旧車売買の豆知識

兄弟のクルマを相続するのはどんなケース?手続きや必要書類も解説
旧車売買の豆知識 2024.08.20

兄弟のクルマを相続するのはどんなケース?手続きや必要書類も解説

兄弟が亡くなった場合、誰が被相続人の車を相続するのかについて、遺言書をもとに決定していく必要があります。しかし、必ずしも遺言書があるとは限らないうえに、肝心の相続について記載がない場合も少なくありません。今回は兄弟のクルマを相続するケース、相続することになった場合の具体的な手続きと流れ、必要書類などを紹介します。 兄弟のクルマを相続するケース 兄弟のクルマを相続するケースは、以下のいずれかです。 ケース1: 遺言書で車を相続させることを指定している場合 亡くなった兄弟が遺言書で自分の車を特定の兄弟姉妹に相続させる旨を指定している場合、その指示に従って車を相続することになります。 ケース2: 法定相続人である場合 法定相続人になった場合、兄弟のクルマを相続できる可能性があります。 法定相続人とは、被相続人の財産を相続する権利がある人のことで、民法で相続順位が定められています。具体的な相続順位は、下記のとおりです。 第一順:配偶者・子ども(直系卑属)第二順:父母・祖父母(直系尊属)第三順:兄弟姉妹 参考:民法「889条」 つまり、兄弟に配偶者や子ども、父母などがいない場合は、兄弟姉妹にクルマを相続する権利が与えられる可能性があります。 兄弟姉妹が複数人いる場合は、下記のように均等に分配されます。 長男:被相続人長女:1/3次男:1/3次女:1/3 他の兄弟姉妹が亡くなっている場合は、代襲相続人として、被相続人の甥や姪が法定相続人となります。代襲相続人とは、被相続人の子どもや兄弟姉妹が亡くなっている場合に、代わりの相続人となる人のことです。 ただし、代襲相続は兄弟の甥や姪までしか発生しません。甥や姪の、子どもや孫は代襲相続人になれないことに留意してください。 また、被相続人に配偶者がいる場合、兄弟姉妹は以下の分配で相続します。 配偶者:3/4兄弟姉妹:1/4 兄弟姉妹が複数人いる場合は、1/4を人数で均等に分けて相続します。 兄弟のクルマを相続するときの流れ まず前提として、自動車を相続する人全員が名義変更をする必要があります。どのように名義変更をすれば良いのか、以下で流れを確認しましょう。 1.対象車の正式な所有者を確認する 故人が使っていたクルマだからといって、名義が故人本人になっているとは限りません。例えばローンで該当車を購入した場合などは、名義が信販会社や自動車販売店、ディーラーになっているケースが考えられます。また、リース契約で車を使用していた場合は所有者がリース会社であるケースもあるでしょう。クルマの正式な所有者は「自動車検査証」(車検証)上で確認できるので、相続が発生した時点でまず故人の名義になっていることを確認しましょう。 2. 新しい所有者を決めて「遺産分割協議書」を作成 新しい所有者を決める際は、最初に遺言書で次の所有者が指定されているかどうかを確認しなければなりません。故人が遺言書で車の相続者を指定している場合は、その遺言書に従います。遺言書がなかったり、車の相続に関する記載がなかった場合は、誰が自動車を受け継ぐのかを遺産分割協議で決める必要があります。名義変更には協議の内容に基づいて作成する「遺産分割協議書」が必要です。この協議書には法定相続人全員の署名と捺印があることが必須です。また、クルマの価格が100万円以下である場合には「遺産分割協議成立申込書」という簡易な書類でも手続きが可能です。 3. 警察署で車庫証明の申請をし、必要書類を準備する 運輸支局で名義変更をするために必要な書類を集めます。 なかでも車庫証明は受け取りまでに時間がかかるため、早めに申請しましょう。ただし、車の置き場が故人の使用していた場所と変わらない場合は車庫証明は必要ありません。車庫証明の申請場所は、これから登録する車庫証明の場所を管轄する警察署です。当日持参する必要のあるものを所轄の警察署に事前確認してから、申請に行くようにしましょう。当日は所定の申請用紙に必要事項を記入し、必要書類と一緒に提出します。この申請用紙は運輸局や自治体のウェブサイトからダウンロードが可能です。 申請から交付まで約1週間ほどかかるため、申請後に発行された頃になったら再度管轄の警察署に出向き、交付を受けましょう。 4. 運輸支局で名義変更の手続きをする 1から3までの手順が無事に終わったら、名義変更を行います。必要書類を運輸支局へ持参のうえで手続きします。受付時間は平日の限られた時間帯のため、直接行くのが難しい場合は委任状を用意して代理人を立てることも検討しましょう。 5. 名義変更完了後の手続き(クルマの新しい所有者になったらすること) 名義変更によって自身が新しい所有者になった後の対応については、今後クルマをどうしたいかによって異なります。「相続した車に乗り続けるのか?」「相続したクルマを売却するのか?」また値段がつかない等の理由で売却できない場合は、「廃車するのかどうか?」などの選択肢が考えられるでしょう。以下、パターン別に手続きのポイントを解説します。 パターン1. 相続したクルマに乗り続ける場合 この場合は、自動車保険の引き継ぎや変更をする必要があります。故人の利用していた保険の保険会社に連絡しましょう。 パターン2. 相続したクルマを第三者に売却したい場合 この場合は、ディーラーや中古買取業者に連絡しましょう。通常の売却時に必要な資料に加え、以下の書類が必要です。・被相続人の戸籍謄本・遺産分割協議書 なお、通常の売却に必要な資料は以下のとおりです。・実印・印鑑証明書・自動車検査証・自動車税納税証明書・自賠責保険証・リサイクル券 パターン3. 相続した車を廃車したい場合 必要書類を揃えて運輸支局で手続きをし、廃車手続きを行います。詳細は管轄の運輸支局のホームページで確認しましょう。 兄弟のクルマを相続するときの必要書類 ここでは、兄弟の車の相続における名義変更の際に必要な書類一式を紹介します。 相続人が1人だけで、その1人が相続するパターン ・故人の戸籍謄本 (全部事項証明書)・相続人の戸籍謄本 (全部事項証明書)・相続人の印鑑証明書 (発行から3ヶ月以内のもの)・相続人の実印     ・車検証 (原本)・車庫証明書 複数人の相続人のうち1人が相続するパターン ・遺産分割協議書 (もしくは遺産分割協議成立申込書)・故人の戸籍謄本 (全部事項証明書)・相続人の戸籍謄本 (全部事項証明書)・相続人の印鑑証明書 (発行から3ヶ月以内のもの)・車検証 (原本)・車庫証明書 (40日以内のもの) なお、名義変更の際は費用も発生します。自身で全ての手続きを行う場合は約6,000円、行政書士やディーラーなどに代行を依頼する場合は1万円以上はかかります。 兄弟のクルマを相続するときの注意点 兄弟の車を相続することになったときに何に注意したら良いか見ていきましょう。ここでは重要かつ見落としがちなポイントを2点ご紹介します。 自動車保険も名義変更する 相続した自動車に乗り続ける場合は、自動車保険の名義を変更する必要があります。自賠責保険と任意保険はいずれも名義変更しましょう。名義をそのままにしておいて万が一事故を起こした場合は、補償が受けられない場合があります。 相続税が課税されないか確認する 兄弟のクルマを相続するときは、相続税が課税されないか確認しましょう。預金額や不動産などを相続したときと同様に、クルマも相続税の対象です。 ただし、遺産の合計が基礎控除額より少なければ相続税はかかりません。基礎控除額は、下記のように相続する人数によって金額が異なります。 計算式:3,000万円+(600万円×法定相続人数) 1人:3,600万円2人:4,200万円3人:4,800万円 相続するクルマとその他の財産の合計が、上記の基礎控除額を超えていないか確認してみてください。 評価額(クルマの価値)を調べる方法は下記のとおりです。 ・買取相場価格による評価・売却査定価格による評価・減価償却による評価 なお、相続税の申告で漏れがあり税務署から指摘された場合は、ペナルティが課されるケースがあることに注意が必要です。正確に相続税を計算したい場合は、専門家に相談するとよいでしょう。 車検が切れている場合は手続きが複雑 車検が切れているクルマは、通常通りに名義変更できないため、相続手続きが複雑です。車検切れのクルマを相続するには、まず車検を通さなければなりません。 相続したクルマを処分する場合は、車検に通す必要はないものの、解体業者にスクラップを依頼した後に「移転抹消登録」をする必要があります。 また、車検切れでは公道を走行できないため、仮ナンバーを取得しなければ、整備工場や運輸支局にクルマを持ち込めません。 相続する際に必要な書類のほかに「移動報告番号と解体通知日が記載された書類」や「永久抹消登録申請書」などを揃える手間もあります(処分する場合)。 クルマの相続はただでさえ複雑なものの、車検切れの場合はさらに手間がかかることに留意してください。 ▼なお、下記記事では車検切れのクルマを相続する際の、対応方法や注意点を具体的に解説しています。廃車にしたいときの手続きについても解説しているため、相続したクルマの処分を検討している場合は参考にしてみてください。車検切れのクルマを相続するときにはどうしたらいい?対応方法や注意点を解説!

