「車売却ってそもそもどんな流れなのか」「車の相続について相談したい」など車売却をご検討の際に出てくる悩みに無料でお答えいたします!
【相談例】
● 車売却のそもそもの流れが分からない
● どういった売り方が最適か相談したい
● 相続で車を売りたいけど売り方が分からない
● 二重査定や減額について知りたい
など
クルマの所有者が亡くなって、その後の対応に悩んでいる方もいるでしょう。乗り続ける方がいなければ、買取業者に売却して手放すことも選択肢の1つです。 本記事では、所有者が亡くなったクルマの売却について、手続き内容や必要書類、費用や注意点を解説します。クルマを売るかどうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。 所有者が亡くなったクルマを売る手順 所有者の方が亡くなったクルマを売るまでの手順を詳しく解説します。 1.クルマの名義を確認する クルマの名義が誰なのかによって手続き内容が変わります。乗っていた本人の名義だろうと思っていても実際は異なる場合があるため、必ずチェックしましょう。名義人の名前と住所は、車検証の「所有者」欄に記載されています。 亡くなったご本人の場合 亡くなったご本人の名義の場合は、特別な手続きや確認事項はありません。そのまま「2.相続人を決める」段階に進みましょう。 ローン会社の場合 ローンを組んで購入し、なおかつ残債のあるクルマの場合は、ローン会社の名義になっている可能性があります。ローン会社名義の場合、残債を返済しないとクルマを売却できません。 相続人がローンを引き継いで支払うことも可能ですが、すぐにでも売りたいのであれば一括で精算する必要があります。まずはローン会社に債務者が亡くなった旨を連絡し、残債がいくらあるのかを確認しましょう。 リース会社の場合 カーリースでクルマを借りている場合は、リース会社の名義になっています。そもそもリース会社から借りているクルマであるため、相続も売却もできません。今後使用しないのであればリース契約を解除しましょう。 ▼関連記事はこちらクルマをリースしている契約者が死亡したら相続できる?解約時の違約金も紹介 2.相続人を決める 名義の確認後に、誰がクルマを相続するのかを話し合いましょう。法的に有効な遺言状があれば、原則としてはその内容に従って相続人を決定します。 遺言状が残されていない場合は、法定相続人同士で相談して決めなければなりません。民法上では常に配偶者が相続すると定められており、配偶者以外の相続順位は下記のとおりです。 ・第1順位 死亡した人の子供・第2順位 死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)・第3順位 死亡した人の兄弟姉妹 出典:No.4132 相続人の範囲と法定相続分|国税庁 ただし、他の財産を含めての分配を加味したり、そのほかにもさまざまな事情が介在したりすることが多いため、必ず法定相続人全員で話し合い、必要に応じて弁護士や税理士などの専門家にサポートを依頼しながら慎重に進めましょう。 3.遺産分割協議書を作成 遺産分割協議書は、遺産分割の方法と相続の割合を記載する書類です。亡くなった方の名義を相続人名義に変更するにあたって作成しなければなりません。なお、クルマの相続専用の遺産分割協議書があります。国土交通省のWebサイト(こちら)よりダウンロードして用意しましょう。 遺産分割協議書には、相続人全員の直筆署名、実印の押印が必要です。そのため、相続人同士の住まいが離れていたり、なかなか連絡をとれない状況であったりすると、書類作成に時間がかかることが多いです。書類が完成したら、印鑑証明書を添付し相続人全員が書類を1通ずつ所持します。 査定額が100万円以下なら「遺産分割協議成立申立書」でも可 相続するクルマの価格が100万円以下の場合には、遺産分割協議書ではなく「遺産分割協議成立申立書」の使用が可能です。遺産分割協議成立申立書とは、クルマの相続特有の書類で、相続人1名の署名のみで作成できます。 遺産分割協議書のように相続人全員の署名と捺印は必要ありません。なお、遺産分割協議申立書も国土交通省のWebサイト(こちら)からダウンロードできます ただし、遺産分割協議成立申立書にはクルマの価格が100万円以下であると証明する査定書を添付する必要があります。査定証明書は日本自動車査定協会に作成を依頼します。ディーラーや買取業者でも作成を受け付けている場合があるため、一度問い合わせてみてもよいでしょう。 ▼関連記事はこちらクルマの相続には査定書が必要。遺産分割協議成立申立書と共に必要な書類や書類の取得方法を解説 4.必要書類を用意 続いて、クルマの名義変更に必要な書類を用意します。状況によって何を用意するのかが変わるため、単独相続、共同相続、第三者の相続、それぞれのケース別に紹介します。 単独相続(相続人が1名)の場合 単独相続の場合、下記の書類が必要です。 書類名 備考 除籍謄本 所有者が亡くなった事実を確認できる 改製原戸籍 相続人全員の記載が必要 【クルマの価格が100万円以上】 遺産分割協議書 【クルマの価格が100万円以下】 遺産分割協議申立書+価格が100万円以下である証明書 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内) 申請相続人のもの 実印 申請相続人のもの(必ず印鑑証明と同じ実印であること)/相続人が手続きできない場合は、実印を押印した委任状を用意 車検証 車庫証明 申請相続人の住所が車検証に記載の本拠の位置と異なる場合のみ ナンバープレート(実車) クルマの管轄地域が変わる場合のみ/普通車の場合はナンバープレートだけではなくクルマそのものを持ち込む 共同相続(相続人が複数)の場合 複数名で相続する共同相続の場合は、下記の書類が必要です。 書類名 備考 除籍謄本 所有者が亡くなった事実を確認できる 改製原戸籍 相続人全員の記載が必要 【クルマの価格が100万円以上】 遺産分割協議書 【クルマの価格が100万円以下】 遺産分割協議申立書+価格が100万円以下である証明書 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内) 共同相続する人全員分 委任状 共同相続する人全員分/全員とも実印で押印する必要がある(必ず印鑑証明と同じ実印であること) 車検証 車庫証明 申請相続人の住所が車検証に記載の本拠の位置と異なる場合のみ ナンバープレート(実車) クルマの管轄地域が変わる場合のみ/普通車の場合はナンバープレートだけではなくクルマそのものを持ち込む 第三者の場合 第三者にクルマを譲りたい場合は、まず法定相続人の名義に変えた後に、再度名義変更の手続きをする必要があります。法定相続人への名義変更に必要な書類は前述のとおりで、そのほかに下記を用意しましょう。 新所有者=第三者前所有者=一度名義になった法定相続人 ※新所有者が手続きすることを想定した場合の内容です。 書類名 備考 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内) 新所有者のもの 実印 新所有者のもの/必ず印鑑証明と同じ実印であること 譲渡証明書 前所有者の記入事項あり 委任状 前所有者の記入事項あり 車検証 車庫証明 ナンバープレート(実車) クルマの管轄地域が変わる場合のみ/普通車の場合はナンバープレートだけではなくクルマそのものを持ち込む ▼関連記事はこちら初めてでも安心!中古車の名義変更の手順・必要書類・費用を解説 5.名義変更する 書類を揃えたら管轄の陸運局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で名義変更を行います。受付時間は平日の8:45〜16:00であるため、土日祝日や夜間には手続きできないことに留意しておきましょう。 名義変更は代行依頼してもOK 相続にともなう名義変更は、行政書士やディーラー、中古車販売店に代行してもらうことも可能です。行政書士であれば、各種書類の作成・取得から依頼できます。陸運局の受付時間内に都合をあわせにくい方や、自分で手続きするのが不安な方は検討するとよいでしょう。 ただし、依頼にあたっはて代行費用がかかります。おおよその目安金額は下記のとおりです。 ・行政書士 1万5,000〜6万円 ※書類の作成・取り寄せから依頼すると+数万円かかる場合あり・ディーラー 3万〜8万円・中古車販売店 3万〜5万円 ▼関連記事はこちら相続に伴うクルマの名義変更の代行費用は?各業者の目安を紹介 6.買取業者に査定を依頼 名義変更の手続きが完了したら、買取業者に査定を依頼します。売却するにあたっては、下記の書類が必要です。査定当日までに準備しておくとスムーズに手続きを進められるでしょう。 普通車 軽自動車 ・車検証・自賠責保険証・自動車税納税証明書・リサイクル券・譲渡証明書・委任状・印鑑登録証明書・実印 ・車検証・自賠責保険証・自動車税納税証明書・リサイクル券・認印 ▼関連記事はこちらクルマ売却の流れ7ステップ!注意点や必要書類も丁寧に解説します 7.売却する 査定当日を迎え、査定士から提示された金額に納得したら売買契約を締結します。契約後2日〜10日程度で入金されます。 亡くなった方のクルマの相続にかかる費用 クルマを相続するにあたって、下記の書類発行および申請費用がかかります。 書類名 費用 除籍謄本 750円/通 改製原戸籍 750円/通 車庫証明 2,500~3,000円 移転登録手数料(印紙代) 500円 ナンバー変更手数料※クルマの管轄地域が変わる場合のみ 1,500~2,000円※図柄入りは4,000~5,000円 合計で7,000円程度です。名義変更の手続きを行政書士やディーラー、中古車販売店に依頼する場合は、追加で代行費用がかかります。 亡くなった方のクルマ売却時の注意点 亡くなった方のクルマを売るには、決められた期日までに名義変更し、自動車税の納付状況を確認しておく必要があります。それぞれの注意点の詳細を解説します。 名義変更は15日以内に行う 道路運送車両法では、所有者が変わってから15日以内に名義を変更するようにと定められています。万が一違反した場合には6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられます。 参考:道路運送車両法「第13条」「第109条2項」 他の財産の相続がある場合、時間の確保が難しいかもしれませんが、なるべく早めに手続きしましょう。 自動車税が未納だと売却できない クルマを売却する際に、自動車税の納付を証明する「自動車税納税証明書」を提出する必要があります。つまり、自動車税を納めていないと必要な書類が揃わないため、売却できません。事前に自動車税の納付状況を確認し、もし未納があった場合には相続人による支払い後に売却が可能となります。 まとめ 亡くなった方のクルマの売却について解説しました。 亡くなった方のクルマを売りたい場合には、まずは名義を変更しなければなりません。名義変更にあたっては、除籍謄本や改製原戸籍など、あまり馴染みのない書類を用意しなければならないため、手続きに手間取ってしまう方が多いのが実情です。とはいえ、名義変更を行政書士やディーラーに依頼すると、数万円単位の代行費用がかかります。 なるべくスムーズに、なおかつ費用を抑えておクルマを売りたい場合には、ぜひ「旧車王」にご相談ください。まだ名義変更の手続きをする前でも、必要書類の案内からはじまり、おクルマをお譲りいただくまで、スタッフが丁寧に応対いたします。査定当日には車輌の状態はもちろん、おクルマに詰まった想いも含めて“鑑定”し、価格に反映いたします。 また、旧車王は、自動車再生メーカーとして、おクルマの価値をさらに上げて市場に再流通させております。長年大事にされた1台、しっかりと次のオーナー様におつなぎいたしますので、ご売却をご検討の際はぜひ旧車王にお問い合わせください。
