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マニュアル車に乗っていると「フライホイールを軽量化した方が走りがよくなる」と言われることがあるのではないでしょうか。 今回はフライホイールが必要な理由や原理と役割、軽量化で得られる効果について紹介します。フライホイールについて調べている方は参考にしてみてください。 フライホイールとは? フライホイールは、クランクシャフトの端につけられている円盤状のパーツです。日本語で「弾み車」といわれます。マニュアル車には必ずある部品です。オートマチック車の場合にはトルクコンバーターがその代わりを果たすため使われていません。また、エンジンの回転を均一に保ったりエンジンを始動させたりする役割も担っています。 まずは、フライホイールが必要な理由とその原理を詳しく解説します。 フライホイールが必要な理由 エンジンは、吸気・圧縮・燃焼・排気という4つのサイクルで動いています。この4つサイクルの中でエネルギーを発生させられるのは燃焼行程だけです。それ以外の行程では動力が生み出されないため、フライホイールがない場合、アイドリングが安定しなくなります。 フライホイールの原理 フライホイールは円盤状の部品で、外側部分が歯車になっているのが特徴です。トランスミッション側のクランクシャフトの端に取り付けられています。 フライホイールは、慣性の法則を利用して回転するパーツとなっています。慣性の法則とは、運動している物体は運動を続け、静止している物体はいつまでも静止し続けるという法則です。エンジンが動き出すことによって回り始めたフライホイールは、慣性の法則によって回転し続けるため、エンジンの回転ムラを抑えることができるのです。 たとえば、手に空のペットボトルを持って腕を回した場合、腕を回すのに大きな力は必要なく、止めたいときに止めることができます。しかし、2Lの水が入ったペットボトルを持っている場合、動かし始めるのに大きな力が必要となり、自分が止めたいと思った瞬間に止めることが難しいでしょう。 これと同じ原理でフライホイールは作動しています。 フライホイールの役割 フライホイールの役割は以下の3つです。 ・エンジンの回転ムラをなくす ・エンジンの動力を伝える ・エンジンの始動 それぞれ詳しく解説します。 エンジンの回転ムラをなくす エンジンは、吸気・圧縮・燃焼・排気という4つのサイクルを繰り返して動力を発生させています。このプロセスを通じて発生したエネルギーは、クランクシャフトで、回転運動に変えられ、車輪に伝わります。 また、エンジンで発生した回転エネルギーは、クランクシャフトを通じてフライホイールにも伝わります。回転エネルギーを受けたフライホイールは、慣性の法則に従って運動を続けようとするため、燃焼以外のプロセスでもエンジンが止まることなく安定して回り続けるのです。 エンジンの動力を伝える フライホイールには動力をクラッチディスクに伝達する役割もあります。 エンジンで発生した動力は、フライホイールに伝わり、フライホイールとクラッチディスクがつながることで、トランスミッションにエンジンの動力が伝達されます。つまり、エンジン側のフライホイールとトランスミッション側のクラッチディスクがくっついたり離れたりすることで動力の伝達・遮断が行われるのです。 エンジンの始動 フライホイールはエンジンをスタートさせるときにも必要です。エンジンをスタートさせるためには、はじめに動き出すきっかけ、つまり、外側から力をかけなければなりません。 フライホイールの外周にあるリングギアにセルモーターが噛み合ってフライホイールが回転すると、エンジンが動き始めます。つまり、エンジンの始動にもフライホイールは欠かせないのです。 軽量フライホイールとは? 軽量フライホイールとは、クランクシャフトの端に取り付けられているフライホイールの重さを軽くしたタイプです。ここからは、軽量フライホイールのメリットとデメリットを解説します。 フライホイールを軽量化するメリット フライホイールを軽量化するメリットは以下のとおりです。 ・レスポンスアップ ・加減速性能アップ ・早くシフトアップできる 軽量化したフライホイールを使用すると、アクセルを踏んだときにエンジンの吹きあがり(レスポンス)がよくなり、アクセルを緩めたときの回転変化が素早くなります。 また、軽量フライホイールはエンジンの回転数を変化させるのに必要なエネルギーが少なくて済むため、加速と減速の性能アップも期待できます。さらに、エンジン回転数の上げ下げが素早いため、シフトアップのするときの回転数を合わせやすくなることも軽量フライホイールのメリットです。 軽量フライホイールのデメリット 軽量フライホイールの主なデメリットはは以下のとおりです。 ・アクセル操作がシビアになる ・燃費の悪化 エンジンのレスポンスがアップするということは、わずかな操作でもエンジンが敏感に反応することを意味しています。つまり、軽量フライホイールにすると扱いがシビアになるということです。 また、フライホイールを軽量化したことで慣性モーメントが減ってしまい、同じ速度を維持するためにエネルギーが増加します。その結果、より多くのエネルギーを作り出さなければならず、ガソリンの消費量が増える場合があります。 まとめ 今回は、フライホイールとは何なのか、その役割や軽量化のメリット・デメリットなどを解説しました。 フライホイールは、エンジン回転を均一に保つために必要なパーツです。フライホイールについて正しい理解と知識を得ることで、軽量化するべきかという判断も変わるでしょう。 フライホイールは、自分の車の使い方に合わせて、ベストなものをチョイスすることをおすすめします。
雪が降ったときは車のワイパーを立てることが常識とされています。しかし、ワイパーが雪の重みで破損しないか不安に思う方もいるでしょう。ワイパーは、立てても基本的に問題はないものの、状況や扱い方によっては破損するケースもあるため注意が必要です。この記事では、雪が降ったときに車のワイパーを立てる理由やデメリット、注意点を紹介します。 雪が降ったときに車のワイパーを立てる理由 雪が降ったときに車のワイパーを立てることは、破損の防止やフロントガラスを掃除しやすくするためなど、いくつかの理由があります。まずは、雪が降ったときに車のワイパーを立てる理由を紹介します。 ワイパーを無理に動かすことによる破損の防止 気温の低下によりゴム部分が凍結し、フロントガラスに張り付くケースがあります。除雪する際に無理に引き剥がすと、ゴム部分が切れたりアームが折れたりするため、誤操作したときのトラブルを防ぐために、ワイパーを立てておかなければなりません。 また、凍結した状態で無理に作動させると、ワイパーに動力を伝えるモーター部分が破損するケースもあります。凍結した状態で作動させることは、フロントガラスに傷がつく可能性もあるため、ワイパーで除雪作業は行わないようにしましょう。 フロントガラスの清掃のため フロントガラスに積もった雪を掃除しやすくするため、降雪時にワイパーを立てます。積もった雪を降ろす際は、スノーブラシを使用するため、立てたほうがフロントガラスを掃除しやすいでしょう。 また、立てていない状態でフロントガラスの雪を掃除すると、スノーブラシがワイパーに当たることにより、故障するケースもあります。スムーズにフロントガラスを清掃するためにも、降雪時はワイパーを立てておくとよいでしょう。 車を見つけやすくする 自分の車を見つけやすくするため、事前にワイパーを立てるドライバーもいるでしょう。豪雪地帯では車が雪で覆われることが珍しくありません。また、猛吹雪のときは視界も悪くなるため、ますます車を見つけづらくなります。ワイパーを立てておけば、目印となり車を発見しやすくなります。 雪が降ったときに車のワイパーを立てるデメリット ワイパーを立てると、周囲の建物からまとまった雪が落ちて来た際に下敷となり、折れてしまうデメリットがあります。立てたワイパーが見えなくなるほど車が雪で覆われた場合は、除雪時にひっかけてアーム部分を折るケースもあるため注意が必要です。 また、雪の重みによりアーム部分が変形したり折れたりするケースもあります。