雹害車の修理方法は?依頼先・費用・保険について解説
旧車売買の豆知識 2024.08.20

雹害車の修理方法は?依頼先・費用・保険について解説

クルマを運転しているときや屋外駐車場に停めているときに雹が降ると、ボンネットやルーフがへこんだりガラスが割れたりする可能性が高く、非常に危険です。雹とは、積乱雲から降る氷の塊のことです。直径5mm未満の粒をあられというのに対して、雹は5mm以上のものを指します。 今回は、雹害の修理方法と依頼先、費用、車両保険の適用について紹介します。愛車が雹害に遭って困っている方は今後の対応の参考にしてみてください。 雹害車の修理方法 雹害車の修理方法は、「デントリペア」「板金塗装」「パーツ交換」の3つです。まずは、それぞれの特徴について解説します。 デントリペア デントリペアは、クルマにできたへこみを裏から押し出して元の状態に戻す方法です。ヨーロッパで誕生しアメリカで育った技術で、日本に入ってきたのは西暦2000年頃といわれています。クルマの修理技術としての歴史はまだ浅いものの、広く普及しつつある方法です。 デントリペアの大きなメリットは再塗装をしないで済むことです。たとえば、板金塗装だとへこんだ箇所を引っ張ったり叩いたりしたうえで再塗装する必要があります。 再塗装でボディの色味が変わってしまうケースも多く、ムラがあると売却時に査定額が下がってしまいます。デントリペアであれば塗装には手を加えないため、クルマ本来の価値を維持できるでしょう。 また、外装修理の工程で一番費用がかかるのは塗装であるため、再塗装せずに済むデントリペアでは修理代を大幅に抑えられます。 しかし、被害箇所の数が多いとかえって費用がかさんでしまう点に注意しましょう。へこみ1個単位で修理代が算出されるケースがほとんどであるため、被害が数百箇所にも及ぶ場合は非常に高額な費用がかかる可能性があります。 板金塗装 板金塗装とは、板金と塗装の2つの工程からなる方法です。ボディの鉄板を引っ張ったり叩いたりすることでへこみをなくし、そこに塗装を施してクルマを修復します。また、なかなか直らないへこみや傷の段差を埋めるのにパテを使用する場合もあります。 軽度の被害はもちろんのこと中程度の被害にも対応可能です。デントリペアでは修理が難しいといわれるピラー部分も問題なく修理できます。 パーツ交換 パーツ交換とは、その名の通りクルマのパーツを交換する方法です。デントリペアや板金塗装でも対応ができないほど重大な被害にあってしまった場合に行います。デントリペアや板金塗装では、歪みやへこみなどが完全に元通りにならないケースも見受けられますが、パーツ交換であれば基本的に新品パーツに取り替えるため、仕上がりを心配する必要もありません。 なお、雹によって被害にあいやすいパーツとしては、ボンネット、ルーフパネル、トランクフード、フロントガラス、ヘッドライトなどが挙げられます。 雹害車の修理を依頼できる業者 雹害車の修理を依頼できる業者は、以下の4つです。 ・ディーラー・整備工場・板金修理工場・デントリペア専門店 新車の場合は、購入したディーラーに修理を依頼するのが一般的です。工場に依頼するのであれば、整備工場でも板金修理工場でも問題ありません。 デントリペア専門店とは、その名の通りデントリペアを専門に行う業者です。デントリペアに特化しているため、知識と経験を活かした質の高いサービスに期待できるでしょう。ただし、デントリペアは非常に難しい技術です。経験の浅い業者に依頼してしまうとかえって仕上がりが悪くなってしまうため、慎重に業者を選びましょう。 雹害車の修理費用 雹害の修理費用はクルマの状態によって異なります。被害状況別に修理費用の相場をみていきましょう。 軽度な被害 軽度な被害であればデントリペアで修理できる可能性があります。軽度な被害とは、1個のへこみの大きさが1~2cm程度でぱっと見では雹害だとわかりにくく、被害箇所が数箇所程度の状態です。1箇所あたり1〜3万円ほどの修理費用がかかります。 中程度の被害 中程度の被害にあってしまった場合は板金塗装での修理がよいでしょう。中程度の被害とは、1個のへこみの大きさが2~3cm程度で一目で雹害とわかる状態です。ルーフパネル、ボンネット、トランクフードまで板金塗装した場合で、15万〜30万円程度が相場です。 重度な被害 重度な被害の場合は、パーツを丸ごと交換しなければなりません。重度の被害とは、1個のへこみの大きさが3cmを超え、クルマ全体がボコボコの状態を指します。各パーツの交換費用の目安は以下のとおりです。 ・ルーフパネル 10万〜30万円・ボンネット 6万〜10万円・トランクフード 10万〜15万円・ドアパネル(1枚あたり) 10万〜30万円 雹害車には車両保険が使える 深刻な雹害にあった場合、クルマの修理もしくはパーツの交換費用は高額になってしまいます。車両保険が使えるのかどうか不安な方もいるかと思いますが、結論からいうと使用可能です。ここからは、雹害にあった際の車両保険の特徴や注意点について解説します。 雹害車は「エコノミー型」でも補償される 車両保険には「一般型」と、保険料が安い「エコノミー型」の2種類があります。補償範囲が限定的な「エコノミー型」にも「飛来・落下物との衝突」が含まれており、雹害への補償が可能です。 なお、クルマが全損だった場合は、免責金額は引かれずに、設定された車両保険金額が保険金として支払われます。全損には、クルマが大破して修理不可能な状態の「物理的全損」と、修理費用が保険金額を超えた場合の「経済的全損」の2種類があります。たとえば、修理が可能ではあるものの保険金額が100万円で修理費用が120万円だった場合は、経済的全損の対象です。 雹害で保険を使うと1等級ダウンする 雹害で車両保険を使った場合、翌年は1等級ダウンします。また、事故あり係数適用期間が1年加算されます。なお、他のクルマとの衝突事故や単独事故の場合は3等級ダウンです。雹害などの自然災害による被害は、人為的な判断ミスや運転ミスによる事故ではないため、1等級ダウンだけで済みます。 また、1等級ダウンの場合は事故あり係数適用期間が2年後にはリセットされるため、車両保険を利用するメリットは大きいといえるでしょう。 保険の請求期限は「事故発生から3年以内」 雹に限らず、車両保険の請求期限は損害を受けてから3年です。つまり、雹が降った日から3年以内に請求しなければ、保険金を受け取ることができません。 また、期限ギリギリに請求すると雹とクルマの損傷の関連性が十分に認められず、保険金が減ってしまう場合があります。損害の程度にかかわらずなるべく早めに手続きしましょう。 修理しなくても保険を使ってOK クルマを修理せずに保険金のみを受け取ることも可能です。保険金は修理費用としてではなく、クルマの買い替えの資金や他の用途にも使えます。ただし、保険金を確定させる必要があるため、整備工場もしくは板金塗装工場に概算見積もりをしてもらわなければなりません。工場によっては見積もり費用が発生するケースもあるため、事前に料金を確認しておきましょう。 また、受け取った保険金でクルマを買い替える場合は、納車されるまでの間に代車が必要なケースもあります。たとえば、雹害によりフロントガラスが割れてしまった場合、そのまま公道を走ると違反行為とみなされます。(道路交通法「62条」) 走行に支障をきたす故障や不具合がある場合には、代車を手配しなければなりません。保険会社によっては代車を手配する特約を用意している場合もあるため、ご自身が契約した内容を確認してみてください。 雹害車を修理すると「修復歴あり」になる可能性がある 雹害で修理した場合、クルマが「修復歴あり」扱いになる可能性があります。 雹は大きいものだとゴルフボール程度の大きさで、時速100km以上もの速度で落下します。ルーフパネルやリアフェンダーなどのいわゆる骨格と呼ばれる部分にも深刻なダメージを与えるケースも多く、前述の通りパーツを丸ごと交換することも珍しくありません。骨格部分を交換すると「修復歴あり」になってクルマの価値が落ちてしまいます。将来的に売却する際の査定額にマイナスな影響が出てしまうため、留意しておきましょう。 雹害車の修理の判断のポイント ここからは、雹によりクルマに傷がついた場合に、確認しておきたい2つのポイントを解説します。 保険の等級を考慮する 雹による傷は車両保険の補償範囲内です。しかし、保険を使用すると翌年の等級が1つ下がってしまいます。2年後にはもとの等級に戻りますが、事故あり係数適用期間の加算も重なることで保険料が高くなります。 大手ネット型保険のサイトでシュミレーションしたところ、現在の保険料が3万円、15等級の方が1等級下がると1万8,000円の増額されるという結果になりました。小さい金額ではないため、保険の等級が変わる影響について、検討したほうがよいでしょう。 修理費用と被害の程度を総合的に見て判断する 雹による被害の程度に応じて、適切な方法を選択する必要があります。被害の程度によっては、修理よりも交換のほうが安く済みます。 たとえば、ボンネットはルーフパネルやトランクフードに比べて交換費用が安価です。また、修理や交換をすると修復歴有りの扱いになり、将来的な査定額に大きく影響する可能性があります。こうしたことを踏まえて、対応を検討しましょう。 クルマの雹害の対策方法 ここからは、雹被害からクルマを守るための方法を2つ紹介します。 カーポートの設置 カーポートは、車庫スペースに屋根と柱を設置してクルマを保護する設備です。雹をはじめ、紫外線や鳥のフンなどからクルマを守る役割を果たします。塗装やボディの劣化を防止できたり、洗車の頻度を減らせたり、雨の日に傘を差さずに乗降できたりするなどのメリットがあります。 一方で、設置する際の初期費用と破損した場合の修理費用など、コスト面の考慮が必要です。また、設置場所にスペースがないと、柱の分だけ狭くなるため駐車しにくくなる可能性もあります。 メリットとデメリットを踏まえて、カーポートを設置するかどうか決めましょう。 毛布や厚手のボディカバーで覆う 毛布や厚手のボディカバーは、雹が直接クルマに当たるのを防いでくれるため、ボディやガラスの損傷を軽減してくれます。カーポートよりも手軽に入手できるため、スペースやコストの部分で難しい場合の選択肢といえるでしょう。 なお、毛布は水を吸うことで重くなり、固定が十分でなければズレてしまいます。また、ボディカバーは毛布ほどの厚みがありません。併用したり座布団を置いてから被せたりするとよいでしょう。 雹害を受けた車は自分で修理できる? 金属部分の凹みを自分で修理するのは難しいですが、浅い傷や樹脂パーツの凹みは、自分で修理ができます。 それぞれの対応方法は、下記のとおりです。 ・傷への対応方法:タッチペンやコンパウンドで傷を埋める・凹みへの対応方法:ドライヤーで温めて形を戻す いずれの方法も1万円未満で用意できます。ただし、方法を誤ると、状態が悪化する可能性があります。クルマをできるだけ元の状態に復元したい場合や、雹害の程度が深刻な場合は、ディーラーや修理業者へ相談するとよいでしょう。 まとめ 雹害車の修理方法と費用、依頼できる業者、車両保険について解説しました。 雹害車の修理方法は、先述の通り「デントリペア」「板金塗装」「パーツ交換」の3つがあります。被害の程度によって適切な修理方法や費用が異なりますが、雹害にあうと高額な費用がかかってしまうケースが多いです。しかし、車両保険に加入していれば補償されるため契約内容を確認したうえで、修理と手続きを進めましょう。 しかし、数十年も前に発売された古いクルマだと車両保険を付帯できないケースが多いです。パーツも少なく修理するにも費用がかさむ可能性もあるため、思い切って売却するのも1つの方法といえるでしょう。

