旧車売買の豆知識

中古車の諸費用の相場は?諸費用を抑える方法も解説
旧車売買の豆知識 2024.08.19

中古車の諸費用の相場は?諸費用を抑える方法も解説

中古車の購入を検討しているが、諸費用がどの程度かかるか気になっている人もいるでしょう。諸費用の相場を把握していれば、予算内に収まる車を見つけやすくなります。この記事では、中古車諸費用の相場を詳しく解説します。中古車諸費用を抑える方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。 中古車の諸費用の相場 中古車の諸費用の相場は、車両本体価格の10〜20%です。そのため200万円の中古車を購入するには、20〜40万円程度の諸費用を準備しておく必要があります。 諸費用は大きく分けると税金や保険などの「法定費用」、陸運局や車庫証明の手続きをするための「代行費用」が発生します。 法定費用 法定費用とは税金や保険料のことで、購入する車や加入する期間によって金額が異なります。続いて、法定費用の相場を解説します。 自動車税(種別割) 自動車税(種別割)は、排気量によって税額が異なり、購入してから翌年3月分まで支払う必要があります。自家用車の排気量ごとの年額(12ヶ月分)は下記のとおりです。 660cc(軽自動車) 10,800円 〜1,000cc 25,000円 1,001〜1,500cc 30,500円 1,501〜2,000cc 36,000円 2,001〜2,500cc 43,500円 2,501〜3,000cc 50,000円 3,001〜3,500cc 57,000円 3,501〜4,000cc 65,500円 4,001〜4,500cc 75,500円 4,501〜6,000cc 87,000円 6,001cc〜 110,000円 引用元:令和4年(2022)年度自動車税(種別割)税率早見表 例えば1,500ccの車を5月に購入した場合、法定費用は25,400円(計算式:30,500円÷12×10ヶ月)です。上記の年額を参考に、購入する車の自動車税(種別割)を月割りで計算してみてください。また中古車でも新品未使用車や試乗車の場合は、エコカー減税が適用され安くなるケースもあるので、販売店に確認してみてください。 自動車重量税 車検ありの中古車を購入した場合、車検取得時の所有者が全額支払う必要があるため、重量税を納税する必要はありません。一方、車検なしの中古車を購入した場合は、下記の重量税を納税する必要があります。 〜0.5t 8,200円 〜1t 16,400円 〜1.5t 24,600円 〜2t 32,800円 〜2.5t 41,000円 〜3t 49,200円 引用元:自動車重量税の税額一覧表【乗用|2年自家用】 また重量税は「13年経過」「18年経過」のタイミングで増税されるため、古い車ほど税金が発生することも把握しておきましょう。一方、登録してから間もない車は、エコカー減税が適用され重量税が安くなるケースもあるので、販売店に確認してみてください。 環境性能割 環境性能割(旧取得税)は、購入する車の年式によって金額が異なり、取得金額が50万円以上の場合は納税する必要があります。計算式は下記のとおりです。 車両価格×90%=課税標準基準額課税標準基準額×残価率=取得価格(1,000円未満は切り捨て)取得価格×税率=環境性能割 課税標準基準額は、税務署で使われている「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」で、車の型式やグレードを基に定められた税金です。一般には公開されていませんが、目安は車両価格の90%になります。また経過年数ごとの残価率と税率は下記のとおりです。 【残価率】 1年 0.681 1.5年 0.561 2年 0.464 2.5年 0.382 3年 0.316 3.5年 0.261 4年 0.215 4.5年 0.177 5年 0.146 5.5年 0.121 6年 0.100   【税率】 自家用普通自動車 3% 軽自動車 2% 営業用自動車 2% 引用元:中古車の取得税計算方法 例えば3年式の250万円の中古車を購入した場合、下記の環境性能割が発生します。 250万円×0.9=225万円(課税標準基準額)225万円×0.316(残価率)=71万1,000円(取得価格)71万1,000円×0.03(税率)=21,330円 自賠責保険料 自賠責保険料は、加入する期間によって料金が異なります。車検が残っている場合は、「自賠責保険経過相当額」という項目で残額を月割りで払う必要があります。車検なしの場合は、24ヶ月または25ヶ月で加入する必要があるため注意してください。 12ヶ月 11,500円 13ヶ月 12,010円 24ヶ月 17,650円 25ヶ月 18,160円 引用元:【自賠責保険】自賠責保険に加入したいのですが、保険料を教えてください。 | よくあるご質問(FAQ) | 東京海上日動火災保険 上記は普通自動車の自賠責保険料です。諸費用を算出するときの参考にしてください。 リサイクル料金 リサイクル料金の相場は、7,000〜18,000円程度です。リサイクル料金とは、「自動車リサイクル法」で定める費用で、廃車処分時に前払いする必要があります。車を売る場合は、リサイクル料金が戻ってくるので、売却時の査定金額に含まれているか確認しましょう。 代行費用 代行費用は販売店に手続きを依頼した場合に発生します。販売店によって設定されている費用が異なるので、車を購入する店舗によって金額が変わることが特徴です。続いて、代行費用の相場を解説します。 車両登録代行費 車両登録代行費の相場は3万円程度です。登録に必要な書類作成や、陸運局での手続きを販売店に代行してもらう際に支払います。陸運局は平日しか手続きを行えないため、代行してもらう人が少なくありません。 車庫証明代行費 車庫証明代行費の相場は2万円程度です。警察署で行う車庫証明の発行手続きを販売店に代行してもらう際に支払います。発行には3日程度かかり、申請時と発行後の合計2回、警察署に出向く必要があります。。また陸運局と同様に、平日しか手続きが行えないので、販売店に代行してもらう人が多いでしょう。 納車費用 納車費用の相場は、販売店から近い場合は1万円程度、遠方の場合は3万円程度と納車場所によって異なります。納車費用は、購入者が指定する場所まで車を届けてもらう際にかかる費用です。販売店によっては納車整備費用も含むため、契約時に内訳を確認しておきましょう。 洗車費/クリーニング費 洗車費やクリーニング費の相場は、5万円程度です。中古車は新車とは異なり、内装や外装をきれいにするため、洗車費やクリーニング費が発生します。車の状態によって費用が変動するため、契約時に確認してみてください。 中古車の諸経費を抑える方法 登録手続きを自分でしたり、車を店舗まで取りに行ったりすれば、代行費用を抑えられます。また車検ありの車を選べば、自動車重量税を抑えることも可能です。頭金に充てられるお金が少なく、諸費用を抑えたい人はぜひ試してみてください。続いて、中古車の諸経費を抑える方法を解説します。 手続を自分で行う 陸運局での登録や、車庫証明の発行手続きを自分で行えば、車両登録代行費と車庫証明代行費を抑えられます。しかし陸運局や警察署は、平日しか手続きを行えないため、土日しか出向けない人には向いていません。家族や友人に、代行手続きをしてもらうことも可能なので、周りの人に相談してみましょう。 店舗へ取りに行く 店舗へ車を取りに行くと、納車費用を抑えられます。納車費用は、指定する場所まで車を届けるサービスのため、店舗へ取りに行けば費用は発生しません。しかし車を届けるだけでなく、納車整備費用を含んでいる店舗では、納車費用をカットできない可能性があるため注意してください。 車検ありの車を選ぶ 車検ありの車を選べば、法定費用の自動車重量税をカットできます。なぜなら自動車重量税は、車検取得時の所有者が全額払う必要があり、次のユーザーは自動車税(種別割)のように月割りで納税しなくてもよいためです。また車検なしで自賠責の保険期間を過ぎた車は、通常の24ヶ月ではなく25ヶ月で加入する必要もあるため、さらに費用がかかります。  

免許証の住所変更をしないとどうなる?期限は?罰金はかかる?
旧車売買の豆知識 2024.08.16

免許証の住所変更をしないとどうなる?期限は?罰金はかかる?

