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● 二重査定や減額について知りたい
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婚姻届を提出することなく夫婦生活をしている事実婚(内縁関係)では、車の相続はできるのでしょうか。今回は、内縁関係の人物と相続について解説します。事実婚(内縁関係)と相続権について知りたい方は参考にしてみてください。 そもそも事実婚とは そもそも事実婚とは「内縁関係」のことで、婚姻届を提出しないまま夫婦として生活している方たちのことです。仕事や家庭の都合など、さまざまな事情により、法律婚という形をとらずに夫婦として生活しています。 この内縁関係が成立するためには、「夫婦として共同生活する意思」と「共同生活している実態」が必要です。また、一般的に次のような場合に「内縁関係」が認められやすくなります。 ・結婚式を挙げる・家計が1つになっている・周囲から「夫婦」と認識されている・住民票に「妻(未届)」「夫(未届)」と記載されている 事実婚(内縁)の配偶者に相続権はない 事実婚(内縁関係)の配偶者には相続権がありません。そのため、基本的に事実婚(内縁関係)の配偶者が亡くなった場合、夫婦として生活していたパートナーに相続されることはないのです。 もし、亡くなった方が以前法律婚していて、その法律婚していた方との間に子ども(実子)がいた場合、法律婚していた方との間に生まれた子ども(実子)に相続権があります。 事実婚(内縁)の配偶者との子供は条件付きで相続権がある 事実婚(内縁関係)の配偶者との間に子どもがいる場合、原則として相続権はありません。ただし「認知」していれば事実婚(内縁関係)の配偶者との子どもに相続できます。認知した子どもの相続分については、実子と同じです。 遺言書で車の相続を指定されている場合は相続権がある 原則として事実婚(内縁関係)の配偶者や、内縁関係の配偶者との子どもに相続権はないものの、遺言書で指定されている場合は相続権があります。 例えば、遺言書に「車は内縁の妻の子◯◯に渡す」といった記載があれば、内縁関係の配偶者の子どもに相続されます。ただし、遺言書を残すときには、「遺留分」に気を付けなければなりません。 遺言書で車を相続されそうなときは遺留分を主張する 遺言書で指定されていれば相続権があるものの、遺留分まで相続することはできません。 遺留分とは、一定の相続人に対して保障されている最低限の受け取り分です。そのため、遺言書に「内縁の妻に全ての財産を遺贈(遺贈:相続人でない人に相続で財産を渡すこと)する」と記載されていても、法定相続人から遺留分の請求を受けた場合は、法律に基づいて財産を法定相続人に渡さなければなりません。 したがって、遺言書に「車を内縁の妻の子◯◯に渡す」と記載されていても必ずしも相続されるとは限りません。このような場合は、法律の専門家に相談して解決しましょう。
車の相続手続きには委任状が必要なケースがあります。委任状は、相続方法や誰が手続きするかによって書き方が異なるため、事前に把握しておくと適切に作成できます。この記事では、車の相続手続きで委任状が必要なケースや、書き方などを紹介します。 車の相続手続き(名義変更)で委任状が必要なケース 車の相続手続きは、基本的に相続人が陸運局に出向いて名義変更する必要があります。ただし、都合が悪く陸運局に出向けない場合は、申請書に実印を押印する代わりに委任状を提出することで手続きが可能です。まずは、車の相続手続きで委任状が必要なケースを紹介します。 共同相続する 車を複数の相続人で共同相続し、全員で手続きに出向けない場合は委任状が必要です。陸運局は平日9〜16時までしか営業していないため、都合が合わず、相続人全員で手続きに出向けないケースもあるでしょう。例えば、以下3人で車を共同相続し、BとCが陸運局に出向けない場合はそれぞれの委任状が必要です。 ・代表相続人A・相続人B・相続人C 代理人が手続きする 相続人が陸運局に出向けず、代理人に手続きを代行してもらう場合は委任状が必要です。代理人は親族や知人のほか、車の相続手続きに精通している自動車販売店や行政書士にも依頼できます。ただし、数万円程度の代行費用が発生するため、費用を抑えたい方は注意しましょう。 車の相続手続きにおける委任状の書き方 車の相続手続きにおける委任状は、以下の項目を記入します。 ①受任者:陸運局で手続きする方の名前と住所②目的欄:「移転登録」と記入③自動車登録番号または車体番号:車検証を見ながら該当箇所を記入④委任者:相続人の名前と住所、実印を押印 また、車の相続時の委任状は相続方法や手続きする人によって、受任者と委任者の書き方が異なります。具体的には以下のとおりです。 ■共同相続するけど、相続人のうち1人しか陸運局へ出向けない場合 ・受任者:手続きする相続人・委任者:手続きに出向けない相続人全員 ■代理人に陸運局の相続手続きを代行してもらう場合 ・受任者:代理人・委任者:相続人※共同相続する場合は相続人全員 なお、車を単独相続し、相続人である新所有者が陸運局に出向ける場合は、委任状ではなく実印で手続きします。 車の相続手続き(名義変更)で作成する書類 被相続人の遺言書がなく、複数の相続人の中から新所有者を決める場合は「遺産分割協議書」もしくは「遺産分割成立申立書」を作成する必要があります。 続いて、それぞれの書類についてや書き方を紹介します。 自動車価格100万円以上は「遺産分割協議書」 自動車価格が100万円以上の場合は、遺産分割協議書を作成する必要があります。遺産分割協議書は、相続人の中で「誰が車を相続するのか」協議した内容を証明する書類です。相続人全員が合意のうえでないと、名義変更できないため、漏れがないよう作成しましょう。 なお、遺産分割協議書には以下の項目を記入します。 ・被相続人の氏名と死亡日・新所有者の氏名・遺産分割を協議した日・車のナンバーと車体番号・相続人全員の氏名と住所・相続人全員の実印を押印 遺産分割協議書はこちらからダウンロードできるため、活用してみてください。 自動車価格100万円未満は「遺産分割成立申立書」 自動車価格が100万円未満の場合は、遺産分割協議書を簡略化した「遺産分割成立申立書」を作成します。