためて感謝を申し上げます。イベントの発展を願います」 ▲S13シルビアのドリフトマシンを展示 ■安全を最優先にしたスムーズな運営 当日は、複数の特設駐車場からシャトルバスを運行。会場周辺の混雑を避ける配慮がなされた。交通整理のスタッフ配置や人数制限の効果もあり、イベントは混乱なく進行した。 【VOICE】:「スタッフの対応が素晴らしかった」 スタッフの皆さんの気持ちも伝わってきた 「駐車場から会場までのアクセスがスムーズで、子ども連れでも安心して楽しめました。スタッフの皆さんが一生懸命対応してくれているのが伝わってきました」(女性 岡山県在住) ■地域とモータースポーツがつながる未来へ 真庭速祭は、自動車文化を地域の活性化へとつなげるイベントとして、大きな一歩を踏み出した。来場者に声を掛けるたびに「次回もぜひ参加したい」「このようなイベントがもっと広がれば」といった期待の声を次々に耳にし、イベントの意義もしっかりと伝わっていることが感じられた。 実況では「グッドウッドのような存在に」という言葉が繰り返し語られていた。真庭速祭が、いずれは地域に根ざしたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのような、モータースポーツの新たな拠点となるかもしれない。 真庭速祭がさらなる成長を遂げ、地域とモータースポーツが響き合うイベントとなっていくことを願わずにはいられない。 ■フォトギャラリー ■取材後記 地域とモータースポーツが一体となった、特別な1日だった。筆者の地元・岡山での開催とあって、地元住民としても誇らしい気持ちに。「クルマ愛」と「地域愛」であふれた一日を過ごすことができた。 しかし、今回の成功を次回へとつなげていくには、地域への敬意はもちろん、私たちファンの自覚ある行動が不可欠だ。木山街道を暴走する行為、地域住民の皆様に迷惑をかける行動は、真庭速祭の継続を間違いなく危うくする。 この感動を共有し続けていくためには、イベントを応援するすべての人が「リスペクト・ローカル」を胸に刻み「ゆっくり走ろう、真庭」を体現することが大切。イベントを守る責任は、私たちファン一人ひとりが担っているといっていいだろう。 [取材協力 / 真庭速祭実行委員会 真庭速祭 運営事務局 Office Tomitaku 木山神社 SimGoya ZENKAIRACING 来場の皆様 順不同] [ライター・撮影 / 野鶴美和]
自動車メーカー主体のオーナー参加型イベントは近年多く開催されている。 日産自動車のカスタマイズカーを取り扱う「日産モータースポーツ&カスタマイズ」の前身であるオーテックジャパンはその先駆けともいえる。 AOG湘南里帰りミーティングは初開催から20周年という節目となる。 今回はイベントの模様と参加されたオーナーと愛車について紹介しよう。 ■1.「AOG湘南里帰りミーティング」そのゆえんとは? まずはイベントタイトルについて。 「AOG」とは“オーテック オーナーズ グループ”の頭文字になる。これはFacebook上でオーテックジャパンが管理しているオーナー向けのプライベートグループになる。 そのグループメンバーであるオーナーが主役の大規模な“オフ会”が、このミーティング開催のきっかけとなっている。 「湘南里帰り」については、日産モータースポーツ&カスタマイズの所在地が湘南であり、ここで開発・生産を行ったクルマたちにとって湘南は「故郷」となるのだ。 このイベントは事前エントリー制となり、事務局から招待状が届いたオーナーだけが参加可能となっている。 今回インタビューを行ったオーナーのなかにも毎年応募しているが、参加できる年・できない年が過去あったとのこと。 もし今回参加が叶わなかったオーナーも、来年受かるチャンスがあるかもしれないので再びエントリーをして欲しいと思う。 なお、このイベントは関係者のみが入場することができるいわば「秘密の花園」である。 残念ながらエントリー資格のある愛車を手にしていない筆者は、このイベントの存在は知りつつも謎に包まれた状態であった。今回、この「秘密の花園」に入れる機会を得て、非常に興奮していたことを正直に白状しておく (笑)。 ■2.オープニングセレモニーに日産ファンくぎづけ!? 今回、特別ゲストとしてスーパーGT GT500にて23号車MOTUL AUTECH Zのドライバーを務める千代勝正選手、ロニー・クインタレッリ選手 2024 AUTECHレースアンバサダー 高岡みほさんが参加された。 その登場時には、神奈川県警で現役のR33スカイライン 4ドアGT-Rのパトカーが先導して、C28型セレナ オーテック スポーツ スペックを千代選手自らハンドルを握って登場。 登場BGMは日産自動車吹奏楽団の生演奏によるドラマ「西部警察」のテーマ曲と、随所にこだわりが感じられた。 ■3.勢揃いした最新モデルと海外専売モデル 希少なニスモヘリテージ展示も 今回オーテックとニスモの最新モデル、海外向けパトロール (日本名サファリ)のカスタムカー スーパーサファリが展示された。 