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旧車の売買と鑑定市場

95プラドのリセールバリューはどのくらい?売却時のポイントやコツなどもあわせて解説
旧車の売買と鑑定市場 2023.01.10

95プラドのリセールバリューはどのくらい?売却時のポイントやコツなどもあわせて解説

95プラドは、トヨタの人気SUVであるランドクルーザープラドの2代目モデルです。国内外を問わず中古車市場で人気があります。今回は、95プラドのリセールバリューの相場や高く売るためのコツ、ポイントなどについて解説します。95プラドの売却を検討している方は参考にしてみてください。 95プラドのリセールバリューの相場 95プラドのリセールバリューは、約90万円~370万円と幅広い価格帯で推移しています。リセールバリューに幅があるのは、外装や内装、走行距離や年式など車両の状態が異なるためです。 また、95プラドはカスタマイズのベース車両として人気があります。さらに、国内外問わず需要があるため、リセールバリューが高い傾向となっています。 95プラドを少しでも高く売りたいのであれば、外装、内装、エンジン、足まわりなど車両の状態を良い状態に維持しておくことがポイントといえるでしょう。 95プラドのリセールバリューが決まるポイント 95プラドのリセールバリューは、車両の状態やカスタマイズの有無・内容などによって決まります。ここからは、95プラドのリセールバリューが決まる主なポイントを紹介します。 外装や内装の状態 外装や内装の状態は、リセールバリューを決める重要なポイントです。 外装のキズ・へこみ・塗装の剥がれ、シートの穴あきや擦りきれなどがあると査定時にマイナス評価になってしまいます。そのため、定期的に洗車や車内清掃をして、きれいな状態を維持しておきましょう。 エンジンや足まわりなどのコンディション エンジンやトランスミッション、サスペンションや下まわりのコンディションを整えておくとリセールバリューが高くなりやすいです。そのため、定期的な点検や消耗部品の交換は欠かさずに実施しましょう。 また、下まわりや足まわりが錆びたり劣化したりすると、査定時にマイナス評価となります。リセールバリューを良くするためにも車両のコンディションは整えておきましょう。 カスタマイズの有無・内容 3ドア車に標準装備されている丸型のヘッドライトが装備されていたり、オーバーフェンダーが装着されたりするなど、カスタマイズされている95プラドはリセールバリューが高い傾向が見られます。 また、ボディを再塗装または新たにオールペイントしても、きれいな状態であればリセールバリューが高くなるため、カスタマイズしたときはそのままの状態で査定に出すことをおすすめします。 95プラドを高く売却する方法 ここからは、95プラドを高く売るためのポイントを解説します。 95プラドを正しく評価できる業者を選ぶ 95プラドは生産が終了してから時間が経過しているモデルです。そのため、95プラドを正しく評価できる業者を選んで売却することが高く売るためのポイントとなります。 95プラドを売却するときは、ランドクルーザーやプラドを専門とする業者だけでなく、旧車の買取に特化している業者やカスタマイズ車両の査定も得意としている業者にも査定申し込みをして評価してもらうとよいでしょう。 こまめにメンテナンスする 95プラドは、SUVらしい悪路走破性能と乗用車らしい乗り心地を両立していることが特徴です。 そのため、こまめなメンテナンスで不具合やトラブルを予防・修理し、95プラドの魅力が損なわれないようにする必要があります。洗車や車内清掃だけでなく、エンジンオイルの交換や消耗品の交換などもしっかりと行っておきましょう。 そもそも95プラドの魅力とは 95プラドは、1996年にデビューした2代目ランドクルーザープラドの5ドアモデルです。存在感のあるワイド&ローのスタイリングが特徴で、標準ボディとワイドボディの2タイプがあります。エンジンは、V6ガソリンエンジンと直列4気筒ディーゼルターボエンジンの2種類。トランスミッションは4速ATまたは5速MTで、駆動方式はフルタイム4WDです。また、オンロード/オフロード問わず優れた操縦性・走行安定性・快適な乗り心地を実現しています。 5ドアの95プラドは、角型のヘッドライトや横長のフロントグリルが標準装備されるタイプです。この標準タイプも人気がありますが、3ドア車に標準装備される丸型ヘッドライトや四角いヘッドライト&カラーレンズのウインカーが装備されたカスタマイズ仕様も中古車市場で人気となっています。 このように、3ドアモデルに装備されるヘッドライトに変えたり、カスタマイズできたりすることが95プラドの魅力です。

衝撃!中東で70系ランドクルーザーが新車で販売されている!?
旧車の売買と鑑定市場 2023.01.04

衝撃!中東で70系ランドクルーザーが新車で販売されている!?

ランドクルーザーといえば、日本が世界に誇るトヨタのクロスカントリーモデルだ。 1951年の初期モデルの販売から現在に至るまで、約70年もの間、愛され続けているキング・オブ・SUVである。 なかでも1984年に発売開始された40系の後継モデルである70系ランドクルーザーは、2004年に日本国内での発売が終了となった。 しかし、復活を望むファンの強い要望に応え、2014年から1年ほど「30周年記念モデル」として発売された。 今回は世界でもいまだに根強い人気を誇っている70系ランドクルーザーについて解説していく。 ■ランドクルーザーの歴史 ランドクルーザーの初期モデルの誕生は1951年、米軍と警察予備隊(現在の自衛隊)からの要請により軍用車両として開発され、当時は「トヨタ・ジープBJ」という名で誕生した。 「BJ」の由来は、水冷直列6気筒B型エンジンとJ型シャーシを採用したことからこの名が付けられた。 結果的に軍用車としては三菱ジープが採用されたものの、トヨタジープは富士山の6合目まで登頂に成功し、警察のパトロールカーとして採用されることになった。 しかしジープという名はアメリカのウィリス・オーバーランド社に商標登録されたため1954年に「ランドクルーザー」へと改名し、現在のランクルという愛称で親しまれるようになった。 ■ランドクルーザーのもっとも売れたモデルは? ランドクルーザーシリーズ全モデルの世界累計販売台数(トヨタ調べ)は、2019年8月に1,000万台を超え、現在では世界170ヵ国で年間約40万台が販売されている。 1955年の20系ランドクルーザーの発売以降、本格的に海外輸出を開始した。 当初年間100台にも見たなかった輸出台数は10年後の1965年には年間1万台を超え、1960年に発売された3代目ランクル、通称40系は北米で記録的な大ヒットとなった。 当時アメリカでもっとも売れたクルマがこの40系ランクルである。 1960年〜1984年と、24年間も生産され続けた。 その結果、世界販売台数は100万台を突破するほどの超ロングセラーかつ大ヒットモデルである。 しかし、日本国内で断トツで売れたモデルはデビュー11年目を迎えたランドクルーザープラドだ。 日本で販売されているランドクルーザーのうち、9割近くがランドクルーザープラドという驚異的な人気を誇っている。 ■ランドクルーザーが世界中で愛される理由とは? ランドクルーザーは開発思想である「信頼性、耐久性、悪路走破性」を最重要視し、お客様のニーズに応えるクルマづくりを一貫して守り続けた。 これはトヨタQDR:Quality(品質)、Durability(耐久性)、Reliability(信頼性)の象徴であると同時に、「世のため、人のため」というトヨタのクルマづくりの原点でもある。 仕事、生活を営むための心強い相棒として「人の命や物を運び、移動の夢を叶えるクルマ」であり「行きたいときに行きたいところに行って、必ず帰って来られるクルマ」、それがランドクルーザーである。 アフリカのブルンジではマラリアに罹った子供を病院に移送したり、ウガンダの難民キャンプでは診療所に患者を運んだり・・・。 さらには人道支援の面でも活躍し、オーストラリアでは亜鉛、銅鉱山の地1,600メートルの坑内の移動車として、また兵庫県とほぼ同じ広さを持つ広大な牛放牧牧場で牛の追い込みに使われるクルマも存在する。 中米コスタリカでは、標高3,500メートルの人が立つのもやっとという急斜面でニンジンの収穫の足として活躍し「畑まで入っていけるのはランドクルーザーだから」と信頼を寄せていただいている地域もある。 ランドクルーザーがないと生活が成り立たない場所が地球上にはまだまだたくさん存在している。 その信頼性と耐久性の高さから現在に至るまで世界中で愛され続ける唯一無二の存在となった。 ■まとめ:中東でランドクルーザーに求められる役割とは? ランドクルーザーは特に中東、オーストラリア、アフリカで絶大な人気を誇っており、現在も70系ランクルやFJクルーザーが新車で販売されている。 これは生活で必要なためであり、日本での自家用車とは違い、主に商用車として活躍しているそうだ。 1951年の初期モデル誕生から70周年を迎えた2021年、フラッグシップモデルのランドクルーザー(ランクル300)はフルモデルチェンジし大きな話題を呼んだ。 現在、新型ランクルの納期は4年待ちとまでいわれており、注文を一時停止するほどに世界各国から注文が殺到しているようだ。 常に進化を続けるトヨタのランドクルーザーはこれからも世界中で活躍し続け、人々の助けとなり、生活必需品として、また相棒として愛され続けるであろう。 まさに「キング・オブ・SUV」の名に相応しいクルマである。 [ライター/高岡ケン]