「車検整備付き」って何?「車検付き」と何が違う?メリット・デメリットを解説
旧車売買の豆知識 2024.08.20

「車検整備付き」って何?「車検付き」と何が違う?メリット・デメリットを解説

中古車には「車検整備付き」や「車検付き」という表示があります。言葉は似ていますが、購入の際に実際に支払う金額に差が出てきます。この記事では、車検整備付きと車検付きとの違い、車検整備付きの車を選ぶメリットとデメリットについて、詳しく解説します。 車検整備付きとは 車検整備付き車とは、現在車検切れしているクルマを、中古車業者が車検を通して納車してくれるクルマのことです。表示価格には、車検を受ける前に必要な整備費用までが含まれます。法定費用という、自賠責保険、自動車重量税と印紙代を加算すれば、中古車を購入できます。 車検切れしているクルマには他に「車検整備なし」や「車検なし」の表示もあります。これらは中古車業者では車検を通すための整備や、車検を通す手続きはしません。車検に関する作業や手続きは、全て購入者が対応する必要があります。 車検整備付きと車検付きの違い 車検付きとは、車検の満了期間が残っているクルマです。購入時に車検を通す作業は不要なので、名義変更を済ませれば、すぐに乗車することができます。ただし残っている車検の満了期間は、選ぶクルマによります。満了期間が近ければ、クルマを購入してすぐに、車検を通すための手続きと費用が必要になります。 車検整備付きの車を選ぶメリット 車検整備付きのクルマを選ぶことで得られるメリットは、下記の2つです。 中古車を購入後2年間は車検を気にせずに乗ることができる 車検整備付きの中古車には、2年間の車検がついています。車検が残っている個体の場合、乗り換えてすぐに車検のタイミングを迎えるケースは少なくありません。 車検を通す際は費用がかかるうえに、完了するまではクルマに乗ることができないため、ストレスを感じる方もいるでしょう。車検整備付きであれば、納車後の早いタイミングで車検を受ける必要がないため、2年後の車検まで車に乗り続けることができます。 車検を依頼する事業者を自分で探さなくて済む 車検は、カーディーラーや整備工場などさまざまな選択肢の中から自身に合った依頼先を見つける必要があります。それぞれの特徴を理解したうえで探すことに負担を感じる方は少なくありません。 たとえば、安心感や信頼性を重視してカーディーラーで車検を受けると費用が高くなり、自分で整備工場に持ち込む場合は費用を抑えられるものの工場によっては手間がかかります。 車検整備付であれば、慌てて車検の依頼先を探す必要がなく、納車後の2年間で比較検討できる余裕があります。 車検整備付の車を選ぶデメリット 車検整備付きのクルマを購入する際には、いくつか注意しなければならないこともあります。ここでは、主なデメリットを3つ紹介します。 中古車業者が車検を通すための期間は乗車できない 車検を通してからの受け渡しになるため、納車のタイミングを予測しにくい点がデメリットです。特に販売店が繁忙期の場合、納車が予定より遅れてしまう可能性もあります。自分ではコントロールできない部分のため、車検整備付きのクルマは納車期間に余裕がある方の選択肢といえるでしょう。 表示価格から追加される費用がわかりにくい 車検整備付きのクルマには、法定費用が追加されます。実際に車検を通す場合、年式や車輌重量など複数の条件によって費用が決まるため、クルマ選びの段階では正確な金額が見えにくい点がデメリットです。 購入価格が高いのか安いのか判断が難しい 車検整備付きのクルマは、2年間の車検が付いて安心ですが、車検が残っている個体や車検なしの個体に比べて割高です。 自分で車検を通す場合、車検整備付きとして販売されている個体より安くなる可能性もあるため、購入価格が適正かどうか比較検討しましょう。具体的には、車検整備付きのものとそうではないものの価格を比較し、走行距離やクルマの状態の差も考慮しつつ、価格が適正かどうかを判断します。 車検整備付きは本当にお得なの? 車検整備付がお得になるか否かは、購入者本人の希望次第です。以下の条件に当てはまる方は、車検整備付の中古車の購入が向いています。費用を少しでも安く抑えたい方は、車検整備無しや、車検なしの中古車の購入も検討すると良いでしょう。 ・中古車業者が車検を通す時間を待つことができる・中古車を購入したら、なるべく長く車検を気にしたくない方・自分で車検を通す業者を探すのが手間だと感じる方 車検整備付きについてよくある質問 車検整備付きの中古車について、よくある3つの質問に回答します。 車検整備別の中古車との違いは? 車検整備付きの中古車を購入する際は、法定費用が追加でかかります。一方、車検整備別の中古車は、法定費用に加えて整備費用も必要です。 新車未登録の中古車との違いは? 新車未登録の中古車は、新車と同じ扱いのため、車検に関する追加費用がかかりません。また、車検期間も3年間と1年長い点が車検整備付きとは異なります。 予備車検付きの中古車との違いは? 予備車検付きの中古車には、ナンバープレートが付いていません。公道を走れるかどうかの予備車検のみを実施しており、購入後3ヶ月以内に運輸局で本登録の手続きが必要です。通常の車検(法定点検)は通っていないため、安全性の観点から車検を受けることが大切です。