運転免許証の住所変更の期限や変更をしなかったときの罰則について知らない人も多いでしょう。今回は、免許の住所変更をしないとどうなるのか、住所変更の期限や変更に必要な書類について解説します。転居の予定があるなど、免許の住所変更が必要な人は参考にしてください。 免許の住所変更をしないとどうなる? 免許の住所変更をしないとどうなるかについて詳しく解説します。 罰金を科せられる 免許の住所変更をしないと罰金を科せられます。道路交通法121条に「次の各号のいずれか(道路交通法121条第8項)に該当する者は、二万円以下の罰則又は科料に処する」と記載されているとおり、罰金刑となる可能性があるため注意が必要です。 運転免許証更新のお知らせが届かなくなる 免許の住所変更を怠ると運転免許証更新のお知らせが届かなくなる可能性があります。更新時期になると「免許更新のお知らせ」が運転免許証に記載されている住所宛に発送されるためです。 郵便局に転居届を提出していても、郵便物転送サービスの効力は1年しかありません。免許更新のお知らせが受け取れず、更新手続きを失念する可能性があるため注意しましょう。 免許の住所変更期限は設けられていない 免許の住所変更期限は設けられていません。しかし、何らかの違反などで免許の住所変更をしていないことが発覚すると違反とみなされ、罰金が科せられる可能性があります。 道路交通法第94条(免許証の記載事項等の変更届出など)では「免許の記載事項に変更があった場合は速やかに届け出る」とあるため、「速やか=直ちに、時間をおかずすぐ」と解釈しましょう。 免許の住所変更の方法 免許の住所変更は、新住所の管轄である警察署や運転免許センターの窓口に必要書類と運転免許証を持参するだけで手続きできます。ICチップの内容変更ができる警察署や駐在所でも可能です。ただし、ICチップの内容変更ができない警察署や駐在所の場合、後日に対応が可能な警察署や運転免許センターに出向く必要があるため事前に確認しましょう。 <東京都内の例> 場所 受付時間 警察署 新住所が東京都内であればすべての警察署で平日の日中(AM8:30~PM16:30)のみ手続きが可能 運転免許更新センター 新宿と神田の運転免許更新センターで平日の日中(AM8:30~PM16:30)のみ手続きが可能 運転免許試験場 府中、鮫洲、江東運転免許試験場なら土日祝も運転免許証の住所変更が可能。平日・土・祝日はAM8:30〜PM16:30、日曜日はAM8:30〜PM12:00、PM13:00~PM16:30が受付可能時間 ※いずれも年末年始はのぞく 免許の住所変更の必要書類 免許の住所変更の必要書類は、「運転免許証」「新住所と本人確認ができるもの」「印鑑(認印・スタンプ印は不可)」です。新住所が確認できる書類はマイナンバー未記載の新住所住民票、住所変更済みのマインナンバーカード・年金手帳・健康保険証や新住所記載の公共料金領収書・消印付郵便物などが使用できます。 都道府県をまたぐ転居の場合は、地域によって申請用の写真(申請日の6ヶ月以内に撮影した運転免許証用サイズ 縦3.0cm×横2.4cm)が必要となる場合があるため事前に確認しましょう。また、外国人の方は外国人登録証が別途必要です。 免許の住所変更手続きと同時に本籍・氏名を変更する場合は、それぞれの変更が確認できる住民票があれば可能(本籍変更についてはマイナンバーカードでも可能)です。いずれの変更手続きについても手数料は必要ありません。 免許の住所変更手続きにかかる時間 免許の住所変更手続きにかかる時間は、待ち時間を除けば10分程度です。ただし、転居シーズンは警察署も混み合い、運転免許更新センターや運転免許試験場は混雑によって1〜2時間かかるケースもあるため注意しましょう。

一時抹消登録した車を再登録するときの方法とは?手続きの手順を紹介
旧車売買の豆知識 2024.08.16

一時抹消登録した車を再登録するときの方法とは?手続きの手順を紹介

一時抹消登録した車を再び走行できるようにするためには、改めて登録手続きが必要です。今回は、一時抹消登録した車を再度登録する方法について解説します。再登録の手順を知りたい方は参考にしてみてください。また、一時抹消登録の概要や一時抹消の方法についても紹介していますので、車の使用を一時的に中止したいと考えている方も最後までチェックしてください。 使用を中止した車を再度利用する場合は「中古新規登録」が必要 一時抹消登録をした車を再び公道で走行できるようにするためには、「中古新規登録」が必要です。この登録をせずに公道を走行することは違反行為となります。そのため、一時抹消登録をした車を公道で走行させたいときには、中古新規登録をしなければなりません。 中古新規登録の手続き方法 ここからは、中古新規登録の手続き方法を紹介します。車の使用を再開したい方は、手続きの手順をしっかり確認しておきましょう。 1.車庫証明を用意する まず、車を保管しておく場所を確保し、車庫証明を取得します。車庫証明を取得するのは、運輸支局で手続きする際に必要となるためです。 また、運輸支局で中古新規登録する際には、発行からおおむね1ヶ月以内の車庫証明が必要となります。登録手続き予定日から逆算して車庫証明を取得するタイミングを決めましょう。 2.新規検査を通す 次に車検を通します。ただし、一時抹消登録をした車は、車検が切れた状態となっているため、自走して運輸支局に車を持ち込んで検査を受けることができません。そのため、仮ナンバーを取得して運輸支局に持ち込んだり、レッカーで車を運搬したりします。 仮ナンバーは、市区町村の窓口で手続きすることで取得できます。ただし、仮ナンバーの申請には、車検証や自賠責保険証を用意したり、目的や走行経路などを記載した申請書を作成したりしなければなりません。また、仮ナンバーには、期限(最長5日)があり、使用の目的を終えたら仮ナンバーを速やかに返却する必要があります。 仮ナンバーを取得して車検を受ければ、車の運搬にかかる費用を抑えられるものの、手続きに手間と時間がかかります。 一方、レッカーや積載車など車を移動させられる車輌を用意している整備工場や業者に依頼すれば、費用はかかってしまうものの、車をすぐに移動できるだけでなく、車検に合格するための整備を実施することが可能です。 そのため、一時抹消登録から時間が経過してしまった車や仮ナンバー取得のための手続きが面倒と感じるのであれば、業者に依頼した方がよいでしょう。 3.運輸支局で手続きする 最後に、運輸支局で中古新規登録の手続きをします。手続きに必要な書類は、次のとおりです。 ・申請書・手数料納付書・自動車重量税納付書・登録識別情報等通知書(一時抹消登録の時に交付されたもの)・所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)・自動車保管場所証明書(車庫証明/証明の日からおおむね1ヶ月以内のもの)・保安基準に適合していることが確認できる書面(次の書類のいずれかが必要:合格印のある自動車検査票/有効な自動車予備検査証/乗用車の場合は保安基準適合証)・自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)・委任状(代理人が申請する場合)・譲渡証明書(所有者の変更がある場合) これらの書類を用意して中古新規登録の手続きをします。また、場合によっては追加書類が必要となることもあるため、手続きに必要な書類を運輸支局やポータルサイトで事前に確認しておきましょう。(自動車検査登録総合ポータルサイト「2.中古車新規登録の場合」 ) 一時抹消登録とは 一時抹消登録とは、車の使用を一時的に中止する登録です。一時抹消登録をすると、自動車税の納税を止めることができ、自賠責保険料を支払う必要がなくなります。そのため、海外出張や入院など長期間にわたり車に乗らないものの、後で再び車に乗る予定がある場合には、一時抹消登録をしておくとよいでしょう。 一時抹消登録の手続き方法 ここからは、一時抹消登録の手続き方法を紹介します。また、手続き後に交付される「登録識別情報等通知書」は、再登録(中古新規登録)の際に必要となる重要な書類です。この登録識別情報等通知書は原則として再交付できないため、紛失しないよう注意してください。それでは、一時抹消登録に必要な書類や手続き場所について解説します。 必要書類 一時抹消登録に必要な書類等は、次のとおりです。 ・一時抹消登録申請書・手数料納付書・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)・委任状(代理人が申請の場合)・自動車検査証(車検証)・自動車登録番号標(ナンバープレート)など これらの書類に加え、実印も用意しておきましょう。また、場合によっては追加書類が必要となるため、用意すべき書類を運輸支局やポータルサイトで事前に確認し、不備がないようにしておくことをおすすめします。(自動車検査登録ポータルサイト「1.登録車の場合(一時抹消登録)」) 手続きを行う場所 一時抹消登録の手続きは、管轄の運輸支局で行います。管轄の運輸支局は、住んでいる地域によって異なるため、手続き場所を間違えないよう注意してください。管轄の運輸支局がわからない場合は、自動車検査登録ポータルサイトで確認するとよいでしょう。 再登録と廃車の判断基準 一時抹消登録した車を再度登録して使えるようにするか、廃車にするか悩んだときは、次の判断基準を参考に考えてみてください。 再登録(中古新規登録)する方がよい場合 ・修理費用が高額にならない場合・希少価値が高い車の場合・多額の費用をかけても乗り続けたい場合など 廃車にした方がよい場合 ・修理費用が高額になる場合・車輌の劣化がひどく修理が不可能な場合など ※上記の判断基準はあくまでも参考程度とお考えください。