伝説のスポーツカーがEVとなって復活!トミーカイラZZ EVの魅力とは
旧車の売買と鑑定市場 2022.12.28

伝説のスポーツカーがEVとなって復活!トミーカイラZZ EVの魅力とは

伝説の2シーターオープンスポーツカーであるトミーカイラZZを、ピュアEVとして復活させたトミーカイラZZ EV。99台しか生産されず、まさに幻のスポーツカーと言える存在です。旧車王では2022年11月に350万円という高価格で買取っています。今回は、そんな超希少な国産ピュアEVオープンスポーツカーのトミーカイラZZ EVの登場した経緯と特徴を紹介します。 トミーカイラZZ EVとは トミーカイラZZ EVはエンジンを持たないピュアEVで、2015年10月から99台限定で販売されました。ここでは前身となったガソリンエンジンのトミーカイラZZを振り返りながら、誕生の経緯を紹介します。 前身となったトミーカイラZZ 前身となったトミーカイラZZは、京都の小さな自動車メーカー「トミタ夢工房」から1997年に発売されました。創業者であり開発者の富田義一さんと解良喜久雄さんは「二人の爺さん(爺爺)(ZZ)が開発したからZZと名付けた」と語っており、2人の夢と遊び心が詰まったスポーツカーであることが分かります。 シャーシにはアルミモノコック、ボディはFRPで作られており、エンジンは日産製SR20DEが搭載されています。エンジン出力は185psと目を見張るほどの数値ではありませんが、車重は690~740kgと超軽量なため、まさにレーシングカーと呼ぶにふさわしい車でした。 トミーカイラZZはイギリスで生産されており、輸入車の衝突安全基準が改正された関係で1999年に生産終了。その生産台数は、206台(海外を含めると220台)にとどまっています。 トミーカイラのブランドを受け継ぐGLM そんな幻のスポーツカー、トミーカイラZZをEVとして復活させたのは、京都大学発の次世代車開発ベンチャーとしてスタートしたGLM株式会社です。 新型車を検討する際、トミーカイラの創始者である富田義一氏と出会い、ZZ EVの開発が開始されることとなります。 新型車の開発初期、当時GLMの代表だった小間裕康氏は、トミーカイラZZが同じ京都で開発・発売された車だということを知ります。 「とにかく、とんがったクルマを世に送り出したかった」という小間氏は「トミーカイラ創業者の冨田義一氏にZZのEVを作りたい」と直訴。富田義一氏は快く依頼を受け入れ、ピュアEVスポーツカーの開発が開始されました。 実際の開発に際しては、元祖トミーカイラZZの販売当時とは安全基準が変わっていたため、モノコックをイチカから作り直し、フロント周りの意匠が大きく変更されています。 EVらしさをダイレクトに感じられるソリッドなスポーツカー トミーカイラZZ EVはスパルタンで伝統的なスポーツカーらしさと、EVらしさ兼ね備えたスポーツカーです。ここでは、そんなトミーカイラZZ EVの特徴と魅力を詳しく紹介します。 航続距離はわずか120km!?実用性皆無のレーシングモデル トミーカイラZZ EVに乗り込むと、見慣れたナビはおろかオーディオやエアコンスイッチすら見当たりません。リクライニング機能のないバケットシートは最大限まで低く設定され、ヒップポイント280mmです。 そこはまさにレーシングカーの世界そのもので、スタートはEVらしく無音ですが、その未来感とは裏腹にパワステやブレーキブースターは装備されていません。ブレーキは初期制動が弱いためガツンと踏み込まなければならず、慣れるまでは注意が必要です。 ルーフもサイドウインドウも装備されておらず、ドアは内側からしか開けられません。航続距離も120kmと短く、長距離移動はおろか近距離のドライブでも心もとないレベルです。まさに実用性は皆無ですが、この車の魅力は、その不便さをも超えて余りあまる走りの楽しさにあります。 超軽量ボディにハイパワーモーター 実用性を犠牲にしてまで手に入れたのは、スポーツカーとして他に類を見ないモーター+軽量ボディというパッケージングです。 トミーカイラZZ EVの車両重量は850kgしかなく、組み合わされるモーターの最高出力は305ps、最大トルクは42.3㎏・m。軽自動車よりも軽い車体に、高性能な2Lターボを上回る出力を備えていると考えれば、トミーカイラZZ EVがいかに俊足かは容易に想像できるでしょう。スタートから時速100kmに到達するまでの時間は、わずか3.9秒です。 もちろん、トラクションコントロールやABSは装備されておらず、そのパフォーマンスを引き出せるかどうかは全てドライバーにかかっています。「レーシングカーを公道で操る」これこそ、トミーカイラZZ EVの持つ魅力です。 トミーカイラZZ EVの中古車市場 トミーカイラZZ EVの販売台数は、先祖であるトミーカイラZZを下回る99台で、中古車としては極めて希少な車種と言えます。大大手中古車販売サイトを確認したところ、原稿執筆時の2022年12月現在、わずか1台のみですが、690万円で販売されていました。 実用性がほとんどなく趣味性が極めて高いため、誰しもが飛びつく車種ではないのかもしれません。 まとめ テスラやポルシェなど、今ではEV+スポーツカーの組み合わせはそれほど珍しい存在ではありません。しかし、トミーカイラZZ EVが発売された2015年は、まだまだ一般的ではありませんでした。 そんな時代に発売されたトミーカイラZZ EVは、先祖であるトミーカイラZZに込められた「夢」と、現代の最先端技術である「EV」を組み合わせた日本のモノづくり精神を象徴する唯一無二の存在です。