仕事や育児で忙しい方や健康上の問題を抱えている方などは、クルマの売却手続きを自分で行うことを負担に感じるのではないでしょうか。クルマの売却手続きは、代理人に代行してもらうことが可能です。 この記事では、クルマを代理人が売却するときの手順や必要書類などについて紹介します。 クルマを代理人が売却するときの手順 代理人は、運輸支局での売却手続きだけではなく、必要書類の準備やクルマの引き渡しなども代行できます。 クルマを代理人が売却するときの手順は下記のとおりです。 1.売却方法の決定 クルマの売却方法には3つの選択肢があり、それぞれメリットとデメリットが異なります。 売却方法 メリット デメリット ディーラー 乗り換え時に売却すると、クルマの購入と同時に売却手続きを進めてもらえる 買取業者よりも査定額が低い傾向にある 買取業者 状態次第では高価買取が期待でき、売却手続きを代行してもらえる 売却するクルマに特化していないと査定額が低い傾向にある 個人間での売買 自分で販売価格を設定できる トラブルが発生しやすく、手続きに手間がかかる それぞれに売却した場合のメリットやデメリットを確認し、自分に適した方法を選びましょう 2.必要書類の準備 売却方法を決定したら、必要書類を準備します。クルマの売却に必要な書類は、下記のとおりです。 必要書類 取得方法 ※()は紛失した場合の申請先 代理人による取得 車検証 車内の車検証入れ (運輸支局) 〇 ※再発行のみ 自賠責保険証明書 車内の車検証入れ(保険会社の窓口または郵送) 〇 ※再発行のみ リサイクル券 車内の車検証入れ(Webサイトから印刷) 〇 ※再発行のみ 自動車税納税証明書 自宅で書類を保管している場所(普通車:県税事務所・自動車税事務所 軽自動車税:役所) 〇 ※再発行のみ 実印 自身で印鑑を購入し、市区町村で登録する - 印鑑証明書 役所・コンビニエンスストア 〇 譲渡証明書 運輸支局・ダウンロード 〇 委任状 運輸支局・ダウンロード 〇 車検証や自賠責保険証明書、リサイクル券は車検証入れに保管されているケースがほとんどです。グローブボックス内の車検証入れを確認しましょう。 自動車税納税証明書は、5月頃に支払った納付書の控えです。Web経由で納税した場合は、管轄の県税事務所や自動車税事務所の窓口で発行を依頼しましょう。窓口に行く時間がない場合は、郵送での再発行依頼も可能です。 業者によっては、確実に納税したことを証明できれば、自動車税納税証明書の提出が不要な場合もあります。再発行する時間がない場合は、業者に相談してみてください。 リサイクル券は、自動車リサイクルシステムの「自動車リサイクル料金の預託状況」の画面から印刷して代用できます。また、ディーラーや買取業者にクルマを売却する場合、譲渡証明書や委任状は用意してもらえます。 各種再発行手続きを代理人が行う際は、委任状のほかに本人確認書類やその他の書類の提示を求められるケースもあるため、事前に確認しましょう。 なお、軽自動車の場合は下記の書類が不要です。 ・印鑑証明書・譲渡証明書・委任状 軽自動車検査協会で、手続き当日に記入する「申請依頼書」が委任状の代わりになります。申請依頼書には、委任状のように所有者の署名捺印が不要です。各種申請書類も認印で手続きできるため、実印が不要なことにも留意してください。 3.査定依頼 必要書類を準備したら、売却先に査定依頼をします。査定時は、所有者ではなく代理人による立ち会いでも問題ありません。 ただし、盗難車の引取やトラブルを防ぐため、業者によっては委任状が求められるケースもあります。代理人が立ち会う場合は、査定依頼時に委任状が必要かどうか確認しましょう。 また、買取業者によっては、指定した場所で査定してもらえる「出張査定」を行っています。店舗に出向く手間を省けるため、時間がない場合は活用してみてください。 過去の整備歴を確認できる「メンテナンスノート」や「点検記録簿」があると、査定額が上がる可能性があります。メンテナンスノートや点検記録簿は、車検証ケースに入れられているケースが多いため、査定前に用意しておきましょう。 なお、クルマの査定時間は30分〜1時間程度です。カスタムをしていたり修復歴があったりする場合は、目安の時間よりもかかることに留意してください。 4.売買契約の締結 提示された査定金額に納得した場合は、売買契約を締結します。 売買契約の締結も、査定時と同様に所有者から委任されていれば、代理人による対応が可能な場合があります。所有者が同席していなくても売買契約を締結できるか、売却先に確認しましょう。 また、査定してもらったからとはいえ、無理にクルマを売却する必要はありません。提示された査定金額に納得がいかない場合は、時間をかけて売却を考えたり、他社に査定依頼したりすることをおすすめします。 業者によっては「この金額は今日限り」と言われるケースがあるものの、焦って売買契約を締結しないようにしましょう。 5.クルマの引き渡し 売買契約を締結したら、指定された日にクルマを引き渡します。クルマを引き渡す際は、車内に忘れ物がないか確認し、ナビやドライブレコーダーを初期化しましょう。 また、クルマの引き渡しも基本的に代理人のみの立ち合いでも問題ありません。ただし、委任状を求められるケースがあるため、事前に業者に確認してみてください。 なお、引き渡し日までに著しく車体に傷がついたり故障したりした場合、買取金額を減額する業者もいます。そのため、売買締結時に「引き渡しまでの車輌の状態維持」について、責任範囲や条件を確認しておくことをおすすめします。 6.支払いの確認 クルマを引き渡してから数日で、売却金が所有者の口座に振り込まれます。 振り込みのタイミングは業者によって異なり、2〜7日程度が目安です。期日までに支払いが確認できない場合は、売却した業者に問い合わせましょう。 クルマを代理人が売却する際の必要書類 クルマを代理人が売却する際、通常の売却手続きより必要書類が増える場合があります。 続いて、クルマを代理人が売却する際の必要書類について詳しく紹介します。 所有者が親 所有者が親の場合は、通常の売却手続きに必要な下記の書類を準備します。 ・車検証・自賠責保険証明書・リサイクル券・自動車税納税証明書・実印・印鑑証明書・譲渡証明書・委任状 軽自動車であれば印鑑証明書や譲渡証明書、委任状が不要です。また、ほかの申請書類の捺印は認印でも問題ないため、実印を準備する必要がありません。 所有者が配偶者 所有者が配偶者の場合も、通常の売却手続きに必要な書類を揃えます。たとえば、夫が代理人になってクルマを売却する場合、妻の署名捺印がある譲渡証明書や委任状、印鑑証明書が必要です。 ただし、離婚により所有者の名前や住所が変わる場合は、車検証に記載されている事項を変更する「変更登録」を行う必要があります。売却と同時に手続きできるものの、下記の書類が必要なため手間が増えることに留意してください。 ・名前に変更あり:氏名の変更の事実が証明できる戸籍謄本・住所に変更あり:住所のつながりを証明できる住民票 所有者が故人 所有者が故人の場合、運輸支局で相続手続きをした後に、クルマを売却できます。 クルマは所有者が亡くなった時点で、法定相続人全員の共有財産となり、状態にかかわらず新所有者を確定させて相続手続きをしなければなりません。クルマの相続手続きには、下記の書類が必要です。 ・遺産分割協議書・法定相続人全員の印鑑証明書・故人が死亡した事実や相続人全員を証明できる戸籍謄本・相続人の車庫証明書・相続人の実印 遺産分割協議書は、遺産分割協議の内容をまとめた書類であり、法定相続人全員の実印を押印する必要があります。軽自動車の場合、遺産分割協議書や車庫証明などは不要です。 なお、相続とクルマの売却に必要な書類を揃えておけば、手続きを同時に行える場合があります。必要書類は多くなるものの、手間を抑えたいのであれば、同時に手続きするとよいでしょう。 所有者の認知能力に問題がある場合 所有者の認知能力に問題がある場合は、家庭裁判所で成年後見人を申立した後にクルマを売却します。成年後見人とは、認知症や知的障害により判断能力が低下している人に代わって、財務管理や契約締結などの法律行為を行う人のことです。 成年後見人を立てたら、その方の印鑑証明書と実印を用いてクルマを売却できます。ただし、成年後見人の申立には下記のような書類が必要であり、準備や手続きに時間がかかることに留意してください。 ・後見開始申立書・申立事情説明書・親族関係図・親族の意見書・後見人等候補者事情説明書・財産目録・相続財産目録・収支予定表・医師の診断書・戸籍謄本・住民票・本人の健康状態に関する資料・本人の財産等に関する資料 参考:最高裁判所「成年後見等の申立てに必要な書類等について」 また、成年後見人は家庭裁判所が本人にとって適切な人を選ぶため、親族のほかに司法書士や弁護士などが選任される場合もあります。 現に、考えや気持ちがまとまりづらくなる「統合失調症」だったケースにおいて、唯一の家族である遠方の叔母では成年後見人になるのは困難との判断に基づき、司法書士が選任されてクルマを売却した事例もあります。 参考:法務省「Q3〜Q15 法定後見人制度について」 代理人がクルマを売却する際に名義変更は不要 代理人がクルマを売却する際、基本的に名義変更する必要はありません。 ただし、所有者と代理人が親族関係にない場合、盗難車と疑われる可能性もあります。不安な場合は、クルマを代理人名義に変更してから売却するとよいでしょう。 また、買取店や司法書士などのクルマの手続きに精通した業者に売却を代行してもらうことも1つの手段です。 代理人がクルマを売却する際の委任状の書き方 運輸支局で手続きする際に必要な委任状は、下記のように記入します。 1.受任者(代理人)の住所と氏名2.手続きの種類(売却の場合は「移転登録」)3.売却するクルマの登録番号または車体番号4.委任者(所有者)の住所と氏名、捺印 こちらからテンプレートをダウンロードできるため、活用してみてください。 まとめ クルマの売却において代理人は、運輸支局での手続きのほかに、必要書類の準備やクルマの引き渡しなども代行できます。ただし、査定の立ち合いやクルマの引き渡しでは、売却先に所有者の委任状を求められるケースがあることに留意してください。 また、代理人がクルマを売却する際、名義変更をする必要はありません。トラブルを防ぎたい場合は、親族に代理人になってもらうか、買取店や司法書士などのプロに売却の代行を依頼するとよいでしょう。