両ブランドの最新モデルが一堂に会することは、なかなかないため現役オーナーたちもくまなく観察していた。 また、ゲストたちも展示車輌に触れ、参加者と談笑しながら写真撮影に応じアットホームな雰囲気であった。 また、普段触れる機会がない海外専用車となったパトロールのカスタムカー「スーパーパトロール」も今回披露された。 日本名サファリで販売されていたモデルのため、記憶にある方も多いと思う。 今も海外では現代の要求に合わせてバージョンアップされて現役で販売中だ。 ニスモ ヘリテージとしてはS14シルビアをベースとした270R、Z33フェアレディZをベースとしたバージョン ニスモ タイプ380RSが展示された。 270Rは旧ニスモ社創立10周年記念として、ニスモとして初めてのストリート向けコンプリートカーになる。 バージョン ニスモ タイプ380RSは、旧ニスモ社と旧オーテックジャパン社の本格的コラボで生まれた初のニスモロードカーとなる。 この380RSは、レース用エンジンのデチューン版VQ35HR改が搭載されている。 ■4.オーテックモデルのオーナーは生粋のマニアだらけ!? ここからは参加車輌のなかから、筆者が独断と偏見で選んだクルマを紹介していきたい。紹介するクルマたちについて、オーナーにも話を伺った。 お話を伺ったすべてのオーナー方は、こだわりポイントや愛車にまつわる話、それぞれのグレードや筆者が知らなかったオーテックモデルのみに採用されている特別仕様についても教えていただけた。 ※さまざまなイベントが目白押しのなか、時間を割いていただきインタビューに応じていただきました。ご協力いただきました皆様、この場を借りてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。 ●テラノ アストロード(R50型) 今回唯一のテラノで参加したオーナーは96年に新車で購入されて現在14万kmを走破。 元々は初代テラノにお乗りで、別のクロカン車に乗り換え予定だったが予定変更で現在の愛車を購入されたとのことだ。 この年代のRVは、ディーゼルエンジンを購入する人が多かった。 しかし、ガソリン車を購入されたため、ディーゼル規制の影響を受けずに済んだ。 勘の良い読者なら気づかれたかもしれないが、サイドのデカールが装着されていない。 その件について伺ったところ、デカールが朽ちてしまうのが嫌で、早々に剥がしたとのことだった。 長い付き合いになることはその当時考えてなかったようだが、結果としてきれいなボディを維持できることに繋がっている。 購入時のエンジン選択、デカールの撤去など結果的に愛車と長く過ごせる結果に繋がっていることは運というよりも運命なのかもしれない。 また、今回カタログもお持ちだったため、カタログ写真と実車を見比べることができた(ありがとうございました!)。 ●アベニールサリュー エアロエクスプレス ステージ2(W10型) 近年、街中で出会う機会が少なくなってしまったアベニールサリュー。 筆者自身、今年はイベント会場で見かける機会の方が多かったほどだ。 今回、話を伺ったこちらの車輌は、購入後まだそれほどの年月が経っていないとのことだ。 しかしオーナーのアベニールサリュー歴はとても長く、新車でGT(4WD ターボモデル)を購入。 土地柄、サビの影響を受け、買い換えるタイミングでも同じくアベニールサリューを選ばれており、今の愛車は3台目とのことだ。 見かける機会が減ったと先述したとおり、買い替えたくても選択肢どころか、同じモデル自体が流通していないことが増えてきた。 しかしこちらのオーナーのように、素敵な巡り合わせが起きることに驚くばかりだ。 ●ステージア 260RS(WC34型) GT-Rのステーションワゴンともいえるステージア260RS。 RB26型エンジンだけでなく、駆動系もGT-R譲りかつステージアに合わせた補強も行われた伝説的な1台ともいえる。 ニスモのデカールに目が行く260RSは新車時からのワンオーナーである。 この里帰りミーティングも初期から参加をされているとのことだ。 ついついデカールに注目してしまいがちだが、脚元を見て驚いたのはなんとR35 GT-Rのブレーキに変更されている点だ。 エンジンにも手が加えられており、チューニングやカスタムが好きなオーナーは、常にその時代に合わせたバージョンアップをさせて今まで連れ添ってきたとのこと。 最新技術を用いての進化に、今後も期待をしてしまう1台であった。 ●ステージア アクシス350S(M35型) オーテック社は「アクシスシリーズ」を展開していた時期がある。 ステージアにも当然のように設定はされていたが、ハイパフォーマンスモデルとして350Sというグレードも用意されていた。 この350SはV6 3.5Lの自然吸気エンジンにマニュアルトランスミッションを搭載している、M35ステージア唯一のマニュアルモデルになる。 初代の260RSに続くハイパフォーマンスワゴンではあったが、販売台数は芳しくなく限定車ではないが100台も販売されていないとのことだ。 