旧車売買の豆知識

車の買取・査定の方法はどれがいい?おすすめの方法を紹介
旧車売買の豆知識 2022.02.10

車の買取・査定の方法はどれがいい?おすすめの方法を紹介

「車を手放したい」と考えた時に「手放す方法」について悩むことは多いでしょう。 ただ手放すだけでも、次に新しい車に乗り換える場合でも、買取価格は高いほうが良いですし、面倒な作業はしたくないものです。 車自体が大きな買い物ですから、手放す時も悩んで当然。今回は、「車の買取・査定」を中心に、おすすめの方法を紹介していきます。 中古車買取にはどんなやり方があるのか? 車の買取には大きく分けて4つの方法があります。 それぞれにメリット・デメリットがあるため、「自分に合っている方法」「売りたい車に合っている方法」を選ぶことが大切です。 詳しく紹介していきます。 ディーラー下取り 車を買い替える場合に選ぶことが多いのが「ディーラー下取り」です。 ディーラーでは買取だけを行うことはなく、次に新しい車を買う場合に、今乗っている車を下取りに出す形になります。 また、新しい車の購入と今乗っている車の買取が同時にできるため、手間も少なく済むでしょう。 10年落ち以内の新しい車に向いている ディーラー下取りを利用する場合のポイントは「10年落ち以内」です。 比較的新しい車であれば、ディーラーも自社の系列で販売することが可能なため、値段がつきやすくなるでしょう。 高額買取の秘訣は、同じメーカーのディーラーで売ること 売りたい車のメーカーと違うディーラーでも下取りは可能ですが、買取価格には少なからず影響が出るでしょう。 ほとんどのディーラーは自社の中古車販売の店舗を持っているため、自社の車であれば、そのまま系列店舗で販売が可能です。 自社系列で販売するため、余分な経費がかからないため、その分を下取り価格に上乗せすることができます。 しかし、他社メーカーの車であれば、オークションなどへ売りに出すことになるため、必要経費がかかる分、下取り金額も抑えるしかありません。 次に乗りたい車が別のメーカーであれば仕方ありませんが、下取りは「同じメーカーのディーラー」にすることが、下取り価格を高くする秘訣です。 大手買取店 大手の買取店は中古車の買取を専門に行っており、自社で中古車の販売もしていることがほとんどです。 ディーラー下取りとは違い、「車の買取のみ」に対応しているため、「新しい車を買う予定はないけど、車を手放したい」という場合に有効な買取方法になります。 大手買取店も、比較的新しい車に強い 大手買取店も自社で中古車の販売やオートオークションへの出品を行うため、売りやすい車に良い値段をつけます。 中古車市場でも人気のある車であれば買い取っても、すぐに売れる可能性が高いため、古い車よりも、万人受けする新しい車のほうが査定額は高くなる傾向と言えるでしょう。 ディーラーよりも高く売れる傾向にある 一般的にディーラーの下取りよりも、買取店のほうが高く売れる傾向にあります。 大手の買取専門店は中古車市場に精通している分、販売ルートが多く査定項目も細かくなっています。 車種によっては純正オプションの金額も上乗せになることから、ディーラーよりも高い査定額になることがあります。 車の知識というより営業力で買うため、無理な営業も多い 大手買取店は自社で車種ごとの平均価格を設けています。 平均価格から車の状態次第で査定額を決めていくことがほとんどでしょう。 そのため、車の知識を持って買取金額を決めていることは少なく、その車の上限額以内で買取をすることになります。 買取店もできるだけ低い金額で買い取ったほうが利益は大きくなるため、営業力で買取を行うと思っておいたほうが良いでしょう。 一括査定 最近ではインターネットでよく見かけるようになったのが「一括査定」です。 今までのように、何社も買取店を回る必要がなくなった便利なサービスです。 様々な買取店に一括で査定申し込みができる 売りたい車の情報を記載するだけで、数十社以上に同時査定を申し込むことができるため、とても便利なサービスと言えます。 特に車を査定に持って行くような時間がない場合には簡単に自分の車の相場を知ることができるでしょう。 しつこい営業電話が鳴り止まない 一括査定で多くの人が困っているのが「営業電話」です。 一括査定に申し込んでいる以上、買取をしたい買取店から営業電話がかかってくることは当然ですが、査定を申し込んでから、しばらくは電話が鳴り続けるという覚悟は必要でしょう。 ネットオークション 今では誰でもインターネットが使える時代になったため、車をネットオークションで売る人もいます。 面倒な作業もあるため、人によって向き不向きがある方法になります。 中間マージンがないため、高い値段で売れる ディーラーや買取店であれば、当然、自社の利益や経費が必要になるため、買取価格には限界があります。 しかし、ネットオークションであれば全て自分で行うため、第三者に中間マージンを取られる必要がありません。 ただし、その分、自分で行わなければいけない作業が多いことを理解しておきましょう。 売れるまでに時間がかかることも 需要の高い車種であれば出品してから、すぐに売れることもあります。 しかし、適正な価格設定ではなかったり、同じ車種で他に程度の良い車が多ければ中々売れないという可能性もあるでしょう。 ジャンルごとの買取専門店 ディーラーや大手買取店とは違った買取専門店があります。 例えば、4WD・スポーツカー・クラシックカー・旧車といった車の中でも特殊なジャンルを取り扱っています。 旧車買取専門店 旧車は車種によっては高い金額で取引されることもありますが、有名でなければ廃車という選択を取る買取店が多いでしょう。 しかし、旧車を得意としている買取店であれば、一般的な買取店よりも知識が多く、旧車の価値を理解しているため、値段がつくことがあります。 古い車に詳しいので、他社ではタダの車も、値段がつくことがある 古い車に詳しい分、ディーラーや大手の買取店でタダだったような車でも値段がつくことがあります。 旧車の中には一般的には価値がなくても、一部のマニアからは評価を得ている車種があります。 旧車の買取専門店であれば、旧車に詳しく、一部のニーズでも把握しているため、ディーラーや買取店では値段がつかなかった車でも値段がつく場合があるでしょう。 ネットオークションに比べてスピーディでノーリスク 人気のある旧車であればネットオークションでも高額で落札される可能性があります。 しかし、旧車であれば、あとあとのクレームに繋がる可能性も高く、リスクがあるでしょう。 旧車買取専門店であれば、高い買取金額だけではなく、トラブルなどのリスクも減り、取引もスピーディに終わることになります。 大手のような強引な営業がこない 大手買取店では車の知識で買取をするのではなく、営業力で買取を行っています。 高く売れる車であれば、折り合いがつかなくても中々帰らせてもらえない強引な営業を受けることもあるでしょう。 旧車買取専門店は旧車に詳しい分、無理な金額での提示がなく、あくまで車の価値をもとにする買取になります。 営業電話がしつこくない 一括査定などであれば、営業電話に悩まされることもありますが、旧車買取専門店では、あくまで営業力ではなく、査定士の知識で査定をしています。 オーナーが納得できていないのに無理に営業電話で買い取ろうということがありません。 まとめ 今回は「車の買取・査定」について紹介していきました。 車は大きな買い物なので、売るときには納得して売りたいものです。 旧車王では、ネオクラシックカーや旧車の買取を専門としているため、一般的な買取店よりも高く、質の良い買取が可能になっています。 車の買取で悩んでいる場合は一度、旧車王も選択の1つに入れてみてください。 [ライター/旧車王編集部]

