「車売却ってそもそもどんな流れなのか」「車の相続について相談したい」など車売却をご検討の際に出てくる悩みに無料でお答えいたします!
【相談例】
● 車売却のそもそもの流れが分からない
● どういった売り方が最適か相談したい
● 相続で車を売りたいけど売り方が分からない
● 二重査定や減額について知りたい
など
2023年6月28日〜7月2日の5日間にわたって開催されたバンコクオートサロン。東京オートサロンとの違いはいくつかありますが、ユーザーによる車輌展示がある点が大きな特徴といえるでしょう。それも、単に駐車場に集合しているのではなく、テーマに合わせてそれぞれ集められています。 今回は、オートサロン会場内外で展示されていたユーザー所有のクルマを、90年代JDMを中心に紹介します。 >>バンコクオートサロン2023全体のレポートはこちらhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/bangkok-auto-salon-2023/ ユーザー展示という意味ではアジア最大 アジア最大規模のカスタムカーイベントと銘打っているバンコクオートサロンですが、実際の展示スペースは残念ながら東京オートサロンの規模に遠く及びません。しかし、バンコクオートサロンの特徴の1つ、ユーザーによる車輌展示という面では本当にアジア最大規模だと思われます。 会場内の展示スペースはメーカー同等の広さ 個人所有の車輌展示エリアとして用意されたスペースには「インフルエンサー&カークラブゾーン」と名付けられ、広さはホンダやマツダといったメーカーのエリアとほぼ同等でした。カスタムカーや90年代JDMへの関心の高さがうかがえます。 展示されていた車輌からは、日本車に対するオーナー愛を強く感じました。いかにもデモカーらしい派手なエアロやホイールを装備しているものもありましたが、純正形状を活かした品のよいカスタムカーも多数あり、展示のためではなく好きだから所有していることがよくわかります。 オリジナルへのリスペクトを感じる80スープラ 写真の80型スープラのオーナーは、意外にもまだ若いご夫妻でした。ちょうどご来場していたためお話を聞くと、「もったいなくて日常的には乗っていないけど、この型のスープラが大好き。これからも大事に乗っていきたい」とのこと。80スープラの官能的なボディラインを崩すことなく、効果的に装着されたエアロパーツが印象的でした。 屋外展示だけでも見に行く価値あり バンコクオートサロンでは、会場外にもユーザー車輌の展示エリアが設けられています。屋外の展示エリアは、日替わりでテーマが異なる点が最大の特徴です。広大な駐車スペースを利用して、ホンダデー、トヨタデー、車種別ではロータリーデーなどのテーマに合わせてファン垂涎のJDMが集まります。母体は各車種のオーナーズクラブやチューニングショップが中心のようで、展示車輌を持ち込んでいるオーナーもイベントを楽しんでいる様子でした。 また、開催時間中に車輌の入れ替えが行われるため、エンジンをかけて動く様子も間近で見られます。さらに、オーナーが近くにいれば話を聞くことも可能で、和気あいあいとした雰囲気が漂っていました。 日程の都合上、全ての展示を見られませんでしたが、気になったクルマの写真をいくつか紹介します。 タイで人気のA31セフィーロ 日産デーでは、A31セフィーロが多数集まっていました。タイでも生産されていた車種で、現在でも入手しやすく人気が高いようです。カスタマイズとしては、日本でも定番の2JZエンジンへの換装をしている車種が目立ちました。一方で、純正に近い状態のまま大切に乗っているオーナーも多く、写真のクルマのオーナーは「実はもう1台所有しているほどA31セフィーロが好き。タイでは、ドリフトをする人にとってポピュラーな車種ですよ」とタイのセフィーロ事情を教えてくれました。 生粋のVTECファン3人組 EF型シビック3台で来ていた3人組は、VTECが大好きで日本にも来たことがあるそうです。持ち込まれていたのは、シャトル、セダン、そしてEF9ではなくEF3という、いずれも珍しい3台。特にシビックシャトルは、低年式に関わらず綺麗に整備されたエンジンルームが印象的でした。ほかにも、王道のB16Aエンジン搭載のEG型シビックも所有しているそうで、3人とも口をそろえて「I like VTEC and HONDA」と笑顔で話してくださいました。 細部にこだわりをみせるタイのカスタムカー タイのカスタムカーは、オーナーの個性が色濃く反映されています。派手なリバリーから、キャリパーメーカーへのこだわりまでバンコクモーターショーの屋外展示で見かけた車輌を一挙紹介します。 なぜかスバルの「555」リバリーを施したトヨタ MR-S 外観だけではなくタイヤはPOTENZA、キャリパーはSPOONと細部にもこだわりをみせるS2000 本物のゼロファイターエディションかどうかは不明だが綺麗なランエボVI カスタムカーを愛するマインドは日本人以上 バンコクモーターショーで展示されていたJDMを見ながら、各クルマのオーナーと話していると懐かしさを感じました。学生の頃に愛車を前に、友人と取り留めもない会話を延々としていた感覚です。オーナーのみなさんが比較的若かったせいもあるかもしれませんが、「好みに仕上げたクルマをぜひ見てほしい」「もっとかっこよくしたい」といった感覚は、日本とまったく変わりません。 日本車がこれだけ愛されているという事実を日本人として誇らしく感じたと同時に、改めてクルマを楽しむという感覚を思い出させてくれました。展示会場そのものの広さは東京オートサロンに敵いませんが、オーナーの熱量は日本人以上です。屋外展示を見る目的だけでも、カスタムカー好きの方は一度バンコクオートサロンに足を運んでみてはいかがでしょうか。 [執筆・撮影 / 渡邉 篤]
去る2023年9月3日、箱根ターンパイクにて、OZホイールのファンが集うファン感謝祭『OZファンミーティング』が開催された。 今回で5回目になる同イベントは、OZホイールを取り扱うオーゼットジャパン(株)が主催する。 参加資格はもちろん、同社の取り扱うホーイルであるOZ、MSW、Sparcoホイールを車両に装着しているオーナーとなる。 それ以外はもちろん国産、外車、新車、旧車は問わない。 午前9時を回り始めたころから徐々に、1台また1台と足元をOZホーイルで固めた車輌が会場入りする。 スイフトスポーツからMINI、R35GT-R、フェラーリ テスタロッサに至るまで。 こうして見てみると、改めてOZは多くの車輌に本当によく似合っている。 もちろんそれらは各オーナーのチョイスやセンスもあるのだろうが、そこを除いたとしても各車体にマッチしていると思う。 ■レースで培った技術メーカー そんなOZというメーカーは、1971年にイタリアで産声を上げた。 シルヴァーノ・オゼッラドーレとピエトロ・ゼンの2人によって立ち上げられ、2人の頭文字をとりOZと名付けられ、ベネチア近郊の街で創業。 まだWRCなどという言葉がない時代に、ミニクーパーに合金リムのホイールを装着してレースに出場。 当時のラリーレースにて優勝を飾る。 同時にバイク用のホイールも開発。 それからはさまざまなレースにおいて、多くのメーカーの車種に装着して積極的にレース活動を展開。 今では必ずと言っていいほど、多くの競技にこのロゴが踊っている。 ■こだわりのオーナー車輌 新車旧車問わず、車輌本体もさることながら、やはり履かせるホイールにもこだわりが感じられる。 こちらのZ32もその1台だ。 時代感覚もあるのだろうが、この年代のクルマだとどうしても他社のホイールを入れているイメージがある。 ヤリスやインプレッサのようなラリー等のベース車輌などにも履かせるオーナーが多いが、なかにはホイールが気に入っていて、そのままキャリーオーバーで履いている方もいる。 あるオーナーは、「クルマをワゴンモデルに入れ替えましたが、その際前のクルマに使っていたOZホイールが気に入っていたので、今のワゴンにも履かせています」と話してくれた。 当然なのかもしれないが、OZ以外のホイールが驚くほどにいなかった。 今回筆者が見逃していたのでなければ、唯一Sparcoを履いて参加していたシトロエン C4。 もちろん参加OKであるが、ラリーベース車輌等がこれだけ参加しているのだから、もう少しいても不思議はなかったのだが、他に姿は見られなかった ■スカイラウンジ1分間の攻防 舞台挨拶では1分間アピールタイムとして、協力企業のコメントタイムがあたえられていた。 2人の女性ドライバーがOZの製品をアピール。 国産でもこだわりを持って履いているクルマは少なくないOZホイール。 特に競技用となれば尚更だ。 ガスり気味のターンパイクで一際目を引いたのは、キャラクターラッピングを施されたクスコジュニアレーシングの車輌。 若手ドライバーである、赤城ありささんの駆る個体だ。 ご本人はホイールについて、「デビュー間も無くまだまだ性能もその良さも活かしきれていないので、これから頑張ってその良さをアピールしていきます」と語ってくれた。 こちらを読まれた方々も、ぜひ暖かく見守って応援してもらいたい。 スズキ スイフトで参加されたのは、特徴のある衣装で登場された、ラリードライバーの兼松由奈さん。 全日本ラリーのエントリーにOZホイールを履いて参戦している。 舞台挨拶でも10月の最終戦にも同車輌でエントリーするということで、「応援お願いします」とコメントされていた。 協力会社の持ち込んだ車輌もまたこだわりが強い。 3台のセリカが居並ぶが、こちらはカラーリングショップ=プロトタイプが持ち込んだもの。 WRCでのセリカの活躍を見た世代にはたまらない並びだが、これらすべてのセリカの足元は、やはりOZで固められていた。 コメントでは、165系のセリカに15インチのホイールをはいて来たが、できれば再販をお願いしたいと。 ただし、需要は見込めると思えませんが…と会場の笑いを誘っていた。 朝霧の立ちこめる箱根ターンパイクで始まったOZファンミーティング。 多くのOZホイールを愛するオーナーや、それを支えるショップなどに囲まれ終了した。 気がつけば、あれだけ視界を奪っていた濃霧もすっかり晴れて、芦ノ湖周辺を見渡せるほどの好天になっていた。 また次回も多くのファンとの集いになることを予見するようだ。 OZは誰もが知るホイールメーカーだ。 だが意外なことにスポンンサードしているレースはあまりないという。 多くが供給はしているが、販売なのだ。 それゆえにオフィシャルサプライヤーとして名乗ることがあまりないともいえる。 縁の下の力持ち、サスペンション下の仕事人。 OZとは、そうした姿勢を貫いている企業といえるだろう。 [ライター・画像 / きもだこよし]