車の修理に保険を使う判断基準は?保険を使えるケースや等級数も紹介
旧車売買の豆知識 2024.08.19

車の修理に保険を使う判断基準は?保険を使えるケースや等級数も紹介

車の修理が必要になった場合、保険を使えば修理費用が補償されます。ただし、保険を使うには一定の条件があるため、補償してもらえるのか不安に思う方もいるでしょう。また、翌年の保険料も上がるため、保険を使うかどうかは慎重に判断する必要があります。この記事では、車の修理費用を補償してもらえるケースや、保険を使う判断基準などを紹介します。 車の修理に保険を使えるケース 車の修理には「対物賠償責任保険」と「車輌保険」を使えます。ただし、補償の対象が「他人の車」と「自分の車」かで使う場面が異なるため、違いを把握しておきましょう。まずは、車の修理に保険を使えるケースを紹介します。 他人の車に損害を与えた場合 相手の車に損害を与えたケースでは「対物賠償責任保険」を使います。対物賠償責任保険は、他人の所有物に損害を与えてしまい、法律上の損害賠償責任を負った際に、相手へ保険金が支払われます。 たとえば、他人の車や所有物、電柱やガードレールなどを壊した場合に対物賠償責任保険で補償が可能です。補償金額は、契約時に決めた保険金額となり、1,000万円〜無制限まで設定できます。 ただし、記名被保険者やその家族の車は、補償対象外なため注意しましょう。具体的には、記名被保険者の以下の方が補償対象外です。 ・配偶者・子ども・親 なお、契約車輌を運転している方の配偶者や子ども、親も補償対象外です。 自分の車を修理する場合 事故や災害などで自分の車を修理する場合は「車輌保険」を使います。盗難や当て逃げ、いたずらによる落書きなどでも、修理費用を補償してもらうことが可能です。ただし、車輌保険には「一般型」と「エコノミー型(車対車)」の2種類があり、加入しているタイプによっては補償対象外になるケースもあります。 一般型は補償範囲が広く、以下のケースで車輌保険を使えます。 ・他の車との接触や衝突・単独事故・火災や台風などの災害・落下物との衝突・落書きやいたずら・盗難・当て逃げ 一方、エコノミー型は保険料を抑える代わりに補償範囲が狭いタイプであり、単独事故や当て逃げをされた際は補償対象外です。たとえば、車庫入れの失敗や駐車中に他の車に擦られた際にできた損傷は補償されません。 また、補償金額の限度額は契約時に設定された「車輌保険金額」です。保険証券をチェックして、加入しているタイプや車輌保険金額を確認しましょう。なお、地震や津波、火山の噴火が原因で車が故障した場合は、タイプを問わず補償対象外になるため注意してください。 車の修理に保険を使うと翌年の保険料が上がる 車の修理に保険を使うと、翌年の保険料が上がります。自動車保険には「1〜20等級」まであり、等級が高いほど保険料が安くなります。たとえば、20等級の「63%」に対して、17等級の割引率は「44%」です。 自動車保険は基本的に「6等級」からスタートし、無事故の場合は翌年に1等級アップします。保険を使った場合は「1等級」もしくは「3等級」ダウンする仕組みです。 参考:東京海上日動公式Webサイト よくある質問「ノンフリート等級別割引・割増制度の割増引率の決定方法を教えてください」 4等級以下からは割引率ではなく「割増率」が適用されるため、等級が低いと保険料が高くなることも把握しておきましょう。ただし、保険会社と共済の自動車保険では、割引率や割増率が異なるケースがあります。具体的な割引率や割増率は、加入している保険会社や公式Webサイトを確認しましょう。 また、事故の内容に応じて下がる等級数が定められているため、保険を使う際の参考にしてみてください。 ■3等級ダウン事故 ※主に自分に過失がある事故 ・車同士の事故で車が壊れた・当て逃げ・自転車や通行人をケガさせた・建物や電柱など他人の所有物に衝突して壊してしまった 当て逃げは自分に過失はないものの、3等級ダウンに該当します。加害者が見つかった場合は、相手に修理費用を請求できるため、ドライブレコーダーや防犯カメラを使って対策しておくとよいでしょう。 ■1等級ダウン事故 ※自分に過失がない事故 ・自然災害・落下物との衝突・盗難・いたずらによる落書きや窓ガラスの破損 なお、弁護士費用特約や人身傷害保険特約などはノーカウント事故のため、保険を使用しても翌年の等級は下がりません。 車の修理に保険を使うかどうかの判断基準 車の修理に保険を使うかどうかは「修理費用」と「元の等級に戻るまでに余分に支払う保険料」を比較して判断しましょう。修理費用の方が高額な場合は、保険を使うとよいでしょう。 たとえば、当て逃げにより保険を使う場合は「3等級ダウン」に加え「事故有係数適用期間 3年」が加算されるため、保険料は以下のように上がります。 ■車の修理に保険を使った場合※は余分に支払う保険料 年 等級/事故歴 保険料 事故年 20等級/無事故 8万円 1年後 17等級/事故有 12万1,000円※4万1,000円 2年後 18等級/事故有 11万7,000円※3万7,000円 3年後 19等級/事故有 10万8,000円※2万8,000円 上記の場合、20等級に戻るまで「10万6,000円」かかります。修理費用が10万6,000円以下の場合は、保険を使わずに自費で修理したほうが、結果的に支払う金額を抑えることが可能です。 また、保険を使うといくら保険料が上がるかどうかは、保険会社に問い合わせると試算してもらえます。保険料がいくら上がるのかを試算してもらい、車の修理に保険を使うかどうかの判断基準にしてみてください。 車の修理に保険を使うときの流れ 保険を使うときの流れを把握しておくと、スムーズに車を修理できます。続いて、車の修理に保険を使うときの流れを紹介します。 まずは警察署に連絡する 事故を起こした場合、ケガ人の救護を行った後に警察署へ連絡します。事故が原因で保険を使うには、警察署で発行された「事故証明書」が必要です。スムーズに保険で車を修理できるよう、警察署に必ず事故処理をしてもらいましょう。 なお、当て逃げやいたずらをされた場合は、発覚した時点で警察署に連絡しましょう。 保険会社に連絡する 警察の事故処理が完了したら、加入している保険会社に連絡します。保険を使うかどうか決めていなくても、事前に相談しておけばスムーズに保険金を補償してもらえるため、事故時に連絡しておくとよいでしょう。 また、保険会社に連絡したタイミングでは、以下の情報を確認されます。 ・契約者・証券番号・事故の状況・被害者の有無 保険会社の連絡先や証券番号は保険証券に記載されているため、チェックしてみてください。 修理費用の見積をしてもらう 保険会社への連絡が完了したら、保険金を確定させる必要があるため、ディーラーや修理工場で修理費用の見積をしてもらいます。どこに見積を依頼すればよいのか迷った場合は、保険会社に相談すると、車に適した修理業者を紹介してくれます。ただし、修理工場によっては見積費用が発生するケースがあるため、入庫前に費用の有無を確認しておきましょう。 見積書を保険会社に提出する 見積書を保険会社に提出して、内容が承認されるまで待ちます。見積を依頼したディーラーや修理工場によっては、保険会社にそのまま見積書を提出してくれるため、スムーズに車を修理できるケースもあります。 また、事故の状況によっては「事故証明書」や「事故発生状況報告書」などの書類の提出も求められるため、事前に用意しておきましょう。 保険金が振り込まれる 事故の内容が承認されたら、車を修理したディーラーや修理工場に保険金が振り込まれます。車を修理せずに保険金のみを受け取る場合は、自分の口座に入金されます。受け取った保険金は、買い替え費用や他の用途にあてることも可能です。 車に保険を使えないケース メンテナンス不足や経年劣化が原因で車が故障した場合は、保険を使えません。修理費用が補償されるのは、あくまでも以下の場合に限るため、混同しないよう注意しましょう。 ・事故・事件・災害(地震や津波、火山の噴火を除く) ただし、メンテナンス不足や経年劣化による故障が原因で事故を起こした場合は、車の保険が使えます。たとえば、エンジンの故障で停車した際、後車に衝突された場合は保険を使うことが可能です。事故による損傷は保険を使えても、エンジンの修理費用が補償されるかは保険会社によって異なるため、問い合わせて確認してみてください。 なお、無免許運転や酒気帯び運転した際に起こした事故や、改造車輌には保険が適用されないことを把握しておきましょう。 車の修理に保険を使う場合は免責金額に注意 免責金額を設定している場合は、修理費用の一部を自己負担する必要があるため注意しましょう。保険は、契約時に免責金額を設定することで、保険料を抑えられます。たとえば、修理費用が30万円で免責金額を3万円で設定した場合、保険金として支払われる金額は27万円です。 ただし、修理費用が車輌保険金額を上回った場合や、物理的に修理が不可能な「全損」となった場合は、免責金額が引かれないため保険金を全額受け取れます。保険証券をチェックして、免責金額を設定しているかどうか確認しましょう。 まとめ 他人の車は「対物賠償責任保険」自分の車には「車輌保険」を使うと、修理費用が補償されます。ただし、保険を使うと1等級もしくは3等級ダウンになるため、翌年の保険料が上がるデメリットがあります。 実際にかかる「修理費用」と「元の等級に戻るまでに余分に支払う保険料」を比較して、保険を使って修理するかを判断しましょう。 なお、保険金は必ず修理費用にあてる必要がなく、買い替え資金や他の用途にも使えます。年式が低く走行距離が多い場合は、修理ではなく買い替えも検討してみましょう。