廃車?売却?損をせず相続人がいない車を処分する方法とは
旧車売買の豆知識 2022.02.10

廃車?売却?損をせず相続人がいない車を処分する方法とは

故人が所有していた車は、残された家族が相続するのが一般的です。しかし、中には故人が多額の負債を抱えているなど、相続そのものを拒否したい場合もあるでしょう。ただし、この場合その車の名義は故人のまま残ってしまい、処分方法を間違えると相続放棄できなくなってしまう可能性があります。 そこで、この記事は、相続人全員が相続を拒否し、相続人がいない車を処分する方法について解説していきます。 車は持ち主が亡くなっていても勝手に処分できない 車は衣服や電化製品などと違い、法律で所有権が保証された“財産”だということです。そのため、例えその車の持ち主が亡くなったとしても、勝手に売却したり廃車にすることはできません。 もしあなたが故人の財産を相続する権利を持っているなら、必要書類を揃えたうえで名義変更の手続きを行い、車の所有者を変更します。軽自動車、登録車(普通車)問わず、その車に関わる手続きを行う権利を持っているのは所有者だけ。そのため、名義を変更したうえで売却や廃車を行いましょう。 車の所有者が亡くなった場合の名義変更で必要になる書類について、詳しく知りたい方は「これで解決!車の所有者が死亡した場合の名義変更」をご覧ください。 相続したくない=財産放棄をする場合の対処方法 車が法律で所有権が保証された財産である以上、前提としてその車は相続の対象となります。通常は家族である相続人で話し合い、誰が相続するのか、また、相続後どう処分するのかを決めるというのが一般的です。しかし、その車のローンが残っている場合や、車以外に負債(借金)があり、相続そのものを放棄するということもあるでしょう。 以下より、車を財産として相続しない場合の対処方法について、様々なケースごとに解説していきます。 ケース1:車が古く廃車にしたい 長年故人が所有していた車であっても、もう何年も使っていない、または古すぎてまともに使えないなど、廃車にするしかない場合もあると思います。この場合、車に本当に価値がなければ処分しても問題ありません。しかし、実は値段が付く車だったということが後から発覚した場合は裁判所から指摘を受ける可能性があります。 なぜなら、財産的価値のある車を勝手に処分してしまうと、単純承認したものとみなされてしまい、財産放棄をしなかった事になってしまう可能性があるためです。そうならないようにするためには、その車が財産として価値がないことを証明しなければなりません。 車の価値を判断する方法として有効なのは、査定を受けることです。一般的に査定額が0(ゼロ)の車は財産的価値がないと判断されますので、査定額を証明できる書類はしっかり保管しておきましょう。 ケース2:財産的価値はあるが相続したくない ローンの残債もなく、その車が故人の所有物である場合、相続放棄するためには、まず、車を含めすべての財産を放棄する手続きを行う必要があります。相続放棄の手続きは、故人(被相続人)の死亡から3か月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申告します。 相続放棄とは、その名のとおり相続することを拒否することです。相続放棄が裁判所に認められた後は、相続人としての地位そのものがなくなり、法的に相続人として扱われることはなくなります。また、相続放棄によって、マイナスの財産(負債)だけでなく、プラスの財産もすべて放棄することになります。 つまり、仮に故人に負債があった場合でも、その借金を肩代わりする必要がなく、車を相続人が処分する必要もありません。 ただし、繰り返しになりますが、勝手に車を処分してしまうと、すべての財産放棄が認められなくなるため、誤って処分してしまわないよう注意しましょう。 まとめ 故人が大切にしていた車の場合、可能なら遺品として保管しておきたい気持ちになるかもしれません。しかし、車は走行していなくても税金が掛かります。また、負債などの問題で一切の財産を相続したくない場合もあるでしょう。 相続する家族が複数人いる場合は、故人の車をどう処分するのが良いのかしっかりと話し合い、ケースに応じた手続きや処分方法を選ぶことが大切です。 [ライター/増田真吾]

納屋に眠るお宝車!2億円の価値がついた事例もある納屋物とは一体?
旧車売買の豆知識 2022.02.08

納屋に眠るお宝車!2億円の価値がついた事例もある納屋物とは一体?