アジア初の会員制ドライビングクラブとして、コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが建設を進めていた「THE MAGARIGAWA CLUB」(ザ・マガリガワクラブ)がついに完成。 2023年7月29日と30日には、グランドオープニングイベントとして「房走祭」が開催された。 この「房走祭」のイベント初日に、筆者も車輌展示を兼ねて参加したので、その様子をシェアしてみようと思う。 ■「THE MAGARIGAWA CLUB」とは? コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが運営する「THE MAGARIGAWA CLUB」は、千葉県南房総市に開業した会員制ドライビングクラブ。 せっかく高性能スポーツカーを買っても、その性能を存分に発揮できない状況にフラストレーションを感じていたユーザーは少なくないはず。 この施設はスポーツカーを存分に走らせたいユーザーにとってはたまらない施設となっている。 全長3.5kmのコースは、800mのストレートに加え、上り20%、下り16%勾配という峠道のような区間もあり、コーナー数は22。 標高差は実に250mというユニークさ。 F1サーキットの設計で知られるTilke Engineers & Architectsによるコースデザインは、地形を最大限に活かしたもの。 世界でも例を見ないプライベートサーキットとなっている。 ■イベントへのご招待 筆者も「一度愛車を走らせてみたい!」と思ったものの、入会費は正会員で3600万円といわれていた。 そのためまったく縁のない話と感じ、それ以来自分のアタマからは完全に抜け落ちていた。 そんなある日、一通のメールが届いた。 それは以前、筆者の愛車であるシトロエン BX 4TCの撮影でご一緒した方からのメールだった。 驚いたのはその内容。 なんと「THE MAGARIGAWA CLUB」のオープニングイベントである「房走祭」で車輌展示をしませんか?というお誘いだった。 訊けば、「ヒルクライムドライブ」としてコースを実際に走行できるとのこと。 しょせん夢物語だと思っていたスポーツ走行が現実になるとはまったく想像していなかったので、まさに思ってもいない朗報だった。 ただ、ひとつだけ問題があった。 うちのクルマは車検切れのため、現地まで自走できないのだ。 せっかく良いオファーをいただいたのに、なんという不甲斐なさ。 「あぁ、なんてことだ!」と、天を仰いだのはいうまでもない。 仕方ないので正直に事情をお話して、お断りすることにした。 すると、なんと積載車についても対応してもらえるとのこと。 敷地内の走行についてはなんら問題はないので、これなら参加できるかもしれない。 そこで「旧車王ヒストリア」のライター仲間でもある、旧知の中込健太郎さんに連絡。 すると、その日は予定が空いているとのこと。 そこで中込さんの積載車でうちのクルマを運搬し、私も同乗して現地入りすることにした。 ■予想を超越した天上界 2023年7月29日のイベント当日、予定通り中込さんの積載車に車輌を積み、現地へ向かった。 中込さんと筆者はクルマの趣味が似ていていることもあり、アクアラインの渋滞がまったく気にならないほどクルマトークが炸裂。 あっという間に到着した。 東京都心から約1時間という触れ込みは、確かにその通りだった。 のどかな田舎道を進んだ先に突然現れた「THE MAGARIGAWA CLUB」は、まさに山を開拓して整備された途方もない施設だった。 入口の先で積載車から車輌を降ろし、シトロエン BX 4TC単体で頂上のクラブハウスを目指す。 コースに沿って走る側道は、途中まではなだらかな上り坂が続くものの、最後の急坂セクションがすごい。 うちのシトロエン BX 4TCは、フラットな燃料タンク形状のため急坂で燃料が途切れがちになる。 そんなクルマにとっては鬼門といえる急勾配だ。 この時点でコース走行に若干不安を感じてしまった。 そんな急勾配をなんとかクリアしてクラブハウスに到着すると、そこには別世界が広がっていた。 クラブハウスの周辺には車輌展示を行うクルマたちが受付のため多数集まっていた。 驚いたのはそのラインアップ。 まず、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンは当たり前。 都内でメルセデスやBMWを見るような感覚だ。 もちろんポルシェもRS系しかいないような感覚。 さらにポルシェ 959とかジャガー XJ220のような、レアモデルが普通に集まっている。 日本車もホンダ NSX-R、日産 GT-R NISMO、トヨタ・メガクルーザーといったクセの強い車種ばかり。 あまりにも刺激が強すぎて、朝イチの時点で感覚が麻痺してしまった。 幸いなことに、以前取材させていただいたメルセデス・ベンツ 190E 2.5-16 Evolution IIにお乗りのGさんのグループと一緒になった。 グループBとグループAエボリューションモデルというホモロゲモデルの並びが実現し、ようやくアウェイ感から脱することができた。 心強い仲間の存在は本当に重要である。 レアな車輌と同じくらい驚いたのがスタッフの運転スキル。 受付を済ませたら、参加者はクラブハウス内に移動。 あとは自分のコース走行の順番が来るまでゆったり飲食をしながら待つという趣旨だった。 そのため、車輌はスタッフがコース内の駐車位置まで運ぶという、ホテルのバレーパーキングのようなサービスを行っていた。 車輌を動かすスタッフは、トランスミッションの操作も駐車ブレーキの解除方法も1台1台異なるクルマをスイスイと動かしていく。 ハイドロニューマティック・サスペンションを備えるうちのBX 4TCも、車高が完全に上がってから移動させていた。 1台数億円クラスの車輌も珍しくないなか、ビビったり操作に戸惑ったりするスタッフが皆無だったことに驚いた。 いったい事前にどんなトレーニングを受けてきたのだろうか? 他人に愛車を預けることに抵抗感のある参加者も少なくなかったはずだが、このオペレーションを見たら、大切な車輌を安心して預けられると納得したことだろう。 ■ホテルのようなホスピタリティ あまりにも刺激的な個体が多すぎて完全に麻痺してしまったので、クラブハウス内でゆっくり心を落ち着かせることにした。 しかし、その目論見は見事に裏切られた。 クラブハウス内も見どころ満載だったのだ。 なかでも1階のテラス席は、コースを走るクルマを見ながらソファでゆったりとした時間が過ごせる至福の空間。 エグゾーストノートを聴きながらまったりできるこのエリアは、何時間でもいられそうだ。 そして通常は正会員限定となるエリアも一部が開放され、バーラウンジではシャンパンが振る舞われていた。 しかし、運転を控えているため、シャンパンの優雅な泡立ちを横目に、ウィルキンソンの辛口ジンジャエールでやり過ごさなければならないのは本当に辛い。 このときはさすがにコース上での運転を恨めしく思った。 ■刺激的なサーキットタクシー そうやって施設見学をしているうちに、いよいよコース走行の順番となった。 まずはクラブハウスからコース内にあるトランスポーターのドライバーホスピタリティに移動。 そこでブリーフィングを受けたのちに自分のクルマに乗り込み、コースを1周するというものだった。 ちなみにコースへの移動はBMWとアルファードによるシャトルのみ。 コース内の移動は、タイの3輪タクシーとして知られる「トゥクトゥク」が担っていた。 よく見ると、ドライバーホスピタリティの前ではサーキットタクシーの乗車体験が行われていた。 これはラ・フェラーリ、ランボルギーニ・シアン FKP37、ランボルギーニ・チェンテナリオ・ロードスター、マクラーレン P1といった、超弩級のスポーツカーに同乗してサーキット体験ができるというもの。 乗車できたのは、一部のゲストと来場チケットで入場して当選した方のみだったので、残念ながら体験できず。 見た目にはかなりのハイスピードで周回していたので、機会に恵まれた人は相当に刺激的な体験だったことだろう。 ■愛車でヒルクライム体験 いよいよメインイベントのコース走行のときが来た。 駐車位置からヒルクライムのスタート地点までは、コース内をゆっくり走って周りのクルマたちを確認する。 すると、受付では見かけなかったモデルたちがたくさん並んでいることに気づいた。 「これらのクルマたちの総額は、ちょっとした国の国家予算に匹敵するのではないだろうか」と思いながら、白昼夢のような光景にまたもやアタマが真っ白になる。 そんな刺激的なクルマたちに目を奪われているの束の間、いよいよスタート地点へ。 1台1台間隔を空けてスタートするので、自分のペースでリラックスして走行できるのはありがたい。 コース脇にはギャラリーの方々もたくさんいるので、少し頑張ってスタートしてみた。 