ライフスタイル

生産終了から20年!? いつから「旧車」と解釈されるのか?
ライフスタイル 2022.12.19

生産終了から20年!? いつから「旧車」と解釈されるのか?

私はZ32専門店を営んで25年になります。 当初、Z32は新車でも売っていましたし、スタイルからして、いつまでも色褪せない現役のスポーツカーだと思っていました。 しかし、この10年で徐々に旧車感が増し、残念ながら今や立派な旧車になってしまいました。 そもそも、「旧車」というワード、今は普通に使っていますが、比較的最近のもので、定義が曖昧なものだと思っています。 一般的には「古い車=旧車」です。よくいえば、「長く生き抜いてきた車=旧車」です。 一体、いつから旧車といわれるのでしょうか? Z32を例に、乗り続けるオーナー様にリスペクトしながら考えていました。 ■2世代以上「型落ち」になった Z32の生産終了後、22年が経ちます。 その後、Z33⇒Z34⇒新型Zへとモデルチェンジを重ねています。 実質3代前の「型落ち」ですから、流石に「旧車」というくくり(扱い)なってきます。 それでも、その型に拘って乗り続けるってすごいことですよね? ■生産終了後、20年経った 「十年一昔」といいますが、その2倍ともなれば、時代もすっかり変わっています。 クルマも進化して。今や電気自動車の時代ですから、流石に「旧車」となってきます。 それでも、乗り換えせずに乗り続けるってすごいことですよね? ■「最近見なくなった」「懐かしい車」といわれるようになった 「最近めっきり見なくなったなぁ」とか、「懐かしいクルマだなぁ」といわれるようになると、流石に「旧車」となってきます。 化石化扱いされても乗り続けるってすごいことですよね? ■修理が増え、レッカーで搬送されるようになった 長く乗っていると、オルタネーターがダメになったり、エアコンが効かなくなったり、経年劣化が進んできます。 レッカーで搬送される場面が増えてくると、流石に「旧車」となってきます。 それでも直しながら乗り続けるってすごいですよね? ■純正部品がなくなってきた 生産終了から10年はメーカーが純正部品を供給してくれますが、それを過ぎた頃から製廃(製造廃止)が増えてきます。 純正部品がなくなってくると、流石に「旧車」となってきます。 それでも諦めずに乗り続けるってすごいことですよね? ■ボディや下廻りの劣化がひどくなってきた 経年劣化で、ボディの塗装が剥がれてきたり、下廻りが錆びてくれば、流石に「旧車」となってきます。 オールペンしたり、レストアをしてまで乗り続けるってすごいですよね? ■ディーラーさんで修理を嫌がられるようになった 修理は近くのディーラーさんを頼りたいものですが、修理を嫌がられたり断られるようになり、乗り換えを勧められるようになると、流石に「旧車」となってきます。 それでも遠くの専門店を頼って乗り続けるってすごいことですよね? ■結果、旧車になりえるクルマは「名車」となる! 総じて考えてみると、旧車になりえるクルマは、どれも名車となっています。 その車を守るファンと専門店によって残り続け、その時代を懐かしく思い出させてくれます。 これからも「旧車=名車」が増えることを期待しています。 ・ホームページhttp://www.Z32-Zone.com/ ・Facebookhttps://www.facebook.com/pages/Fairlady-Z32-Proshop-Zone/286263454768481 ・Instagramhttps://www.instagram.com/Z32_Zone.omura/ ・YouTubehttps://www.youtube.com/user/ZoneZ32 [ライター・撮影/小村英樹(Zone代表)]

絶対楽しい旧車ライフ超入門!!その4 旧車仲間の見つけかたとは?
ライフスタイル 2022.12.16

絶対楽しい旧車ライフ超入門!!その4 旧車仲間の見つけかたとは?

■旧車といってもイロイロ。まずは愛車のカテゴリーを理解しよう 旧車といっても、そのボディタイプやエンジン形式、使用燃料や駆動方式、年代、メーカー、生産国など、イロイロな分類基準がある。 このページで扱うのは国産車なので日本車限定だが、国内生産車と海外生産車、輸出国からの逆輸入車などに分類することもできるから意外と複雑だ。 特に逆輸入車の場合、国内モデルと仕様が大きく異なるものも少なくない。 例えばフェアレディ2000。 1967年から70年まで生産されたクルマで、大多数がアメリカに輸出されている。 ボクのフェアレディもアメリカからの帰国子女だから当然左ハンドル。 だけど国内仕様との差はそれだけではない。 輸出モデルでは、キャブレターがソレックスからSUに変更され、オイルパンも大容量7リットルのアルミ製フィン付きではなく、SP時代と同様フィンのない4リットルの鉄製であり、カムの仕様も異なる。 ノーマル状態のUS仕様SRL311は、スポーツカーのスタイルを持ちながら普通の乗用車のような乗り味。 逆に日本国内仕様のSR311は、当時の言葉で表現するなら「レーシー」な乗り味に溢れるスパルタンなジャジャ馬というセッティングだ。 ▲ミクニ製ソレックスツインキャブレターは、国内仕様SR311に標準装備されている。独特の吸気音はマニアにとってたまらない魅力。US仕様では、扱いやすさに優れるSUツインキャブが標準だ ▲国内仕様に標準のアルミ製フィン付オイルパン。7リットル級の大容量で、ホットな走りを支えてくれる。US仕様の標準は、SPと同じオイルパンで、フィンを持たない鉄製。容量も4リットルになる つまり、ノーマル状態前提で乗り味を基準に分類するなら、同じフェアレディ2000でも、SRL311とSR311は異なるグループになるといえるわけだ。 ちなみにボクのはUS仕様のSRL311だが、エンジン仕様はオイルパンも含め国内仕様に変更しているので、SRLグループではなくSRグループといえるだろう。 これらをふまえて仲間を探すなら、キーワードはオープン2シーター、60’sカー、ダットサン、スポーツカー、フェアレディ、クラシックカーなど。 少々話がズレてしまったが、細かく分類し、それに近いカテゴリーのグループとの接点を含めて考えれば、どういう車種が仲間となるのかが見えてくる。 さらにはそのオーナーも指向にも共通点が見出せるはずだ。 まぁ、この分類ってのは文字にするとややこしいし堅苦しいものだけど、一般的には感覚的に分類を捉え、やがてその「ニオイ」を嗅ぎ分けるようにグループを形成していくわけだ。 ■具体的な仲間探し。インターネット・バージョン ではどのように仲間を探すのか? 今の時代でもっとも手軽で有効な方法はインターネットの活用だろう。 ボク自身も、最近手に入れた83年型フェアレディZターボ2by2に関しては、元々興味を持っていないクルマだったから、知り合いもいなければ同好の仲間もいない。 そこで最初に起こした行動は、facebookでのグループ探しだ。 まずは、S130型フェアレディZで検索。 この車種に特定したグループだから迷いがない。 すると3件のグループが登録されていた。 その中で唯一の国内サイトである「Firlady S130 Owner’s Netwaork」にアクセスし、参加申請したわけだ。 そこで愛車の写真とともに初投稿のご挨拶を済ませたのだが、 圧倒的少数だと思っていた2by2で逆マンハッタンカラーのターボ車オーナーを、あっという間に2名確認することができた。 S130Zミーティングの案内もあり、参加すれば、ネット上のバーチャルワールドではなく、リアルワールドでの仲間と出会えるはずだ。 また、実用上不便を感じていた欠品パーツについて問い合わせたら、その日のうちに何人もの仲間から純正パーツの代用品情報が得られ問題解決。 信頼している、旧い日産車を得意とするメインテナンスショップでも、社外品の流用パーツに関する情報はなかっただけに、同好の仲間達との繋がりの大切さを痛感したことは記憶に新しい。 ボクが検索したのはfacebook内のグループだけだけど、他のバーチャルワールドでも、検索してみればイロイロ出てくるに違いない。 ■具体的な仲間探し。リアルワールド・バージョン リアルワールドで仲間と出会うなら、愛車に参加資格がある各種イベントに参加するのが一番。 そのためにも、愛車のカテゴリーをシッカリ確認しておきたい。 ここでは、ボクが最近手にいれ、日常のアシとして活用中のデカレディこと83年型フェアレディZターボ2by2(GS130型)を例に、一緒に考えてみよう。 まず、S130型フェアレディZの経歴と特徴を確認する。 1.デビューは1978年。当初のエンジンは、電子制御燃料噴射装置を採用したL20E型とL28E型だった。 2.大きく重くなったボディには、L28E型エンジン車がベストマッチだったが、当時の日本では3ナンバー車となると、自動車税が5ナンバー2リッター車の約2倍となるため、国内の主力はL20E型。ノーマル状態では、パワー、トルク共に非力さが目立った。 3.エンジンは非力だが、大容量80リットルのガソリンタンクを持ち、高速巡行なら800km級の航続距離を誇っていた。 4.1980年には、国産車初のTバールーフ車を追加。81年秋にマイナーチェンジ。82年10月には国産初の超ワイドタイヤ「215/60R15」を標準としたL20ET型ターボエンジン車を追加し、83年9月のモデルチェンジによりZ31型へとバトンを渡した。 5.なお、対米輸出モデルには、81年から、2800ccのL28ET型ターボエンジンが追加されたが、国内には導入されていない。 6.全輪ディスクブレーキの採用、セミトレーリングアーム式リアサスペンションに変更、一部グレードだが、パワーステアリングやパワーウインドウの採用、そしてセンターピラー付とするなど剛性を強化したボディ、サッシュレスのドアなど、S30型から総合的に進化している。 これがS130型フェアレディZの大雑把な経歴と特徴。 生産年次が70年代末から80年代初期のモデルだから、ネオクラシックカーと呼ばれるカテゴリーに属するクルマといえる。 ▲「旧いクルマ」という緩い縛りの展示型イベント。この日は、50’sカーから90’sまで、多様な車種で賑わっていた クラシックカー関係のイベントで、「79年までに生産されたクルマ、またはその同型車」という参加資格を見かけるが、S130型フェアレディZはそのあたりに該当するわけだ。 また、フェアレディ一族であるから、当然、オールフェアレディといったイベントにも参加できるだろう。 もちろん、もっと緩い、自動車趣味人なら誰でもどうぞ、みたいな集まりも各地で開催されている。 こうしたイベントは、マイカーとともに参加するのが一番だ。 しかし、見学に行くだけでも、仲間を見つけたり、同時開催のフリマなどでパーツやアクセサリーを見つけたりするチャンスなので、積極的に参加したいものだ。 ▲展示型のイベントは、見学者も多数いるので出会いのチャンスが多い。参加するのが一番だけど、見に行くだけでも楽しめる ■愛車で走り回るだけでも出会いがある! 仲間を見つける目的ではなくても、単純に愛車で走り回ることも仲間の輪を広げるために有効な方法といえる。 走行中に同好の趣味人とすれ違ったり、信号待ちで声をかけられたり、なんてケースも少なくないからだ。 実際、たまたま寄ったコンビニとか、高速道路のSAやPAで話しかけられ、一緒にツーリングしたり、まったく別のイベント会場で再会、なんてことも少なくない。 ▲たまたま寄ったコンビニで偶然一緒になった旧車たち。こういう出会いは意外と多い さらにいえば、乗っていたクルマを譲って欲しいと懇願され、譲ったこともある。 よくクルマ好きが集まる喫茶店や、ワインディングロードに近いレストランなど・・・。 旧車ファンに人気のスポットに行くのも、出会いのチャンスを広げる効果的な方法だ。 それがどこにあるかは、事前にインターネットで調べればよい。 リアルワールドの出会いは外に出ることが大切だ。 さらに行動に高効率を求めるなら、インターネット検索などバーチャルワールドを活用する、ハイブリッド方式が有効といえるだろう。 と、ほぼ原稿を書き終えた時点で、デカレディに乗り、公共料金を払いにコンビニに寄ったら、フィガロとラシーンをアシに使う趣味人に声をかけられ名刺交換(笑)。 旧車に乗って走り回ると、必然的に同好の仲間や、昭和世代に憧れる人々を寄せ付けてしまうようだ。 [撮影&ライター/島田和也]

