旧車メンテナンス

旧車の維持費が高い理由とコストを抑える方法を解説
旧車メンテナンス 2023.06.15

旧車の維持費が高い理由とコストを抑える方法を解説

独自のデザインやレトロなスタイリングなどにより人気がある旧車は、維持が大変だと聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。今回は、旧車の維持費が高くなる理由やコストを抑える方法を解説します。旧車の購入を検討していて、維持費を気にしている方は、参考にしてみてください。 旧車とは 旧車には明確な定義はないものの、一般的に製造年から25年~30年以上経過した車を指します。また、製造から10年以上経過した車、レトロなデザインの車、ノスタルジックな雰囲気の車を旧車と呼ぶこともあります。 旧車を明確に定義するのは難しいものの、共通しているのは、すでに生産が終了している車という点です。つまり、現在販売されている車も生産が終了すれば、いずれ旧車になるということです。 旧車の維持費が高い理由 旧車は、維持が大変だったり、多額の費用がかかったりすることがあります。なぜ古い車は維持費が高くなるのでしょうか。ここからは、旧車の維持費が高くなる理由について解説します。 頻繁な修理が必要 旧車は新しい車と比べると、金属部品のサビや損傷、ゴムパーツの劣化などの不具合・故障が多く、頻繁な修理が必要になるため、維持費が高くなりやすいです。また、オリジナル部品を活用した修理の場合、部品調達や作業に時間がかかり、パーツ代や工賃が高くつきます。そのため、トータルの修理代が高くなり、維持費が高いと言われるのです。 パーツの希少価値が上がっている 旧車のパーツは、メーカーの部品生産が終了したり、同型車両の現存数が減少したりするため、調達が難しくなっていきます。流通するパーツの数が少ないと希少価値が高くなり、部品代が高くなります。旧車を維持するときには、部品の調達ができるかどうか確認しておくとよいでしょう。 近年では、メーカーが復刻パーツを再販売することが増えてきており、人気のある旧車の部品を入手しやすくなっています。ただし、再販売パーツの数量が限られていたり、すでに再販売が終了していたりすることもあるため、注意が必要です。旧車の購入を検討するときは、その車の故障しやすい部位のパーツが入手できるか確認しておくことをおすすめします。 税金が高くなる 年式が古い車の税金は割高です。自動車税は、初年度登録年月から13年(ガソリン車の場合)が経過すると約15%の重課となります。自動車重量税は、初年度登録年月から13年以上経過すると重課され、18年以上経過するとさらに税金が高くなります。初年度登録年月から13年以上経過している旧車の購入を検討する際は、税金が通常よりも高いことを考慮しましょう。 保管場所が限られる 旧車は、パーツの入手が難しかったり、希少価値が高かったりするため、車両の保管に気を付けなければなりません。 日光が当たる場所や雨風の影響を受けやすい駐車場に保管しておくと、部品の劣化が進行してしまい、車が動かなくなったり、部品が錆びたりすることがあります。価値ある旧車に長く乗り続けるためにも、屋根付きガレージに保管するといった工夫が必要です。 また、人気が高い旧車や流通台数が少ない車は、中古車市場で高値で取引されるため、盗難の恐れもあります。手に入れた旧車を盗まれないようにするためにも、保管場所に気をつけましょう。 旧車の維持費を少しでも抑える方法 旧車は、税金が高かったり、車両の保管に気を遣ったりする必要があるため、維持費が高くなりやすいです。旧車の維持費を少しでも安く抑える方法はあるのでしょうか。ここからは、旧車の維持費を抑える方法を解説します。 こまめにメンテナンスをする 旧車に限らず、車は定期的なメンテナンスが必要です。オイル交換や部品交換などのメンテナンスを適切に行っていれば、故障するリスクが減り、車検や点検などのタイミングでかかる費用を抑えることができます。定期的に点検や部品交換をして、不具合や故障などを未然に防ぎ、メンテナンスコストを最小限に抑えられるようにすると維持費を抑えられます。 車への負荷を減らす 適切なメンテナンスをしている旧車であっても、急発進、急ブレーキ、急ハンドルなどは、車に大きな負荷がかかります。負荷がかかると車が傷んだり、故障したり、不具合が起きたりすることがあるため、丁寧な運転を心がけましょう。 旧車の維持費に影響を及ぼす要素 旧車の維持費は、市場の人気や車両の流通数、年式などによって変動することがあります。ここからは、車の人気や流通数、年式が維持費に影響する理由を解説します。 市場の流通数 旧車の市場流通数は、車両や部品の値段に影響します。流通数が少なくなれば、車両や部品の希少価値が高くなり、価格が高騰します。 旧車は現在生産されていない車であることから、流通数が減少する一方です。そのため、旧車の維持費を少しでも抑えたい場合は、流通数が多い車を選ぶとよいでしょう。 また、近年では人気がある旧車のパーツをメーカーが再販売するケースもあります。人気の旧車であれば、メーカーやアフターパーツメーカーから部品を調達しやすいため、維持費を抑えられるでしょう。 年式 旧車の年式は、新しい方が故障するリスクが低いことが多いです。維持費を抑えるためには、年式が新しい車を選ぶとよいでしょう。 一方、年式が古い車は、故障のリスクが高かったり、部品の調達が難しかったりするため、維持費が高くなります。旧車を購入するときは、年式や部品の調達のしやすさも考慮しておくと良いでしょう。  