70歳を過ぎてからクルマの買い換えや新しく購入することを検討しているものの、ローンを組めるのか不安に感じている方もいるでしょう。クルマのローンは高齢者でも組むことが可能ですが、借入先ごとに設けられている条件を満たす必要があります。 この記事では、高齢者でクルマのローンを組めるケースや組めないケースなどについて紹介します。 高齢者でもクルマのローンを組むことは可能 高齢者でもクルマのローンを組むことは可能です。ただし、借入先によって借入条件が異なるため、ローンを組めないケースもあります。 たとえば、借入先が定めた年齢上限よりも若く、安定した収入がある場合はローンを組める可能性が高いでしょう。 高齢者でクルマのローンを組めないケース 70歳以上で収入が著しく低い場合は、クルマのローンを組めない可能性があります。また、70歳以下で安定した収入があっても、信用情報に問題がある場合はローンを組めないでしょう。 ここでは、高齢者でクルマのローンを組めないケースを具体的に紹介します。 70歳以上 ローン審査には年齢制限があり、70歳以上の高齢者がクルマのローンを組むことは難しいとされています。これは、70歳を過ぎると収入源が年金だけになるケースが多く、現役で働いていた頃よりも安定した収入がないと判断されるためです。 また、亡くなった際の貸し倒れリスクを抑える意図もあります。 年齢条件について問い合わせたところ、多くの銀行とディーラーから「70歳までの安定した収入のある方が対象」との回答を得ました。 また、「満70歳までの完済」を定めているローン会社が多いため、申込時だけでなくローン完済時の年齢も重要です。たとえば、68歳で5年ローンを組むことは難しいでしょう。 クルマのローンを組む場合は、申込時や完済時の年齢条件をチェックしてみてください。 収入が著しく低い 収入が著しく低い場合、年齢に関係なくローンを組めない可能性があります。クルマのローンは借入額を3分の1に抑える「総量規制」の適用外であり、年金収入だけでも審査が通る可能性はあるものの、未回収リスクを防ぐために収入に応じた貸付限度額を設定します。 そのため、年金収入の金額次第ではローンを組めないかもしれません。たとえば、年金の年収が78万円の場合、生活費を考慮すると50万円程度のクルマでも組めない可能性があります。 また、審査時に貯蓄額は考慮されません。「貯蓄があれば組める」という確証もないため、収入をベースに審査されることに留意してください。 信用情報に問題がある 安定した収入があり70歳までに完済できる場合でも、信用情報に問題がある場合はローンを組むことは難しいでしょう。 信用情報とは、過去の借入の返済や完済、延滞、破産などの情報のことです。 たとえば、過去に自己破産や個人再生などを行った場合はローン審査に通らない可能性が高いでしょう。 信用情報は、情報の登録から一定期間で消えるため、永久にローンを組めなくなるわけではありません。たとえば、延滞情報は、延滞解消後または完済から1~5年以内に消去されます。自分の信用情報を知りたい場合は、下記3つの機関に開示請求をしましょう。 ・株式会社日本信用情報機構(JICC)・株式会社シー・アイ・シー(CIC)・全国銀行個人信用情報センター(KSC) 開示請求の手続き方法や手数料は信用情報機関によって異なるため、詳しくは公式Webサイトを確認してください。 高齢者でクルマのローンを組める可能性があるケース 高齢者がクルマのローンを組める可能性があるのは、次のようなケースです。 申込条件をクリアしている 金融機関やローン会社が定めた申込条件をクリアしている場合は、高齢者でもローンを組める可能性があります。一例として「りそなマイカーローン」の申込条件を紹介します。 ・申込時の年齢が満18歳以上、満66歳未満の方で、最終返済時の年齢が満70歳未満の方・継続安定した収入のある方(パートやアルバイトも可)・保証会社の保証が受けられる方 参考:りそな銀行「商品概要説明書」 一部のローン会社では、さらに高い年齢まで対応してくれる場合もあります。たとえば、オリコプロダクトファイナンスでは「完済時年齢が80歳以下」のため、70歳を超えていてもローン審査を受けられます。 参考:オリコプロダクトファイナンス「ご利用いただけるお客さま」 高齢者を狙って、法外な金利のローンを組ませようとする悪徳業者もいます。「誰でも借入可能」や「必ず融資します」といった、無条件のローンには特に注意が必要です。申し込む前に、信用できる会社かどうかを十分に確認しましょう。 ローンは登録貸金業者でなければ提供できません。下記のサイトで金融庁の登録貸金業者かどうかを調べることで、信頼性を確認できます。登録貸金業者ではない業者を利用しないよう注意しましょう。 金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」 保証人がいる 保証人がいれば、高齢者でもクルマのローンを組める可能性があります。保証人とは、万が一返済が滞った際に、契約者に代わってローンの返済責任を負う人のことです。 返済能力が低いと判断された場合に保証人を求められるケースと、返済能力に関係なく保証人を求められるケースがあります。保証人がいればローン会社は貸し倒れリスクを軽減できるため、ローンを組める可能性が高まります。 ただし、保証人にも返済能力が必要なため、誰でも保証人になれるわけではありません。保証人に求められる条件は申込者と同等です。 保証人ありでもローンを組めなかった場合は、借入額を減らすことも検討しましょう。 まとめ 高齢者でもクルマのローンを組むことは可能です。ただし、借入先によって条件が異なるため、ローンを組めないケースもあります。 特に、年齢や収入面での条件を満たすことが難しいでしょう。しかし、保証人がいればローンを組める場合もあるため、保証人とローン会社を並行して探すのが効率的です。 審査が通りにくい高齢者を狙って、法外な金利のローンを組ませようとする悪徳業者も存在するため、信頼できる借入先かどうかを十分に確認しましょう。
高齢者がクルマを買い替えるとき、どのような基準でクルマ選びをすればよいのでしょうか。この記事では、高齢ドライバーのクルマの買い替え基準やクルマ選びのポイントを解説します。高齢運転者がクルマを買い替えるときの参考にしてみてください。 クルマを何歳まで運転する人が多い? クルマを運転する年齢に上限はありませんが、「運転免許統計 令和5年版」の年齢別免許保有者数を見てみると、75歳以上になると免許保有者数が急激に減少しています。 そのため、75歳以上になると、クルマの運転をやめて、免許を返納する人が増える傾向にあるといえるでしょう。 なお、高齢者の年齢については明確な定義はありませんが、世界保健機関(WHO)では65歳以上を高齢者としています。そのため、一般的に65歳を超えると高齢者といえるでしょう。 高齢者がクルマを買い替えるか返納するかの判断基準 高齢者がクルマを買い替えるか免許返納するかは、どのように判断すればよいのでしょうか。ここでは、免許返納の基準となる身体機能を基準に買い替えるか、免許返納するかを解説します。 運転能力の明らかな低下がある場合は返納 加齢に伴う身体機能の低下がみられるときは、免許返納を検討しましょう。 ただし、加齢に伴い身体機能が低下してきているものの、運転に必要な身体機能を有している場合は、免許を更新しても問題ありません。 もし、運転を継続してもよいか悩んだときは、各都道府県の警察署に設置されている「安全運転相談窓口」に相談しましょう。 安全運転相談窓口については、警察庁「安全運転相談窓口について」をご覧ください。 ▼関連記事はこちら免許返納する時の手続きとは?免許返納するメリットについて解説免許返納できる場所は?調べ方やあわせて知っておきたいことも解説! 運転能力の低下がみられない場合は買い替え 身体機能の低下が見られない場合には、免許更新やクルマの買い替えをしても問題ないでしょう。 クルマを買い替えるときは、身体機能が低下したときも安心なクルマ(見通しがよくサポート機能が充実しているクルマ)を選ぶことをおすすめします。 高齢者のクルマに関する補助金 高齢者がクルマを買い替えるときに補助金を受けられる場合があります。 国の補助金「サポカー補助金」は受付を終了しているため、サポカー補助金を受けることはできませんが、各自治体の助成金を受けられる場合があります。 高齢者がクルマを乗り替えるときは、自治体のホームページや窓口で助成金を受けられるか確認してみましょう。 ▼関連記事はこちら高齢者のクルマの買い換えに使える補助金は?おすすめの車種も紹介 高齢者が買い換えるクルマの選び方 高齢者がクルマを買い替えるとき、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。ここからは、高齢者がクルマを選ぶときのポイントについて解説します。 安全装備が充実している 高齢者がクルマの乗り替えるときは、安全装備が充実しているモデルがおすすめです。衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能など、さまざまなサポート機能が充実しているモデルであれば、もしものときにシステムが作動し、事故のリスクや被害を軽減してくれます。 コンパクトなサイズ コンパクトなサイズのクルマを選ぶと、少し細い道路でも楽に運転できます。クルマを買い替えるときは、クルマの使用シーンや自身の運転スキルなどに合うサイズのモデルを選びましょう。 視界がよい 視界がよいクルマとは、前方だけでなく、斜め前方、左右、後方・斜め後方など、全方位にわたり死角が少ないクルマのことです。視覚がよいクルマであれば、歩行者や自転車、クルマの接近に気づきやすいため、疲労感や事故のリスクを軽減できます。運転席に座ったときに全方位を見渡し、死角が少ないクルマかどうか確認しましょう。 乗り降りしやすい 乗り降りのしやすさも重要なポイントです。クルマを見に行ったときは、腰を掛けるようにして座れるかどうかということも確認しておきましょう。 高齢者がクルマを買い換えるときに確認しておきたい安全装備 高齢者がクルマを選ぶときに注目したい安全装備について解説します。 衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ) 衝突被害軽減ブレーキは、衝突の危険性が高いときにシステムが警告したりブレーキをサポートしたりする機能です。一般的に「自動ブレーキ」とも呼ばれますが、完全な自動ではなく、あくまでもサポート機能であるため、システムを過信しないよう注意してください。 ペダル踏み間違い急発進抑制装置 ペダル踏み間違い急発進抑制装置は、アクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違えたときに急発進しないよう抑制する機能です。誤発進抑制機能とも呼ばれています。 もしものときのために、誤発進抑制機能が装備されているクルマを選びましょう。 リアビークルモニタリングシステム リアビークルモニタリングシステムは、ミラーの死角となる斜め後方の車輌等を知らせてくれるシステムです。ブラインドスポットモニターとも呼ばれています。 高齢ドライバーのみならず、全ドライバーにおすすめの機能のため、なるべく装備しておくことを推奨します。 定速走行時の車間距離制御装置(ACC) ACC(Adaptive Cruise Control)は、定速走行時にシステムが車間距離を一定に保ってくれる機能です。主に高速道路を走行するときに使います。 一般道路で使用すると、思わぬ事故につながる可能性があるため、高速道路で定速走行をする場面で使いましょう。 車線逸脱防止システム 車線逸脱防止支援システムは、車線をはみ出さないようサポートする機能です。レーンキープアシストとも呼ばれています。 ただし、車線を認識できない場合は、車線逸脱防止支援システムを利用できません。そのため、線が消えかかっている場所や線の変更があった場所などでは、システムが正しく機能しない可能性があります。 ドライバーモニタリングシステム ドライバーモニタリングシステムは、車内に取り付けられたカメラやセンサーなどで運転者の様子を観察し、異常が発生した場合に警告して非常停止する機能です。広く普及している機能ではありませんが、選択できる場合は装備するとよいでしょう。 横滑り防止装置 横滑り防止装置は、クルマがスリップしそうなときにクルマの姿勢を安定させるシステムです。