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.6
ライフスタイル 2022.12.09

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.6

■第6回 ~アルミ弁当箱と旧車の意外な関係~ どうも!「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスでございます。 「旧車王」連載6回目となりました今回も「アルミ弁当箱と旧車の意外な関係」を語って行きたいと思います! ■アルミ弁当箱に描かれない車両たち その2 アルミ弁当箱には、特撮やアニメ、漫画などたくさんのヒーローが描かれます。 そして、そのヒーローを助ける人間たちの武器や戦闘用のメカ等も描かれるわけです。 そのなかでも比較的多いのは空を飛ぶ戦闘機。 しかし、活躍が地味(?)な車両は描かれていることが少ないようです。 今回もあえてそんな車両たちに注目して行きたいと思います。 前回冒頭で少しだけ紹介した「帰ってきたウルトラマン」に登場する「マットビハイクル号」に今回はスポットを当ててみましょう。 ▲写真提供/城井康史氏 ■生まれて来たときからすでに特撮車両のようなスタイリング~ ウルトラシリーズのアルミ弁当箱のスタートは、意外にも「帰ってきたウルトラマン」です。 「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」のアルミ弁当箱は私自身、いまだに見たことがありません。 なぜそうなったか?さえも今となっては知る人もほとんどいません。 そのため、私が会長を務める「日本アルミ弁当箱協会」お得意の「想像と妄想」で語るしかないのです。 それはさておき「帰ってきたウルトラマン」で登場した「コスモスポーツ」は、当時の子どもたちにとって「特撮用」のクルマと思っていたほどスタイリッシュかつカッコイイと映っていたのではないでしょうか 「帰ってきたウルトラマン」のアルミ弁当箱は5種類ほど確認されており、90年代に「駅弁」として販売されたものも加えると6種類あります。 しかし、そのどの図柄にも「マットビハイクル」は描かれていません。 そういえば、現存するお弁当箱の描かれている車両は「オペルマンタ(レッドバロン)」と「フィアットX1-9(ジャッカー電撃隊)」は輸入車です。 また「バロム1(SR311)」は原型がわからないほどの改造車両。 「ストラダ5(トライシャーク)」に至ってはベース車両すらわかっていないことを考えると、ベース車両が国産の一般車両とわかることが「版権」等に関わってしまい、当時アルミ弁当箱に描かれなかったのかもしれません。 当時のアルミ弁当箱を製造・販売する企業は、子どもたちの熱望するものと「大人の事情」で図柄にできなかったものを狭間で考え、工夫をしたうえで私たちに楽しいお弁当時間を提供してくれていたのかも知れませんね。 ▲写真提供/城井康史 そんなことを想像させてくれたのが今回の「コスモスポーツ」だったような気がします。 次回もアルミ弁当箱を通し斜めから見た旧車をお送りいたします。 ■12月11日(日)「アメイジング商店街5 and すーぱーレトロEXPO 出張版」にてアルミ弁当箱展示予定! まったく脈絡のないコラムではありますが、「旧車王」ともども「マツドデラックスコレクション アルミ弁当箱図鑑」もよろしくお願いいたします。 また、アルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方もぜひお声をかけてください。 次回はイベントは12月11日(日)に開催される「アメイジング商店街5」です。場所は「東京都立産業貿易センター浜松町館」にて展示予定です。 よろしくお願いいたします! ●「アメイジング商店街5 and すーぱーレトロEXPO 出張版」 開催日:2022年12月11日(日) 会場:東京都産業貿易センター浜松町館2F(東京都港区海岸1-7-1/竹芝駅[西口]から徒歩約3分)時間:10:30(先行入場) 11:00〜16:00主催:マクラウド 代表:白石知聖https://www.macleod.jp/amezing5form/ ●日本アルミ弁当箱協会会長「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 」出版への道https://www.qsha-oh.com/historia/article/matsudo-bangai-1/ ※アルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方も是非お声をかけてください。 ●日本アルミ弁当箱協会ホームページhttps://kyokai.fans.ne.jp/arumibenntou/ ●Twitterhttps://twitter.com/keisuke38922 [撮影/ライター・マツド・デラックス(山本圭亮)]

