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ドイツでは、あえて古い年代のクラシックカーを好んで乗る人がとても多いのです。 筆者の住むベルリンでも例外はなく、街で見かけない日はありません。 クルマに限らず、歴史的建造物を現代に残して別の用途で再利用したり、アンティーク家具や骨董品も同様に人気があります。 古きよきものを大切にする文化が根付いているドイツならではともいえますが、中世ヨーロッパの風情が残る街並みに、クラシックカーはとても美しく映えます。 そんなクラシックカーの中でも「ヒストリックカー」と呼ばれる、特別なクラシックカーがあることを知っているでしょうか? 「ヒストリックカー」とは、製造年数が古く、状態の良さなどいくつかの条件を満たしたクラシックカーを指しますが、認定を受けたクルマには「Hナンバー」と呼ばれる専用ナンバープレートが与えられます。 「H」とはドイツ語の“Historisch(ヒストリック)”からきており、“歴史的”という意味を持ちます。 また、単に古いというだけでなく、税金や車検が優遇されるといった特典もあります。 世界的にEV化に注目が集まる2020年代においても「ヒストリックカー」の認定を受けるクルマが増え続けているドイツですが、そこにはどんな理由があるのでしょうか? 先に述べた古いものを大事にする文化や、税金の優遇以外にもメリットがあるのでしょうか? では、「ヒストリックカー」と「Hナンバー」について、詳しく深掘りしていきましょう。 ■ 1.ドイツにおける「ヒストリックカー」の定義とは? 「ヒストリックカー」の制度は、古き良きクルマを文化遺産として現世に残そうという目的のもと、1997年に導入されました。 製造から30年以上経過しており、オリジナルの状態を保持している、もしくは現代的に修復された状態の良いクルマのことを「ヒストリックカー」と呼びます。 ■2.「Hナンバー」とは? 「ヒストリックカー」には、正式名称「Kennzeichen historischer Fahrzeuge(歴史的工業遺産)」、通称「Hナンバー」と呼ばれる専用のプレートがついています。 見た目は普通のナンバープレートと変わりませんが、末尾にヒストリックの意味を記した「H」が入っているのが特徴です。 ■3. 資格が得られる条件は? クラシックカーに限らず、どんなクルマであっても当然ではありますが、まず自動車保険に加入しており、車検が有効でなければなりません。 一般検査(StVZO第29条に基づく)と、専門家による車輌の整備状態や保存状態の査定を行ない、その証明となるクラシックカーレポートを取得する必要があります。 ボディ、フレーム、ドライブトレイン、ブレーキシステム、ホイール、タイヤ、電気システムなどが主な査定対象となります。 必要書類をすべて揃えて登録事務所へ提出し、基準を満たしていた場合に限り、「Hナンバー」が取得できます。 ■4. どんなメリットが? 「Hナンバー」のついたヒストリックカーは、税金や車検などが優遇されるといった特別なメリットがあります。 所有者は文化財保護者として扱われ、排気量にかかわらず、年間の自動車税が一律で191.73ユーロ(約30,000円)に抑えることができます。 また、都市ごとに設定されている環境規制にしばられることがありません。 さらに「シーズンナンバー」という使用期間限定ナンバーも用意されています。 これは「Hナンバー」と「シーズンナンバー」を組み合わせて年間の税金を12ヵ月で割り、使用期間分のみの税金を支払えばいい仕組みです。 温暖な季節にしか乗らないなど、通年使用しないオーナーにとってはありがたいですね。 ■5.人気の「ヒストリックカー」は? ドイツにおける不動の1位ともいえるのが、やはりメルセデス・ベンツの「W123」シリーズです。 連邦自動車交通局(KBA)が2022年に発表した結果ですが、街中でもいちばんよく見かけます。 続く2位は、同じくドイツメーカーで、街でもよく見かけるフォルクスワーゲン ビートル。 「ヒストリックカー」の登録比率が78%となっており、所有者の8割近くが「Hナンバー」を取得していることがわかります。 3位は、同じくフォルクスワーゲンからバスがランクイン。 通称ワーゲンバスと呼ばれており、初代の「T1」から「T2」「T3」「T4」とシリーズ化され、モデルチェンジを繰り返してきました。 ツートーンカラーのレトロなデザインが愛らしい「T1」「T2」が最も人気です。 上位3位以外では、ポルシェがランクインしており、「ヒストリックカー」においても圧倒的にドイツの国産車が人気のようです。 ■6.EV化が進むなかにおける「ヒストリックカー」の立ち位置 ドイツでは、温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指していることから、2030年までにEVの登録台数を最低1,500万台にするといった高い目標を掲げています。 2022年にドイツ自動車産業連合会(VDA)が発表した結果によると、バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)が88万4,576台(42.9%増)という、脅威の台数を叩き出しています。 しかし、ここまで増えた要因の1つは、4万ユーロ以下のEVに対して9,000ユーロの補助金が出ていたこと。 経済問題などから補助金が削減されて以降、EV市場は縮小傾向にあり、大手のフォルクスワーゲンは減産にシフトしました。 対する「ヒストリックカー」ですが、「Hナンバー」制度が設けられた1997年当時の保有台数は、翌年1998年までの間でわずか18,000台でした。 その後、2008年には16万台に増え、2020年代に入ると50万台以上にも増えました。 ヒストリック人気の裏では、フォルクスワーゲンのビートルがEVに改造され販売されるという、これまでにない動きを見せています。 名車と呼ばれるクラシックカーたちが、現代のライフスタイルや環境問題改善のために変わっていくのは避けられないのかもしれません。 今後、それぞれの台数がどのように変化していくか注目していきたいですね。 [ライター・Kana / 画像・Kana, Mercedes-benz]