最初はほぼ直線が続き、最初の右コーナーを抜けると、そこからヒルクライム区間。 序盤の勾配はキツくないので比較的ハイスピードでクリアできるが、問題は最後の20%勾配。 連続するコーナーを抜けていくと、目の前に絶壁のように現れるのだ。 「燃料供給が途切れませんように!」と願いつつ慎重にアクセル操作をして、急坂をなんとかクリアすることができた。 しかし、ホッとしていたのも束の間、ふと後ろをみると筆者のあとにスタートしたアルファ ロメオ ジュリエッタ・スパイダーがすぐ背後に迫っていた。 再びペースを上げて後半のコーナーをクリアしたが、本当にあっという間の走行体験だった。 走行した印象は、かなり攻略し甲斐のあるコースということ。 特に後半のヒルクライムセクションからクラブハウス前の区間はアップダウンとブラインドコーナーの連続で、走り込むことでタイムアップにつながる印象を受けた。 街中で運動不足気味のスポーツカーはもちろん、サーキット専用車などは持てるパフォーマンスを存分に発揮することができるはず。 「THE MAGARIGAWA CLUB」では車輌保管サービスもおこなっているので、ここにサーキット専用車を置き、好きなタイミングに走らせるような環境を実現できる方にとっては、極上のスポーツドライビングが愉しめるだろう。 ■クルマ好きの聖地に コース走行後に改めて展示車輌を観に行ったところ、アメリカ車を含む世界の名車たちが幅広いカテゴリーで展示されていたことに気づいた。 コース走行をしない展示車輌も少なくなかったので、このイベントのために多くの方々が協力したことは想像に難くない。 これまで貴重なクルマたちの海外流出が止まらない状況を見てきただけに、ここに集まったクルマたちに大いに勇気付けられたのも事実。 これだけの車種が集まるイベントが実現できるということは、日本のクルマ好きパワーはまだまだ健在ということ。 もちろん「THE MAGARIGAWA CLUB」自体は、一部の限られたメンバーのための施設であることはいうまでもない。 しかし、このようなイベントを定期的に開催することで、走る人も観る人も楽しめる「クルマ好きの聖地」となることを願いたいものだ。 [ライター / 北沢 剛司 画像 / 北沢 剛司、中込健太郎]
毎年、6月に北イタリアで開催されるアンティークカーのためのレース「Silver flag」観戦してきました。 現地から新鮮な現場の様子をお届けできたら幸いです。 レース参加者にもインタビューすることに成功しましたので、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。 ■Silver flagとはどんなイベント? 私はこのイベントの開催地の近くに住んでいます。 1年間心待ちにしていたのでしょう、イベントが近づくにつれ、街では地元のおじさんたちが「Silver flag」について会話をしているのが頻繁に耳に入ってくるようになりました。 地元民からも溺愛されるイベント「Silver flag」ですが、実際にイベントに行ってみると、北欧やイギリス等の欧州内のさまざまな国から参加者が募っていました。 イベントについて少し紹介をします。 1953年から、同地でピアチェンツァ自動車クラブの主催によって、平原のストレートからアスファルトの勾配が生み出す難易度の高いヘアピンカーブでのルートで競い合うヒルクライムが開催されていました。 しかし1974年には、20年もの間の続いたイベントに終止符を打つことに。 そこから長い歳月を経て1996年、当時のヒルクライムを再誕させようと始まったのが「Silver flag」なのです。 当イベントはタイムアタックを競うイベントではなく、レーシングカーの保存状態と修復度を競う方式がとられています。 北イタリアの街「Castell’Arquato (カステッラルクアート)」を出発し、「Vernasca (ヴェルナスカ)」に到着するという約9kmのコースで、このコースをアンティークカーたちが例の大きなエンジン音とともに颯爽と駆け抜けていきます。 カステッラルクアートもヴェルナスカも都市ではなく、非常に小さい街で、ここに欧州各国からレースカーを引き連れてきたのかと考えると、参加者のイベントへの情熱、クルマに対する熱意がひしひしと感じられます。 イベントは毎年3日間続き、会期中はパーティーなども開催されるため、国を超えた参加者の友好は深まって、同志の友情はきっと一生ものになるのでしょう。 ■1日目と2日目は展示車輌を間近で見るチャンス! さて、イベントの1日目、2日目はカステッラルクアートでクルマの展示が行われます。 入場料等一切なく、誰でも気軽に参加でき、言葉が通じればクルマのオーナーとも気軽に話すことができます。 上述したように、イベントには多国籍の参加者が集うため、英語でのやり取りをしている様子がうかがえました。 余談ですが、カステッラルクアートは中世の町並みがそのまま残された非常に美しい魅力あふれる街ですので、観光も楽しめること間違いなしです。 今は亡きデ・トマソや、フェラーリレインボー、アバルトなど、珍しいクルマがあちらこちらに展示されており、興奮が止まりません。 これらのクルマすべてが、3日目にはレースに参加します。 また、日本ではもしかしたら知名度が低いであろう、ランチアのレースカーも多く参加していました。 ランチアは今となってはあまり盛り上がっているブランドではないですが(イタリアではたまに見かけます)、かつてはカーレース界で多くの功績残した最高のレースカーを製造していたのです。 昨今、ブランドのリニューアルを目指し動き出したようで、イタリアでは再び注目を浴びているブランドです。 イベントには非常に有名なストラトスや、実際にレースで賞を受賞した以下の車輌が参加していました。 当時のキズを修復せずにあえてそのままの状態なのは、輝かしいレースの思い出を消さないようにあえて残しているようにも感じました。 誰もが憧れるマセラティも数多く出場していました。 ▲私は、こちらのマセラティが総合優勝を勝ち取るのではないかと、予想していました! ■いよいよ本番3日目!実際に走るクルマの姿と音を堪能! イベント3日目になると、展示されていた車はまるで長い冬眠から目を覚ましたかのよう。 この瞬間を待ってたよ!と言わんばかりに大きなエンジン音を鳴り響かせ、スタート地点に向かいます。 スタート地点では多くの観客が集まり、イベントはかなりの盛り上がりを見せています。 こちらのクルマは皆さん見たことありますでしょうか。 スタート地点で待機するのは今は亡き、チシタリアのクルマです。 少しイタリアらしいエピソードを・・・。 出発直後、この個体がエンストしてしまうやいなや、即座に観客席から数人立ち上がり、助けにいく姿が見られました。 見て見ぬふりができない、いい意味でおせっかいなイタリア人らしい光景だな、と思いました。 その後、私たちもゴール地点のヴェルナスカへ向かいました。 ヴェルナスカではすでに到着したクルマが陳列されており、レア車が広場に敷き詰められた景色は圧巻としか言いようがありません。 午後の表彰式が行われるまでの間、参加者はお昼ご飯を食べたり、友好を深めたりと、イベントは常に盛り上がりと活気で満ちあふれています。 ▲イベント参加者たちが集まってテントの下で昼食を食べている様子です ここでも余談ですが、ヴェルナスカは丘で囲まれ、緑が豊かな風情で、典型的なイタリアの小さな田舎町といった感じです。 さてさて、表彰式が始まりました。 表彰はブランド別に分かれているようで、なんと、以前お伺いした「Alfa Blue Team」から参加したクルマが、アルファ ロメオ部門で賞を受賞していました。 ・「Alfa Blue Team」についてはこちら●公式クラブ「Alfa Blue Team」訪問記公式クラブ「Alfa Blue Team」訪問記https://www.qsha-oh.com/historia/article/alfa-blue-team/ 何十年も参加してきたけど、受賞は初めてだよ!と感極まった様子でした。 そして総合優勝されたのがこちらのフェラーリ。 確かに古さを一切感じさせない、素晴らしい修復度です。 こうして今年も3日間にわたるイベントに幕を閉じました。 ■レース参加者さんにインタビュー! さて、レースに参加したヴァレリオさんに、レースに対する想いなどお話を聞くことができました。 イタリア人はどんな想いでこのイベントに参加しているのか気になりますね。 ●Silver flagには何度出場したことがありますか? 12回目ですかね、コロナの影響で一度キャンセルされたから11回目か?そのくらいです。 ●このイベントに対する情熱は何?そしてそれはどこから来るのですか? それは恋のように、なぜ好きで、どこらかやってくるかわからないものなんですよ。 ●なぜこちらのジュリアGTAに乗っているのですか? クルマを買おうとしていたとき、他にもアンティークカーアルファ ロメオの選択肢が多くありましたが、このクルマの容姿がとにかく気に入ったんです。特にこのクルマは実際にレースに使われるために開発され、このクルマが持つスポーツヘリテージが非常に魅力的でした。 ●一番好きなアルファロメオの車種は何ですか? ジュリアスーパーですね! ●どのようにアルファロメオに興味を持ち始めたのですか? 僕の記憶があるときから父がアルファ ロメオを乗っていて、アルファ ロメオは当時一番有名で、イケていて、彼女に恋をしたのです。そして今アルファ ロメオを運転していると、父がいつも隣にいてくれている気がするんですよね。私には二人の子供がいるのだけど、二人ともアルファ ロメオに乗っています。息子においては、はじめミニクーパーに興味があったので、彼をアルファ ロメオ色に染め上げるのは大変でした。 ●日本車についてはどう思いますか? 日本は便利な機能を搭載したクルマのみではなく、レースで優勝してしまうクルマまで生み出して素晴らしいと思います。特にトヨタGR Gazoo Racingには感心しますね。もし今からクルマのコレクションを始められるとしたら、オレンジ色のホンダ360が欲しいです。 ●日本に住むAlfisti(アルフィスティ=アルファロメオファン)にメッセージはありますか? Alfistiだからと言って特定の車種を所有する必要はないし、高級なクルマも要らない、それよりも大切なことは好きという気持ちなんです。イタリアと日本は物理的距離があるけれど、そんなことは関係なく、例えば小さなキーホルダーを持つことだっていいし、安い中古車を買うことだっていい。もしその人がアルファ ロメオに対して情熱があればもう立派なAlfistiなんです。 ▲ジュリアGTAでSilver flagに参戦したヴァレリオさん 地元民からも、国境を越え欧州中からも愛されるイベントSilver flagは、この先も同じ情熱を持つ者同士の熱い戦いの場として盛り上がることでしょう。 いつか私も自分のアンティークカーを連れて参加してみたい、そう思いました。 [ライター・画像 / PINO]