タイヤ交換の時期や費用を解説!目安を知った上でのメンテナンスが重要
旧車売買の豆知識 2024.08.19

タイヤ交換の時期や費用を解説!目安を知った上でのメンテナンスが重要

車の駆動を支えているタイヤは、路面との接地面積がハガキ1枚程度といわれています。わずかな面積で車の複雑な動きを支えているため、走行距離の増加に伴うタイヤの摩耗は避けられません。安全な運転のためには定期的なタイヤのメンテナンス・交換が必須です。 そこで本記事では、タイヤ交換の時期や費用について解説します。タイヤのメンテナンスにかかる無駄な損や、事故発生を未然に防ぐため、適切な時期・費用を確認しましょう。 タイヤ交換のタイミング タイヤ交換のタイミングは、3年が目安とされています。 また、交換のタイミングのサインとして挙げられる確認ポイントは下記4点です。 ・スリップサインが出ている ・ひび割れがある ・10年以上経過している ・3万km以上走行している それぞれ、詳しく解説します。 スリップサインが出ている スリップサインが出ているタイヤは交換が必要です。スリップサインとは、タイヤの摩耗度合いの判別に活用するマークのことで、タイヤに残る溝の深さが1.6mm以下になると出現します。配置されている位置は、タイヤの各縦溝底(外周上の4箇所〜9箇所)です。 1箇所でもスリップサインが出たタイヤは、道路交通法に則り、装着・使用が禁止されています。スリップサインが出たタイヤを装着した車輌は整備不良とみなされ、交通違反で2点の加点および反則金(6,000円〜1万2,000円)が科せられるため、注意が必要です。 ひび割れがある ひび割れがあるタイヤも、早めの交換がおすすめです。ひび割れが浅い場合はすぐに交換する必要はありませんが、ひび割れが深い場合はなるべく早く交換しましょう。放置すると空気が漏れて空気圧が低下し、状態がさらに悪化します。 また、深くひび割れたあるタイヤで走行すると、パンクやバーストの危険性が高まるため注意が必要です。 高速道路や混雑した一般道の走行中にパンクやバーストが発生すると、大事故につながりかねません。安全な運転のために、タイヤのひび割れを発見したら交換したほうがよいでしょう。 10年以上経過している 10年以上経過したタイヤについても交換を推奨します。タイヤの摩耗速度を考えると10年以上使用できる事例は少ないためです。 タイヤは5,000kmの走行で1mm摩耗するとされており、年間走行距離を1万kmとすると、1年で2mm摩耗します。新品のタイヤの溝は一般的に8mm、上記の通りタイヤの使用限度値は1.6mmであるため、4年目には交換が必要になる計算です。大手カーメンテナンス企業からも、3〜5年の交換が推奨されています。 走行距離が少なく溝の問題ない状態だとしても、10年以上経過したタイヤは確実に摩耗しているため、タイヤ交換がおすすめです。 3万km以上走行している 3万km以上走行している場合も、タイヤを交換することをおすすめします。上記の計算を踏まえると、3年経過時点で走行距離が3万kmとなり、タイヤが摩耗しているでしょう。 タイヤの溝が1.6mmになると装着・走行禁止となるため、余裕を持った交換時期となると3万km以上走行したタイミングが推奨されています。 タイヤ交換にかかる費用 定期的に対応が必要となるタイヤ交換ですが、一定の費用が必要となります。 タイヤ交換にかかる費用の内訳は下記のとおりです。 ・タイヤ本体の料金 ・交換作業の工賃 それぞれ詳しく解説していきます。 タイヤ本体の料金 タイヤの価格はサイズや銘柄などで変動しますが、4本交換する場合は1万円前後またはそれ以上を想定しておきましょう。タイヤは、経年劣化や摩耗などによりグリップ力が低下します。 グリップ力に左右差が出ると走行が難しくなったり、ハンドルを思うように操作できなくなったりする可能性があります。 そのため、劣化や摩耗の状態によっては、4本まとめて交換が必要なケースもあるでしょう。 一方、走行状態やタイヤの摩耗具合によっては2本だけの交換で済むケースもあります。交換本数の判断に迷った場合はプロに相談しましょう。 交換作業の工賃 タイヤ本体の代金とは別に、タイヤ交換の作業に伴う工賃が発生します。一般的なタイヤ交換工賃の内訳は下記のとおりです。 タイヤ組替え工賃 1本:税込1,100円~ バランス調整料 1本:税込1,100円~ ゴムバルブ交換費用 1本:税込275円程度 廃タイヤ処分費用 1本:税込250円~   バランス調整料は、タイヤ組替え工賃に含まれる場合もあります。 平均的な工賃は、タイヤ1本あたり1,600円程度、4本交換すると6,400円程度です。タイヤのサイズや種類、交換を依頼する店舗によって工賃が異なるため、具体的な費用は担当者に確認が必要です。 タイヤの劣化を抑える方法 定期的なタイヤ交換は重要ですが、タイヤをより長く使用するため、タイヤの劣化への対策も必須です。正しい知識をつけてタイヤの劣化を防止すると、タイヤ交換の回数を抑えられます。 タイヤの劣化を抑える具体的な方法は下記のとおりです。 ・ローテーションする ・空気圧を適正に保つ ・劣化を促す行為を避ける それぞれの方法について詳しく解説します。 ローテーションする タイヤのローテーション(入れ替え)はタイヤの寿命を左右するメンテナンスの1つです。適正な頻度でタイヤのローテーションを行うと、前後のタイヤの摩耗を均一にできます。走行5,000kmを目安に、タイヤの前後を入れ替えるのがおすすめです。 空気圧を適正に保つ 空気圧を適正に保つことで、タイヤの損傷や事故を防止できます。タイヤの空気圧は徐々に低下するため、月1回を目安にタイヤゲージ(空気圧計)を使用し、タイヤが冷えている状態で適正な空気圧か確認しましょう。 適正空気圧は車種によって異なるため、事前にチェックしたうえで空気圧を確認する必要があります。 劣化を促す行為を避ける タイヤの劣化につながる行動を減らすと、タイヤを安全に長期間使用できます。タイヤの劣化の原因として挙げられるのは、上記で言及している空気圧の低下、過重負荷、タイヤワックスや艶出し剤、紫外線などです。 空気圧の低下を定期的に確認する、荷物を均一に配置する、タイヤワックスや艶出し剤を使う頻度を調整する、日陰に車を置くもしくはUVカット効果があるボディーカバーの使うことで対策可能です。 まとめ タイヤ交換に関して、時期や費用について詳細を解説しました。日々の運転を支えるタイヤは、日々劣化への対策を行ったうえで、定期的な交換が必要です。 タイヤを適切なタイミングで交換しないと、車本来の性能を発揮できないばかりか思わぬ事故につながることがあるかもしれません。本記事の説明を参考にして適宜タイヤ交換を行い、快適かつ安全に運転しましょう。

海外の車はどんな税金がかかる?海外の車の税金の注意点も紹介
旧車売買の豆知識 2024.08.19

海外の車はどんな税金がかかる?海外の車の税金の注意点も紹介

購入時や保有段階で複数の税金が課される自動車。日本は高年式で環境性能が優れている自動車ほど優遇される税制度です。海外でも自動車税は存在し、税金額は各国によって異なります。この記事では、海外で課される自動車の税金額や、輸入車の税金に関する注意点などを紹介します。 日本の自動車に関する税金の種類 日本の自動車に関する税金は、毎年課せられる「自動車税(種別割)」や車検時に支払う「自動車重量税」などです。車の自動車税(種別割)は排気量が上がるほどに税金額が高くなるほか、初度登録から13年経過すると15%、18年を超えるとさらに重課される仕組みです。 車検時に支払う「自動車重量税」は、車両重量に応じて税金額が決まります。自動車税(種別割)と同様に初度登録から13年、18年を超えるとさらに重課され、古い車ほど税金額が高くなります。 一方、環境性能が優れている高年式車には「エコカー減税」や「グリーン化特列」などの減免制度があるため、税金額を抑えることが可能です。なお、購入時には「自動車取得税(環境性能割)」や、燃料を給油するときに発生する「ガソリン税」、修理や部品代には10%の消費税がかかります。 海外における自動車に関する税金額はどれぐらい? 海外では各国によって税制度が異なり、日本より税金額が低い国もあります。続いて、海外で課せられる車の税金を紹介します。 アメリカ・カナダ アメリカとカナダは、日本に比べて車にかかる税金の種類が少なく、「車両登録税」のみを年に一度納税します。「車両登録税」とは、日本で例えるとナンバープレート発行料のような税です。税金額は州や連邦ごとに異なり、以下に応じて決められ、日本円にすると「1,000円〜15,000円」程度です。 ・車両総重量・年式・車両価格 また、ガソリンも日本に比べて価格が低く、少ない維持費で車を所有できるため、大型SUVやピックアップトラックなどの排気量が大きい車の需要が高い国です。 ドイツ ドイツは取得段階では課税しておらず、年に一度「自動車税」を納税する必要があります。税金額は排気量やCO2排出量に応じて決まり、以下が課税されます。(1ユーロ:148円※2023年6月1日時点) ■排気量基準・ガソリン車 100ccあたり2ユーロ ・ディーゼル車 100ccあたり9.5ユーロ ■CO2排出量基準 1g/kmあたり2ユーロ 走行1kmあたりのCO2排出量が100g未満の場合は、免除になる制度もあるため、環境性能が優れている車は税金額を抑えることが可能です。ただしガソリン税は、日本が1Lあたり「0.4ユーロ」である一方、ドイツでは「0.66ユーロ」と、高めに設定されています。 また、以下の条件を満たす車は「旧車優遇制度」が適用され、年間の自動車税が一律191ユーロになります。1.生産されてから30年以上経過している2.オリジナルの状態が保たれている3.走行に支障をきたす欠陥がないと判断された車 出典:外車王『意外?納得?ドイツにおける「Hナンバーの取得をあえて行わない」その理由とは』 ドイツは、古い車ほど重税される日本とは異なり、クラシックカーが優遇されている国です。なお、旧車優遇制度が適用された車は、ドイツ語で「歴史的(ヒストリック)」を表す「Hナンバー」が付与されます。 イギリス イギリスは、年に一度「自動車税」を支払う必要があり、CO2排出量に応じて税金額が決まります。A〜Mまで車両クラスが設定されており、1km走行時のCO2排出量が多いほど、税金額が高くなる仕組みです。 Gクラス以降は「初年度」と「標準(2回目以降)」でも税額が異なります。具体的な車両クラスごとの税金額は以下のとおりです。 ※1ポンド=173円 (2023年6月1日時点) 車輌クラス(CO2排出量) 初年度 標準 A 〜100g/km  0ポンド 0ポンド B 101〜110g/km 0ポンド 20ポンド C 111〜120g/km 0ポンド 30ポンド D 121〜130g/km 0ポンド 90ポンド E 131〜140g/km 110ポンド 110ポンド F 141〜150g/km 125ポンド 125ポンド G 151〜165g/km 155ポンド 155ポンド H 161〜175g/km 250ポンド 180ポンド I 176〜185g/km 300ポンド 200ポンド J 186〜200g/km 425ポンド 235ポンド K 201〜225g/km 550ポンド 245ポンド L 226〜255g/km 750ポンド 425ポンド M 255g/km〜 950ポンド 435ポンド 引用元:総務省公式Webサイト「イギリスのVEDの税率」 また、2001年3月以前に登録された車はCO2排出量ではなく、排気量で税金額が設定され、以下の自動車税を支払う必要があります。 ・1,549cc未満 135ポンド・1,549cc以上 220ポンド なお、1973年1月1日以前に登録された車は自動車税が免除されるため、ドイツと同様にクラシックカーが優遇されている国です。 フランス フランスでは、取得時に27〜46ユーロ程度の「車両登録税」が発生します。(1ユーロ:148円※2023年6月1日時点)税額は馬力や地域によって異なり、パワーがある車ほど税金額が高い仕組みです。 また、取得時にCO2排出量が多い車に対しては重課、少ない車の場合は国から補助金が支給される「Bounus/Malus制度」もあります。「Bounus/Malus制度」は、環境性能が優れた車への買い替えを促進することを目的として、2008年1月に導入されました。 フランスは、日本と同様に環境性能が優れていない車に対して多く課税する国です。なお、車を所有している企業に対しては「自動車税」が課税され、税金額はCO2排出量によって決まります。 海外の車の税金に関する注意点 海外の車を日本で利用する場合は、国産車と同様の税金を納める必要があり、購入時も10%の消費税がかかります。続いて、海外の車の税金に関する注意点を紹介します。 輸入車の税金は国産車と同じ 輸入車も国産車と同様に、日本の税制度が適用されます。年に一度の自動車税や車検時の自動車重量税はもちろん、購入時の取得税も国産車と同様に納税する必要があります。輸入車が生産されている国の税制度が適用されるわけではない点に注意してください。 輸入車に関税はかからない 日本では輸入車に関税はかからないため、10%の消費税のみで購入できます。関税とは輸入品に課される税金のことで、自国の産業を保護するために定められています。 外国から安い商品が多く輸入されてしまうと、国産品が売れなくなることを避けるため、輸入品に関税をかけている国がほとんどです。例えば、他国が国産乗用車を輸入する場合、アメリカは「2.5%」中国では「15%」の関税がかかります。 日本では、車や車関連部品に関税がかからないことを把握しておきましょう。