25年使って感じた「インターネットがカーライフにもたらしたもの」とは
ライフスタイル 2022.11.27

25年使って感じた「インターネットがカーライフにもたらしたもの」とは

早いもので、インターネットが一般に普及してから20年以上経過した。 自分自身、はじめてインターネットに触れたのがたしか1996年。もう四半世紀以上の前のことだ(愕然)。 これは面白そうだと、秋葉原でアウトレット品の富士通FM-VデスクトップPCを購入し、自宅にインターネット回線を引いたのが1997年の末。 常時接続はもう数年先のことであり、YouTubeで動画を再生しながらダラダラと過ごすなんて想像すらできない時代だ。 当時「テレホーダイ」というサービスを利用しないと通話料金が青天井で加算されていった。 しかし、このテレホーダイを利用することで、23時から翌朝8時まではインターネット使い放題になるという、当時としては夢のようなプランだった。 その結果、夜11時になると日本中のネットユーザーがいっせいに回線にアクセスして、ページの表示が遅くなるのでイライラ・・・みたいな毎日だった。 20代の方にとっては「?????」かもしれないが、お父さん世代の人たちはこんな感じだったのだ。 なるほど、インターネット老人会などとという言葉が生まれるわけだ。 ■20数年間でインターネットがカーライフにもたらしたものとは? 2000年代に入り、職場はもちろん、自宅にもインターネット回線を引く人が増えてきた。 そのうち、自分でホームページを立ち上げ、自慢の愛車やカーライフを紹介する人も増えていった。 「ホームページビルダー」というホームページ作成ソフトの存在が知られるようになると、さらにその流れが加速していったように思う。 ネットユーザーが増えていくにつれて、自然とコミュニティが生まれる。 mixiのようなSNSが普及するまで、ML(メーリングリスト)がコミュニティの形成によく使われていたように思う。 現在でいうところのLINEグループの原形のようなものかもしれない。 参加を許されたMLメンバー間のみでメールの中身を見ることができたり、やり取りが可能であった。 こうして、インターネットがなければ知り合うことができなかった人、と同時に「名前も顔もよく分からない人」との接点が生まれる。 次に行われたのが、いまでも続く「オフラインミーティング(通称オフ会)」だ。 ここで初めて・・・というか、ようやくMLメンバー同士が顔を合わせることになる。 初対面だけど、これまでのMLのやりとりで関係はできているだけに、既になんだか妙に気心が知れた間柄・・・という不思議な感覚を味わった人も多いと思う。 インターネットが普及したことで知り合えた人、手に入れたクルマや部品、果ては仕事まで・・・さまざまな恩恵が受けられたはずだ。 しかし、そこは世の常。そんなきれいごとばかりではない。 そこにはメリットはある一方で、同時にデメリットも存在する。 キリがないので5つに絞ったが、どれか1つか身に覚えがあるかもしれない。 ■インターネットがカーライフにもたらしたメリットとは? 1.端末ひとつあれば世界中から買い物ができる ひと昔前ならパソコンで、いまならタブレットやスマホさえあれば、検索して欲しいものが探せたり、購入できようになった。あまり語学力がなかったとしても、Google翻訳などを駆使すれば意外と何とかなることも多い。一例として、利用する・しないはともかく、eBayとはどんなものか?いちど見てみる価値はあると思う。 2.本来であれば出会えなかった人と知り合える 現在所有している愛車の前オーナーだったり、ファーストオーナーだったり、同じ趣味を持つ海外に住む外国人であったり・・・。例を挙げればキリがないが、インターネットがなければ知り合える、あるいは出会える確率がグッと低くなる(またはほぼ不可能)ことは間違いない。誰がいったか「愛車はコミュニケーションツール」は本当なのかもしれない。 3.探している情報が飛躍的に見つけやすくなった インターネットがなかった頃、使えない環境を想像してみてほしい。AE86レビン(前期)のGT-APEXとGTVってタイヤサイズ違うんだっけ?といった疑問にぶつかったとする。インターネットがあれば検索すれば一発で解決だが、ない場合は・・・カタログなどの資料を探すところからはじめなければならない。自宅になければ友人宅か図書館か・・・。ネット検索と同じゴールにたどり着くまで時間が掛かりそうだ。 4.自分のカーライフを気軽に発信できるようになった 自身で作成したホームページに加えて、ブログやSNS、YouTubeなど、あらゆる方法で自慢の愛車や自身のカーライフを発信できるようになった。その結果、これまでの情報源は雑誌か口コミだったものが、爆発的に情報量が増えた。そのなかにはメディアでは発信不可能なネタも含まれる。 5.旧車オーナーの駆け込み寺・セーフティーネットの確立 旧車およびネオクラシックカーオーナーを取材すると、純正部品の欠品や製造廃止で悩んでいる方が本当に多い。そんなオーナーたちのよりどころが、YAHOO!オークションをはじめとするネットオークションや、メルカリなどのフリマサイトだ。ただ、考えることはみな同じなので、争奪戦&共食いであることもしばしば・・・なのが辛い。 ■インターネットがカーライフにもたらしたデメリットとは? 1.世の中が非寛容になった? 「ネット文化=揚げ足取りの文化」という経験をしたことがあるかもしれない。ちょっとした間違いやミスを徹底的に攻撃したり、ひと昔なら「これくらいは・・・いいよね」といった投稿を許容しない風潮が年々強まっているように思えてならない。今後も刻々と変化するグレーゾーンを見極める必要がありそうだ。 2.情報の精度を見極めるスキルが求められる インターネットが普及する以前とは比較にならないくらい情報量が増えた分、「ホントかよ」と思うものも増えた。メンテナンス系の情報など、鵜呑みにすると危ないこともある。迷ったときはプレスリリースやカタログ、取扱説明書(インナー向け専門書も含む)、オフィシャルサイトで確かめるのがいいかもしれない。 3.コミュニケーション力が問われる? 日常的にSNSを利用している方であれば想像できるかもしれないが、「どこの誰かよく分からない相手と文字だけでコミュニケーションをとる」ことも少なくない。そのため、自分の意図したこととは違う意味で解釈されてしまうことも充分にありえる。日常生活以上にコミュニケーション力や空気を読むスキルが問われる世界だ。 4.良くも悪くも情報が拡散する 友人・知人を問わず、時事ネタ、SNSを通じて、涙なしにはいられないイイ話しもあれば、テメーコノー!*●$〒〆◆・・・(*自主規制)なものまで。日々、ありとあらゆる情報が怒濤の如く押し寄せてくる。1億総ジャーナリスト、総監視社会・・・挙げればキリがない。そういえば自分の記事も良くも悪くも拡散することがあり、フルボッコされることもしばしば・・・。 5.個人情報がダダ漏れになる可能性あり SNSなどに旅行先で撮影した画像をアップしたり、行動パターンが読める投稿をしたり・・・と思わぬカタチで個人情報がダダ漏れになることがある。どうしても発信したい!という人もいるだろうから、鍵アカウントにするなど、公開範囲を限定するのが得策だと思われる。 ■まとめ:25年使って感じた「インターネットがカーライフにもたらしたもの」とは 気づけばこの25年間、ほぼ毎日インターネットに接続してきたように思う(改めて愕然)。 もはや生活の一部であり、なくなってしまったらどうなるんだろうとすら思うこともある(意外と何とかなるかもしれない)。 25年使って感じた「インターネットがカーライフにもたらしたもの」。 答えをひとつに絞るとしたら、それは「人との出会い」に尽きるような気がする。 ■余談:ヤフオクはもはや旧車オーナーの駆け込み寺? そして、旧車オーナー、ネオクラシックカーオーナーを含め「絶版車」を所有する方であれば、1度はヤフオクやメルカリ、eBayなどを利用したことがあるかもしれない。 今も昔も主戦場、駆け込み寺であることは確かだ。 しかし・・・車両本体の高騰に呼応するかのように、中古部品の相場も同様だ。 さらには仲間内で共食いになっているケースも少なからずあると聞く。 今後は同じクルマを愛する人たちのコミュニティに属し、有益な情報やお互いの部品のトレードするのが懸命かもしれない。 それにはまず「ギブ・アンド・テイク」の精神が不可欠といえるだろう。 [画像/Adobe Stock ライター/松村透]    