車のバッテリーを交換する必要性とは?車のバッテリーの寿命を延ばす方法や日常の点検方法なども解説
旧車メンテナンス 2023.06.15

車のバッテリーを交換する必要性とは?車のバッテリーの寿命を延ばす方法や日常の点検方法なども解説

車のバッテリー交換は車検や法定点検のときに業者に任せているという人も多いでしょう。車のバッテリーの品質が向上している影響で、交換時期を見誤ってしまい突然バッテリーあがりのトラブルに見舞われるケースが増加しています。今回は、車のバッテリーを交換する必要性や車のバッテリーの寿命を延ばす方法などについて解説します。車のバッテリートラブルが不安な人は参考にしてください。 車のバッテリーを交換する必要性 車を快適に乗るためにはバッテリーの定期的な交換は非常に重要です。最近のバッテリーは寿命ぎりぎりまで使うことができるため、交換時期の前兆が把握しにくくなっています。突然バッテリーが上がり、立ち往生や不要なトラブルに陥らないよう注意が必要です。 車のバッテリーの寿命 車のバッテリーの寿命は使用年数を目安に考えましょう。車のタイプによって目安となる年数は異なるため、定期的な交換で突然のバッテリー上がりを防止することが重要です。 【車のタイプ別 使用年数の目安】一般的なガソリン車........2~5年アイドリングストップ車........2~3年ハイブリッド車(補機バッテリー)........4~5年※使用状況により差があります。 車のバッテリーの寿命が尽きそうなときのサイン 車のバッテリーの寿命が尽きそうなときのサインについて詳しく解説します。 エンジンがかかりにくい 車のバッテリーが弱ってくるとエンジンがかかりにくくなります。エンジンを始動するときのセルモーターの音が小さくなったり遅いと感じたら早めに点検してもらいましょう。 ヘッドライトやメーター類の明るさ 車のバッテリーが弱ってくるとヘッドライトやメーター類が暗くなります。LEDのヘッドライトの場合は把握しにくい場合があるため、メーター類が普段よりも暗いと感じたら早めに点検してもらいましょう。 パワーウィンドウの開閉スピード 車のバッテリーが弱ってくるとパワーウィンドウの開閉時の動きが極端に遅くなります。並行して多くの電装品を使用している場合にも同じ症状が出るため、その場合は他の電装品を一度OFFにしてからパワーウィンドウの開閉を行って確認しましょう。 車のバッテリーの寿命を延ばす方法 続いて、車のバッテリーの寿命を延ばす方法について詳しく解説します。 定期的に十分な距離を走行する 車のバッテリーの寿命を延ばす方法は、定期的に十分な距離を走行することです。車のバッテリーは放置しておくと自然放電するため、週に一度は10km以上もしくは30分程度を走行しましょう。ただし、街中などのストップアンドゴーが多い道では十分な充電がされないため、信号の少ない郊外へのドライブがおすすめです。 エンジン停止状態で電子機器を使用しない エンジン停止状態で電子機器を使用するとバッテリーに大きな負荷がかかります。アイドリングストップ時などはスマートフォンの充電やエアコンなどの使用は極力控えましょう。どうしても使用する場合は、短時間で必要最低限のものだけを選択することをおすすめします。 バッテリー上がりを防ぐ 車のバッテリーの寿命を延ばすためには、バッテリー上がりを防ぐことも重要です。バッテリー上がりを一度でも起こすとバッテリーの性能は低下します。特にエアコンを多用する夏場や外気温の低さで電圧が低下する冬場は注意が必要です。 バッテリーの日常の点検方法 バッテリーの日常の点検方法は、下記のポイントを参照してください。 バッテリー液の量........適切な量が入っているか、変色していないか確認するバッテリー本体........液漏れやひび割れ、膨張などがないか確認する端子や取付け部........ゆるみやがたつきがないか確認する※メンテナンスフリーのバッテリーの場合は、点検用インジケーターを確認しましょう バッテリー交換はどこに依頼すればいい? バッテリー交換はディーラーや整備工場、カー用品店やガソリンスタンドなどで依頼できます。バッテリー代に加えて作業工賃や廃棄費用もかかるため、交換費用には総額で8,000〜50,000円程度必要です。費用負担が大きいため、自分の車の適合バッテリーの交換費用を事前に確認しておくとよいでしょう。 バッテリー交換は自分でできる? バッテリー交換は自分でもできます。バッテリー交換は比較的簡単な作業のため、必要な工具と正しい手順の知識があれば誰でも可能です。ただし、端子の接触によるショートやバッテリー液の希硫酸によるトラブルもあるため、自信がない人は専門業者に任せましょう。

車のガラス修理とは?車のガラスが割れる・傷つく原因や破損したときの対応方法についても解説
旧車メンテナンス 2023.06.15

車のガラス修理とは?車のガラスが割れる・傷つく原因や破損したときの対応方法についても解説

車のガラスが割れたりキズが入った場合、どうすればよいか悩む人も多いでしょう。ガラス傷は放置しておくと広がることもあり、状態によっては車検に通らなくなります。今回は、車のガラスが割れる・傷つく原因や、車のガラスが破損したときの対応方法などについて解説します。車のガラス修理を検討中の人は参考にしてください。 車のガラスが割れる・傷つく原因 車のガラスが割れる・傷つく原因は、そのほとんどが走行中の飛び石が原因です。車のガラスは衝撃に強いため、飛び石で大きな破損におよぶことはほとんどありません。しかし、時間経過とともにキズが広がり、状態によっては車検に通らなくなる可能性があるため注意が必要です。 車のガラスが破損したときの対応方法 車のガラスが破損したときの対応方法について詳しく解説します。 破損状況を確認する まずは破損状況を確認しましょう。安全な場所に車を駐車してからキズの大きさや深さをチェックし、走行に支障が出ると判断したときはJAFや加入している保険会社のレッカーサービスに連絡することをおすすめします。フロントガラスが大きく破損した状態での走行は道路交通法違反となるため注意が必要です。 必要に応じて応急処置をする すぐに修理や点検に出せない場合は、必要に応じて応急処置をしておきましょう。ガラスのキズは放置しておくと広がる可能性があるため、カー用品店で販売されているリペアキットや保護シールを利用した応急処置がおすすめです。 専門店でガラスを修理・交換する 車のガラス傷は小さいからと放置しておくと、振動や風圧で広がって走行中に視界を妨げる大きさになる可能性があります。早期に修理しておくことで走行時の安全確保や修理費用を抑える効果もあるため、早めに専門店に修理や交換を依頼しましょう。 車のガラスの部分的な修理はできる? 車のガラスの部分的な修理は状態によって可否が決まります。 修理できるケース ガラス傷のサイズが500円玉硬貨よりも小さく、フロントガラス枠から5cm以上、下端部から20cm以上離れていれば(車種によってフロントガラスの傾斜角の影響などで前後します)修理できる可能性が高いです。 交換になるケース ガラス傷のサイズが500円玉硬貨よりも大きい場合や、ガラスの表面がえぐれているキズは交換が必要です。また、運転席からの視界を遮る場所にあるキズは、修理しても歪みや再発する可能性があるため交換を勧められる可能性があります。 車のガラスの修理・交換費用 車のガラスの修理・交換費用は、依頼先や修理内容などで大きく異なります。 自分で補修・修理する キズの状態によっては自分で修理できる場合があります。DIYによる補修・修理は市販されているガラス傷用リペアキットで行うことができるため、費用は数千円もあれば可能でしょう。また、車を修理工場に入庫しなくてもよいため、時間や休日の予定を気にすることもありません。ただし、修理・補修が不十分となるリスクがあるため、自己責任で行ってください。 ディーラーで補修・修理する ディーラーに依頼する最大のメリットは、状況に応じたガラス傷の補修・修理を提案してくれることです。また、ガラス交換となったときは純正のガラス部品を使用するため、品質や保証については申し分ないといえるでしょう。ただし、修理費用は他の業者と比べると割高なため、専門業者と相見積もりをとって比較検討することをおすすめします。 修理は2万円〜、交換が必要な場合は10万円〜が費用の目安となり、いずれの場合も最低1〜2日間は車を預ける必要があります。 自動車ガラス修理工場 自動車ガラス修理工場に依頼する最大のメリットは修理費用の安さです。交換が必要な場合でも中古品や社外品のガラスを提案してくれることもあるため、ディーラーよりもコストを抑えることができます。 また、修理なら30分〜1時間程度、交換なら半日程度で完了させる業者もあるため、毎日車を使う人にとっては時間の融通がききやすいといえるでしょう。修理は8千円〜、交換が必要な場合は7万円〜が費用の目安です。 車のガラスの修理・交換には車両保険を利用できる 車のガラスの修理・交換には車両保険を利用できます。ただし、加入している保険内容によっては全額自己負担となる可能性もあるため、事前に保険会社に確認しましょう。また、車両保険を利用することで次年度の保険等級や事故有係数が変化するため、将来的な保険料の割増を見据えると利用しない方がよいケースもあります。 車のガラスは自分で修理できる? 車のガラスは自分で修理できます。DIYでのガラス修理に使えるガラスリペアキットやリキッドコンパウンドはカー用品店などで販売されており、補修作業の手順も動画を参考にすることが可能です。ただし、補修できないガラス傷もあるため、事前に確認した上で必要に応じて専門業者に補修や交換を依頼しましょう。