車にかかる税金の種類は?種類や支払い時期、金額などを解説
旧車売買の豆知識 2024.08.19

車にかかる税金の種類は?種類や支払い時期、金額などを解説

車を所有していると自動車税種別割や自動車重量税など、複数の税金がかかります。あらかじめお金を用意しておけるよう、税金の種類や支払い時期、金額などを把握しておきましょう。この記事では、車にかかる税金の種類や支払い時期、金額などを解説します。 車にかかる税金一覧 車には毎年課せられる自動車税種別割の他に、さまざまな税金がかかります。ここでは、車にかかる税金の種類や支払い時期、金額を詳しく解説します。 自動車税種別割・軽自動車税種別割 自動車税種別割・軽自動車税種別割は、4月1日時点の車の所有者に課せられる税金です。納付書は以下のスケジュールで車検証上の住所に送付され、5月末日までに納税する必要があります。 ・自動車税種別割 5月上旬・軽自動車税種別割 5月中旬 税額は、以下のように排気量や新規登録した時期によって異なります。 ■2019年9月までに新規登録 1L以下/電気自動車 29,500円 1〜1.5L以下 34,500円 1.5〜2L以下 39,500円 2〜2.5L以下 45,000円 2.5〜3L以下 51,000円 3〜3.5L以下 58,000円 3.5〜4L以下 66,500円 4〜4.5L以下 76,500円 4.5〜6L以下 88,000円 6L以上 111,000円   ■2019年10月以降に新規登録 1L以下/電気自動車 25,000円 1〜1.5L以下 30,500円 1.5〜2L以下 36,000円 2〜2.5L以下 43,500円 2.5〜3L以下 50,000円 3〜3.5L以下 57,000円 3.5〜4L以下 65,500円 4〜4.5L以下 75,500円 4.5〜6L以下 87,000円 6L以上 110,000円 出典元:東京都主税局公式Webサイト「自動車税種別割」 軽自動車税種別割は、排気量や新規登録した時期を問わず一律1万800円です。 自宅に届いた納付書を、コンビニや金融機関の窓口に持参して納税します。クレジットカードやキャッシュレスアプリで納税できる地域もあるため、ポイントを獲得したい方は各自治体の公式HPを参照してみてください。 なお、排ガスや燃費の性能が優れている環境負荷が小さい車は、「グリーン化特列」の適用によって税金がが50〜75%軽減されます。一方で、新規登録から11年以上経過しているディーゼル車や、13年以上経過しているガソリン車などの環境負荷が大きい車は、15〜20%重課されるため注意してください。 自動車重量税 自動車重量税は、自動車重量税法に基づいて創設された税金で、車両重量に準じて税額が異なります。 「2年自家用」の税額は以下のとおりです。 1t以下 8,200円 2t以下 16,400円 3t以下 24,600円 4t以下 32,800円 5t以下 41,000円 出典元:国土交通省公式Webサイト「継続車検を受ける場合」 新規に登録された車は3年、以降継続車検は2年と、購入時や車検時にまとめて運輸支局に納税するのが一般的です。ディーラーや民間の整備工場で車検を取得する際は、運輸支局での継続手続きを代行してくれるため、店舗に税金を支払います。 自身で運輸支局に直接出向く「ユーザー車検」を行う場合は、窓口で税額分の収入印紙を購入し、継続手続きをします。なお、1年ごとに車検を取得するレンタカーや貨物自動車などの事業用は、その都度納税しなければなりません。 また自動車税種別割と同様に、環境負荷が小さい車は「エコカー減税」の対象となり、自動車重量税が軽減されます。一方で、新規登録から13年経過した車は40%、18年経過していると50%程度重課されるため注意が必要です。 以下のサイトに車体番号を入力すると、エコカー減税の対象なのかを確認でき、正確な自動車重量税を調べられるためぜひ活用してみてください。 ・次回自動車重量税額照会サービス・次回自動車重量税照会サービス(軽自動車) 自動車税環境性能割 自動車税環境性能割は、50万円以上の車を取得する際に課せられる税金で、購入時に販売店へ支払います。2019年10月より「自動車取得税」が廃止となり、代替え制度として「自動車税環境性能割」が導入されました。 車の排ガスや燃費の性能によって「0.5〜3%」の税率が定められており、以下の計算式で算出します。 ・取得価格(1,000円未満は切り捨て)×税率=税額(100円未満は切り捨て) 出典元:東京都主税局公式Webサイト「自動車税環境性能割」 取得価格は車両本体価格だけでなく、ナビやフロアマットなどのオプション品にも課せられます。なお、個人売買などで中古車を購入した場合は、車の時価額に基づいて算出され、名義変更時に運輸支局で納税します。 燃料課税 燃料課税はガソリンや軽油にかかる税金です。お酒やたばこと同様に、ガソリン自体にも税金が発生します。 燃料課税はガソリン価格に含まれており、1Lに対して50円程度です(※相場によって変動) つまり、給油する際に発生する費用の内訳は「(ガソリン価格+燃料課税)+消費税」となります。 ガソリン代には燃料課税に加え消費税もかかり、二重課税状態となっているため、今後廃止になる可能性もあります。 消費税 消費税は商品やサービスを購入した際に発生する税金です。商品やサービスを購入した際と同様に、車やオプション品に対しても10%の消費税がかかります(※2023年2月時点)。 また修理や車検時の整備代と部品代にも、10%の消費税が発生します。ただし、車検時に必要な自動車重量税や自賠責保険料などは非課税のため、消費税は発生しません。 車の税金を抑える方法 税金が安い車を購入すれば、税金を抑えられます。最も税金が安い車は、排気量が小さく車両重量が軽い軽自動車です。中でも環境負荷が小さく、低年式な軽自動車は「グリーン化特列」や「エコカー減税」の対象となり減税されるため、より税金を抑えることが可能です。一方で高年式なスポーツカーやセダン、大型SUVなどは他の車に比べて税金が高いため、少しでも税金を抑えたい方には乗り換えをおすすめします。 またエコカー減税は、2023年4月末に廃止される予定でしたが、3年間延長されることが決定しています。ただし、エコカー減税の見直しにより、現時点の対象となる基準が適用されるのは2023年12月末までです。2024年以降は、適用基準が厳しくなることも把握しておきましょう。 車の納税をしないとどうなる? 車の納税をしないと督促状が自宅へ届くほか、延滞金が発生し、結果的に支払う金額が増えます。また自動車税種別割を納税しないと、車検の取得や売却もできません。 納税しないまま放置すると、預金や車などの財産を差し押さえられるケースがあるため、注意してください。