遺産分割協議書は、相続人全員の実印を押印する必要があり、遠方に住んでいたり都合が合わなかったりすると完成までに時間や手間がかかります。一方、遺産分割成立申立書は新所有者だけで作成できるため、スムーズな名義変更が可能です。 ただし、遺産分割成立申立書で名義変更するには、自動車価格が100万円未満であることを証明しなければなりません。ディーラーや自動車販売店で車の価格を確認してもらい「査定書」を入手して、遺産分割成立申立書に添付しましょう。 なお、遺産分割成立申立書は以下の項目を記入します。 ・車のナンバーと車体番号・被相続人の氏名と死亡年月日・遺産分割協議成立年月日・申立書による申請の同意年月日・新所有者の氏名と住所・新所有者の実印を押印 遺産分割成立申立書は、こちらからダウンロードできるため、活用してみてください。 車の相続手続きの流れ 手続きの流れを把握しておくと、スムーズに車を相続できるため、事前にチェックしておきましょう。続いて、車の相続手続きの流れを紹介します。 車の所有者を確認する まずは車検証を見て、誰が所有者なのかを確認します。なぜなら、車をローンで購入していると、ディーラーや信販会社が所有者になっているケースがあるからです。 ディーラーや信販会社が所有者だと、相続手続きができないため、ローンを完済して被相続人名義に変更する「所有権解除」をしなければなりません。所有者であるディーラーや信販会社に相続したい旨を伝えると、所有権解除の案内をしてくれるため、所有権を持っている会社に問い合わせてみましょう。 誰が車を相続するか協議する 遺言書がない場合は、相続人全員で「誰が車を相続するのか」協議し、新所有者を決めます。新所有者が決定したら、遺産分割協議書もしくは遺産分割成立申立書を作成します。 なお、遺産分割成立申立書は新所有者だけで作成できるため、相続人間でトラブルが発生しないよう、必ず全員に承諾を得てから手続きしましょう。 車庫証明書を取得する 相続人が決定したら、新所有者の管轄の警察署で車庫証明書を取得します。車庫証明書は3〜4日程度で発行されるため、余裕を持って申請しましょう。ただし、被相続人と新所有者が同居していた場合は、車庫証明書は不要です。 陸運局で名義変更する 車庫証明書の取得後は必要書類を持って、新所有者の管轄の陸運局で名義変更の手続きをします。名義変更後の車検証が発行され、新しいナンバープレートに交換すれば、相続手続きは完了です。 また、車の相続方法によって必要書類が異なるため、漏れがないか事前に確認しておきましょう。相続方法ごとの必要書類は以下のとおりです。 ■単独相続 ・被相続人の戸籍謄本※故人であることや相続人全員を確認できるもの・新所有者の印鑑証明書・新所有者の実印※代理人に手続きを代行してもらう場合は実印を押印した委任状・遺産分割協議書もしくは遺産分割協議成立申立書・車庫証明・申請書※OCRシート第1号式・手数料納付書・自動車税申告書 ■共同相続 ・被相続人の戸籍謄本※故人であることや相続人全員を確認できるもの・相続人全員の印鑑証明書・新所有者の実印※代理人に手続きを代行してもらう場合は新所有者の委任状・相続人全員の実印※手続きに出向けない場合は全員の委任状・車庫証明・申請書※OCRシート第1号様式・手数料納付書・自動車税申告書
相続した車の名義変更をするときは、ナンバープレートの変更も必要なのでしょうか。今回は、車を相続して名義変更の手続きをするときにナンバープレートの変更も必要なのか解説します。車を相続して名義を変えるときの参考にしてみてください。 車の相続に伴う名義変更においてナンバープレートの変更は不要 車を相続したとき、基本的にナンバープレートを変更する必要はありません。ただし、管轄する運輸局が変わる場合にはナンバープレートの変更が必要となります。例えば、亡くなられた所有者の住まいが神奈川県横浜市で、相続する代表相続人の住まいが埼玉県大宮市だった場合、ナンバープレートの変更が必要です。 また、ナンバープレートの番号は、相続するときに作成する遺産分割協議書に記載します。そのため、相続において車のナンバープレートの番号は重要な情報となります。 相続した車の名義変更の方法3つ 相続した車の名義変更をする方法は、「自身で行う」、「専門家に依頼する」、「ディーラーや販売店に依頼する」の3つです。ここからは、名義変更の方法について解説します。 自分で行う 相続した車の名義変更を自分で行う場合、自分で必要書類を揃え、管轄する運輸局で手続きします。 自分で名義変更すると、代行費用を抑えられるため、必要最低限の費用で名義を変えることができます。ただし、必要書類を揃えたり、運輸局が開いている平日の日中に手続きしたりしなければなりません。 仕事や家庭の都合などで、平日の日中に手続きするのが難しい場合には、専門家に依頼したり、ディーラーに任せた方がよいでしょう。 専門家に依頼する 相続した車の名義変更をするときに、行政書士や代行業者など専門家に依頼するという方法もあります。 司法書士や行政書士などの専門家に依頼すると、代行手数料がかかるものの、全ての手続きを任せることが可能です。また、車の名義変更だけでなく、土地の名義変更、必要書類の取り寄せなど、あらゆる手続きを依頼できます。相続手続きの際には専門家に依頼することも前向きに検討しましょう。 ディーラーに依頼する 車のディーラーや販売店に名義変更を依頼することも可能です。ただし、名義変更を依頼すると代行手数料がかかります。 また、必要書類を揃えるところまでは自分で行わなければなりません。そのため、自分で手続きする予定だったものの、平日の日中に運輸局に手続きに行けないといった場合にディーラーや販売店に名義変更を依頼するとよいでしょう。 相続した車の名義変更の流れ 車を相続し、名義変更するまでの流れは次のとおりです。 1.所有者の確認 まず、車に備え付けられている車検証の「所有者」を確認します。 所有者が亡くなられた方(被相続人)本人の場合には新しい所有者を決める段階へ進みます。もし、所有者欄にローン会社やディーラーなどが記載されていた場合には、所有者欄に記載されている所に連絡し、所有権解除の手続きをしなければなりません。 2.新しい所有者を決める 次に、相続人の中から新しい所有者を決めます。 