旧車のバッテリーが上がる主な原因は?旧車のバッテリーが上がりにくくするための方法についても解説
旧車メンテナンス 2023.05.22

旧車のバッテリーが上がる主な原因は?旧車のバッテリーが上がりにくくするための方法についても解説

旧車のバッテリー上がりを不安に思っている人も多いでしょう。走行中に突然エンジンが止まったり、キーを回してもエンジンがかからなかったりすると、焦って不安になります。今回は、旧車のバッテリーが上がる主な原因と、旧車のバッテリーが上がりにくくするための方法について詳しく解説します。旧車のバッテリー上がりに不安な人は参考にしてください。 旧車のバッテリーが上がる主な原因 まず始めに、旧車のバッテリーが上がる主な原因について詳しく解説します。 オルタネーターの発電量 旧車でオルタネーターの発電量不足によるバッテリー上がりは、よくあるトラブルといってよいでしょう。「経年劣化により交換したばかりのオルタネータでもなぜかバッテリーが上がってしまう」という症状は、アクセサリーや電装系の追加パーツの電力消費量が発電量を上回ることにより発生します。 これはカーナビゲーションやドライブレコーダーなど、近年主流となったカーアクセサリーが主な原因です。オルタネーターの交換はリビルト品や中古品を用いるのが一般的で、新車発売当時の標準的な発電量しかありません。対策として「過剰な電装パーツを取り付けない」こと以外に「外品で販売されている発電量の高いハイパワータイプのオルタネーターと交換する」ことで解消できます。ただし、車検対応の有無や対象車種については事前に調べておく必要があるでしょう。 バッテリーやハーネスの劣化 旧車のバッテリー上がりの原因として、オルタネーターの劣化と同様に多いのがバッテリーやハーネスの経年劣化です。バッテリーやハーネスも消耗品であるため、劣化具合によっては送電や充電ができなくなることがあります。 旧車の場合、ハーネスに関してはメーカー廃番となっているものも多く、新品への交換というのは容易ではありません。経年により配線が硬化して抵抗が高くなることで送電に支障が出てしまうため、定期的な点検と必要に応じた修理や在庫があれば交換が必要です。また、ヒューズも経年劣化により同様の症状が出るため定期的に交換しておきましょう。 バッテリーは古くなると液量が減少したり、極版の劣化で従来の性能を発揮できないことがあります。また、旧車にドライブレコーダーやセキュリティシステムを搭載していると、イグニッションスイッチがOFFでも暗電流によってバッテリーが上がりやすくなるため注意しましょう。 自然放電 バッテリーは長期間車に乗らないなどの理由によって自然放電します。バッテリーのサイズや外気温、車載の電装品などによって差はあれど、3〜4週間程度放置しておくとバッテリー上がりを起こすと考えましょう。 旧車のバッテリーが上がりにくくするための方法 続いて、旧車のバッテリーが上がりにくくするための方法について詳しく解説します。 消費電力をおさえる 旧車のバッテリーが上がりにくくするためには、消費電力をおさえることが重要です。エアコンの設定を弱めにしたり、停車したときにライトをオフにするなど、電力の消費をなるべく抑えることを常に心がけましょう。また、シガーソケットからのスマートフォンの充電や空気清浄機の使用などにも注意が必要です。 定期的な点検や整備を徹底する 旧車のバッテリーが上がりにくくするための方法として、定期的な点検や整備を徹底するのが効果的です。バッテリーの寿命やハーネスの経年劣化が見受けられるときは、早めに点検や交換をしましょう。また、ハーネスの部品確保には時間がかかることも多いため、計画的な整備を心がけることが重要です。 車を頻繁に動かして充電する バッテリーが自然放電しないよう車を頻繁に動かしましょう。最低でも週に一度は30〜60km/hの速度で、30〜60分程度走行することをおすすめします。チョイ乗りが多い場合や多忙で運転する時間があまりない人は、充電受入性能の高いバッテリーに交換することがおすすめです。