プラド120系のリセールバリューは高い!より高く売却する方法についても解説
旧車の売買と鑑定市場 2022.12.27

プラド120系のリセールバリューは高い!より高く売却する方法についても解説

プラド120系の売却を検討するにあたり、どのくらいの価格で買い取ってもらえるのか気になっている方は多いでしょう。オフロードはもちろん、オンロードでも高い走行性能を発揮するプラド120系は、発売から20年以上経過した今でもなお、中古車市場で高い人気を誇っています。 そこで今回は、プラド120系のリセールバリューと買取相場、高値がつきやすいプラド120系の特徴、より高く売却する方法について解説します。 【グレード別】プラド120系のリセールバリュー・買取相場 プラド120系のリセールバリューと買取相場をグレード別に紹介します。 ※2024年8月時点の情報です。 TX 2.7L ガソリンモデル 〜160万円3.0L ディーゼルモデル 〜120万円3.4L ガソリンモデル 〜120万円4.0L ガソリンモデル 〜130万円 TXリミテッド 2.7L ガソリンモデル 〜160万円3.0L ディーゼルモデル 〜120万円3.4L ガソリンモデル 〜120万円4.0L ガソリンモデル 〜130万円 TZ 3.0L ディーゼルモデル 〜100万円3.4L ガソリンモデル 〜130万円4.0L ガソリンモデル 〜120万円 TZ Gセレクション 3.4L ガソリンモデル 〜130万円4.0L ガソリンモデル 〜120万円 プラド120系は新車価格が300万~400万円だったため、残価率は30〜50%程度です。一般的には3年落ちで残価率50~60%といわれるため、20年以上前に発売されたモデルと考えるとリセールバリューは十分に高いといえるでしょう。 高値がつきやすいプラド120系の特徴 プラド120系のリセールバリューと買取相場を紹介しましたが、どのような特徴をもつモデルが特に高く売却できるのでしょうか。ここでは、高値がつきやすいモデルについて解説します。 後期型のガソリンモデル プラド 120系は、途中でガソリンエンジンがリニューアルされています。V6 3.4L 5VZ-FE型がV6 4.0L 1GR-FE型へ、直4 2.7L 3RZ-FE型が直4 2.7L 2TR-FE型へと後期型で変更されました。 特に2.7Lモデルは、同排気量ながらもフィーリングや動力性能が大幅に向上しているため人気が高いです。 走行距離が10万km以下 プラド120系は長距離の移動に用いられることが多いクルマです。20万~30万km走っているケースが珍しくないなかで、走行距離10万km以下の個体は希少価値が高いといえます。もし2万kmを切るほど走行距離が短いのであればさらに高く評価され、相場以上の価格がつく可能性があります。 プラド120系を高く売却する方法 高値がつきやすいモデルの特徴を紹介しましたが、自身が所有するプラド120系をより高く売る方法を知りたい方も多いでしょう。ここでは、プラド120系を高く売却するためのポイントについて解説します。 プラド120系を正しく評価できる買取業者に依頼する プラド120系を売却するときは、その価値を正しく評価できる買取業者を選びましょう。プラド120系について理解していない買取業者に査定を依頼すると、誤った評価をもとに価格を提示されてしまう可能性があります。 プラド120系は20年以上前に発売された高性能なクロカン4WDです。古い4WDの取扱い実績が多い業者に依頼すると、適正な価格で買取してもらえるでしょう。 こまめにメンテナンスする プラド120系は、長距離移動に使われることが多いクルマです。耐久性の高い車体ではあるものの、エンジンオイルや消耗品などの交換は推奨時期ごとにしっかりと行うことが重要といえます。 また、ディーゼルエンジンの場合はカーボンが堆積しやすいという特徴があるため、なるべくグレードの高いエンジンオイルを使いましょう。