車の相続をするときは、代表者ひとりが相続するケースが多いものの、2人以上で所有する「共有名義」にすることも可能です。どのような方法で所有するかは相続人同士でしっかりと話し合って決めましょう。 3.遺産分割協議書の作成 新しい所有者が決まったら、遺産分割協議を作成します。 遺産分割協議書には、「車名(車の名前)」、「登録番号(ナンバープレートの番号)」、「型式(車の型式)」、「車台番号(フレームナンバー)」の記載、相続人全員の署名と捺印が必要です。 ただし、遺産分割協議書は、相続人が一人の場合や軽自動車の場合には必要ありません。また、車の価格が100万円以下の場合には、「遺産分割協議成立申立書」で手続きすることも可能です。 4.必要書類を揃える 遺産分割協議書を作成できたら、名義変更に必要な書類を揃えます。 主な必要書類は次のとおりです。 ・車検証(自動車検査証)・戸籍謄本・新所有車の印鑑証明書・遺産分割協議書・車庫証明(保管場所が変わる場合)・ナンバープレート(管轄の運輸局が変わる場合)・委任状(手続きを代行してもらう場合に必要) など このように、名義変更にはさまざまな書類が必要です。書類の不備があると二度手間になることもあるため、専門家に相談したり運輸局や役所の窓口で準備する書類の確認をしたりしてから、必要書類を用意するとよいでしょう。 5.運輸局での手続き 必要書類を準備したら、運輸局で名義変更の手続きをします。運輸局では、申請書の記入や手数料納付書などを当日に作成し、窓口に提出します。本人が手続きに行くときは、実印(軽自動車の場合は認印)が必要となるため、忘れずに持参しましょう。
車を相続したときは、取得税(環境性能割)が課税されるのでしょうか。今回は、車を相続したときに取得税(環境性能割)が課税されるか解説します。また、相続税が課税されるのかという点についても解説していますので、車を相続するときの参考にしてみてください。 相続した車に自動車取得税(環境性能割)はかからない 2019年10月1日から「環境性能割」に変わった自動車取得税(単に取得税とも呼ばれる)は、車を相続したときは非課税です。 ただし、非課税であっても運輸局での申請は必要です。 車を相続したときは、管轄の運輸局または自動車検査登録事務所で名義変更(移転登録)を行うとともに、自動車税申告窓口で「自動車税(環境性能割・種別割)申告書」を提出する必要があります。 また、相続の場合は「自動車税(環境性能割・種別割)申告書」提出時に、遺産分割協議書の写しなど、被相続人(亡くなられた方・旧所有者)と相続人(新所有者)の相続関係がわかる書類の提出も必要です。 車を相続したときには、申請にさまざまな書類が必要となります。書類に不備がないよう事前にしっかりと必要書類などを確認し用意しておきましょう。必要書類や準備すべきものがわからないときは、管轄の運輸局に問い合わせて、必要物を確かめておくと安心です。 車は相続税の計算の元になる財産額に組み込まれる 相続により車を取得したときは、自動車取得税(環境性能割)が非課税であるものの、相続税の対象となる財産額に含める必要があります。 車は一般動産のひとつで、相続した場合にその車の評価額に応じて相続税を納税しなければなりません。申告漏れがあると税務署から指摘が入り、修正申告を求められたり過少申告加算税などを請求されたりする可能性があるため、車を相続したときは相続税の申告を忘れずにしておきましょう。 相続税における車の評価方法 車の相続税の財産額は、基本的に売買の実例価格や精通者(買取業者)の意見価格などを参照して評価されます。ただ、価格が不明な場合は、その車と同じ車種・型式の新品小売価格から償却費または減価額を差し引いた金額をもとに評価します。 言い換えると、車を相続したときは買取業者に査定を依頼し、その査定額に対して課税されるということです。もし、買取業者で査定ができなかった場合には、法律で定められている耐用年数に応じて相続税評価額を算出します。 耐用年数は、普通車が新車6年・中古車2年(6年経過していない場合は「新車の耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」で算出)、軽自動車が新車4年・中古車2年です。 このように、車の相続税における財産額の評価方法は、車によって異なる場合があるため、車の価格については、一度弁護士や税理士などに相談することをおすすめします。
近年、中古車の売却に関するトラブルが増加しています。2022年には「車売却消費者相談室」への相談件数が過去最多の2,822件を記録しました。(※) 「そろそろ車を売りたいけどトラブルがこわい」「問題なく手続きを進められる優良業者を知りたい」という方も多いでしょう。そこでこの記事では、よくある車の売却トラブルや対策方法、相談窓口や信頼できる業者の選び方を紹介します。 ※日本自動車購入協会(JPUC)の調査によるhttps://www.aba-j.or.jp/info/industry/19149/ 車の売却でよくあるトラブル まずはよくある車の売却トラブルを紹介します。事前に詳細な内容を把握しておくと、安全に契約を進めやすくなるでしょう。 営業電話がしつこい 一括査定サービスで起こりがちなトラブルです。一括査定に申し込むと、いくつもの買取業者から営業電話がかかってきます。査定前のアポイントはもちろん、査定後にも繰り返し売却を迫られるため厄介です。なかには一日に数十回にわたり電話をかける業者も存在し「何度断っても電話が止まらない」というクレームに発展するケースが増えています。 無理矢理売却を迫られる 査定を依頼したとしても、まだ売るかどうかの意思が固まっていない場合もあるでしょう。しかし、そうしたお客様の気持ちを無視して自分たちの利益を優先し、売却させようとするトラブルが多発しています。なかにはクーリングオフ適用外にも関わらず「クーリングオフも可能だから大丈夫です、一旦契約しましょう」などと言って契約を迫ったり、強引に契約した挙げ句に無理矢理車を持っていく業者もいるようです。しつこく営業されても、金額や対応に納得がいかないのであれば毅然とした態度で断りましょう。 契約後に減額される いわゆる「二重査定」です。