たとえば、比較的気温が高い本州で降る「もち雪」や「べた雪」などは水分を多く含んでおり、粉雪や乾雪より重い特徴を持っています。 水分を多く含んだ雪が車全体を覆うと、重さに耐えきれずアーム部分が変形したり折れたりする可能性があるため、必ずしもワイパーを立てることが正解とは限りません。気象情報をチェックしつつ、状況に応じて立てるかどうか判断しましょう。 ワイパーが破損した場合は、新たに購入する必要があり以下の費用が発生します。目安として参考にしてみてください。 ・ゴム 1,000円程度・アーム 3,000円程度・モーター 1〜2万円程度 ワイパーに動力を伝えるモーター部分が破損すると、交換費用が高額になるため、雪が降ったときに立てるかどうかよく考える必要があります。 降雪時に車のワイパーを立てるときの注意点 降雪時は、雪の塊が落ちてくるところには駐車せず、すでに載っている雪を落としてから立てるようにしましょう。続いて、降雪時に車のワイパーを立てるときの注意点を紹介します。 雪の塊が落ちてくるところには駐車しない 降雪時に車のワイパーを立てる際は、雪の塊が落ちてきそうな場所に駐車しないようにしましょう。立てた状態で雪の塊が落ちると、アーム部分が変形したり折れたりする可能性があります。特に建物の軒先(のきさき)や庇(ひさし)の真下などは、雪の塊が落ちてくる可能性が高いため注意が必要です。 また、強風の場合はアームが折れるケースもあります。除雪する際の負担の軽減もできるため、風向きを考慮して駐車しましょう。 すでに載っている雪を落としてから立てる 降雪時は、すでに載っている雪を落としてから車のワイパーを立てましょう。降る量によっては数時間で積もるケースがあるため、除雪する際の手間を考慮すると、少しでも雪を落としておいた方がスムーズに目的地へ向かうことが可能です。 また、ワイパーを立てる際はアーム部分を持ち上げる方法が一般的ですが、スイッチ操作が必要な車種もあります。たとえば、ドイツ車であるフォルクスワーゲンのほとんどの車種は、以下の方法でワイパーを立てます。 1.始動スイッチを数秒間ONにしてからOFFに切り替える2.ワイパーレバーを下げる3.サービスポジションに移動したアーム部分を手で掴んで持ち上げる 無理に持ち上げると破損や故障につながるため、愛車の正確なワイパーの立て方を把握しておきましょう。 まとめ 気温の低下によりゴム部分やアームが凍結するケースがあり、無理に動かすことによる破損を防止するためにワイパーを立てます。フロントガラスを掃除しやすくするためや、車を見つけやすくすることも、ワイパーを立てる理由の1つです。 ただし、周囲の建物からまとまった雪が落下した際や、除雪時に引っ掛けて破損させてしまうケースもあるため、注意してワイパーを立てなければなりません。立てる際は、雪の塊が落ちてくる場所を避けて駐車しましょう。
豪雪地帯に住む人は、車の雪対策を行うことが常識とされています。一方で、雪が頻繁に降らない地域では雪対策が不十分な傾向があります。この場合、雪による突然のトラブルに戸惑うこともあるでしょう。この記事では、車の雪対策の方法や注意点、グッズなどを紹介します。 車の雪関連のトラブル 車の雪関連のトラブルとして、交通事故のリスクが上がったり、車に不具合がでやすくなったりすることが挙げられます。まずは、雪関連のトラブルを紹介します。 交通事故のリスクが上がる 冬は凍結や積雪によって路面が滑りやすくなるため、交通事故のリスクが高まります。凍結路や雪路は、雨が降ったときより滑りやすく大変危険です。 たとえば、乾いた路面に比べてブレーキが効きにくかったり障害物を避けられなかったりします。スタッドレスタイヤを装着していても、予想以上に路面が滑ることを意識して運転しましょう。 車に不具合がでやすくなる 雪が降ると気温の低下により、車に不具合がでやすくなるため注意が必要です。たとえば、ディーゼル車の場合、気温の低下により軽油が凍結するためエンジンを始動できない場合があります。 軽油が凍結した場合は、気温の上昇による解凍を待つか、JAFもしくは修理業者のレッカーを手配しなければなりません。始動してもアイドリングが不安定になるほか、最悪の場合は走行中にエンジンがストップするケースもあります。 また、気温が低下するとバッテリー液の温度が下がるうえにエンジンオイルも硬化するため、バッテリー上がりにつながります。 なお、一般的な冷却水は不凍液が配合されているため、基本的に冬は凍結しません。しかし、気温が-10°以下に達すると凍結し、最悪の場合はラジエーターが破損する恐れがあります。雪が降る前に、ディーラーや整備工場で外気温に合った濃度の冷却水に交換してもらいましょう。 雪崩の直撃を受ける 車の雪関連のトラブルとして、雪崩の直撃を受けるリスクも挙げられます。舗装された道路を運転する場合は、雪崩の直撃を受けるリスクは少ないものの、観光地や旅館へ向かう際の林道や勾配な坂では注意が必要です。 なかでも、日中に気温が上昇しやすい場所は雪崩が起こりやすいため、車を運転する際は経路を考慮する必要があります。雪崩は鉄筋コンクリートの建物を押し倒せるほどのエネルギーを持っているため、なるべく直撃しやすい道路を避けるようにしましょう。 なお、雪崩によって道路が塞がれた場合は、通行止めに巻き込まれるトラブルもあります。 ホワイトアウトに遭遇する 車を運転している際に雪が降った場合は、ホワイトアウトに遭遇する可能性があります。ホワイトアウトとは、吹雪や大雪により視界が奪われる気象現象のことです。 一瞬で数十cm先が見えなくなり、走行中の車線や前方車などを見失うため、事故につながる可能性があります。気温が低い山間部や、風が強く吹く場所でよく発生する特徴があり、遭遇した場合はハザードランプやヘッドライトで周囲に自分の存在を知らせましょう。 なお、雪片が大きい場合は、気温が高くて風が弱くてもホワイトアウトに遭遇するケースもあります。豪雪地帯で雪が降った際は、気温や風の強さを問わず、十分に注意して運転しましょう。 雪で倒壊した建物による被害を受ける 雪で倒壊した建物によって、車が被害を受ける可能性があります。雪は空気を多く含んでおり、新雪の重さは1m3あたり、50kg〜150kgといわれています。 日中の気温上昇により一度溶けて、再度凍結した場合は1m3あたり300kg〜500kgにも及ぶため、雪で建物が倒壊することは珍しくありません。たとえば、雪の重みに耐えられずカーポートが倒壊し、駐車している車が被害を受けることもあります。 なるべく早く雪下ろしを行い、建物の倒壊による車の被害を避けましょう。なお、補強されていない一般的なカーポートは、積雪20cm程度まで耐えられます。 車の雪対策に必要なグッズ 車の雪対策に必要なグッズを事前に用意しておくと、スムーズかつ安全に運転できます。続いて、車の雪対策に必要なグッズを紹介します。 スタッドレスタイヤ スタッドレスタイヤは、グリップ力が高く積雪路面や凍結路面で効果を発揮するため、車の雪対策に必要なグッズです。ただし、グリップ力が強いとはいえ、道路状況によってはスタッドレスタイヤを履いていても滑るケースもあります。なかでもアイスバーンは特に滑るため、スタッドレスタイヤを履いていても、雪が降った際は十分に注意して運転しましょう。 また、スタッドレスタイヤに加えて、タイヤチェーンを装着しないと通行できない道路もあります。タイヤチェーンは滑り止め器具であり、装着することでより安全に運転できます。チェーン規制は急な上り下りがある峠や、過去に雪による立ち往生が起こった場所などで実施されているため、目的地に応じて車に載せておくとよいでしょう。 解氷スプレー 解氷スプレーは、フロントガラスの凍結を解凍する際に役立つグッズです。 フロントガラスが凍結している場合は、車内の暖房を使ったりお湯をかけたりして解凍する方もいるでしょう。一時的に解凍できるものの、再び凍結するケースもあります。また、お湯をかけて解凍することはフロントガラスのひび割れにつながり、修理代が発生してしまうおそれがあるためおすすめできません。 一方、解氷スプレーはすばやく解凍できるほか、再凍結も予防できるため車内に1本用意しておくのがおすすめです。 