オーナーは長距離移動する機会が増え、便利でラクに移動できる、大排気量のV6エンジンかつマニュアル車という点が決め手となり手に入れたとのこと。 一見ノーマルに見えるが、足回りはZ33のブレーキやホイールに変更されている点にも注目だ。 マフラーはフジツボのオーダーシステム「ビスポーク」を利用して、好みに合わせて製作されている。 音色、リアビューの見た目はもちろんのこと。愛車家として大切な洗車時の拭き取りで重要なウエスの入りやすさにもこだわれたとのことだ。 ●エルグランド ロイヤルライン(E50型) 初代エルグランドに設定されていた、VIPが快適に移動するため、4名乗車仕様ちなる。 現代でこそミニバンもショーファーカーとしての地位を築いているが、この当時はまだ人数が乗れることに重きを置かれていた。 これまでロイヤルラインの実車を見る機会はなく、今回初めてであった。 オーナーはE50型エルグランドが好きで、過去ロイヤルラウンジ以外のグレードも所有されていたとのこと。 今回取材したロイヤルラウンジはなんと2台目とのことだ。 オーテックにおいては、VIP向けのカスタムをセドリックやプレジデントベースで行ってきた。 その経験が生かされており、細やかな点にも驚くほどの配慮が散りばめられていた。 スライドドア横には傘を収納するホルダー、シートには収納可能なテーブル、リアのラゲッジからの音を遮るためのパーテーション、日産純正空気清浄機のピュアトロンも設置されている。 ミニバンはラゲッジとつながっているのが当たり前と考えていたが、セダンのように空間を隔てる配慮がされている。 すべては後席に乗るVIPのためのおもてなしの環境となっている。 フロントエンブレムはボディーカラーに合わせたカラーリングがされており、リアに付くオーテックジャパンのステッカーも専用品とのこと。 大型高級ミニバンの先駆けとしてデビューしたエルグランド。 さらにブラッシュアップさせ、細部にもこだわりが詰まっていることを今回知ることができた。 ●エルグランド VIP(E51型) ロイヤルラインのオーナーに話を伺った際、ご一緒だった方はなんと元ロイヤルラインオーナーであり、今回2代目E51型エルグランド VIPで参加されているオーナーだった。 オーナーにお願いして愛車を拝見すると、2代目となりさらに豪華になった内装がそこにはあった。 シートは本革パワーシートに進化しており、リアパーテーションにはスピーカーが追加されていた。 両側スライドドアになったことから、傘のホルダーは運転手が格納しやすいよう、運転席側のスライドドア部に移動されていた。 オーナー曰く、4人乗りのため友人から「この見た目で4人しか乗れないなら、大きな軽バンやないか!」と突っ込まれたとのことだ(笑)。 普段この愛車でゴルフなどを楽しまれており、その長距離移動時にリアシートに乗る機会がある。 少しリクライニングさせ座った際、革シートになったことでブレーキング時、体が前に滑ってしまうことがちょっと悩みの種であるとのことだ。 備え付けのキャビネットにはスピーカーも内蔵されている。 金属製の大型ステップは乗り降りをする際に安心感を持って乗ることができるお気に入りのアイテムとのこと。 ロイヤルライン、VIPともに外装はライダー仕様にしており、外観からはわからないようにカスタムを施されている点がこだわりとのことだ。 ●シルビア オーテックバージョン K's MF-T(S14型) S14シルビアにもオーテックバージョンがあったことをご存知だろうか? 恥ずかしながら筆者は2年ほど前に初めて知った。 その外観上の特徴としては、大きなリアスポイラーにある。 今回取材した車輌は、リアスポイラーはオーテックバージョン、リアバンパーは社外のものを組み合わせており、今も現役でサーキット走行を楽しまれているという。 そして、オーナーにとって初めての新車であり、愛車なのだとか。 なぜオーテックバージョンを選んだのか尋ねてみると、購入後、チューニングをしたい考えがあったなか、オーテックバージョンは最初からベースとなる基準車に対して、タービンとコンピューターが変更されたチューニング状態されていることが決め手となったそうだ。 最初の愛車として、メーカー保証付きチューニング車というのは信頼感においては抜群だろう。 現在もその進化は続いており、サーキット走行と街乗りでの乗り心地を両立するセッティングについて研究をされているとのことだ。 ●シルビア オーテックバージョン(S15型) 前述のS14シルビア オーテックバージョンがターボチューンだったのに対し、S15シルビアではNAチューンを施してリリースされた。 NAエンジンに基準車ではターボのみに設定があった6速マニュアルトランスミッションが組み合わせられた。 新車から乗り続けているオーナーは、過去の愛車遍歴からNAフィーリングが好みだということに気づかれた。 このクルマは、メーカー保証付きのNAチューンモデルという点に惹かれ購入されたそうだ。 ドアミラーやテールレンズを好みのモノにカスタムを行なっている。 