旧車市場動向

MR2(SW20型)の中古車は買いと言えるのか?迷車と言われる理由についても解説
旧車市場動向 2022.02.10

MR2(SW20型)の中古車は買いと言えるのか?迷車と言われる理由についても解説

MR2は、1984年に登場した国産車初の市販ミッドシップスポーツです。1989年にフルモデルチェンジが行われ、1999年まで販売された15年の歴史を刻んだトヨタが誇る名車です。一般のユーザーが手に届く価格でフェラーリなどのスーパーカーと同様のミッドシップレイアウトを実現したバブル時代だからこそなし得たスポーツカーでした。とくに、現代でも通用するポテンシャルを持っていると言われる2代目であるSW20型は、ネオクラシックカーブームの後押しもあり、今なお高い人気を誇っています。 SW20型は、なぜ「迷車」と言われるのか? MR2のSW20型には、有名なエピソードがあります。それは、一般的には高い評価を得ているSW20型ですが、「迷車」と呼ばれるくらい初期型の出来が酷く、2型以降のモデルとは全く評価が異なることです。具体的には、MR2の初のモデルチェンジはデザイン重視に振りすぎたと言われており、そのためボディ剛性不足に陥ってしまいました。それ以外にも、フロントショックアブソーバーのストローク不足、フロントサスペンションのキャスター角不足、見た目もいまいちだった14インチのタイヤ&ホイールサイズなどの問題があり、元々ピーキーな特性のミッドシップレイアウトにもかかわらず、初期型は「あ、やばい」と思った時にはスピンしていると言われるくらい、そのピーキーさを助長している車となってしまいました。しかし、2型以降は弱点と言われたピーキーさはほとんど影を潜め、15インチタイヤ&ホイールなどによる見た目の変更もあり、高い人気を得ることが出来たのです。 MR2(SW20型)の中古車を上手に買うためには MR2(SW20型)の中古車を購入する際に重要なことは、2型以降を選ぶということです。理由は前述の通りですが、最近では殆ど中古車を見かけなくなってしまったので、その点を心配する必要はないと言えるでしょう。それよりも、3型以降のターボのGT系とVVT-i(可変バルブタイミング機構)化により200馬力の出力を得たNA・2Lの5型のGリミテッドを比較するユーザーが多いはずです。仮に、250万円前後で購入を考えた場合に、この2つのモデルの間には少なくても4~5年の開きがありますので、非常に悩みどころと言えるです。もちろん、5型のターボを買えれば一番良いのですが、最近の相場では優に300万円を超えてきます。 MR2(SW20型)と言えば、ターボのGT系を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、25年以上経過してしまっている個体も多く、距離なども含めて良い状態が望めなくなっているのが現実です。なおかつタマ数も極端に少なくなってきているため、購入にあたっては相当な苦労を覚悟しなければなりません。それに対して、5型のGリミテッドは比較的走行距離が少なく状態が良い個体が安価で手に入ります。最終型の5型ですので、年式が新しいことは言うまでもありません。現行の86/BRZが200馬力程度のことを考えれば、200馬力のNAエンジンは十分に魅力的です。「MR2(SW20型)の5型をNAであまりお金をかけずに楽しむ。」これが、旧車王からの提案であり、これからのMR2(SW20型)の楽しみ方かもしれません。 [ライター/旧車王編集部]