■それは聖地に集いし太陽のスポーツ 読者諸氏は、CR-Xデルソルというクルマをご存じだろうか? 7月15日、雨混じりの初夏に、ツインリンクもてぎのホンダコレクションホール前の駐車場にて「デルソルもてぎミーティング」が開催された。 今年で24回目となる同イベントは、同車輌の有志たちにより運営される単一車種のイベントだ。 CR-Xデルソルは名前の通り、ホンダバラードスポーツCR-Xの末裔のモデルだ。 とはいいながらも、ハイデッキのハッチバッククーペであった歴代モデルとは一線を画し、それまでとは全く違ったスタイリングのオープンカーとして1992年3月にデビューをする。 登場したクルマは、トランストップというタルガトップのような屋根がピラーを飛び越えてトランクに収納される、前代未聞の電動オープンモデルであった。 あまりにもエキセントリックであったがゆえに賛否両論の物議を醸したが、北米を中心にファンが今でも少なくない。 そんなデルソルの、他にはない唯一無二の魅力に惹かれたオーナーたちが集まり、交流を深めていくイベントだ。 また、毎回デルソルに携わった設計者やデザイナー等を招待。 今だから語れる誕生時の知られざる話や、さまざまなこぼれ話を披露する。 この日も、繁氏と川田氏がクルマのデザインそのものに関する、ある意味ぶっちゃけたお話をコレクションホールのHONDA職員の顔色を伺いつつ語られていた。 ▲登壇する川田氏(左)とデザインについて語る繁氏(右)。きわどすぎる話に参加者も思わず笑いがこみ上げる ■二桁ナンバーのデルソル 会場には20台を超える車輌が参加していたが、モデファイドしたクルマやチューンドした車両がいるなか、特出したクルマがいた。 2桁ナンバー(現行のような3桁の数字やアルファベットでなく、品川56とかで始まるナンバーのこと)を持つこれらのクルマは、そのデビュー当時より1人のオーナーが30年近くも付き合い続けた愛車である。 デルソルはそうしたオーナーも少なくないが、長い月日の間にはさまざまなドラマがある。 シルバーの個体のオーナーは、デビューした年に即購入のハンコを付いて手に入れたという。 その当時は、まだEF8ことサイバーCR-Xも新車で買えたということだが、あえて新型であるデルソルにしたという。 それから30年25万kmを超える距離を走り、2度にわたる大規模整備を経験し、途中でナンバーを切ることさえあったが、今も乗り続けることができているという。 素晴らしいのはここに至るまで一度もエンジンを開けることがなかった(ノンオーバーホール)車輌という。 もう1台は、当時のイメージカラーでもあるグリーンメタリックを纏ったボディのSiR。 これこそまったくのどノーマルではあるが、理由を尋ねるとそれも納得。 このクルマ元々はHONDAの広報車輌としてのモデルだった。 オーナーもそれを知っているがゆえに購入。 全くの無改造で維持をおこなっている。 ただし、フロントのリップだけは後から架装したのだそう。 「これがないとどうしてもフロントが上がって見えるので」と。 なるほど、元とはいえ広報車はやはり見映えは大事だということか。 ■屋根を開け放ってこそのデルソル コレクションホール内ではゲストのトークを中心に、最後はコンクールの表彰で幕を閉じた。 優勝者はこれで最後というゲストのサイン入りデルソルのガレージキット(ホンダから許諾を受けての販売品)を贈呈され、讃えられた。 デルソルは、そのスタイリングからタルガモデルのようにも思われがちだが、強靭なリアピラーを要したれっきとしたオープンカーである。 なぜならリアガラスは電動で降りるからだ。 その証拠にドアにもパワーウィンドウスイッチが3つあるのだ。 コレクションホールより会場へ戻ると、雨模様の空はいつのまにか晴れ始め、真夏の陽気を取り戻し始めていた。 オーナーたちは1台また1台と屋根を開け始め、この陽気などまるで問題ではないかのように真夏の空気を車内に取り入れる。 太陽からの使者は30年の月日を経ても未だ健在である。 ▲デルソルのシンボルを着けた謎の小箱。これは当時の発表会でプレス向けに配られたケースだという。こんなものをひとつとってもクラブではキチンと保管し、活用している [撮影・ライター / きもだこよし]
カスタムカーの祭典として、多くの自動車ファンから注目を集める「東京オートサロン」。実は、東南アジアの人気観光地であるタイにも「オートサロン」という名前を冠したカスタムカーイベントがあるのをご存じでしょうか。2023年も「バンコクオートサロン2023」として、6/28〜7/2の5日間にわたりバンコク近郊のインパクトチャレンジャーホールで開催されていました。 東京オートサロンとのつながりも深い、バンコクオートサロン2023の様子をタイのカスタムカー事情や日本車人気とともに紹介します。 10年以上の歴史を誇るバンコクオートサロン バンコクオートサロンの歴史の始まりは、10年以上も前にさかのぼります。初開催は2012年「バンコク・インターナショナル・オートサロン2012」というイベント名で、「東京オートサロン」と正式にライセンス契約を結び開催されました。 バンコクオートサロンはコロナ禍で中止期間もありましたが、基本的に毎年開催されています。自動車メーカーに加え、ホイールや足回り、エアロなどのチューニングパーツメーカーも数多く出展。半分旅行気分でバンコクを訪れている特別感を抜きにしても、単純に自動車ファンとして楽しめる充実したモーターショーでした。 まずは、5日間にわたって開催された、2023年のバンコクオートサロンの概要を紹介します。 展示車輌の多くが日本車 会場奥の広いスペースを確保していたのは、トヨタ、ホンダ、マツダ、いすゞといずれも日本の自動車メーカーです。さらに、東京オートサロン2023の出展車輌の一部も船便ではるばる海を超え、バンコクオートサロンに展示されていました。 タイでは日本車が人気で、街なかでもトヨタやホンダの車をよく見かけます。アフターパーツメーカーやチューニングショップも、日本車を中心にデモカーを制作していました。また、CUSCOやOGURAクラッチといった日本のアフターパーツメーカーもブースを設けるなど、耳に入ってくる言葉を意識しなければまるで東京オートサロンにいるのかと錯覚してしまいます。 90年代JDMが大人気 日本のオートサロンは、メーカーを中心に現行車種か比較的新しい車輌の展示が多いですが、バンコクオートサロンのメインは、1990年代の日本車。 トヨタ 80型スープラやAE86型トレノ、マツダ FC3S型RX-7、日産 R32型スカイラインGT-R、ホンダ EG型シビックなど旧車ファン垂涎のラインナップが、メイン会場のいたるところに展示されていました。 タイで根付いているカスタムカー文化 タイの自動車ユーザーの多くは、思い思いのカスタマイズを楽しんでいます。ホイールやマフラー交換、追加メーターの装備といったライトチューンからエンジンスワップまでカスタマイズ内容は日本と変わりません。タイ名物のトゥクトゥクまで、カスタムマフラーの低音を響かせて走っていたのには非常に驚きました。 特に日本車ベースのカスタムカーが人気で、各々が個性的なスタイリングを楽しんでいます。車検が厳しいうえ、車離れの進む日本以上にカスタムカーへの熱量を感じました。 日本のオートサロンにはない、一般参加も大いに盛り上がったバンコクオートサロン2023のカスタムカーについて紹介します。 現地のアフターパーツメーカーも力を入れた展示 バンコクオートサロンでも、現地タイのアフターパーツメーカーが数多く出展していました。特にホイールメーカーの出展は、ブースも大きく目立っていた印象です。 また、足回りについてはタイ特有の事情があるようで、オリジナルサスペンションを製造する「TunerConcept」の社長は、「タイの舗装路は、日本のようにきれいではありません。タイで快適に走れるよう、オリジナル設計のサスペンションを開発しました」とブランド立ち上げの目的を明かします。一方で「日本製のアフターパーツは、品質が高くタイ人にとても人気ですよ」と、日本人として嬉しい一言も付け加えてくれました。 ちなみに、サスペンションの販売価格は日本円で8万円前後と、日本のパーツメーカーの価格とほとんど変わりません。東南アジアというと物価の安いイメージがありますが、所得も徐々に上がってきた影響で、一般層の顧客も多いとのことでした。 ユーザー参加の展示イベントも開催 バンコクオートサロンでは、ユーザー参加の展示イベントも開催されています。