こんにちは!西尾菜々実です。 今回は、ドイツ在住の筆者の視点で「ドイツにおけるガソリンの価格事情」、そして「EVのニーズ」についてご紹介いたします。 ■ドイツでのガソリンの価格変動についての考察 ドイツではどのようにガソリンの価格が決められるのでしょうか? 筆者自身、昨年の夏からドイツへと移住しました。 それから1年以上が経過した現在、当時よりもガソリンの価格が高騰しています。 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ドイツをはじめとするヨーロッパ全体で、内燃機関のクルマからEVへの置き換えの動きが加速しています。 それと当時に、環境に配慮した代替燃料への置き換えも進みつつあります。 ドイツはヨーロッパ各国と隣接していることもあり、他国からのエネルギー資源の供給を受けやすい位置にあります。 そんなドイツですら、ガソリンの価格をはじめ、光熱費も上昇傾向にあるのです。 ドイツ各地においてガソリン車とEVの比率が異なる事情もあり、ハイブリッド車が多い地域や県ではもとより、経済的な変動や時事的な環境によってガソリンの値段の変動が起こりやすいのです。 さらに、ヨーロッパでは他国からのガソリンの輸入が行われているため、近隣国との関係が価格にも影響を及ぼします。 ■ドイツにおけるガソリンの値段が高めな地域とは? 筆者がドイツ国内で気づいたことがあります。 同じ県内でも日本円にして1000円近い価格差があるガソリンスタンドを見掛けたことがあるのです。 基本的に、街や都市の中心部ではガソリンの価格は高め、郊外の方が安い傾向にあります。 このあたりは日本とあまり変わらないように感じます。 ■ドイツではどのようにEVが親しまれているのか? 「eオート」と呼ばれ親しまれているEV車。 ここドイツでは、ガソリンスタンドの敷地内にEV用の充電スタンドが置かれているケースはほとんどありません。 むしろ、スーパーや日用雑貨店の方が多い印象です。 買い物のついでに充電してください、ということなのだと推察します。 筆者が暮らす地域でも、EVが充電可能であることを示すマークが路上に描かれており、かわいらしい印象を受けました。 ■EVのニーズはどのように反映されるのか? ドイツではEVの導入について目標値が掲げられていることもあり、目にする機会も多い印象です。 古いクルマがEVに改造され、雑誌に掲載されるケースも増えつつあります。 旧東ドイツ製のトラバントがEVにコンバートされた例もあるほどです。 また、EVの商用利用が広がりつつあり、配達用の小型EVをはじめ、多種多様になりつつあるようです。 ■広がりを見せるドイツにおけるEVのニーズ 最新のEVをはじめ、クラシックカーをEVにコンバートしたり、デリバリーバンなどの配達用の小型EVなど、人々の生活に確実にEVが浸透しつつあることを日々実感しています。 これからもEV事情など、ドイツに暮らしているからこそお伝えできる情報を発信していきたいと思います。 [ライター・画像 / 西尾 菜々実]
クルマを運転する人、所有している人にとって、駐車問題は切り離せないものです。 ドイツに移住して本格的にクルマに乗るようになってから、とりわけ強く感じたことが、駐車環境が日本と大きく異なるということ。 それもあり、個人的に、国ごとの駐車事情の違いがどのようなものなのか興味のあるテーマでもありました。 そこで、この記事ではドイツでの駐車事情について、自宅や外出先での駐車事情を取り上げながら紹介します。 ■ドイツと日本の駐車事情の違い まず、一般的にドイツでの駐車の自由度は、比較的に高いといえます。 というのも、自宅での駐車に関しては、日本のようにクルマを登録する際の車庫証明の提出は求められず、基本的に自宅近くの空いている場所に停めることになります。 家によっては月極の駐車場の契約が必要になってくる場合もあります。 しかし、これも必須ではなくオーナー次第であり、駐車場代を節約したいと考える人は、多少自宅から離れていても停められる場所に自由に駐車している人が多いです。 ▲住宅地の道路の路肩にキャンピングカー・トレーラーなど大きな車輌が駐車していることも珍しくない ちなみに筆者の場合、住んでいるアパートに月極の駐車場がありますが、契約はしていません。 基本的にアパート周辺の空いている場所を探して駐車しています。 しかし、クルマが多すぎて停められないケースも少なくなく、運が良ければ自宅の目の前に停められますが、場合によっては徒歩15分ほどかかる場所まで離れることも珍しくありません。 正確な数を把握しているわけではありませんが、明らかにアパート全体に居住する世帯数をクルマの台数が上回っているといった感覚です。 しかし、出先での駐車となると状況が異なります。 都市部では、駐車の自由度が大幅に下がります。 