事故車とは?事故車の定義や購入時の見抜き方についても解説
旧車売買の豆知識 2024.08.19

事故車とは?事故車の定義や購入時の見抜き方についても解説

中古車を購入するときに、事故車だったらどうしようかと不安になる人も多いでしょう。事故車には明確な定義があり、事故歴があるからといって全てが事故車扱いになるわけではありません。今回は、事故車の定義や見抜き方について解説します。中古車の購入を検討中の方は参考にしてください。 事故車とは 事故車とは、単に交通事故によって損傷した車ではありません。中古車販売や査定における事故車の定義は、自動車公正取引協議会や日本自動車査定協会などが定めたルールに基づいた状態にある車です。事故でへこみや傷がついてバンパーやドアを交換しただけの車や、鈑金塗装を行った車は事故車扱いされません。 事故車は車の骨格部位に損傷があるもの、もしくは修復されているものが該当します。 【損傷や修復歴があると事故車扱いとなる骨格部位】 フレーム(サイドメンバー) 車体の左右に配置され前後に伸びている骨格部位 ※モノコックボディの場合はフロアパネルに溶接 クロスメンバー 車の横方向に取り付けられた骨格部位 インサイドパネル エンジンルームの左右にあるパネルで外側にフェンダーが取り付けられている骨格部位 ピラー 車の屋根を支える骨格部位 ダッシュパネル エンジンルームと客室の間にある隔壁板 ルーフパネル 車の屋根部分 フロア 車の床部分 トランクフロア トランクの底部分 ※ネジ止め部分は骨格には該当しません。 また、冠水、火災、雹害、塩害で大きなダメージを受けた車も、業者によっては事故車扱いとなります。 事故車となるケース 事故車となるケースは、車の骨格部位が損傷するか修復されているものです。また、事故ではなく整備中に工具を落とすなどの理由で骨格部位が損傷した場合も事故車扱いとなります。事故車の定義は状況の変化に合わせて定期的に変更されており、以前までは骨格部位とされていたラジエターコアサポートは除外されました。 衝突安全ボディがスタンダードとなった現在では、事故のときに客室を守るために衝撃が骨格に分散されやすい造りとなっています。客室保護を優先した結果、軽微な事故でも比較的事故車(修復歴)扱いをされやすくなったのはそのためです。 事故車にならないケース 車の骨格以外の損傷や修復に関しては、基本的に事故車扱いにはなりません。しかし、車のフロント部分をぶつけてラジエターコアサポートを修復した車は、その部位が他の骨格部分と接しているため、査定士によっては事故車扱いと判断する可能性があります。定義としては事故車にならなくても、業者ごとの基準で違いがあるため注意が必要です。 事故車とそうではない車の違い 続いて、事故車とそうではない車の違いについて解説します。 故障のリスクが高い 事故車は、故障のリスクが高めです。きれいに修復していても、骨格にダメージを受けると工場出荷時の車よりも強度が落ちます。また、不十分な修復によりサビが発生することや、事故の衝撃により電気系統に不具合が後々出るなどするため注意が必要です。中古車として販売価格が安くても、十分に検討する必要があります。 査定額が低くなる 事故車は、査定額が低くなります。修復されていて走行や機能的に問題がなくても、数十万円単位で価値が減少すると考えましょう。これは普通の車に比べて買い手が少なくなり、後の不具合が起こりやすいことが原因です。事故の損傷状況や修理代によっては、廃車や事故車としてそのまま売却して買い換えた方がよいといえます。 自走できなければ下取りを断られる可能性が高い 事故車は、自走できなければ下取りを断られる可能性が高いでしょう。自走できない状態では、足回りやエンジンなどが大きなダメージを受けていると考えられます。この場合、高額な修理代がかかり、修復しても中古車としての価値が低くなるため、下取りを断られるケースが多いのです。事故車は損傷の大小に関わらず、業者にとっても時間と手間が非常にかかる扱いにくい車だと考えられています。 査定時には事故車であることを伝える義務がある 査定時に事故車であることを伝えるのは義務です。車を売却後に事故車であることが発覚すると瑕疵担保責任を追及される恐れがあり、多額の損害賠償を請求される可能性があります。瑕疵担保責任とは、契約の内容に不適合な欠陥品であった場合に売主が負う責任です。事故車であることを認識している場合は、わかる範囲で伝えましょう。 購入時の事故車の見抜き方 中古車を購入する時の事故車の見抜き方について解説します。プロの査定士でなくとも見抜けるポイントです。中古車の購入を検討中の方は参考にしてください。 プライスボードに修復歴なしと表記されている車を選ぶ 中古車のプライスボードの「修復歴有無」表示は、自動車公正取引協議会や日本自動車査定協会などによる統一基準により表示されています。基本的に中古車販売業者は修復歴の表示を義務として行っているため、明記されているかどうか確認するようにしましょう。 車両検査証明書を確認 中古車は車両検査証明書を公開している(業者によっては店頭のプライスボードやインターネット上に表記)業者を選ぶと、事故車かどうかすぐに判断できます。評価点方式で状態を明示する車の通知表のようなもので、カーオークションに用いられる書類です。この総合評価点でRもしくはRAがあると修復歴があることを表しています。 総合評価点の目安(参考) S 新車登録から1年未満で走行距離1万km以内(新古車、登録済未使用車に多い) 6 新車登録から3年未満で走行距離3万km以内(中古車としては最高点) 5 走行距離が5万km以内の美麗車 4.5 走行距離10万km以内のきれいな車 4 キズやへこみが少ない良好車 3.5 キズやへこみはあるが比較的きれいな車 3 多少気になるキズやへこみのある車 2 走行に支障のないキズやへこみのある車 1 冠水歴車など RA 軽度な修復歴あり R 走行に支障のない修復歴あり × 事故現状車など ※オークション先によって評価点の内容は若干異なります。 エンジンルームを確認する 事故車を見抜くために、ボンネットを開いてエンジンルームを確認しましょう。正面やフロント側面部分の修復歴は、エンジンを囲っているフレーム(インサイドパネルやラジエターコアサポート)部分の塗装や歪みで判断できます。 ・インサイドパネル(フロントフェンダーの内側)とラジエターコアサポート(ラジエターの上部)の塗装が他の部分と均一かを確認する。エンジンルーム内で視認できる車体の塗装は外観の色よりも薄くクリア塗装されていないことが多く、修復されている場合は部分的に色やツヤが異なります。 ・インサイドパネル(フロントフェンダーの内側)とラジエターコアサポート(ラジエターの上部)は基本的に左右対称の形状です。片方だけに歪みがある場合は修復している可能性があります。