日替わりでテーマが設定されており、チューニングショップやオーナーズクラブを中心に同じ車種が集合し展示されている様子は圧巻です。 R35 GT-Rといった最新車種もありましたが、展示の中心は旧車。ホンダデーでは、EFからEG、EK型までのシビックやDA、DC型のインテグラなどが展示されていました。AWDがテーマの日にはGD型インプレッサやランサーエボリューションの各世代が勢揃い。他にも日産 A31型セフィーロが集合した日もありました。 タイらしい「マイペンライ」の精神を感じる開催日程 最後に、バンコクオートサロン2023の開催日程が、いかにもタイらしい日程だったことについても紹介します。タイには「マイペンライ」という、「大丈夫」や「問題ない」「気にしない」といった意味の言葉があります。 今回のバンコクオートサロン2023では、会場の広さに対して出展社が少ない点が気になり、出展していたメーカーの方にお話を聞いてみたところ、驚くべき回答が返ってきたのです。 タイ最大のレースイベント「バンセーン・グランプリ2023」が全く同じ日程で開催されており、メーカーやチューナーはそちらにかかりきりで多くの団体が出展できていない、さらに自動車ファンの多くがレースイベントに参加しているため例年より来場者は少ない印象とのこと。 日本であれば、東京オートサロンにスーパーGTの開幕戦や最終戦をぶつけるようなもので、関係者間で日程の調整を図るべき事態です。しかし、タイでは「マイペンライ」。出展者も「こちらに来たい人が来てくれればそれでいい」とあまり気にしている様子はありません。いかにもタイらしい精神を感じた瞬間でした。 [執筆・撮影 / 渡邉 篤]
岡山県では「国産車第1号・山羽式蒸気自動車」を開発した発明家・山羽(やまば)虎夫の偉業を讃えようと盛り上がりを見せている。 来年2024年で、山羽式蒸気自動車が製作されてちょうど120年を迎える。 旧車王ヒストリアでは、昨年2022年に岡山商科大学附属高等学校 自動車科のみなさんが製作した、山羽式蒸気自動車のレプリカ製作を取材。 今回はその続編として、最新トピックスをお届けする。 ■日本最古の自動車・山羽式蒸気自動車とは 山羽式蒸気自動車は、日本最古の自動車だ。 開発者の山羽虎夫は、1874(明治7)年に岡山県で生まれた。 1895(明治28)年、岡山市天瀬可真町(現在の千日前商店街あたり)に山羽電機工場を開業。 1904(明治37)年、29歳のとき日本で初めて蒸気自動車を開発して実際に走らせた。 その後、1957(昭和32)年に亡くなるまで発明品で数々の特許を取得した。 地元の資産家・森房三と楠健太郎からの依頼で、10人乗りの「乗合バス」を開発することになった。 製作期間は約7ヶ月を要した。 そして試走当日1904(明治37)年5月7日。 試走ルートは表町から京橋を経て、旭川の土手道を走って新岡山港近くまで、約10kmを力走したとされる。 実用化には至らなかったが、この偉業は国産自動車の未来を切り拓いた。 2022年11月、山羽虎夫は日本自動車殿堂(Japan Automotive Hall of Fame)、略称JAHFA(ジャファ)への殿堂入りを果たした。 120年近くの歳月を経て、その功績が認められたのだ。 ▲当時の沿道には試走を一目見ようと大勢のギャラリーが詰めかけたと伝えられている ▲有志団体「山羽虎夫顕彰プロジェクト」により、山羽虎夫像が移設された。人通りが多く試走ルートに近い京橋にたたずんでいる。上の写真は2023年5月2日(火)に行われた除幕式の様子[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] ■山羽式蒸気自動車複製プロジェクトが進む 岡山商科大学附属高等学校 自動車科のみなさんによって製作された山羽式蒸気自動車のレプリカが、「国産自動車発祥の地・岡山」のPRに貢献している。 この複製プロジェクトは、地元の放送局・RSK山陽放送が同校にレプリカの製作を依頼し、自動車科設置(2018年)と創立110周年の記念事業として発足したもの。 昨年の2022年5月7日(土)には、レプリカ完成のお披露目を兼ねた記念走行を実施。 旧車王ヒストリアでも試走ルートを走行した様子を取材させていただいた。 ●国産自動車第一号は岡山生まれ!「山羽式蒸気自動車」を後世に伝えるレプリカ製作プロジェクト ▲2023年5月2日(火)の除幕式にもレプリカが展示された[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] ■京橋朝市「山羽虎夫とはたらく乗り物」に展示 去る2023年5月7日(日)、「京橋朝市」にて「山羽虎夫とはたらく乗り物」と題した試乗展示会が開催された。 京橋朝市は、毎月第一日曜の早朝から催されている。 5月の開催日が、山羽式蒸気自動車が試走した記念日と重なったことから展示が企画されたという。 ▲当日は生憎の雨天 岡山商科大学附属高等学校 自動車科のレプリカ展示をはじめ、自衛隊や警察、消防車両、高所作業車などの「はたらく車」が並んだ。 高所作業車の試乗も体験できるなど、雨の中でもはたらくクルマたちは、やはり人気だった。 ▲京橋朝市の告知ポスターには山羽虎夫のイラストとレプリカが大きく掲載された ▲イベント限定グッズ「山羽虎夫チョコ」[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] ▲旧車王ヒストリアの記事をもとに展示用パネルを作っていただいた。ポスターやグッズ、展示パネルなどのデザインを手掛けたのは、京橋朝市魅力アップ事業実行委員会 この日は生憎の雨天だったが、多くの人が足を止めてレプリカに見入っていた。 レプリカの説明を担当していた自動科3年の新田匡さんは 「地元でも山羽蒸気自動車を知らない人が多く意外でした。このレプリカ製作に関わったことで、岡山の歴史にもふれることができ、発見も多かった。卒業までにレプリカの完成度をできるだけ上げて後輩に受け継いでもらいたい」 と話す。 ▲訪れた人に丁寧に説明する新田さん。ちなみに新田さんの好きなクルマはスバル インプレッサWRX。シリーズ2代目の「鷹目」が気に入っているそうだ ■レプリカのアップデート こちらのレプリカは、2022年のお披露目から少しずつアップデートされている。 このさきも改良を重ねながらできる限り複製を目指しているという。 今回の改良部分を伺った。 ●ブレーキを追加 ブレーキは同年代の外国製の車両を参考に製作し、平ベルトでドラム部分を締め付ける構造に。 ●グリップを追加 ハンドルに縄のグリップを装着。 当初は革、布、と候補が上がったが、時代背景を考えたとき、稲わらを生活用具に使用していたことを思いついたという。 そこで「巻き付けるとしたら、入手しやすい荒縄を巻き付けるのではないか」ということで縄になったそうだ。 実際に、年配の方からは「これがええ!」と評判が良いのだとか。 ●蛇口を追加 2つの蛇口があり、1つはボイラーの水を排出するものと考えられる。 1つは鋳造で複製された。 ●減圧弁を追加 構造上、蒸気が抜けないように減圧弁があったと考えられる。 パイプを溶接して作られている。 ■この先も「山羽式蒸気自動車複製プロジェクト」に注目 山羽式蒸気自動車のレプリカは、今後も多様なイベントに展示されるようだ。 8月3日(木)には、岡山商科大学附属高等学校で開催されるサマーセミナー「岡山の偉人 日本で初めて自動車を作ったひと 山羽虎夫について(近隣の小学生対象)」で展示されるほか、秋には県内のカーイベントでの展示も予定されているそう。 旧車王ヒストリアでは今後も、山羽式蒸気自動車に関する続報をお届けしていく。 [取材協力]・岡山商科大学附属高等学校・京橋朝市実行委員会・京橋朝市魅力アップ事業実行委員会・吉備旧車倶楽部 [ライター・撮影/野鶴美和]
「バックヤードビルド」文化が脈々と受け継がれ、レストアが日常にあるニュージーランドの旧車文化とは一体どんなものなのか。 その一端を伝えるべく、去る2023年4月23日、オークランドにて開催された旧車イベントをレポートしたい。 4月下旬は、夏時間(Daylight Saving Time)を終え、日照時間が短くなり、落ち葉が地面を美しく彩り始める季節。 いわば日本の10月頃だと思えばよいだろう。 会場のところどころに出店した、コーヒーや軽食のフードトラックの前には行列ができ、のどかな時間が過ぎる秋のフェスティバルの様相だ。 曇り空ではあったが、雨がぱらついたのも一瞬で、奥さんが持たせてくれた昼食のお弁当を食べたころには晴れ間がのぞくなど、十分に合格点を与えられる天気だった。 なお、今回の記事においては、定義が曖昧な「クラシックカー」、「ネオヒストリックカー」などといった呼称をあえて使わず、全編を通じて「旧車」と表現させていただく。 ■半世紀以上の歴史を誇るイベント 1972年から続く「Ellerslie Car Show(エラズリー カーショー)」は、ニュージーランドの旧車好きにとって、目玉イベントだ。 毎年2月の第2日曜日に開催されることが通例になっているが、第51回目となる今回は、サイクロン「ガブリエル」を受け、4月23日に延期されての開催となった。 洪水の様子は、日本のメディアでも報道されたので、ご記憶の方も多いだろう。 さらに、昨年はコロナ禍で中止となったので、実に2年ぶりの開催であり、ファンや関係者にとっては「感慨もひとしお」だ。 近年はオークランド・エラズリーのサラブレッドのレースが行われる競馬場「Ellerslie Racecourse」を会場として利用している。 今現在は、レーストラックの改修工事を行っているため、競馬はおこなわれていない。 ■旧車コンクール/競技会の概要 ショーの中心となるのは、「The Intermarque Concours d'Elegance(インターマーク コンクール デレガンス)」という旧車の出来栄えの優劣を争うコンクールで、審査/採点は、ボディパネルやエンジンなど多岐におよび、国際基準に準拠し、極めて総合的である。 競技部門は以下の4つ。 ⦁ チームイベント(Team Event)⦁ マスタークラス(Master Class)⦁ サバイバークラス(Survivor Class)⦁ 50-50-50 「50-50-50」を除くコンクール出展車輌は、パレードリング/ステーブル(日本では「パドック」と呼ぶ)に並べられ、審査がおこなわれる。 会場に来る前は、「なんで競馬場?」と疑問に思っていたが、パドックはコース入場前に競走馬が「きゅう務員」にひかれてゆっくりと歩いてまわり、競走馬を落ち着かせるだけでなく、馬体の状態などをじっくりと確認する施設。 クルマはいわば「現代の馬」と思えば、妙に納得がいく。 チームイベントは「チーム戦」、マスタークラスは「個人戦」であり、出展するカークラブが、出来の優れた車輌2台で勝負するのか、他を圧倒できる強力な1台で勝負するのかという違いだけで、採点システムは同じである。 ご想像のとおり、どちらに出展するかという判断には、クラブ同士の駆け引きがある。 なにしろ、同一車輌の2度目の出展は許されないのだ。 それだけに、これに賭けるレストアラー(修復士)の想いは凄まじい。 結果、出展車輌はとてつもなく綺麗だ。 ▲1967年式 ポルシェ「911」(チームイベント1位 ポルシェ・カークラブ) ▲1979年式 マツダ「RX-7」(チームイベント2位 ジャパニーズ・ノスタルジック・カークラブ) ▲2000年式 マツダ「RX-7」(チームイベント2位 ジャパニーズ・ノスタルジック・カークラブ) ▲2004年式 マツダ「ロードスターRSクーペ」(マスタークラス4位)、 1973年式 フォード「ファルコン GT」(マスタークラス1位) サバイバークラスの勝者は、「ベストサバイバー」と呼ばれる。 その名が体を表すとおり、レストアされていないことが参加条件で、古ければ古いほど、原型を維持していれば維持しているほど、加点が多く入る採点システムになっている。 なお、製造から35年以上経過したクルマだけが参加できる。 ▲1982年式 ホンダ「プレリュード」(サバイバークラス5位) 「50-50-50」は、出展者は50歳以下、車輌も50歳以下、さらに総費用も50千NZドル以下という制限が設けられ、将来のレストア後継者を育成することが目的といえるカテゴリー。 採点の特徴として、車輌底面とオリジナリティ(原型への忠実性)は対象外となっている。 イベントの継続やレストアの将来を見据えた非常に有益なカテゴリーだと感じた。 ▲1988年式 ダットサン「サニートラック」(50-50-50部門 1位) ▲1984年式 ホンダ「シティ R」(50-50-50部門 4位) なお、コンクール結果の詳細は、運営サイトに掲載されているので、そちらをご覧いただきたい。(https://www.concours.org.nz/concours-delegance.html) ■「クラブ展示」という名の世界旅行 コンクールを周りから支えるのが、クラブ展示(Club Displays)だ。 80を超える参加クラブが、今回のテーマ「The World of Wheels」にちなんで、国別展示をおこなった。 会場を歩くことで、各国を周遊する世界旅行となる訳だ。 これも競技であることから、民族衣装や食も含めた各国のプレゼンテーションも加わり、栃木県にある東武「ワールドスクウェア」のクルマ版とも考えられ、とても楽しかった。 以下、その全てを網羅はできないが、ぜひ、世界旅行の感覚を味わっていただければ、嬉しい限りだ。 ●イギリス(United Kingdom) イギリス植民地だったという歴史も影響し、もっともエリア面積が大きく、扱いブランド数も他を圧倒していた。 世界一美しいクルマとも評されるジャガー「Eタイプ」、BMW傘下で復活するという噂のトライアンフ、「ボンドカー」の常連アストン・マーティン、シティーハンター(冴羽 獠)やミスター・ビーンの愛車でもあるローバー「ミニ」など、とにかく展示台数が多い。 個人的には、フォード欧州が製造販売し、80年代後半にツーリングカーレースで世界的に活躍した、シエラのスポーツモデル「シエラRSコスワース」がハイライトだった。 ▲1967年式 ジャガー「Eタイプ」 ▲オークランド・トライアンフ・カークラブ ▲アストン・マーティン・オーナーズクラブ ▲ミニ・カークラブ・オブ・オークランド ▲フォードRS・オーナーズクラブ ●フランス(France) エリアに入るや否や、クルマのデザインや色合い、またその佇まいから、気品やオシャレな印象を受けるのだから、文化とは不思議なものだ。 車高の落ちたハイドロ系のクルマも異彩を放っていたが、2CVの可愛さが際立っていた。 ▲シトロエン・カークラブ・オークランド ▲1989年式 シトロエン「2CV6 Special Dolly」 ●イタリア(Italy) エリアに入ると最初に感じたのは、単純だが「赤い」ということだ。 フェラーリやランボルギーニには、屋根付きの特設展示エリアが設けられていた。 当然のことながら、やはり敷居の高さは特別だ。 ▲アルファ・ロメオ・オーナーズクラブ/ ランチア・レジスタNZ ▲ランチア「デルタHF 4WD」 ●スウェーデン(Sweden) ボルボといえば、「戦車のように硬くて安全」を売りとする、その無骨なイメージがあったのだが、1960年代にこんな流麗なクーペを製造していたとは知らなかった。 ▲ボルボ P1800クラブ ▲1989年式 ボルボ「240GL 2.3Litre」 ●ドイツ(Germany) メルセデス、BMW、ポルシェ、VW、アウディなど、日本でも見慣れたブランドばかりで、ここでもイギリスの次にエリア面積が大きい印象だ。 ドイツ車は、筆者自身も所有経験があり、300kmを超えるようなドライブ旅行(グランドツーリング)を前に選択肢があるのであれば、間違いなくドイツのステーションワゴンを選ぶだろう。 個人的には、トランスアクスルを使い、重量配分の最適化を図ったFRポルシェと、スキーのジャンプ台を駆け上がる衝撃的なTVコマーシャルや、WRCに4WDの時代を持ってきたアウディ「クワトロ」が大好きだ。 ▲ポルシェクラブNZ ▲1989年式 アウディ「Ur-クワトロ」 ●アメリカ (United States) 超大国のアメリカといえば、やはり、ハリウッド映画やテレビドラマで活躍する姿を見るたびに欲しくなる、フォード「マスタング」やシボレー「コルベット」などが中心だ。 ▲オークランド・マスタング・オーナーズクラブ ▲ナショナル・コルベット・ レストアラーズ・ ソサエティ ● ニュージーランド(New Zealand) 「ニアセブン」といえば、イギリスのケータハムや南アフリカのバーキンなどは知っていたが、お恥ずかしい話、ニュージーランドのフレイザー(Fraser)は初耳だった。 こういう、シンプルで純粋な後輪駆動のライトウェイトスポーツカーには、尊敬の念を抱くとともに強く惹かれる。 ●日本(Japan) 母国は、やはり特別だ。 なかでも気合いを見せていたのは、MX-5クラブの展示。 変な着物姿だったりと、いくつかのディテールには「?」マークであったが、ここまでの愛情を見せてくれているのだから、単純に「ありがとう」だ。 Zクラブの展示では、前期型から一転、全体を丸めた上で、近未来的な横長テールランプを採用した、筆者の大好きなZ31後期型が2台も拝めたのには心が弾んだ。 ▲マツダMX-5クラブ・オブ・ニュージーランド(クラブ展示 1位) ▲ZクラブNZ ▲ZクラブNZ(Z31後期型) ▲MR2オーナーズクラブ・オブ・NZ ▲モーゼスマシーンズ(Moses Machines) ▲ジャパニーズ・ノスタルジック・カークラブ ▲ジャパニーズ・ノスタルジック・カークラブ(ホンダ「S600」/ マツダ「RX-7」) ■裏話(Inside Story) 実は、この1978年式のスバル「レオーネ」の出展を予定していたオーナーに海外出張が舞い込み、筆者は車輌の搬入出を依頼された「棚から牡丹餅」の参加だったのだ。 当日の早朝、オーナー宅に着くと、奥様がガレージ(本当はガラージと発音する)を開けてくれ、「レオーネ」とご対面となった。 事前のアドバイス通り、チョークを半分程度引き、セルモーターを回したところ、水平対向エンジンが問題なく始動した。 数分経過しても、アイドル時のエンジン回転は、やや不安定だったが、走り出すとトルクも低回転から十分にあり、クラッチ操作にも特段の配慮は要らなかった。 車速が上がるとステアリングも軽くなり、非常に軽やかに走行した。 車輌重量が800kg程度と、現代のクルマからすれば、超軽量ボディなのだから当たり前か。 会場にて展示が始まると、年配であればあるほど、気兼ねなく話しかけてきた。 面白かったのは、何度もフロントフェンダーの「Front Wheel Drive」という誇らしげなバッジに「ツッコミ」を入れられたことだ。 それだけ「スバル=AWD」というブランドイメージを確立しているのだから、大したものだ。 帰りは、気温が落ちたからか、エンジンがご機嫌斜めで、信号待ちする度にストールする危機に。 チョークを引いたり、アクセルを煽ったりと、スリル満点の帰路となった。 キャブレター調整が楽しいという崇高な旧車オーナーも多いのだろうが、少なくとも、筆者はこれが楽しいと感じる「変態」ではないようだ。 電子制御による燃料噴射テクノロジーのありがたさを再認識させてもらった。 ■最後に ニュージーランドへ渡航されるのであれば、この「Ellerslie Car Show」が本来開催される2月上旬を心からオススメしたい。 そもそも10月~3月は日照時間が長く、活動時間が長くとれる夏時間であるだけでなく、たった20NZドルの入場料で、「世界旅行」もついてくるのだから。 [ライター・撮影/tomato]