キャブ車における点火タイミングって何? 点火タイミングについて徹底解説します。
旧車メンテナンス 2022.09.29

キャブ車における点火タイミングって何? 点火タイミングについて徹底解説します。

キャブ車における点火タイミングとは、スパークプラグに電気火花を発生させ、混合気に火をつけるタイミングのことです。一般的にクランク角度で表します。さらに点火タイミングはエンジン回転数とスロットルバルブ開度の2つの要因によって調整されます。今回は4気筒エンジンをベースにキャブ車の点火タイミングについて解説します。 キャブ車の接点式点火タイミングとは 接点式点火装置における点火タイミングとは、配電器であるディストリビューター内で行われます。ディストリビューターは以下で構成されています。 ・イグニションコイルの一次電流を断続して二次コイルに高電圧発生させる断続部・イグニションコイルの二次電圧を点火順序に従ってスパークプラグに配電する配電部・エンジンの回転速度や付加に応じて点火時期を最適に調整する進角部・ディストリビューターを駆動させる駆動部まず点火を行う断続部です。回転する金属カム、ブレーカー・アーム(可動部)ポイント・サポート(固定部)、ブレーカー・プレートで構成されています。金属カムがブレーカー・アームのヒール部を開閉する時の回転角度と接点(コンタクト・ポイント)のすき間が重要になります。 回転角度はドエルアングルと呼ばれ、一次電流の流れている時間を左右します。この角度が適切でないと二次電圧に影響します。 ドエルアングルが小さいと高速回転時に一時電流の立ち上がりが遅くなり、二次電圧が低下します。逆にドエルアングルが大きいとポイントが閉じている時間が長くなり、一次電流が大きくなってエンジンの高速回転時の二次電圧は上がりますが、低速回転時にはポイントに火花発生して一次電流の遮断が悪くなり二次電圧が低下します。 つまりドエルアングルが小さいと高速回転域では力がなく、ドエルアングルが大きいとアイドル回転時や低速回転域で馬力不足になります。 接点(コンタクト・ポイント)のギャップが重要で、一般的に0.4mm〜0.5mmの間隙で調整します。ギャップが広いと一次電流の通電時間が短く、二次電圧が低くなり、ギャップが狭いとポイント間で火花が発生し、低回転時に一次電流の切れが悪くなって二次電圧が低下します。ドエルアングルと接点のギャップと同じようなフィーリングがでますが、原因は異なります。 キャブ車の点火タイミングに必要な作業手順 まず車の状態を調べる必要があります。 ①入庫時に点火タイミングを調べる できればドエルアングルテスターを用いてドエルアングルも調べます。点検方法ではタイミングライトを使用します。進角度がどのくらい進んでいるのか、遅れているのか確認します。メーカーの設定基準から外れている場合は調整が必要です。 ②燃料のオクタン価が正しいか確認する ハイオク仕様のエンジンにレギュラーガソリンが供給されていないか確認します。オクタン価が低い場合、正しい点火タイミングに調整してもノッキングあるいはデトネーション(異常燃焼)の原因となりエンジンの破損に繋がります。 ③ポイントのすき間を測定する ポイントは遮断と通電を繰り返していく過程で焼損し、消耗してゆくので調整前に必ず隙間を測定します。長年使用していると表面が焼損し、通電不良となります。  キャブ車の点火タイミングの調整が必要な理由 ディストリビューター内にあるブレーカー・ポイントが消耗するため、走行距離や負荷に応じて調整する必要があります。ブレーカー・ポイントが消耗する箇所は2つです。1つは電気を遮断・通電するポイントが焼損するため消耗します。 もう1つはブレーカー・ポイントを開閉するブレーカー・アームにあるヒールと呼ばれる部分です。ヒールは駆動部である金属カムと接しているため摩耗してゆき、ブレーカー・アームの開き方が小さくなります。ポイントの開く隙間が小さくなることで一次電流の立ち上がりが遅くなり二次電圧の立ち上がりが悪くなるため、緩やかにエンジンの調子が悪くなってゆきます。 キャブ車の点火タイミングの調整方法 ①ブレーカー・ポイントのギャップを調整する エンジンが停止している状態でクランクを工具で回転させ、1番気筒の点火時期に合わせます。接点(コンタクト・ポイント)のすき間を測定し、ブレーカー・アームを固定しているネジをゆるめて0.4mm〜0.5mmに隙間を調整します。 ②ディストリビューターを組み立て、タイミングを測定する エンジンを始動してタイミングライトを用いてアイドル回転の進角度がサービスデータの規定値にあるか目視します。エンジンの回転数を上げ、進角が変化するか確認します。 ブレーカー・ポイントを新品に交換した際はブレーカー・アームのヒール部が初期摩耗するので15km〜20kmほど走った後、もう一度ブレーカー・ポイントのギャップを点検する。 ③ブレーカー・ポイントのギャップが適正でも進角が合わない場合はディストリビューター本体の取り付け角度を調整する ギャップが適正かつ進角装置がきちんと働いている場合は、ディストリビューター本体を固定しているネジを緩めアイドル回転数での規定範囲に調整します。 キャブ車の点火タイミングのメンテナンスを怠るとどうなる? 前述した通り、徐々に点火タイミングは狂ってきます。ポイントの焼損とブレーカー・アームのヒール部の摩耗によりイグニションコイルの一次電流の立ち上がりが悪くなり、二次電圧の出力が低くなります。スパークプラグへの供給電圧が低くなるため、良い電気火花が飛ばなくなりプラグ先端がくすぶる原因になります。さらに放置しておくと失火という事になります。