オーナーの愛の深さは、愛車だけにとどまらず「オーテック」へも向けられている。 愛車のフロントウィドウには、AOG里帰りミーティングの前身イベントともいえる「オーテックオーナーズフェスティバルin大磯」開催時のパンフレットが飾られていたのだ。 もちろんそのイベントにも参加されており、イベント企画の愛車との記念写真も飾ってあった。 この当時はシルビアは4台ほどしか居なかったとのことだ。 さらにそのイベント時に配られたネックストラップも今回持参されていた。 オーテックへの想いはおそらく、会場内で1番だと断言しても良いと筆者は感じたほどだ。 ■5.里帰りミーティングは年に1度の同窓会だ! 今回お話を伺ったオーナー方から共通のワードを聞くことがあった。 「一年に一度ココで会うのが恒例行事」 「毎年開催される同窓会」 長期に亘ってメイド イン オーテックを愛車としているオーナー同士は共通の価値観、周波数が合う感覚があるのだろう。 今回お話を伺ったシルビア、260RSオーナーのグループは里帰りミーティング初期から参加されている方々だ。同じ場所に集まって止めているのは「チームパーキング」という制度を利用することで可能となっている。 これは、事前申請することで、まとまって並べられるエリアが用意されている。 多くの車輌と人がいる会場内は事故防止のため、車輌移動が禁止されている。 事故を防ぎつつも並べられるよう、オーナー視点でも考えられた思いやりが感じられるサービスとなっている。 出会った当初は260RSオーナーが多数だったが、今は乗り換えて車種が変わっている方もいる。 しかし乗り換えた車輌もオーテックやニスモというオーナーも多い。 今も同じ「オーテックオーナー」としての交流は続いている。 車種や世代が変化しても、オーテックモデルに乗り続けるオーナーが多いのは、クルマはもちろん今回のようなイベントを行う「オーテック」が持つ魅力によるものなのだろう。 ■6.まとめ AOG湘南里帰りミーティングは、オーテックだけでなくニスモブランドも加わり、これまでにない規模の大イベントとなった。 両ブランドともに明確な個性とこだわりを持ち、その魅力は多くのオーナーを虜にしている。 そんなオーナーたちにとっても湘南の地は第2の故郷となり、年に一度仲間が集まる“里帰り”先になっていると感じた。 多くのオーナーと愛車が今後も里帰りできるよう、末永く続いてもらいたい魅力的なイベントであった。 [ライター・画像 / お杉]
例年であれば11月に開催されるエキサイティングポルシェ(旧エキサイティングポルシェミーティング)。2007年以来、知る限りでは初となる暑い時期の開催となったエキサイティングポルシェ。エアコンレス&ほぼエアコンレスのポルシェにはしんどいかと思いきや…。 開催当日の9月1日は雨。しかも日本中を混乱させた迷走台風10号のおかげで高速道路は通行止め、東海道新幹線が開業以来ここまで営業運転に支障が出たのは初とのこと。エントリーしたオーナーとしては参加したいけれど、高速道路が通行止めで泣く泣くエントリーを断念したケースも相次いだ。 それでもなんとかエキサイティングポルシェは無事に開催することができた。こうして、100台以上のポルシェが今年も横浜赤レンガ倉庫に集結した。 ■「エキサイティングポルシェ」とは? エキサイティングポルシェ(EXCITING PORSCHE/EXP)とは「オーナーの大切な愛車、自慢の愛車をお披露目する場」であるということ。横浜赤レンガ倉庫に愛車であるポルシェを1日展示できるいわば「晴れ舞台」だ。初開催は2007年。当初は「エキサイティングポルシェミーティング(EXCITING PORSCHE MEETING/EPM)」だったが、6年前に現在のイベント名へと改称している。 エキサイティングポルシェの参加台数は150台前後。先着順のため、エントリー開始から数時間で枠が埋まってしまうほどの人気イベントだ。当日、雨のなか横浜赤レンガ倉庫に集結した100台以上のポルシェを可能な限り撮影したので、モデルごとに分けて紹介する。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(ナロー)編 エントリーリストには356やナローポルシェをはじめとする多くのクラシックポルシェがエントリーしていた。そのなかには356Pre-AやカレラRS 2.7なども含まれる。イベント当日朝の雨もあり、多くのオーナーが参加を断念したようで、今回のエントリーは少なめであった。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(930)編 1974年のデビューから今年はちょうど50年。アニバーサリーイヤーということもあり、雨にも関わらず数多くの930型がエントリー。初期のモデルからカレラ、ターボとさまざまな930が集結。なかにはフラットノーズや'74RS 3.0ルックと思しき個体もエントリーしているあたり、エキサイティングポルシェならではといえるだろう。