冬用ワイパー 冬用ワイパーは、豪雪地帯で運転する際に必要なグッズです。豪雪地帯で通常のワイパーを使用した場合、ワイパーの金具が凍結したり、フレームの隙間に雪が詰まったりして正常に作動しなくなる場合があります。ワイパーが正常に作動しないと、事故につながる危険があるため、豪雪地帯では冬用ワイパーがおすすめです。 また、通常のワイパーは気温が低いとゴム部分が硬くなる特徴があります。一方、冬用ワイパーはゴム部分が硬くなりにくい素材を採用しているため、フロントガラスへの傷を予防できます。冬用ワイパーの値段は、通常のワイパーより3倍程度するものの、豪雪地帯で役立つため取り付けを検討してみてください。 スタックした車の脱出道具 雪道ではタイヤを取られて立ち往生する可能性があるため、脱出道具があるとスムーズにスタックを抜けられます。雪道でスタックした場合は、自力で脱出するかロードサービスを呼ぶ必要があります。ロードサービスを利用すると、費用が発生するほか混雑状況によっては数時間待たなければ、スタックを脱出できません。 脱出道具を備えていれば、タイヤを取られてもスムーズに自力でスタックを抜けられるため、万が一のために用意しておくとよいでしょう。なかでも、タイヤと雪の間に脱出道具を設置して、そのまま発進するだけでスタックを抜けられるものがおすすめです。 スノーブラシ スノーブラシがあると、ボンネットやルーフに積もった雪を出発前に降ろせるため、安全に運転できます。ボンネットやルーフに雪が積もったまま運転すると、走行中に落下し事故につながる可能性があるため大変危険です。 たとえば、ブレーキを踏んだ際にルーフに積もった雪がフロントガラスに落下し、視界が遮られるケースです。出発前にルーフに積もった雪をスノーブラシで降ろしておけば、事故のリスクを軽減できます。車用スノーブラシは、傷がつかないよう設計されているため、購入時に参考にしてみてください。 ジャンプスターター ジャンプスターターは、一時的に電力を供給してエンジンを始動できるため、バッテリー上がりが多く発生する寒い時期に活躍するグッズです。バッテリーは、気温が低い場所で上がりやすい特徴があり、急にエンジンが始動しないケースがあります。バッテリーが上がった場合は、ロードサービスの救援を呼ぶ必要があり、1万円程度の費用が発生します。 また、ブースターケーブルを持っていれば自力でエンジンを始動させられるものの、電力を供給する救援車が必要です。交通量が少ない道路でバッテリーが上がった場合は、協力してくれるドライバーが通ることを待たなければなりません。 ジャンプスターターは、モバイルバッテリーが内蔵されており、救援車が不要なため自分1人でエンジンを始動させることが可能です。 車の雪関連のトラブルの対策方法 車の雪関連のトラブルの対策方法を事前に把握しておくと、スムーズに目的地にたどり着けるほか、身の安全も確保できます。続いて、雪関連のトラブルの対策方法を紹介します。 安全なルートをあらかじめ検索しておく 豪雪地帯では、タイヤのスタックや通行止めに遭遇するケースがあるため、安全なルートをあらかじめ検索しておきましょう。交通量が多い幹線道路は、スタックや通行止めに遭遇するリスクを軽減できるため、参考にしてください。 また、林道や峠道などは除雪が行き届いていないほか、圏外の場所もありロードサービスを呼ぶことが困難なケースがあります。気象情報や道路状況をチェックしつつ、目的地までの安全なルートをいくつかピックアップしておくとよいでしょう。 スピードを出さない 雪道は止まりにくいほか、予想外の方向に進んでしまう可能性があるため、スピードを落として走行しましょう。たとえば、スピードの出しすぎにより交差点の手前で停止できず、他の車と衝突する危険性があります。 雪道を運転する際は、スピードを出し過ぎず前方車との車間距離を十分取って走行することを意識してみてください。なお、雪道は滑りやすくスリップする可能性があるため、急ブレーキや急ハンドルは避ける必要があります。 雪に埋もれたらエンジンを切る マフラーの穴が覆われると、車内に排気ガスが進入し一酸化炭素中毒になるため、車が雪に埋もれたらエンジンを切る必要があります。最悪の場合は死に至る恐れがあるため、必ずエンジンを切りましょう。 また、雪には断熱作用があり内部の熱を逃さずに止めてくれます。かまくらと同様に、内部の温度はさほど下がらないため、窓を1cm程度開けて車内を換気しましょう。 マフラー周囲の雪を取り除く 一酸化炭素中毒になる恐れがあるため、エンジンをかけたまま停車する場合は、定期的にマフラー周辺の雪を取り除きましょう。窓を5cm開けて車内を換気しても、マフラーが雪で覆われている場合は、40分程度で頭痛やめまいなどの症状が出ると言われています。 一酸化炭素中毒による死亡事故は毎年のように発生しているため、エンジンをかけたまま停車する際は、必ずマフラー周辺の雪を定期的に取り除きましょう。 参考:JAF「クルマが雪で埋まった場合、CO中毒に注意(JAFユーザーテスト)」 適切な場所に駐車する 建物の崩壊により、車に被害が出る可能性があるため、適切な場所に駐車しましょう。たとえば、カーポートや家屋の屋根付近などは、雪の重さに耐えきれず崩壊する可能性があるため大変危険です。 車内にいる状態で周辺の建物が崩壊した場合は、運転手や同乗者がケガをするリスクもあります。大雪警報が発表されたら、車や自分の身を守るためにも、崩壊の危険性がある場所を避けて駐車してください。 また、気温が氷点下に達すると、ワイヤー部分の凍結によりサイドブレーキを解除できないケースがあります。気温が氷点下に達した場合は、サイドブレーキは使用せず、以下にシフトを入れて駐車しましょう。 ・AT車……P・MT車……1速(下り坂の場合はR) なお、気温が低いとワイパーがフロントガラスに張り付いてしまうケースもあります。強引に剥がすと、ブレードが折れたりゴムが切れたりする可能性があるため、駐車する際はワイパーを立てるようにしましょう。 まとめ 車の雪関連のトラブルとして、交通事故のリスクが上がったり不具合がでやすくなったりすることが挙げられます。雪崩の直撃や建物の崩壊によって、車に被害が出るケースもあります。雪道を運転する際は、紹介した雪対策に必要なグッズを活用しつつ、スピードを落としてあらかじめ安全なルートを検索しておくとよいでしょう。 また、マフラーが塞がれると一酸化炭素中毒になる危険性があるため注意が必要です。マフラーが塞がった場合は、周辺の雪を取り除くか、エンジンを切り窓を開けて車内を換気しましょう。
原油の高騰により、近年ガソリン価格は上昇し続けています。冬のハイブリッド車は、従来よりも20%〜30%程度燃費が落ちるといわれているため、ガソリン代をなるべく抑えたい方もいるでしょう。この記事では、冬にハイブリッド車の燃費が落ちる理由や、ガソリン代をなるべく抑える方法を紹介します。 冬にハイブリッド車の燃費が落ちる理由 冬にハイブリッド車の燃費が落ちる理由は、車内を温める暖房にあります。ガソリン車の暖房はエンジンの熱源を活用しており、コンプレッサーが作動しないため燃費への影響はありません。一方、ハイブリッド車はEV走行やアイドリングストップにより、熱源を作るタイミングが少なく「暖機運転」を行うため燃費が落ちます。 ハイブリッド車の暖機運転とは、電気モーターからエンジン作動へ強制的に切り替えて、車全体をじっくりと暖めることです。ほとんどのハイブリッド車は、冷却水の温度が50℃以下になると暖機運転が始まります。なお、適正な冷却水の温度は70℃〜95℃です。車内を暖めようとエンジンが作動し、ガソリンを消費するため暖房を使うと燃費が落ちる仕組みです。 また、最近では冷気を抑えるシャッターをフロントグリルに搭載したり、ヒートポンプ式を採用したりするなど、暖房によって燃費が悪化しないよう対策されています。ヒートポンプ式とは、家庭用のエアコンと同じ仕組みで熱を発生させるため、燃費に影響しません。対策されているとはいえ、燃費悪化を完全に防げるわけではないため、暖房に弱いことを理解したうえでハイブリッド車を所有する必要があります。 