落輪したときの対処法とは?脱出方法や脱出後の点検について解説
旧車売買の豆知識 2024.08.16

落輪したときの対処法とは?脱出方法や脱出後の点検について解説

落輪とは、クルマのタイヤが道路外に落ちてしまって動けなくなることです。道路の側溝に落ちた場合だけでなく、縁石に乗り上げたり雪や泥でスリップして走行不能な状態も同じ意味として使われます。 落輪したときにどう対処すればよいのか知らない方も多いでしょう。そこで今回は、落輪したときの対処法や、落輪から脱出した後の点検などについて解説します。落輪からの脱出に不安のある方は参考にしてください。 落輪したらまず何をする? 万が一落輪してしまった場合には、まず周囲に危険な状況であることを伝える必要があります。 落輪したら早めにハザードランプをつけて、発煙筒や三角表示板を50mくらい後方に設置しましょう。発煙筒はクルマに搭載されているため、あらかじめ使い方を把握しておくと安心です。三角表示板は備え付けられておらず、カー用品店で販売されています。車載義務はないものの、事故発生時に表示しないと違反とみなされるため注意しましょう 落輪したときの対処法 続いて、落輪したときの対処法について詳しく解説します。 牽引ロープで引っ張ってもらう 雪道やぬかるみにはまってタイヤが空転する場合は、牽引ロープで引っ張ってもらいましょう。車重のあるクルマを牽引するときは、引っ張る側が大きなトルクを発揮できるクルマの方がスムーズに脱出できます。また、牽引ロープを引っかけるフックは着脱式のタイプも増えているため、普段から自分のクルマの牽引フックの場所やタイプを確認しておくとよいでしょう。 複数人で持ち上げる 同乗者や周囲の人たちの助けが借りられる場合は、複数人でクルマを持ち上げて脱出できます。持ち上げる人はケガの予防のために準備運動を行い、備えがあれば軍手などを装着しましょう。持ち上げるときに掛け声をかける人を決めておくとタイミングを合わせやすくなります。 保険会社のロードサービスを利用する 落輪の状況によっては牽引では対処できないこともあるため、ロードサービスを利用しましょう。自動車保険の付帯サービスで利用できることも多く、状況によっては無料で対応してくれます。万一のときにすぐにロードサービスを利用できるよう連絡先を控えておきましょう。 JAFに依頼する 地域や落輪状態によっては保険会社のロードサービスを利用できない可能性があります。JAFに会員登録しておくと広範囲で迅速な対応を受けることができ、簡易な作業であれば費用負担もありません。また、保険契約車ごとの適用である自動車保険のロードサービスに対して、JAFは会員証ひとつでレンタカーやバイクまで対応してくれます。 溝が浅い場合はタイヤの動力で脱出する 溝が浅い場合はタイヤの動力で脱出できます。駆動輪が地面に接していることが条件となるため、すべてのタイヤの接面状況を確認しましょう。雪道や砂面、ぬかるみなどではタイヤが滑りやすくなっているため、アクセルをゆっくりと踏んでタイヤの動力をうまく伝えることが重要です。状況によってはフロアマットや板などを敷くとよいでしょう。 自力で脱出する場合の手順は次のとおりです。 ①安全の確保 後続車の追突を避けるためにハザードランプを点灯させ、三角表示板などの停止表示器材があれば車の後方に設置します。車通りが多い道路では発煙筒などを併用するのもよいでしょう。 ②同乗者の安全確保 同乗者がいる場合は万一に備えてガードレールの外や歩道など、安全な場所に避難してもらいましょう。 ③クルマの状態を確認する 落輪箇所や他のタイヤの接面状態を確認します。溝が深い場合や駆動輪が浮いている場合は、悩まずにロードサービスや周囲の人に助けを求めましょう。 ④脱出する 脱出時に他車への衝突や歩行者への危険がないかしっかりと確認したうえで、ハンドルを脱出方向にきりながらアクセルをゆっくりと踏んで脱出します。また、デフロックが装備されている4WD車の場合は、デフロックをONにしてから脱出を試みると、スムーズに抜け出せ ジャッキで持ち上げる 協力者がいない場合はジャッキを使用して持ち上げましょう。クルマの脱輪箇所をジャッキアップして溝に板などを敷くことで脱出できます。ただし、やわらかい地面でのジャッキアップは危険なため、事前に状態の確認は念入りに行いましょう。 落輪から脱出した後は必ず点検しよう 落輪から脱出した後は安全な場所にクルマを停車させて必ず点検しましょう。側溝に落ちたり縁石に乗り上げた場合はタイヤのパンクや足回りの損傷、エンジン下部からのオイル漏れが発生する可能性があります。また、ホイールアライメントが狂ってしまうとタイヤの偏摩耗や直進安定性が悪くなるといった不具合が生じることもあるため、走行中に違和感を感じたらすぐに点検に出しましょう。