【専門家監修】高齢者におすすめのクルマ10選!選び方や注目の安全装置も紹介
旧車の売買と鑑定市場 2022.12.27

【専門家監修】高齢者におすすめのクルマ10選!選び方や注目の安全装置も紹介

高齢者におすすめの車とは、どのようなモデルなのでしょうか。今回は、高齢者におすすめの車の条件や車選びのポイント、おすすめ車種を紹介します。高齢ドライバーが車を選ぶときや家族に運転をする高齢者がいるときの参考にしてみてください。 ----------------------------------------- 【監修者プロフィール】松村 透 株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。 ----------------------------------------- 高齢者向けのクルマを選ぶ5つのポイント まず、高齢ドライバーにおすすめの車の条件や車選びのコツについて紹介します。 安全装備が充実している 安全装備が充実している車を選びましょう。 近年では、誤発進抑制機能や衝突被害軽減ブレーキなどの運転支援システムが装備されているクルマが多くあります。高齢ドライバーには、このようなサポートシステムが充実している車がおすすめです。 また、警察庁が公開している「サポートカー限定免許について(令和4年5月13日以降)」によると、後付けではない「衝突被害軽減ブレーキ(対車輌・対歩行者)」と「ペダル踏み間違い時加速抑制装置(AT車)」が搭載されているクルマが「サポカー限定免許」の対象となります。サポカー限定免許とは、免許を受けている方の申請により、運転できる自動車の範囲をサポートカー限定にした条件付き免許のことです。 そのため、高齢ドライバーは、万が一のときに手助けをしてくれる運転支援システムや緊急時のサポート機能が充実している車を選んだほうが良いでしょう。 セーフティー・サポートカー 「セーフティ・サポートカー」は、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)をはじめとする、先進の安全技術を装備したクルマです。2017年に名称が決まった「セーフティ・サポートカー」は、通称「サポカー」と呼ばれ、経済産業省や国土交通省などが中心となって普及を推進しています。この機構は高齢者はもちろんのこと、全ドライバーに推奨する装備であり、採用するクルマが増えつつあります。 サポカーに高齢者向けの装備を追加したクルマが「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」です。「サポカーS」は、自動ブレーキに加えて、ペダル類の踏み間違いを防ぐ「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」を搭載したクルマです。 サポカーSは3つの区分に分けられます。 1.サポカーS ベーシック 自動ブレーキ装置(対車輌・作動速度域が時速30km/h以下)/ペダル踏み間違い時加速抑制装置(MT車を除く)
 2.サポカーS ベーシック+ 自動ブレーキ装置(対車輌)/ペダル踏み間違い時加速抑制装置(MT車を除く)
 3.サポカーS ワイド
 自動ブレーキ装置(対歩行者)/ペダル踏み間違い時加速抑制装置(MT車を除く)/車線はみ出しアラート(車線維持支援装置でも可)/先進ライト(自動切替型前照灯、自動防眩型前照灯または配光可変型前照灯をいう)   今後、クルマを購入する予定がある高齢者の方は、この「サポカーS」および「サポカーS」に準じた装備を持つモデルであるかどうかを判断基準の1つに加えてみるとよいでしょう。 コンパクトで小回りが利く 小回り性能を示す最小回転半径が小さいクルマを選びましょう。 小回り性能が小さいクルマであれば、狭い場所でも運転がしやすく、駐車場での切り返し回数を少なくできます。運転の負担を減らすことができるため、高齢ドライバーだけでなく、運転に不慣れな方にもおすすめです。 乗り降りしやすい 乗り降りが楽なクルマを選びましょう。 乗り降りが楽なクルマとは、地上からステップまでの高さが低く、ルーフが高く、腰を掛けるような位置にシートがあるクルマです。この3つの条件を満たすクルマであれば、乗り降りが楽にできます。ただし、乗り降りのしやすさは姿勢や身体の状態などで変わってくるため、試乗して確認しましょう。 維持費が安い クルマは、所有しているだけでも税金や車検などの維持費がかかります。また、走ることで燃料代もかかります。そのため、クルマの維持費を最小限に抑えたいのであれば、エンジン排気量が小さく、車輌重量が軽く、燃費がよいクルマを選ぶ方がよいでしょう。 高齢者向けのクルマにあると便利な安全装備 クルマの技術の進歩は燃費の向上だけではありません。特に近年は、安全装備に関する技術革新が目覚ましい進歩を遂げています。ここでは高齢者の方が運転するクルマにあると安心な装備を紹介します。 自動(衝突軽減)ブレーキ クルマの前方(主にフロントバンパー)に装備されているカメラやレーダーが進行方向に障害物を検知した場合、自動的にブレーキをかけて減速させる装置です。速度によってはかなりの勢いで急ブレーキが作動することもあるため、その衝撃で驚かされる可能性が高いです。できれば安全運転講習会などで、実際に自動ブレーキシステムの体験をしておくとよいでしょう(防災訓練などで大地震を疑似体験するようなイメージです)。 ペダル踏み間違い時加速抑制装置 進行方向の前または後ろに障害物があるにも関わらず、アクセルを踏み込んでしまった場合にクルマの加速を抑えてくれるほか、警告音を発して危険を知らせてくれる装置です。この装置で気をつけなければならないのは「自動ブレーキではない」ことです。ドライバーがしっかりとブレーキを踏まないとクルマは止まってくれません。この点には注意が必要です。 車線逸脱警報 走行している車線をはみ出しそうになった場合に、警告音やメーターパネルのメッセージなどでドライバーに注意を促す装置です。本来の車線の位置に自動車を戻してくれるクルマもあるため、車載されている取扱説明書で確認するようにしてください。 先進ライト(オートマチックハイビーム) ハイビームの状態で走行している最中に対向車が来た場合に、自動でロービームに切り替えてくれる装置です。夕暮れ時などには正しく作動しない場合があり、ドライバーが手動で切り替える必要があります。作動条件に関してはクルマに搭載されている取扱説明書を読み、機能を正しく理解したうえで使いましょう。 先行車発進アラーム 信号が青に変わって前のクルマが発進したにも関わらず、自車が一定時間を過ぎても停止している場合に、アラームやメーターパネルの表示で注意を促す装置です。作動条件に関してはクルマに搭載されている取扱説明書を読み、きちんと機能を理解するようにしてください。 【高齢者向け】サポカーSワイドを装備する国産車10選 高齢者の方の運転をサポートする安全装備。もっとも多くの安全装備がついている国産乗用車および軽自動車をそれぞれ5車種ずつ紹介します。 いずれも2024年10月時点で新車が購入できるモデルであり、なおかつ人気の高いクルマを中心にピックアップします。 サポカーSワイドを装備する国産乗用車5選
 まずはサポカーSワイドを装備する国産乗用車を5つ紹介します。 トヨタ ヤリス  現行モデルは2020年2月デビューしました。トヨタの次世代を担うプラットフォーム「TNGA」をコンパクトカーとして初めて採用したモデルです。 軽量かつ高剛性かつ低重心なボディを得たことで、クラストップレベルの低燃費(36.0km/L・WLTCモード)を実現。販売台数でもカローラと常にトップ争いを繰り広げるほどの人気を誇ります。 トヨタ カローラ 現行モデルがデビューしたのは2019年9月。1966年に初代カローラがデビューして以来12代目にあたります。ヤリスと同様、トヨタの次世代を担うプラットフォーム「TNGA」が採用されたクルマです。 日本国内で販売されているモデルは国内専用設計となっています。クセがなく、誰にでも運転しやすく、そしてトラブル知らずな日本が誇る屈指の名車といえる1台です。 日産 ノート 2020年12月デビューした現行モデルは、ノートの3代目にあたります。先代モデルで初めて搭載された「e-POWER」が進化版にアップデートされ、デザインもそれに準じて洗練されました。 全幅が1,700mmのため3ナンバーサイズではあるものの、全長は4,045mmとコンパクトサイズ。オーテックモデルを選ぶことで、よりスポーティな内外装となります。 ※画像は旧モデルです。 ホンダ フリード 3代目にあたる現行フリードは、2024年6月にデビューしたばかりの最新モデルです。サポカーSワイドのほか、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全グレードに標準装備しています。コンパクトミニバンでありながら3列シート仕様が用意されているのもこのモデルの魅力です。 ※画像は旧モデルです。 スズキ スイフト 2023年12月にデビューした5代目の現行スイフトは、リーズナブルな価格設定が魅力です。ベーシックモデルであれば車輌本体価格が180万円以下、マイルドハイブリッド仕様車でも200万円台前半です。 トランスミッションは5速MTとCVT、駆動方式はFFと4WDが選べるなど、スズキの良心がギュッと凝縮されたモデルといえます。 ※画像は旧モデルです。 サポカーSワイドを装備する国産軽自動車5選 続いて、サポカーSワイドを装備する国産の軽自動車を紹介します。 ホンダ N-BOX 3代目にあたる現行N-BOXは2023年10月にデビューしました。フリードと同様に先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を標準装備しており、乗用車および軽自動車を含めた「もっとも売れているクルマ」です。また、車いすのまま乗り降りできるスロープ仕様車も用意されています。 ※画像は旧モデルです。 スズキ スペーシア 2023年11月にデビューした3代目の現行スペーシアは、ホンダ N-BOXと熾烈な販売台数トップ争いを繰り広げる人気モデルです。全車マイルドハイブリッド仕様となっているほか、電動パーキングブレーキとステアリングヒーターをスズキの軽自動車で初めて採用しました。 ダイハツ タント/タントカスタム 4代目にあたる現行モデルは、2019年7月デビューしました。ダイハツの次世代のプラットフォーム「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」を採用した第1弾のモデルです。運転席を最大540mmスライド可能としたことで、乗り降りのしやすさや車内の移動がスムーズにできるようになるなど、従来のモデルと比較して使い勝手が飛躍的に向上しています。 ※画像は旧モデルです。 三菱デリカ ミニ 現行モデルは2023年5月デビュー。三菱を代表するモデルの1つである「デリカ」の名を冠し、SUVのデザインを取り入れてアウトドアユースを想定したクルマであることをアピールしています。愛らしい表情のフロントマスクが評判となり、三菱のモデルのなかでも屈指の人気モデルとなっています。 日産 サクラ/三菱 ek クロス EV 2022年6月に発売された軽トールワゴンです。日産 サクラと三菱 ek クロス EVはきょうだい車であり(母体はサクラ)、100%電気で走る軽の電気自動車でもあります。航続距離は最大180km(WLTCモード)とされ、どちらかというと近距離、街乗りで使うことを想定して開発された電気自動車です。 高齢者の交通事故を防ぐには? 高齢者の交通事故は、「ついうっかり」や「まさか」など、想定外なことをきっかけに発生しやすいです。ここでは高齢者の方の事故を未然に防ぐためのポイントを紹介します。 高齢者講習会の内容を反すうする 70歳以上の高齢者の方は、運転免許を更新する際に高齢者講習を受けることが義務づけられています。さらに75歳以上の方は認知機能検査の受講が追加されます。 ドライバー歴が長ければ長いほど「自分はまだまだ大丈夫」と過信しがちですが、講習時の内容を他人事だとは思わず、自分自身のため、そして周囲のドライバーや道行く人たちのためにもしっかりと身につけておく必要があることを意識しましょう。 高齢者マークをつける 70歳以上の高齢者の方がクルマを運転する際に「よつばマーク」あるいは「もみじマーク」を車体の見えやすいところに(主に後方のクルマに分かるように)貼ることで、ある程度危険を回避できます。 これらのマークをつけることは義務づけられているわけではありませんが、昨今話題になることが多い「あおり運転」を回避する確率を少しでも高くするための御守りだと思い、高齢者の方はできるだけ運転するクルマにつけるようにしましょう。 なお、冒頭のマークをつけたクルマに幅寄せやあおり運転をして違反とみなされた場合、違反点数1点、反則金6,000円が科せられます。 定期的に眼科検診を受ける 中年期で気になるのが老眼だとすれば、高齢者の方は白内障や緑内障など、加齢による視力の低下の心配があります。クルマを運転していて「見え方に違和感がある」と思ったら、速やかに眼科検診を受けるようにしましょう。 最低でも1年に一度、半年に一度程度であれば理想的といわれています。クルマの定期点検が重要であるように、人間の体も定期検診が病気や加齢による衰えに対して対処することができるので安心であり、おすすめです。 サポカーS/サポカーSワイドのクルマを選ぶ サポカーに欠かせない装備である自動ブレーキに加えて、アクセルやブレーキペダルの踏み間違いを防ぐ「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」を搭載したクルマが「サポカーS」です。本人は自覚がなくても「ついうっかり」間違えてしまったとき、クルマが事故を回避してくれる心強い装置です。 運転に自信のない高齢者の方はもちろんのこと、「自他ともに認めるベテランドライバー」の方も、クルマを買い替える機会がある場合は、「サポカーS」が装備されているかどうかを必ず確認するようにしてください。 まとめ スマートフォンであれば、NTTドコモの「らくらくホン」や「らくらくスマートフォン」に代表される、高齢者の方向けの機種が用意されています。
 