筆者も都市部に隣接する地域に住んでいますが、自宅から近くであっても、クルマで出かけると自由に停められる場所が限られ、不便を感じることがよくあります。 都市部には有料の駐車スペースが多く存在しており、さらに大きな都市では駐車場の需要が極端に高まることから、巨大な立体駐車場も存在します。 ドイツの街中にある駐車スペースとは、日本で普及しているコインパーキングとは異なり、路肩に駐車できる区画が設定されていることが多いのです。 たいていは先に時間分の駐車料金を支払い、チケットをダッシュボードの見えやすい位置に置いておきます。 このように、路上に一定区画整備された駐車場は空いていることが珍しいくらいで、都市部では駐車場を探すのにかなり苦労することがよくあります。 この点は、日本の都市部の駐車場事情とも似ているかもしれません。 ■自由度高すぎ?ドイツの地方の駐車事情 一方、取材で訪れた地方では、駐車事情が大きく異なっていて驚きました。 地方での駐車の自由度には目を見張るものがあります。 先述したように、都市部では基本的に駐車向けにスペースが整備されていることがほとんどです。 対して地方では、そのような整備された駐車区間に加え、駐車禁止であることが示されてさえいなければ、どこでも路上駐車ができてしまうことが多いのです。 自宅付近のみならず、レストランやお店の近くでも自由に駐車できます。 スーパーマーケットやレストランには専用の駐車場が完備されていることも多いのですが、仮に満車になっても、近くの空いている場所に駐車して、時間を気にすることなく買い物などを楽しむことができるのです。 逆にいえば、スーパーの駐車場に長時間駐車をし、ほかの用事でクルマを残して出かけていく人もいます。 余談ですが、都市部ではこのような状況を避け、買い物客が困らないよう駐車の制限時間を設けているスーパーや商業施設が多い傾向にあります。 時間をどのように計るのかというと、クルマを降りる前に駐車した時間を示す表示を車内に置いていきます。 管理人がその表示を確認し、制限時間を超えている場合はペナルティを課せられることがあります。 ▲無料駐車に制限時間が設けられている場合、このように到着時刻 / 駐車開始時刻を示しダッシュボードに置いてクルマを離れる 話を戻しますが、地方では標識さえない場所では遠慮なく駐車して、通行するクルマが駐車車輌を避けることや、対向車が来た場合は待機を強いられるといったことも珍しくありません。 それくらい日常的なことであり、人々に受け入れられているということでもあるのだと思います。 ▲駐車車輌を避けて走るドライバーたち ここまでお伝えしてきたような環境ですので、長期間にわたり路上駐車で停め続けることもできてしまうわけです。 ただし、今まで駐車可能だった場所が、ある日突然駐車禁止になることもあるので注意が必要です。 例えば引っ越しや荷物の搬出入、工事などにより、一定の区間が駐車禁止になる場合です。 基本的には数日前には告知され、いつからいつまで駐車禁止になるのかを把握することができます。 しかし、もしその知らせに気づかないまま駐車し続けてしまうと、罰金を課せられるか、場合によってはレッカー移動されてしまうことになります。 ▲事前に告知された駐車禁止の標識。10月9日の7時~19時までは駐車禁止であることを示している ■おわりに いかがでしょうか。 日本とドイツを比較してみると、駐車事情一つとっても、似ているところもあればだいぶ違っている側面もあり、なかなか面白いと思います。 今後も、クルマそのもののみならず、今回のように交通事情のドイツあるあるを発見したら、紹介していきたいと思います。 [ライター・画像 / Shima]
日本が世界に誇るスーパーカーといえば、真っ先に思い浮かぶのが「日産GT-R」という方も多いのではないだろうか? 日産GT-Rといえば、数々のレースでタイトルを獲得し、過去にはニュルブルクリンクで量産車史上最速タイムを叩き出した、日本を代表するスーパースポーツカーだ。 また、映画「ワイルドスピード」などでも起用されたことから、その名を世界中へと轟かせた。 現行モデルにあたるR35型は、2007年に登場して以来、日本、イギリス、アメリカ、中東など、世界中でカー・オブ・ザ・イヤーを獲得した、もはや伝説となりつつクルマといえる。 今もなお世界中で愛され続けるR35型GT-Rだが、2022年3月に欧州市場から撤退し、15年の歴史に幕を閉じた。 当然、ヨーロッパにもGT-Rファンは多く存在し、今でも度々自動車関連記事に出てくるほど人気のあるモデルだが、なぜ、このクルマが欧州市場から撤退することになったのか。 またドイツではどのように評価されているのか。 今回はドイツから現地調査をおこなった。 ■日産GT-Rは欧州で生産中止 日本が誇るスーパースポーツモデルは長年にわたり、ヨーロッパで多くのファンを獲得してきた。 そのなかの代表的なモデルが日産GT-Rだ。 欧州市場では2008年に発売され、フェラーリやランボルギーニなどと比べると……ではあるが、比較的手頃なスーパーカーとして成功を収めた。 そして、多くのファンがR35の後継モデルを期待していたなか、2022年3月に欧州市場から撤退することとなった。 その理由は、EUとイギリスの間で施行された、騒音をさらに削減することを目的とした通行騒音規制によるものだ。 象徴的なスポーツカーをヨーロッパ向けに改良し、音響規制を施すことはもはや価値がない。 ゆえに、多くのファンが待ち望んでいたR35の後継者を、ヨーロッパで入手することは今後できなくなってしまったのだ。 ■R35の愛称は「ゴジラ」 日産スカイラインGT-R(R34)の生産終了から5年、2007年に開催された第40回東京モーターショーにおいて、生産型のR35型GT-Rが初公開された。 このときから、GT-Rはスカイラインのいちモデルとしてではなく、「日産GT-R」として新たなスタートを切ったのだ。 初めて、日本やイギリスなどの右ハンドル市場だけでなく、左ハンドルの国でも販売された。 怪物級の車輌スペックであることから、海外での愛称は「ゴジラ」と呼ばれている。 欧州市場での販売時は、GT-R(81,800ユーロ)、GT-Rプレミアムエディション(83,500ユーロ)、GT-Rブラックエディション(85,200ユーロ)が用意されていた。 当初のGT-Rは3.8リッターV6エンジン ツインターボを搭載し、最高出力は485馬力を発揮。 現行モデルではさらに改良が加えられ、最高出力570馬力、「ニスモ」バージョンでは600馬力を発揮し、最高速度は315km/h、0〜100km/hはわずか2.8秒という驚異的なスペックを誇っていた。 また、イギリスの自動車雑誌「トップギア」では、485馬力を発揮する初代日産GT-Rが、シリーズ専用テストコースであるダンスフォール飛行場を周回し、シボレー コルベットC6、フォード GT、ポルシェ 911カレラGT、ランボルギーニ ムルシエラゴなどの、並み居る競合車を抑えて最速タイムで周回したと発表した。 ■ドイツでの評価とは? 欧州における日産GT-Rの生産終了というニュースは、ドイツ人にとって衝撃のニュースとなった。 ドイツ国内のサイトでは、度々GT-Rに関する記事が取り上げられており、名実ともスーパーカーとして非常に高い評価を得ている。 この国では、古くからGT-Rファンが存在する。 なぜなら、その歴史は1964年にまで遡る。 当時、日本のグランプリで4ドアの日産2000GTがポルシェ904からリードを奪ったことにより、多くのモータースポーツファンに衝撃を与えた。 1988年のR32型スカイラインGT-Rからは、「ゴジラ」の愛称でトップカテゴリーのスポーツカーとしての地位を確立した。 世界中で長年愛され続けてきたR35型GT-Rが、伝説の名車となるのもそう遠くはないだろう。 [ライター・高岡 ケン / 画像・Dreamstime]
トヨタ ランドクルーザーは、半世紀以上にもわたって世界中で愛され続けており、トヨタシリーズにとって欠かせない存在となっている。 オフロードの先駆者でありながら、いかに伝説的かはいわずと知れたところだろう。 ドイツにとってのメルセデス・ベンツGクラス、アメリカにとってのジープ、イジリスにとってのランドローバー、そして日本にとってはランドクルーザーこそ、そのポジションに相当する。 そんな日本を代表するSUV・オフロード車であるランドクルーザーは、ドイツでどのように評価されているのか。 果たして人気はあるのか。 ドイツから現地調査を行った。 ■ランドクルーザー専門店を発見 現在、ドイツの大手中古車サイトには約800台のランドクルーザーが掲載されており、日本と比べると4分の1程度の台数となっている。 “クロスオーバーを購入するなら、メルセデス・ベンツGクラスか?トヨタ ランドクルーザーか” …という記事を度々見かけるが、正直な感想としてドイツにおけるGクラス人気は圧倒的であり、販売台数や市場規模から比べてもGクラスの圧勝だろう。 日本やアメリカと比べるとまだまだ台数が少ない印象だが、そんなドイツにもランドクルーザー専門店は存在する。 先日シュツットガルトで行われたクラシックカーの祭典には、70系ランドクルーザーを中心としたレストア車が複数台展示されていた。 1951年に登場して以来、長い間愛されて続けてきた歴史あるモデルだけに、一定数の愛好家はいるようだ。 ■1番人気は70系ランドクルーザー トヨタ ランドクルーザーは、誕生から72年間、170か国以上で1,100万台以上も販売されている。 何十万キロにも上る道路を悠々と走行し、自動車の歴史のなかでその独自の地位を証明した。 そのエキサイティングで多様な歴史により、この車輌は世界で最も有名なモデルの1つとなった。 一言でいえば、トヨタ ランドクルーザーはカルトである。 その長い歴史のなかでも特に人気が高いのは、1980年から1989年にかけて生産された、70系ランドクルーザーだ。 クラシックな丸型のヘッドライトに角張ったボディが特徴的で、まるでGクラスと兄弟車であるかのような力強いデザインとなっている。 また、相場も30,000ユーロ〜50,000ユーロ(日本円で約500万円〜800万円)と、クラシックモデルとしても非常に高価な部類である。 ■ドイツでの評価ポイントは? 実際にランドクルーザーを購入した人のほとんどが、故障が少ない信頼性を重視したパターンが多いようだ。 正直、見た目やステータス、内装の豪華さなどは欧州車に劣る部分がある。 カッコ良さやステータスを重視した場合、Gクラスやランドローバーを選ぶ人が多いようだ。 しかし、価格は新旧モデルどちらも高めの相場設定となっており、現行の新型ランドクルーザー(J30)にいたっては、平均価格が175,000ユーロ(日本円で約2700万円)と、非常に高額である。 60系や70系ランドクルーザーの人気モデルでも、低走行で状態の良いモデルになると50,000ユーロ(日本円で約800万円)にもなるため、間違いなく高級車のカテゴリーとなるだろう。 中東やアフリカでは多くのランドクルーザーが市場に出回っているが、ヨーロッパ国内では比較的少ないイメージで、その希少性から値段の相場が上がっていることが予想される。 また、一部のコレクターにとって、状態の良い旧型ランドクルーザーは垂涎モノであり、ドイツにもそのコレクターが数多く存在する。 やはり世界的にも評価されているランドクルーザーは、ドイツでもさすがの人気といったところだろう。 また、ドイツでは2024年3月に、旧型のデザインと最新のテクノロジーを融合した新型ランドクルーザー『250』の導入が予定されており、ネット上でも愛好家たちが今か今かと待ち侘びているそうだ。 トヨタ ランドクルーザーほど長い歴史を誇る自動車は多くない。 15世代を超え、無数のバリエーションがあり、70年以上にわたり車輌の歴史を刻んできた。 すべてのランドクルーザーには、妥協のない信頼性という共通点があり、それこそがドイツ国内でも評価されている所以なのだ。 [ライター・画像 / 高岡 ケン]