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(964)編 例年はエントリー台数が多いはずの964型も、今年は少なめ。気づけば30年選手のモデルだけに、雨の日はエントリーを断念した個体がいたのかもしれない。それでも、年々貴重な存在となりつつあるオリジナル度高めの個体や、シュトロゼックのコンプリートモデルもエントリーしていた。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(993)編 964型と同様に、エントリー台数が多いはずの993型も今年は少なめ。イベント常連の993GT2も今年は不参加。今回エントリーしていた993はいずれも独自のモディファイを加えた個体が中心だった。空冷最後の911だけに、964と同様に雨によるエントリーを断念した個体が多かったのかもしれない。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(996)編 エンジンが水冷化された初の911でもある996型。このモデルも気づけばクラシックポルシェの仲間入りしている。今となっては懐かしさすら感じる前期モデルのカレラ(992型に比べると小さく見える)や、GT3およびGT2、ゲンバラのコンプリートモデルもエントリーしていた。若い世代のオーナーも見掛けたので、今後の盛り上がりに期待したいところだ。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(997)編 2004年にデビューした997型も、いまやクラシックポルシェのカテゴリーに属するモデルとなった。昨年と同様に今年も997型のエントリーは少なめ。ターボやGT3などのスペシャルモデル以外に、独自のモディファイを加えた個体もエントリーしており、見応えのあるカテゴリーだった。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(991)編 近年のエキサイティングポルシェでは勢力を拡大中(?)の991型。今年もエントリー台数が多く、さまざまなモデルを見比べるほど。中古の911を購入するとなると、991型が魅力的なポジションにあるのかもしれない。前期/後期モデル、ターボ、GT3、RUFなど、バラエティ豊かなカテゴリーであった。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(992)編 そして現行モデルにあたる992型。最新のGT3RSがエントリーしており、注目を集めていた。その他、タルガやカブリオレ、カレラTなど、数は少ないながらも珍しいモデルがエントリー。今後、台数が増えていくことが予想されるので、来年以降のエキサイティングポルシェに期待したい。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ924/944/928編 常連組の924が今年も雨のなかエントリー(おつかれさまでした!)。944が4台、928が2台集まるのも、エキサイティングポルシェならではの光景。今回は968のエントリーがなかったので、オーナーの方、来年のエキサイティングポルシェへのエントリーをお願いします! ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェボクスター&ケイマン編 年々、参加台数が増えつつあるボクスター&ケイマン。初代ボクスター(986型)が参加しているかと思いきや、スパイダーRS、ケイマンGT4などが展示されていたり。レアなモデルの個々の違いを見比べられるのもエキサイティングポルシェならではの光景といえる。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェタイカン&パナメーラ編 エキサイティングポルシェ2024では、タイカンとパナメーラが1台ずつエントリー。セダンということもあるけれど、この2台は911などと並べるととにかく大きいことに気づかされる。それほどクルマに詳しくない人でも、タイカンやパナメーラを見れば何となくポルシェっぽいデザインと思わせる力量はさすがだ。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェライフを支える各ショップ 年代やモデルを問わずポルシェライフを支える各ショップも、雨のなかブースを出展。普段はネットでしか見られないアイテムを直に触れることができたり、なかには掘り出しモノがあったり…。普段聞けないこと、疑問に思っていることをプロフェッショナルに相談できるまたとない機会でもある。ポルシェオーナーはもちろんのこと、ポルシェオーナー予備軍の方も多いに参考になるので、次回の開催時には思い切って疑問や質問をぶつけてみてはいかがだろうか。 ■エキサイティングポルシェ2024:まとめ 台風くずれの熱帯低気圧が接近し、イベント当日の午前中は強い雨にも見舞われたエキサイティングポルシェ2024。