昨今中古車買取業界で大きな問題として取り沙汰されており、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 車を業者に売却する場合、査定後にスタッフが金額を提示し、お客様が納得したうえで契約を交わします。「その金額なら売りたい」とお客様と合意をとって契約が成立するため、後から金額が変わるなどあってはなりません。しかし「契約後に再度車を確認したところ故障や修復歴が見つかった」などと理由をつけて減額を交渉する業者が存在します。 瑕疵担保責任という、車の引き渡し後に発覚した欠陥に対する責任を問う業者も多いですが、身に覚えがなければ応じる必要はありません。あまりにも強引に減額を迫られる場合には、後述の相談窓口(国民生活センター・車売却消費者相談室)に相談しましょう。 契約後にキャンセルできない 規定は業者により異なりますが、基本的に車を引き渡す前であればキャンセル可能です。しかし、契約後は何があろうとキャンセルは不可能といわれてトラブルに発展する場合があります。契約してから、もしくは車を引き渡してからかなりの日にちが経過しているのであれば、キャンセルできないことも多いです。しかし、契約当日中に申し出たにも関わらず応じない業者もあるため注意しましょう。 高額なキャンセル料を請求される キャンセルには応じてもらえるものの、法外な金額を請求されるというトラブルもあります。通常、キャンセルにかかるのは陸送費や整備点検費用などを含めた数万円程度です。しかし過去には40万円ものキャンセル料金を請求してトラブルに発展した事例も。契約前にはキャンセル規定をしっかり確認し、万が一法外な金額の支払いを迫られた場合には然るべき機関に相談しましょう。 契約後に代金が支払われない 稀なケースですが、契約して車も引き上げられたにも関わらず代金が支払われないというトラブルもあります。車の売買でやりとりする金額が大きいうえ、未入金は立派な契約違反です。いつまで経っても代金が支払われない場合には速やかに業者に連絡しましょう。 車の売却トラブルを未然に防ぐには 車の売却で起こりがちなトラブルについて解説しましたが、巻き込まれないためにはどのように対策したらよいのでしょうか。安心・安全に車を売却するためのポイントを紹介します。 JPUC・JADRI加盟店に依頼する なるべく安心して車を売るには、JPUC・JADRIの加盟店に依頼しましょう。 JPUC(一般社団法人日本自動車購入協会)とは、「一般消費者への安全・安心なサービスの提供」の実現のために自動車買取業界の健全化を図っている団体です。一方JADRI(一般社団法人日本自動車流通研究所)は、「中古車の円滑な流通を目指し、ユーザと事業者にとって有益な情報を提供」するべく活動しています。いずれも中古車業界の環境を整えるために欠かせない存在です。 JPUCとJADRIではそれぞれ会員制度を設けており、審査を通過した優良業者のみが加盟店として認められます。特にJPUCの適正買取店に認定されている業者は、営業コールの発信規制が設けられていたり特別な研修の受講が義務付けられていたり、買取事業における厳しい条件をクリアしています。そのため、売却トラブルにも発展しにくく、気持ちよく契約できるでしょう。安心・安全に車を売却したい場合には、JPUC・JADRI加盟店がおすすめです。 JPUCについてはこちらの記事でより詳しく解説しています。 引用:JPUCとは|一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)・ジャドリについて | JADRI:日本自動車流通研究所 契約内容をよく確認する 車の売却トラブルを防ぐために、事前に契約内容をしっかりと確認しましょう。 キャンセル可能な期日や料金など、トラブルに発展しやすい項目は特に念入りに確認しておくと安心です。納得がいかない内容に関しては、スタッフに細かく質問して疑問をクリアにしてから契約しましょう。また、万が一契約内容に反する不当な要求をされた場合には、後述する相談窓口(国民生活センター・車売却消費者相談室)に相談しましょう。 事故歴・修復歴を正直に伝える 自分で把握している事故歴・修復歴は査定スタッフにきちんと伝えましょう。主に二重査定のトラブルへの対策です。 前述した瑕疵担保責任は、故障や傷・凹みなどを認識していたにも関わらず隠していた場合に問われる責任です。把握していることをしっかりと伝えておけば、トラブルに発展しにくいでしょう。 困ったときの相談先 万が一車の売却トラブルに遭った際、どこに相談したらよいのでしょうか。以下2つが主な相談窓口です。 ・国民生活センター消費者生活センターと連携して、消費者の各種トラブルの未然防止・拡大防止を図っている団体です。車の売却トラブルの相談も数多く寄せられており、団体としても大きな問題として捉えています。 電話番号:局番なしの「188」平日だけではなく土日祝日も相談可能です。※受付時間は地域の窓口によって異なります。 国民生活センターHP ・車売却消費者相談室(JPUC) JPUCが運営する車の売却トラブル専門の相談窓口です。中古車売買の知識豊富な相談員が常駐しており、なおかつ秘密厳守で対応してもらえるので安心して相談できます。 電話番号:0120-93-4595受付時間:平日9〜17時(土日祝休) JPUC車売却消費者相談室HP トラブルを避けるなら信頼度の高い業者を選ぼう 車の売却トラブルやその対策法を紹介しましたが、安心して車を売るなら信頼のおける業者に依頼しましょう。 しかし、どうやって信頼度を見極めればよいのかわからない方も多いかと思います。わかりやすい目印としては、前述のJPUCやJADRIの加盟店であるという点。そのほか、買取事業をはじめて何年ほどの実績があるのか、お客様からどのような口コミが寄せられているかをチェックするとよいでしょう。 車買取は安心・安全の「旧車王」にお任せください! 「そうは言ってもどの業者が信頼できるの?」と不安を感じている方も多いかと思います。車の売却先にお悩みであれば、ぜひ私たち「旧車王」にご相談いただけませんか? 旧車王は、JPUCの適正買取店の認定を受けており、なおかつとJADRI、両方の加盟店でもあります。20年以上にわたって買取事業を行っており、ありがたいことに査定スタッフの知識・応対のお客様満足度は98%と高評価をいただいております。(※)事業運営の誠実さは、どの買取業者にも負けません。 お客様へのお約束として「二重査定一切なし」を掲げており、契約後の減額交渉は絶対にいたしません。一回の査定でお客様の愛車の価値をしっかりと見極めます。どんな些細なご質問にも丁寧にお答えし、アフターフォロー体制も万全です。トラブルなく、安心しておクルマを売却したいお客様、ぜひ旧車王にお任せいただけませんか?まずはお気軽にお問い合わせください! ※2022年4〜8月の間でご成約いただいたお客様のアンケートによる結果をもとに算出