合成燃料とは?合成燃料のメリットやデメリット、今後の課題や見通しについても解説
旧車売買の豆知識 2024.08.15

合成燃料とは?合成燃料のメリットやデメリット、今後の課題や見通しについても解説

合成燃料と聞いてイメージできない人も多いでしょう。合成燃料は、カーボンニュートラルに向けた既存エンジンにも使えるクリーンエネルギーとして注目されています。今回は、合成燃料とは何か、合成燃料のメリットやデメリット、今後の課題や見通しについて解説します。既存のエンジンで環境に優しい燃料を使いたい人は参考にしてください。 合成燃料とは? 合成燃料とは、二酸化炭素(CO2)と水素(H2)を合成した「e-fuel」のことで、「人工的な原油」といわれています。 原料の二酸化炭素は工場などから排出されたものを利用するのが現状で、将来的には大気中の二酸化炭素を直接回収して再利用することが想定されています。 一方、水素は再生可能エネルギーで作られた電力により水電解を行うことで調達されます。 この2つを合成した燃料が「合成燃料」です。合成燃料を化石燃料由来であるガソリンやディーゼルエンジンの燃料に置き換えることで、CO2排出量を大幅に抑えられます。 自動車の電動化を進めて2035年までに100%の新車販売を目指す「グリーン成長戦略」には様々な課題が残っています。国際エネルギー機関(IEA)の見通しでは、2040年時点でも84%のエンジン搭載車が新車販売においての割合を占めると予想されており、エンジン搭載車両に使用する脱炭素燃料の供給が急務です。合成燃料はこの脱炭素燃料に最適な燃料とされ、世界中で実用化に向けた動きが活発化しています。 続いて、合成燃料のメリットとデメリットについて詳しく解説します。 合成燃料のメリット 合成燃料の主なメリットを2点解説します。 環境負荷が小さい 合成燃料のメリットとして、環境負荷が小さいことが挙げられます。合成燃料は発電所や工場などから排出された二酸化炭素を利用して作られる燃料です。そのため、カーボンニュートラルに貢献する燃料だといえます。 設備を変更する必要がない 合成燃料は、既存の化石燃料と同じように扱うことができるため、設備を変更する必要がありません。設備を増設したり新設したりする燃料の場合、導入に時間がかかります。速やかに導入が可能なことも、合成燃料が化石燃料に代わる燃料として注目されている理由の1つです。 合成燃料のデメリット 合成燃料のデメリットは、普及するまでのコストが高いことです。 合成燃料は、原料である二酸化炭素や水素を環境負荷がかからないように製造するためのコストが非常に高く、現在想定されている製造法ではガソリンの6倍以上ともいわれています。さらに、製造効率も非常に悪くて大量生産が難しいという課題を解決するための技術の開発が必要です。 合成燃料の課題 合成燃料の重要な課題は、コストが非常に高いことです。合成燃料はガソリンなどと同じ液体燃料のため、既存の内燃機関やガソリンスタンド設備が利用できるという面で大きなメリットがあります。しかし、製造コストと製造効率の向上がなければ、一般的に普及する販売単価には至らず需要の拡大は見込めないといえるでしょう。 合成燃料の各社の取り組み状況 合成燃料は、日本のみならず、世界各国で導入の動きが進んでいます。また、燃料を安定的に供給するために、自国での生産を進めている国もあります。 たとえばAtmosfair社は、ドイツのエムスラントでバイオガスプラントやDAC(Direct Air Capture)から得たCO2とグリーン水素を利用して、FT(Fischer-Tropsch)合成を用いて航空燃料を生産しています。再生可能エネルギー(風力・太陽光)を利用したPEM型水電解で水素を供給し、年間350tのeケロシンを生産することを目標としています。 2022年の第一四半期には定期運用が開始され、ドイツの航空会社2社に供給される予定です。このプロジェクトは、Atmosfair社の独自資金で運営され、公的資金や企業からの融資を受けていません。 参考:合成燃料に関する海外の技術動向について・期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅸ) | 脱炭素技術センター 合成燃料の今後の見通し 合成燃料は実用化に向けて着々と準備が進められています。政府は2040年までに商用化し、2050年までにガソリン価格以下のコストを実現する目標を掲げています。 ガソリンと競争するためには、さらなる技術革新と効率改善が必要です。政府による補助金や政策的な支援などの充実化により、技術開発の加速も期待できます。世界中で取り組みが進んでいることから、海外から流入した技術によって合成燃料の課題が急速に解決に向かう可能性もあります。課題は山積みではありますが、合成燃料の普及については期待できるといえるでしょう。