冬でもハイブリッド車の燃費をなるべく落とさない方法 冬のハイブリッド車の燃費低下は仕方ないため、なるべく落とさない方法を知りたい方もいるでしょう。続いて、冬でもハイブリッド車の燃費をなるべく落とさない方法を紹介します。 エンジンが暖まってからエアコンをつける エンジンが暖まってからエアコンをつけると、冬でもハイブリッド車の燃費低下を抑えられます。なぜなら、エンジンが暖まっていない状態でエアコンをつけると、回転数が跳ね上がりガソリンをより消費するためです。ただし、エンジンが暖まるまで運転を待つ必要はありません。通常どおり運転を行い、ある程度エンジンが暖まったらエアコンをつけましょう。 エアコンの設定温度を下げる エアコンは、設定温度が低いほど使用するエネルギーを抑えられます。目的地が近い場合は、なるべく暖房は避けて、電力で作動するシートヒーターやステアリングヒーターを使用してもよいでしょう。 また、自動で低燃費走行をしてくれる「ecoモード」を使うことも、なるべく燃費を抑える方法の1つです。燃費を抑えられるとはいえ、パワーが落ちる特徴があるため、使う場面を考慮する必要があります。たとえば、高速道路や追い越し時などでアクセルを強く踏むと、逆にガソリンを無駄に消費してしまうため注意しましょう。 なお、暖房を使う際は外気導入ではなく、内気循環にしておくと温まった空気が車内を循環するためおすすめです。ただし、長時間内気循環にすると車内の二酸化炭素が増え、眠くなるケースもあります。30分に1回は、外気導入に切り替えて車内に酸素を取り入れましょう。 基本の燃費向上テクニックを使う ハイブリッド車に限らず、以下の基本の燃費向上テクニックを使うと、なるべく燃費を落とさずに走行できます。 ・急発進や急減速を避けて緩やかに運転する・不要な荷物を降ろして車を軽くする・適正な空気圧を保つ・エンジンオイルを適正に交換する 上記は地道な方法ではあるものの、確実に燃費向上につながるため、参考にしてみてください。 まとめ ハイブリッド車の暖房はガソリン車と異なり、暖機運転によりエンジンが作動するため燃費が落ちます。一定の条件が揃うと、強制的に暖機運転に切り替わるため、冬に燃費がある程度落ちることは仕方ありません。 ただし、エンジンが暖まってからエアコンを使ったり設定温度を下げたりすれば、燃費の低下を抑えられます。基本の燃費向上テクニックを使うことも、燃費低下を抑える方法の1つです。紹介した方法を実践し、冬のガソリン代を抑えましょう。
冬は車の燃費が悪くなる条件が多く揃っており、1年の中で2月が特に低下する傾向にあります。冬に燃費が悪くなる原因や対処法を知って、少しでもガソリン代を抑えたい方もいるでしょう。この記事では、冬に車の燃費が悪くなる原因や対処法を紹介します。 冬に車の燃費が悪くなる原因 財団法人省エネルギーセンターによると、春や秋が最も燃費がよく、寒冷地では夏との差が30%弱に達するほど燃費が悪くなるといわれています。 参考:財団法人省エネルギーセンター監修「Recoo会員燃費データの季節変動 まずは、冬に車の燃費が悪くなる原因を紹介します。 ガソリンの気化が不足する 気温の低下によりガソリンが気化しにくくなるため、冬は燃費が悪化します。気化とは、液体が沸騰により蒸発して気体になることです。気化しなくなるとエンジンからのパワーが伝わりにくくなり、車はガソリンの噴射量を増やすため、燃費が悪化します。 エンジンが温まるまでに時間がかかる エンジンには、適温になるまで回転数が上がる「アイドルアップ」という装置が搭載されています。冬はエンジンが冷えているため、早く温めようとアイドリングの回転数が上がり、ガソリンをより多く消費するため燃費が悪くなります。エンジンの回転数を示すタコメーターは、エンジンが温まった状態や夏の走り出しに比べて上がっています。冬と夏でどの程度違うのか確認してみましょう。 エンジンオイルがどろっとしている 気温が低い冬はエンジンオイルの粘度が高まるため、燃費が悪化します。エンジンオイルがどろっとしているとエンジンがスムーズに回転せず、ガソリンの噴射量が増えるため、燃費が悪化します。 空気密度の関係 冬は空気密度が高まることにより、酸素密度も上がるため燃費が悪化します。車の排気ガスの通り道である触媒には「02センサー」が搭載されており、酸素の濃度の検知が可能です。 02センサーは、排気ガスに含まれている酸素量をもとに、ガソリンの噴射量を調整します。酸素密度が上がったことにより、使いきれなかった酸素を燃やそうとガソリンの噴射量を増やすため、燃費の悪化につながります。 スタッドレスタイヤの装着 スタッドレスタイヤを装着することも、冬に燃費が悪化する原因の1つです。スタッドレスタイヤは、路面の食いつきをよくするためにノーマルタイヤより柔らかいゴムで作られています。タイヤのゴムが柔らかいと、ノーマルタイヤより接地面が多くなり転がり抵抗が増すため、燃費が悪化するという仕組みです。 また、スタッドレスタイヤは路面の食いつきを考慮し、ゴム部分が厚く製造されています。ゴム部分が厚いことによってタイヤが重くなることも、燃費が悪化する理由の1つです。 冬の車の燃費低下を抑える方法 冬の燃費低下はある程度仕方ないため、少しでも抑える方法はないか気になる方もいるでしょう。続いて、冬の車の燃費低下を抑える方法を紹介します。 エアコンの使用を最小限に抑える A/Cスイッチをオフにし、暖房だけを使えば冬の燃費低下を抑えられます。車の暖房は冷却水の熱を使用しており、ガソリンを消費するわけではないため、燃費への影響はありません。しかし、A/Cをオンにするとエアコンのコンプレッサーが作動するため、ガソリンを消費します。燃費低下を抑えたい場合は、A/Cスイッチをオフにした状態で走行しましょう。 ただし、車の暖房には除湿効果がなく、車内の温度が高くなりガラスが曇りやすい傾向にあります。フロントガラスが曇っている状態では、安全に関わるため燃費を気にせずA/Cをオンにして、車内を除湿しましょう。 オイル交換を適切に行う オイル交換を適切に行うと燃費効率が向上するため、冬の燃費低下を抑えられます。オイルの汚れや劣化は、エンジン内に不純物が溜まる原因であり、本来の性能を発揮できません。 また、オイル交換を適切に行うことは、劣化したオイルの循環を防ぎエンジンの調子が向上する効果もあるため、故障するリスクを軽減できます。オイル交換を適切に行い、燃費低下を抑えつつ、エンジンの調子も向上させましょう。 なお、燃費低下を抑えるには「低燃費オイル」も効果的です。低燃費オイルとは、経済性に優れているエンジンオイルの一種であり、5%程度の燃費向上が期待できます。ただし、大排気量のスポーツカーや輸入車などはエンジンが破損する可能性があるため、取扱説明書をしっかり読んでから使用しましょう。 タイヤの空気圧を適切に調整する タイヤの空気圧を適切に調節すると、冬の燃費低下を抑えられます。タイヤの空気圧が低い場合、路面への接地面が多くなり転がり抵抗が増えるため、ガソリンを多く消費してしまいます。タイヤが本来の性能を発揮できるよう、空気圧を適切に調整しましょう。 ただし、空気圧が高すぎるとタイヤの寿命を縮めてしまうほか、小さな衝撃でも破裂する恐れがあるため注意しましょう。また、タイヤの適正空気圧はタイヤのサイズによって異なります。運転席ドアを開けた際のセンターピラーや給油口に、適正空気圧が記載されたラベルが貼られているため、確認してみてください。 スタッドレスタイヤを装着する期間を短くする スタッドレスタイヤを装着する期間を短くすると、冬の燃費低下を抑えられます。スタッドレスタイヤは、凍結した道路で効果を発揮するものの、乾いた路面では燃費が低下するだけのため装着する期間を考慮しなければなりません。 また、12月までにスタッドレスタイヤへ履き替えるように推奨するディーラーや販売店もあります。特に、東北地方や北陸地方の場合は、11月頃には履き替えたほうがよいでしょう。一方、雪が頻繁に降らない太平洋側の地域は、12月後半〜1月頃に装着しても問題がないケースもあります。 雪が頻繁に降らない地域に住んでいる場合は天気予報をよく確認し、装着する期間を調整しましょう。装着期間を短くすることによりスタッドレスタイヤの摩耗を防げるため、経済的なメリットもあります。 まとめ 冬は気温が低いため、ガソリンが気化しにくくなったりエンジンが温まるまで時間がかかったりするなど、燃費が低下する条件が揃っています。冬の車の燃費低下を抑えるには、エアコンの使用を最小限に抑えて、オイル交換を適正に行う必要があります。 また、タイヤの空気圧を適正に調整し、スタッドレスタイヤの装着期間を短くすることも効果的な方法です。電気代や食品などのほかに、ガソリンも高騰しているため、少しでも燃費低下を抑えて車の維持費を節約しましょう。