車を相続したとき、自賠責保険も名義変更をした方がよいのでしょうか。今回は、車を相続した際の自賠責保険の扱いについて解説します。車を相続するときの参考にしてみてください。 車を相続した際は自賠責保険の名義変更が必要 車を相続したときは、自賠責保険の名義変更も必要です。 自賠責保険は、事故の被害者を救済するために加入が義務付けられている保険で、自動車損害賠償責任保険(自賠責)や共済保険とも呼ばれています。 自賠責保険の保険期間内であれば、保険の契約者以外が車を運転しているときに事故を起こしても補償されます。つまり、自賠責保険は、車に付ける保険なのです。 これだけ聞くと、自賠責保険の名義変更の必要性がないように聞こえてしまいますが、事故を起こしたときに保険の契約者と車の名義人が異なると、なぜ名義が違うのか証明しなければなりません。そのため、保険金の支払いまでの手続きが複雑になります。また、自賠責保険の更新のお知らせが届かず、期限が切れてしまい無保険の状態で運転してしまうことも考えられます。 このように、自賠責保険の名義変更をしないと、さまざまな問題が発生することから、車を相続したときは自賠責保険の名義変更も忘れずに行っておきましょう。 車を相続した際の自賠責保険の名義変更の方法 ここからは、車を相続したときの自賠責保険の名義変更の方法を解説します。自賠責保険の名義変更をするときに参考にしてみてください。 自賠責保険の名義変更の手続き場所 自賠責保険の名義変更の手続きは、基本的に加入している保険会社の窓口で行います。自賠責保険に加入した代理店(ディーラーや販売店など)では、名義変更の手続きができないため、加入している保険会社を自賠責保険書で確認してから手続きしましょう。保険会社によっては郵送での手続きを行っているところもあります。手続き方法の詳細は加入している保険会社に確認してください。 名義変更に必要な書類 自賠責保険の名義変更に必要な書類は主に次の4つです。 ・自賠責保険承認請求書(保険会社の窓口に用意されています)・登録事項等証明書(自動車検査証記録事項)・自賠責保険証明書・除籍謄本 この他にも用意しなければならない書類がある場合もあります。詳しくは加入している保険会社に確認してください。 車のナンバーも変更した場合に必要となる追加書類 車の相続したときに車のナンバーも変更した場合には、登録番号(ナンバープレートの番号)変更後の車検証も必要となります。 車を廃車にする場合は自賠責保険の解約が必要 車を相続するときに廃車する場合は、自賠責保険の解約も必要です。ここからは、廃車にするときの自賠責保険の手続きについて解説します。 自賠責保険解約の流れ まず、自賠責保険を解約するときのおおよその流れを把握しましょう。解約の流れは次のとおりです。 1.必要書類の準備2.契約している自賠責保険の窓口に書類を持参または郵送3.自賠責保険料の一部返還 必要書類 自賠責保険の解約に必要な書類は次の2つです。 ・自動車損害賠償責任保険承認請求書(保険会社の窓口または保険会社のホームページにて取得)・自賠責保険証明書(本紙) 上記2点の書類の他に、「登録事項等証明書」や「登録識別情報等通知書」など、廃車したことを証明する書類を求められることがあります。そのため、相続した車を廃車して自賠責保険の解約をする場合には、「車の名義変更→廃車手続き(抹消登録)→自賠責保険の解約」の順番で手続きすることになります。 自賠責保険を解約すると残りの期間分は返還される 自賠責保険を解約すると、あらかじめ支払っていた保険料の一部が月割で返還されます。車検のタイミングで2年分まとめて支払っていて、車検から半年後に解約した場合、1年半分が返還されます。 自賠責保険の名義変更の期限は? 自賠責保険の名義変更の期限は、明確に定められているわけではありません。 そのため、自賠責保険の解約手続きはいつでも問題ないと考えてしまいますが、後々トラブルにならないようにするためにも、車の名義変更と合わせて自賠責保険の名義も変更しておくとよいでしょう。 車の名義変更の期限は、名義等が変わった日から15日以内です。この期間に車の名義を変更し、ついでに自賠責保険の名義変更もしておきましょう。 自賠責保険の名義変更をしないとどうなる? 自賠責保険の名義変更をしなくても、保険期間が満了するまで保険が有効な状態で車に乗り続けることは可能です。しかし、先述したように万が一事故を起こしてしまったときの手続きが煩雑になったり、更新通知が届かなかったりすることから、自賠責保険の名義変更も行っておくことをおすすめします。
亡くなった方の車を相続するときは、戸籍謄本が必要です。なぜ戸籍謄本が必要なのでしょうか。この記事では、車の相続で戸籍謄本が必要な理由、取得方法、有効期限、相続手続きの流れを解説します。車を相続するときの参考にしてみてください。 車の相続手続きには戸籍謄本が必要 車を相続するときは戸籍謄本が必要です。そもそも戸籍謄本とは、戸籍に記載されている全員の身分事項を証明する書類のことです。 戸籍謄本の内容は、本籍、戸籍の筆頭者の氏名、その戸籍に記載されている全員の氏名・生年月日・父母の氏名と続柄・出生事項・婚姻事項・亡くなった日などの身分に関する全ての事項が記載されます。 つまり、亡くなった方の相続人であること、相続する権利があることを証明するために戸籍謄本が必要なのです。 戸籍謄本の取得方法 戸籍謄本は、本籍地の役所で取得します。遠方の場合は、郵送で請求できます。 戸籍謄本を取得するときは、戸籍謄本が必要な人の本籍がある役所に問い合わせて取得方法を確認することをおすすめします。 もし、戸籍謄本が必要な人の本籍が不明な場合は、住民票を取得すると本籍がわかります。住民票から本籍を明らかにし、本籍地の役所に問い合わせると滞りなく手続きできるでしょう。 