限定生産のクラシックカーや、今は目にすることも難しいスーパーカー。どんなに貴重な車でも、予想だにしないところからひょっこり発見され、人々を驚かせることがあります。 これらは車業界における「納屋物」と呼ばれるものですが、個体によっては保管状態が悪くとも数千万、仲には1億円を超える値がつくこともあるのです。 今回はそんな納屋物について、実際発見された車の紹介も踏まえて解説していきます。 納屋物とはどういう車? 「納屋物」とは、江戸時代に民間の商人のあいだで流通する米や産物を指すものとして使われていた言葉です。車業界においては、納屋や物置に長期間眠っていた車のことを意味します。 そもそも海外ではこういった車のことを「Barn find(バーンファインド)」と呼ばれているのですが、日本では納屋の意味をもつ「Barn」 を取り、納屋物と呼ぶようになりました。 海外の農家は車を保管できるような小屋や倉庫を所持していることが多く、納屋物の多くはそういった納屋から発見されることが大半です。 なぜ納屋物が生まれるのか? 納屋物になる原因はさまざまですが、持ち主が他界し、車は誰にも渡らず納屋に残ってしまったケース。あるいは、廃業した自動車修理業者の店内に、未登録車がそのまま放置されていたという事例もあります。そういった納屋物の発見に至るまでの経緯は、納屋の老朽化による解体工事中に発見されるというパターンがほとんどです。 数年から数十年放置されていた納屋物はだいたいが埃まみれで発見されますが、雨風を凌げるような建物内に保管されることが多いため、ボディの状態は良好なものも少なくありません。 数十年の時を経て発見された車たち 誰にも見つかることなく眠っていた車にはどんなものがあるのか。ここでは納屋物として発見された車を紹介していきます。 ダッジ チャージャー デイトナ アメリカでは、1969年式のダッジ チャージャー デイトナが納屋で発見されました。ダッジチャージャーは1966年にダッジが発売したマッスルカーであり、そのなかでもデイトナと呼ばれるモデルは、NASCARのホモロゲーションのために503台のみ生産された希少価値の高い車です。                                   この個体は1974年にオーナーのもとに渡ったのちに、いつの日からかそのまま放置されていましたが、ノーマル仕様であることから、約1000万円のプライスで売却されました。      ランボルギーニ ミウラ(P400S) 2019年には1969年式のランボルギーニ ミウラ(P400S)が、ドイツの納屋で発見。1966年にランボルギーニが発売したミッドシップスーパーカー、ミウラ(P400)の改良モデルであり、わずか140台のみが生産されました。 発見されたミウラは、2015年までは走行できる状態を維持していましたが、オーナーが亡くなったことで、そのまま2019年まで納屋に眠ることになったようです。 室内および、エンジンルームも埃で汚れ、コンディションはいまいちかと思われましたが、オークションに出品した際は約1億7396万円もの価格で落札されました。 フェラーリ 365GTB/4 デイトナ 珍しいことに、日本でも納屋物が見つかっています。それが、2017年に岐阜県の納屋からフェラーリ 365GTB/4 デイトナが発見されました。 365GTB/4 デイトナはフェラーリのスポーツクーペで、1968年から1973年まで製造。しかし、発見されたモデルは限定6台のアルミボディタイプのなかでも、たった1台だけ製作された(残り5台はレースカー仕様)公道仕様のデイトナだったのです。 高温多湿な日本で放置されながらも、劣化が少ない状態で発見されたこのデイトナは、非常に貴重なモデルということもあり、オークションでは約2億3500万円ものビッグプライスで落札されました。 納屋物のレストアはお金と時間がいくらあっても足りない 予期せぬ場所で眠る納屋物ですが、再び動くようにするには骨が折れる場合がほとんどです。 納屋物は基本的に数十年単位で放置されているので、ボディやフレーム部にはサビが発生しています。エンジン内部もオイルが潤滑しないため、各摺動部は固着したりサビ付いたりしていることも。また、納屋内部の湿気によって室内にはカビが生えたり、ネズミに配線が千切られていたりということもあります。 破格のプレミア値がつく納屋物ですが、こういった箇所をすべて修理し、元通りに復帰させるためには、途方もない時間と費用がかかるのは避けられないでしょう。 まとめ 数十年の年月を経て、再び人々の前に姿を現す納屋物はロマンの塊のような存在です。 今回紹介した車種以外にも納屋物は多数発見されており、そのどれもが車好きにはたまらない往年のスーパーカーやクラシックカーが名を連ねています。それだけに納屋物の価値は非常に高く、多少状態が悪くとも高額の取引が行われることが多いのです。 自動車として復帰させる場合は、膨大な時間と費用をかける覚悟が必要ですが、過去の名車が再び動き出す姿は、何にも変えられない感動があることでしょう。 旧車を買い続けて20年以上!目利き鑑定士の納得買取なら旧車王https://www.qsha-oh.com/ [ライター/増田真吾]