著者がドイツで生活を始めて一年以上が経過した。 この国で生活をしていると、いかにSUVが人気かを思い知らされる。 今やクロスカントリー、SUVは世界的に人気が高く、各メーカーも続々とSUVモデルを発表している。 最近では、コンパクトモデルから大型モデルまでラインナップは豊富で、消費者が多くの選択ができるようになった。 日本車も世界的に有名なトヨタ ランドクルーザーをはじめ、人気のSUVモデルは数多く存在する。 かの有名な超高級メーカーのランボルギーニが、初のSUVモデル、ランボルギーニ ウルスを発表したのも記憶に新しい。 そんな世界的大ブームのなかで、日本のSUVはどのように評価されているのか。 また自動車大国で人気の日本メーカーSUVは何なのか? 今回はドイツ本国から現地調査をおこなった。 ■2022年のドイツにおけるSUVの日本車モデル別乗用車新規登録台数 ●第3位 マツダ CX-5(7,610台) マツダの代表的なSUVであり、2011年に登場して以来、世界的な大ヒットを記録したモデルだ。 マツダの2022年度販売台数2位を記録したマツダ3から2倍の差を付けて、好調な売れ行きとなっている。 2011年から2017年までが第一世代、2017年から現在のモデルが第二世代となっている。 ドイツでは特に2.2リッターのディーゼルエンジンを搭載したスカイアクティブDが人気だという。 ●第2位 日産 キャシュカイ(11,042台) 日本ではあまり聞き馴染みのないこのモデル。 それもそのはず。 日本ではかつてデュアリスとして販売されていたコンパクトSUVだが、現在は販売終了となったモデルだからだ。 実はこのモデル、ドイツでの人気は非常に高く、安全性や快適性などを含め非常に高い評価を得ている。 ドイツでは2007年から販売されており、全長4377mm、幅1806mm、高さ1590mmのコンパクトボディながら、ゆとりある室内空間と充実した装備が人気の理由となっている。 また2021年にモデルチェンジを迎え、第3世代へと切り替わった際にこれまでのディーゼルエンジンを廃止。 1.3リッターのマイルドハイブリッドモデルと1.5リッターのハイブリッドモデルの2車種のみとなった。 ●第1位 三菱 エクリプスクロス(18,852台) 全SUVモデルの中で、日本車SUVトップは13位という結果になった。 このモデルは2018年に販売開始となった比較的新しいモデルであり、アウトランダーよりも一回り小さいのが特徴的だ。 豊富なグレードラインナップが揃っており、1.5リッターのガソリン、2.2リッターのディーゼル、そしてプラグインハイブリッドと幅広い選択が可能となっている。 細長いヘッドライトに迫力のあるグリルが近未来的なクルマをイメージさせるデザインとなっており、インテリアも高級感あふれるデザインとなっている。 最新のインフォテイメントシステムや安全機能が装備されていながら、安価な価格設定が人気の秘訣となっているそうだ。 ■まとめ これらのランキングを見ていただいたら分かるとおり、人気SUVモデルの上位にランクインしているのはどれもコンパクトモデルばかりだ。 まさに世はコンパクトSUV時代。 2022年度のランキングでは、メルセデス・ベンツ GLBやアウディ Q2、BMW X2など、並いる強豪を抑えて日本車メーカーがランクインしていた。 特にドイツでは日本車に対するイメージが好意的で、壊れにくい、維持費が安いなどの理由から家族層や若者層に多く選ばれているようだ。 今後もこの熾烈なSUV争いはどうなっていくのか。 また日本車メーカーがトップ10入りを果たす日がくるのか。 今後のドイツにおけるSUV市場に目が離せない。 [画像・日産、マツダ、三菱/ライター・高岡 ケン]
筆者はドイツにて、毎週約800キロをクルマで移動する生活を送っています。 今ではなんとかドイツでの走り方に順応できていますが、ドイツと日本、二つの国で長くクルマを運転していると、運転事情や運転マナーなどについて、日本との違いを感じることも多々あります。 この記事ではその違いについて、いくつかご紹介いたします。 ■アウトバーンは走りやすい?走りにくい? アウトバーンは速度無制限ということで日本でも有名かと思いますが、そんなアウトバーンでの運転は、どのようなものなのか。 あくまで個人的な感想としてですが、スピードを気にしなくて良い走りやすさのみならず、走りにくさもあります。 例えば追い越し車線。 速度無制限区間では、200km/hやそれ以上のスピードで走っているクルマも珍しくありません。 追い越し車線に出るときは、かなり神経を使います。 筆者の場合、追い越し車線に出ようとミラーを確認したときに、追い越しに来るクルマが相当遠くにいる、もしくはいないときに追い越し車線を走るようにしています。 