ほとんどのクルマに装備されています。機能には限界があるため、装置を過信しないよう注意しなければなりません。 オートマチックハイビーム オートマチックハイビームは、ヘッドライトのロービームとハイビームを自動で切り替える機能です。夜間の視認性向上に寄与するため、装備しておくことをおすすめします。 また、オートマチックハイビームの進化版であるアダプティブヘッドライトは、前方にクルマがいる場合でも部分的にロービームにすることで、周辺を明るく照らせる機能です。夜間の視認性を重視するのであれば、アダプティブヘッドライト装着車を選ぶとよいでしょう。 高齢者におすすめのクルマ5選 高齢者におすすめのクルマを5車種紹介します。クルマ選びをするときの参考にしてみてください。 トヨタ ヤリス トヨタ ヤリスは、全長4,200mm以下、全幅1,695mmの5ナンバーサイズのコンパクトカーです。トヨタの安全機能「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」が装備されているため、安全性能が高いことも特徴となっています。また、ハイブリッドカーも用意されているため、燃費性能がよく、維持費を抑えられることも魅力です。 日産 ノート 日産 ノートは、高い質感が特徴の5ナンバーサイズのハッチバックで、安全機能の「360°セーフティアシスト」が装備されていることが特徴のモデルです。 また、電動パワートレイン「e-POWER」による高い燃費性能、4WD車の安定した走行も魅力です。さらに、着座しやすいシートや見やすい位置に調整できるドライビングポジションもポイントとなっています。 日産 サクラ 日産 サクラは、街中での運転がしやすい電気自動車の軽自動車です。高い安全性能と軽自動車ならではの運転のしやすさが特徴となっています。また、購入時に複数の補助金を受けられるのもポイントです。 なお、日産 サクラと三菱 ekクロスEVは兄弟車のため、サクラを検討しているときはekクロスEVと見比べて選ぶことをおすすめします。 ホンダ N-BOX ホンダ N-BOXは、3年連続国内販売台数No.1を誇る人気の軽自動車です。 両側にスライドドアを持つスーパーハイトワゴンのN-BOXには、優れた燃費性能とホンダならではの安全システム「Honda SENSING」が搭載されています。 居住性がよく、燃費性能が高く、安心感のある軽自動車を探しているのであれば、N-BOXを検討するとよいでしょう。 ダイハツ タント ダイハツ タントは、ピラーレスのミラクルオープンドアが特徴のスーパーハイトワゴンの軽自動車です。 開口部が広く取れるピラーレスドア(左側)により、乗り降りや荷物の積み下ろしがしやすいことが魅力です。また、安全システムの「スマートアシスト(通称 スマアシ)」が装備されているため、安全性能も十分といえます。 まとめ 高齢者のクルマの乗り替えでは、身体機能や認知機能などに応じたクルマを選ぶことがポイントです。高齢ドライバー本人やその家族がクルマを選ぶときは、この記事で解説したポイントに注目してクルマ選びをしましょう。
自身の運転に不安を感じ始め、先進安全機能付きのクルマへの買い換えを検討している方もいるでしょう。先進安全機能付きのクルマは、補助金を活用すれば費用を抑えて購入できます。関連する補助金として、サポカー補助金が挙げられます。 この記事では、クルマの買い換えに使えるサポカー補助金や、高齢者に向いている車種について解説します。 サポカー補助金は2021年に終了 サポカー補助金は、高齢運転者の交通事故防止を目的として、満65歳以上の人が対象車への乗り換えにかかる費用の一部を補助する制度です。 同制度は2021年に終了しているため、現在は申請できません。 サポカー補助金は下記の2つで構成されています。 ・対歩行者衝突軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置を搭載するクルマの購入費用の補助・後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置の費用補助 引用:経済産業省「サポカー補助金について」 それぞれの補助額は、下記のとおりです。 【購入費用の補助】①対歩行者衝突軽減ブレーキのみを搭載②対歩行者衝突軽減ブレーキとペダル踏み間違い急発進抑制装置の両方を搭載 搭載装置・金額 登録車 ①6万円②10万円 軽自動車 ①3万円②7万円 中古車 ①2万円②4万円 【取り付け費用の補助】 搭載装置 金額 ペダル踏み間違い急発進抑制装置等 2万円 【障害物検知機能付き】ペダル踏み間違い急発進抑制装置等 4万円※補助対象車が中古車で、購入時に対歩行者衝突軽減ブレーキの補助金2万円が支給済みの場合は2万円が上限 参考:経済産業省「サポカー補助金について」 高齢者のクルマの買い換えに使える補助金 サポカー補助金は終了しましたが、自治体が独自に行っている補助金制度を利用できる可能性があります。制度によっては申込に年齢制限がないため、高齢の家族のクルマに限らず、自身のクルマの買い換えにも利用できます。 ここでは、クルマの買い換えに利用できる自治体の補助金制度の一例を紹介します。 【東京都】ZEVの車輌購入補助金 東京都では、ZEVの車輌購入の補助金制度を利用できます。ZEVはZero Emission Vehicle(ゼロ エミッション ビークル)の略称で、排ガスが出ないクルマのことです。たとえば、バッテリーのみで走行する「電気自動車(EV)」や、水素をエネルギーにして電気を発生させる「燃料電池自動車(FCV)」などがあります。 排ガスが発生するものの、ガソリンと電気の両方で走行する「プラグインハイブリッド車(PHEV)」も、補助金の対象です。ただし、プラグインハイブリッドと同様にガソリンと電気の両方で走行するものの、外部充電ができない「ハイブリッド車(HEV)」は対象外なことに留意してください。 制度策定の目的は、2050年までにCO2排出量実質ゼロとする「ゼロエミッション東京」を実現することです。 補助額は、クルマのバッテリーに蓄積されている電気を家庭やほかの機器に供給できる「給電機能」の有無によって、金額が異なります。具体的な金額は下記のとおりです。 車種 対象者 給電機能 ○ 給電機能 × 電気自動車プラグインハイブリッド車 個人・事業者 45万円 35万円 燃料電池自動車 個人・事業者 110万円 100万円 別途、東京都が定めた条件を満たしている自動車メーカーのクルマを購入すれば、上記に加えて5万円または10万円が追加で補助されます。 申請期間は2024年4月26日〜2025年3月31日で、オンラインまたは郵送で申請できます。 参考:東京都「令和6年度 ZEVの車両購入補助金のお知らせ」 【横浜市】横浜市V2H充放電設備設置費補助金 横浜市の戸建住宅や集合住宅、事業所へ「V2H充放電設備」を設置する際にかかる費用を補助する制度です。V2Hは「Vehicle to Home(クルマから家へ)」の略称で、電気自動車やプラグインハイブリッド車に蓄えた電力を家庭用電源としても使用できるようにする設備です。 クルマの買い替え費用の補助金ではないものの、電気代が安い時間帯に充電した電気を家庭用に使用することで電気代を抑えたり、災害時の緊急用電源として利用したりできます。 補助額は、本体価格から国の補助金を除いた額の2分の1です(上限額:1基あたり10万円)。たとえば、本体価格が50万円で国から30万円の補助金を受け取った場合、不足額は20万円ですが、横浜市からは上限の10万円が支給されます。 V2Hの導入には設備の本体価格と設置工事費を合わせて80万〜180万円程度かかるため、補助金で少しでも負担を抑えましょう。 申請期間は2024年8月13日〜2025年2月14日で、電子申請システムを使用して申し込みます。 ※補助予算額に達した場合、期限前に受付を終了 参考:横浜市「V2H充放電設備設置費補助金のご案内」 【愛知県】先進環境対応自動車導入促進費補助金 愛知県には、環境性能基準を満たすクルマを購入した事業者(条件あり)に対し、購入費を補助する制度があります。 対象車輌と補助額は下記のとおりです。 対象車輌 補助額 電気自動車(トラック・乗用車) 上限:40万円 プラグインハイブリッド車(トラック) 定額:20万円 プラグインハイブリッド車(乗用車) 定額:10万円 燃料電池車(乗用車) 定額:100万円 同制度に申し込めるのは、クルマによる温室効果ガス排出量の削減と大気環境の改善を目的に先進環境対応自動車の導入を行う下記の事業者のみです。 ・旅客、貨物運送事業者・中小企業等の事業者・自動車リース事業者 申請期間は2024年4月1日〜2025年3月14日で、郵送で申請します。 参考:愛知県「2024年度 先進環境対応自動車導入促進費補助金のご案内」 【大阪府】電動車等に関する補助金及び優遇制度 大阪府では、環境性能基準を満たしたクルマの購入費を補助しており、市区町村によって制度が異なります。ここでは、一例として3つの自治体の補助金制度を紹介します。 ■豊中市電気自動車等購入支援補助金 内容 温室効果ガスの排出量が少ないクルマの購入費用を補助 対象車種 ・電気自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電池車 補助額 ・個人:10万円(※1)・事業者:20万円 対象者 ・市内に住む個人・市内で事業を行う法人や個人事業主 申請期間 2024年5月9日~2025年2月28日(※2) 申請方法 電子申込システムまたは郵送 ※1 個人向けの補助金はすでに終了※2 補助予算額に達した場合、期限前に受付を終了 ■岬町電気自動車等導入支援事業補助金 内容 二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目的とし、購入費用を補助 対象車種 ・電気自動車・燃料電池自動車 補助額 ・電気自動車:5万円・燃料電池自動車:20万円 対象者 ・町内に1年以上住んでいる・国民健康保険料や介護保険料などを滞納していない・申請者がクルマの所有者かつ使用者である ※ローンで購入した場合は使用者のみ 申請期間 2024年4月1日~2025年3月31日 申請方法 郵送 ■堺市電気自動車等導入支援事業補助金 内容 温室効果ガス排出量の削減を目的とし、購入費用を補助 対象車種 ・電気自動車・燃料電池自動車 補助額 5万円 対象者 ・市内に住んでいる・所有者と使用者が同一である※ローンで購入した場合は申請者が使用者 申請期間 2024年6月25日~2025年2月15日 申請方法 郵送 参考:大阪府「補助金・優遇税制情報」 なお、大阪府ではクルマの購入費用の補助金に加えて、下記の導入助成も利用可能です。 ・充電設備・V2H・エコタイヤ・ドライブレコーダー 【福岡県】福岡市次世代自動車の普及に向けた支援事業 福岡市では、環境性能基準を満たしたクルマの購入費を補助しています。対象車と補助額は下記のとおりです。 種類 補助額 電気自動車(EV) 10万円 プラグインハイブリッド車 5万円 燃料電池自動車 60万円 補助金の申請条件は下記いずれかを満たすことです。 ・市内に1年以上住んでいる者・市内に事業所を有する個人事業主や法人・リース会社・自治協議会 上記以外にも、税金の滞納がなく、暴力団と密接な関係を有していないなどの条件を満たす必要があります。 申請期間は2024年5月7日〜2025年2月28日で、メールまたは郵送で申請します。 また、福岡市には充電設備の導入に関する補助金制度もあります。