中古車の諸費用の相場は?諸費用を抑える方法も解説
旧車売買の豆知識 2024.08.19

中古車の諸費用の相場は?諸費用を抑える方法も解説

中古車の購入を検討しているが、諸費用がどの程度かかるか気になっている人もいるでしょう。諸費用の相場を把握していれば、予算内に収まる車を見つけやすくなります。この記事では、中古車諸費用の相場を詳しく解説します。中古車諸費用を抑える方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。 中古車の諸費用の相場 中古車の諸費用の相場は、車両本体価格の10〜20%です。そのため200万円の中古車を購入するには、20〜40万円程度の諸費用を準備しておく必要があります。 諸費用は大きく分けると税金や保険などの「法定費用」、陸運局や車庫証明の手続きをするための「代行費用」が発生します。 法定費用 法定費用とは税金や保険料のことで、購入する車や加入する期間によって金額が異なります。続いて、法定費用の相場を解説します。 自動車税(種別割) 自動車税(種別割)は、排気量によって税額が異なり、購入してから翌年3月分まで支払う必要があります。自家用車の排気量ごとの年額(12ヶ月分)は下記のとおりです。 660cc(軽自動車) 10,800円 〜1,000cc 25,000円 1,001〜1,500cc 30,500円 1,501〜2,000cc 36,000円 2,001〜2,500cc 43,500円 2,501〜3,000cc 50,000円 3,001〜3,500cc 57,000円 3,501〜4,000cc 65,500円 4,001〜4,500cc 75,500円 4,501〜6,000cc 87,000円 6,001cc〜 110,000円 引用元:令和4年(2022)年度自動車税(種別割)税率早見表 例えば1,500ccの車を5月に購入した場合、法定費用は25,400円(計算式:30,500円÷12×10ヶ月)です。上記の年額を参考に、購入する車の自動車税(種別割)を月割りで計算してみてください。また中古車でも新品未使用車や試乗車の場合は、エコカー減税が適用され安くなるケースもあるので、販売店に確認してみてください。 自動車重量税 車検ありの中古車を購入した場合、車検取得時の所有者が全額支払う必要があるため、重量税を納税する必要はありません。一方、車検なしの中古車を購入した場合は、下記の重量税を納税する必要があります。 〜0.5t 8,200円 〜1t 16,400円 〜1.5t 24,600円 〜2t 32,800円 〜2.5t 41,000円 〜3t 49,200円 引用元:自動車重量税の税額一覧表【乗用|2年自家用】 また重量税は「13年経過」「18年経過」のタイミングで増税されるため、古い車ほど税金が発生することも把握しておきましょう。一方、登録してから間もない車は、エコカー減税が適用され重量税が安くなるケースもあるので、販売店に確認してみてください。 環境性能割 環境性能割(旧取得税)は、購入する車の年式によって金額が異なり、取得金額が50万円以上の場合は納税する必要があります。計算式は下記のとおりです。 車両価格×90%=課税標準基準額課税標準基準額×残価率=取得価格(1,000円未満は切り捨て)取得価格×税率=環境性能割 課税標準基準額は、税務署で使われている「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」で、車の型式やグレードを基に定められた税金です。一般には公開されていませんが、目安は車両価格の90%になります。また経過年数ごとの残価率と税率は下記のとおりです。 【残価率】 1年 0.681 1.5年 0.561 2年 0.464 2.5年 0.382 3年 0.316 3.5年 0.261 4年 0.215 4.5年 0.177 5年 0.146 5.5年 0.121 6年 0.100   【税率】 自家用普通自動車 3% 軽自動車 2% 営業用自動車 2% 引用元:中古車の取得税計算方法 例えば3年式の250万円の中古車を購入した場合、下記の環境性能割が発生します。 250万円×0.9=225万円(課税標準基準額)225万円×0.316(残価率)=71万1,000円(取得価格)71万1,000円×0.03(税率)=21,330円 自賠責保険料 自賠責保険料は、加入する期間によって料金が異なります。車検が残っている場合は、「自賠責保険経過相当額」という項目で残額を月割りで払う必要があります。車検なしの場合は、24ヶ月または25ヶ月で加入する必要があるため注意してください。 12ヶ月 11,500円 13ヶ月 12,010円 24ヶ月 17,650円 25ヶ月 18,160円 引用元:【自賠責保険】自賠責保険に加入したいのですが、保険料を教えてください。 | よくあるご質問(FAQ) | 東京海上日動火災保険 上記は普通自動車の自賠責保険料です。諸費用を算出するときの参考にしてください。 リサイクル料金 リサイクル料金の相場は、7,000〜18,000円程度です。リサイクル料金とは、「自動車リサイクル法」で定める費用で、廃車処分時に前払いする必要があります。車を売る場合は、リサイクル料金が戻ってくるので、売却時の査定金額に含まれているか確認しましょう。 代行費用 代行費用は販売店に手続きを依頼した場合に発生します。販売店によって設定されている費用が異なるので、車を購入する店舗によって金額が変わることが特徴です。続いて、代行費用の相場を解説します。 車両登録代行費 車両登録代行費の相場は3万円程度です。登録に必要な書類作成や、陸運局での手続きを販売店に代行してもらう際に支払います。陸運局は平日しか手続きを行えないため、代行してもらう人が少なくありません。 車庫証明代行費 車庫証明代行費の相場は2万円程度です。警察署で行う車庫証明の発行手続きを販売店に代行してもらう際に支払います。発行には3日程度かかり、申請時と発行後の合計2回、警察署に出向く必要があります。。また陸運局と同様に、平日しか手続きが行えないので、販売店に代行してもらう人が多いでしょう。 納車費用 納車費用の相場は、販売店から近い場合は1万円程度、遠方の場合は3万円程度と納車場所によって異なります。納車費用は、購入者が指定する場所まで車を届けてもらう際にかかる費用です。販売店によっては納車整備費用も含むため、契約時に内訳を確認しておきましょう。 洗車費/クリーニング費 洗車費やクリーニング費の相場は、5万円程度です。中古車は新車とは異なり、内装や外装をきれいにするため、洗車費やクリーニング費が発生します。車の状態によって費用が変動するため、契約時に確認してみてください。 中古車の諸経費を抑える方法 登録手続きを自分でしたり、車を店舗まで取りに行ったりすれば、代行費用を抑えられます。また車検ありの車を選べば、自動車重量税を抑えることも可能です。頭金に充てられるお金が少なく、諸費用を抑えたい人はぜひ試してみてください。続いて、中古車の諸経費を抑える方法を解説します。 手続を自分で行う 陸運局での登録や、車庫証明の発行手続きを自分で行えば、車両登録代行費と車庫証明代行費を抑えられます。しかし陸運局や警察署は、平日しか手続きを行えないため、土日しか出向けない人には向いていません。家族や友人に、代行手続きをしてもらうことも可能なので、周りの人に相談してみましょう。 店舗へ取りに行く 店舗へ車を取りに行くと、納車費用を抑えられます。納車費用は、指定する場所まで車を届けるサービスのため、店舗へ取りに行けば費用は発生しません。しかし車を届けるだけでなく、納車整備費用を含んでいる店舗では、納車費用をカットできない可能性があるため注意してください。 車検ありの車を選ぶ 車検ありの車を選べば、法定費用の自動車重量税をカットできます。なぜなら自動車重量税は、車検取得時の所有者が全額払う必要があり、次のユーザーは自動車税(種別割)のように月割りで納税しなくてもよいためです。また車検なしで自賠責の保険期間を過ぎた車は、通常の24ヶ月ではなく25ヶ月で加入する必要もあるため、さらに費用がかかります。  

一時抹消登録した車を再登録するときの方法とは?手続きの手順を紹介
旧車売買の豆知識 2024.08.16

一時抹消登録した車を再登録するときの方法とは?手続きの手順を紹介

一時抹消登録した車を再び走行できるようにするためには、改めて登録手続きが必要です。今回は、一時抹消登録した車を再度登録する方法について解説します。再登録の手順を知りたい方は参考にしてみてください。また、一時抹消登録の概要や一時抹消の方法についても紹介していますので、車の使用を一時的に中止したいと考えている方も最後までチェックしてください。 使用を中止した車を再度利用する場合は「中古新規登録」が必要 一時抹消登録をした車を再び公道で走行できるようにするためには、「中古新規登録」が必要です。この登録をせずに公道を走行することは違反行為となります。そのため、一時抹消登録をした車を公道で走行させたいときには、中古新規登録をしなければなりません。 中古新規登録の手続き方法 ここからは、中古新規登録の手続き方法を紹介します。車の使用を再開したい方は、手続きの手順をしっかり確認しておきましょう。 1.車庫証明を用意する まず、車を保管しておく場所を確保し、車庫証明を取得します。車庫証明を取得するのは、運輸支局で手続きする際に必要となるためです。 また、運輸支局で中古新規登録する際には、発行からおおむね1ヶ月以内の車庫証明が必要となります。登録手続き予定日から逆算して車庫証明を取得するタイミングを決めましょう。 2.新規検査を通す 次に車検を通します。ただし、一時抹消登録をした車は、車検が切れた状態となっているため、自走して運輸支局に車を持ち込んで検査を受けることができません。そのため、仮ナンバーを取得して運輸支局に持ち込んだり、レッカーで車を運搬したりします。 仮ナンバーは、市区町村の窓口で手続きすることで取得できます。ただし、仮ナンバーの申請には、車検証や自賠責保険証を用意したり、目的や走行経路などを記載した申請書を作成したりしなければなりません。また、仮ナンバーには、期限(最長5日)があり、使用の目的を終えたら仮ナンバーを速やかに返却する必要があります。 仮ナンバーを取得して車検を受ければ、車の運搬にかかる費用を抑えられるものの、手続きに手間と時間がかかります。 一方、レッカーや積載車など車を移動させられる車輌を用意している整備工場や業者に依頼すれば、費用はかかってしまうものの、車をすぐに移動できるだけでなく、車検に合格するための整備を実施することが可能です。 そのため、一時抹消登録から時間が経過してしまった車や仮ナンバー取得のための手続きが面倒と感じるのであれば、業者に依頼した方がよいでしょう。 3.運輸支局で手続きする 最後に、運輸支局で中古新規登録の手続きをします。手続きに必要な書類は、次のとおりです。 ・申請書・手数料納付書・自動車重量税納付書・登録識別情報等通知書(一時抹消登録の時に交付されたもの)・所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)・自動車保管場所証明書(車庫証明/証明の日からおおむね1ヶ月以内のもの)・保安基準に適合していることが確認できる書面(次の書類のいずれかが必要:合格印のある自動車検査票/有効な自動車予備検査証/乗用車の場合は保安基準適合証)・自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)・委任状(代理人が申請する場合)・譲渡証明書(所有者の変更がある場合) これらの書類を用意して中古新規登録の手続きをします。また、場合によっては追加書類が必要となることもあるため、手続きに必要な書類を運輸支局やポータルサイトで事前に確認しておきましょう。(自動車検査登録総合ポータルサイト「2.中古車新規登録の場合」 ) 一時抹消登録とは 一時抹消登録とは、車の使用を一時的に中止する登録です。一時抹消登録をすると、自動車税の納税を止めることができ、自賠責保険料を支払う必要がなくなります。そのため、海外出張や入院など長期間にわたり車に乗らないものの、後で再び車に乗る予定がある場合には、一時抹消登録をしておくとよいでしょう。 一時抹消登録の手続き方法 ここからは、一時抹消登録の手続き方法を紹介します。また、手続き後に交付される「登録識別情報等通知書」は、再登録(中古新規登録)の際に必要となる重要な書類です。この登録識別情報等通知書は原則として再交付できないため、紛失しないよう注意してください。それでは、一時抹消登録に必要な書類や手続き場所について解説します。 必要書類 一時抹消登録に必要な書類等は、次のとおりです。 ・一時抹消登録申請書・手数料納付書・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)・委任状(代理人が申請の場合)・自動車検査証(車検証)・自動車登録番号標(ナンバープレート)など これらの書類に加え、実印も用意しておきましょう。また、場合によっては追加書類が必要となるため、用意すべき書類を運輸支局やポータルサイトで事前に確認し、不備がないようにしておくことをおすすめします。(自動車検査登録ポータルサイト「1.登録車の場合(一時抹消登録)」) 手続きを行う場所 一時抹消登録の手続きは、管轄の運輸支局で行います。管轄の運輸支局は、住んでいる地域によって異なるため、手続き場所を間違えないよう注意してください。管轄の運輸支局がわからない場合は、自動車検査登録ポータルサイトで確認するとよいでしょう。 再登録と廃車の判断基準 一時抹消登録した車を再度登録して使えるようにするか、廃車にするか悩んだときは、次の判断基準を参考に考えてみてください。 再登録(中古新規登録)する方がよい場合 ・修理費用が高額にならない場合・希少価値が高い車の場合・多額の費用をかけても乗り続けたい場合など 廃車にした方がよい場合 ・修理費用が高額になる場合・車輌の劣化がひどく修理が不可能な場合など ※上記の判断基準はあくまでも参考程度とお考えください。

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