アウディの代名詞!世界初のフルタイム4WD“クワトロ”とは
旧車売買の豆知識 2022.02.02

アウディの代名詞!世界初のフルタイム4WD“クワトロ”とは

1980年、一般車ではFF、ラリーではFRが全盛の時代に、革新的な4WD車が発表されました。それが世界初のフルタイム4WD車、“Audi Quattro(アウディ クワトロ)”です。 アウディクワトロの登場は、レースシーンやその後の自動車業界に大きな影響を与えました。今回は、アウディ初の四輪駆動、しかも世界初のフルタイム4WDとなるアウディクワトロは、なぜ開発されたのか、どんな点で革新的だったのかについて、当時の自動車事情と合わせてご紹介します。 アウディ初の四輪駆動システムを搭載した “Audi Quattro”の歴史 1970年代から1980年代初頭は、自動車の性能向上において過渡期とも言える時期でした。 エンジン性能や車体の軽量化が進む一方で、タイヤ性能などまだ開発が追いつかない部分もあり、より高性能な車を開発するため、各メーカーが苦心していた時期でもあります。そんな中、革新的なフルタイム4WDとして誕生したのが、“Audi Quattro”です。 自動車性能向上の過渡期だった “Audi Quattro”の登場した1980年当時、一般車の主流はFF(前輪駆動)でした。 その理由は、車重の軽量化は進んでいたものの、タイヤのグリップ力がまだ低かった時代。エンジンパワーを逃さず路面に伝えるには、フロントヘビーにして前輪をしっかりと接地させて駆動する必要がありました。また、センタートンネルを持たないFF車派スペース効率に優れ、車内空間を広くしやすいこともFFが重宝された要因のひとつです。 しかし、FFは優れたエンジンレイアウトであるものの、コーナリング性能ではFRに及ばず、向上しつつあったエンジン性能を活かし切ることはメーカーの課題の一つ。一方エンジンパワーを的確に路面に伝える四輪駆動は、オフロード目的のパートタイム4WDが主流で、一般車に装着するには大きく重たいことがネックで敬遠されていました。 向上したエンジン性能を「技術による先進」で活かす 1970年代以降、自動車エンジンの開発は日進月歩で進み、性能は格段に向上します。 高性能化したエンジンパワーを最大限活用する方法を各メーカーが模索する中、「技術による先進」をスローガンとしていたアウディは、四輪駆動の開発しかないと結論づけ、世界初のフルタイム4WDの開発に踏み切ったのです。そうして誕生したフルタイム4WD“Audi Quattro”は、当時としては革新的な車でした。 重量、大きさがネックとなっていた4WDシステムをコンパクトなボディに収め、増加した重量を補って余りあるハイパワーエンジンを搭載したのです。 WRCでの活躍 アウディクワトロが発売された1980年当時、4WDは一般的ではなく、大型化しがちな傾向から特にスポーツカーではネガティブなイメージさえありました。 アウディが新型車クワトロのプロモーションを成功させるには、レースシーンでその速さや信頼性をアピールするしかありません。そこで、特別仕様車を開発し、ラリーカー選手権の最高峰であるWRCに参戦することになります。 アウディクワトロのWRCでの成功は、車のプロモーションとしての成功だけではなく、ラリーに4WD車を使用するという現在まで続く歴史の礎となったのです。 ネガティブなイメージの4WDで参戦 1980年当時の4WDといえば、オフロード車に搭載されたパートタイム4WDがほとんどで、大きい、重いといったネガティブなイメージが先行。一般的な駆動方式ではなく、限られた場面で使う特殊な駆動方式というのが世間の認識でした。 WRCにおいても、当時は軽量で運動性能の高いミッドシップカーやFRが席巻。車重や大きさで不利な4WDでは勝負にならないと言われていました。しかし、アウディにとって初のフルタイム4WD車であるクワトロのプロモーションには、WRCに参戦し結果を残すことは必要不可欠だったのです。 短命だったが現代も続く4WDの歴史を作った アウディ クワトロのWRCデビューは、1981年の開幕戦。新開発の直列5気筒+ターボエンジンというグループ4仕様で、デビュー戦こそ結果を残せなかったものの、2戦目で早くも初優勝を飾ります。 そして、参戦2年目となる1982年には、初期のメカニカルトラブルも解決し、念願のマニュファクチャラーズタイトルを獲得。アウディはその後も、マニュファクチャラーズタイトル1回(1984年)とドライバーズタイトル2回(1983年、1984年)を獲得するものの、1984年までのわずか3年の短命に終わります。 なぜなら、アウディ クワトロの成功によって、各メーカーがこぞって4WD車を投入してきたためです。しかも、より運動性能の高いミッドシップ4WDで武装し、グループBマシンであるランチア ラリー037が台頭してきたため、フロントエンジンのアウディクワトロでは対抗出来ませんでした。 しかし、「ラリーカーと言えば4WD」が常識となったのは、間違いなくアウディクワトロの成功によるもので、“Audi Quattro”の登場は、WRCの歴史上もっとも大きな出来事の一つです。 最新モデルにも受け継がれるクワトロシステム 1980年にアウディ初のフルタイム4WDとして登場した“Quattro”は、車種名の「クワトロ」から、アウディの4WDシステムの名称として、現在に至るまで使用されています。“Audi Quattro”は、それだけアウディにとって重要な車種だったのです。 特に、現在の上位モデルに搭載されているクワトロシステムは、車種によって前後のトルク配分を変えるなど、多少味付けに違いはありますが、当初のフルタイム4WDの設計思想を守っています。 最新モデルでは、1000分の数秒で前後のトルク配分を最適化や、横滑り防止機構との組み合わせなど、先進の技術を組み込んでさらに進化させ、「技術による先進」を掲げるアウディらしいところです。 ちなみに、ご紹介してきた1980年に登場した車種としての“Quattro”は、クワトロシステムとの違いを表現するため、現在では“Ur-Quattro”(Urはドイツ語で「オリジナル」という意味)と称されることもあります。 アウディの地位だけではなく、業界全体にも影響を与えた 現在のアウディの地位を確立したのは、間違いなく“Audi Quattro”です。 当時の常識を覆すフルタイム4WDの開発と、WRCでの成功は、「技術による先進」を掲げるアウディの技術力と信頼性を世の中に知らしめました。また、アウディクワトロの成功は、メーカーの地位確立だけではなく、WRC、自動車業界全体にも大きな影響を与える出来事となったのです。 現在WRCの主流が4WDであることはご存じの通り。高性能化するエンジンパワーを余すことなく路面に伝える駆動方式として、フルタイム4WDは多くの車種で採用され、高性能4WDスポーツカーというジャンルを生み出しました。 今やフルタイム4WDは軽自動車にも搭載されるほど一般化されています。“Audi Quattro”の登場が無ければ、ひょっとしたら4WDは特殊な駆動方式のままだったかも知れません。 [ライター/増田真吾]

故障車でも買取可能?より高く売却するためには
旧車売買の豆知識 2022.02.01

故障車でも買取可能?より高く売却するためには

故障車を売却しようとしている人は、当然のことながら自分の車が壊れていることを理解しています。しかし、事故や経年劣化により走行に支障をきたすような故障が起きてしまった場合は、売り先を見つけることが困難になります。 ここでは、故障車を売却する際の買取業者の選び方と注意点を詳しく紹介します。 故障車でも買い取りしてもらえるのか? 故障車の売却でユーザーが一番気になるのは、そもそも買い取ってもらえるのかという部分ではないでしょうか。 結論からいうと、原形をとどめていないような場合を除き、基本的には買い取りが可能です。故障車の場合は、当然のことながら通常の買取よりは価格が下がってしまうが、売り方さえ間違わなければ自分で廃車にするよりは大きな金額を受け取ることができます。しかし、売り方によって手に入る金額が異なります。 故障車買取業者の選び方 実際に故障車を売却する際の方法は大きく3つに分けることができます。ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。 ・中古車専門の買取業者 中古車の扱いに長けているため、故障者の扱いに関しても経験や実績がある場合がほとんどです。また、業者ごとに独自の販売ルートを持っているため、比較的高い値段をつけることができます。しかし、故障車の買取は選ぶ業者によって得意、不得意があり、見極めるのも決して簡単ではありません。したがって、業者を選びの難しさはデメリットのひとつといえるでしょう。 ・ディーラーの下取り 仕事の都合などで買い取りしてもらえる業者を探すのが難しい場合は、ディーラーで下取りをしてもらうという方法があります。しかし、仮に価値のある車だとしても査定がゼロ円になるケースや、逆に廃車費用として手数料を取られたりするケースもあるため注意が必要です。 ・廃車専門業者 廃車専門業者の依頼は、中古車買取業者で買い取りをしてもらえなかったり、ディーラーでも廃車扱いになり手数料を取られてしまったりする場合の最後の手段といえるでしょう。廃車にするしかないような車でも買い取ってもらうことができ、手数料もゼロ円で引き取ってもらうことができます。ただし例外もあるので、ホームページなどで事前確認を行い費用を把握しておく必要があります。 以上のことから、中古車専門の買取業者が最も高く買い取ってくれることがわかります。もちろん、全てのケースに当てはまるわけではありませんが、まずは中古車専門の買取業者に査定を依頼することをおすすめします。 故障車を売る際の注意点 故障車を売る際には、事前にやっておいた方がいい準備と、逆にやらない方がいい準備が存在します。 事前にやっておいた方がいい準備のわかりやすい例としては、必要書類の準備がありますが、車を売却するときには必ずいくつかの書類を用意する必要があります。紛失していた場合などは再発行に申請が必要なものもあるので、予め準備しておくことで売却がスムーズになります。 売却の際に必要な書類は以下のとおりです。 ・自動車検査証・自賠責保険証・自動車税納税証明書・実印・印鑑証明書・リサイクル券(預託済みの場合)・住民票(車検証の住所が異なる揚合、ただし2回以上転居されている場合は戸籍の附票等も必要になります。) やらない方がいい準備については、故障箇所の修理があります。仮に整備工場に修理を依頼してプラス査定が望める状態であっても、大金をつぎ込むのであればそのまま売却した方がよいでしょう。理由は、売却価格より修理費用の方が高くなる可能性があるからです。 まとめ ここまで、故障車を高く買い取ってもらう方法について、様々な角度から解説してきました。 故障車の中でも「外装に大きな傷もなく、走行に支障が出るような不具合もそれほどないが、さすがにそろそろ買い換えよう」と考えている人は比較的苦労が少ないかもしれません。一方で、「事故や経年劣化により走行に支障をきたすような故障をしてしまい、やむを得ず買い替えなければならない」という人は、この記事に書いてあることを実践する必要があります。 いずれの場合であっても、旧車王であれば親身に相談に乗ってくれるので、査定の申し込みを検討してみるのもよいかもしれません。 旧車を買い続けて20年以上!目利き鑑定士の納得買取なら旧車王https://www.qsha-oh.com/ [ライター/旧車王編集部]