オープンエアと超高回転NAエンジンの快感!ホンダ S2000の特徴と中古車事情
旧車市場動向 2022.02.10

オープンエアと超高回転NAエンジンの快感!ホンダ S2000の特徴と中古車事情

燃費が良く安全、それでいてエンジンは低回転から最大トルクを発生して乗りやすい。近年販売される車種のほとんどはとにかく優秀で良くできた車ばかりです。しかし、優秀過ぎるが故、操る楽しさやエンジン回転数に伴って加速する気持ちよさが半減してしまったと感じている方の少なくないと思います。そこで今回は、ホンダが世に送り出したピュア中のピュアなスポーツカー、S2000の特徴と中古車事情についてお話していきましょう。 速く走ることを宿命づけられたホンダのFRスポーツ ホンダ S2000は、本田技研工業創立50周年を記念して開発されたFRオープンスポーツカー。ホンダとしては約29年ぶりであったことから、大きな話題となりました。 もともとVTECエンジンで名をはせていたホンダらしく、搭載されるF20C型 直列4気筒2.0L DOHC VTECエンジンは、最高出力250馬力、最大トルク22.2kgmを発生。許容回転数は9000rpmと、市販車としては異例の超高回転型エンジンで、どこまでも回りそうなエンジンフィールが大きな特徴です。トランスミッションは6速MTのみ、サスペンションも速く走ることだけを考えて開発され、2005年11月まで製造された前期型は、乗り手の腕を選ぶとまで言われていました。 一方、2005年年末以降の後期型は、エンジンはアメリカ向けに開発された2.2L(F20C型)に変更され、最高出力は242馬力、許容回転数は8000rpmに引き下げられます。しかし、その分低中速トルクが厚くなり、街中での扱いやすさが向上。さらにサスペンションチューニングも見直されたことで、前期型よりもマイルドで誰でも乗りやすいスポーツカーに進化しています。 流通台数も少なく新車価格超えは当たり前! S2000に限らず、90年代に発売されたスポーツカーの中古車相場は軒並み高騰しています。その中でも、S2000の中古車相場は特に高騰しており、2020年8月現在の大手中古車検索サイトでもっとも安い車両は、1999年式で走行距離は19.3万kmの128万円(車両価格、消費税別)。20年以上前の車両で、走行距離が20万kmに迫っていることを考えると、かなり異例であることがわかると思います。 また、2006年以降の後期型はさらに高く、修復歴無しで3万km以下の低走行距離車となると、新車価格を上回る値付けがされている、もしくは「応相談」となっているほどです。 走り倒したいなら前期型、気持ちの良いセカンドカーなら後期型 そんなホンダ S2000を購入したいのであれば、できるだけ早く購入することをオススメ。ここ何年かの値動きを見ていると、ほぼ横ばいで推移しているものの、掲載台数は明らかに減少しています。つまり、当然のことながら程度のいい個体、もしくは、価格が安い個体からどんどん売れているため、時間が経てば経つほど選べる候補が少なくなってしまいます。 オススメの選び方としては、S2000を購入後、サーキットなどに持ち込んでスポーツ走行を楽しみたい方なら、直しながら乗ることを前提に2005年11月以前の前期型。特にサーキットには行かないが、気持ちよく走れるスポーツカーを探しているなら後期型がオススメです。 狙いはガラススクリーンの2001年以降!ただし修復歴車は慎重に オープンカーであるS2000のウイークポイントはやはり幌。雨漏れはある程度覚悟しなければいけませんし、通常のクーペとは違い、走行音はかなり大きめです。また、購入するなら、リヤスクリーンがガラスに変更された2001年以降を選びましょう。 そして、やはり注意しなければいけないのが修復歴車の存在。一口に修復歴と言っても、損傷の程度は大きく違います。そのため、購入後に発生するトラブルも予想ができず、いくら安いからとは言え絶対におすすめできません。 ただし、S2000は性格上、他車種に比べ修復歴ありの比率がやや高めで、2020年8月の掲載台数で言えば、156台中61台が修復歴あり。そのため、どうしても手に入れたいのであれば、修復歴車も候補にせざるを得ないかもしれません。その場合は、販売店が信頼できるかどうかを見極め、購入後も頼りにできる整備工場や専門ショップを見つけておくようにしましょう。 今後相場が下がる心配なし売却先選びが重要 ここまでお話ししたように、S2000の中古車相場は、かなり高いところで安定しています。また、それだけ高騰しているにも関わらず、コンスタントに台数が減っているところから見て、需要もかなりあると言うことがわかります。また、今後相場が大きく落ちる可能性はほぼないと言っていいでしょう。 そのため、これからS2000の売却を考えているなら、焦らなくてもそれなりの価格で売却することができそうです。しかし、だからこそきちんと評価してくれる店舗を見つけることが最重要ポイント。相場が落ちる可能性が極めて低い車種であるため、焦らずじっくり売却探すことがオススメです。 [ライター/増田真吾]