また、ゴルフクラブでも「シニア向け」のモデルが各メーカーから販売されています。加齢による飛距離の低下をゴルフクラブの性能で補うことで、高齢者の方が若い頃のようにプレーを楽しめるように設計されています。

クルマであれば「サポカーS」に関連する安全装備がついたモデルが高齢者の方向けのモデルといえます。 加齢による身体機能の衰えを、高齢者の方向けに開発された技術や製品で補った結果、生活が便利になったり、心身に対する負担が軽減されたりします。 あるクルマの格言に「最新は最良」という表現があります。心身ともに満たされた、充実した日常を送るために、最新モデルや最新の技術は、若い人たちだけでなく高齢者の方たちこそ存分に享受したほうがよいと考えます。 最後に、最新の安全装備がついているからといって過信は禁物です。あくまで「緊急時および非常時に介入する装置」であることを念頭において、安全運転を心掛けましょう。

今狙い目のタイプRはこれ!EP3型2代目シビックタイプR
旧車の売買と鑑定市場 2022.12.26

今狙い目のタイプRはこれ!EP3型2代目シビックタイプR

「シビックタイプRといえば高回転型NAエンジン!」とイメージする方も多いのではないでしょうか。EK9型から始まったNAエンジンのシビックタイプRは、その官能的なエンジンフィールで令和になったいまもクルマ好きを魅了し続けています。しかし一番人気の初代EK9は、500万円近いプライスがついており、簡単に手が出せるクルマではありません。 そんな中「どうしてもNAエンジンのシビックタイプRが欲しい!」という方におすすめなのが、EP3型2代目シビックタイプRです。そこで今回はEP3型2代目シビックタイプRが狙い目の理由と、その魅力を紹介します。 イギリス帰りの異端児!EP3型2代目シビックタイプRとは 2001年12月に発売されたEP3型シビックタイプRは、欧州向けシビックをベースに開発された高性能3ドアハッチバックです。まずはその概要を紹介します。 ベースは欧州仕様の3ドア仕様 EP3型シビックタイプRの発売当時、日本では5ドアのシビック(EU型)しか販売されていませんでした。代わりにベースとして選ばれたのが、欧州仕様の3ドア仕様のシビックです。 欧州仕様のシビックをベースに装備がアップデートされ、タイプRとして初めての逆輸入車となりました。そのデザインは「Dangan(弾丸)」といわれるスポーティなもので、タイプR専用エアロフォルムバンパーや大型テールゲートスポイラーを装備しています。 ハッチバックで最強のNAエンジン エンジンは同時期のDC5型インテグラタイプRと同様に、2リッターのK20Aが搭載されています。専用にチューニングを施されたK20Aは、最高出力215PS/8000rpmを発生。6速MTとの相性もよく、そのままサーキットへ持ち込めるマシンです。 エンジンスペックは同型のK20Aを積むDC5型インテグラタイプRと比べ、5PS低くなっていますが、パワーステアリングが電動化されたことでパワーロスが少なくなっているため、体感的にほとんどその差は感じません。 サーキットからワインディングまで楽しめる 同時期に発売されたDC5型インテグラタイプRは、サーキットでの走りを重視すべく、足回りがガチガチに固められていました。対して、EP3型シビックタイプRはサーキットだけでなくワインディングも気持ちよく走れるように味付けされています。 また前後オーバーハングを切り詰めたデザインは回頭性もよく、ジムカーナなどの速度域の低い場面でも強さを発揮します。 タイプR伝統の装備は健在 控えめなデザインが特徴のEP3型シビックタイプRですが、内装はタイプR伝統の赤ベースで、レカロ製の真っ赤なバケットシートやMOMO製ステアリングを装備しています。 また、スポーツタイプとしては珍しいインパネから生えるシフトノブもEP3型シビックタイプRの特徴です。ステアリングから近い位置にシフトノブを配置することで、クイックなシフト操作が可能となっています。 発売当初は賛否両論あったインパネシフトも、スポーツ走行時も操作がしやすく、ユーザーからも好評でした。 EP3型2代目シビックタイプRの日本導入は予定されていなかった 開発当初EP3型シビックタイプRは、日本へ導入される予定はありませんでした。しかし、逆輸入という形でタイプRの発売が決定したのはなぜなのでしょうか。ここでは当時の背景を振り返ります。 日本はミニバン全盛の時代に欧州専用モデルとしてタイプRの開発がスタート 2000年代当時の日本は、ミニバン全盛の時代です。日本版シビックはスポーティさを前面に出さず、前後ウォークスルーができるスペース効率の良いファミリーカーとして販売されました。一方、イギリスをはじめとする欧州では、実用性に優れたスポーティなハッチバックの人気は根強く、市場の3割を占めるほどでした。 そんな中、ヨーロッパでシビックの存在感を示すため、最上級グレードとしてタイプRの開発がスタート。他のタイプRと同様に、日常でもサーキットでも走れるスポーツモデルを目指し開発が進められます。 また、ヨーロッパは日本よりも速度域が高く、快適で疲れないクルマが必要だったこともあり、結果としてライントレース性が高く、高速でも疲れない新しいシビックタイプRが完成しました。 トップの一言で日本向けシビックタイプRの開発が決定 日本向けのシビックタイプRが開発されるきっかけを作ったのは、7代目EU型シビックの新型試乗会です。会場には、展示車として欧州向けの3ドアモデルがあり、評論家から非常に高い関心が寄せられました。 その光景を見た当時の社長が懇親会で発した一言により、急遽日本仕様のシビックタイプRが開発されることになったのです。 日本ではタイプRといえばサーキットのイメージが強く、荒れた公道を想定した欧州向けとは足回りの味付けを変える必要がありました。日本向けシビックタイプRは、欧州仕様の高速巡航性能をそのままに、ステアリングの応答性能を向上させました。加えて、サーキットやワインディングを気持ちよく走れる仕様に変更されています。 EP3型2代目シビックタイプRの中古車相場 大手中古車情報サイトを見ると、2022年12月の原稿執筆時点で、修復歴なしのEP3型2代目シビックタイプRの中古車相場は105万円から248万円です。 EK9型が180万円から498万円、FD2型は188万円478万円で、2代目シビックタイプRが手の届きやすい価格であることがはっきりとわかります。しかし、現存する台数が少なくなりつつある現状を考えれば、今後は値上がりが予想されるでしょう。 まとめ 2022年9月、新型シビックタイプRが発売されました。その人気はすさまじく、400台というひと月の生産台数に対して、その4年分程度の注文が入っているといいます。 最高出力330㎰を発生する新型シビックタイプRのターボエンジンは魅力的かもしれません。しかし、高回転NAのVTECエンジンがホンダの一時代を築いたことは、誰もが認める事実です。 EP3型シビックタイプRは高回転NAエンジンが楽しめ、誰でも購入できる唯一のタイプRとも言えます。ホンダならではの官能的なVTECエンジンを搭載するEP3型シビックタイプRを購入検討しているなら、今がチャンスなのかもしれません。