去る2023年5月28日、雨模様ばかり続いた週末に、ひさしぶりに晴れ間が見えた大磯ロングビーチ大駐車場で、クルマのスキール音が鳴り響いた。 湘南ヒストリックカークラブジムカーナ。駐車場に設置されたパイロンの間をすり抜けて疾走するのは、どの車輌もクラシックカーばかりである。 ■1980年代から続くカークラブ 湘南ヒストリックカークラブ(以下SHCC)のイベントの歴史は旧く、もう40年近くも開催されている。 年2回、この大磯ロングビーチの駐車場を借りておこなわれてきたが、このコロナ禍で何度も規模や開催時期等の縮小ないし変更を余儀なくされ、イベント継続が危ぶまれたこともあった。 それでも今に至ることができたのは、主催者や参加者の熱意が支えてきたといっていい。 この日も国産、外車問わず、またレース競技とは無縁そうな市販車から本物のフォーミュラーカーまで、数多くの車輌が参加していた。 SHCCジムカーナへの参加資格は、1969年までに製造された車輌であること、もしくはそのレプリカモデル。 それ意外に主催者が特別に認めた車輌となっている。 これは年式に関わらず希少であったり特別なモデルである場合など、ゲスト車輌的に参加が認められている。 出走には排気量別に7つのクラスに分けられ、グループごとに順位を競う。 ただし、ミニだけは台数が多いため、別個に2クラスが設けられている。 クラスごとの勝者のほか、総合のタイムでも争われる。 さらに今年は40年という歴史に、新たな栄誉が付け加えられた。 FIVA(国際クラシックカー連盟)の公式イベントに名を連ねることになったという。 これからもますますイベントとして楽しみが増えることだろう。 ■次世代にもつながっているカーイベント ジムカーナ参加車輌以外にも並んでいる車輌がいる。 これは、ACJ(オートモービルクラブジャパン)とのコラボ企画展示の車輌である。 フェラーリやアルピーヌに混ざり、本物の競技車輌である日産の240RSが展示されていた。 1980年代初頭に開催されていたWRCラリー選手権で、グループBの車輌として作られたクルマである。 見学に訪れた人や参加者もクルマに気がつくと、本物のグループBカーに見入っていた。 昼の休憩時間にはテスラの試乗会も催され、大磯周辺の試乗や、0-100㎞までわずか3.5秒という驚異的な加速力の体験試乗(こちらは同乗による)もおこなわれ、みなクラシックカーとは真逆に位置する体験を楽しんでいた。 また、参加車輌ではないが、エキシビジョンで出走準備をしているクルマがある。 ハンドメイドのカートのような姿をしたクルマ。 これは学生フォーミュラと呼ばれる大学の学生チームが、テストをかねて出走させたもの。 この日は東海大学と芝浦工大の学生たちが集まっていた。 SHCCには親子で出走している方もいれば、小学生のころから見学に来ているファンもいる。 この日、会場に真新しいバイクが停まっていたのだが、オーナーいわく免許が取れるようになり、自分のバイクに乗って見学にきたという。 学生フォーミュラだけではなく、幼いころから見続けてきた次世代が、ここでは確実に育っている。 ■イベントの横道を行く どこのイベントであっても、よほどクローズドなイベントでない限り、見学者も入ることができる。 そこにはきっと見たこともない名車や、希少なクルマがひっそりと訪れているに違いない。 そう考えて、毎回イベント会場周辺の駐車場を巡る、いわばイベントの横道を行くことに。 SHCCの会場にももちろん多数生息をしておりました。 アストンマーチン DBXやトライアンフ、いすゞ 117クーペなど、さまざまなクルマがいる中に、ひっそりと小さく停まっていたのは三菱 ミニカF4。 お仲間と来たのか、隣にはスバル R2も佇んでいた。 三菱 ミニカは1962年に登場し、ミニカF4は3代目となる。 1972年にデビュー、360㏄出力32馬力を4速MTで引っ張るそれは、黄金虫シェルと呼ばれる丸みを帯びたスタイルで登場した。 画像左の個体は、グリル形状からするとハイスタンダードかデラックスだろうか? クリーム色の車体が当時を感じさせる車体だった。 ■長く見続けてきてわかること 薄曇りからの晴天と涼しい海風の吹く、大磯ロングビーチ駐車場。 SHCCジムカーナは、今回も素晴らしいコンディションのクルマやレジェンドドライバーと出会わせてくれた。 筆者も飛び飛びではあるものの、SHCCを見続けて10年以上になる。 その都度、新しい出会いや珍しい車輌に楽しさを見出してきたものである。 参加者や見学者も次世代に少しずつ変化している。 かつての自転車少年も、今年はバイクで見学に来ていた。 やがてクルマの免許を取り、また大磯の駐車場に現れることだろう。 そのときはきっと、ジムカーナのスタートグリットにいるに違いない。 [ライター・撮影 / きもだこよし]
2023年5月に「第61回静岡ホビーショー」が開催された。 タミヤ、ハセガワ、アオシマ、フジミ模型など、国内外に知られるメーカーの本拠地として内外に知られる静岡。 その「プラモデルの聖地」といわれるお膝元で開催される「静岡ホビーショー」は、その年に発売予定の新製品が数多く発表されるため、近年は海外からのバイヤーも大勢訪れ、国際的なイベントになりつつある。 今回は、そんな静岡ホビーショーで発表された気になるクルマ系ホビーの新製品を紹介しながら、会場で感じたトレンドについてもまとめてみた。 ■バラエティ豊かなタミヤの新製品 まずはクルマ系ホビーの王道といえる、組み立てキットの新製品をチェックしてみた。 タミヤブースでは、1/24スポーツカーシリーズの最新作としてゴードン・マレーが手がけた「GMA T.50」が8月に発売。 再販アイテムとしては、1/24スケールの「ランチア ストラトス ターボ」、1/20スケールの「ポルシェ 935 マルティーニ」といった'70年代の懐かしいキットが発売される。 電動RCカーの乗用車系モデルでは、「トヨタ ガズー レーシング WRT/GR ヤリス ラリー1 ハイブリッド」、「ポルシェ 911 GT3(992)」、「フィアット アバルト 1000TCR ベルリーナ コルサ」、「2002 メルセデス・ベンツ CLK AMG レーシングバージョン」、「アルファロメオ 155 V6 TI マルティーニ」、「フォルクスワーゲン ゴルフII GTI 16Vラリー」など盛りだくさんの内容。 2022年のWRCチャンピオンマシンの製品化から旧製品の仕様違いまで、バラエティに富んだラインアップはタミヤならではといえるだろう。 個人的に気になったのは、1/10電動RCカーシリーズの「フォルクスワーゲン ゴルフII GTI 16Vラリー」(価格未定)。 参考出品ながらとても出来がよく、ゴルフIIの魅力をよく表現していた。 注目すべきポイントは、ゴルフII GTI 16Vのラリー仕様という、比較的マイナーな車種の製品化である。 ビジュアル的にはラリー・ゴルフのグループA仕様のほうが迫力はあるし、ゴルフII GTIという車種的な魅力でいえば、ラリー仕様よりもロードバージョンの方がウケは良さそうだ。 しかし、オンロードとオフロードの両方で楽しめる設計のため、これは以前販売されていた「ランチア デルタ インテグラーレ」の路線を踏襲していることが伺える。 カラーリングを見る限りでは、特定のラリーをイメージしたものではないのであっさりとした印象だ。 同車のベストリザルトは、1987年ポルトガル・ラリーとアルゼンチン・ラリーにおける3位入賞なので、そのあたりのロゴが追加されるのだろうか? 今後の正式発売が気になる内容だ。 ■限定品が気になるハセガワ ハセガワのプラモデルはシャープな表現が特徴的で、今回発表された1/24カーモデルの新製品も実車の雰囲気を凝縮したような出来栄えだった。 1/24スケールのプラモデル「カルソニック スカイライン(スカイラインGT-R [BNR32 Gr.A仕様] 1993 JTC チャンピオン)」は、7月下旬に発売予定の限定品(税込価格:3,960円)。 1993年全日本ツーリングカー選手権のチャンピオンマシンを再現したもので、Gr.A仕様のディテールを的確に再現。 個人的には、フェンダーに食い込むように再現されたネガティブキャンバーの前輪に魅力を感じた。 カルソニック スカイライン自体は昔から様々なメーカーで製品化されているものの、最新の技術で設計されたハセガワ製品のシャープさは注目に値する。 ブース内で目を惹く存在だったのが「ニッサン スカイライン 2000GT-R(KPGC110)レーシングコンセプト」(税込価格:3,850円)。 1972年の東京モーターショーで展示された、ケンメリGT-Rレーシングコンセプトを再現した製品である。 レーシング仕様のパーツを新金型で製作し、新デカールをセットしたこの新製品。 これまでありそうでなかったアイテムであり、美しいボディカラーが印象的だった。 6月下旬発売の限定品なので、気になる方は早めに入手することをお勧めしたい。 もうひとつの注目アイテムは、7月下旬発売予定の「マットビハイクル “迷彩仕様” w/ロケットランチャー」(税込価格:4,400円)。 ハセガワのマットビハイクルをベースにしたこちらの限定品は、『帰ってきたウルトラマン』第32話「落日の決闘」に登場した、ロケットランチャー装備&迷彩仕様をキット化した内容。 ルーフに装備された30連装ロケットランチャーはレジン部品を新規作成したもので、怪獣キングマイマイとの戦いに使用された姿を再現できる。 