例年とは異なり9月上旬の開催なので、肌寒さを感じることがなかった分、蒸し暑いくらいの気候だった。 エキサイティングポルシェに限らずだが、イベントの運営スタッフが全力で頑張ったとしても、一部の参加者やギャラリーの迷惑行為が決定打となり、来年以降の開催ができなくなってしまう。 毎年、主催者が運営会社に申請し、許可がおりてはじめてエキサイティングポルシェの開催が決まる。つまり、次回も必ず開催できるとは限らないのだ。これはエキサイティングポルシェにエントリーする全オーナーが知っておくべき事実だろう。 参加者の皆さま、各ショップの皆さま、そして運営スタッフの皆さま、今年も本当におつかれさまでした。 次回の開催は、2025年3月30日(日)神戸メリケンパークとのこと。大変だ思うが、来年の11月の横浜赤レンガ倉庫の開催も(もしかなうなら)お願いしたいところだ。 [ライター・撮影/松村透]
昨年、筆者が参加した「初音レーシング」の走行会が今年も開催された。 今年は昨年よりもスケールアップする走行会との情報をキャッチし、体験走行に筆者もエントリーしたので、その模様をお届けしたい。 ■今年の初音レーシングの走行会はさらにスケールアップ! 昨年取材した「初音レーシング」から今年も富士スピードウェイのレーシングコースを使用した走行会を行うとのオファーがあった。 昨年は1回の走行枠だったが、今年はなんと走行枠は2回に増え、プロレーサーによるアドバイスも受けられるとのことだ。 早速問い合わせをしたところ、走行枠は希望者多数ですぐに埋まってしまったとのことで、体験走行枠の空きがあったため、すかさず申し込みを行った。 もちろん、メインの痛車展示も実施され、さらに出展企業もスケールアップするとのこと。 楽しみでしかたない状況で当日を迎えた。 開催日は見事な快晴で、連日全国的に猛暑が続いてはいたが、富士スピードウェイの立地に助けられた。 日陰に入れば風が心地よく感じることができ、ちょっとした避暑地感覚だ。 今回出展ショップも増えており、スポーツ走行に欠かせないアイテムの販売や、旧車乗りの部品事情に寄り添った展示も行われた。 ■サーキット走行までの準備 体験走行の受付を済ませ、フリー走行向けのブリーフィング(説明)が行われた。 ブリーフィングは、コースを走るうえでのルール、走行にあたっての注意事項、危険などを知らせる旗の意味について説明が行われる。 今回、併せて初心者講習も実施された。 走行車輌の車内映像を使用し、コース上の気を付けるポイントについても分かりやすく説明を行った。 ブリーフィング後はサーキットのルールに合わせ、ライトなどへの飛散防止テーピングという準備もあるが、走行以外の時間を過ごすための準備についても紹介しよう。 走行会に多く参加されている方は、走行時間以外の勝手がわかっているため、休憩場所の設営も参考になる点が多かった。 タープ型テントを利用されている方は、予期せぬ風で動かないよう、柱に重り代わりに工具箱などの重量物を取付けて対策されていた。 走行会は朝早くから行動することが多い。仮眠をとるために一人用のテントを準備して休憩されている方もいた。 サーキットを走行にあたり、車載映像を撮る方も多くいる。 ハッチバックタイプのエッセのオーナーはボディ補強のリアピラーバーにカメラを取付けていた。 これならしっかりと固定ができ、さらに運転状況と車内からの走行シーンが撮れることもあり、ベストポジションだった。 ■プロによる富士スピードウェイ攻略法講義はまさに必見! 今回、スーパー耐久等で活躍されているプロレーサーの加藤 芳皓(カトウ ヨシヒロ)選手が講師として参加されていた。 本来ならば、体験同乗走行も企画されていたが、あいにくのマシントラブルによりそのイベントは中止となってしまった。 しかしその分、質問コーナーは濃いものとなった。 加藤選手にとって、富士スピードウェイのレーシングコースは、庭のようなものである。 各コーナーの特徴や注意点はすべて頭に入っている状態だ。 参加者からの質問に対しても、親切かつ的確に答えていた。 走行経験者なら共感できるあるあるネタなどを交え、途中笑いが起きるようなアットホームな環境でトークが行われていた。 1本目の走行後に行われた質問コーナーでは、実際に走行した際に感じたことを基にした質問が多く出ていた。 ライン取りの仕方、加減速のコツについて、レース車輌の車載映像も用いて実際のドライバー目線でどこに目標を置くべきかといった解説は伝わりやすかったはずだ。 また、質問者の乗っているマシンに合わせたアドバイスも行われ、2本目の走行時に試したドライバーは多かったはずだ。 今回のようにプロレーサーから直々に質問を行いアドバイスもらえるという機会はなかなか経験することができない貴重な体験となった。 ■本コースの体験走行を初体験 今回筆者にとってのメインイベントである体験走行の時間がやってきた。 この体験走行は先頭車に続いて2周レーシングコースを走ることができるイベントだ。 フリー走行の車輌は、完熟走行という事前確認も合わせて行う。 