クルマには「それぞれの時代が反映された魅力と楽しさがある」と思う
ライフスタイル 2022.11.25

クルマには「それぞれの時代が反映された魅力と楽しさがある」と思う

皆さーん! 大好きな愛車の、あるいは欲しい旧車のどこが好きー!? 僕はねー、格好いいとこと、身軽なとこと、適度にゆるいとこと、なにより乗ってて楽しいとこー! いや、ここのところ「旧車は不便を受け入れて乗るものよ」など、ネガティブな発言を続けてしまったので、ここらでポジティブな内容をお送りしたいなと。 というわけで、今回は実際に所有し、数年間、乗り続けたクルマの好きなとこ語りです。 いずれも現愛車S15以前のクルマなので、旧車とみなしても問題ないかと。 ■加速とアクセルレスポンスは、現行車にもひけを取らない3代目プレリュード 免許証を取得後、お仕事の先輩から5万円で購入した、記念すべき最初のクルマである3代目プレリュード。 デートカーとしてあまりに有名ですが、助手席に母親以外の女性を乗せたことはありません。 あとクルマに詳しい方からは、挨拶のように「後輪を曲げてみせて」と話しかけられました。 グレードは廉価の2リッターSOHCモデル。 このSOHC、本気でナメちゃいけません。 1トンちょっとしかない車重もあって、加速とアクセルレスポンスは鋭いことこの上なし。 雨の日に荒っぽい発進をすると、たちまちタイヤは空転します。 このプレリュードに乗ったおかげで「クルマのエンジンはSOHCで十分。むしろエンジンフィールの気持ちよさを売りにするならSOHCが最良だ」という信念が生まれました。 「エンジンのホンダ」の真価と、のちにホンダ車の主流がFFである理由を気付かせてくれた一台でした。 ■運転が楽しいクルマの最高峰! 2代目マーチ 親から譲ってもらった2代目マーチ。 今でも十分に通用する完成されたデザインとインテリアで、累計100万台も売れた、(当時の)日産の救世主。 グレードは廉価の1リッター、ウインドウレギュレーターハンドルくるくるモデル。 個人的に、これまで乗ってきたクルマの中で、1、2位を争うほど運転と操作が楽しかったクルマです。 ちゃんと操作すればMTもスコスコと入るし、1トンを切る車重により出足も良好。 当時のコンパクトカーは上り坂や高速で息をつくものでしたが、MTのおかげで、どんな場面でもパワー不足を感じたことはありません。 道を選ぶことなくキュンキュン走ってくれました。 軽すぎてカーブを曲がっている最中、真横に飛ぶこともあったけど、それもまた楽しかったなぁ(まだ親が乗ることもあったので、急ぎ、タイヤを格上ブランドものに交換しました)。 楽しく運転や操作、高回転まできっちりと回し、適切な回転数で走行することを学ばせてくれた、僕にとって教官的なクルマ。 もし駐車場とかの住居環境が許すなら、今からでも再購入したい一台です。 ■クルマいじりや正しい運転を学ぶのに最適だった古典的FR、6代目シルビア はじめて新車で購入した6代目シルビア。 通称“ツリ目”でグレードはNAエンジンのQ‘sモデル。 シルビアは素人でも色々と手を加えられる、シンプルな古典的FR。 クルマいじりための教本が山ほど売られていました。 くわえてネットオークションの普及により、地方であっても手軽にパーツが購入できるようになった時代。 私も実家の庭の一角を占有し、様々なパーツを付け替えては遊んでいました。 交換したパーツの効果を知るには、正しい運転や操縦の知識が必要と、運転の教本も読みあさっては、試行錯誤をしたころでもあります。 ドライバーとクルマは対話をしながら操作するもので、特にFRはドライバーが我を押し通すと、たやすく関係が破綻すること。 振り返ってプレリュードやマーチが持っていた、ドライバーの技量を受け止めるFFならではの懐の広さを知ることもできました。 S14は移動だけでなく、クルマの知識、クルマいじることによる変化、正しい運転や操作を行うことで、気持ちのいい手応えが返ってくることなど、基礎を学ぶための教材として大いに活躍してくれました。 ■長く乗り続けることで嬉しいことが増えた7代目シルビア 最後に現愛車である7代目シルビア。 グレードはNAエンジンのSpec_Sモデル。 S14よりボディサイズがちょっと小さくなっただけで、ずっと運転しやすくなったことを最初に感じました。 事実、S14のバンパーの四隅には、無数の小傷を作っちゃってましたし。 さっきも記しましたが基本的にはS14と一緒なので、大きな衝撃はなかったのですが、乗っているうちに「乗りやすくなった」ことを実感。 また短期間ですがS13Q‘sを所有していた経験も生きて、“熟成を重ねる意味”を知ることができましたね。 ただ、いいとこばかりではなく、バブル崩壊の影響なのでしょう。 いたるところにコストカット跡があることも分かっちゃったわけですが……。 あと、S15を目にする機会が少なくなったこともあってか、お子さんに「あ、シルビアだ」って指さされることが増えました。 またシルビア系のオーナー間の連帯感も強くなり、すれ違うときに挨拶しあうことも多くなりましたね。 これは地味に嬉しく、楽しい変化です。 ■その時代のクルマならではの魅力が見つけられる 興味はもちろん仕事柄もあり、最新車種を運転する機会もあります。 最新車種は完成度の高さと多くの新しい技術により、さまざまな衝撃や「欲しいな」という意欲を抱かせてくれます。 けれど自身のS15に戻ると「まだまだ、これでいいじゃん。いや、“これが”いいじゃん!」と、あらためてこの時代のクルマが持つ楽しさを再確認させてくれるんですね。 プレリュードから始まりS15まで、それぞれのクルマが持っていた魅力は、クルマを取り巻く環境的な問題により、もう再現できないものだと思っています。 楽しい思い出とともに、それぞれの魅力を知ることができたのは、とてもいい経験でした。 こちらをごらんの皆さんの好きなクルマや欲しいクルマは、必ず、そのクルマだけが持つ魅力や所有することで得られる楽しさ、そして生産された時代の香り秘めています。 それを色濃く感じられるのは、実際に購入を果たしたオーナーだけです。 この記事が、購入を迷うあなたの背を押す力になれば、幸いです。 [画像/日産・ホンダ ライター・カメラ/糸井賢一]

初めて工具を手にした旧車オーナー必読!次に揃えるべきモノとは?
ライフスタイル 2022.11.21

初めて工具を手にした旧車オーナー必読!次に揃えるべきモノとは?