法定整備とは?車検との違いや費用・所要時間を詳しく解説
旧車メンテナンス 2022.09.22

法定整備とは?車検との違いや費用・所要時間を詳しく解説

法定整備は、その名の通り法で定められた整備です。法定整備と聞くと車検のことをイメージする方も多いですが、実は内容が大きく異なります。車を安全に走行させるためには定期的な点検整備が必要です。特に中古車を購入する際には法定整備の有無がその後の費用負担や車の寿命を左右するため、納車前に実施されるかどうかの確認は必要といえます。今回は法定整備の詳しい内容と、車検との違いやかかる費用などについて解説します。 法定整備とは 法定整備とは、国土交通省が法で定めた定期点検のことです。法定整備は保安基準に適合した自動車であることを検査するだけでなく、不具合があった場合の整備も実施する必要があります。それでは法定整備について詳しく解説します。 車検との違い 法定整備よりも重要と考えられやすいものに車検があります。車検は正式名称を「自動車検査登録制度」もしくは「自動車継続検査」といい、道路運送車両法の保安基準を満たしているか検査をすることです。車検は検査のみとなり、「公道の走行」「整備状況と環境基準」のそれぞれに問題がないかを検査します。 車検切れの車を公道で走らせると違反点数と罰金が課せられますので注意が必要です。法定整備よりも罰則の有無で車検の方が重視されやすい傾向にあります。しかし車検とは最低限の基準に適合しているかを見る検査ですので、安全安心に運転するためにも法定整備は重要です。 必要性 法定整備は、国土交通省が使用者(運転者)の義務として定めています。法定整備を行わないで不測の事態に陥ることは整備不良による罰則を受ける可能性があり、その責任は運転者が対象です。整備不良と判定された場合、道路交通法第62条「整備不良車両の運転禁止」に抵触し、3ヶ月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金が科せられます。 法定整備の内容 法定整備は、12ヶ月点検と24ヶ月点検の2種類があります。詳しい整備内容について解説していきます。 12ヶ月点検 12ヶ月点検は、点検整備で車の故障を未然に防ぐためのものです。26項目の点検箇所をチェックするもので主にエンジンルームや室内、足回りや下回りの点検が実施されます。未実施による罰則はありませんが、故障や事故で周囲の人に被害を及ぼさないための使用者の義務です。 24ヶ月点検 24ヶ月点検は、車検時に同時に行われるのが一般的です。車検整備のことだと勘違いされることが多いようですが、実際には別の点検作業のことで12ヶ月点検よりも多い56項目について実施されます。12ヶ月点検と同様に未実施による罰則はありません。ユーザー車検の場合は、安全上24ヶ月点検だけディーラーや民間整備工場などに依頼することがおすすめです。 法定整備込・別・無の違い 中古車を購入する際は納車時に法定整備をされているか否かは重要です。法定整備がされていれば納車後の部品交換や修理といった費用負担や、不具合による危険が減るといえます。中古車販売店のプライスボードに表記されている「法定整備込・別・無」について解説していきます。 法定整備込 「法定整備込」と表記されているものは、車両価格に法定整備費用が含まれています。一般的に中古車販売店での法定整備は12ヶ月点検に則したもので、「法定整備別・無」の車よりも車両価格が高いです。納車後の追加料金が発生しにくい点がメリットと言えるでしょう。 法定整備別 「法定整備別」と表記されているものも、納車前に法定整備を実施してくれます。車両価格とは別途で諸費用として見積りに追加され、その分車両価格が抑えられている場合がほとんどです。購入を検討する場合は、法定整備費用が相場と比べて妥当か確認する必要があります。中古車保証が付く車両はこの法定整備を受けることが前提といえます。 法定整備無 「法定整備無」と表記されているものは、中古車販売店での法定整備はありません。現状渡しとも呼ばれますが、古い車や故障が多い車種の扱いといえます。納車後に不具合が生じる可能性が法定整備を実施した車よりも高いので、車両価格が安くても詳しい説明を聞いた上で購入を検討するべきでしょう。 法定整備にかかる費用 法定整備は、専門的な技術や知識が必要となり国の認証を受けた整備工場に依頼するのが一般的です。費用は車種や入庫する業者などによって異なります。12ヶ月点検で10,000~20,000円程度、24ヶ月点検は20,000~50,000円程度が相場です。整備点検に加えオイルなどの消耗品や部品の交換作業が伴う場合は別途費用が必要です。また、24ヶ月点検と同時に車検を受ける場合は、その費用が追加で発生します。 法定整備にかかる時間 法定整備にかかる時間は点検を行う業者によって様々です。一般的に12ヶ月点検で2時間~半日程度、24ヶ月点検で車検も合わせて1~2日程度といえます。部品の交換が伴う場合や大がかりなメンテナンスが必要な場合は、在庫の有無にも影響しますがさらに時間が必要です。 法定整備は自分でできる? 法定整備は自分ですることも可能です。「道路運送車両法」で定められた点検箇所を項目に沿って行い、外回りや運転席、エンジンルームや下回りの点検を実施します。しかし、自分で行うにもリフトアップできる環境や工具なども必要ですので、自信がない場合やリフトなどの設備が用意できない場合は無理せずにプロに任せた方が良いといえます。    

キャブ車における必要なメンテナンスとは?行わない場合に起こり得るトラブルも解説
旧車メンテナンス 2022.07.26

キャブ車における必要なメンテナンスとは?行わない場合に起こり得るトラブルも解説

キャブ車をお持ちの方でメンテナンスについてお悩みではありませんか? 構造を理解したい、整備にはどのような知識が必要なのか学びたいという方もいることでしょう。キャブ車における必要なメンテナンスについて、今回はキャブレターにフォーカスして解説します。キャブ車を所有されている方やキャブ車のメンテナンスを考えている方は、ぜひ参考にしてください。 キャブ車とは キャブ車とは、キャブレターと呼ばれる燃料気化器を搭載したガソリン・エンジン自動車のことです。まずは基本となるダウンドラフト・タイプの作動と構造の仕組みを解説します。 キャブレターの仕組み キャブレターとは、空気を吸入した際にベンチュリーと呼ばれる絞り部分を通過する時に発生する吸入負圧を利用して液体の燃料を霧状にする装置です。エンジンの運転状態において空燃比を自動調整する機構を備えています。 キャブレターは「フロート系統」、「メイン燃料系統」、「スロー燃料系統」、「始動系統」の大きく分けて4つの部品で構成されています。 フロート系統はフロートの浮力とニードルバルブの働きによってキャブレター本体に供給される燃料の過不足をなくし、一定の燃料を送る重要な系統です。燃料ポンプより送られてきたガソリンはニードル・バルブを通り、フロート室に入ります。 メイン燃料系統はフロート室から送られた燃料はメイン・ジェットにより計量され、メイン・エアブリードと呼ばれる空気と燃料を気泡状に混合させてメイン・ノズルに供給されます。 スロー燃料系統はエンジンの回転が低いとき(スロットル・バルブの開きが少ないとき)には、空気の流速が遅いため、スロー・ジェットで燃料を計量します。計量された燃料はスロー・エア・ブリードにより導かれた空気と混ざり合い、スロットル・バルブ近くのパイパス・ホールとアイドル・ホールから放出されます。 始動系統はエンジンが冷え切っているときには、燃料の気化が悪いため通常より濃い混合気が必要です。濃い混合気を作り出すためには負圧が必要なため、機械的に吸入口を閉じて内部の負圧を高めます。この機構をチョークと呼びます。運転席でチョーク・レバーを引くとリンクを通じてチョーク・バルブと呼ばれる蓋が吸入口を閉じます。始動に必要な空気はチョーク・バルブに備えられたポペット弁と呼ばれる小さな弁があり、クランキング時の負圧によって開き、必要量の空気が入ります。 キャブ車のメンテナンス方法 キャブレターの基本的なメンテナンス方法を解説します。 まずは、フロート室にある油面の点検です。油面の点検にはエンジンに合うレベル・ゲージが必要です。 (1)車を平坦な場所に停め、エンジンごとに決められたレベル・ゲージを取り付ける(2)エンジンを始動し、アイドリング運転をしたのち、エンジンを止める(3)レベル・ゲージを目視し、表面張力によらない油面の測定を行う このときの値がエンジンごとに決められた数値の範囲内であれば問題ありません。もし油面が高い場合はニードル・バルブを、油面が低い場合はフロートを交換します。オーバー・フローするときは、ニードル・バルブをガソリンで洗浄しましょう。 キャブレターの各系統のジェットは取り外して清掃できます。各ジェットの孔は、細心の注意をはらって加工されているため、孔の径が変わると適切な燃料の計量が行われなくなるので、清掃時に針金類は使用しないでください。清掃の際は、きれいなガソリンで洗浄し、エア・ブローで行います。 基本的な調整方法は、アイドル・アジャスティング・スクリューとスロットル・アジャスティング・スクリューで行います。エンジンを暖気運転後に行いましょう。CO(一酸化炭素)HC(炭化水素)のテスターを用いて各車両のサービス・データを参照しながらCOとHC濃度を確認します。COとHCが基準外のときはアイドル調整を行います。 インテーク・マニホールドにバキューム・ゲージを取り付けます。これは燃焼が安定しているかを見るために必要なゲージです。良い燃焼になっていると真空度の指針も安定します。指針が安定している所で、CO・HCテスターを見ながら調整します。スロットル・アジャスティング・スクリューは空気の量を調整できます。アイドル・アジャスティング・スクリューは燃料の量を調整できます。 車両のサービス・データの基準値を元にCOとHCの濃度を調整します。エンジンの回転フィーリングと排気ガスのバランスが大事です。調整の難しい所は、空気の供給量が少ないとCOの数値が高くなります。酸素の供給量が減るとエンジン内部で不完全燃焼が起こるからです。燃料が薄くても濃すぎてもHCの濃度が高くなります。薄いと燃焼に必要な濃度に達しないため、エンジンの燃焼が不安定になり未燃焼ガスが放出されるため濃度が高くなります。一方、燃料が濃いと必要な酸素の量が足りないため、未燃焼ガスが発生し濃度が高くなります。どちらもスパークプラグがくすぶり、エンジンの回転フィーリングが非常に悪くなります。 キャブ車のメンテナンスを怠るとどうなる? 冬季向けの調整と夏季向けの調整が必要です。冬季向けの調整をした状態で夏季を迎えると、外気に熱せられて膨張した空気が燃焼室内に入ります。空気が膨張すると体積当たりの酸素が不足となり、燃え残ったHCが排出されるので排出ガス規制に適合しません。 夏季向けの調整をした状態で冬季を迎えると、気化が悪くなり回転が落ちます。外気温が低くエンジンからの余熱が伝わりにくいため、燃料の中の水分が凍り付き、アイシングと呼ばれる現象に陥ります。燃料が気化供給されなくなるためエンジンが停止します。 あわせて自動チョークも夏季と冬季で調整が必要です。夏季は早めにチョークを解放するように調整し、冬季は長めにチョークを解放するように調整が必要です。 キャブレターの調整時にはスパークプラグがくすぶるので、時々エンジンを30秒間ほど3000rpmでレーシングしてスパークプラグに着いたカーボンを落とす作業をしなければなりません。