体験走行参加者は、乗ってきたクルマでヘルメットの着用不要、普段通りの服装(もちろんサンダルNGといった最低限のルールはある)で走行ができる。 しかも同乗走行も可能なため、一緒に来た仲間や家族を乗せて走ることも可能だ。 今回も遊びに来ていた友人やご家族を乗せて体験走行をしている方が多くいた。 ルートとしては、ピットからメインコースに入って走行する形になる。 スーパーGTのようなレーシングカーの車載映像で見た景色が、同じ視点で実際に見えることに感動を覚える。 レース映像やスタンドから見るコースはそこまで幅が広くないと思っていたが、実際に運転すると道幅は驚く程の広さだ。 コカ・コーラコーナーは視覚的に広く感じるためか、実際に走ると思っているよりも速度が乗っていることに途中で気がついた。 場所によっては遠心力でクルマはアウト側に引っ張られていく。 本当のレーシングスピードで走ったときにどうなってしまうのだろうか?と気になっている間にアッという間に2周は終了してしまった。 いつかはフリー走行も経験してみたいと思う大変すばらしい経験となった。 きっと、同様の思いになった参加者も多いことだろう。 ■個性豊かな参加車輌たち ここからは、筆者の琴線に触れた、ちょっとマニアックな車輌の紹介。 今回の参加車輌、ギャラリー車輌のなかでひときわ目立っていたのが、このいわゆる顔面スワップといわれているカスタムを施した、フロントフェイスが変わった3台のV35型スカイラインたちだ。 オーナーにお話を伺ったところ驚きの関係性が判明した。 最初V35型スカイラインクーペにV37型スカイライン(セダン)のフロントフェイスを移植したことがスタートとのことだ。 その際に、不要となったV35型スカイラインクーペのフロントフェイスをV35型スカイラインセダンに移植したとのことだった。 V35型スカイラインはセダンとクーペでデザインが大幅に異なる。 同型でもボディ形状の違いから移植するのは困難なところ。この循環型フロントフェイスはある意味SDGsに当てはまるのではないだろうか?(笑) そしてもう一台は、Y51型フーガのフロントフェイスを移植していた。 オーナーとしてはまだ完成形ではないとのことだったが、ボンネットを加工してボンネットピンを利用した装着に強いこだわりを感じた。 やはりクルマ好きが集まるイベントだけに、ギャラリーと体験走行で参加していた車輌も今やレアな存在のマシンが集まっていた。 いっぽうこちらは、RS13型180SXにM312S型ブーンX4だ。 なかなかフルノーマルの状態を維持している個体が少ない最終型180SXも現在ではレアな存在となっている。 さらに元々がレアといえるのがブーンX4だ。 出るタイミングが違えば…と思ってしまうが、ダイハツにはまた元気印のクルマを出してもらいたいと切に願っている。 そして、S13型シルビア、RS13型180SX、GG型インプレッサの並びは、フリー走行と体験走行にエントリーされたグループだ。 この並び、10年ほど前の走行会ではよく目にした並びだ。 シルビアはフリー走行参加車のため、走行前にテーピングや空気圧調整を体験走行に参加する仲間とおしゃべりしながら準備されていた。 体験走行の枠があるのは、見学に来た仲間も見るだけでなく走る楽しみも共有できるチャンスとなる。 フリー走行にエントリーしていたEK9型シビックと両隣のBMWは関西からの遠征組だ。 驚くことにシビックは女性オーナーで、富士スピードウェイの走行は初めてとのこと。 そのため、手前のBMW M2の師匠が1本目は先導して走り方をレクチャーしていたそうだ。 普段は関西エリアのサーキットをM2と一緒に走行して楽しまれているという。 走行会がお盆休みのタイミングもあり、普段とは違うサーキットを楽しむことも可能なのだ。 協賛ショップのホンモノドラッグマシン展示も行われた。 今回多くの協賛ショップが出店していたが、そのなかで「BLACK LINE」がSC300(3代目ソアラ)ベースのドラッグマシンを展示していた。 普段見る機会がないドラッグマシンを間近に見て、このマシンに搭載されたタービンの大きさなどに多くの人が足を止めていた。 閉会時、エンジン始動とレーシングパフォーマンスが行われ迫力あるエンジンサウンドを耳にすることができた。 ■まとめ もし、フリー走行に興味がある方は、まずは体験走行を経験されることをオススメする。 今回筆者が体験走行をしたことでサーキットの雰囲気を経験することができた。 フリー走行のようなレーシングスピードで走る前に、ぜひ体験走行を経験してもらいたいと思う。 走行時間以外にも楽しめる催しや出展があり、大変楽しい一日となった。 気になった方は、是非体験走行またはフリー走行のエントリーを。 運営の「初音レーシング」関係者の皆さん、ありがとうございました。 次回も期待しております! [ライター・画像 / お杉]