前回、初めて工具を購入する旧車オーナーのために、簡単ではあるがアドバイスとなるであろう記事を担当した。 今回はその続編として、晴れて旧車オーナーとなったら、次にいったい何を揃えれば良いのか、具体的な内容にまとめてみた。 ▲おちゃらけた内容の筆者のYouTube動画も、すべて事前にサービスマニュアルやパーツリストなどで下調べをしたうえで作業をおこなっている(私クマダはYouTubeでポンコツ再生動画を公開しております。ぜひ動画もご覧になってください。チャンネル登録お待ちしております。動画はこちらです→ https://t.co/jshezU8Be0) ■工具以外にもこれだけは揃えておきたい 晴れて旧車オーナーになって、少しでも自分自身でクルマに手を入れてみたいと思ったら、まずは参考となる資料を用意するべきであろう。 DIY派の旧車オーナーに筆者が入手を強くおすすめしたいのが、「自身の愛車のサービスマニュアル」と「パーツリスト」だ。 ▲筆者所有のサービスマニュアルやパーツリスト、社外アフターマーケット品のパーツカタログなど。余談だが、海外のパーツカタログ類は資料性が高く、参考となるものが多い。英語というハードルがあるが、国産旧車でも海外輸出されていた車両であれば、洋書で探すという手段が存在する 旧車は、日常的に行われる基本的なメンテナンスなどにおいても、現代のクルマでは当たり前となっている方法とは異なる場合が多い。 例えば基本中の基本、エンジンオイルを例に挙げてみよう。 たかがエンジンオイルと思われるかもしれないが、今日一般的に入手できるオイルが使用できるのか、もしくは旧車用と呼ばれる特殊な粘度のオイルを用意しなければいけないのか、サービスマニュアルがなければ判断すらできない。 タイヤひとつとっても、ホイールナットの締付トルクはおろか、規定の空気圧すら分からないなど、手探りで作業する場面が容易に想像できる。 DIY初心者にとっては、とても心許ないものであろう。 また、旧車は修理などパーツ交換が必要な際に、あらかじめそのパーツが入手できるか否か作業を行う前に探りを入れておかなければならない。 パーツの供給状況によっては、その作業を断念せざるを得ないことがあるからだ。 パーツリストは部品検索のための必須ツールだ。 部品番号がわからないと発注はおろか、パーツ探しすらままならない。 正直なところ、これらは当時モノとなるため、車種によっては入手困難なケースもある。 しかし、ネットオークションなどを駆使して何としてでも手に入れてほしい。 サービスマニュアルとパーツリストは旧車オーナーにとって、たいへん重要な参考資料であり、いわば旧車維持の道しるべともいえるからだ。 ■現代車では用いられることがない、旧車ならではのツール。タイミングライトとシックネスゲージ ▲シックネスゲージを使用して実際にタペット調整をする。決してむずかしい作業ではない。ある年代より旧いクルマでは必須メンテナンスだ(画像は空冷ワーゲンの水平対向4気筒エンジン リアルタイムで旧車に接してきた世代のオーナーにとっては当たり前のことであっても、若いオーナーにとってみれば「なにそれ?」といったことは多々あるだろう。 旧車といえども、比較的に現代車に近い感覚で乗れる1990年代以降のネオクラッシックカーであっても、平成生まれのオーナーにとっては生まれる以前に造られた、あるいは同世代のクルマだ。 筆者はいわゆるアラフォー世代の「おっさん」である。 その「おっさん」が免許を取ってクルマをいじり始めた20年前であっても、実際に当時で「旧車」と呼ばれたクルマに触れないかぎり、出会うことはないであろう基本的なメンテナンスが存在した。 代表的なものをいくつか挙げてみれば、「タペットクリアランス調整」「ポイントギャップ調整」「点火時期調整」あたりだろうか。 具体的内容については話が長くなるのでここでは割愛するが、これらは、よくいわれるエンジン完調のための基本「良い圧縮・良い火花・良い混合気」すべてに関連する。 旧車を絶好調に走らせるための必須メンテナンスだ。 ここで必要となるのが、タイミングライトやシックネスゲージである。 さすがにこれらはホームセンターの店頭はおろか、工具店でも在庫として店頭に置いてある店舗が非常に少なくなったように感じる。 これらはネット通販であれば安価に入手できるが、筆者の経験ではタイミングライトの安価品は高い確率で早くに故障する。 シックネスゲージについては高額ではないので、精度を信頼できる日本製を選んでほしい。 デジタル化された現代のクルマでは、これらの部分は「メンテナスフリー」というより、「ノンタッチ」となっている。 これらは当時、車検点検の際には必ず行われる身近なメンテナンスであったと聞く。 車種によっては、取扱説明書に作業方法が記載されるほどであったという。 これらはDIY派の旧車オーナーには、オイル交換・スパークプラグ交換の次に、ぜひ実践してほしい基本メンテナンスだ。 この部分を普段から触れているオーナーは、早い段階で一見判りづらい完調であるクルマ、そうで無いクルマの判別が感覚的に身についてくることであろう。 ▲「画像④」:YouTube動画内で登場したタイミングライト。40年以上前のナショナル製。(#11 完成 / スズキ カプチーノのへたったエンジンをリカバリーせよ)より。動画はこちらです→ https://youtu.be/1Fx3xMNmNxM  ■DIY派の旧車オーナーは、ぜひグリースにもこだわってほしい 自身でメンテナンスを行うと、グリスアップを行う場面が増えてくるはずだ。 グリスアップはメンテナンスの基本中の基本といっても過言ではないだろう。 オイルと同じくメカニズムを潤滑保護するために必須の油脂、グリース。 各種オイルにこだわりを持つ旧車オーナーは多いが、グリースもオイルと同様、目的に応じてさまざまな種類が存在する。 ここに一般的な自動車整備に使用されるグリースの代表的なものを挙げるとしよう。 ●リチウム石けん系グリース マルチパーパスグリースという名で広く一般的に使用される。 マルチパーパス(万能)というが、これを鵜呑みにしてどこにでも使用してはいけない。 ●カルシウム石けん系グリース 通称シャーシグリースとも呼ばれる。 主にジャバラチューブに入っていて、下回り各所のグリースニップルにガンで充填することが多い。 耐水性もあり安価だが、耐熱性は期待できない。 ●二硫化モリブデングリース マルチパーパスグリースに二硫化モリブデンを配合し、耐摩耗性・耐荷重性を持たせた黒いグリース。 トライブシャフトなど、等速ジョイントのブーツ内部などに使用される。 ここまでは、液状の「ベースオイル」を、半固体の「グリース」にするための「増ちょう剤」にリチウムやカルシウムを使用した「石けん系」のグリースである。 以下は増ちょう剤に石けんを使用しない「非石けん系」グリースの代表的なものを紹介する。 ●ウレアグリース マルチパーパスグリースとほぼ同じ用途で使用されるが、やや耐水性・耐熱性が高い。 密封されたシールドベアリング内部など製品に使われることが多い。 筆者はクルマよりもバイクの整備によく使われるイメージを持っている。 前述の3種類の石けん系グリースは、ほぼ鉱物油ベースといって間違いない。 しかし、この非石けん系のウレアグリースに関しては、製品ごとにベースオイルが異なる場合が多い。 購入する場合には、耐ゴム性能の観点から購入時の確認は必要と思われる。 ●ポリグリコール系グリース 「ラバーグリース」や「ブレーキグリース」の名称で店頭に並ぶ合成油ベースのグリースだ。 ブレーキ内部のピストンシールやカップラバーなど、ゴムを傷めずに潤滑する。 ●シリコーン系グリース 耐熱かつ耐寒、幅広い温度帯で使用可能。 さらに耐水性も抜群な白いグリースだ。 ただし金属同士の摺動面や力のかかる部分には使用できない。 主にプラスチックやゴムに使用される。 高額ではあるが、幅広い用途に使用できる。 その他、特定の使用用途に応じたグリースも多々存在する。 ここで、前述した汎用グリースでは代用できない例を二つ挙げてみよう。 ●ブレーキパッドグリース 主にブレーキパッドとシムなどキャリパー周辺や、ドラムブレーキのライニングとバックプレートの接触部分などに使用する。 他のグリースで代用すると雨などの水分に流されてしまい、ブレーキ鳴きの原因の一つとなる。 耐水性をもつことから、シリコーン系グリースでも代用できるという意見もある。 しかし、筆者はグリースの固さ、すなわち「ちょう度」によると考える。 相手は重要保安部品のブレーキだ。 ここは専用品を使用するべきであろう。 ●クラッチスプライングリース クラッチ交換時に使用するグリースである。 乾燥しにくい性質を持たせることで、グリースがクラッチ摩擦材などのダストを含むことで固くペースト状になることを防ぎつつも、周囲に飛び散りにくいという特長を持つ。 このグリースについては、オートマ車全盛の今日において使用頻度が低いためか、修理の際に別のグリースで代用され時間の経過とともにグリースが粘着する。 クラッチペダルが極端に重くなったり、グリースが周辺に飛び散るなどしてジャダー発生の原因となっている例がある。 細かい部分ではあるが、安易なグリース選びができない一例だ。 他にも挙げられるものはあるが、一般的なクルマのメンテナンスに使用されるものは、おおよそこれぐらいであろうか。 お分かりいただけたと思うが、クレ5-56にマルチパーパスグリースだけがあれば良いわけではないのだ。 確かに広範囲に使用できるグリースは存在するが、筆者の知る限り、どこにでも使える万能なグリースは存在しない。 使用する用途を間違って使用した場合、良かれと思って使用した高額なグリースが、外側のラバーブーツをボロボロにしてしまったという例もある。 これでは本末転倒だ。 まさに「間違いだらけのグリース選び」ではなかろうか? 良かれと思って行ったメンテナンスが、トラブルの原因となる。 潤滑系ケミカルは、どうしてもインターネット広告に流され、高額なものを購入しがちだ。 グリースなどのケミカルは、まずは先述のサービスマニュアルをもとに選択してほしい。 購入の際にはパッケージの裏書きと照らし合わせれば、どれが正しい選択であるか判るはずだ。 幸いなことにこれらは決して高額なものではない。 比較的安価である。 荷姿の問題で少し多めに購入することになったら仲間内でシェアすればよい。 まずは目的に必要なものを用意して、ツールボックスにストックするべきである。 くれぐれも「都市伝説」に騙されてはいけない。 ▲筆者使用のエンジンオイル(主に旧車用)。クルマ用のオイルやケミカルは数多く存在するが、これら油脂類も信頼できる資料をもとに正しい選択をしたい ■まずは自分のペースに合わせて、できることからはじめよう 今回は、サービスマニュアルとパーツリストの入手のススメから話を展開した。 相手は古い機械モノである。 一筋縄でいくとは考えないほうが良い。 DIYの前にまずは情報収集だ。 作業の事前準備はたとえ、その道のプロであっても必要不可欠である。 筆者の経験上、腕の良いメカニックであるほど、この点についてはとても真剣かつ用意周到であると感じる。 森羅万象ともいえる筆者の師匠(熟練の整備工)はサービスマニュアルの内容が脳内にインプットされており、最新情報にも常にアンテナを張っている。 旧車のみならず、DIY初心者の方は今回の記事を読んで「いきなりプロ相手の修理書かよ!?」と思われるかもしれないが、これは修理の具体的かつ、王道である内容である。 これから自身で愛車に手を入れようという方には、ぜひ正しい方法を覚えていただきたい。 ここまで聞くと、難しく感じてしまうかもしれないが、現代のクルマとは異なり、旧車にはオーナーが手を入れられる余地が数多くある。 クルマを構成する部品点数も、必要な工具も現代車に比べればはるかに少ない。 肩ひじ張ることはないのだ。 これなら自分でもできるという部分からはじめればよい。 繰り返しとなるが、そのために道しるべとなるのが「サービスマニュアル」と「パーツリスト」である。 自分のクルマだ。 やりたいようにやればいい。 納得できるところまでやればいい。 そして、何度でもやり直せばいいのだ。 自身の手を汚し、絶好調になったクルマに乗る瞬間は、何事にも代えられない素晴らしい体験である。 こればかりがお金で買えるものではない。 一度経験すると病みつきになる。 まさにプライスレスだ。 プロ顔負けのプライベーターが存在する理由はここにある。 「千里の道も一歩から」「先ず隗よりはじめよ」。 いずれの言葉も、まずはできることからはじめようという意味だ。 ・・・閑話休題。 今後も旧車を維持するにあたって、より実践的な工具の選択方法やケミカルについても案内していこうと思う。 次回も期待して待っていてほしい。 ※前回の記事 ■車整備歴20余年の経験者が思う、旧車オーナーが初めて工具を購入する際の注意点とは? https://www.qsha-oh.com/historia/article/maintenance-tools/ [YouTube]BEARMAN's チャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g [ライター・撮影/クマダトシロー]