あこがれの旧車に乗りたい方必見!旧車に安く乗る方法教えます!
旧車メンテナンス 2022.02.10

あこがれの旧車に乗りたい方必見!旧車に安く乗る方法教えます!

空前の旧車ブームと言われておりますが、維持費や将来の部品供給などは誰しもが不安を感じる部分ではないでしょうか?ここでは、維持費を抑えて旧車に乗る方法や今現在メーカー取り組んでいる部品の再供給などについてご紹介させていただきます。 どんな旧車が維持しやすいのか? あこがれの旧車やネオクラシックカーに乗りたいけど維持費が気になるという方は多いのではないでしょうか?単純に維持費を考えた場合に、当然ですが年式は新しい方が安く済みます。したがって、1990年代のネオクラシックカーが一番維持費が安く済み、1970年代~1980年代の旧車はある程度維持費を覚悟しなければならないと言えるでしょう。 但し、1990年代の車は走り屋さん好みのクルマが多く、状態の見極めが非常に重要です。極端な話し本格的に走り込んでいた個体は廃車同然です。そのような観点で考えた場合、少し不人気だったモデルがお勧めです。理由は、誰しもが人気のクルマで峠やサーキットを走りたいと考えるので、少し不人気だったクルマは単なるファミリーカーとして使われている傾向が強いからです。つまり、痛みが少なくお値段もお手頃なので一石二鳥というわけです。とは言っても、プレミアが付いていることには変わりなく、十分に魅力的なクルマばかりです。 具体的には、マツダのNBロードスターや日産のS14シルビアです。先ずユーノスロードスターのブームで存在感が薄くなりがちなNBロードスターは、既に100万円切っている個体が多数存在していて、基本的にマツダ車は造りがしっかりしているので、普通の中古車の感覚で乗ることが出来ます。次に、S14シルビアですが、こちらはドリフトで人気のS13/S15の影に隠れてしまったモデルになりますので、その分程度がよい個体が手に入ります。例えば、オリジナルコンディションの K'sのマニュアルで150万円を切っています。最近では、S13のK'sでも200万円近い値が付いていますので、これは本当にお買い得です。維持費も日産車はエンジンのヘタリが少なく、つまらない故障が多いと言われますが、肝心ところは丈夫に出来ていますので大きな心配はいりません。その他にも、最後のチェイサーの人気で唯一の2番人気になってしまった100系マーク2もお勧めです。人気のチェイサーよりも安く手に入るだけでなく、やはりトヨタ車は壊れませんので、当たり前ですが維持費が安く抑えられます。そして、どんなクルマにも言えることは、オートマの個体を選択すれば痛みが少なく購入費用も安く抑えられるということです。 旧車を安く維持するためのコツ 旧車を安く維持するためのコツは、単純にオリジナルコンディションを保ち負担のかかるサーキット走行などは避けることです。ただ、それではつまらない話しになってしまいますので、どうしてもサーキットを楽しみたいという方は、先ずは面倒を見てくれるショップを探すことです。そして、人間関係やネットワークが出来てくれば、部品が安く手に入ったり、工賃などの相談もしやすくなります。また、出来る限りDIYで整備を行えば維持費を安く抑えることが出来ます。 その昔、86やシルビアが今のように高騰していなかった時代は、部品取り車を1台購入して維持費を安く抑えるという方法がありました。今でも例えば100系マーク2であれば標準車のグランデが15万以下で手に入りますので、部品取り車まで考えてクルマ選びをすることも旧車を安く維持するためのコツかもしれません。 維持費だけではない!部品の供給も大事 旧車は維持費以外にも大きな問題があります。それは、部品の供給が可能なのかどうかです。基本的に車の部品の保管期間はモデルの生産終了から10年間とされています。つまり、比較的年式が新しいネオクラシックカーを購入したとしても、とっくに部品の生産は終わっており、在庫がなくなり次第販売を終了となってしまうわけです。 この問題は非常に深刻でネオクラシックカーの代表的なモデルと言えるスカイラインGT-Rが純正部品の欠品に直面しています。スカイラインGT-Rは、最も新しいR34型でも生産終了から18年が経過しており、R32型だけでも約2万台が存在していると言われています。なおかつサーキット走行を楽しむユーザーが多いGT-Rにとっては存在自体が危ぶまれる死活問題です。 その状況を改善すべく、日産は2017年11月に「NISMOヘリテージ」を立ち上げ、スカイラインGT-Rの部品の再供給を行うことを発表しました。そして、同じ取り組みはマツダのユーノスロードスターでも行われており、なんとあのトヨタまでも旧型スープラ向け供給部品の「GRヘリテージパーツプロジェクト」をスタートさせているのです。そして、この流れが加速すれば、魅力的な旧車を安く維持することが可能となり、ひいてはクルマ離れに歯止めをかけることにも繋がるのです。 もし維持できなくなったらどうすればいいのか? ここまで、旧車を安く維持する方法や将来の部品の供給についてご紹介させていただきましたが、それでも最も新しいモデルで20年以上が経過している旧車はどうしてもお金がかかります。ましてやハコスカやS30などの究極の旧車を手にした場合は、青天井の出費に繋がります。 したがって、旧車を維持することが難しくなってしまうユーザーが出てきてしまうのはある意味仕方がないことでもあるのです。そんなときは是非旧車王にご相談ください。長きにわたり世界各国の旧車を買取ってきた豊富な実績はお客様のお役に立つこと間違いなしです。そして、空前の旧車ブームはちょっとしたバブルと言われており、つまり今が一番の売り時ということです。 [ライター/旧車王編集部]

S2000・部品供給の状況&再販はあるのか?
旧車メンテナンス 2022.02.10

S2000・部品供給の状況&再販はあるのか?