自動車税は月割りにできる?条件や計算方法・注意点を解説
旧車売買の豆知識 2024.08.15

自動車税は月割りにできる?条件や計算方法・注意点を解説

エンジンの排気量ごとに金額が決まっている自動車税は、月割りになるケースと月割りにならないケースがあります。また、月割りになる場合、どのくらいの金額を納税すればよいのでしょうか。今回は、購入時の自動車税の月割りや廃車時の自動車税の月割りの注意点を解説します。 自動車税が月割りになる条件は「年度途中での購入」 年度の途中でクルマを購入した場合、自動車税の負担は月割りとなります。 そもそも自動車税は、毎年4月1日時点の所有者(ローンなどで購入した場合は使用者)に課せられる税金です。 納付書は5月中旬頃に送付され、5月末日までに納付します。また、都道府県によっては、6月中旬頃までに納付書が送付され、6月末までに納付する都道府県もあります。納付書に記載されている期日までに納付しましょう。 クルマの購入や乗り換えを検討している方の中には、夏のボーナスが入ったタイミングや家族が増えたなどの理由により、年度途中で買う方もいるのではないでしょうか。また、人気車種の場合、納期までに時間がかかり、契約から半年後に納車されるといったこともあるでしょう。 さまざまな理由により、年度途中でクルマを購入した場合は、登録月から年度末分までの自動車税を所有者(ローンで購入した場合は使用者)が負担することとなります。なお、3月にクルマを購入(登録)した場合の自動車税は0円となり、5月に納税通知書が届いてから次年度分を納税します。 軽自動車税に月割りはない 軽自動車には、月割りの納税制度がありません。そのため、軽自動車を購入したときは、時期に関係なく年額分(10,800円)を支払います。普通車の自動車税と軽自動車の自動車税では扱いが異なるため月割り制度がありません。月割りで納税できるのは普通車となることも覚えておきましょう。月割りで納税できるのは普通車のみです。 自動車税の月割税額の早見表 自動車税の月割税額は、エンジン排気量と購入時期によって異なります。ここでは、エンジン排気量別月割税額を一覧で紹介します。 ■1.0L以下と電気自動車 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 29,500円 25,000円 4月登録(11ヶ月分) 27,000円 22,900円 5月登録(10ヶ月分) 24,500円 20,800円 6月登録(9ヶ月分) 22,100円 18,700円 7月登録(8ヶ月分) 19,600円 16,600円 8月登録(7ヶ月分) 17,200円 14,500円 9月登録(6ヶ月分) 14,700円 12,500円 10月登録(5ヶ月分) 12,200円 10,400円 11月登録(4ヶ月分) 9,800円 8,300円 12月登録(3ヶ月分) 7,300円 6,200円 1月登録(2ヶ月分) 4,900円 4,100円 2月登録(1ヶ月分) 2,400円 2,000円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 ■1.5L以下 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 34,500円 30,500円 4月登録(11ヶ月分) 31,600円 27,900円 5月登録(10ヶ月分) 28,700円 25,400円 6月登録(9ヶ月分) 25,800円 22,800円 7月登録(8ヶ月分) 23,000円 20,300円 8月登録(7ヶ月分) 20,100円 17,700円 9月登録(6ヶ月分) 17,200円 15,200円 10月登録(5ヶ月分) 14,300円 12,700円 11月登録(4ヶ月分) 11,500円 10,100円 12月登録(3ヶ月分) 8,600円 7,600円 1月登録(2ヶ月分) 5,700円 5,000円 2月登録(1ヶ月分) 2,800円 2,500円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 ■2.0L以下 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 39,500円 36,000円 4月登録(11ヶ月分) 36,200円 33,000円 5月登録(10ヶ月分) 32,900円 30,000円 6月登録(9ヶ月分) 29,600円 27,000円 7月登録(8ヶ月分) 26,300円 24,000円 8月登録(7ヶ月分) 23,000円 21,000円 9月登録(6ヶ月分) 19,700円 18,000円 10月登録(5ヶ月分) 16,400円 15,000円 11月登録(4ヶ月分) 13,100円 12,000円 12月登録(3ヶ月分) 9,800円 9,000円 1月登録(2ヶ月分) 6,500円 6,000円 2月登録(1ヶ月分) 3,200円 3,000円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 ■2.5L以下 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 45,000円 43,500円 4月登録(11ヶ月分) 41,200円 39,800円 5月登録(10ヶ月分) 37,500円 36,200円 6月登録(9ヶ月分) 33,700円 32,600円 7月登録(8ヶ月分) 30,000円 29,000円 8月登録(7ヶ月分) 26,200円 25,300円 9月登録(6ヶ月分) 22,500円 21,700円 10月登録(5ヶ月分) 18,700円 18,100円 11月登録(4ヶ月分) 15,000円 14,500円 12月登録(3ヶ月分) 11,200円 10,800円 1月登録(2ヶ月分) 7,500円 7,200円 2月登録(1ヶ月分) 3,700円 3,600円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 ■3.0L以下 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 51,000円 50,000円 4月登録(11ヶ月分) 46,700円 45,800円 5月登録(10ヶ月分) 42,500円 41,600円 6月登録(9ヶ月分) 38,200円 37,500円 7月登録(8ヶ月分) 34,000円 33,300円 8月登録(7ヶ月分) 29,700円 29,100円 9月登録(6ヶ月分) 25,500円 25,000円 10月登録(5ヶ月分) 21,200円 20,800円 11月登録(4ヶ月分) 17,000円 16,600円 12月登録(3ヶ月分) 12,700円 12,500円 1月登録(2ヶ月分) 8,500円 8,300円 2月登録(1ヶ月分) 4,200円 4,100円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 ■3.5L以下 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 58,000円 57,000円 4月登録(11ヶ月分) 53,100円 52,200円 5月登録(10ヶ月分) 48,300円 47,500円 6月登録(9ヶ月分) 43,500円 42,700円 7月登録(8ヶ月分) 38,600円 38,000円 8月登録(7ヶ月分) 33,800円 33,200円 9月登録(6ヶ月分) 29,000円 28,500円 10月登録(5ヶ月分) 24,100円 23,700円 11月登録(4ヶ月分) 19,300円 19,000円 12月登録(3ヶ月分) 14,500円 14,200円 1月登録(2ヶ月分) 9,600円 9,500円 2月登録(1ヶ月分) 4,800円 4,700円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 ■4.0L以下 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 66,500円 65,500円 4月登録(11ヶ月分) 60,900円 60,000円 5月登録(10ヶ月分) 55,400円 54,500円 6月登録(9ヶ月分) 49,800円 49,100円 7月登録(8ヶ月分) 44,300円 43,600円 8月登録(7ヶ月分) 38,700円 38,200円 9月登録(6ヶ月分) 33,200円 32,700円 10月登録(5ヶ月分) 27,700円 27,200円 11月登録(4ヶ月分) 22,100円 21,800円 12月登録(3ヶ月分) 16,600円 16,300円 1月登録(2ヶ月分) 11,000円 10,900円 2月登録(1ヶ月分) 5,500円 5,400円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 ■4.5L以下 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 76,500円 75,500円 4月登録(11ヶ月分) 70,100円 69,200円 5月登録(10ヶ月分) 63,700円 62,900円 6月登録(9ヶ月分) 57,300円 56,600円 7月登録(8ヶ月分) 51,000円 50,300円 8月登録(7ヶ月分) 44,600円 44,000円 9月登録(6ヶ月分) 38,200円 37,700円 10月登録(5ヶ月分) 31,800円 31,400円 11月登録(4ヶ月分) 25,500円 25,100円 12月登録(3ヶ月分) 19,100円 18,800円 1月登録(2ヶ月分) 12,700円 12,500円 2月登録(1ヶ月分) 6,300円 6,200円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 ■6.0L以下 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 88,000円 87,000円 4月登録(11ヶ月分) 80,600円 79,700円 5月登録(10ヶ月分) 73,300円 72,500円 6月登録(9ヶ月分) 66,000円 65,200円 7月登録(8ヶ月分) 58,600円 58,000円 8月登録(7ヶ月分) 51,300円 50,700円 9月登録(6ヶ月分) 44,000円 43,500円 10月登録(5ヶ月分) 36,600円 36,200円 11月登録(4ヶ月分) 29,300円 29,000円 12月登録(3ヶ月分) 22,000円 21,700円 1月登録(2ヶ月分) 14,600円 14,500円 2月登録(1ヶ月分) 7,300円 7,200円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 ■6.0L超 自動車税年額と月割り額 2019年(令和元年)9月30日以前 2019年(令和元年)10月1日以降 年額 111,000円 110,000円 4月登録(11ヶ月分) 101,700円 100,800円 5月登録(10ヶ月分) 92,500円 91,600円 6月登録(9ヶ月分) 83,200円 82,500円 7月登録(8ヶ月分) 74,000円 73,300円 8月登録(7ヶ月分) 64,700円 64,100円 9月登録(6ヶ月分) 55,500円 55,000円 10月登録(5ヶ月分) 46,200円 45,800円 11月登録(4ヶ月分) 37,000円 36,600円 12月登録(3ヶ月分) 27,700円 27,500円 1月登録(2ヶ月分) 18,500円 18,300円 2月登録(1ヶ月分) 9,200円 9,100円 3月登録(0ヶ月分) 0円 0円 自動車税の月割税額の計算方法 自動車税の月割りの計算は、排気量に応じた税額(年額)を12ヶ月で割り、残りの月数(例:10月購入なら11月から3月までの5ヶ月分)をかけた額(100円未満切り捨て)です。 例:エンジン排気量1.5Lの車を10月に購入した場合年額(30,500円)÷12ヶ月×5ヶ月分(11月~3月分)=12,700円(12,708.33の100円未満切り捨て) このように、排気量に応じた自動車税の年額がわかれば、一覧表がなくても月割りの税額を算出できます。もし、自動車税の月割計算をしたいときは、納税した年度の自動車納税証明書に記載されている金額をもとに算出しましょう。 自動車税の還付にも月割がある 自動車税は、廃車時に月割り分が還付されます。また、売却時は月割り分を売り手と買い手で分担するケースが一般的です。 廃車時の自動車税は、「抹消登録」の手続きが完了した日を基準に還付される額が算出されます。この廃車手続きが後回しになると、還付される額が減ってしまうため、廃車するときは速やかに手続きしましょう。 廃車に伴う自動車税の還付に関する手続きは特にありません。また、廃車した際の自動車税の還付の通知は、手続きの1ヶ月〜2ヶ月後に届きます。還付の通知が届くまで時間がかかることもあわせて覚えておきましょう。 クルマの譲渡・譲受の際は自動車税の分担について決めておく 車の売却をするときは、自動車税の分担を決めましょう。 一般的には、クルマを手放す月までを売り手が負担し、残りの月割税額を業者(購入者)が負担するのがほとんどです。ただし、売却に伴う自動車税の還付は義務ではありません。そのため、個人売買や友人・知人と売買する場合などは、話し合った上で分割や負担を決めましょう。 クルマの売却時に自動車税を月割りで負担する場合は、いつまで売り手負担で、いつから買い手負担にするのか細かく決め、契約書に明記しておくことが重要です。契約成立後にトラブルや揉め事にならないためにも、契約書は確実に作成し、お互いに保管しておきましょう。