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.5
ライフスタイル 2022.11.11

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.5

■第5回 ~アルミ弁当箱と旧車の意外な関係~ どうも!「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスでございます。 「旧車王」連載5回目となりました今回も「アルミ弁当箱と旧車の意外な関係」を語っていきたいと思います! ■アルミ弁当箱に描かれない車両たち その1 アルミ弁当箱には特撮やアニメ、漫画などたくさんのヒーローが描かれます。 そして、そのヒーローを助ける人たちの武器や戦闘用のメカ等も描かれるわけです。 その中でも比較的多いのは、空を飛ぶ戦闘機が数多く描かれていますが、活躍が地味(?)な車両は描かれていることが少ないようです。 今回からはあえてそんな車両たちに注目して行きたいと思います。 その車両たちは大きく2極化していきました。 ノーマルのまま登場する車両と原形がわからないような特殊な車両(いわゆる改造車)です。 そんな車両ですぐに思いつくのは「ウルトラセブン」に登場する「ポインター号」と「帰ってきたウルトラマン」に登場する「マットビハイクル号」ではないでしょうか?(すぐに知人のS氏を思い出します) しかし残念ながら「帰ってきたウルトラマン」のアルミ弁当箱には描かれているものはなく、「ウルトラセブン」に至ってはアルミ弁当箱自体の存在が確認できていません(あれほど人気があったのに・・・)。 ■さまざま意味でレアなサンダーマスク 「サンダーマスク」は、意外にも「手塚治虫」作品であり、少年サンデーで連載されていました。 特撮としてもウルトラマンシリーズ等のヒーローシリーズが人気でしたが、予算を削られたとの噂もあり、その煽りが車両制作費にも及んでしまったのかもしれません。 その後、特撮では、改造されない車両が増えるのはそんな理由だからなのでしょうか? サンダーマスクの「科学パトロール隊」には「サンダー1号(サンダーワンごう)」が登場します。 こちらは羽が飛び出し、宇宙まで行けるクルマです。 そのベース車両となっているのが、初代「スバル・レオーネGS-R」です。 他の登場車両ではトヨタ車の多い中、中心として富士重工のクルマが選ばれているのは、1972年あたりの円谷作品で使用されることが多かったからでしょうか? これ以外にも「トリプルファイター」の「スバル360」などが有名ですね。 しかし、このレオーネも比較的図柄の多い(6種類)サンダーマスクのアルミ弁当箱には描かれておらず、このシリーズ「アルミ弁当箱に描かれない車両たち」のトップバッターとなってしまいました。 当時の特撮車両の選定方法やアルミ弁当箱の図柄の決定方法などは、時代背景等も影響されていたのかも知れませんね。 次回もアルミ弁当箱を通し斜めから見た旧車をお送りいたします。 まったく脈絡のないコラムではありますが、「旧車王」ともども「マツドデラックスコレクション アルミ弁当箱図鑑」もよろしくお願いいたします。 また、アルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方もぜひお声をかけてください。 次回はイベントでは11月13日(日)の「THE銀座RUN」のスタート地点「東京プリンスホテル」の駐車場で展示予定です。 よろしくお願いいたします! ●東京プリンスホテル 〒105-8560 東京都港区芝公園3-3-1 TEL:03-3432-1111 https://www.princehotels.co.jp/tokyo/facility/ ●日本アルミ弁当箱協会会長「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 」出版への道https://www.qsha-oh.com/historia/article/matsudo-bangai-1/ またアルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方も是非お声をかけてください。 ●日本アルミ弁当箱協会ホームページhttps://kyokai.fans.ne.jp/arumibenntou/ ●Twitterhttps://twitter.com/keisuke38922 [撮影/ライター・マツド・デラックス(山本圭亮)]