S2000だけに限らず、日本で販売された車には「供給年限」として、修理や点検で必要となる部品を在庫として各メーカーが保管しています。 基本的には生産終了してから10年間ほどを「供給年限」としているメーカーが多くなっています。 S2000は2009(平成21)年9月に生産が終了し、すでに10年を過ぎているため、部品供給に対して不安を感じているオーナーも多いでしょう。 今回の記事では「S2000・部品の供給状況、再販」について詳しく解説していきます。 S2000の部品供給状況は? 現在、S2000は生産終了から10年を越えてきているため、部品の供給がいつ終了してもおかしくはない状況です。 しかし、S2000はホンダ車の中でも人気のある車種なので、今の所は「部品が手に入らない」という状態にはなっていません。 2020年、ホンダ公式のカスタムパーツが発売 注目すべきは「20年目のマイナーチェンジ」とされるS2000純正アクセサリーの発売でしょう。 S2000が現行販売されていたころの純正アクセサリーとしてラインナップされていた部品や、「20年目のマイナーチェンジ」を表現するにふさわしい、当時にはなかったアクセサリーまで用意されています。 全部で8アイテムのラインナップとなっていますが、販売方法は「期間限定受注生産」と「販売個数限定」の2つに分かれているため、販売個数限定に関してはすでに売り切れが出てきています。 その他は値上がり部品が多く欠品後の再販目処も今のところなし 「20年目のマイナーチェンジ」で用意されているのは、あくまでカスタムパーツとなるアクセサリーです。 消耗品ではない外装部品などは徐々に欠品も出始め、ホンダによる再販の目処は立っていません。 また、備品によっては現行販売されていた時よりも価格は上がり始めているため、そう遠くない将来にS2000の部品が供給されなくなる可能性もあるでしょう。 部品供給に関するホンダの傾向 部品供給という面ではホンダも他のメーカーと同じで、生産終了から10年ほどは在庫を持っています。 しかし、ビートに始まり、S2000と今後も人気車種や古い車種でも人気の高い車種の純正部品の再販はあるかもしれません。 一部車種を除き、再販されない 現在では「ビート」のパーツカタログが開示され、純正部品の再販が始まっています。 ビートは今でもオーナーが多く、多くの声が集まったからこその再販と言えるでしょう。 ただし、あくまでビートのような人気車種によるもので他の車種で純正部品は再販されていません。 2020年、ホンダがパーツカタログの開示を決定 今でも人気があるS2000オーナーのために、「パーツカタログ」が2020年に開示されることがホンダから発表されました。 当初の予定 ホンダは当初、「2020年6月」にパーツカタログの開示を予定していました。 補修部品の施策として、純正部品を網羅したカタログになるとのことで、S2000オーナーからは喜びの声が上がっていました。 しかし、新型コロナの影響で延期に 当初は2020年の6月に公開される予定だったパーツカタログですが、公式サイトでは未だに公開されていません。 これは2020年の初めに流行し始めた「新型コロナウイルスの影響である」と公式サイトでも発表されています。 具体的に延期の理由は示されておらず、今後もどの程度の延期になるのかは未定のままです。 現在も公開日は決まっておらず、無期限の延期になるでしょう。 一連の動きから見て取れるS2000の部品供給と将来の再販 S2000は人気もあり、「20年目のマイナーチェンジ」や「パーツカタログの開示」など、まだまだホンダが手を入れていきたい車種であることが分かります。 そもそも、パーツカタログの開示自体が「部品供給が心配なオーナーのために」とされていますので、今後も重要な部品は供給され続ける可能性は高いでしょう。 また、最近では軽自動車「ビート」のパーツカタログが開示され、一部、純正部品が再販されています。 S2000もビートと同じ流れになることが予想されますので、パーツカタログが開示され次第、部品の再販となるでしょう。 結局S2000に乗り続けることができるのか? 今後もS2000の純正部品やアクセサリーは販売される可能性があるため、乗り続けることは可能でしょう。 ただし、現在でも一部の純正部品は値上がりをしているものもあり、修理箇所によっては手に入らない部品も出てきます。 生産終了から10年以上経過しているため、乗り続けるためには現行車とは違い、費用や部品入手の難しさに直面することになります。 もし、厳しいと思った場合の対処法 大事な愛車でも費用面や部品供給次第では乗り続けることが厳しくなる場合もあります。 どうしても、乗り続けることが厳しいと思った場合には手放すことも1つの選択肢に入れてみてください。 ディーラー下取りを利用する 前提として、「下取り」と「買取り」は別物です。 ディーラーは次の車を購入することを条件に現在の車を下取りという形で引き取ります。 あくまで、「新しい車を購入する」という前提があっての下取りということを理解しておきましょう。 一般的にディーラー下取りの場合は「価格が安くなる」と思われがちですが、ディーラーとしては次の車を購入してもらえるため、新車の割引に近い形で下取り価格を高くする場合があります。 ただし、S2000のように特殊な車であれば販路が広い買取専門店のほうが高くなる可能性があるかもしれません。 一括査定に出す 今までは一般的な車を手放す方法として、買取専門店へ出向いて査定してもらうことが普通でした。 最近では車種の情報を登録するだけで、買取専門店数十社へ一度に見積もりを出してもらうことが出来るようになっています。 一見すると便利ですが、実際には一般的な買取専門店であれば車種によって買取相場を決めているため、どの買取店でも金額に大きな差が出ることはありません。 また、詳細な金額を知るためには、実際に依頼して査定をしてもらう必要があるため、手間もそれなりにかかり、想像している一括査定とは違ってくるでしょう。 S2000が得意な買取専門店に相談する 一番おすすめしたいのは「S2000を得意としている買取専門店」です。 S2000は一般的なファミリーカーではなく、年式も10年を越えているため、乗用車をメインとしている買取専門店では高額買取にはなりません。 S2000の価値を分かっている買取専門店であれば、下取りや乗用車メインの買取専門店よりも高額になる可能性があります。 まとめ 今回の記事では「S2000・部品の供給状況、再販」について解説してきました。 S2000は「供給年限」を過ぎている車種なので、部品供給は難しくなってくる頃です。 しかし、「20年目のマイナーチェンジ」や「パーツカタログの開示」などで、ホンダがS2000に乗り続けてもらいたいと考えていることが伝わってきます。 それでも純正部品は当時よりも値上がりしているものや、廃止になったものも出てきているため、「維持が厳しい」と考えるオーナーも多いでしょう。 もし、S2000を手放すのであれば、価値を十分に分かっている買取専門店がおすすめです。 旧車王では旧車やスポーツカーの買取を得意としている買取専門店なので、一度、無料査定を申し込んでみてはいかがでしょうか。 [ライター/旧車王編集部]