愛車の故障により、まとまったお金が必要な方もいるでしょう。車の修理費用には、マイカーローンやフリーローンを利用することで分割で返済できます。ただし、ローンを利用するためには審査に通過する必要があります。この記事では、車の修理費用のローンの種類や利用する理由、審査に落ちた場合の対応方法などについて解説します。 車の修理費用に使えるローンとは 車の修理費用には、銀行で取り扱っているマイカーローンやフリーローンのほかに、カードローンも利用できます。 銀行のマイカーローンは、車の購入のみに用途が限定されているディーラーローンと異なり、修理費用や車検費用などでの利用も可能です。 ディーラーローンより金利が低いものの、審査が厳しい傾向にあります。また、審査結果が出るまでには時間がかかるため、すぐに利用を開始できないこともデメリットです。該当の金融機関で口座を開設していたり住宅ローンを契約していたりする場合は、金利が優遇されるケースもあるため窓口に確認するとよいでしょう。 また、事業目的以外であれば用途を問わない銀行のフリーローンも、車の修理費用に利用できます。申し込む際は修理の見積書が必要なため、まずはディーラーや整備工場に見積依頼をしましょう。金利はマイカーローンより高いものの、審査基準は比較的緩いため、審査に自信がない場合はフリーローンを検討してみてください。 また、カードローンやキャッシングも車の修理費用に利用できます。ただし、金利が高く結果的に支払う利息が多くなるため、最終手段とすることをおすすめします。 車の修理費用にローンを使う理由 車の修理費用にローンを利用する理由について、気になる方もいるでしょう。続いて、車の修理費用にローンを利用するよくある理由を紹介します。 手持ちの現金に余裕がない ローンを利用すれば修理費用を分割で返済できるため、手持ちの現金に余裕がない場合に役立ちます。たとえば、貯金や手持ちの現金に余裕がない状態で、10万円以上もする高額な修理費用を支払うのは難しい場合もあるでしょう。高額な支出によって経済的なリスクを受ける場合は、ローンの利用を検討してみてください。 直近でまとまった現金を使う予定がある ローンは、直近でまとまった現金を使う予定がある場合にも利用します。たとえば、家族の急な入院や冠婚葬祭が重なったケースなどです。直近でまとまった現金を使う予定がある場合は、ローンで車の修理費用を補填しましょう。 車の修理費用にローンを使うかどうかの判断のポイント 車の修理費用にローンを使うかどうかは、他社への借入や家計の状況などを考慮する必要があります。続いて、車の修理費用にローンを使うかどうかの判断のポイントを紹介します。 他にローンを組んでいるかどうか 車の修理費用にローンを使うかは、他社でも借入しているかどうかで判断しましょう。なぜなら、他社の返済額のほかに車の修理費用のローンも加わると、状況次第では返済が難しくなるためです。 たとえば、住宅ローンや奨学金などを支払っている場合は、修理費用にローンを使うかどうかよく考える必要があります。返済が滞ると信用情報機関に登録され、ほとんどのローンやクレジットカードの利用を制限されるため注意してください。なお、月々の返済額は月収の20%〜25%がよいとされています。 家計に余裕があるかどうか 車の修理費用にローンを利用するかどうかは、支出のバランスを見て判断しましょう。家計に余裕がない状態でローンを利用すると、月々の返済が苦しくなるおそれがあります。 また、月々の返済額に加えて車の維持費も考慮する必要があるため、現在の収入と支出のバランスを見極めなければなりません。家計は苦しいけれど、どうしてもローンを使いたい場合は、固定費を見直したり副業で収入を増やしたりすることを検討しましょう。 預金額が少ないかどうか 預金額が少ない場合は、車の修理にローンを利用してもよいでしょう。一括で支払って預金を使い果たしてしまうケースも珍しくありません。 また、預金額を使うと手元のまとまったお金がなくなるため、突発的な出費に対応できないケースもあります。預金額を考慮しつつ、今後の生活をイメージしてローンを使うかどうか検討してみてください。 車の修理費用にローンを使えないときの対応方法 車の修理費用にローンを利用できないときは、クレジットカードでの支払いやキャッシングを検討してみてください。クレジットカード払いやキャッシングができない場合は、修理せずに乗り続けるしかないでしょう。続いて、車の修理費用にローンを使えないときの対応方法を紹介します。 クレジットカード払いに対応している業者を選ぶ ローンを利用できない場合は、クレジットカード払いに対応している業者を選びましょう。クレジットカード払いは、支払い回数を設定できるため分割払いが可能です。 ただし、分割払いの手数料率は12.0%〜15.0%程度と高い傾向にあり、修理費用が10万円の場合は1万2,000円〜1万5,000円程度の手数料が発生します。分割手数料が発生することを踏まえたうえで、クレジットカードを利用しましょう。 キャッシングを検討する クレジットカード払いができない場合は、キャッシングを検討しましょう。ただし、クレジットカード払いの手数料率が12.0%〜15.0%であるのに対し、キャッシングの年利は15.0%〜18.0%程度です。余分な利息を支払う必要があることを踏まえたうえで、キャッシングしましょう。 また、キャッシングの中には金融事故を起こしていても、借入できる中小消費者金融もあります。金融事故とは、任意整理や自己破産といった債務整理や、61日以上の遅延などのことです。 中小消費者金融が独自に設けた審査基準をクリアする必要があるものの、金融事故を起こしていても修理費用を補填できる可能性があるため、検討してみてください。なお、中小消費者金融のなかには、出資法の上限金利を超える条件で貸付を行う悪徳業者もいるため、業者選びに注意する必要があります。 修理せずに乗り続ける クレジットカード払いやキャッシングが使えない場合は、修理せずに乗り続ける方法もあります。車の状態や年式によっては、修理してもすぐに不具合が出たり故障する確率が上がったりするため、今後も高額な修理費用がかかるケースもあるでしょう。 そのため、修理せずに乗り続けて自走不能になった際に乗り換えたほうが、経済的な場合もあります。また、クレジットカードやキャッシングの利息分を貯金しておけば、乗り換えの頭金に充てられるためローンも通りやすくなるでしょう。車の状態や年式を考慮して、修理するか乗り換えるかを検討してみてください。 車の修理費用を抑える方法 複数の業者から相見積もりを取ったり、中古パーツで修理したりすれば、車の修理費用を抑えられます。金額次第では、ローンを使う必要がなくなるケースもあるため参考にしてください。続いて、車の修理費用を抑える方法を紹介します。 相見積もりを取る 複数の修理業者から見積もりを取り、それぞれを比較して最も低価格で修理してくれる業者に依頼すると修理費用を抑えられます。 車の修理はディーラーのほかに、整備工場やカー用品店でも請け負っており、それぞれ料金設定が異なります。なかでも工賃の料金設定は幅が広いため、複数の修理業者の見積もりを比較しましょう。 中古パーツで修理する 中古パーツで車を修理すると、部品代が安く済むため修理費用を抑えられます。中古パーツとは、廃車する車や事故車から使用できる箇所を取り外し、安全性や機能性を確認したうえで再販されるパーツのことです。 洗浄や軽い研磨は行うものの、補修や整備などはされないため、新品パーツより安く仕入れることが可能です。