戸籍謄本の有効期限 戸籍謄本には、原則として有効期限はありません。しかし、手続き事項ごとに「発行から◯ヶ月以内のもの」と定められていることが多いため、相続の際には戸籍謄本をはじめとする各書類の有効期限をしっかりと確認しておきましょう。 車の相続では、発行から3ヶ月以内の戸籍謄本が必要となるケースがほとんどです。車の相続を後回しにしてしまうと戸籍謄本の有効期限が切れてしまい、再取得しなければならなくなるため、3ヶ月以内に手続きを済ませるようにしましょう。 車の相続手続きの流れ 車の相続手続きは、名義人の確認から始まり、文書の作成、必要書類の用意、運輸局での手続きとなります。ここからは、相続手続きの流れを順を追って解説します。 1.名義人を確認する まず、車検証で車の名義人を確認します。車検証の所有者の欄に記載されている人が名義人です。 車検証は、車に備え付けておかなければならない書類であるため、グローブボックスやトランクなどを探すと見つかるでしょう。 また、車をローンで購入している場合やローンを完済しているものの所有権解除の手続きをしていない場合は、所有者の欄にローン会社やディーラー名が記載されています。亡くなった方が名義人ではなかったときは、所有者の欄に記載されているローン会社やディーラーなどに連絡し、所有権解除の手続きをしてから名義変更を行います。 2.遺産分割協議書を作成する 次に、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書とは、相続人の誰がどの遺産を相続するか協議し、相続人全員が合意したことを証明する書類のことです。 遺産分割協議書は、価格が100万円以上の車の相続をする際に必要です。100万円以下の場合には、「遺産分割協議成立申立書」という書類で手続きできます。ただ、遺産分割協議成立申立書で車の相続をしてしまうと、売却や廃車などの手続きをするときに相続人同士でトラブルになる可能性もあります。そのため、手間はかかるものの、遺産分割協議書を作成して相続しておく方が安心でしょう。 車の価格が100万円以上か100万円以下かということを証明するためには、査定を受ける必要があります。そのため、車を相続するときには、手続きを進めると同時に、査定も受けましょう。 3.必要書類を用意する 遺産分割協議書が作成できたら、相続(名義変更)に必要な書類を用意します。名義変更に必要となる書類等は主に次の7つです。 ・遺産分割協議書・亡くなった方戸籍謄本(出生から死亡まで)・新所有者の戸籍謄本・相続人全員の印鑑証明書・車庫証明書(保管場所が変わる場合)・車検証・ナンバープレート(ナンバー変更を伴う場合) 場合によってはその他の書類も必要になることがあるため、必要書類が不足していないか管轄の運輸局に問い合わせて確認しておくと良いでしょう。 4.管轄の運輸支局に申請する 必要書類が揃ったら、管轄の運輸局で手続きをします。書類が揃っていれば滞りなく手続きすることが可能です。 運輸局に行ったら、申請書を記入し、手数料の支払い(印紙の購入)をします。必要書類と合わせて申請書・印紙を提出すると、新しい車検証やナンバープレートが交付されます。新しい車検証やナンバープレートが交付されたら、税金の申告となりますが、相続の場合には非課税のケースが多いようです。詳しくは管轄の運輸局で確認してください。
車を相続するとき、相続人のうち1人が代表して新たな名義人になることがほとんどですが、複数人で共同所有するケースもあります。今回は、車を相続するときに、名義が複数人となる「共有名義」について解説します。車を相続するときの参考にしてみてください。 車を共有名義で相続できる 車は複数人の名義で所有できます。この複数名で1台の車を所有することを「共有名義」と言い、平等に分配する意識が強い方は共有名義で相続することを前向きに検討する傾向があります。共有名義で亡くなられた方の車を相続する場合、新しい所有者全員の印鑑証明と実印が必要です。 しかし、共有名義で車を所有することはあまりおすすめできません。その理由は、後々トラブルに発展する可能性が高いためです。 車を共有名義で相続する問題点 車を共有名義で相続すると、どのような問題が発生するのでしょうか。ここからは、共有名義で車を所有する問題点を解説します。 自由に売却・廃車ができない 複数名で車を所有しているため、自由に売却や廃車などの手続きができなくなります。車の売却や廃車などの手続きは、所有者だけができる手続きです。そのため、共有名義で所有している全員の同意がなければ、手続きを進めることができません。また、必要書類が多くなり、時間と手間がかかることにも注意が必要です。 老朽化したときの処分の費用で揉める恐れがある 車は、故障やトラブルが発生したり、点検・整備したり、税金を納めたりしなければなりません。また、共有名義の車の運転中に事故にあってしまうと修理代がかかります。車を共有名義にすると、誰がどのくらいの費用を負担するのかといったことで揉めてしまうこともあるでしょう。このようなトラブルや揉め事にならないようにするためにも、誰が何の費用をどのくらい負担するのか決めたり、代表者が所有したりすることをおすすめします。 名義変更に相続人全員の協力が必要 車を共有名義で相続する場合、相続人全員の署名や押印などが必要です。相続人が遠方に住んでいる場合には、さらに時間とお金がかかることから、車を相続するときは代表者1人が相続した方がよいといえるでしょう。 車を共有名義で相続するときの手続き 車を共有名義で相続するときは、どのような手続きが必要なのでしょうか。ここからは、車を共有名義で相続するときの手続きについて順を追って解説します。 1.相続する人を決める まず、相続する人を決めます。車の共有名義は、1台の車を2名以上で所有することであるため、少なくとも2名以上が新たな所有者となります。所有者が決まったら、名義変更に必要な書類等を準備しましょう。 2.必要書類を準備する 次に、必要書類を準備します。共有名義で所有する場合、次の書類等が必要です。 ・故人の戸籍謄本(全部事項証明書)・相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)・共同で相続する人の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの、新所有者全員分が必要)・車庫証明(発行から40日以内のもの) など 新たに所有者となる相続人全員の印鑑証明書が必要となる点が単独相続との違いです。 3.運輸局で名義変更をする 必要書類が揃ったら、運輸局で名義変更の手続きをします。書類に不備があると受理されないため、運輸局に行く前に必要書類が不足していないか確認しておくとよいでしょう。 共有名義で車の相続をするときは、相続する人を決め、相続人全員の同意を得て、新所有者の印鑑証明や実印などを用意し、運輸局で名義変更します。詳しくはこちらをご覧ください。