国産旧車のおすすめモデルは?購入するときの注意点も解説
旧車の売買と鑑定市場 2022.12.13

国産旧車のおすすめモデルは?購入するときの注意点も解説

国産の旧車は、個性的なデザインや優れた走行性能などにより、国内外問わず人気があります。また、人気の上昇にともない、中古車価格も高騰し、驚くほどの価格になっていることも珍しくありません。今回は、国産旧車の魅力や購入するときに気を付けるべきポイントなどを解説します。旧車が気になっている方は参考にしてみてください。 国産の旧車の魅力 国産の旧車にはどのような魅力があるのでしょうか。ここからは、旧車の主な魅力を3つ紹介します。 個性的なデザイン 国産の旧車は、それぞれの車種ならではの個性的なデザインが魅力です。丸型のヘッドランプやテールランプ、ひと目でそのクルマだとわかるフォルムなど、一言では語りきれないほどの個性が旧車にはあります。だからこそ、生産が終了した後も大切にされ続け、希少価値が付いているのでしょう。 エンジンの音や振動 エンジンの音や振動も旧車ならではの魅力となっています。エンジンを始動させるときの音、アイドリングの振動、回転数を上げたときの高揚感など、旧車でなければ体感できない音や振動がファンを虜にしています。 新しいクルマにはない感覚 旧車は、新しいクルマのように先進的な運転支援システムやコンピュータ制御などがされていません。また、MTであることも多いです。つまり、新しいクルマに当たり前のように装備される機能や性能が備わっていないということが旧車の魅力となります。 旧車は、自分で操作を考えたり、クルマの様子を感じとったりしながら運転しなければなりません。このクルマと対話をしながら操っているという感覚は、新しいクルマでは体感しにくく、旧車では大いに感じられるフィーリングです。 国産の旧車を選ぶときのポイント ここからは、旧車を選ぶときのポイントを解説します。旧車の購入をするときは、次の3つを確認してから購入しましょう。 交換部品の有無 旧車を選ぶときは、交換部品が市場に流通しているか確認しましょう。 旧車だけでなく、クルマには消耗部品がいくつもあります。年式が新しいクルマの場合には、交換部品が数多く流通していますが、旧車の場合にはメーカーでの生産が終了していたり、交換部品も高価になっていたりすることが珍しくありません。そのため、消耗品をはじめとした交換部品が市場に流通しているか確認してから購入しましょう。 旧車を得意とする整備工場の有無 クルマには整備が欠かせません。新しいクルマであればディーラーや近所の整備工場などでも受け付けてくれることが多いですが、旧車の場合は必ずしも受け付けてくれるとは限りません。 また、旧車の取り扱いに慣れている整備士がいなければ、修理や整備ができず、費用が高くなってしまうこともあります。 旧車を所有するときには、その旧車の整備ができる工場が近所にあるか確認しましょう。 旧車の取り扱いに慣れている店舗で購入する 旧車を購入するときの店舗選びも大切なポイントです。 旧車は、故障しやすい箇所や不具合を起こしやすい部位などがあったり、負荷をかけた運転をするとトラブルを起こしたりすることがあります。このような旧車ならではの注意点を把握している専門店で購入しましょう。 クルマごとのクセを理解している専門店であれば、購入後のアフターサービスやケアもしっかりしていることがほとんどです。旧車を買うときは、購入後のケアもしてくれる専門店で購入しましょう。 国産の旧車のおすすめ5選 ここからは、国産旧車のおすすめモデルを5車種紹介します。 トヨタ ランドクルーザー(80系) トヨタ ランドクルーザー 80系は、1989年10月に販売を開始したSUVです。この80系ランクルから乗用車8名乗りのステーションワゴン仕様も設定されました。また、スタイリングや装備が高級化路線となったことも80系の特徴です。中古車の平均価格は、おおよそ320万円となっています。四半世紀以上前のモデルであるにも関わらず、国産コンパクトカーの新車販売価格以上の価格になっていることから、人気が高いといえるでしょう。 日産 シルビア(S13型) 日産 シルビア S13型は、1988年5月に販売を開始した5ナンバーサイズのスペシャリティクーペです。1.8L直列4気筒DOHCとターボエンジンを搭載し、後輪を駆動するコンパクトFRで、デートカーとして一世を風靡しました。中古車を見てみると、200万円台の車両が多く、状態が良いものでは400万円以上になることもあります。シルビアS13は、当時の新車販売価格以上の値段になっているコンパクトFRクーペの旧車です。 トヨタ スープラ(80系) トヨタ スープラ 80系は、1993年5月に販売を開始した2ドア2+2シーターのハッチバッククーペです。搭載されるエンジンは、3.0L直列6気筒の自然吸気とツインターボの2種類で、優れた走行性能を発揮することが特徴となっています。また、映画ワイルドスピードにも登場したことも影響し、国内のみならず海外でも人気です。中古車は、300万円台からとなっており、車両の状態が良いものでは1,000万円以上になることも珍しくありません。 三菱 コルトギャランGTO 三菱 コルトギャランGTOは、1970年11月に販売を開始したスポーツクーペです。車種名のGTOは「Grande Tourismo Omologare(イタリア語)」の略で、グランツーリスモを意味します。コルトギャランGTOは、ベースのギャランハードトップよりボディをワイド&ローにし、アメリカンマッスルカーを意識したスタイリングが特徴です。中古車を見てみると、流通台数が少なく希少なモデルであることがわかります。また、価格は100万円台〜要相談となっていることから、プレミア価格がついているといえるでしょう。 スカイライン GT-R(ハコスカ) 日産 スカイライン GT-R(ハコスカ)は、1969年2月にデビューしたスポーツモデルです。エンジンは、直列6気筒DOHC24バルブを搭載しています。ハコスカGT-Rは、レースでも活躍したことから現在でも人気のあるモデルです。中古車を見てみると、流通台数が非常に少なく、価格が2,000万円以上になることもあります。 国産の旧車を購入する際の注意点 国産の旧車を購入するときは、欲しい車種の取り扱い台数が多い専門店で購入しましょう。 取り揃えている台数が多いということは、その車種に精通していることを意味しています。また、台数が多いと、車両の状態が良いかどうかを比較することも可能です。そのため、旧車は専門店で購入することをおすすめします。