見積もりを取る際は、中古パーツでの修理が可能かどうか、修理業者に聞いてみましょう。 ただし、業者によっては中古パーツでの修理を受け付けていないケースがあります。また、修理する箇所によっては純正品しか使用できないケースもあるため、業者とよく相談するとよいでしょう。 DIYで対応する DIYで対応すると工賃が発生しないため、修理費用を抑えられます。車の傷が浅い場合は、専用キットを使ってDIYで対応できるため、部品代と工賃の両方を抑えることが可能です。ただし、やり方次第では仕上がりが不自然になるケースもあるため、取扱説明書をしっかり読んだうえでDIYをしましょう。 専用キットを使うことに不安がある場合は、中古パーツを購入して自分で取り付ける方法もあります。たとえば、バンパーを修理したい場合、オークションで中古品を購入し自分で付け替えれば業者で発生する工賃を抑えられます。オークションで購入する際は、中古パーツと愛車の型式が一致しているかどうか、しっかり確認しましょう。 まとめ 車の修理費用には、銀行のマイカーローンやフリーローン、カードローンが使えます。修理費用を分割で返済できるため、手持ちの現金に余裕がないときや、直近でまとまった出費がある場合に使いましょう。 ただし、ローンを使うには審査に通過する必要があるため、必ず利用できるわけではありません。審査に通過しなかった場合は、クレジットカード払いに対応している業者を選んだり、修理費用を抑えて現金で支払ったりする方法もあります。 また、年式や車の状態によっては、修理せずに乗り換えたほうが長期的に見ると経済的です。修理が必要な車を売却して、乗り換える手段も検討しましょう。
「うるさい」「振動が大きい」といった、ネガティブな面ばかりが気になる3気筒エンジン。しかし、コンパクトカーに最適なエンジンとして、欧州車を中心に搭載車が増加しつつあります。 走りの上質さを求められる欧州車で、なぜ安っぽいイメージの3気筒エンジンが急増しているのかを紹介します。 省燃費時代に見直されつつある3気筒エンジン エンジンの効率がよく小型に設計できるものの、振動や音の大きさから普通車以上の車格ではあまり3気筒エンジンは採用されてきませんでした。実際国産車では、現在でも軽自動車が中心です。 しかし、欧州車では、徐々に3気筒エンジンが小型車を中心とした普通車で普及しています。3気筒エンジンの国内外の状況を改めて振り返ってみましょう。 国産車では軽自動車のイメージが先行 3気筒エンジンと聞いて、軽自動車用エンジンを真っ先にイメージする方も多いのではないでしょうか。実際、世界で初めて4ストローク直列3気筒エンジンを搭載したのは、1977年に発売された初代ダイハツ シャレードです。 そして、2023年11月現在販売されている軽自動車は、すべて3気筒エンジンです。初代シャレードでの採用をきっかけに、軽自動車のエンジンは主流だった4気筒エンジンから3気筒エンジンに置き換わっていきました。ちなみに、国内最後の4気筒エンジン搭載の軽自動車は、奇しくも3気筒エンジンの先駆者ダイハツの初代コペンでした。 一方で、国内メーカーの普通車では、3気筒エンジンはあまり普及していません。近年になって、トヨタ GRヤリスやスズキ スイフトなどの普通車で3気筒エンジンが採用されていますが、まだ大きな広がりにはなっていないようです。 欧州車で発生したダウンサイジングターボという流れ 環境性能を重視するヨーロッパを中心に、2010年頃より「ダウンサイジングターボ」に注目が集まりました。環境性能を満たしつつ、大排気量車に負けないパワーを目指して各社が開発を加速させます。 ダウンサイジングターボとは、小型エンジンの出力を補う目的でターボ化したエンジンのことです。出力を維持しつつエンジンを小排気量化できるため、環境性能と走行性能の両立を図れます。 車としての性能も求められる欧州車で、高い環境性能を実現する手段の1つとして、ダウンサイジングターボはBセグメント車を中心に多くの車種で広まっていきました。 3気筒エンジンのメリットとデメリット 3気筒エンジンには、小型車に最適な大きなメリットがあります。一方で、特有のデメリットがあったのも事実です。 そこで、3気筒エンジンのメリットデメリットと、欧州で普及した理由を詳しく紹介します。 小排気量エンジンで理想的な3気筒エンジン 3気筒というのは、実は小排気量エンジンでは理想的な気筒数です。まず、回転時の損失が4気筒エンジンに比べて少なくなります。気筒数が多いほどピストンとシリンダーの摩擦による損失、フリクションロスが増えるためです。損失が少なくなり、結果的に燃費や性能の向上が見込めます。 また、1気筒あたりの排気量が理想に近いことも、小型エンジンで3気筒が有利な点です。最も効率のよい1気筒あたりの排気量は、400〜600ccといわれています。例えば1,500ccエンジンの場合、4気筒だと1気筒あたり375ccと理想値の下限を切ってしまいますが、3気筒だと500ccという理想のど真ん中の数値です。 さらに、そもそも4気筒エンジンよりも1気筒少ないため、小型軽量に設計できます。車重が軽くなって燃費がよくなるうえ、運動性能の向上にもつながる点も3気筒エンジンのメリットです。 振動と音による安っぽさがデメリット 3気筒エンジンのデメリットは、振動と音が大きいことです。4気筒エンジンでは、2気筒がセットになって動くため、比較的音と振動を抑えられます。しかし、3気筒エンジンでは、着火した1気筒に対して残りのシリンダーはそれぞれ上昇途中、下降途中という別の動きをします。その際にエンジン全体をひねるような力が働いて、特有の振動が起こるのです。 エンジンが揺れるとトランスミッションや車体も少なからず振動するため、3気筒エンジン搭載車は不快な振動や音が大きくなってしまいます。 欧州車はデメリットを克服 欧州車は、環境性能への要求の高まりから3気筒エンジンの開発に取り組みました。一方で、上質な走りや高い走行性能も要求されるため、3気筒エンジンのデメリットの解消と高出力化も重要な課題でした。振動の抑制や直噴システムの制御など、さまざまな工夫を凝らして車の評価に厳しい欧州ユーザーを満足させる3気筒エンジンを生み出します。 ダウンサイジングターボの成功例の1つは、プジョー 308です。搭載される1.2Lピュアテックターボエンジンは、4年連続で1.0~1.4L部門のインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。1気筒あたり5つの噴射口を持つインジェクターによって燃焼の高効率化を図り、ターボとの組み合わせで最高出力は130psを発揮。一方で、3気筒エンジン特有の振動はほとんど感じないといいます。 3気筒エンジンの市民権は今後も拡大 日本でも徐々に広がりをみせている小型車への3気筒エンジンの搭載ですが、やはり欧州車のほうが一日の長があります。欧州の厳しい基準とユーザーの評価を満たすために開発されただけあって、省燃費性、出力、上質さを兼ね備えた3気筒エンジン車ばかりです。 プジョー308、フォルクスワーゲン ゴルフやポロなど、日本でも人気の車種に多数搭載されているため、3気筒エンジンという視点で欧州車を見比べてみるのも面白いかもしれません。