今が底値か!?280馬力規制のきっかけになったZ32型フェアレディZの中古車事情とは
旧車市場動向 2022.02.10

今が底値か!?280馬力規制のきっかけになったZ32型フェアレディZの中古車事情とは

2020年9月16日、日産は新型フェアレディZプロトタイプをオンラインで公開。歴代Zの要素を随所に散りばめた姿は、大きな話題となりました。そんなフェアレディZの歴史の中で、大きな転換点になったのは、4代目に当たるZ32型。今回は新型フェアレディZ登場にちなみ、4代目Z32型フェアレディZの特徴を振り返りつつ、中古車事情についてお話していきましょう。 国産スポーツカーの歴史を作ったZ32型フェアレディZ Z32型フェアレディZが登場したのは1989年当時、日本はバブル経済の絶頂期を迎えていました。そんな時代に開発されたこともあり、より完璧なスポーツカーを目指してありとあらゆる技術が惜しみなく投入。その結果、先代Z31型までの伝統よりも、新たなフェアレディZとして大きな転換点を迎えます。 その最たるところはデザインで、初代S30型から踏襲してきたロングノーズ・ショートデッキのスタイルではなく、時代の潮流を意識したワイド&ローなスタイルに変更。伝統の2シーターに加え、2+2の通称“2by2”が用意されていたことも、景気が良かったことを物語っています。 そして、エンジンはこれまた伝統だった直列6気筒を完全に廃止し、V6 3リッターDOHC NAのVG30DE型エンジンと、ツインターボチャージャーを加えたVG30DETT型エンジンを搭載。ツインターボVG30DETT型エンジンは、当初300馬力超えを視野に入れて開発されていたものの、お国からの指導により280馬力にデチューンすることになります。このことが前例となり、国産車にしか存在しい「280馬力自主規制」のきっかけとなったのです。 中古車の流通量は少なめで相場はやや高騰 バブル崩壊と日産の経営不振が重なったことで、Z32型フェアレディZは2000年まで生産されることになります。しかし、景気が悪い中新車のスポーツカーを買うユーザーは少なく、11年という長期間で合ったにもかかわらず販売は低迷。販売期間のおよそ11年間で約16万5千台ほどの販売にとどまりました。 そのため、中古車として流通している台数も多くなく、大手中古車検索サイトを見る限り、全国で64台しかありません。また、スポーツカーという性格上、修復歴車もやや多め。修復歴なしの低走行車でツインターボの場合、当時の新車販売価格を超える値付けがされています。 じっくり探せばお買い得な中古車を見つけられるかも!? そんなプレミア価格ともいえる値付けがされたZ32型フェアレディZの中古車ですが、すべての中古車が常軌を逸した価格かと言えばそうではありません。2020年9月現在の情報では、AT、修復歴無しのツインターボでも60万円を切る個体も存在しています。 ただし、新しい年式でも20年落ちとなる、いわばネオクラシックに分類される車種であるため、価格が安い個体は塗装の状態がイマイチで、走行距離は多めです。予算としっかり相談しながら、できるだけ程度の良い個体をじっくり探すと良いでしょう。 中古車販売店によって値付けはバラバラ Z32型フェアレディZの中古車情報でもう一つ特徴的なことは、価格が応相談となっている個体が、調査時点で8台も存在していることです。また、走行距離や年式と価格が必ずしも比例していないという印象です。 つまりそれは、一般的な中古車とは違い、販売店の価値観や考え方で値付けされているということを意味します。そのため、よほどビビビッとくる個体ではない限り、ゆっくりじっくり探すことが大切。走行距離、塗装の劣化具合、カスタム内容など、これなら欲しい!と思える1台に出会うまで焦らず探すようにしましょう。 これ以上の値上がりの可能性は低いもののリセールバリューは高め Z32型フェアレディZは、セダンやコンパクトカーに比べ、中古車価格が高めに推移しているのは確かです。しかし、同時期に販売されていたR32スカイラインGT-Rのように、1000万を超えるような価格は期待できません。 その理由は、Z32型フェアレディZがアメリカの25年ルールと無関係だからです。規制によってアメリカに輸入できなかった日本車でも、25年以上経過することでクラシックカーという扱いになり、輸入できるようになるというもの。その法律によって日本でしか販売されていなかった歴代スカイラインGT-Rは、軒並み新車価格以上の高値で売買されるようになってしまいました。 一方、Z32型フェアレディZは、新車当時からアメリカで販売されていたため、25年ルールによる値上がりには無関係なのです。とは言え、今後台数が減少していくことが明白であるため、これ以上中古車相場が下がることあり得ません。したがって、もしこれからZ32型フェアレディZの売却を考えているなら、その価値をしっかり見極め、買取価格に反映してくれる買取店を探すようにしましょう。 [ライター/増田真吾]