脳天までしびれる高回転エンジンをオープンエアで堪能!ホンダ S2000の維持費をご紹介
旧車メンテナンス 2022.02.10

脳天までしびれる高回転エンジンをオープンエアで堪能!ホンダ S2000の維持費をご紹介

1990年代は名車と呼ばれるスポーツカーが数多く発売されましたが、その中でも、今なお大きな存在感を示しているのがホンダ S2000です。ロングノーズのやや柔らかい印象の外観とは裏腹に、許容回転数9,000rpmという超高回転型のVTECエンジンを搭載。その本格的な走りと完成度は日本のみならず海外からも高く評価されています。 そこで今回は、そんなS2000に気持ち良く乗り続けるための維持費がどれくらいかかるかご紹介していきます。 驚きの超高回転!ホンダの名車「S2000」とは ホンダ S2000は、本田技研工業創立50周年記念車として1999年に登場した2シーターのオープンスポーツカー。FFスポーツに力を入れてきたホンダですが、約29年ぶりに復活したFRレイアウトとあって、当時な話題となりました。 注目すべきポイントは、250PS、そして9,000rpmという驚きの許容回転数を誇る超高回転型エンジンを搭載したこと。2L直列4気筒VTECエンジン「F20C」は、市販車として世界最高水準ともいえる性能を有しています。また、オープンカーでありながらクーペ並みの高剛性を実現し、クローズドにも劣らない本格的な走りが特徴です。 なお、生産台数は約10年の販売期間で21,662台と少なく、現在では中古車価格が高騰しています。 年式で変わる!ホンダ S2000にかかる維持費 S2000は発売から20年あまり経っていますが、生産終了は10年ほど前で、その購入時期によって税金の重課額が大きく変わってきます。 ここで、S2000に乗る上で必要になる維持費を見ていきましょう。 税金 【自動車税】F20C型(排気量1,500cc超~2,000cc以下)・2019年9月までに購入:39,500円・新車登録から13年経過:45,400円F22C型(排気量2,000cc超~2,500cc以下)・2019年9月までに購入:45,000円・新車登録から13年経過:51,750円【自動車重量税(車検時)】・新車登録から13年未満:24,600円・新車登録から13年経過:34,200円・新車登録から18年経過:37,800円※車両重量1000kg超~1500kg以下の場合 車検費用 ・自動車重量税:24,600円(新車登録から13年未満)/34,200円(13年超)/37,800円(18年超)・自賠責保険料:21,550円・印紙代:1,000円(自賠責保険が電子化されていない場合1,200円)・点検料:29,425円・検査料:20,240円【合計】約96,815円~110,215円※車両重量1000kg超~1500kg以下の場合※点検・検査料はディーラー車検の参考価格 メンテナンス S2000の代表的なメンテナンス費としては、まずエンジンオイルが挙げられます。一般的にオイル交換は走行距離5,000kmごとなどとも言われますが、超高回転型エンジンを搭載するS2000は、3,000km程での交換がおすすめ。またオイルは高級グレード品が望ましく、その場合約10,000円~15,000円ほどかかります(エレメント交換代含まず)。 その他、タイヤ交換での目安金額は1本15,000円ほど(サイズ:前205/55R16、後225/50R16)、バッテリー交換には約5,000円(サイズ:B19L、VGS非装着車)をみておきましょう。(※消耗品の交換委は別途交換工賃がかかります。) 修理費用 S2000の魅力は、なんといっても超高回転型エンジンをフロントミッドシップに搭載するFRレイアウトによる、素直で切れの良いハンドリングです。そのため、スポーツ走行で酷使されてきた個体も少なくありません。 特に負担が大きいのは、リアの足回り。特にブレーキによる熱やコーナリング時の横Gをもろに受けるリアハブはダメージを負いやすく、重量配分が理想的な50:50であるS2000ならではのポイントです。また、フロントサスペンションアームやリアナックルもスポーツ走行のダメージを受けやすいポイント。2003年のマイナーチャン時で補強されるほどの弱点で、2003年以前のモデルを購入する場合には注意が必要です。 一方、常に安全運転に徹してきた個体や、距離を走っていない個体も要注意。エンジンは人間の体と同じで、動いていなければ調子が悪くなるものです。最高回転9000rpmというS2000のVTECエンジンは特にその傾向が強いと言われているため、適度に走行している個体を探し、さらにエンジンの吹け上りが鈍くないか確認すると良いでしょう。 S2000が欲しい!購入の際に注意すべきこと 生産台数が2万台あまりということもあり、今なお中古車市場が高騰しているS2000。 購入する際に気をつけたいことは、やはりその走行性能です。車の性格上かなり酷使されている個体が多いですが、逆にあまり乗っていないものもエンジンに負担がかかっている場合があります。修復歴なども含め、思い通りの走りができるかどうかは事前によく確認しておきたいところ。またオープンカーは雨漏れなどがあるため内装にも注意が必要です。 これらの点を踏まえ、購入にあたっては信頼できる販売店を選び、納得いくまで自分の目で確かめて買うのがいいでしょう。あわせて、相談しやすい整備工場や専門ショップも把握しておくと安心です。 乗らなくなったS2000は売却し、次の乗り手へ 1999年から2009年まで販売されたS2000ですが、初期に購入した車体は登録から20年ほど経過しており、税金や車検費用もかなりかさんできます。また、やはりその特徴である高回転域の気持ちの良い吹け上がりを維持するためには、エンジンまわりのこまめなメンテナンスも欠かせません。 故障などでしばらく放っていたり、乗らずに眠らせていると余計にエンジンにダメージを与えてしまうため、売却を考えるのも一つの手。その際は、価値を適正に見極められる旧車専門店に相談するのがおすすめです。 [ライター/旧車王編集部]

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