旧車を高く買い取ってもらう方法。査定相場や業者選びのコツも紹介!
旧車売買の豆知識 2022.02.01

旧車を高く買い取ってもらう方法。査定相場や業者選びのコツも紹介!

旧車は憧れで買ってはみたのの、4~5年乗ると寿命を迎えるというケースも少なくありません。しかし、いざ売却するとなると、「旧車を高く買い取ってもらう方法がわからない」や、そもそも「どこに売ったらよいかわからない」など、何かと頭を悩ませることが多くあります。 ここでは、旧車王の買取事例を中心に旧車を高く売却する方法や業者選びのポイントを紹介します。 旧車でも売れるのか 旧車とは、生産終了から長い年月が経過したにもかかわらず、価値が残っている車のことをいいます。また、1980年代後半から2000年代前半にかけて生産されたモデルはネオクラシックカーと呼ばれることもあります。 どのような車に価値が残っているかといいますと、最もわかりやすい例がハコスカGT-Rなどの特別に高い性能を持ったスペシャルモデルです。このようなモデルは生産台数が少なく、当然のことながら希少価値が高くなります。もちろん、スポーツモデルの価格だけが高騰するわけではありませんが、一般的なモデルが旧車になり得るかどうかは紙一重なところがあります。 最近の傾向としては、テレビドラマや映画の影響による中古車価格の高騰が挙げられますが、劇中車に使われていた車両に関しては、ボディタイプにかかわらず軒並み高値で取り引きされています。 旧車は、海外やコレクターの間でも需要があります。特にここ数年は、アメリカ市場におけるネオクラシックカーの需要が急増しており、1990年代のスポーツモデルの海外流出が増加しています。 旧車の買取相場・事例 買取相場を知りたい場合は、専門店などが掲載している買取事例を見るのが一番の近道となります。ただし、必ずしもその金額で買い取ってもらえるとは限りません。特に旧車は、状態次第で大きく金額が変わるため、期待外れの査定額になることも珍しくありません。とはいえ、ひとつの目安になることには変わりなく、後はいかによいコンディションを保てるかが高価買取のポイントになります。 旧車王の買取事例は以下のとおりです。 ダットサンサニー 1200GL 査定時期:2021年5月 年式:1976年走行距離:77,000km買取金額:150万円 アンフィニ RX7 タイプR バサースト 査定時期:2021年5月 年式:1995年走行距離:141,700km買取金額:215万円 GX61 マークⅡ グランデ 査定時期:2021年5月 年式:1982年走行距離:105,300km買取金額:70万円 アルシオーネSVX 査定時期:2021年4月 年式:1996年走行距離:35,800km買取金額:150万円 レパード XSターボ 査定時期:2021年5月 年式:1990年走行距離:88,000km買取金額:80万円 上記のとおり、たとえ年式が古くなったとしても高額で売却できる可能性があることがわかります。因みに、最後のレパードは、人気テレビドラマの劇中車だったことが買取金額に大きく影響しています。 旧車を高く売る方法 旧車を高く売る方法、大きく分けて3つです 1つ目は、「専門業者」で、スポーツモデルや1970年代~1980年代のセダンや四駆モデルに強みを持っています。 2つ目は、「一括査定」で、比較的流通台数が多いスポーツモデルやセダン・ワゴンに強みを持っています。 3つ目は、「ネットオークション」で、基本的にどんな車種でも対応可能ですが、専門知識が必要になります。 以上のことから、希少車の買取は「専門業者」が強いことがわかります。さらに、旧車王であればメーカー・車種を問わず対応してくれます。一例としては、年代物の輸入車が挙げられますが、国産も輸入車も対応している「専門業者」はそうそうありません。 業者選びのポイント 旧車を高く売るためには、先程述べた3つの旧車を高く売る方法の特徴を理解した上で、買取業者を選定しなければなりません。特に大切なのは「一括査定業者」と「専門買取業者」の違いを理解することです。 まず「一括査定業者」は、一度の査定申し込みで何社もの見積を取ることが可能で、最も高い査定額が出たところに売却することができます。ただし、希少車に弱い傾向があり、再販の際のリスクを恐れて低く見積もるケースが多く見られます。 一方「専門買取業者」は、高い技術を持った専門の査定スタッフが査定を行い、基本的に一社のみがお客様のご自宅に伺います。したがって、「一括査定業者」に比べて丁寧な査定を受けることができ、本来高値がついたはずなのに安い価格で売ってしまったという事態を避けることができます。 まとめ ここまで、旧車を高く買い取ってもらう方法について、様々な角度から解説してきました。 旧車王は、本来の車の価値を見落とさないのはもちろんのこと、日々刻々と変わる買取相場を正確に読むことができます。さらに、スピード対応を売りにしているため、 市場価値が高い状態での再販が可能になり、買取金額という形でお客様に還元することができます。 ぜひ希望額での買取が実現した際には、比較的メンテナンス費用が​かからない2000年代のスポーツモデルやSUVなども検討してみてください。 旧車を買い続けて20年以上!目利き鑑定士の納得買取なら旧車王https://www.qsha-oh.com/ [ライター/旧車王編集部]

改造車、カスタムカーは買取時に不利になるの?売りたいときは誰に頼むべき?
旧車売買の豆知識 2022.02.01

改造車、カスタムカーは買取時に不利になるの?売りたいときは誰に頼むべき?