100万円で購入出来るロータリー?マツダ RX-8の中古車は今がチャンス!
旧車市場動向 2022.02.10

100万円で購入出来るロータリー?マツダ RX-8の中古車は今がチャンス!

旧車バブルやスポーツカーの価格高騰が騒がれている今日この頃ですが、そんな中に100万円程度で購入出来てしまうロータリースポーツが存在します。その車は、最後のロータリー車「RX-8」 であり、ここではRX-8が評価されない理由や中古車選びのポイントなどについてご紹介させていただきます。 RX-8の前に立ちはだかるRX-7(FD3S)の厚い壁 昨今の旧車・ネオクラシックカーブームは、一部の車種で3000万円を超える取引が行われるなど、その勢いは留まるところを知りません。そんな中でロータリーの代表的な車種である3代目RX-7、通称エフ・ディー(FD)が高値で取引されていることは言うまでもありません。 ところが、最後のロータリーエンジン搭載市販車であるRX-8が100万円前後で購入出来るという異常事態が発生しているのです。もちろん、RX-7が高値で取引される理由には、日本一美しいと言っても過言ではないエクステリアデザインやストリート仕様でも500馬力オーバーが狙える13Bロータリー・ターボなどがあります。また、RX-8の価格の安さの背景には、環境を優先させてNAロータリーにしなければならかったという事情があったのも、また事実です。 しかし、いくらRX-8の魅力がRX-7に劣ると言っても、トルセンLSDが標準のタイプSを購入すれば何もいじらずにドリフトが可能なポテンシャルを持ちあわせており、何しろ高年式のロータリーが購入出来ることは、RX-7では絶対に手に入れることの出来ない大きな魅力のひとつなのです。 そのことにいち早く気づいた若い世代のユーザーが、中古車価格の安さを武器にカスタマイズやサーキット走行などを楽しんおりますが、皆共通して言えることはロータリーエンジンの魅力に取り憑かれていることです。さらに言えば、旧車・ネオクラシックカーのスポーツカーの歴史を振り返れば、購入から何年か後に価格が高騰することはほぼ間違いのない事実と言えます。 ポルシェやベンツと真っ向勝負の末にルマン24時間耐久レースを制した伝説の車「マツダ 787B」は、総排気量2600cc(654x4)のNA4ローターでした。つまり、RX-8のNAロータリーには、RX-7では味わうことが出来ない魅力があり、ロータリーエンジンにとってターボが全てではないということです。 RX-8の中古車選びのポイント RX-8の中古車を選ぶ際の注意点は、2008年にマイナーチェンジが行われていることを頭に入れておくことと、グレードごとの装備や違いを理解することです。 まず、マイナーチェンジに関しては、エクステリアデザインやエンジンの仕様が大きく変更されており、一般的には無難に後期型を選びましょうという話しになります。ところが、この世代のスポーツカーは、マイナーチェンジの際にエンジンをデチューンする場合があり、RX-8もこれに当てはまります。具体的には、ベースグレードは210ps→215psとなっておりますが、250psのタイプSはレギュラーガソリンを使用してしまった時の対応幅を拡大させたなどの理由により、何と15psもパワーダウンしてしまったのです。したがって、前期型のタイプSも十分に魅力的と言えるのです。 次にグレードに関しては、ざっくりと言ってしまえば、ドリフトまでこなすトルセンLSDが標準装備のタイプSか、あくまでロータリーの雰囲気を楽しみたいベースグレードかのどちらかになりますが、カスタマイズやチューニングを考えるのであれば、グレードにこだわる必要はなく、「乗りたいと思える一台」を探すことが最も大切になってくるのかもしれません。それに付随して、やはりオーバーホールが必要なロータリー車ですので、走行距離はなるべく少ない方がいいでしょう。 最後に、マツダ車は基本的に楽ナビなどの社外ナビが取付出来ません。そんなお悩みには、「カナック(Kanatechs)品番:TBX-T003R カーナビ/オーディオ取付キット」が解決してくれますので、参考にしていただければ幸いです。 [ライター/旧車王編集部]