車は財産のひとつであるため、所有者・使用者が亡くなられたときは相続するかどうか判断し、所定の手続きを踏む必要があります。今回は、車を相続する場合、いつまでに手続きを済ませればよいのか解説します。相続の手続きのひとつである車の相続について知りたい方は参考にしてみてください。 遺産全体の分割協議には明確な期限がない まず、前提として押さえておきたいことは遺産全体の分割協議には期限がないということです。しかし、遺産ごとに期限が定められているため、それぞれいつまでに相続しなければならないのかをしっかり確認しましょう。 特に車に関しては、長らく相続しないままだと売却時や納税時の手続きが煩雑になってしまいます。いつでもよいからといって何年もそのままにしておかないようにしましょう。 車の相続をしないまま放置する問題点 車を相続しないまま放置すると、さまざまな問題が発生します。ここからは、車の相続をしなかったときに起こり得る問題点を解説します。 共有財産として扱われる 車は、相続人が複数人いる場合には共有財産となります。共有財産になると、名義変更や売却などの手続きが難しくなることから、一般的に相続人のうち、誰か1人が相続するケース(単独相続)がほとんどです。遺産分割協議により決められた相続人1人の名義になれば、売却や廃車などの手続きがしやすくなります。車は乗らなくても維持費がかかるため、車の相続は早めに行っておくとよいでしょう。 売却・廃車手続きができない 車の相続をしないままにしておくと、売却や廃車などの手続きができなくなる可能性が高いです。車の売却や廃車などの手続きは、車の所有者でなければできません。相続した車を売却したり廃車にしたりする可能性があることも考えて、遺産分割協議を行っておきましょう。 自動車税の納付書が届かず滞納につながる 車を亡くなった方の名義のままにしておくと、自動車税の納付書が届かない場合があります。自動車税は、4月1日時点における所有者が納税する義務がある税金です。車の相続をしないままにしておくと、相続人のもとに納付書が届かず税金を滞納してしまうことが考えられます。そのため、車の相続は忘れずに行っておきましょう。 任意保険の補償を受けられない恐れがある 車の相続をしないと、任意保険の補償を受けられない恐れがあります。亡くなられた方の名義のままの車で事故を起こした場合、補償するかどうかは保険会社の判断となります。もし、補償されると判断されても手続きに時間や手間がかかることがあるため、車の名義変更だけでなく、任意保険の名義変更も忘れずにしておきましょう。 車の相続とは「所有者の名義変更」のこと そもそも、車の相続とは「所有者の名義変更」のことを意味しています。そのため、亡くなられた方が保有していた車を相続するときは、まず車検証の「所有者」を確認してください。 車の名義変更は、車検証に記載されている事項の変更があった日から15日以内に行わなければなりません。そのため、車の相続をする際は、早めに手続きしましょう。 また、車検証に記載されている所有者の名義によって必要書類などが異なります。このようなことからも、亡くなった方の車の名義変更をするときは、まず所有者の確認を行うようにしてください。 車の名義変更における2つのパターン 車の相続、つまり名義変更をする場合、次の2つのパターンになることがほとんどです。ここからは、車を相続する際の名義変更について解説します。 相続後に名義変更する 亡くなられた方本人が所有者の車を相続後に名義変更をする場合は、誰が相続するのか決めます。 相続人が1人の場合は、その方が相続する「単独相続」となります。相続人が複数いる場合は、遺産分割協議にて相続する人を1人決めるのが一般的です。 遺言書がある場合には、原則として遺言書の内容に従うこととなります。ただし、一定の条件を満たしていた場合は、遺言書とは異なる遺産分割も可能です。 所有権解除後に名義変更する 車の所有者がローン会社やリース会社だった場合、車検証に記載されている所有者(ローン会社やリース会社など)に連絡をして、使用者が亡くなったことを伝えてください。もし、ローンで車を購入して残債が残っている場合には、一括返済してから所有権を解除した後に名義変更します。 所有者が死亡してから車を相続するまでの流れ 車の所有者が亡くなってから相続するまでの流れは次のようになります。 1.相続人を決める まず誰が車を相続するか決めます。相続をする人は、一般的に代表相続人1人のケースが多いですが、場合によっては共有名義(複数の相続人で1台の車を相続して所有する)にするという形をとっても問題ありません。相続する人が決まったら、次に遺産分割協議書を作成します。 2.遺産分割協議書の作成 遺産分割協議にて車の相続人を決める場合、遺産分割協議書を作成しなければなりません。車の遺産分割協議書には、自動車登録番号(ナンバープレートの番号)、車体番号、型式など、相続する対象の車であることを特定できる情報の記載が必要です。また、遺産分割協議で決めた内容に相続人全員が合意したことを示すために、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名と実印を押します。 3.名義変更に必要な書類の準備 車の相続には、さまざまな書類を用意する必要があります。車の相続に必要となる書類等は主に次の8つです。 ・自動車検査証(車検証)・遺産分割協議書(相続人全員の実印を押印済みのもの)・戸籍謄本(発行から3ヶ月以内のもの)・新所有者の印鑑証明書・新所有者の実印・車庫証明書(相続後も遺族が同じ住所に持ち続ける場合は不要)・譲渡証明書(新所有者以外の相続人全員分)・ナンバープレートなど 場合によってはその他の書類も必要になることがあるため、市役所や弁護士などに相談するとよいでしょう。 4.運輸局での手続き 相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書の作成をして、必要書類の準備ができたら、運輸局で名義変更(相続の手続き)をします。 車の価格が100万円以下の場合 ここまで解説してきた流れは、車の価格が100万円以上になるケースです。 車の価格が100万円以下の場合には、遺産分割協議書の代わりに遺産分割協議成立申立書を提出します。また、車の相続人以外の書類が不要です。 ただし、車の価格が100万円以下であることを証明するために、査定書や査定価格を確認できる資料を用意する必要があります。 車を相続する際は、一度査定してもらい車の価格を明らかにしておきましょう。