改造車やカスタムカーは、売却の際に不利になるという話しを良く聞きます。しかし、果たしてそれは本当なのでしょうか? ここでは、改造車やカスタムカーの売却について解説しますが、カスタマイズは今や当たり前になりつつあります。つまり、改造車やカスタムカーの売却の方法さえわかれば、カスタマイズを思う存分楽しめるということです。 改造車、カスタムカーは買取時に不利になるのか 改造車は一般的に安い値段で買い取られてしまうという印象がもたれています。実際、自分好みにカスタムしすぎてしまった結果、売却時の買取価格が大幅に下がってしまったというケースが多々あります。しかし、改造車の査定金額が大幅にアップし、オリジナルコンディションに比べて倍近い金額になったという事例もあります。 ここでは、改造車、カスタムカーの種類や査定の依頼先について紹介します。また、高く売るコツについても解説しますので、参考にしてください。 改造車、カスタムカーの種類 ひとことに改造車といっても、その改造の方法は様々です。ここでは代表的な改造車である「ドレスアップカー」と「チューニングカー」について紹介します。 ドレスアップカー ドレスアップカーは、その言葉のとおり見た目を重視した改造車のことをいいますが、カスタムカーと呼ばれることもあります。基本的に見た目を重視したカスタムを行うため、エンジンは控えめなチューニングでも問題ありませんが、外装パーツがどのブランドなのかが査定額に大きく影響します。もちろん、ドレスアップというくらいなので、外装が綺麗なことが求められます。したがって、エアロパーツの割れやホイールのガリ傷は査定額を大きく下げる要因になります。 チューニングカー チューニングの本来の目的は、車の持つ本来のスペックを引き出すことです。しかし、実際には性能を向上させるためのパーツの交換や加工をチューニングと呼んでいます。つまり、速く走るための改造で、外観は二の次になります。とはいえ、買取の際はトータルバランスも求められるので、エンジンや足回りの改造箇所に加えて、エアロパーツやアルミホイールのデザインも大切な要素になります。そして、最も大切なことは、いかに良いコンディションが保たれているかということです。 改造車、カスタムカーを売るときは誰に頼めばいい? 改造車を買取してもらう方法としては、「専門業者」「個人間での売買」「ディーラー」などが挙げられます。ここでは、これらの3つの売却方法のメリットとデメリットと、売却の際の注意点を紹介します。 専門業者 専門業者は顧客の確保や販路がしっかりとできているため、高く買い取りしてもらえる可能性があります。また、改造車の買取に対する実績やノウハウを豊富に持っているため、パーツ一つ一つに対して評価することが可能です。しかし、選ぶ業者によって得意・不得意があるため、業者選びが難しいというデメリットがあります。 個人間での売買 オークションサイトなどの個人間での売買は、手数料がかかるというデメリットがありますが、自分の売りたい金額で売ることができるというメリットがあります。自分の売りたい金額で売れる主な理由は、中間マージンを大幅に省くことができるためですが、中古車には故障がつきものですので、トラブルに対応する能力を身につけておく必要があります。 ディーラー ディーラーは、ノーマル部品があり、なおかつノーマルに戻せる状態なら買い取りが可能です。ただし、次の車をその店舗で購入することが前提となります。したがって、基本的には改造車を売る場所としては適していませんが、同じメーカーの高年式の車両に関しては、他の売却方法よりもメリットを発揮することがあります。 改造車、カスタムカーを高く売るコツ 改造車を少しでも高く売却したいと考えるのであれば、ユーザー自身の工夫も必要になります。その一例として、純正パーツの準備が挙げられますが、車検に通らない可能性がある場合などは高価買取に繋がる材料のひとつになります。また、チューニングショップなどの請求明細書も大きな武器になります。特にチューニング箇所が多岐にわたる場合は、漏れなく査定スタッフに伝えられのはもちろんのこと、改造費がいくらかかったかの証明にすることもできます。 まとめ ここまで、改造車、カスタムカーの売却について様々な角度から解説してきました。 改造車やカスタムカーの売却は、多少のデメリットがあるものの、専門業者が最も強みを持っていることは明らかです。中でも旧車買取専門店の旧車王は、豊富な改造車の買取実績があるので、高価買取が期待できます。 改造車の売却に迷ったり、悩んだりしたときには、ぜひ旧車王への査定申し込みを検討してみてください。 [ライター/旧車王編集部]

ベンツとポルシェのコラボ!500Eがポルシェラインと呼ばれていた理由とは!
旧車売買の豆知識 2022.01.26

ベンツとポルシェのコラボ!500Eがポルシェラインと呼ばれていた理由とは!