というのも、愛車のルノー・カングーはパワーがなく、アクセルを床まで踏んでもさほど加速しません。 追い越し車線に出ても速いクルマにすぐに追いつかれ急かされるなど、気持ち良いペースで走れないことも多いのです。 また、フルパワーで無理をして追い越し車線に出るくらいなら、空いているときに余裕をもって走り、燃費を良くする方がストレスもなく経済的であり、メリットが大きいという個人的なこだわりもあります。 もちろん公道なのですべてのドライバーに追い越し車線を走る権利はありますが、自分のクルマのスペックをある程度把握しておくということ、周囲への注意力や判断の素早さは日本の高速道路を走るときよりも求められる気がします。 日本の高速道路のように、常に速度制限がある方が周囲のクルマとの速度差も把握しやすく、安全性も上がりますし、ペースも維持しやすく結果的に走りやすいと感じるのです。 筆者が3年ぶりに日本に帰国して高速道路を走行したときは、「アウトバーンよりも伸び伸びと走りやすくて快適」と素直に思いました。 ▲制限速度80km/h区間が終了、速度無制限区間の開始を示すアウトバーンの標識 アウトバーンでは、遅いクルマが追い越し車線を走っていると普通に煽られます。 もちろん煽り運転は許されることではなく、罰則の対象となります。 それでも追い越し車線を延々と遅いクルマが走っていると、ぴったりくっつかれることもあればパッシングされることもありますし、さらには追い越し車線で左ウインカーを点滅させ、遅い車のドライバーに対して道を譲るよう、合図を出しているクルマも頻繁に見かけます。 あまり多くはありませんが、猛スピードで追い越し車線を駆け抜けていくクルマのなかには、「今は追い越し車線に入ってくるな」と言わんばかりに予めパッシングしながら走行しているクルマを見かけることもあります。 ▲愛車のカングー ここまでは、あまりスピードが出ないカングーに乗っているときのドライバー心理からお伝えしましたが、逆に自分が早い速度で運転する際も、周囲のクルマの動きにはより慎重にならなければなりません。 筆者は、知人が所有するディーゼルエンジン仕様(194ps)のメルセデス・ベンツEクラスを運転する機会がしばしばあります。 速度無制限区間での巡行は140~160km/h、追い越し車線では170km/h~190km/hで走ることが多いのですが、走行車線に複数台確認できるときは急に自分より遅いクルマが入ってくることを想定してアクセルを緩めるなど、いつでも安全に車間距離を確保できるよう、常に心がけながら走っています。 ▲しばしば運転する機会があるメルセデス・ベンツEクラス ■ドイツ人はサンキューハザードを使わない? 続いて、ドイツにおける運転マナーについても少しふれておきましょう。 ドイツでは、日本で「割り込み」と認識されるような距離感で堂々と前に入られることが日常茶飯事で、入れる側も当たり前に入れてあげます。 強引に前に入られたときも、また走行中、ウインカーを出しているクルマに進路を譲ったときも、お礼をされることは基本的にありません。 何もアクションなしが93%、手を挙げてお礼が5%、サンキューハザードが2%といったところでしょうか(※あくまで筆者の感覚です)。 日本人に馴染みのあるサンキューハザードは、ドイツではかなりマイナーです。 皆無ではありませんが、1週間800キロ走行する間、1台見かけるか見かけないかです。 乗用車に比べると、トラックドライバーはお礼をしてくれる方が多い印象です。 しかし、こちらもサンキューハザードはマイナーで、ウインカーを左右交互に点滅させてお礼を伝えてくれます。 ■ドイツではフォグランプをいつでも点けて良いわけではない もう一つ、ドイツと日本との大きな違いといえば、フォグランプでしょうか。 日本では、夜間走行中にフォグランプを点灯させているクルマが非常に多い印象があります。 アクセサリーとして点けている方もいれば、明るさを補う目的で点けている方もいらっしゃるでしょう。 しかしドイツでは、フォグランプ・リアフォグランプは基本的に点灯させてはいけません。 点灯させて良いのは、視程が50メートル程まで低下した場合です。 霧や大雨により視程が悪化すると、多くのクルマがフォグランプ・リアフォグランプを点灯させます。 ちなみに50メートルをどのように判断するのかというと、アウトバーン側方には必ず50メートル間隔で目印が設置されているので、それを目安とします。 ▲アウトバーン側方に50m間隔で設置されている目印 ▲豪雨により視程が悪化しリアフォグランプを点灯させるクルマ ■おわりに いかがでしょうか。 ドイツと日本を比較すると、交通ルールはいうまでもなく、マナーや環境にもいくつか違いがあることがお分かりいただけたでしょうか。 筆者自身にも、まだまだ知らないことや気付けていないことがあるかと思いますので、今後も引き続き、興味深い違いがあればご紹介します。 [ライター・画像 / Shima]