自損事故で車両保険は使える?等級がどうなるかも解説
旧車売買の豆知識 2024.08.15

自損事故で車両保険は使える?等級がどうなるかも解説

自損事故は「電柱やガードレール、建物などに衝突した」「車庫入れに失敗し壁にぶつけた」といった、単独で起こす事故です。自損事故は相手がいないから車両保険が使えるのか不安という方もいるでしょう。自損事故で車両保険が使えるかどうかは、契約内容次第です。この記事では、自損事故に「車両保険が使えるのか」「等級はどうなるのか」などを詳しく解説します。 自損事故に車両保険を使えるかどうかは契約内容次第 自損事故に車両保険を使えるかどうかは契約内容次第です。車両保険は2種類あり「一般型」の車両保険に加入していれば、車の修理代が補償されます。 また「自損事故特約」や「人身傷害保険」を付帯していれば、自身がケガをしてしまった場合でも補償を受けることが可能です。同乗者がケガをしてしまった場合は「人身傷害保険」または「搭乗者傷害保険」で補償されます。 なお「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」の両方を付帯している場合は、条件を満たすことでそれぞれの特約から保険金が支払われるためより安心できるでしょう。さまざまな事態を想定し、保険内容を再度見直してみましょう。 車両保険の種類 上述したように、自動車保険には通常の「一般型」と、補償範囲が限定された「エコノミー型」の2種類があり、補償内容が異なります。続いて、一般型とエコノミー型の車両保険について解説します。 一般型 一般型の車両保険に加入していれば、自損事故を起こしても、車の修理代が補償されます。一般型の具体的な補償範囲は以下のとおりです。 ・他の自動車との事故・火災や台風などによる被害※地震、噴火、津波は対象外・飛来物との衝突・落書きやいたずら・盗難・自損事故・当て逃げ 地震や噴火、津波以外の損傷であれば、車の修理代が補償されます。ただし「エコノミー型」より保険料が高くなる点を把握しておきましょう。 エコノミー型 エコノミー型の車両保険に加入していると、自損事故による車の修理代が補償されません。エコノミー型は「車対車+a」とも呼ばれており、一般型から自損事故による補償を抜いた特約です。保険会社によっては「当て逃げ」も補償の対象外になるケースがあります。補償範囲が限定されており、一般型より保険料が安いため、月々の支払いを抑えたい人におすすめです。 自損事故への車両保険の適用による等級ダウン 自損事故を起こし車両保険を適用した場合は「3等級ダウン」となります。 その他で自動車保険を使用した場合の等級は、以下のように下がります。 3等級ダウン ・車同士の衝突・通行人や自転車と衝突・建造物と衝突・当て逃げ 1等級ダウン ・盗難・災害・落書きやいたずら・飛来物との衝突 ノーカウント ・人身傷害保険・搭乗者傷害保険・無保険車傷害特約・弁護士費用特約・個人賠償責任補償特約 等級が下がると、次年度分の保険料が上がるため、車両保険を適用するか充分に検討するとよいでしょう。なお、等級ダウンによる保険料の値上げ分より、自己負担で修理した方が安くなるケースもあるため、保険会社に「いくら保険料が上がるのか」シミュレーションしてもらうことをおすすめします。 対物賠償保険は他人の所有物を補償する 家やお店、ガードレールなどに衝突した場合、他人の所有物は「対物賠償保険」で補償されます。対物賠償保険は他人の所有物を壊し、損害賠償責任を負ったときに補償され、保険金額を自身で設定できます。 営業中の店に衝突し、建物を壊したり人をひいたりすると、1億円以上の損害賠償責任が問われるケースもあるため、安すぎる保険金額に設定しないよう注意が必要です。保険金額を2,000万円から無制限にしても数百円程度しか変わらないケースも多いため、前向きな検討をおすすめします。 また、自身が所有している建物は補償されないことも把握しておきましょう。 自損事故を起こしたときの対応の流れ 自損事故を起こしたとき「どのように対応すればよいのか」を把握しておくと、落ち着いて対処できるでしょう。具体的な流れは以下のとおりです。 1.ケガ人がいないか確認2.警察に事故の連絡※場所や壊したもの、損害の程度を報告する3.周囲に散らばった物を片付けたり、車を脇に寄せたりして危険防止措置を取る4.病院へ行く5.保険会社へ事故を報告し車両保険を適用する旨を伝える 自損事故でも警察への報告義務があるため、必ず連絡しましょう。警察へ報告しなかった場合は「3ヶ月以下の懲役」または「5万円以下の罰金」が課せられるため、注意してください。また保険金の支払いには「交通事故証明書」が必要なため、警察へ届け出をしていないと、補償がおりないことも把握しておきましょう。