メルセデス・ベンツとポルシェ、どちらもドイツを本拠地とした人気メーカーですが、この2社が共同製作した「500E」というモデルが存在したのをご存知でしょうか。500Eは今でいうEクラスと呼ばれる車体に、大パワーのV型8気筒エンジンや強化された足回りなどを装備したポルシェ仕込みのチューニングが施された奇跡の1台です。「ポルシェライン」とも呼ばれる500Eは、いったいどんな車なのか、詳しく解説していきます。 W124のフラッグシップモデルとして誕生 当時500Eは、メルセデス・ベンツのミディアムセダン「W124型」の高性能グレードとして1991年春に販売されました。全長×全幅×全高は4755×1795×1410mmと、車幅はベースのW124よりも広く、フェンダー部は大きく張り出しているのが特徴です。 しかし、E500のキャッチコピー「炎の情熱 絹の優美」のように、元々の優美な外観デザインはキープされており、まさに羊の皮を被った狼といえます。1995年4月までに10479台が生産され、日本でも1184台が販売。ポルシェが作ったW124として、人気を獲得したモデルでした。 高貴なボディに隠されたハイパワーエンジン エンジンはW124のボディに、当時の2ドアクーペ「R129型 500SL」のV型8気筒5.0L自然吸気エンジン「M119E50型」を搭載しています。 最大出力は330PS/5,700rpm、最大トルクは50kgm/3,900rpmという強大なパワーとトルクを発揮し、4速ATながら0~100km/h 加速は6.1 秒をマーク。大パワーゆえにこの大柄なV8エンジンは、W124のボディにはそのまま搭載することはできず、車体の前半部分はほぼ作り直されています。 500E開発が困難だったメルセデス・ベンツ 1989年、V型8気筒エンジンを搭載した500SLが人気を博したことで、メルセデス・ベンツはW124に同エンジンを積んだハイパワーモデル、500Eの製作を決定。しかし、当時のメルセデス・ベンツはR129やW140の開発や製作で手一杯になっており、500Eに人員と場所を割く余裕はありませんでした。 そんな中、メルセデス・ベンツが500Eの開発を委託したのは、同郷でありつつも資本提携などは全くなかったポルシェだったのです。 経営危機を迎えていたポルシェ 一方のポルシェは、1980年代後半からの経営不振真っ只中。主力商品である「911」の売り上げが北米マーケットでは伸び悩み、その状況を一転させるような新型車も生み出せない状態でした。 そんな経営危機の中、メルセデス・ベンツからの救済の手ともとれる500Eの開発依頼にポルシェは応じ、自社のバイザッハ研究所にて開発を開始。ポルシェは開発だけでなく、500Eの前期モデルが販売されていた92年までは、ツッフェンハウゼン工場にて車体の生産も請け負っていました。 その後、名前を変更した後期モデル「E500」が全てメルセデス・ベンツの生産に変わったことから、前期モデルが“ポルシェライン”と呼び分けられるようになったのです。 V8エンジンを搭載するためにボディを大幅加工 ベースの車体にV8エンジンを移植するには、その大パワーを受け止める強靭なボディと十分なスペースが必要でした。そこで、バイザッハ研究所では3.0Lエンジン搭載の「300E」のボディを使い、各部の剛性を強化し、エンジンベイやバルクヘッドの拡大を行ったのです。 くわえて、エンジン移植の際には排気経路の変更が必要となり、モノコック底面のセンタートンネルも拡大する必要がありました。その結果、後席中央のシートはオミットされ、左右が独立したリアシートに変更。500Eの乗員定数は、それまでの5人乗りから4人乗りに変更されています。 各部にあしらわれた強化パーツ エンジンのほか、足回りのパーツも500SLから移植されており、ブレーキローターはフロント300mm、リア275mmの大型のものを、キャリパーはブレンボ製が採用されています。 それにより、タイヤサイズは225/55R16へ拡大し、ボディはオーバーフェンダー化され、500Eとその他のグレードを見分ける最大のポイントともなりました。他にもバンパー形状の変更、ヘッドライト部にはドライビングライトの増設など、細かな追加箇所もあります。 まとめ メルセデス・ベンツとポルシェ、それぞれの事情を抱え、お互いが助け合うことで誕生した500E。 ポルシェの高い技術力により完成した500Eは出荷台数こそ多くなかったものの、1550万円という新車価格ながら日本でも大きな反響を呼びました。 それから30年経過した今でも、メルセデス・ベンツとポルシェの共同開発車は500Eの他に存在していません。おそらく最初で最後ともいえる2大メーカー夢の競演で誕生した500Eのような車の存在は、これからも語り継がれ、人々の記憶から消えることはないでしょう。 [ライター/増田真吾]

「古い車の遺産相続」廃車にしてしまうと損をする?実は価値があるちょっと昔の車の話
旧車売買の豆知識 2022.01.24

「古い車の遺産相続」廃車にしてしまうと損をする?実は価値があるちょっと昔の車の話

最近では、1980年代~1990年代の車をネオクラシックカーと呼びますが、それらの車のオーナーは50代、60代で新車購入しているケースも多く、当然ながら遺産相続の問題についても考えなければならない時期を迎えています。 ここでは、お車の価値、放置しておくだけでもかかる費用、遺産相続の手続き方法などについてご紹介させていただきます。 父や祖父が昔から乗っていた「古い車」に実は価値が付いているケースがある 父や祖父が何十年も乗っていた車が旧車ブームの影響などで古いだけの価値のないと思っていた車が高価買取に繋がるケースがあります。一般的には、どんなに高額なクルマでも15年以上経てば価値がなくなってしまいます。もちろん、ポルシェやフェラーリが年数が経過しても価値が下がらないことは言うまでもありません。 しかし、以前であれば値段が付かずに廃車になっていたような古い国産車に驚くような高額査定が出る場合があります。実際に、GX71マーク2やZ20型ソアラなどは値段が高騰しており、旧車王でも高価で買取らせていただいた事例があります。 残念なのは、買取店に査定の依頼をすることなく残された家族が処分してしまっているケースです。今回、ご紹介させていただいた2車種は共に30年以上経過したモデルとなりますので、クルマに値段がつかないと考えるのはむしろ自然のことかもしれません。 では、どうすればプレミアが付いている希少車を廃車せずに済むのでしょうか?その答えは非常に簡単であり、まずは旧車王にお問い合わせいただくということです。 乗らなくなった古い車を放置していてもかかる費用はどれくらい?駐車場代、自動車税など 車はただ放置しておくだけでも色々な費用がかかります。まず1年に1回納付しなければならない自動車税があります。 さらに13年を超えると15%の増税が適用されます。その他の税金関係では、2年に1度の車検があり、仮に整備費用を最低限に抑えたとしても重量税と自賠責保険を必ず納めなければなりません。しかし、車にかかる費用は税金だけではありません。 例えば、マンションにお住まいであれば駐車場代がかかりますし、1年に何度か動かすのであれば任意保険に入る必要もあります。 したがって、何か事情があってやむを得ず放置車両になってしまった場合は、なるべく早く買取依頼を出すことが最も費用がかからない方法と言えるのです。 車のオーナーが亡くなってしまった場合の遺産相続の手続き方法について 車はオーナーがが亡くなってしまった時点で、家族などの相続人全員の共有財産となり、車の状態にかかわらず相続手続きが必要となります。 この場合の相続人全員とは、第1順位が「子・孫」、第2順位が「父母・祖父母」、第3順位が「兄弟・姉妹」となりますが、配偶者がいる場合はいずれの場合も相続人となります。 また、相続時には車の名義を相続人名義に変更しておかないと、相続人自身の財産として認められず、例えばその車を買取に出す場合の手続きや、リサイクル業者に依頼して廃車する際の「永久抹消登録」が出来なくなります。 そして、忘れがちなのが任意保険の手続きです。任意保険の手続きを行わなくても車に乗ることは出来ますが、交通事故にあった場合に自動車保険が支払われない可能性がありますので、車の名義変更と同時に任意保険の名義変更も行う必要があります。 廃車にかかる費用は?廃車の前に、まずはカンタン無料査定フォームまたはフリーダイヤルにてご依頼・ご相談を 車を廃車にする際には、永久抹消登録が必要となりますが、あわせて解体証明書を用意しなくてはなりません。 解体証明書は、許可を取得している解体業者のみが発行できる書類で、その会社の古物登録番号や解体した車の型式、解体日等が記載されています。 解体業者に車の処分を依頼した場合の相場は、0円~2万円と言われておりますが、車を動かせない状況では別途レッカー料金が発生します。 しかし、昨今の旧車ブームの影響でその車に価値が残っているかもしれません。したがって、廃車を決断する前に旧車・ネオクラシックカー専門店である旧車王に査定を依頼することをお勧めいたします。 [ライター/旧車王編集部]