去る2023年2月、ドイツのシュツットガルトで行われたクラシックカーの祭典にて、非常に興味深い会社を発見した。 それは、マツダのクラシックカーのみを専門に取り扱う会社だ。 マツダといえば、1949年に設立された、広島県に本社を置く日本の自動車メーカーだ。 日本から遠く離れたこの国で、マツダを心から愛するドイツ人によって設立されたとのこと。 その名も「Mazda Classic - Automobil Museum Frey」 今回は、マツダ車を愛するドイツのとある会社を調査してみた。 ■世界最大のマツダ博物館 同社は2017年にドイツのアウグスブルクにて設立された会社で、日本ブランドのマツダのみを展示している。 マツダ車をこよなく愛するドイツ人オーナーにより設立され、現在では世界最大のマツダ車のコレクションを備えている。 元々は1897年に建てれた路面電車の停留所に使われていた跡地を買い取り、現在はマツダコレクションの博物館となっている。 約1500平方メートルの敷地に、常時50台ほどの車が展示されている。 敷地内には、展示場のほか、結婚式などのプライベートイベントにも利用可能な700平方メートルのイベントエリア、レストラン、マツダグッズのショップなども併設さている。 驚きなのは、これまでに創業者であるウォルター・フレイ氏とその2人の息子によって、40年以上かけて合計120台程のマツダクラシックカーモデルを収集したことだ。 ■目玉商品はコスモスポーツ 1978年にAuto Freyというドイツ初のマツダ正規販売店が設立して以来、現在に至るまでマツダに人生を捧げてきたという。 すべての始まりは、1980年にアメリカのニュージャージー州で見つけたマツダ コスモスポーツだったそうだ。 この車は、現在展示されているすべてのマツダクラシックカーの中で最も思い入れのあるクルマだという。 現在でもマツダのコレクションを収集しているとのことで、何度も来日しているそうだ。 主な展示車は、目玉商品である1969年式のコスモスポーツを初め、1973年式のB1600ピックアップトラックや1992年式のMX-5、さらに1989年式のRX-7 FCなどなど。 日本でもめったに市場に出回らない、希少価値の高いクラシックモデルばかりだ。 また、車輌の状態も驚くほどキレイで、手入れの行き届いた真っ白な塗装には心底魅了された。 ■3. ドイツではちょっとした観光地に これほどまで程度の良い、かつ希少なマツダのクラシックモデルを一気に見られるのは、日本のマツダミュージアムを除いて他にないだろう。 ゆえに現在では、マツダクラシックを一目見ようと、ヨーロッパ中からマツダ愛好家達が観光に来るそうだ。 さらに数ヶ月に一度、マツダミーティングを行われているそうで、なんと多い時は300台ほどのマツダ車がここマツダミュージアムに集結するとのこと。 博物館は祝日以外、土日も営業しており、大人1人5ユーロ(現在のレートで約800円)と、非常に安価で楽しめるのも魅力的だ。 著者も近くを訪れた際にはぜひ一度足を運んでみたいと思う。 日本から遠く離れたこの国で、日本車の愛に溢れた会社を発見できたことは日本人としても誇り高い。 [ライター・カメラ / 高岡 ケン]
世界中のコレクターが喉から手が出るほど欲しいレクサスをご存知だろうか? その名も「レクサス LFA」 日本が世界に誇る、超一級のスーパースポーツカーである。 2010年12月から2012年12月までのわずか2年間のみ生産され、限定台数500台の希少なモデルだ。 現在ではほとんど市場に出回ることがなく、街中で見かけるのは奇跡に近いほど希少価値が高いモデルだが。 自動車大国ドイツでは現在、2023年7月時点で3台ものLFAが中古車サイトに掲載している。 ちなみに日本の大手中古車サイトでは、現在掲載中のLFAは2台のみとなっている。 ではレクサス LFAはなぜここまで人気を博したのか。 またドイツではどのような評価を受けているのか。 今回はドイツ現地から徹底解説していく。 ■1. 天使の咆哮と呼ばれたサウンド 前述でも述べたとおり、LFAは限定500台のみ生産・販売された2人乗りのスーパーカーだ。 そのうち約50台は、サーキット走行を重視した高性能仕様の「ニュルブルクリンクパッケージ」が生産された。 LFAの名前の由来は、「Lexus Future Advance」の頭文字も取ったものである。 当時、まだ本格的なスポーツカーを持っていなかったレクサスにおける、スポーツカーのコンセプトカーとして誕生した。 コンセプトの内容は「世界超一級レベルの運動性能と、超一流の感性と官能を持ち合わせるスーパースポーツカー」である。 開発に至っては、莫大の開発費がかかっており、新車販売価格は3750万円にも関わらず、赤字だったそうだ。 特にエンジン開発には力を入れており、搭載されるエンジンはトヨタ自動車とヤマハ発動機の共同開発によって誕生した。 専用開発のヤマハ発動機製4.8L V型10気筒エンジンは、最高出力560馬力を発揮する。 音声学に基づいて開発されたエンジンは、そのあまりにも美しく、迫力のあるサウンドから「天使の咆哮」と呼ばれている。 ■2. 日本車最速のクルマ LFAの車両スペックは全てが規格外だ。 ブロンドミッドシップに搭載されたV型10気筒4.8Lエンジンは、最高出力412kW(560PS)、最大トルク480Nmを発揮する。 軽量化と高剛性を図るため、至るところにカーボンが多用されている。 カーボンモノコックシャシーやカーボンセラミックブレーキが採用され、車輌重量はわずか1480kgとなっている。 超軽量化によって繰り出される最高速度は、日本車最速となる驚異の325km/h超え、0-100km/h加速は3.7秒という異次元のパフォーマンスだ。 日本の自動車メーカーとしては、ホンダNSX、日産GT-Rに次いで3番目の本格的なスーパースポーツカーとなった。 ■3. 現在の市場価格は1億越え!? 2009年、東京モーターショーにて市販仕様車が世界初公開された。 世界56ヵ国で500台の限定販売となり、日本国内の割り当ては200台となった。 新車販売価格は3750万円、日本車の量産モデルとしては過去最高額のクルマだ。 