車の維持費はどのくらいかかる?車を保有する際にかかる費用の一覧を解説
旧車売買の豆知識 2024.08.15

車の維持費はどのくらいかかる?車を保有する際にかかる費用の一覧を解説

車を所有する際には、車本体の価格だけでなく、自動車税(種別割)や重量税、燃料代、駐車場代、点検・整備費用、車検代など、さまざまな費用を支払わなければなりません。今回は、車にかかる費用にはどのようなものがあるのか、それぞれどのくらいの費用がかかるのか解説します。 車の維持費の内訳 車を維持するために必要な費用は、以下のとおりです。 ・自動車税(種別割)・自動車重量税・燃料代(電気自動車の場合には電気代)・駐車場代(駐車場を借りる場合)・点検・整備費用(法定点検費用・部品および交換費用)・車検代(検査費用や整備費用)など それぞれ、どの程度の費用がかかるのでしょうか。 <車種別の維持費はこちら>▼ランドクルーザートヨタランドクルーザーの維持費は高い?費用の内訳や目安を解説 ▼スカイライン日産 スカイラインの維持費はどのくらい?費用の内訳や目安を解説 ▼フェアレディZ日産 フェアレディZの維持費は高い?費用の内訳や目安を解説 自動車税種別割・軽自動車税種別割 自動車税種別割・軽自動車税種別割は、4月1日時点の所有者または使用者が1年に1回納税する税金です。 税額は、登録車(普通車)と軽自動車で異なります。登録車(普通車)の場合は、エンジンの排気量に応じて税額が異なります。一方、軽自動車は税額が一律です。それぞれの税額は次のとおりです。 エンジン排気量 2019年10月1日以降の登録 2019年9月30日以前の登録 〜1,000ccと電気自動車 25,000円 29,500円 1,000cc超〜1,500cc以下 30,500円 34,500円 1,500cc超〜2,000cc以下 36,000円 39,500円 2,000cc超〜2,500cc以下 43,500円 45,000円 2,500cc超〜3,000cc以下 50,000円 51,000円 3,000cc超〜3,500cc以下 57,000円 58,000円 3,500cc超〜4,000cc以下 65,500円 66,500円 4,000cc超〜4,500cc以下 75,500円 76,500円 4,500cc超〜6,000cc以下 87,000円 88,000円 6,000cc〜        110,000円 111,000円 軽自動車 10,800円(2015年4月1日以降の登録) 7,200円(2015年3月31日以前の登録) 自動車税が軽減されたり重課されたりする車がある 自動車税は、新規登録から一定の期間が経過すると、税の負担がおおむね15%重く(重課)なります。 ガソリン車の場合は新規登録から13年以上経過した車が重課の対象となり、ディーゼル車の場合は新規登録から11年以上経過すると重課となります。 一方、排出ガス性能や燃費性能が優れる車は、新規登録された翌年度1回のみ、税率がおおむね75%低く(軽課)なります。 重課された場合の税額と軽課された場合の税額は次のとおりです。 エンジン排気量 重課された場合の税額 軽課された場合の税額 軽自動車 12,900円 2,700円 〜1,000cc 33,900円 6,500円 1,000cc超〜1,500cc以下 39,600円 8,000円 1,500cc超〜2,000cc以下 45,400円 9,000円 2,000cc超〜2,500cc以下 51,700円 11,000円 2,500cc超〜3,000cc以下 58,600円 12,500円 3,000cc超〜3,500cc以下 66,700円 14,500円 3,500cc超〜4,000cc以下 76,400円 16,500円 4,000cc超〜4,500cc以下 87,900円 19,000円 4,500cc超〜6,000cc以下 101,200円 22,000円 6,000cc〜 127,600円 27,500円 ※重課される税額は2019年9月30日以前に新車登録された場合の税額をもとに算出※軽課される税額は2021年から2025年に新規登録された自動車が対象 駐車場代 駐車場代は、駐車場を借りる場合にかかる費用です。駐車場の月額費用の相場は立地によって異なります。2023年11月時点における全国平均の月極駐車場1ヶ月あたりの費用は1万343円です。 参考:全国の月極駐車料1か月 価格推移 車検代 車検代には、車検基本料と法定費用に加え、交換部品費用や付け替え工賃などが含まれます。 車検費用の内訳 費用内容 車検基本料 ・点検料 ・検査料 ・代行手数料 ※ディーラーでの相場は6万円~8万円 法定費用 ・自動車重量税:後述 ・自賠責保険料:1万7,650円(24ヶ月) ・印紙代:1,800円 部品交換費用等 ・交換部品代 ・部品交換工賃 車検基本料は、点検料、検査料、代行手数料の合計です。車検基本料の料金は業者ごとに異なります。ディーラーで車検を受けた場合、車検基本料は6万円から8万円が相場です。 法定費用は、自動車重量税、自賠責保険料(24ヶ月分)、印紙代の合計となります。自動車重量税は、自動車の重量によって税額が異なる税金です。詳しい税額については後述します。 自賠責保険料は、法律によって保険料が決められています。そのため、どの保険会社を通じて加入しても保険料は同じです。2023年4月1日時点における自賠責保険料は24ヶ月で1万7,650円となっています。 印紙代は、車検の法定手数料です。印紙代の金額は検査の方法によって異なります。ディーラーで車検を受けた場合、保安基準適合証の提出に分類されるケースが多いため印紙代が1,800円です。 交換部品費用や付け替え工賃は、部品交換が発生した場合にかかる費用です。日頃から手入れをしていて車検時に部品交換する必要がない場合には、交換部品費用および付け替え工賃は発生しません。しかし、部品交換やタイヤ交換などをした場合は、その分の費用がかかります。部品交換の必要性や費用については、車検を依頼する業者に相談したり確認したりしてください。 自動車重量税 自動車重量税は、自動車の重量に応じて課税される税金です。車検を受けるタイミングで有効期限分をまとめて支払います。また、自動車重量税には、排出ガス性能および燃費性能に優れた自動車に対して、免税・軽減する制度「エコカー減税」があります。それぞれの税額は次のとおりです。 自家用乗用車(継続検査)2年 基準の税額 エコカー減税対象車(本則税率) 軽自動車 6,600円 - 0.5t以下 8,200円 5,000円 〜1.0t 16,400円 10,000円 〜1.5t 24,600円 15,000円 〜2.0t 32,800円 20,000円 〜2.5t 41,000円 25,000円 〜3.0t 49,200円 30,000円 新規登録から一定期間経過した車の場合、自動車重量税が重課されます。自動車重量税が重課されるのは、新規登録から13年経過したときと18年経過したときです。重課後の自動車重量税額は次のとおりとなります。 自家用乗用車(継続検査)2年 13年経過した場合 18年経過した場合 軽自動車 8,200円 8,800円 0.5t以下 11,400円 12,600円 〜1.0t 22,800円 25,200円 〜1.5t 34,200円 37,800円 〜2.0t 45,600円 50,400円 〜2.5t 57,000円 63,000円 〜3.0t 68,400円 75,600円 燃料代 燃料代は、車種ごとに燃費(電気自動車の場合は電費)が異なるため、毎月かかる費用が違います。ここでは、参考として平均ガソリン価格と、燃費8km/L・12km/L・16km/L・20km/Lの車の1ヶ月あたりの燃料代を掲載します。 【2024年1月15日時点の全国平均ガソリン価格】・1Lあたり175円※レギュラーガソリンとハイオクガソリンを合算した平均ガソリン価格 【燃費別1ヶ月あたりのガソリン代】<条件>・1ヶ月に1,000km走行する場合として算出・ガソリン単価は全国平均価格(175円/L)をもとに算出・小数点以下切り捨て ■燃費8km/Lの車の場合:2万1,875円(内訳:1ヶ月あたりに必要なガソリン量=125L)■燃費12km/Lの車の場合:1万4,525円(内訳:1ヶ月あたりに必要なガソリン量=83L)■燃費16km/Lの車の場合:1万850円(内訳:1ヶ月あたりに必要なガソリン量=62L)■燃費20km/Lの車の場合:8,750円(内訳:1ヶ月あたりに必要なガソリン量=50L) 故障や破損による部品交換 車を使っていると、故障、破損、劣化など、さまざまなトラブルや不具合に見舞われることがあります。 車のトラブルや不具合をそのまま放置しておくと、故障部位が拡大したり、関連部品の故障や破損などを引き起こしたりすることがあるため、早めに対処することが大切です。車に不具合や違和感があるときは早めにディーラーや整備工場に持ち込み、トラブルや不具合の原因を探り、必要に応じて部品交換や整備をしてもらうようにしてください。 なお、部品の交換や付け替えにかかる費用や工賃は、交換する部品や付け替えにかかる時間によって異なるため、ディーラーや整備工場の担当者に確認しましょう。 参考までに車を維持する際に必要となる部品交換の一部を紹介します。 定期的に交換が必要となる部品は、エンジンオイルやオイルフィルター、タイヤなどです。また、長期間にわたり同じ車に乗り続ける場合には、タイミングベルト、ウォーターポンプ、オルタネーターなどの交換も必要になるでしょう。 車種によって費用は異なりますが、駆動方式がFFの普通乗用車で1年間にかかる部品交換代の目安は以下のとおりです。 ・エンジンオイルを交換:1万円/年・タイヤを交換:4年に1回実施で5万円→1万2,500円/年 ・タイミングベルト、ウォーターポンプ交換:10年または10万㎞に1回実施で7万8,000円→7,800円/年・オルタネーター交換(リビルド品):10年または10万㎞に1回実施で4万円→4,000円/年・カーエアコンコンプレッサー交換(リビルド品):10年または10万㎞に1回実施で7万円→7,000円/年 車の1年間の維持費 ここまで、自動車税(種別割)、車検代、駐車場代、燃料代など、車にかかる費用について解説してきました。車を維持するためには、1年間で約34万円かかります。この費用の内訳は次のとおりです。 【1年あたりの維持費(エンジン排気量1.5L、車輌重量1.5t未満の車の場合)】・自動車税:3万500円・車検代:5万2,025円(2年分:車検基本料6万0,000円+法定費用4万4,050円=10万4,050円の半額)・駐車場代:12万4,116円(1ヶ月あたりの全国平均価格1万343円×12ヶ月)・燃料代(燃費16km/Lとした場合):13万200円(1ヶ月あたりにかかる燃料代1万850円×12ヶ月)・部品代:4万1,300円 合計=37万8,141円(部品交換抜きの合計=33万6,841円) 車の毎月の維持費 1年で37万8,141円の維持費がかかる車の1ヶ月あたりの費用負担は約3万1,500円です。この費用には車の故障や劣化などによる部品交換費用が含まれており、もしトラブルが少なければ負担額はさらに下がります。 まとめ 車を維持するためには、税金、燃料代、車検代、駐車場代など、さまざまな費用がかかります。 また、新規登録から一定の期間が経過すると税金が重課されるため、中古車を購入するときや旧車を買うときは税額にも注意する必要があります。車の維持費を理解したうえで、所有するかどうかや車種などを検討しましょう。