クルマの購入と同時に充電設備を導入したい場合はあわせて確認しましょう。 参考:福岡市「令和6年度 福岡市次世代自動車の普及に向けた支援事業(電気自動車等)補助金」 補助金制度を使える高齢者に向いているクルマ 補助金の対象車だからといって、必ずしも高齢者に向いているとは限りません。運転のしやすさや搭載されている装置など、さまざまな観点から最適と考えられるクルマを選ぶことが大切です。補助金制度の対象車のうち、高齢者に向いているクルマを紹介します。 日産 サクラ 電気自動車である日産のサクラを購入した場合、国の補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)により、55万円補助してもらえます。国の補助金に加えて、各自治体の補助金制度も併用すれば、さらに費用を抑えて購入できます。 たとえば、東京都の再生可能エネルギー設備の設置を支援する「再エネ電力導入」を活用すれば、70万円補助してもらうことが可能です。エコカー減税の対象でもあるため、購入時にかかる税金(軽自動車税・重量税)が1万5,600円減税されるうえに、環境性能割も非課税です。 また、日産のサクラは「自動車安全性能2022」において、最高評価であるファイブスター賞を獲得しているため、自身の運転に不安を感じている高齢者に向いています。装備されている安全性能は、下記のとおりです。 安全性能 機能 特徴 オートライトシステム 周囲が薄暗くなり始めたら自動で各種ライトが点灯 視界を確保して安全運転を支援 ビークルダイナミクスコントロール 横滑りを軽減して車輌の安定性を向上 回避操作を支援 高強度安全ボディ 車輌の保護性能の向上と相手車輌への加害性を低減 事故の被害を最小限にとどめる 歩行者傷害軽減ボディ 歩行者と衝突した際の頭部や脚部への衝撃を緩和 事故の被害を最小限にとどめる 加えて、下記のような先進安全機能も装備されています。 先進安全機能 機能 特徴 エマージェンシーブレーキ※1 表示とブザーで回避操作を促し、安全に減速できなかった場合はブレーキを作動 走行中の衝突回避をアシスト 踏み間違い衝突防止アシスト ブレーキとアクセルを間違えて踏み込んだ場合に、モーター出力やブレーキを制御 前進・後退時の衝突回避をアシスト ※1 一部グレードではパッケージでのメーカーオプション 三菱 ek クロスEV 三菱 ekクロスEVは日産 サクラの兄弟車で、こちらも電気自動車です。国の補助金制度(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)により、55万円の補助を受けられます。 また、各自治体の制度を併用すれば、さらに安く購入できます。たとえば、東京都の補助金制度と併用すれば、70万円の補助金を受け取ることが可能です。 加えて、ekクロスEVは、サクラと同様に税制面も優遇されており、税金(軽自動車税・重量税)が1万5,600円減税されるうえに、環境性能割も非課税です。 ekクロスEVは下記を装備しており、安全性能に優れているため運転に自信がない方におすすめです。 装備 機能 特徴 マルチアラウンドモニター(移動物検知機能付)※1 360℃視点で車輌の周囲を確認できる 駐車時の安全をサポート デジタルルームミラー ※1 後方の映像をミラーに表示 荷物や乗員で後方が見えにくいときや、夜間または雨天時に有効 グリップコントロール スリップした駆動輪をブレーキ制御し、駆動力を確保 雪道やぬかるみで空転した際に発進をサポート 電動パーキングブレーキ&オートホールド ※2 ・スイッチ操作でパーキングブレーキを作動、ブレーキペダルから足を離しても停車状態を維持 運転による疲労を軽減 ヒルスタートアシスト 坂道発進時にブレーキを約2秒間保持 坂道発進時での後退を防止 SRSエアバッグ 車内に7つのエアバッグを装備 事故による傷害を軽減 エマージェンシーストップシグナルシステム 急ブレーキ時にストップランプが高速点滅 後続車の追突を防止するための注意喚起 ※1 一部グレードではパッケージでのメーカーオプション※2 一部グレードのみ搭載 まとめ サポカー補助金は2021年に終了しているため、現在は申請できないものの、自治体ごとに環境性能に優れているクルマの購入や充電設備の設置を後押しする補助金が設けられています。 補助金の対象の中でも「日産 サクラ」や「三菱 ekクロスEV」は、安全性能が高いうえに、小回りが効くため高齢者でも運転しやすい車種です。補助金については、ディーラーや自動車販売店でもサポートしてもらえるため、不明点がある場合は相談してみてください。
クルマを購入したときや引っ越したときには、車庫証明を取得する必要があります。自宅が賃貸でも車庫証明が必要なのか、疑問に思う方もいるでしょう。結論からいうと、持ち家と同様に賃貸でも車庫証明を取得しなければなりません。 この記事では、賃貸の車庫証明の必要書類や申請方法、注意点などを紹介します。 車庫証明は賃貸でも必要 車庫証明は、賃貸でも申請する必要があります。賃貸物件の駐車場はもちろん、近隣の月極駐車場を保管場所にする場合も、車庫証明を申請しなければなりません。車庫証明を申請しないと、公道を走行する際に必要なナンバープレートを交付してもらえないため、注意しましょう。 ただし、地域によっては車庫証明が不要な地域もあります。たとえば、東京都の以下の地域では、普通車でも車庫証明が不要です。 ・檜原村・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・青ヶ島村・小笠原村 軽自動車は、普通車に比べて車庫証明が不要な地域が多いため、管轄の警察署の公式Webサイトを確認しましょう。 ▼関連記事はこちら軽自動車は車庫証明がいらないって本当?必要なケースも紹介 引っ越し時には車庫証明の変更が必要 引っ越し時は車庫証明の変更が必要なため、新規で取得する際と同様に申請しなければなりません。なぜなら、車庫証明には「使用の本拠の位置(自宅)から保管場所まで2km以内」という条件があり、実際の距離を警察署に証明する必要があるためです。 なお、クルマの保管場所はそのままで、近所の賃貸に引っ越した場合も車庫証明の変更が必要です。 ▼関連記事はこちら車庫証明は引っ越し時にも必要?放置した場合の罰金も紹介 車庫証明はいつまでに住所変更するべき? 引っ越ししてクルマの保管場所が変わった際には、変更から15日以内に手続きする必要があると「自動車の保管場所の確保等に関する法律」(車庫法)で定められています。万が一15日を経過してしまうと、10万円の罰金が科せられるため、なるべく早めに手続きを行いましょう。車庫法違反は「行政罰」ではなく「刑事罰」に該当し、前科がつくケースもあるため注意が必要です。 参考:自動車の保管場所の確保等に関する法律「第7条」「第17条3項」 ▼関連記事はこちら車庫証明の発行にかかる期間は?有効期限や申請方法なども紹介 どんな駐車場でも車庫証明は発行可能? 車庫証明には発行条件があり、駐車場であればどこでもよいわけではありません。車庫証明の具体的な発行条件は以下のとおりです。 1.使用の本拠の位置と保管場所の位置が直線で2キロメートルを超えないこと2.通行することができない道路以外の道路から、支障なく出入りさせ、かつ、自動車の全体を収容できること3.保管場所として使用権原を有していること 出典:千葉県警察公式Webサイト「使用の本拠の位置、保管場所について」 つまり、自宅の賃貸アパートから2km以上離れた月極駐車場は、車の保管場所として申請できません。保管場所に車全体を収容する必要もあるため、駐車場の大きさも考慮する必要があります。保管場所を確保する際は、車庫証明の発行条件を満たした駐車場を契約しましょう。 賃貸の車庫証明を取得する方法 賃貸物件であっても車庫証明は必ず用意しなければなりません。続いて、車庫証明の申請に必要な書類と、車庫証明を受け取るまでの流れを解説します。 1.必要書類を揃える まずは、警察署で下記の必要書類を揃えます。 ・自動車保管場所証明申請書・保管場所標章交付申請書・保管場所の所在図・配置図・保管場所使用承諾書 各地域の警察署のWebサイトからフォーマットをダウンロードできるため、事前に警察署に行く時間がない場合は活用してみてください。 【例】東京都:保管場所証明申請手続(窓口申請) 警視庁神奈川県:自動車の保管場所(車庫)証明等の手続/神奈川県警察大阪府:「自動車保管場所証明申請書」等による申請/大阪府警本部 保管場所使用承諾書には管理会社の署名が必要 「保管場所使用承諾書」は、他人の所有地を保管場所にする際に必要な書類であり、賃貸の敷地内の駐車スペースや月極駐車場などが該当します。管理会社や大家に署名をしてもらう必要があるため、記入を依頼しましょう。ただし、管理会社によっては数千円〜数万円程度の発行費用が発生するケースもあります。 賃貸契約書は保管場所使用承諾書の代わりに使える? 保管場所使用承諾書には管理会社や大家の署名が必要です。しかし、なかなか管理会社が対応してくれないと、法律で定められている15日の期限をすぎてしまうかもしれません。また、手数料の金額が高く、可能であれば管理会社に発行をいらいしたくないというケースもあるでしょう。 実は、保管場所使用承諾書の代わりとして、月極駐車場や賃貸物件の契約の際に取り交わす賃貸契約書を使用できます。契約者名と駐車場の住所、契約期間が記載されていれば代用可能です。物件敷地内に駐車場がある場合は、契約書に「駐車場有り」と書かれていれば問題ありません。 ただし、車庫証明の申請者と賃貸の契約者が異なる場合は、追加で別の書類を用意したりそもそも代用できない可能性があったりするため、事前に管轄の警察署に問い合わせましょう。 2.警察署で申請する 必要書類を記入したら、使用の本拠地を管轄する警察署の交通課で、車庫証明の申請手続きを行います。車庫証明の手続きは、平日9時〜16時までしか受け付けていないため、都合が悪い場合は、代理人や自動車販売店、行政書士に代行の依頼を検討してみてください。 車庫証明の取得代行について 賃貸の車庫証明の取得は、本人ではなく代理人への依頼が可能です。家族や知人、もしくはディーラーや自動車販売店、行政書士などの専門家に代行を頼むこともできます。車庫証明の取得の経験が豊富な業界のプロであれば、スムーズに車庫証明を取得できるでしょう。 ただし、専門家への依頼には数万円程度の代行費用が発生します。それぞれ料金設定が異なるため、少しでも費用を抑えたい場合は、低価格で代行してくれる業者を探してみてください。 また、賃貸の車庫証明を取得する際に必要な「保管場所使用承諾書」に、管理会社や大家から署名をもらってくれる業者もいます。 ▼関連記事はこちら車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介 3.警察署で車庫証明を受け取る 申請から3〜4日程度で車庫証明は発行されます。指定された日に再度警察署へ出向いて、車庫証明を受け取りましょう。 賃貸の車庫証明を取得する際の注意点 続いて、賃貸の車庫証明を取得する際の注意点を紹介します。 車検証の住所変更も行う必要がある 引っ越しにより住所が変わった場合は、使用の本拠地を管轄する運輸支局で、車検証の住所変更も行う必要があります。車検証の住所変更を行わないと、リコールの通知や自動車税の納付書が届かないため、必ず手続きしなければなりません。車庫証明の期限は、交付されてから1ヶ月程度なため、すみやかに住所変更手続きをしましょう。 なお、自賠責保険や自動車保険の住所変更も必要です。加害者になった場合、住所変更してから保険金が支払われるため、被害者に迷惑をかけてしまいます。保険金が補償されないケースもあるため、加入している保険会社に問い合わせて、住所変更手続きをしましょう。 クルマの乗り換え時は警察署に申請する 乗り換えるクルマと古いクルマの保管場所が一時的に重複する場合は、警察署に申請する必要があります。1つの保管場所に対して、1台分しか車庫証明を取得できないためです。 タイミングによっては一時的に保管場所が重複するケースもあります。そのため、事前に警察署で申請しておきましょう。警察署に許可をもらわなかった場合は、保管場所の重複を理由に手続きが不受理になるケースがあるため注意してください。 また、警察署によっては「代替車輌引取・引き渡し顛末書」の提出を求められるケースもあります。警察署の指示に従い、必要事項を書類に記入して提出しましょう。 ▼関連記事はこちらクルマを乗り換えたら車庫証明の手続きが必要!取得するタイミングや方法も紹介 まとめ 賃貸でも車庫証明を申請する必要があります。賃貸の場合は「保管場所使用承諾書」が必要であり、管理会社や大家に署名と捺印をしてもらわなければなりません。車庫証明を申請する旨を伝えて、管理会社や大家に書類を記入してもらいましょう。 また、住所に変更があってから15日以内に車庫証明を取得しなければならないほか、1ヶ月以内に車検証の住所変更も行う必要があります。 車庫証明の申請や車検証の住所変更は平日9〜16時までしか受付していないため、仕事で都合がつかない場合は、代理人やディーラー、販売店に代行を依頼しましょう。