発売当初は、半年間に渡って予約を募る予定だったが、予想を遥かに上回る予約が集まったため、予定よりも2ヶ月早い段階で締め切りとなった。 発表からわずか3ヶ月で、購入希望台数は世界累計で500台を超えたそうだ。 現在、日本の大手中古車サイトには2台のLFAが掲載されている。 しかし、価格が公開されていないため、その市場価格は未知数となっている。 ドイツでは、現在3台のLFAが掲載されており、販売価格は最安値の車両でも驚きの829,000ユーロ(2023年7月現在のレートで約1億3,000万円)となっている。 新車価格から3倍以上にも価値が上がっている状況だ。 ■まとめ これまでにも数々の名車を生み出してきた日本の自動車メーカーだが。 恐らく名実ともに日本一のスーパーカーといえば、レクサスLFAではないだろうか。 現在、LFAの後継車となる2台目LFA Ⅱの開発が行われているそうだ。 詳しく情報は発表されていないが、伝説の名車が復活する日をそう遠くはない。 新型LFAもまた新たな伝説の始まりとなるのか。 今後の発表に注目していきたい。 [画像・ライター / 高岡 ケン]
こんにちは!西尾菜々実です。 ドイツへ移住して現地のクルマを見ると、自動車とはどうやって発明されたのか気になってきました。 みなさんは、どの国でガソリンで自走するクルマが発明されたかご存知ですか? 私は産業革命で有名なイギリスだと考えていたのですが、エンジンで走行する自動車は、1879年の年末に初めて単シリンダーのエンジンが駆動したことによって、ドイツのカールベンツが発明しました。 現在は自動車道路が普及しているため、遠く離れた土地へでも移動できます。 また、普段の買い物や旅行など、多様な機会に移動する目的でクルマを使うことができます。 そして、自動車が存在する現在人の移動や、物の移動が広範囲で可能となりました。 今回は、エンジンで走行する自動車が発明された、ドイツのクルマについて触れてみたいと思います。 ■ドイツにおける自動車のはじまり 1886年1月29日、カールベンツは、ガスエンジンの働きによる交通乗り物を特許に登録。 同年の7月には、新聞で初めて公開となった、3人乗りのベンツエンジン自動車の特許を報じました。 その後、たくさんの自動車が開発されていくことになるのです。 現在ではメルセデス・ベンツと肩を並べるブラントとなったBMWでは、1932年にBMW AM1が、バイエルンのモーターベルケAG初の独自の設計をした自動車として誕生します。 外観がクラシックで映画に出てきそうな自動車です。 エンジンが発明されて以降、世界各国で開発が進んでいくことになります。 ベルリンで1926年に開催されたインターナショナル自動車展示会「IAA」では、8シリンダーシリーズの例としてPkw(Personenkraftwagen=乗用車の意) Horch 8 Typ が展示されました。 エンジンが始動している間は、 ・吸気・圧縮爆発と膨張・排気 のサイクルがおこなわれています。 内燃機関、いわゆるエンジンの発明がされたことによって多種多様な自動車が生み出され、現在では種類も豊富になりました。 ■現在のドイツではEV化が進んでいる しかし、現在ドイツでの自動車は、電動化が進んでいます。 皆さんもハイブリッド自動車やEV車をご存知かと思います。 現在のエンジン車は、電気はあくまでも補助的なもの。 対してEV車は、バッテリーに電気を充電することでモーターを動かします。 モーターによって電気を駆動力に変換しているのです。 モーターに電気を供給するのが駆動用バッテリーで、現在よく使われているのがリチウムイオン電池です。 コントローラーによって、バッテリーからモーターへ送られる電気の形を調節します。 モーターに流す電流を制御することで駆動力を制御するため、スイッチを使用するだけで電流が流れます。 そのため駆動力を制御しやすく、加速がスムーズにおこなえます。 EV車には外部からの充電と、回生による充電が可能です。 外部からの充電とは、コンセントを使用する普通充電と、短時間で充電する急速充電があります。 回生とは、減速するときに、走っている運動エネルギーを電気エネルギーに変えて利用することをいいます。 EV車のメリットとして ・走行時の排気ガスが排出されない・パーツが少なくデザインでの制限が少ない・駆動力が制御しやすいため加速がしやすい・電気で自動車の走行をコントロールするためふさわしい などがあげられます。 (EVの定義として、記事中では『電気自動車』としています) 現在、日本ではミニバンのEV車が発売されていませんが、ドイツのフォルクスワーゲンからは2022年12月にミニバンが発表されました。 また、セダンなどに比べて車高を高く設計できるSUVは、無理なく車体にバッテリーを搭載できます。 SUVと同様に、ミニバンもEV車にふさわしい車種のひとつではないでしょうか。 ■おわりに 私は免許を日本で取得するときに、ハイブリッド車を用いて講習をおこないました。 ハイブリッド車は走行が静かで、これが新しい自動車なんだと驚愕した記憶があります。 乗り心地も軽やかな印象でした。 現在はドイツに住んでいるので、近い将来電気自動車も運転する機会があるかもしれないと、ちょっとワクワクしています。 電気自動車と聞くと、近未来感があってクールな印象を感じます。 次から次へと新しいテクノロジーが生み出されるので、未来の自動車はどのように進化していくのか想像ができません。 日本車でも電気自動車がラインナップされていますので、みなさんにもこの記事が参考になればと思います。 [ライター・画像 / 西尾 菜々実]