クルコン(クルーズコントロール)とは?どんな機能なのか紹介
旧車売買の豆知識 2024.08.15

クルコン(クルーズコントロール)とは?どんな機能なのか紹介

運転の疲労を軽減する支援システムのひとつであるクルーズコントロール(クルコン)とは、どのような機能なのでしょうか。今回は、クルーズコントロールの機能を解説するとともに、近年主流の全車速追従機能付クルーズコントロールについても紹介します。 クルーズコントロール(クルコン)とは クルーズコントロール(クルコン)は、車を一定の速度で走行させる機能です。各メーカーで名称が異なるうえに、機能にも違いがあります。そのため、クルーズコントロールを使うときは、どのような機能なのか正しく理解しておく必要があります。 各自動車メーカーのクルコンの名称 クルーズコントロールの名称は、車線逸脱防止機能や前車との車間距離を一定に維持する機能などの追加によって、各メーカーごと名称が異なります。 例えば、日産の場合は「インテリジェントクルーズコントロール」、トヨタの場合は「レーダークルーズコントロール」というように、独自の名称を使っていることもあれば、「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」と広く使われている名称となっていることもあります。 追従型クルーズコントロールとの違い 従来のクルーズコントロールは、速度を一定に維持し続けるだけの機能であり、前車と一定の車間距離をキープしたり減速や停止したりすることはできませんでした。 近年主流になっている追従式クルーズコントロールや全車速追従機能付クルーズコントロールは、前車との車間距離を検知して加減速したり前車が停止すると自車も停止したりするなど、さまざまな運転支援システムを組み合わせた機能に進化しています。 クルーズコントロール(クルコン)の主な利用シーン クルーズコントロールは、一定速度で走行する場面で使うことを想定した機能です。主な利用シーンは次の2場面となります。 高速道路 高い速度かつ一定速度で走行する時間が長い高速道路では、クルーズコントロールが役立ちます。 クルーズコントロールは、高速道路の交通状況が良いときに運転疲労を軽減する機能として有効です。ただし、種類によって機能が異なるため、搭載しているクルーズコントロールが対応できる速度(例:30km/h〜100km/hなど)や、前車を検知する機能の有無、渋滞時のサポートの可否などを確認したうえで利用しましょう。 道幅が広い国道 道幅が広く歩行者や自転車の飛び出しの危険が低い幹線道路でもクルーズコントロールが役立つときがあります。ただし、クルーズコントロールの多くは高速道路での利用をメインとしているため、一般道路で使用する際はご自身の判断で使うようにしてください。 クルーズコントロール(クルコン)のメリット クルーズコントロールにはどのようなメリットがあるのか紹介します。 運転中の疲労を軽減できる クルーズコントロールは、長距離・長時間運転の疲労を軽減できます。 高速道路では、アクセルを一定量踏みっぱなしになることが多いため足腰が疲れやすいです。クルーズコントロールがあれば、このような運転による疲労を軽減することができるため、高速道路を使って移動することが多い場合には、クルーズコントロール付きの車を選ぶとよいでしょう。 スピードの出し過ぎを抑制できる クルーズコントロールは、設定した速度を維持するのが主な機能です。そのため、アップダウンがある場所での速度の出しすぎを防止することができます。 ただし、全車速追従機能付クルーズコントロールでは、急な下り坂を障害物と検知する可能性もあるため、走行する場面に応じてクルーズコントロールのオン・オフを切り替えるようにしましょう。 クルーズコントロール(クルコン)の使い方 クルーズコントロールは、ウインカーレバーやワイパーレバーなどの下に付いているレバーやステアリングスイッチによってオンにしたりオフにしたりします。 メーカーや車種によって操作方法や機能が異なるため、クルーズコントロールを使うときは取扱説明書で使い方や条件などをよく調べてから使いましょう。 クルーズコントロール(クルコン)の搭載車種 クルーズコントロールが搭載されている主な車種は、次のとおりです。 トヨタ クラウン、アルファード、プリウス など 日産 セレナ、スカイライン、エクストレイル など ホンダ N-BOX、シビック、ヴェゼル など その他にも、国産車・輸入車ともにクルーズコントロール搭載車が多くあります。また、車種や年式などによってバージョンが異なることもあるため、クルーズコントロールを頻繁に使うのであれば、機能の限界やバージョンの確認もしておきましょう。

自動車取得税が廃止!自動車取得税の内容や新たに導入された環境性能割についても解説
旧車売買の豆知識 2024.08.15

自動車取得税が廃止!自動車取得税の内容や新たに導入された環境性能割についても解説

消費税の引き上げと同時に自動車取得税が廃止されました。車の購入時にかかる自動車取得税が廃止されたことは、消費者にどのような影響を与えるのでしょうか。今回は、自動車取得税の廃止と新たに導入された環境性能割について解説します。車の購入を検討中の方は参考にしてください。 2019年10月1日以降は自動車取得税が廃止 1968年に施行され、50年以上続いた自動車取得税が廃止されました。自動車取得税は、自動車を購入する時に取得価額に応じて課税される地方税です。取得価額が50万円を超える自動車(税率は自家用自動車3%、営業用自動車・軽自動車2%で特例措置対象車は軽減や控除あり)の購入に際して取得者に課税されます。 【自動車取得税額計算式】自動車の取得価額(課税標準基準額)× 税率 取得価額とは、実際の自動車購入費ではなく、「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧」に記載された基準額に経過年数に応じた残価率を乗じた額です。 自動車取得税の代わりに環境性能割が導入された理由 自動車取得税の廃止に伴い、環境性能割が導入されました。環境性能割とは、自動車の燃費性能などに応じて取得時に課税される地方税です。環境への影響が少ない車ほど非課税や税率が軽減されるのが最大の特徴といえるでしょう。税率は自家用自動車で0〜3%、軽自動車は0〜2%となります。 燃費性能に優れた車が市場に増えているため、部分的に見れば自動車取得時の税負担が環境性能割の導入で軽減されたと考えらます。尚、自動車取得税と同じく取得価額50万円以下の車には課税されません。 環境性能割が導入された背景には3つの大きな理由があります。 消費税率の引き上げによる買い控えの抑制 消費税が8%から10%に引き上げられると自動車の販売数が激減するため、新型コロナウィルス感染症緊急経済対策の臨時的軽減措置(1%軽減)の時限的(2021年3月31日まで)な施策と合わせて施行されました。車の購入時にかかる税の総額は、燃費性能により実質的に軽減された内容となります。 道路特定財源制度が廃止されたことによる問題への対策 自動車取得税は、道路特定財源制度の目的税として定められていました。道路特定財源とは、車の利用者が道路の維持・整備費を負担する受益者負担の原則に基づいた財源です。自動車取得税は、自動車重量税やガソリン税などといった税目と同様に、かつては道路の維持管理のために活用されていました。しかし、2008年度で道路特定財源制度が廃止され、目的税から普通税に改正されたことによる問題や批判の声が多く、環境性能割がその解決策になったといえます。 世界的な環境問題に対応 地球規模で二酸化炭素の排出量を抑制する大きな動きがあり、各自動車メーカーは以前より環境にやさしい車の開発に力を注いでいます。環境性能割は、2030年度燃費基準に対しての優遇制度をつくることで、二酸化炭素排出量の少ない車の購入を推進させる狙いがあります。国内外で抱える問題(道路特定財源の廃止や地球環境問題の解決)に幅広く対応した施策だといえるでしょう。 環境性能割の税率・計算方法 環境性能割の税率は、2030年度の燃費基準に基づいて定められています。   自家用自動車 軽自動車 営業用自動車 電気自動車やPHV、天然ガス自動車など 非課税 非課税 非課税 2030年度基準85%達成車 非課税 非課税 非課税 2030年度基準75%達成車 非課税 非課税 非課税 2030年度基準60%達成車 2% 1% 1% 上記以外もしくは2020年度基準未達成車 3% 2% 2% ※ディーゼル車は2030年度燃費基準の達成率が60%以上で非課税、60%未満で3% 環境性能割の計算は、原則として下記の計算式により算出します。 ①自動車の取得価額を算出新車........取得価額 = 課税標準基準額 + オプションの価格中古車........取得価額 = 課税標準基準額 + 残価率(経過年数による指標) ②取得価額から環境性能割を算出それぞれの取得価額に税率を乗じたものが環境性能割の金額となります。環境性能割 = 取得価額 × 税率 環境性能割の臨時的軽減は終了済み 新型コロナウィルス感染症緊急経済対策の臨時的軽減措置は、一度延長された後に2021年3月31日をもって終了しています。自家用の乗用車(普通車、軽自動車とも)の購入時に環境性能割の税率がさらに1%軽減されるという内容です。 車関係の税金は随時見直されている 車関係の税金は随時見直しをされており、自動車税では燃費性能基準によって非課税や0~2%の軽減、グリーン化特例で75%軽減になる施策があります。燃費性能に基準をおいていることが多く、維持費を抑制する効果があるため燃費にすぐれた車を購入しやすくなったといえるでしょう。

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