日本でクラシックカー好きの方なら、一度は耳にしたことがあるであろう「La Festa Mille Miglia(ラ・フェスタ・ミッレミリア)」。 クラシックカー愛好家のためのカーレースイベントです。 この大会、実は起源はイタリアにあるってご存知でしたか? 今回の記事では、そんな本場のミッレミリアの歴史や背景、そして2023年の大会のレポート、ウィキペディアではわからない深堀情報や、現地の愛好家から聞いた話などをお届けします。 ■クラシックカーの通過を待っている間に古参のミッレミリアファンと仲良くなる 北イタリアでは毎年恒例のこのイベント。 2023年の開催は6月13日〜17日でした。 私が住むモデナ地区には、15日に参加者と参加車が通るということで、各街の通過予定時間をインターネットでチェックし、さっそく見に行くことに。 毎年恒例のイベントで、とりわけクラシックカーが大好きというわけではない一般人も、地元のお祭りのような感覚で見物に行くほどの知名度です。 家の近くの大通りでクルマの群れの通過を待っていたのですが…なかなか来ない…。 時刻は18:00を過ぎていましたが、夏の日照時間の長いイタリアではまだまだ日中のような強い日差しが照りつけており、気温は27度。 直射日光の下、私と同じようにクルマを持っている地元のみなさんと「暑いですね〜」「今年は結構遅れていますね〜」と立ち話をしているうちに、隣で待っていた方と仲良くなりました。 お名前はジャンカルロさん。 聞けば、彼は何十年も毎年ミッレミリアを楽しんでいる古参ファンだそうです。 今年もちょっと良いカメラを片手にクラシックカーの通過を待っており、良いショットを撮るのを楽しみにしているとのこと。 私が「日本語でミッレミリアの記事を書きたいんです」と言うと、「ミッレミリアのことなら俺に何でも聞きな〜。もう長年見てきているからね」と言ってくださいました。 ということで、遠慮なく色々聞くことに。 ▲ジャンカルロさんによると、ここ数年なぜか開催日に毎年雨が降るというジンクスがあり、「オープンカーに乗っている人たちはずぶ濡れになってかわいそうだった。今年はせめて晴れて良かった」とのことでした ■現地の古参ファンによるミッレミリア歴史解説 「もともとのミッレミリアは、スピードを競う本気のカーレースだったんだよ。」と語るジャンカルロさん。 元祖のミッレミリアは1927年から1957年までおこなわれていたのだそうですが、1957年レース中に9人の死者が数名出る惨事が起きてしまいました。 事故原因となったクルマはメンテナンスに問題があり、走行中に突然タイヤがバーストしてしまったのですが、当時は道路と歩道の境界が曖昧で、観客とクルマの距離が非常に近かったため、このような惨事につながってしまったそうです。 この事故以来、民衆の意見を尊重する形で大会は無期限停止に。 しかし20年の時を経て、1977年に「またあのころのミッレミリアを復活させよう」という動きがあり、大会が復活。 ただしそこからは、カーレースという形だけを残し、実際は愛好家たちの楽しみのためのカーラーリーイベントの趣向を強くして、再スタートしたのでした。 最近では、特にイタリアの観光業ともタイアップしたイベントとして進化を遂げています。 2023年の大会では前年までよりコースも日程も長くなっていますが、これも「もっと色々な街と景色を楽しめるように」という観点からの工夫です。 当然ミッレミリアのコース上に該当する街では、大会中ホテルやレストランの景気も良くなるため、クラシックカーの力で観光業界を盛り上げるという意味も入っています。 ■ウィキペディアではわからなかった小話 1957年、大会凍結の原因となる事故を起こしたのはフェラーリ。 以前クラシックカーのバイヤーをしていたジャンカルロさんによると、その年以降数年は、事故を起こしたフェラーリのモデル・335Sが一気にイメージダウンし、イタリア国内で値段が大幅に下落したそうです。 事故当時、フェラーリの創業者であるエンツォ・フェラーリは、その責任を問われて訴訟されるほどだったとのこと。 ただしかなり時間を置いてからは、イギリスなど他の国である種のプレミア価値がついたのだとか。 さて、ここまでのミッレミリアの歴史話を興味深く伺っているうちに、モデナの街は夕焼け色に染まってきました。 そして待機開始から1時間以上経ったころ、ようやくミッレミリアの出場者が通り始めました! よく見ると…とある時点からフェラーリの群れが! モデルや色にバリエーションはあるものの、全部フェラーリです。 これはクラシックカーなのか…?という感じの比較的新しいモデルのフェラーリも数多く通りました。 大会の趣旨としては、参加するクルマは大会が求める基準をクリアしている必要があり、ヴィンテージカーや歴史的に価値のある車輌が重視されているはずなのですが…実際はどうなのでしょう。 フェラーリの創業時の、元々のメインカラーであった黄色のフェラーリも通りましたよ! フェラーリの原産地、モデナの住人はだいたいフェラーリに誇りを持っているので、私も次々にやってくるフェラーリには自然と親近感が湧き、見ていて嬉しくなりました。 ここからどんどん他のタイプのクラシックカーもやってくるわけですが、お話の続きは次回の記事にて! [撮影 / Fabio・ライター / Maya.Y]