乗って分かることもある!購入前に旧車レンタカー試乗のススメ
ライフスタイル 2022.11.09

乗って分かることもある!購入前に旧車レンタカー試乗のススメ

「旧車」と呼ばれる世代のクルマは、概ね工業製品のクオリティが著しく向上した時代に生まれたもの。 ボディの剛性も高く、日常使いに十分な性能を有しています。 しかし設計の新しい現行車と比べると(経年による劣化もあって)快適性や経済性、乗りやすさなどで数歩、譲ることも事実です。 具体的には、走行中のきしみ音や振動が大きく、運転時の疲労がたまりやすいといったところでしょうか・・・。 また、近年とクルマと比較して燃費が悪く、実用トルクが細いため、扱いに慣れが必要といったところが挙げられます。 新車から長く乗り続けてきたオーナーならば「一緒に歳を重ねた証」のロートルポイント。 けれど、はじめての旧車購入、それもメインでの使用を考えているフレッシュオーナーの立場になれば、現行車との落差はふとした時に気になってしまう、心に刺さるトゲにうつります。 しかし、事前に旧車の乗り心地や使い勝手を知ることができれば、購入に対しての心構えも違ってくるもの。 そんなとき、役に立つのがレンタカーです!  今回は旧車をラインナップしているレンタカーをピックアップ。 もちろん旧車として代表的な車種しか選べませんが、同じ年代のクルマならば、およその程度は推し量れます。 レンタカー料金は安くはありませんが、その後、旧車と長く付き合うつもりなら、それほど高い投資額でもありません。 納得いくまで走行し、現実を知ることで思い込みと幻想をぬぐい、それでもなお購入したいと思わせる魅力を再確認したなら……もう迷うことはありません。 思い切って契約書に印鑑を捺すとき!ではないでしょうか? ※画像のスクリーンキャプチャーは各レンタカー会社のウェブサイトのものです※用意されている車種は11月1日現在のもの。申し込み時期によって入れ替わりがあることを、あらかじめご了承下さい。 ■Vintage Club by KINTO URL https://vintage.kinto-jp.com ◎用意されている旧車 ・トヨタ・スポーツ800・スターレット1300S・ソアラGZ10・セリカLB・カローラレビンTE27・スープラA70 トヨタ自動車と新明工業といった、名のある企業がレストアを手がけており、車両の信頼感と安心感では随一の旧車レンタカー。 現在のところ貸出場所は愛知の豊橋市の新明工業と、東京都三鷹市のGR Garage東京三鷹のみになります。 ■Fun2Drive URL https://fun2drive.co.jp ◎用意されている旧車 ・スカイライン ハコスカGT-R仕様・スカイライン ケンメリGT-R仕様・スカイライン GT-R R32・スカイライン GT-R R33・スカイライン GT-R R34・スカイライン GT-R R34ニスモ仕様・フェアレディZ S30改RB25仕様・NSX NA1・S2000改AP1・スープラRZ JZA80・スプリンタートレノ AE86・RX-7 FD3S・インプレッサ WRX Type R STi Version 6 Limited・ランサー エボリューション6 TME・ランサー エボリューションX・ポルシェ911ターボ(964) 旧車レンタカーの老舗的存在Fun2Drive。 箱根という、観光にも乗り比べにも好ロケーションを走行できるため、人気のお店です。 利用できるクルマは定期的に入れ替わり、実質的に選べるのは10車種ほどからになります。 ■おもしろレンタカー URL https://www.omoren.com ◎用意されている旧車 ・スカイラインGT-R R32・スカイラインGT-R R33 Vスペック・スカイラインGT-R R34・シルビア SpecR・スプリンター トレノ AE86・MR2・MR-S・スープラRZ-S JZA80・シビック タイプR EK9・シビック タイプR FD2・インテグラ タイプR DC5・S2000 AP1・ランサー エボリューション6・ランサー エボリューション7・ランサー エボリューション8・ランサー エボリューションX・RX-7 FD3S タイプRS・ロードスター NA・ロードスター NC・インプレッサ WRX 都内と近郊、大阪府、愛知県名古屋市、和歌山県に店舗をかまえる、おもしろレンタカー。 どの店舗にどの車種を配備しているかは、公式サイトで確認できます。 旧車の他、最新モデルや実用車もラインナップされています。 ■香林坊 URL https://korinbo.com ◎用意されている旧車 ・フェアレディSR・フェアレディ240ZG・フェアレディZ32・トヨタ・スポーツ800・セリカLB2000GT・70スープラ・トヨペット マークⅡ X30・いすゞ 117クーペ・いすゞ ベレット・ユーノス コスモ・ワーゲン ビートル タイプⅠ 他の旧車レンタカーとくらべ、ユニークな車種をラインナップする香林坊。 千葉県に店舗をかまえ、会員制を基本としていますが、入会しなくてもレンタカーを利用することが可能。 その場合、料金は非会員価格になります。 ■MR.HIROレンタカー URL https://mrhiro-jdm.com ◎用意されている旧車 ・スカイラインGT-R R32・シルビア SpecR・スプリンタートレノ AE86・NSX NA1・RX-7 FC3S・RX-7 FD3S 「頭文字D体感レンタカー」を謳うMR.HIROレンタカー。 その文句の通り、作品に関連する車両のボディカラーは、アニメに準拠したものになっています。 最近、大阪府に移転しました。 ■現車のコンディションを計るためにも利用できる よほど自動車の整備に精通していなければ、旧車ショップで車両のコンディションを判断するのは難しいもの。 けれど事前にレンタカーに乗っておき、その後、ショップで試乗しての比較なら、違いを感じるのもそう難しくはありません。 振動や音の大きさ、加速感やコーナーでステアリングに伝わる感触など、しっかりと整備されたレンタカーはコンディションのベンチマークとして、最良の見本になります。 旧車は安い買い物ではありません。 事前にできることは可能な限りしておくのも、ひとつの手だと思います。 ほかに惚れ込んでしまう車両との出会いがあるかもしれませんしね。 [ライター/糸井賢一]

10年後「旧車屋」となったZ32専門店の未来予想図とは?
ライフスタイル 2022.11.02

10年後「旧車屋」となったZ32専門店の未来予想図とは?

今から25年前の1997年、平成9年に中古車販売店の営業の仕事をスタートした筆者。 雇われ店長として70スープラ専門店、Z32専門店と快進撃を続けるも、まさかの会社消失。 急遽、独立することに。スタートから様々な壁にぶちあたりながらも、Z32一本の専門店をやっていくことを決意。 その後、スポーツカー低迷とZ32が旧車になっていく場面に直面しながら徐々に旧車屋に転換。 今やレストアを行うまでに。 Z32はここからさらに旧車になっていくが、現状の課題や期待から、10年後の当店の未来を予想してみた。 実際は、まったく予想がつかないのというが本音ではあるけれど…。 ■お客様の高齢化が進み、Z-oneの店舗は憩いの場に!? お客様の平均年齢は年々高齢化し、60代の方が増えるでしょう。 話す内容は、親御さんの介護、自身の老後や健康、お孫さんのことで持ち切り。 皆さんの憩いの場になっていると思われます。 ■国内Z32の聖地として海外でも話題に! 国内Z32聖地として確固たる地位を確立! Z32を日本一大事にするお店として、海外からも注目されるショップになるでしょう。 海外も視野に入れた業務展開も始めているかもしれません。 ■中古純正部品や部品取り車のストックは日本一に! 純正部品の製廃が進み、全国的に修理難民の方が増えていくでしょう。 修理をするために、純正部品は必須です。中古純正部品や部品取り車のストック数は日本一となり、どんな修理も対応していると思われます。 ■自社部品製作も積極的に 修理には中古で対応できるものもありますが、どうしても新品を使いたいこともあります。 そのため、自社での部品製作も積極的に行う必要があります。 多種多様な部品のラインナップが増えていると思われます。 ■整備同時進行可能な巨大工場に! 今後、さらに旧車化が進み、修理内容は多岐に渡るでしょう。 長期修理も増えます。 そのためには、整備場所の確保が必須です。 巨大工場で効率的に整備を同時進行させていると思われます。 理想はエアコン完備。 ■自社板金工場完備に! 外装の劣化に伴い、オールペンも増えるでしょう。 綺麗に乗りたいニーズはいつでもあります。 外注を使わず自社板金工場を完備し、一貫した整備・作業を行っていると思われます。 ■販売車輛のほとんどがレストア車に! 10年後となれば40年落ちの車もあるわけです。 最終型でも30年落ちに。 販売する車輛は、ベースから仕上げて売るしかないでしょう。 ほとんどがレストア車になっていると思われます、一体いくらで売ることになるのだろう? ■出張査定・買取り全国に! さまざまな事情により売却される方も増えるでしょう。 大事に乗ってきたからこそ「近くの買取店よりも専門店に売りたい」と、全国から査定・買取の依頼は増えます。 北は北海道から、南は沖縄まで出向いていると思われます。 ■スタッフは10人に! 業務も多様化し、分担制が必要になるでしょう。 さまざまなご相談やご要望に対応すべく、フロント・整備・板金塗装・部品管理・出張買取り…。 それぞれに精通したスタッフが最低でも10人はいると思われます。 ■最終目標のショップさんは! 未来を予想すると、既にそれに近いショップさんがあります。 R31 HOUSEさん、カーショップフレンドさん、アイスタイリングさん、エム・テック・サージョンさん、チューブガレージさん、イソマサオートさんなど。 ほぼ一車種の専門店さんです。 その領域に達するにはまだまだですが、必ず頑張ってみせます。 ■私はいつまでも現役です! 未来の私は容易に想像がつきます。 今と変わらず、整備以外のことをやっているでしょう。 接客応対、電話・メール応対、出張買取り、ご納車前の洗車、店舗の掃除や草取りの雑用など。 もちろん、季節を感じながらの早朝ドライブ&写真撮影は日課です。 Z32に人生を捧げ、年中無休で働いていると思われます(笑)。 ■これまでのエピソード お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまでhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/z32-omura-vol1/ お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで[エピソード2]https://www.qsha-oh.com/historia/article/z32-omura-vol2/ お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで[エピソード3]https://www.qsha-oh.com/historia/article/z32-omura-vol3/ [ライター・撮影/小村英樹(Zone代表)]  