プリウスのリセールバリューは高い?高く売れるプリウスとは
旧車の売買と鑑定市場 2022.11.30

プリウスのリセールバリューは高い?高く売れるプリウスとは

近年、国産車のほとんどの車種にハイブリッドモデルがラインナップされています。ハイブリッド車の元祖は1997年に初代が発売されたトヨタ自動車のプリウスです。プリウスはハイブリッド専用車として開発され、世界を驚かせました。初代登場から25年が経った2022年には5代目が発表され世界中で注目されています。人気が衰えることのないプリウスですが、リセールバリューはどのようになっているのでしょうか。この記事ではプリウスのリセールバリュー事情について解説いたします。 プリウス人気のモデル 2022年現在、新車で購入できる現行型のプリウスは4代目のZVW50/51/55型です。2015年12月に発売されたモデルであり、中古市場にも多く流通しています。 モデル別にリセールバリューの良し悪しはあるのでしょうか。2022年11月現在での販売価格を調査してみました。 初代モデル(1997年12月~2003年8月) 流通台数は1台で価格は110万円でした。意外な高額プライスに驚きを隠せません。プレミア価格になっていますね。もし、初代プリウスをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ旧車王で鑑定させてください。 2代目モデル(2003年9月~2012年1月) 流通台数は約150台で価格は9万円~129万円でした。上位の約20%には50万円以上のプライスタグがついています。中には走行距離17万km、2009年式のモデルが約60万円になっているものもありました。過走行でも、人気グレードであったり、オプションが評価されて高額査定になるケースもあるようですね。 3代目モデル(2009年5月~2015年11月) 流通台数は約4,500台で価格は19万円~359万円でした。3代目モデルが2022年11月現在、最も流通台数の多いモデルです。この年式になってくると7、8割は販売価格が100万円以上と高額。型落ちでも人気の高さをうかがえました。 4代目モデル(2015年12月~) 流通台数は約4,150台で価格は98万円~438万円でした。よほどのことがない限り、販売価格は200万円以上です。新車価格はエントリーグレードが259万7,000円のため、23%オフぐらいの価格感ですね。 プリウスの人気グレードは? プリウスの年式ごとの販売価格を見てきましたが、どのグレードが人気なのでしょうか。ここからはプリウスの中でも高い人気を誇っているグレードを紹介します。 標準グレード「S」 最も人気のグレードは標準グレードの「S」です。上級ファブリック素材が採用されているシートが大きな特徴といえるでしょう。エントリーグレードと比較すると高級感があり、乗り心地の良さを感じられます。 特に「S ツーリングセレクション」は高い人気を誇ります。エアロパーツや大型のホイールが装着されており、スポーティーな印象を与えるエクステリアとなっています。合成皮革でシートヒーターが搭載されているシートも人気の理由の一つです。 最上級グレード「Aプレミアムツーリングセレクション」 「新車では高くて手が出しづらいけど、中古なら購入できる」という理由から、中古市場では最上級グレードの人気が高くなっています。プリウスの場合は「Aプレミアムツーリングセレクション」が最上級グレードです。 特徴は上級グレード「A」にスポーティーなパーツを装着したものになっています。やはりクルマ選びで重視されるポイントは見た目なのでしょう。かっこよさから人気が高く、リセールバリューも高い傾向にあります。 プリウスの人気カラーは? クルマのボディカラーは、リセールバリューに大きく影響を与えます。ここからはプリウスの人気のカラーについて見ていきましょう。 ホワイトパールクリスタルシャイン 人気第一位はホワイトパールクリスタルシャインです。エントリーグレードの「E」を除く全グレードに有償オプションとして設定されるカラーとなっています。白系は定番色となっており、流行に左右されないため人気の高さは安定します。 アティチュードブラックマイカ 次に人気のカラーはアティチュードブラックマイカです。黒は高級感を与える色として人気があり、特に男性に支持されています。白系同様にトレンドに左右されることがない定番色ということも強みの一つです。 シルバーメタリック 3番目に人気のカラーはシルバーメタリックです。こちらも定番色ですが、白や黒と比較するとやや地味な印象になりますが、汚れや傷が目立ちにくいというメリットがあります。そのため「迷ったらシルバーメタリックを選ぶ」という方も多く、人気が高いようです。 まとめ 1997年の登場以来高い人気を誇るプリウスは、定番のグレード、カラーが人気であることがわかりました。また、中古市場ではスポーツグレード「ツーリングセレクション」の人気が高く、査定価格も期待できるようです。過走行の個体でも人気グレード・カラーであり、状態が良ければ高額査定に期待できるでしょう。 旧車王は、プリウスの買取実績も豊富で、適切に価値を鑑定することができます。プリウスの売却をご検討の際は、旧車王にご相談ください。 ※2022年11月25時点「価格.com(https://kakaku.com/)」のデータ トヨタ プリウス高価買取・査定相場

自動車譲渡証明書とは?記入の仕方や作成時の注意点についても解説
旧車の売買と鑑定市場 2022.11.29

自動車譲渡証明書とは?記入の仕方や作成時の注意点についても解説

中古車の購入や買取時に必要となる自動車譲渡証明書とは、どのような書類でしょうか。業者の担当者に説明されたがよくわからないまま記入や捺印をした人も多いと聞きます。今回Fは、自動車譲渡証明書とは何か、書き方や注意点について解説します。初めて中古車を購入する方や、個人間での名義変更を検討中の方は参考にしてください。 自動車譲渡証明書とは 自動車譲渡証明書とは、中古車の売買時や個人間での名義変更(移転登録)に必要な書類です。一般的に馴染みのない書類のため、書類の入手や記入方法がわからない方も多いでしょう。自動車譲渡証明書は、新旧の所有者間で車を譲渡した証明として移転登録に必須の書類です。様式が定められており、規定通りに記入や捺印をする必要があります。 自動車譲渡証明書の書き方 自動車譲渡証明書の書き方は、ルールに基づいて記入方法が定められています。間違った記入をすると訂正が必要となるため、記載例を参考にして正しく記入しなければなりません。記載例については国土交通省のサイトでダウンロードするか、中古車販売店から取得するようにしましょう。 1.国土交通省のサイトからひな形をダウンロード 自動車譲渡証明書は、国土交通省のサイトからひな型をダウンロードすることが可能です。F印刷時に拡大や縮小などは行わずにA4サイズで印刷すれば問題ありません。また、中古車販売店などの業者を利用する場合は用意してくれることが多いので、そちらを利用するようにしましょう。 2.必要事項を記入する 自動車譲渡証明書は、大きく分けて車両と譲渡譲受人の情報欄に分かれています。それぞれに必要事項を記入して譲渡人の捺印が必要です。各項目の詳細は下記を参照ください。 【車両情報欄】車名、型式、車台番号、原動機の型式を記載します。いずれも車検証に記載されている内容を転記しましょう。※車名は車検証記載の通りメーカー名の記入だけで問題ありません 【譲渡譲受人情報欄】・譲渡年月日........2段目に譲渡の事実があった日付を記入(1段目は譲渡人欄のため斜線)・譲渡譲受人の個人情報........1段目に譲渡人、2段目に譲受人のそれぞれの氏名と住所を記入※実印の押印が必要な書類のため、印鑑登録証明書記載の氏名住所を転記する・譲渡印........譲渡人の実印を押印(譲受人の押印は不要) 記入に関してはボールペンの使用が望ましく、文字を消すことのできるフリクションインキの使用は認められていません。 自動車譲渡証明書の誤字・脱字への対応方法 自動車譲渡証明書の誤字・脱字については、譲渡人の実印による訂正印が必要になることがあります。多くの場合はあらかじめ捨印を押しておくことで対応が可能です。しかし、捨印には法的効力はなく、軽微な記入ミスにしか対応してもらえません。車両情報欄など、重要箇所の誤字や脱字については訂正印が必要となるため注意が必要です。 ※捨印とは、軽微な誤りに備えてあらかじめ訂正印として文章の余白部分に押印するものです。 委任状が必要な場合もある 譲渡人と譲受人がそろって移転登録手続きに出向く以外では、自動車譲渡証明書と委任状はセットとして必要です。また、多くの場合は中古車販売店や行政書士などの代行業者に依頼するため、こちらも同様に委任状が必要となります。委任状も様式が定められているため国土交通省のサイトからダウンロードするか、中古車販売店や代行業者が用意したものを使いましょう。 未成年の場合は同意書も必要 車の売買や譲渡について未成年者が関わる場合は、親権者の同意書が必要です。親権者同意欄には親権者の実印を押す項目があり、印鑑登録証明書及び未成年者との関係性を証明するための戸籍謄本も必要となります。また、委任状の様式も定められているため、こちらも国土交通省のサイトからダウンロードするか、中古車販売店や代行業者が用意したものを使いましょう。 譲渡証明書以外の必要書類 中古車の名義変更(移転登録)で譲渡証明書以外に必要となる書類は、車検証や申請書などです。詳細は下記を参照ください。 ・車検証・申請書........運輸支局の窓口か国土交通省のサイトからダウンロードして入手・手数料納付書(検査登録印紙)........運輸支局で入手と印紙の購入が可能・譲渡人の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内のもの)・譲渡人の実印(譲渡人が手続きする場合)・譲受人の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内のもの)・譲受人の実印(譲受人が手続きする場合)・委任状(手続きする人によって記入方法が異なる)・ナンバープレート 記入の仕方や手続き方法などについては、国土交通省のホームページをご覧ください。