かわいらしいスタイリングと小気味の良い走りが魅力の、ミニ クーパー。1950年代終わりにイギリスで生まれたコンパクトカーは、半世紀以上経った現在でも多くの人に愛されています。 しかし、単にデザイン性だけを追求して生まれたわけではなく、ミニが開発された背景には大きな社会問題がありました。ミニの開発背景と、人気の「ミニクーパー」について呼称の由来も含めて詳しく紹介します。 41年間も製造されたイギリス生まれの名車ミニ ミニは、1959年に登場したBMC(ブリティッシュモーターカンパニー)の4人乗り小型車です。850ccエンジン搭載の小型車というスペックだけをみると、それほど特徴的とはいえません。しかし、当時のイギリスの経済状況を考えると、救世主ともいえる存在でした。 2000年の販売終了まで41年間もフルモデルチェンジをしないまま製造され続けた、ミニの開発背景と目的達成のための開発陣のこだわりを紹介します。 開発コンセプトが車名になった ミニの開発背景を知るために、まずは当時のイギリスを取り巻く経済状況を紐解いていきましょう。ミニが登場した1950年代後半は、スエズ動乱によって石油価格が高騰していました。イギリスの大衆は、排気量1,000cc前後の普通車の維持が困難になり、排気量200〜400ccほどのバブルカーと呼ばれる車が流行する事態に陥ります。 そこで、BMCの会長レナード・ロードは、「経済的な4人乗り小型車」の開発を指示しました。そこで、BMCの前身モーリス社時代に小型車の開発で成功した、イギリス人エンジニアのアレック・イシゴニスに白羽の矢を立てます。 イシゴニスは、エンジン下にギアボックスを組み込む2階建て構造「イシゴニス方式」を考案するなど斬新なアイディアを盛り込んで開発を進めました。そして、1959年にロードの要望を満たす、850ccの4人乗り小型車「ミニ」の誕生に至ります。 「ミニ」という車名の正確な由来は不明ですが、車輌の開発コンセプトと大衆の親しみやすさを考えるとぴったりの名前です。 BMC開発陣は高い技術力を発揮 4人乗りを実現しつつ経済的という条件を満たすには、小型化するしかありませんでした。そこで、BMC開発陣は、フロント横置きエンジンのFFレイアウトでキャビンの容積の確保と小型化を両立させます。小型車でFFというのは現在では当たり前の技術ですが、当時は4気筒エンジンを搭載する乗用車ではほとんど例がなく、実質世界初ともいえる挑戦でした。 結果的に、前後オーバーハングをギリギリまで切り詰めることに成功。わずか3mという全長ながら、4名乗車という要件を満たす小型車を誕生させました。 ミニの地位を不動のものにしたクーパー ミニは初代のMKⅠから販売終了まで、大枠のデザインを変えないまま製造され続けました。時代の流れとともに排気量の向上や各部の改良はありましたが、フルモデルチェンジをしないまま支持され続けたのはMKⅠの成功があったからこそです。 そして、MKⅠの人気を不動のものにしたのが、「クーパー」の存在でした。レースで結果を残して、ミニの実力の高さを証明したクーパーについて詳しく解説します。 車名と勘違いさせるほどミニを定着させた「クーパー」 「ミニクーパー」と呼ばれることの多いミニですが、「クーパー」は車名ではなく実はグレード名です。クーパーカーカンパニーというレーシングカーを手掛ける企業が、サルーンカーレースでの勝利を目指してミニ MKⅠをチューニングベースとして選んだことに由来します。 クーパーカンパニーの製作したミニは、1962年にレーシングカーのベースモデルとして「ミニ クーパー」の名称で販売をスタート。排気量を848ccから997ccに向上、さらにブレーキの強化といったチューニングを施されていました。 クーパーSでラリー界を席巻 ミニ クーパー発売の翌年には排気量を1,071ccまでアップさせた「クーパーS」を発売。さらに、1,275ccまで排気量を上げた高性能モデル「1275クーパーS」に発展させます。 ミニの武器は、車重の軽さに由来する優秀なパワーウェイトレシオときびきびとしたハンドリングでした。排気量を向上させても、絶対的なエンジン出力はライバル車に及びませんでしたが、モンテカルロラリーで1964年、1965年、1967年の3度もの総合優勝を果たしミニ クーパーの名前を世界に知らしめます。 たとえば、1967年にラウノ・アルトーネンがミニ・クーパー Sで優勝した際は、2位ランチア・フルビア HF、3位ポルシェ 911 Sを抑えて勝利しました。ミニよりも高出力を誇るマシンを倒しての優勝は、ミニの車としての高い性能と信頼性を証明。その後の40年以上にわたる世界的な人気につながったといえるでしょう。 せっかく乗るならオリジナルのミニ クーパー ミニは、2001年にBMWから新モデルも発売されています。しかし、MKⅠの系譜を継ぐ、オリジナルモデルの魅力は衰えていません。特に走行性能の高いクーパーSは、ミニ愛好家の支持を今も集めています。 一方で、最終型のMKⅩでも販売終了から20年以上経過し、MKⅠに至っては発売から60年以上が経っています。いかにラリーで耐久性を示したミニといえど、経年劣化による性能の低下は否めません。また、壊れやすいといわれるATやオイル漏れといったミニ特有の持病もあるので、取扱いには注意が必要です。 ミニを購入や売却する際は、古いクルマへの知識と知見が豊富な専門業者に相談しましょう。 ※経過年数は2023年11月執筆当時
三菱 ランサーのスポーツモデル・ランサーエボリューションは、“ランエボ”の愛称でファンから絶大な支持を集めました。1992年の初代登場から2016年の最終型まで実に24年間に渡って続いたランエボの歴史の中で、最強との呼び声が高いのが第3世代である2000年代に登場した3つのモデルです。 熟成と進化の結果生み出され、現在でも高い人気を誇るランエボVII・VIII・IXの3モデルの違いを詳しくお伝えします。 2000年代に登場した第3世代ランエボ 第3世代ランエボはベースであるランサーのモデルチェンジに伴って、2001年に登場しました。 新開発のボディや各種装備など、大幅なポテンシャルアップを果たした第3世代ランエボについて詳しく紹介します。 ベースとなったのはランサーセディア 第3世代ランエボのベース車両は、6代目ランサーとして2000年に発売された“ランサーセディア”です。先代ランサーから大型化された新開発のボディには、スポット溶接の追加や取付部の補強に加え、専用レインフォースメントまで装備され、剛性面で圧倒的な進化を遂げます。 また、HIDヘッドライトやアクティブ・センター・ディファレンシャル(ACD)という先進装備の採用も積極的に行われました。特にACDは、各種センサーから読み取った「車両の旋回状況」に合わせて前後輪の差動制御を電子的に実施するという、運動性能向上につながる画期的な装備です。 4G63エンジン搭載最後のモデル 第3世代ランエボは、三菱の名機の一つである4G63型エンジンを搭載する最後のシリーズになりました。 2.0L直列4気筒ターボの4G63型エンジンはすでに完成の域に達しつつありましたが、第3世代ランエボでさらなる熟成を重ねます。最高出力こそ先代と同様の280psだったものの、モデルを追うごとにトルクの向上が図られました。最大トルクは、ランエボVIIで先代から1.0kg・m増の39.0kg・m、VIIIで40.0kg・m、最終モデルのIXでは41.5kg・mにも達します。 エンジンのもつポテンシャルが限界まで高められていることは、第3世代ランエボが最強と呼ばれる理由の一つです。 ランエボ史上“初”のバリエーションが加えられた 幅広いユーザー層を取り込むため、第3世代ランエボには史上初のバリエーションが2つラインナップに追加されました。 一つは、ランエボVIIに追加された初のAT採用モデルです。INVECS-IIと呼ばれるスポーツモード搭載の5速ATが搭載されました。エンジンの出力こそ272psに抑えられていたものの、最大トルクの発生をMTモデルよりも500rpm低い3,000rpmに設定。低中回転域のトルクを重視した扱いやすい特性に仕上げられていました。 もう一つが、ランエボIX発売後に投入された初のワゴン仕様車です。ランエボIXをベースに、ランサーワゴンの設計を流用して開発されました。エンジンを始め多くの仕様はランエボIXを踏襲しており、ステーションワゴンながら高い性能を発揮。ワゴン化によって低下した剛性もスポット溶接の追加で補っており、280psを発生する4G63型エンジンのパワーを十分にいかせるモデルでした。 ランエボVII・VIII・IXの違い 第3世代ランエボは、すべて同型のランサーセディア(2003年以降の名称は「ランサー」)をベース車両として開発されています。また、4G63型エンジンを採用している点も共通です。 しかし、それぞれのモデルを改めて比較してみると、実はいくつかの違いがあります。ここからは第3世代ランエボのモデルごとの違いについてチェックしていきましょう。 2度の大きな方向転換をしたグリル形状 第3世代ランエボの外観上の違いでもっとも特徴的なポイントはグリル形状です。