転居にともない、いつまでに免許証の住所変更をすればよいか知りたい方は多いでしょう。また、手続き場所や必要書類などの情報も、スムーズに住所変更するために把握しておくと安心です。 今回は、免許証の住所変更の期限にあわせて、手続きしない場合どうなるのかについて解説します。手続き場所と必要書類、所要時間も説明するため、免許の住所変更が必要な方は参考にしてください。 免許証の住所変更に期限はない 免許証の住所変更には期限が設けられていません。車検証のように「住所が変わってから15日以内」という明確な決まりもありませんが、免許証の住所変更をしていないことが発覚すると違反とみなされ、罰金が科せられる可能性があります。 道路交通法「第94条(免許証の記載事項等の変更届出など)」では「免許の記載事項に変更があった場合は速やかに届け出る」とあるため、「速やか=直ちに、時間をおかずすぐ」と解釈しましょう。 免許証の住所変更をしないとどうなる? 免許証の住所変更に期限はないものの、手続きしないままだと法律違反とみなされたり、免許証更新のお知らせが届かなくなったりします。ここでは、免許証の住所変更をしないとどうなるかについて詳しく解説します。 罰金を科せられる 免許の住所変更をしないと罰金を科せられます。道路交通法「121条」に 次の各号のいずれか(※)に該当する者は、二万円以下の罰則又は科料に処する と記載されているとおり、罰金刑となる可能性があるため、確実に手続きしましょう。 ※道路交通法「121条10項」に「第94条(免許証の記載事項の変更届出等)1項」の記載あり 免許証更新のお知らせが届かなくなる 免許証の住所変更をしないと、免許証更新のお知らせが届かなくなる可能性があります。更新時期になると「免許更新のお知らせ」が免許証に記載されている住所宛に発送されるためです。 郵便局に転居届を提出していても、郵便物転送サービスの効力は1年しかありません。免許更新のお知らせが受け取れず、更新手続きを失念する可能性があるため注意しましょう。 本人確認書類として使用できない場合がある 住所変更をしていないと、免許証を本人確認書類として使用できない場合があります。役所での手続きやローンの契約などでは、現住所記載の本人確認書類が必要です。さまざまな手続きをスムーズに進めるためにも、すみやかに免許証の住所変更を行いましょう。 免許証を住所変更する場所 免許証の住所変更は、新住所の管轄である警察署や運転免許センターで手続きします。ICチップの内容変更ができる警察署や駐在所でも可能です。 ただし、ICチップの内容変更ができない警察署や駐在所の場合、後日に対応が可能な警察署や運転免許センターに出向く必要があるため事前に確認しましょう。 下記は、一部の都道府県の手続き可能場所です。 <東京都> 場所 受付時間 警察署 平日 8:30~16:30 運転免許更新センター 平日 8:30~16:30 運転免許試験場 平日 8:30~16:30日曜日 8:30~12:00/13:00~16:30 参考:記載事項変更(住所、氏名、本籍(国籍等)の変更の方) 警視庁 <神奈川県> 場所 受付時間 警察署(横浜水上警察署を除く) 平日 9:00~12:00/13:00~16:00 運転免許センター 平日 8:30~11:00/13:00~16:00 参考:運転免許証の記載事項変更手続について/神奈川県警察 <愛知県> 場所 受付時間 44警察署(中部空港警察署を除く)及び5幹部交番 平日 8:45~17:00 東三河運転免許センター 平日 8:45~17:30日曜日 8:30~12:00/12:45~17:15 運転免許試験場 平日 8:45~17:30日曜日 8:30~12:00/12:45~17:15 参考:記載事項の変更手続き - 愛知県警察 <大阪府> 場所 受付時間 警察署 平日 9:00~17:00 門真運転免許試験場 平日 8:45~12:00/12:45~17:00日曜日 8:45~16:00 光明池運転免許試験場 平日 8:45~12:00/12:45~17:00 参考:記載事項変更/大阪府警本部 ※いずれも年末年始はのぞく 免許証の住所変更の必要書類 免許証の住所変更の必要書類は下記のとおりです。 書類 備考 免許証(原本) 新住所と本人確認ができるもの ※新住所住民票(マイナンバー未記載)・マインナンバーカード(住所変更済み)・年金手帳・健康保険証や新住所記載の公共料金領収書・消印付郵便物など 印鑑 認印・スタンプ印は不可 都道府県をまたぐ転居の場合は、地域によって申請用の写真(申請日の6ヶ月以内に撮影した運転免許証用サイズ 縦3.0cm×横2.4cm)が必要となる場合があるため事前に確認しましょう。また、外国人の方は外国人登録証が別途必要です。 本籍地・氏名を変更する場合 免許証の住所変更手続きと同時に本籍・氏名を変更する場合は、それぞれの変更が確認できる住民票があれば可能(本籍変更についてはマイナンバーカードでも可能)です。いずれの変更手続きについても手数料は必要ありません。 代理人が手続きする場合 同一世帯の方であれば、代理で免許証の住所を変更できます。代理人が手続きする場合は、前述の書類に加えて下記が必要です。 ・代理人の氏名が併記された新住所住民票(マイナンバー未記載)・代理人の本人確認書類 地域によっては委任状も用意しなければならないため、事前に確認すると安心です。 免許証の住所変更手続きにかかる時間 免許の住所変更手続きにかかる時間は、待ち時間を除けば10分程度です。ただし、転居シーズンは警察署も混み合い、運転免許更新センターや運転免許試験場は混雑によって1〜2時間かかるケースもあるため注意しましょう。 まとめ 免許証の住所変更はいつまでに行えばよいかを解説しました。 免許証の住所変更には明確な期限はないものの、手続きをしないと罰金が科されたり免許証の更新通知が届かなかったりします。そのため、なるべくはやく住所変更を行いましょう。 手続きは、警察署や運転免許センター、運転免許試験場で行います。都道府県によって受付時間が異なるため、事前に確認しておくと安心です。また、同一世帯であれば代理人による住所変更も可能なため、自分での手続きが難しい場合には検討してみてください。
中古車を購入または譲渡された場合、名義変更手続きが必須です。しかし、名義変更の必要書類や手続きの流れを把握していない方もいるでしょう。 そこで本記事では、中古車の名義変更の必要性や手続きのタイミングを解説します。必要書類や手続きの流れも解説するので、ぜひ参考にしてください。 中古車を購入したら名義変更が必要 中古車を購入または譲渡された場合、名義変更の手続きをする必要があります。名義変更しないと、4月1日時点の所有者に対して発生する自動車税(種別割)の納付書が、前所有者に届いてしまうためです。交通違反を起こしたときにも、前所有者が賠償責任を負うことになってしまいます。 また、自賠責保険の名義変更手続きも行わないと、事故にあった際に補償が下りない可能性があります。前所有者とのトラブルを避けたり、しっかりとした補償を受けたりするためにも、速やかに名義変更の手続きを行いましょう。 中古車の名義変更のタイミング 中古車の名義変更のタイミングは、道路運送車両法で「クルマを購入または譲渡された日から15日以内」と定められています。しかし3月中旬〜後半に中古車を所有した場合、4月1日以前に手続きを行わないと、前所有者に自動車税(種別割)の納付書が届いてしまうので注意が必要です。 万が一15日を過ぎてしまった場合、50万円以下の罰金が科せられます。前所有者に迷惑がかかる可能性があるため、定められている期間を基準にせず速やかに手続きしてください。自分で名義変更を行う場合は、手続きのタイミングに注意しましょう。 参考:道路運送車両法「第13条」「第109条2項」 中古車の名義変更の必要書類 中古車の名義変更の必要書類は複数あります。中古車の名義変更を予定している場合は、必要書類を事前に把握し、手続きをスムーズに行えるようにしましょう。続いて、中古車の名義変更の必要書類を解説します。 実印・印鑑証明書 中古車の名義変更には実印と印鑑証明書が必要です。実印を登録しておらず印鑑証明書を入手できない場合は、市区町村で事前に手続きを行いましょう。なお、名義変更の手続きに必要な実印は、市区町村で登録した印鑑であることが条件です。 譲渡証明書 中古車の名義変更には譲渡証明書が必要です。譲渡証明書とは、前所有者からクルマを譲渡されたことを証明する書類です。自分で手続きをする場合は、国土交通省のHP(こちら)から譲渡証明書をダウンロードし、前所有者にも必要事項を記入してもらいましょう。記入例も国土交通省のHPに載っているので、参考にしてください。 ▼関連記事はこちら自動車譲渡証明書とは?記入の仕方や作成時の注意点についても解説 委任状 中古車の名義変更には委任状が必要です。委任状は、前所有者から手続きを委任された旨を証明する書類であるため、自分で手続きする場合でも用意しておかなければなりません。譲渡証明書と同様に、国土交通省のHP(こちら)から委任状をダウンロードできます。記入例も国土交通省のHPに記載があるので、参考にしてください。 車検証 中古車の名義変更には、購入または譲渡されたクルマの車検証が必要です。車検証はコピーではなく原本で手続きします。また一時的にクルマの登録が抹消されている場合は「登録識別情報等通知書」が必要です。 車庫証明 中古車の名義変更には、車庫証明が必要です。(普通車のみ)車庫証明とは、クルマを保管する場所を証明する書類であり、管轄の警察署で取得できます。マンションやアパートに住んでいる場合は「保管場所使用承諾書」を警察署に提出する必要があるため、管理会社に発行してもらいましょう。 ▼関連記事はこちら車庫証明の発行にかかる期間は?有効期限や申請方法なども紹介車庫証明の取得にかかる費用は?支払い方法や取得の流れも紹介車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介軽自動車は車庫証明がいらないのは本当?