ただ、キットに迷彩パターンのデカールは付属せず、塗装指示となるとのこと。 そのため上級者向きの製品内容となっている。 アイテムとしては非常に魅力的だが、多くの人にとっては買ったままコレクションになってしまうのではないだろうか。 ■映画の劇中車がアツいアオシマ 青島文化教材社のブースには、なんと映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンが展示されていた。 これは2024年に発売を予定している、1/24スケールプラモデルのプロモーションのため。 アオシマは以前から同映画のタイムマシンであるデロリアンを製品化しているが、今回発売されるプラモデルは完全新金型により製作されるまったくの別物。 展示されていた試作品の出来も上々で期待が持てそうだ。 アオシマといえば、映画やアニメなどの劇中車を積極的にリリースすることで知られ、ブースには『頭文字D』や『ナイトライダー』などの製品も展示されていた。 なかでも大きな存在感を放っていたのが映画『トラック野郎』シリーズ。 1/32スケールの完成品トイラジコンとして12月発売予定の「一番星 望郷一番星 ACアダプター付き』(税込価格:36,080円)、1/32プラモデルとして8月に発売が予定されている「一番星 熱風5000キロ」と、10月発売予定の「一番星 突撃一番星」(税込価格:19,580円)が展示されていた。 トイラジコンのほうは、LEDをふんだんに使った電飾が特徴的で、付属のACアダプターにより乾電池を使用することなく、安定してイルミネーションを楽しむことができる。 プラモデルのほうは、基本的に以前発売された製品の再生産ながら、より組み立てがしやすくなるような改良を施しているという。 約半世紀近く前の昭和の映画作品が、令和の時代に新製品として発売されるのは実に驚異的だ。 ■F1のビッグスケールモデルも登場 さまざまなジャンルのプラモデルを発売しているプラッツのブースでは、BEEMAX製の「1/12 ロータス 99T 1987 モナコGP ウィナー」(税込価格:28,600円)が展示されていた。 その横には開発中の1/12 マクラーレン MP4/4もあり、アイルトン・セナがドライブしたマシンがビッグスケールモデルとして相次いでリリース。作りごたえ満点の製品内容といえそうだ。 今回各社から発表されたカーモデルの新製品は'70年代から'90年代の車種が多く、逆に新型車の少なさが印象的。 1/24カーモデルの主な価格帯は4千円以上で、メインターゲットは50代以上の男性だ。 まさに筆者もその世代だが、老眼により模型製作は正直しんどいものがある。 しかし、このような素晴らしい完成見本を見ると、思わずやる気スイッチが入るのも事実。 ネオクラシックをはじめとする各社のプラモデル製品は、子育てが落ち着いて時間に余裕ができた世代に新たなモチベーションを与える存在になるかもしれない。 ■トレンドの変化が本格化したミニカー市場 次に完成品ミニカーの新製品をチェックしてみた。 世界的なトップメーカーである京商では、1/18スケールの新製品がメインとなっていた。 少し前はボディの素材にレジンを使用したものが多く見られたが、今回発表された京商オリジナルミニカーは、ダイキャスト製のフルディテール製品が印象的だった。 「京商オリジナル 1/18 フェラーリ F40」(税込予価:38,500円)は、ご覧の通りフルディテール製品。 フロントセクションとエンジンルームは忠実に再現され、カーボンケブラーのデカールも貼り込まれている。 京商のフェラーリ製品は、1/12スケールから1/64スケールまで総じてクオリティが高く、国内外から高く評価されているのは周知の通り。 この新製品が1/18 F40製品の新たなベンチマークとなるのは間違いないだろう。 1/18スケールの新製品には、Gr.Aの国産ラリーカーも含まれる。 「京商オリジナル 1/18 トヨタ セリカ GT-FOUR (ST165) 1991 モンテカルロ #2」と「京商オリジナル 1/18 スバル インプレッサ 1994 RAC #4」(税込価格:28,600円)は、どちらもボンネットとドアの開閉が可能。 作り込まれたエンジンルームと室内を眺めることができる。 ミニカーショップ キッドボックスによる独自のミニカーブランド「ENIF」。 懐かしい国産車をシャープに再現する高品質な仕上がりを特徴としている。 7月発売予定の「トヨペット コロナ マークII 1900 ハードトップ GSS 1971年型」(税込価格:13,600円)は、イエロー、シルバー、ホワイト、ブラックの4色のカラバリを設定。 フロントグリルの繊細な彫刻やレザートップの表現がリアルだ。 毎回ユニークな新製品を発表するトミーテック。 近年は車両以外のストラクチャーにも力を入れ、ちょっとしたジオラマを再現できるフィギュア付き製品なども発売している。 そんなトミーテックが展示したのが、なんと高速道路。 1/64スケールで再現される高速道路は、上下線が立体構造になっていて、車線上に自分の好きなミニカーを展示することができる。 さらに渋滞シーンとか事故処理、速度取り締まりといった、さまざまなシーンに対応できるので、かなり遊びゴコロのある企画だ。 実は、2022年秋に東京で開催された全日本模型ホビーショーにも、同じ高速道路が展示されていた。 今回も展示したということは本気で製品化を考えているということだろう。 販売価格の調整は難しそうだが、もし発売されたらクルマホビー市場に残る快挙になることは間違いない。 トミーテックの遊びゴコロはこんなところにも。 今回発表された1/64スケールの新製品は、ショーケース内に留まらず高速道路上にも並べられていた。 高品質なミニカーで知られる香港のミニカーブランド「TSM-Model」。 その同社が展開する1/64スケールのミニカーブランドが「MINI GT」だ。 会場では開発中のポルシェ 911 RS 2.7と、ポルシェ 911 GT3 RSが展示されていた。 近年目覚ましい伸張を遂げている1/64ミニカー市場の中でも、「MINI GT」はハイクオリティな製品内容とリーズナブルな価格を両立しているのが特徴。 ダイキャスト製ミニカーならではの重みと繊細な仕上がりで人気が高い。 ■ 二極化が進むミニカー 1/64スケールのミニカーは、1/43とか1/18スケールのミニカーに比べてニッチな存在だった。 しかし、今回の静岡ホビーショーにおいては、ミニカーの主役に躍り出た印象がある。 その理由には、前述の1/43とか1/18スケールのミニカーの価格が上昇して手軽に買える価格帯でなくなったことが大きい。 1/43ミニカーは1万円前後のものが主流で、カラバリを揃えるなどのコレクションは難しくなっている。 その点、1/64スケールのミニカーには千円台で買えるアイテムもあるなど、コレクションの楽しみがまだ残っているのだ。 もうひとつの理由は、1/43や1/18スケールで製品化すべき車種がほぼ出尽くしたこと。 売れ筋車種のほとんどが製品化されてしまった現状では、これまでとは違うスケールで製品化する必要が出てきたのだ。 今回のショーでは、トミーテックや「MINI GT」以外にも、1/64ミニカーの新製品が多数展示されていた。 また、置き場所に困らないコンパクトサイズであることも大きなメリット。 特に妻子持ちの場合、かさばる1/18ミニカーはこっそり買ってくることが難しい。 しかし、1/64ミニカーならポケットに入れて持ち帰ることも可能なのだ。 このような理由により、1/64ミニカーに対する需要はますます増えていくはずだ。 1/64ミニカーとは逆に、1/12のビッグスケールも増えてきた。 写真は「TSM-Model」の1/12 ティレル P34で、1977年モナコGPに出走したカーナンバー3のロニー・ピーターソン車を再現したもの(価格未定)。 フォードDFVエンジンをはじめとするディテールの再現が凄まじい。 価格もきっと凄まじいものになるはずだ。 こちらも「TSM-Model」の、1/12 マクラーレン F1 GTR #59 1996 Le Mans 24 Hr Winner。 参考出品のため実際に販売されるかどうか不明だが、ウェザリングされたボディが特徴的で、完成度は極めて高い。 こちらは京商が輸入販売する、TOP MARQUES社製の1/12 ランチア 037 1983 No1 モンテカルロ ウィナー W ロール(税込価格:110,000円)。 TOP MARQUESの本国サイトを確認したところ、同製品にはいくつかのバリエーションが存在した。 筆者は個人的にグループBのミニカーコレクションをしているので、是非ともコンプリートしたいのだが、価格が税込110,000円では1台を買うことさえ難しい。 こちらはエスワンフォーが2023年4月に発売した「キャラクタービークルシリーズ 1/12 ルパン三世 カリオストロの城 FIAT500」(税込価格:44,000円)。 あまりにも有名なルパン三世の劇中車を1/12スケールのダイキャスト製ミニカーとして製品化したものだ。 付属品が豊富に用意されているので、フィギュアと組み合わせることで映画のシーンを再現することが可能。 このようにミニカーの新製品は、手軽な1/64ミニカーと高級志向の1/12ミニカーが元気で、1/43と1/18ミニカーは脇役に徹した感があった。 クルマホビーのトレンドは少しずつ変わってきているが、アラフィフ世代以上のクルマ好きがメインターゲットとなっているのは間違いない。 子育てが落ち着いて、金銭的にも余裕が出てきた世代が狙われているのだ。 財布のヒモを引き締めたいところだが、「限定品」という言葉についついやられてしまうのも事実。 さて今日は何をポチろうか(笑)。 [ライター・撮影 / 北沢 剛司]