ランエボVIIのグリルは、比較的スタンダードな長方形に近い形状を採用していました。しかし、ランエボVIIIでは大きなデザイン変更が施されます。 三菱が新しく迎えたデザイナー、オリビエ・ブーレイが三菱車共通のアイデンティティとして提唱した、通称“ブーレイ顔”と呼ばれる富士山のような意匠を中央に配置したデザインに変更。しかし、ブーレイ顔への変更は、冷却性能の低下や空気抵抗の増大を招くなど発売当時大きな不評を買いました。 ランエボIXでは、不評だった“ブーレイ顔”を廃止。再びコンサバティブなグリルデザインに変更されます。ただし、下部に丸みをもたせるなど現代的でシャープな印象のグリルになりました。 性能はモデルごとに着実に進化 ランエボVIIからVIIIへの変更で大きく変わったポイントは、不評だったグリルだけではありません。トランスミッションがシリーズ史上初めて6速化され、向上したトルクを最大限いかせるようになりました。 ランエボIXでは、性能面でさらなる進化を遂げました。型式こそ4G63型と、同型エンジンですが、ランエボとしては初めて、三菱の連続可変バルブタイミング機構である“MIVEC”を搭載したエンジンを採用します。さらに、ターボについても性能向上が図られました。コンプレッサーハウジングの見直しやコンプレッサーホイールの素材をマグネシウム合金に変更。最大トルクをランエボVIIIから1.5kg・mも向上させ41.5kg・mとしたうえ、発生回転数も500rpm低い3,000rpmまで下げました。 高騰する第3世代ランエボ クルマとしての基本性能が高められ正統進化を遂げた第3世代ランエボは、三菱の名機4G63型エンジンが搭載された最後のモデルということもあり、現在でも高い人気を集めています。 大手中古車サイトで確認したところ、状態によって価格にばらつきはあるものの、全体的に高騰している様子でした。高値の車両でみると、2001年式のランエボVIIで498万円、2003年式のVIIIだと958万円、2006年式のIXも950万円もの価格がつけられていました。 また、旧車王でもランエボIX MRを350万円で買い取った実績があるほか、買取価格の上限は、ランエボVIIが250万円、VIIIが380万円、IXでは500万円にものぼります。 最強のランエボを手に入れたい方は、ぜひ早めに探してみてください。手元にあるランエボを手放したい方は、価格が高騰している今がチャンスです。 ※価格は2023年2月執筆時
夏を迎えて、いざエアコンを使おうと思ったら涼しい風がまったくでてこない……という経験をされた方も多いのではないでしょうか。真夏にクルマでエアコンが使えないと、修理工場まで持ち込むのも大変です。カーエアコンは、冬が終わった春先に一度チェックしておきましょう。 今回は、エアコントラブルの主な原因の一つである“ガス漏れ”を中心に原因や対処方法を詳しく解説します。また、旧車で起こりがちな故障原因も紹介するので、エアコンの不調を感じたらぜひ参考にしてください。 カーエアコンは早期点検が重要 カーエアコンの故障は、できるだけ早く原因を突き止めて修理をすることが重要で、冬場を超えた春先での点検をおすすめします。 ここからは、寒い時期を過ぎた後での点検が良いとされる理由とガス漏れによる影響について紹介します。 カーエアコンを春先に点検したほうがいい理由 カーエアコンを点検する時期として春先をおすすめする理由は、単純に故障に気がつくのが春以降になりやすいためです。冬場の車内暖房は、エンジンで温められた冷却水の熱を利用します。エアコンのスイッチを入れなくても十分にクルマの中が暖かくなるのです。そのため、エアコンが故障してもなかなか気がつきません。 そしてもう1つの理由が、長期間使用しない点と寒さによる悪影響です。動かさないことによってコンプレッサーが固着したり、温度変化によってパッキン類の劣化してしまう事例も少なくありません。 カーエアコンが効かなくなる主な原因はガス漏れ カーエアコンが効かなくなる主な原因は、漏れによるガス(冷媒)不足です。エアコンは、圧縮したガスが気化する際に空気中の熱を奪うことで冷却します。しかし、ガスが不足すると気化する量が減少し、十分に圧縮できません。 ガス漏れしやすい箇所は、コンプレッサー、コンデンサー、配管の継ぎ目です。コンプレッサーは稼働時に大きな力がかかるため、軸受や本体の歪みによってガスが漏れやすくなります。コンデンサーは、熱を持ったエアコンガスを冷却するラジエーターのような形状の部品です。フロントバンパーの裏側にあるため、走行中に小石などがぶつかると破損してしまいます。 ガス漏れはコンプレッサーのダメージにつながることもある カーエアコンのガス漏れは、コンプレッサー本体のダメージにつながる場合もあるので注意しましょう。コンプレッサーが故障してしまうと、部品を丸ごと交換しなければならない場合も多く、修理費用が高額になってしまいます。 ガス漏れがコンプレッサーの破損につながる理由は、ガスと同時にオイルも漏れてしまうためです。カーエアコンの配管内は、コンプレッサーやシール剤やパッキンを保護するオイルもガスと一緒に循環しています。高負荷のかかるコンプレッサーにとって、潤滑と冷却を行うオイルは欠かせません。オイルが不足すると、最悪の場合コンプレッサーが焼き付いて使用できなくなってしまいます。 ただし、コンプレッサーには保護機能も備わっています。ガスを補充しても圧力が上がらないほどの大きな破損であれば、保護機能によってコンプレッサー自体が動作しません。 注意が必要なのは、軽微な漏れの場合です。ガスを補充すればエアコンの効きは改善されるため、漏れの修理はおこなわずガスだけを繰り返し補充しがちです。しかし、ガス漏れの箇所からオイルも漏れ続けているため、オイル不足になる恐れがあります。 旧車のエアコンで起こりがちな故障原因 カーエアコンの故障原因について紹介しました。乗っているクルマが旧車の場合は劣化の進みがよりはやいでしょう。ここからは旧車のエアコンが故障した際に、確認したほうがいいポイントを紹介します。 電磁クラッチの不具合 旧車のエアコンが故障する原因の一つが、電磁クラッチの不具合です。カーエアコンは、スイッチが入るとエンジンで回転するプーリーとコンプレッサーの回転軸が磁力で圧着し、力が伝わる仕組みになっています。電磁クラッチが正しく動作しないと、コンプレッサーで冷媒を圧縮できません。 長年使用し続けると、摩耗によって電磁クラッチとプーリーのすき間が広くなってしまい、磁力に引き寄せられなくなってしまいます。また、万が一圧着面にサビが発生すると十分な圧着力を維持できないでしょう。 電磁クラッチに不具合が起こった場合は、基本的にはコンプレッサーを交換する必要があります。ただし、クリアランスの調整やサビを落とすことでそのまま使える場合もあるので、修理工場に相談してみましょう。 エバポレーター内の漏れ 旧車でエアコンが故障した際に見落とされがちなのが、エバポレーター内のガス漏れです。エバポレーターは車内側にある熱交換器のため、小石や砂利などといった外部の影響による漏れはあまり発生しません。 しかし、長年使用した旧車では、配管の継ぎ目に使用されるゴムパッキンの劣化が進んでいます。また、可能性はあまり高くありませんが、クルマの保管状態によっては金属が腐食して、熱交換器本体が破損していることもあるので慎重に確認しましょう。 修理工場で適切な検査と修理をおこなう カーエアコンの主な故障原因である“ガス漏れ”は、目視ではなかなかわかりません。また、エアコンの効きが悪いからといって、安易にエアコンガスの補充だけを行ってもオイル不足につながる恐れがあり危険です。 ガス漏れの修理方法として、最近注目されているのが“漏れどめ”です。ガスが漏れている場合は基本的に部品交換しなければならず、修理費用が高くなってしまいます。しかし、漏れどめを使用すれば、エアコンガスの補充を含めても2〜3万円程度で修理できます。大きな破損には対応できないかもしれませんが、エアコン修理の選択肢の一つとして検討してみてください。 エアコンの不調を感じたら専門の工場で検査をおこない、必要に応じて修理をしてもらいましょう。