必要なケースも紹介 実車(管轄地域が変わる場合のみ) 前所有者と管轄地域が異なる場合は、ナンバー変更手続きをする必要があるため、陸運局にクルマそのものを持ち込まなければなりません。 【管轄地域が変わる例】前所有者 渋谷区在住 品川ナンバー(東京陸運局)所有者 台東区在住 足立ナンバー(足立自動車検査登録事務所) 旧ナンバープレートを外した後に新しいナンバープレートに取り付ける際、陸運局側で盗難防止用の「封印」をしてもらうため実車が必要となります。なお、旧ナンバープレートは自分で取り外して窓口に返却するため、プラスとマイナスドライバーを用意しておくとよいでしょう。希望ナンバーに変更する場合は、事前に申請をしておく必要があるので、注意してください。 ▼関連記事はこちらクルマのナンバーの変更費用は?変更方法別の目安も紹介 中古車の名義変更にかかる費用 名義変更は6,000円程度で手続きできます。発生する費用の内訳は下記のとおりです。 車庫証明書代 2,500〜3,000円(地域によって異なる) 印鑑証明書代 300円程度 移転登録代 500円程度 申請用紙代 100円程度 ナンバープレート代(変更する場合のみ必要) 1,500〜2,000円 ※希望ナンバーは5,000円程度 クルマの時価によっては、自動車取得税が発生するケースもあるため、事前に陸運局に金額を問い合わせると安心です 中古車の名義変更の流れ 中古車の名義変更の流れを理解しておけば、スムーズに手続きできるため、把握しておきましょう。ここでは、中古車の名義変更の流れを解説します。 1.必要書類を準備 まずは、前述した必要書類を用意します。平日しか窓口があいていない機関で取得する書類があるため、予定を調整しておきましょう。 たとえば、車庫証明書は警察署で取得しますが、平日の9:00~16:30までしか手続きできません。印鑑証明書も市区町村の役所で発行する必要があり、原則は平日のみの受付です。自治体によって受付時間が異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。 2.管轄の陸運局へ行く 必要書類を準備できたら、管轄地域の陸運局で手続きを行います。陸運局の受付可能時間は平日の8:45〜16:00であるため、必要書類の発行時と同様に、名義変更の期日を過ぎないようにスケジュールを調整しましょう。 3.申請書・手数料納付書に記入 陸運局に着いたら、申請書と手数料納付書に必要事項を記入します。手数料納付書とは、手続きに必要な手数料を支払うための書類です。記入後に手数料相当額の印紙を購入して貼り付けます。 4.窓口で申請書・手数料納付書と必要書類を提出 申請書と手数料納付書の記入が終わったら、必要書類とともに窓口に提出します。 5.新しい車検証を受け取る 手続き後に窓口から呼ばれたら新しい車検証を受け取りましょう。このとき、申請書に記入する、申請人もしくは申請代理人の名前で呼ばれるため、正しく名前を記入していないと、自分の順番がきたことに気が付けない可能性があります。 誤った情報を書いていないか、書き忘れている項目がないかを確かめてから提出すると安心です。読みにくい名前にはしっかりとフリガナをふるとよいでしょう。 6.自動車税(環境性能割・種別割)を申告する 車検証を受け取ったら、陸運局に隣接する自動車税申告窓口にて自動車税(環境性能割・種別割)申告書に必要事項を記入し、税金を納めます。 ▼関連記事はこちら自動車取得税が廃止!自動車取得税の内容や新たに導入された環境性能割についても解説クルマの税金にはエンジンの排気量で決まるものがある!自動車税(種別割)について解説【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介 7.ナンバープレートの変更手続き(管轄地域が変わる場合のみ) 管轄地域が変わる場合はナンバープレートの変更手続きを行います。旧ナンバープレートを外して窓口に提出し、新しいナンバープレートを取り付けましょう。盗難防止用の「封印」は陸運局側で行います。 軽自動車を名義変更する場合 軽自動車の名義変更をする場合、ここまで紹介したものと異なる書類を用意する必要があります。手続き場所も違うため、事前に確認しておきましょう。 手続き場所 軽自動車の名義変更は「軽自動車検査協会」で行います。全国各地に拠点があり、軽自動車検査協会のHPにて管轄地域の事務所を検索できます。受付時間は、平日の8:45〜16:00のみです。 必要書類 軽自動車の名義変更に必要な書類は下記のとおりです。 ・車検証・印鑑証明書もしくは住民票の写し・ナンバープレート(管轄地域が変わる場合のみ) 普通車と異なり、車庫証明書や譲渡証明書は必要ありません。委任状も不要ですが、新所有者以外が手続きする場合は「申請依頼書」を用意します。これから軽自動車を購入するのであれば新所有者は自分にあたるため、代理人や販売店に名義変更を委任する際に準備しましょう。軽自動車検査協会の窓口で入手できるほか、HP(こちら)からダウンロードできます。 また、管轄地域が変わる場合はナンバープレートの変更手続きが必要ですが、普通車と違って「封印」しないため、実車の持ち込みは不要です。事前にナンバープレートを取り外して持参しましょう。 名義変更手続きは代行依頼が可能 中古車の名義変更手続きは煩雑なため、プロに依頼したいという方もいるでしょう。中古車の購入時には、販売店に名義変更を依頼することが可能です。 スムーズに手続きを進められますが、一方で代行費用がかかるという注意点もあります。名義変更の代行を依頼する前に、メリットとデメリットを把握しておきましょう。 代行のメリット 中古車の名義変更の手続きを行う陸運局の窓口は平日しかあいていません。なかなか時間を確保できない場合は、販売店に依頼するとよいでしょう。また、手続きに慣れているプロが代行してくれるため、滞りなく名義変更できる点も大きなメリットです。 代行のデメリット 販売店に名義変更を依頼すると、代行費用がかかります。中古車販売店に依頼する際の相場は、1万〜2万円程度です。ただし、クルマの購入に伴う名義変更であれば、割引されるケースもあるため、相談してみるとよいでしょう。 また、販売店が代行できるのは名義変更手続きのみです。必要書類は自分で揃えなければならないことに注意しましょう。 まとめ 中古車の名義変更の手続き内容について解説しました。 名義変更するには、書類を用意したり指定の機関に出向いたりする必要があるため、自分で行う場合には時間に余裕をもって予定を組みましょう。万が一譲渡された日から15日以上経過すると罰金が科されます。 どうしても時間を確保するのが難しい場合には、販売店に代行依頼するのも選択肢の1つです。別途費用がかかるため、ご自身の都合にあわせて検討してみてください。
車庫証明シールは、表示が義務付けられているため、必ずクルマに貼り付けなければなりません。しかし、住所変更や経年劣化などで、剥がす必要が生じることがあります。 この記事では、車庫証明シールを貼らなかった場合の罰則や綺麗に剥がす方法などを紹介します。 車庫証明シール(保管場所標章)とは 車庫証明シールは、保管場所が確保されている車輌であることを証明するシールです。正式には「保管場所標章」といい、車庫証明と同時に警察署で交付されます。シールに記載されている内容は、以下のとおりです。 ・標章番号(9桁)・保管場所の位置(都道府県と市町村区)・手続きした警察署 また、クルマの保管場所の確保等に関する法律により、「クルマを所有する場合は、使用の本拠地から2km以内の保管場所を確保すること」が義務付けられています。確保したことを証明するには、警察署で車庫証明の手続きを行い、シールを車輌に貼り付ける必要があります。 出典:自動車の保管場所の確保等に関する法律「保管場所の確保 第三条」・警視庁公式Webサイト「保管場所の要件」 なお、車庫証明の手続きはクルマを購入したときのほかに、保管場所に変更があった際も必要なため、忘れずに申請しましょう。 車庫証明シール(保管場所標章)を貼らないのは法律違反 車庫証明シールの表示は「自動車の保管場所の確保等に関す法律第六条の2」で義務付けられているため、貼らないと法律違反です。続いて、車庫証明シールを貼らなかった場合の罰則や罰金を紹介します。 罰則・罰金 車庫証明シールを車輌に貼らなくても、罰則や罰金は科せられません。しかし、表示義務を怠ると交通違反時や検問時に警察から指導を受ける可能性があります。 車庫証明を取得しなかった場合は車庫法に違反するため10万円の罰金が科せられます。ただし、普通乗用車の場合は車庫証明を取得しなければ陸運局で登録ができないため、罰せられるケースは基本的にないと考えてよいでしょう。軽自動車は車検証取得後に車庫証明を提出するため、注意が必要です。 貼る位置 車庫証明シールは後方から見やすいよう、車輌のリヤガラスに貼り付ける必要があります。リヤガラスの真ん中や上側は、運転する際に後方の視界を妨げてしまうため、左下に貼るとよいでしょう。 また、車庫証明シールはガラスの内側と外側の両方に貼り付けることが可能です。リヤガラスの結露を解消する熱線がある車輌の場合は、線が損傷したり剥がれたりするケースもあるため、なるべく外側に貼り付けましょう。 なお、以下の場合はリヤガラスではなく、車輌の左側面に車庫証明シールを貼り付けます。 ・リヤガラスがない場合 ※トラックやオープンカーなど・保管場所標章に表示された事項を後方から見ることが困難な場合・リヤガラスに貼り付けることが適当と認められない場合 出典:自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則 「保管場所標章の表示の方法 第七条」 車検ステッカー(検査標章)も剥がしてはいけない 車検ステッカーは、フロントガラスへの貼り付けが法律で義務付けられているため、剥がしてはいけません。 車検ステッカーを剥がしたり貼り忘れたりすると、道路運送車輌法の第109条に違反するため、50万円以下の罰金が科される点に注意しましょう。なお、円形の「点検ステッカー」と「燃費や排ガス基準達成シール」は、貼り付ける義務がないため、剥がしても公道を走行できます。 参考:道路運送車両法「第五章 道路運送車両の検査等(自動車検査証の備付け等)第六十六条」・道路運送車両法「罰則 第百九条」 車庫証明シール(保管場所標章)は廃止される! 2024年5月17日に開かれた参議院本会議において、「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」の改正案が可決・成立し、車庫証明シールの廃止が決定しました。 改正案は公布から6ヶ月〜1年以内の時期に施行されることが多い傾向にあり、車庫証明シールの貼り付け義務も2025年5月までに廃止されます。 これから購入する新車や中古車はもちろん、すでに乗っているクルマでも、車庫証明シールは不要になります。 車庫証明シール(保管場所標章)が廃止になる理由 車庫証明シールが廃止になる主な理由は、警察のチェックシステムの改善によりナンバープレートから保管場所の情報を照会できるようになったためです。 違法駐車や無断駐車などの通報があった場合、従来は車庫証明シールから所有者情報の照会を行う必要がありました。しかし、現在はクルマのナンバープレートの情報から保管場所を確認できるシステムが導入されたため、 車庫証明シールが不要となりました。 また、駐車監視員の導入で違法駐車自体の件数が減少したことも、車庫証明シールが廃止になった理由の1つといえるでしょう。 車庫証明シール(保管場所標章)はどんなときに剥がす? 