ワークス仕様やグラチャン仕様などと呼ばれる旧車の改造車は高価買取が可能なのか?
旧車売買の豆知識 2022.01.18

ワークス仕様やグラチャン仕様などと呼ばれる旧車の改造車は高価買取が可能なのか?

ワークス仕様やグラチャン仕様は旧車の憧れの存在です。そして、リベット止めのオーバーフェンダーや深リムホイールは旧車カスタマイズの定番アイテムです。ここでは、人気の改造ベース車や改造車を高く売るためのコツについてご紹介させていただきます。 旧車で人気の改造は? 旧車で人気の改造は、いわゆる街道レーサー仕様やグラチャン仕様と言ったワークスマシンに倣ったカスタマイズです。もちろん、行き過ぎたカスタマイズは車検に不合格となってしまいますので、例えばシルエットフォーミュラのような改造はイベントなどに限定されてしまいます。しかし、少しでもレーシングカーの姿に近づけたいという願望はいつの時代も変わりません。 具体的には、深リムホイール、車高短、リベット止めのオーバーフェンダー、チンスポイラー、ワンオフマフラー、3連キャブレターなどですが、それらをバランスよく組み合わせることで、オリジナルコンディション以上の評価に繋がる可能性は十分あります。そして、今まで我慢しなけれならなかったエアコンやパワステなどの快適装備を現在の技術で取り付けしてしまう「レストモッド」と言われる手法も今後のトレンドになるかもしれません。 旧車を改造するのに人気があるベース車両は? トヨタ・マークⅡ GX71 トヨタ・マークⅡ GX71は、レースとは全く無縁にもかかわらず、ワークス仕様が何故か不思議と似合います。どちらかと言うと、街道レーサーという言葉がピッタリかもしれません。そして、非常に人気が高く中古車価格が高騰しております。 カスタマイズのトレンドとしては、旧車用の深リムホイールにあえて外径の小さいタイヤを引っ張りで履かせて、後は車高短、ワンオフマフラー、ウッドステアリングが付いていればバッチリです。そして、ターボの5速マニュアルならもう言うことありません。 トヨタ セリカ LB 2000GT セリカ LB 2000GTと言えば、マスタング彷彿とさせるスポーティなデザインで人気を博したモデルでしたが、最も印象に残る仕様といえばシルエットフォーミュラ(グループ5)のセリカ LB ターボではないでしょうか? シルエットフォーミュラと言えば、鉄仮面スカイラインや910型ブルーバードを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?しかし、当時のドイツの名門チームであったシュニッツァーが手掛けたセリカ LB ターボはとても美しく、いまだにドイツでも根強いファンがいると言われています。 そして、カスタマイズにおいては、シルエットフォーミュラ仕様が似合うのはもちろんのこと、リベット止めのオーバーフェンダーを付けたグラチャン仕様も似合います。さらにローダウンと深リムホイールだけでも全然格好よくみれてしまいますので、セリカ LB 2000GTはまさに万能過ぎるカスタムベースと言っても過言ではないのです。 また、グラチャン仕様で言えば、LBのクーペタイプである通称ダルマセリカも人気があり、初代セリカはトヨタの旧車の中で最もカスタマイズが似合うモデルと言えるかもしれません。 日産 ハコスカ スカイライン 旧車を代表的する改造車と聞いて、通称「ハコスカ」と言われるスカイラインGT-Rを思い浮かべる人は多いはずです。その理由は、日本のツーリングカーレース史上に不滅の49連勝という金字塔を打ち立てたからです。 旧車の改造車の呼び名には、グラチャン仕様や街道レーサーといったものがありますが、ハコスカには「ワークス仕様」という言葉が最も似合います。まさに当時のワークスチームの仕様を再現した旧車カスタムの定番チューンと言えます。 とかく違法な改造と勘違いされがちなオーバーフェンダーやチンスポイラーも、全て49連勝を成し遂げるためのアイテムだったのです。そして、その姿に誰しもが憧れを抱くのは、当然のことかもしれません。 改造した旧車は高く売れるのか? 旧車のカスタマイズを考えたときに、「改造した旧車は高く売れる?」と疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?もちろん、いきすぎた改造はマイナスの評価になってしまいます。しかし、車検の規制緩和や技術の進歩で、かなりの範囲でカスタマイズが可能になったのも事実です。そして、しっかりとしたパーツのチョイスを行えば、確実に高価買取に繋がります。 具体的な例としては、ウェバーやソレックスなどの3連キャブレターの装着やワタナベやロンシャンなどの深リムホイールです。スポーツキャブレターのメリットは、レスポンスや吸気音が素晴らしいのはもちろんのこと、エンジンルームを開けたときの迫力がノーマルのキャブレターとは比べものになりません。また、深リムホイールは当時のモデルが新品で手に入る場合もありますが、当時物の方が高い評価に繋がります。理由は、足元を飾るホイールが綺麗すぎてもミスマッチになってしまうからです。 最後に、カスタマイズによる付加価値をしっかりと見極められる旧車王に査定をお任せいただければ、高値が付くことはほぼ間違いないと言えるでしょう。 [ライター/旧車王編集部]

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