プライスレス?犬&猫ちゃんの生涯飼育費と旧車の維持費を比較してみた
ライフスタイル 2022.10.28

プライスレス?犬&猫ちゃんの生涯飼育費と旧車の維持費を比較してみた

こちらを読んでいる皆さんの中には、ワンちゃんや猫ちゃんを飼っている人がいると思います。 ワンちゃん、猫ちゃんと暮らすのは、なにかと手間ひま、そしてお金がかかるもの。 けれどお金では買うことのできない、かけがえのない時間と思い出、そして「モフモフのぬくもり」を提供してくれます。 そして旧車を趣味にする私たちは、クルマが楽しい時間や、多くの思い出を提供してくれることを知っています。 旧車に乗り、同時にワンちゃんや猫ちゃんを飼っている人は、感触として両者の存在が近いことを知っているのではないでしょうか。 そこで今回はワンちゃん、猫ちゃんの生涯飼育費と旧車の維持費を比較してみました。 ペットを飼い、旧車の購入に踏み切れない人。 あるいは旧車を所有し、ペットのお迎えに踏み切れない人の参考になればと思います。 ワンちゃん、猫ちゃんの生涯飼育費は、一般社団法人ペットフード協会の実施した【令和3年(2021年)全国犬猫飼育実態調査】を。 旧車の維持費は、僭越ながら私の所有するシルビア(1999年)の実データを参考にしました。 余談ですが、調査年のワンちゃんの推計飼育数は710万6000頭、平均寿命14.65歳。 猫ちゃんの推計飼育数は894万6000頭(外飼いは含まず)で、完全屋内飼いの場合の平均寿命は16.22歳、外に出入りする場合は13.75歳だそう。 ■ワンちゃん、猫ちゃんの値段は数万円~1000万円以上 ワンちゃんや猫ちゃんの値段はそれぞれ。 ペットショップで販売されているワンちゃん、猫ちゃんの値段は、同じ品種でも毛色や体型、顔立ち、健康状態、年齢、血統により異なります。 両親がコンクールで受賞していると、子供たちのお値段はグンと高くなります。 希少な品種といった条件と合わさると、1000万円を超えることも珍しくありません。 里親として保護団体や愛護団体から譲り受ける場合も、多くの場合、無料ではありません。 ワクチン接種代ほかで、数万~10万円ほど必要になります。 このあたりは、かつて新車時に同じ年代で同じ価格帯だったクルマも、旧車になると人気やコンディション、フルオリジナルか否かで値段が大きく変わるのを想像すると、分かりやすいのではないでしょうか。 知人や友人から譲り受ける場合も、登録に必要な費用や初期整備費がかかるのも似ていますね。 ■ワンちゃんの生涯飼育費は、およそ410万円。猫ちゃんは340万円! まずワンちゃんの生涯飼育費です。 ペットフード協会の調べでは、一ヶ月あたりの支出総額は13,843円。 ただマンションやアパートといったペット可物件に住まう場合、家賃に5,000~10,000円ほどプラスされます。 上記の支出総額にはこちらが含まれていないようなので、分かりやすく20,000円を支出総額として扱います。 敷金か礼金も一ヶ月分、プラスされることが多いのですが、こちらは割愛します。 次にワンちゃんの平均寿命は14.65歳なので、四捨五入して15歳として扱います。 20,000円×12ヶ月×15年=360万円。 また上記の支出総額には、ワンちゃんの最後の医療費が含まれていません。 ご存じとは思いますが、ペットの医療費は保険適用外。 症状が酷く、酸素室での集中医療が必要になると、1日の入院で10万円以上の医療費がかかります。 最終的な判断は飼い主が行いますが、この最後の医療費で新車を購入できるほどの額を支払う人もいます。 ここでは最後の入院、プラス葬儀代で50万円とします。 ワンちゃん一頭が一生涯にかかる費用は(ワンちゃん自身の値段を別にして)410万円になりました。 猫ちゃんの場合、室内飼いの子の平均寿命は16.22歳なので、16歳とします。 ペットフード協会の調べでは、猫ちゃんの一ヶ月あたりの支出総額は8,460円。 ペット可物件の家賃を考慮し15,000円とします。 15,000円×12ヶ月×16年=288万円。こちらに最後の医療費と葬儀代の50万円を足します。 猫ちゃん一頭が一生涯にかかる費用は(自身の値段を別にして)338万円になりました。 ■20年超えのシルビアの維持費は、年におよそ40万円 旧車と呼ぶにはおこがましいですが、私のシルビアにかかっている維持費です。 まず自動車保険に毎月5,000円。駐車場代で毎月15,000円。 半年に一度のオイル交換が5,000円。 一年にかかっている整備、修理費が3万円。 2年に一度の車検で25万円(タイヤ代込み)と、いったところでしょうか。 計算式はややこしいので割愛しますが、年に40万5千円かかっていま……はぁ!? 40万円以上!? 自分で計算してみて、その高額さに驚かされます。 割合として半分近くは駐車場代なので、駐車スペースのある持ち家に住んでいれば、もっと抑えられるはずです。 ■旧車趣味人とペットの飼い主は、本質的には似たもの同士! ワンちゃん、猫ちゃんの生涯飼育費は、旧車の維持費9~10年分に相当することが分かりました。 もちろんワンちゃんや猫ちゃんの飼育環境や、旧車の維持環境により大きく異なるので、参考額として考えてください。 これを高いとみるか、安いとみるかは、ペットの飼い主目線、あるいは旧車オーナーの目線でみるかで異なると思います。 決して安くはない飼育費と維持費。 ペットやクルマに興味のない人からすれば「もったいない無駄遣い」とみえるでしょう。 冒頭でも記しましたが、私たちは旧車やクルマの持つ魅力や価値、人生に与えてくれる潤いを知っています。 それは飼い主がペットに抱く魅力や価値、潤いと同じもの。理解はできなくても、せめて「人でないはない存在に愛情を注ぐ者」同士として尊重してくれると、ペットとクルマの両方を愛する一人として、とても嬉しく思います。 [画像/Adobe Stock ライター・カメラ/糸井賢一]  

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