車の相続手続きには、戸籍謄本のほかに改製原戸籍も必要です。とはいえ、改製原戸籍はなぜ必要なのか、どのような書類なのか疑問に思う方もいるでしょう。この記事では、車の相続手続きに必要な改製原戸籍についてや、取得方法などを紹介します。 車の相続手続きには改製原戸籍が必要 車の相続手続きは、相続人全員を正確に確認しなければならないため、改製原戸籍が必要です。戸籍謄本では、過去の情報が記載されておらず、相続人全員を正確に確認できません。 一方、改製原戸籍には被相続人の過去の婚姻や離婚、養子縁組などの身分事項に変更があったことも記載されています。例えば、離婚した元配偶者との間に子どもがいたり、認知している養子がいたりと、思わぬ相続人がいる可能性があります。相続人全員を確実に把握し、トラブルなく正確に手続きするには、被相続人が生まれてから死亡するまでの全期間の戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍を確認しなければなりません。 改製原戸籍とは 改製原戸籍とは、コンピューター上で保管される様式になる前の紙の戸籍のことで「原戸籍(はらこせき)」とも呼ばれています。1994年の戸籍法改正により、戸籍をコンピューター上で管理し、請求があった際に紙へコピーして渡される方法に変わりました。なお、コンピューター上で保管されている内容を「コンピューター戸籍」、1948年から現在までの戸籍を「現行戸籍」とも呼ぶため、混同しないよう注意しましょう。 また、コンピューター戸籍には改正前の記述が全部引き継がれていないため、被相続人の死亡年齢が高いほど、古い戸籍を取得する必要があります。例えば、1994年の改正前に長女が婚姻して被相続人の戸籍から外れていた場合、コンピューター戸籍には父母の記述しかありません。 【改正前】・父・母・長女 婚姻のため除籍 【改正後】・父・母 そのため、被相続人が1994年以前に生まれている場合、相続人全員を把握するには、改製原戸籍も確認する必要があります。なお、被相続人が1947年以前に生まれた場合は、1915年〜1947年に作成された「大正4年式の戸籍」も必要です。 改製原戸籍の取得方法 改製原戸籍は、被相続人の本籍がある市区町村の役場で取得できます。相続人の本籍が遠方にあったり、平日に役場へ出向けなかったりする場合は、郵便で取り寄せることも可能です。以下を市区町村の役場に郵送すれば、改製原戸籍を取得できます。 ・戸籍の請求書・返信用封筒 ※切手を貼る・定額小為替・本人確認書類の写し ただし、郵送による取得はポストに投函してから、手元に届くまで10日程度かかるため余裕を持って取得しましょう。取得方法は、役場によって異なるため各自治体の公式Webサイトを確認してみてください。 また、被相続人の改製原戸籍を取得できるのは、基本的に配偶者と直系の親族です。使用目的に正当な理由がある場合は、以下の第三者でも委任状があれば取得できます。 ・戸籍に記載されていない方・直系の親族ではない方・法定代理人・弁護士や行政書士などの委任を受けている専門家 なお、改製原戸籍は戸籍謄本のように、コンビニで取得できないため注意しましょう。 車の相続手続きの必要書類 車の相続手続きの必要書類は、誰が相続するかによって異なります。続いて、車の相続手続きの必要書類を紹介します。 相続人が1人の場合 相続人が1人しかいない場合は、以下の書類が必要です。 ・被相続人の戸籍謄本 ※相続人全員が記載されていない場合は改製原戸籍謄本や除籍謄本も必要・相続人の印鑑証明書・実印 ※代理人に手続きを代行してもらう場合は委任状が必要・車庫証明書 ※被相続人と同居していた場合は不要・車検証・申請書(OCRシート1号様式)・手数料納付書・自動車税申告書 法定相続人が複数いて単独相続する場合 相続人が複数おり、協議した結果1人が単独相続する場合は、以下の書類が必要です。 ・被相続人の戸籍謄本 ※相続人全員が記載されていない場合は改製原戸籍謄本や除籍謄本も必要・相続人の印鑑証明書・遺産分割協議書・実印 ※代理人に手続きを代行してもらう場合は委任状が必要・車庫証明書 ※被相続人と同居していた場合は不要・車検証・申請書(OCRシート1号様式)・手数料納付書・自動車税申告書 なお、相続する車の価値が100万円以下の場合は、遺産分割協議書ではなく「遺産分割成立申立書」でも手続きできます。遺産分割成立申立書は、新所有者だけで作成できるため、遺産分割協議書のように相続人全員の実印を押印する手間がかかりません。 ただし、遺産分割成立申立書で相続手続きする場合は、車の価値が100万円以下であることを証明する書類を添付する必要があります。ディーラーや自動車販売店に車の価値を確認してもらい「査定書」を入手しましょう。 複数の相続人で共同相続する場合 複数の相続人で共同相続する場合は、以下の書類が必要です。 ・被相続人の戸籍謄本 ※相続人全員が記載されていない場合は改製原戸籍謄本や除籍謄本も必要・相続人全員の印鑑証明書・相続人全員の実印 ※手続きに行けない場合は全員分の委任状が必要・車庫証明書 ※保管場所に変更がない場合は不要・車検証・申請書(OCRシート1号様式)・手数料納付書・自動車税申告書 共同相続は車の使用頻度や売却金について、相続人間で揉めるケースがあるため、トラブルに発展しないよう、きちんと取り決めを交わしておきましょう。