S15シルビアと86/BRZで買うならどっち?FRスポーツカーを比較
旧車の売買と鑑定市場 2022.11.28

S15シルビアと86/BRZで買うならどっち?FRスポーツカーを比較

日産S15シルビアとトヨタ86(ZN6)/スバルBRZ(ZC6)は、扱いやすいコンパクトなボディと素直な旋回特性を持つFRという共通した特性をもっています。どちらも既に新車として販売されておらず、購入するなら中古車となりますが、購入後に後悔しないためにはそれぞれの特徴を理解し予算をしっかりと見定めなければなりません。今回はそんなS15シルビアと86/BRZの魅力と、中古車市場について紹介します。 日産S15シルビア【1999年~2002年】 日産シルビアは、誰でも手軽にスポーツドライビングが楽しめるスポーツクーペとして誕生しました。5代目であるS13シルビアでは、軟派なデートカーから硬派な走り屋ご用達車両としての地位を確立し、日本の走りや文化を象徴するモデルとなっていきます。   まずは、シリーズの最終モデルであるS15シルビアについて、その概要と中古車相場について紹介します。 ターボ仕様S15シルビアスペックR S15シルビアのグレードは、NAのスペックSとターボ仕様であるスペックRの2グレードです。2Lターボエンジンを搭載する仕様のスペックRは、6速MTで最高出力250psを発揮し、シリーズ最高の性能を誇ります。また、4速ATでも225psとなっており、スポーツカーとしては十分な性能を持っています。 2022年11月の中古車相場は、6速MT仕様で160万円から800万円前後。走行距離が少なく、修復歴の無い程度が良い車両は価格が高くなっていますが、20万kmを超える個体は200万円前後でも十分に入手可能で、ATターボ仕様は230万円から300万円で推移しています。 S15シルビアスペックS S15シルビアのスペックSは、2LのNAエンジンを搭載するグレードです。最高出力は165psですが、1230kgの軽量なボディと相まって十分な動力性能をもっています。エンジン出力は控え目ながら、トルクフルなエンジン特性で誰でも扱いやすいグレードです。 中古車相場は5速マニュアルで140万円から430万円、ATで80万円から300万円程度です。ターボ仕様のスペックRと比べるとやはり手を出しやすい価格で、ATなら修復歴なし、10万km以下の個体が200万円以下で購入できます。 トヨタ86(ZN6)/スバルBRZ(ZC6)【2012年~2021年】 トヨタ86とスバルBRZは、トヨタとスバルが共同開発したことで大きな話題となりました。比較的新しい車ではあるものの、中古車としては入手しやすい価格です。入手しやすい理由と、旧型となっても魅力的な初代トヨタ86とスバルBRZを紹介します。 新型の発売により初代86の中古車が増加 トヨタ86/スバルBRZの中古車が比較的安い理由は、2021年10月に2代目が発売されたことです。エンジンが2.4Lとなったことで、パフォーマンスが大幅に向上。新型に乗り換えたユーザーも多く、2022年11月現在、初代トヨタ86/スバルBRZは多くの台数が中古車市場に流通しています。 2011年11月現在で大手中古車情報サイトに掲載されている台数は、86が約1,500台、BRZは約450台。中古車価格は6速MTが100万円から500万円で、ATは80万円から300万円です。「スポーツカー=MT車」というある種の固定概念が崩れつつある世相を反映し、AT比率が高めないことも特徴といえます。 新しい車両が多く維持がしやすい トヨタ86/スバルBRZは2021年まで新車が発売されており、トラブルが少ない車種といわれています。 エンジン出力は200psとターボのS15シルビアに比べると控え目で、手荒に扱われた車両も少なく、程度の良い車両が多くなっています。また、補修部品は生産終了から約10年は提供されており、末永く付き合えるクルマです。 唯一無二の2L水平対向エンジンとFRの組み合わせ トヨタ86/8スバルBRZは、いずれも2Lの水平対向エンジン FA20型を搭載しています。 全高の低い水平対向エンジンならではの「超低重心パッケージ」で、軽快で優れたハンドリング性能を持っており、誰でも運転の楽しさを味わうことができる1台です。 FRレイアウトと水平対向エンジンの組み合わせは、世界中どこを見渡しても86とBRZしかありません。この唯一無二の組み合わせが、初代トヨタ86/スバルBRZの魅力が色褪せない理由です。 中古車で買うならS15シルビアとトヨタ86/スバルBRZどちらを選ぶべきか FRのスポーツクーペとして、魅力的なS15シルビアとトヨタ86/スバルBRZですが、発売された年式やキャラクターによって、大きな違いがあります。 ここからは、中古車として購入を検討した場合、どんな違いがあるのかについて紹介していきましょう。 アメリカの25年ルールのあおりを受けてS15シルビアの中古車相場も上昇 R32スカイラインGT-Rや80スープラ、RX-7など、80年代後半から90年代に発売された国産スポーツクーペは、異常ともいえる高騰を見せています。その主な要因として挙げられるのが、アメリカの25年ルールです。アメリカでは右ハンドル車の販売が認められていませんが、発売から25年経ったクルマは、クラシックカーとして例外的な販売、使用が可能です。 2022年現在、1999年に発売されたS15シルビアは、まだ直接25年ルールの影響を受けてはいません。しかし、S13やS14の高騰を受ける形で、S15シルビアの中古車相場も上昇傾向にあります。 トヨタ86とスバルBRZに比べ、ターボエンジンを搭載するS15シルビアの方が動力性能という点では格上です。しかし、仮に300万円で程度の良いS15シルビアを手に入れても、経年劣化に起因する整備費用を覚悟しなければなりません。 もちろん、最新の車種にはないスタイリングやユーザーの好みでカスタムする余地が残っているなど、S15シルビアにしかない魅力があります。時間を掛けて程度の良い個体を探し、購入後もしっかりとメンテナンスするのであれば、購入後に後悔することはないでしょう。 トヨタ86/スバルBRZなら車両代+100万円で十分にカスタム可能 初代トヨタ86とスバルBRZは年式が新しく、経年劣化による故障の心配は低く安心して維持、保有できます。もちろん、絶対的な動力性能ではS15シルビアに敵いませんが、逆にいえばチューニングによって求める性能にカスタムすることが可能です。 例を挙げると、マフラーやエアクリーナー、ECUを交換すると、実際の最高出力以上の気持ち良さが比較的安価で手に入ります。そして、S15シルビアのターボモデル並みの馬力を手に入れたい場合は、チューニングメーカー各車から市販されているボルトオンターボキットやスーパーチャージャーがおすすめです。 選ぶキットや求める出力により費用は異なりますが、もっとも手軽な物であれば、50~60万円程度で230~250psを狙えます。さらに、サスペンションや駆動系に手を加えれば、クルマ全体をリフレッシュできるでしょう。トータル100万円程度のカスタム費用を見ておけば、S15シルビアにも引けを取らない1台を仕上げることも不可能ではありません。 まとめ 電動化や自動運転など、世間の潮流は環境性能と安全性を重視しており、運転の楽しさを求めたスポーツカーはやや影の薄い存在となっています。中にはスポーツ性能を重視した車種も販売されていますが、超高額高性能なスーパーカーばかりです。S15シルビアやトヨタ86/スバルBRZのように、手軽な新車として購入できる国産FRスポーツカーは多くありません。 S15シルビアは、程度の良い個体が少なく修理やメンテナンスの費用が掛かるものの、走り屋文化を象徴する雰囲気とカスタムが楽しめます。対して、トヨタ86とスバルBRZは、動力性能で劣るものの、購入と整備費用を抑え、その費用をカスタムに回せば同等の性能を手に入れることも可能です。 往年の雰囲気と動力性能を重視してS15シルビアを選ぶか、維持保有のしやすさを重視してトヨタ86やスバルBRZを選ぶか。どちらもスポーツカーの楽しさと雰囲気を十分味わえる魅力的なモデルなため、予算とメンテナンス環境を勘案し選びましょう。

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