貼り付けが義務付けられている車庫証明シールですが、剥がす場面は主に3つです。 転居で住所変更を行ったとき 転居にともなってクルマの保管場所が変わった場合には、新たに車庫証明シールが発行されます。そのため、元の車庫証明シールを剥がして貼り替えなければなりません。 車庫証明シールの貼り付けに失敗したとき 車庫証明シールを自分で貼り付ける際、向きや場所を誤ってしまった場合には、一度剥がして貼り替える必要があります。警察署で再発行手続きをしたうえで貼り直しましょう。 長年貼り付けたままでボロボロになったとき 車庫証明シールもいわゆる一般的なステッカーであるため、長期間そのままにしておくと劣化してしまいます。文字が読めないほどボロボロだと適切に情報を表示しているとはいえないため、車庫証明シールを再発行したうえで剥がし、貼り直さなければなりません。 車庫証明シール(保管場所標章)の再発行方法 車庫証明シールは、使用の本拠地を管轄する警察署で再発行できます。手続きには警察署で入手できる「保管場所標章再交付申請書」の提出と、500円程度の手数料が必要です。保管場所標章再交付申請書には、車の情報を記載する必要があるため、車検証を参考に記入します。車輌にシールを貼り付けていない場合は、警察に指導される可能性もあるため、紛失した場合はすみやかに再発行を依頼しましょう。 また、手続き時は車庫証明の交付時に渡された「保管場所標章番号通知書」が必要なケースもあります。保管場所標章番号通知書は、車検証入れに保管されているケースが多いため、あるかどうか確認してみましょう。 車庫証明シール(保管場所標章)をきれいに剥がす方法 車庫証明シールには、強力な糊が使用されているため、剥がすのは容易ではありません。ここでは、車庫証明シールを剥がすのに必要な道具と綺麗に剥がすための方法を解説します。 必要な道具 車庫証明シールを綺麗に剥がすためには、以下の道具が必要です。 ・スクレーパー スクレーパーは、薄いヘラ状の刃にプラスチックや木製の柄がついた道具のことで、ECサイトやホームセンターで購入できます。 スクレーパーには鋭い刃が用いられているため、ガラスを傷めてしまうのではないかと不安になる方もいるでしょう。しかし、ガラスの表面は非常に固く、水を使いながら剥がせば、傷がつきにくくなります。ただし、塗装されている箇所はガラスよりも柔らかく、簡単に傷がついてしまうため、気をつけましょう。 ・パーツクリーナー 車庫証明シールの糊を溶かすために使います。こちらもECサイトやホームセンターで購入可能です。 ・水 傷の防止と車庫証明シールを剥がしやすくするために使います。水を使わずに剥がしてしまうと、頑丈なガラスであってもスクレイパーの刃で傷がついてしまうため、必ず用意しましょう。 ペットボトルに水を入れて作業をすれば、適度に水分を含ませながら剥がせます。 ・ウエス ウエスはパーツクリーナーを糊に染み込ませるときに使います。ウエスがない場合は、不要なタオルでも問題ありません。 手順 (1)傷を防止するためシール全体に水をかけます。 (2)スクレーパーで全体を剥がします。スクレーパーがガラス面以外の部分に当たらないように注意しながら、シールの端から少しずつ丁寧に作業を進めましょう。 (3)シールを剥がした後は糊がこびり付くケースが多いため、パーツクリーナーとウエスを使ってきれいに拭き取りましょう。 状態によっては剝がれづらいこともありますが、道具をしっかりと活用すれば、綺麗にシールを剥がせます。 まとめ 車庫証明シールは、保管場所を確保した車輌であることを証明するシールです。罰則はないものの、車輌のリヤガラスへの貼り付けが義務付けられています。 車庫証明シールの廃止に伴って、2025年6月以降の貼り付けの義務はなくなりますが、それまでは今まで通り貼っておかなければなりません。廃止された後に車庫証明シールを剥がす際は、スクレーパーやパーツクリーナーを活用することで、たとえ貼ってから時間が経っていても綺麗に剝がせます。 なお、車庫証明の制度自体は継続されますので、引っ越しなどでクルマの保管場所が変わった場合は、速やかに最寄りの警察署で車庫証明書を発行しましょう。
車庫証明は、車を登録する際や住所が変わった場合に必要な書類です。取得する際に費用がどの程度かかるのか気になる方もいるでしょう。車庫証明の取得費用は管轄の警察署によって異なるほか、専門業者に代行を依頼する場合は代行費用もかかります。 この記事では、車庫証明の取得にかかる費用や支払い方法、手続きの流れなどについて解説します。 車庫証明の取得費用の内訳 車庫証明の取得費用には、申請時に支払う「申請手数料」と、後日受け取る際に必要な「標章交付手数料」があります。手続きを専門業者に依頼する場合は、代行手数料も発生するため、費用を考慮したうえで、自分で手続きするか代行してもらうか検討しなければなりません。まずは、車庫証明の取得費用の内訳を紹介します。 申請手数料 申請手数料は、車庫証明を警察署で申請する際に必要な費用です。費用目安は2,000〜2,400円で、申請する都道府県によって金額が異なります。 主要都市ごとの金額は、下記のとおりです。 主要都市 金額 北海道 愛知県 大阪府 福岡県 2,200円 東京都 2,100円 軽自動車の場合は、申請手数料が不要なため購入する必要はありません。 標章交付手数料 標章交付手数料は車庫証明を交付するために必要な費用で、金額は500円程度です。交付される際に必要な手数料ではあるものの、申請手数料と同じタイミングで購入されるケースがほとんどです。窓口で「車庫1台分の印紙をください」と伝えると、まとめて購入できます。 代行費用 車庫証明の取得をディーラーや販売店、行政書士に依頼した場合は、申請手数料や標章交付手数料に加えて5,000〜2万円程度の代行費用が発生します。警察署の車庫証明手続きは、平日9時〜16時頃までしか受け付けていないため、仕事の都合により出向けないケースもあるでしょう。 ディーラーや販売店は車、行政書士は法律のプロであり、スムーズかつ確実に車庫証明を取得してくれます。受付時間内に手続きできない場合は、各業者に代行を依頼してみてください。なお、代行費用は各業者によって料金設定が異なるため、費用を抑えたい場合は低価格で代行してくれる業者を探してみましょう。 その他費用 駐車場を契約する際は、管理会社や地主に「保管場所使用承諾書」を記入してもらう必要があります。車庫証明の申請時に必要な書類のため、忘れずに依頼しましょう。多くの場合、3,000〜2万5,000円程度の費用がかかります。 車庫証明の費用の支払い方法 車庫証明の費用は、収入印紙を現金で購入して申請書に貼り付けて支払います。収入印紙のほかに、以下のキャッシュレス決済でも各手数料を支払うことが可能です。 クレジットカード ※1回払のみ 電子マネー QRコード決済 VisaMasterCardJCB アメリカンエキスプレス ダイナースクラブカード DISCOVER 銀聯 交通系(SuicaやPASMOなど)iD楽天EdynanacoWAONQUICPay PayPay d払い 楽天ペイ メルペイ auPAY ゆうちょPay ※自治体で異なる また、地域によっては収入印紙での支払いを廃止し、キャッシュレス決済のみに移行している警察署もあります。手続きする警察署に問い合わせておくと、スムーズに支払えるでしょう。 車庫証明の取得の流れ 車庫証明を取得するまでの流れを把握しておくことで、スムーズに手続きできるようになります。続いて、車庫証明の取得の流れを紹介します。 1.車庫を確保する まずは、車の保管場所である車庫を確保します。以下の要件をクリアした車庫が必要なため、事前にチェックしておきましょう。 1.駐車場、車庫、空き地等道路以外の場所であること。2.使用の本拠の位置から2キロメートルを超えないこと。3.自動車が通行できる道路から、支障なく出入させ、かつ、自動車の全体を収容できること。4.保管場所として使用できる権原を有していること。 出典:警視庁公式Webサイト「保管場所(車庫)の要件」 使用の本拠地から駐車場まで、2km以内の車庫を確保する必要があります。車庫に車輌の全体を収容する必要があるため、愛車の大きさも考慮しなければなりません。 駐車場であれば、どこでもよいわけではないため、要件を必ずチェックしておきましょう。なお、使用の本拠地はほとんどの場合、申請者の自宅が該当します。 2.必要書類を揃える 車庫を確保したら、使用の本拠地を管轄する警察署の交通課で必要書類を揃えます。車庫証明手続きに必要な書類は以下のとおりです。 ・自動車保管場所証明申請書・保管場所標章交付申請書・保管場所の所在地・配置図・使用の本拠の位置が確認できるもの ※使用の本拠地と申請者の住所が異なる場合・保管場所使用権原疎明書面 ※自分の所有地を車庫にする場合・保管場所使用承諾書 ※他人の所有地を車庫にする場合 必要書類は警視庁公式WebサイトでもPDFファイルをダウンロードできます。警察署に出向く時間がない場合は、活用してみてください。 また、自宅のガレージや庭など、自分の所有地を車庫にする場合は「保管場所使用権原疎明書面」が必要です。賃貸の敷地内の駐車スペースや、月極駐車場を契約する場合は「保管場所使用承諾書」を管理会社に署名と捺印をしてもらい、警察署に提出します。管理会社に車庫証明の手続きをしたい旨を伝えて、署名や捺印をしてもらいましょう。 なお、使用の本拠地の位置を確認できるものは、申請者の公共料金の領収書や運転免許証などです。使用の本拠地と申請者の住所が異なる場合に限り必要なため、まずは車検証をチェックしてみてください。 3.警察署の交通課で申請する 必要書類を揃えたら、使用の本拠地を管轄する警察署へ出向きます。到着したら警察署に隣接している「交通安全課」で、申請手数料と標章手数料分の収入印紙を購入しましょう。 基本的に申請手数料分は「自動車保管場所証明申請書」、標章手数料分は「保管場所標章交付申請書」の「紙ちょう付欄」に貼り付けます。収入印紙を申請書類に貼り付けたら、警察署内の「交通課」の窓口に必要書類を提出しましょう。 ただし、都道府県によって印紙の貼り付け欄が異なるケースがあり、間違えた場合は再度購入しなければならない可能性もあります。不安な場合は、必要書類を提出する窓口に印紙を貼り付けてもらうとよいでしょう。 4.車庫証明を取得する 必要書類に不備がなければ、標章手数料分の印紙が貼られた保管場所標章交付申請書を控として渡されます。保管場所標章交付申請書には、車庫証明が交付される日付と時間が記載されています。車庫証明は申請日から3〜7日程度で交付されるため、記載されている日付と時間以降に、警察署へ受け取りに行きましょう。また、保管場所標章交付申請書の控えは車庫証明を受け取る際に必要なため、紛失しないよう気をつけてください。 なお、交付された標章シールは、車庫証明が交付されている車輌であることを証明する書類です。リアガラスの左下に貼ることが義務付けられているため、忘れないようにしましょう。 まとめ 車庫証明の取得費用は2,000〜2,400円と、手続きする地域によって金額が異なります。ディーラーや販売店に手続きの代行を依頼する場合は5,000〜2万円程度の代行費用も発生します。 ただし、車庫証明の手続きは平日9〜16時までしか受け付けていないため、都合がつかない場合は、ディーラーや販売店に代行を依頼した方がスムーズに取得できるでしょう。また、ディーラーや販売店は車の手続きのプロのため、車庫の要件をクリアしているかどうかや書類の作成も任せることが可能です。車庫証明の取得に関して、不安がある場合はディーラーや販売店に相談してみてください。