中古車でも1000万円超!?90年代FRスポーツの最高峰!A80型スープラ
旧車市場動向 2022.02.09

中古車でも1000万円超!?90年代FRスポーツの最高峰!A80型スープラ

トヨタを代表するスポーツカーであるスープラは、2019年に新型GRスープラが復活し大きな話題となりました。ところが先代に当たるA80型スープラの人気は衰えることはなく、状態によっては1000万円を超える車両も存在するほど高い人気を誇っています。A80型スープラがそこまで人気となっている秘密と、その魅力について見ていきましょう。 90年代のトヨタフラッグシップスポーツ! スープラとしては4代目(日本では2代目)に当たるA80型スープラは、NA(自然吸気)仕様のSZとツインターボエンジンを搭載するRZをラインナップ。排気量は3.0リッターのみで、NA使用は225馬力、ツインターボ仕様は自主規制いっぱいの最高出力280馬力、最大トルク46.0kgf・m(1997年のマイナーチェンジ後)を発生します。 先代のA70型に比べ、全長は100mm、ホイールベースは45mm短縮。丸みのあるマッシブな見た目とは裏腹に、コーナリングマシンとしての側面を持ちます。 トランスミッションは、国産車初のゲトラグ製の6速マニュアルミッションを搭載。その走りは世界一過酷と言われるドイツ ニュルブルクリンクで鍛え上げられ、ハイパワーFRでありながら高いコントロール性を誇ります。また、モリゾウことトヨタ自動車社長の豊田章男氏が、マスタードライバーになるための訓練としてA80型スープラでニュルブルクリンクを走るなど、現在もトヨタの訓練用車両として活躍しています。 極上のマニュアルモデルは1000万円超! A80型スープラの中古車相場はかなり高騰。もっとも新しいモデルでも2002年製であるため、流通している台数が少ないこともありますが、一般的な中古車と比較すると、かなりのプレミア価格となっています。 原稿執筆時点の2020年10月の中古車情報を確認すると、もっとも安い車両は、1995年式 走行距離約8万km SZ ATモデルで約280万円。年式のわりに走行距離が少なめではありますが、もっとも人気のないNAのATモデルであるため割高感があります。 一方、価格応相談を除きもっとも高いモデルは、1994年式 走行距離1万km RZ 6MTモデルで、その価格はなんと1000万円オーバー。同モデルの新車価格は約440万円であるため、やはりかなり相場が高騰しているということがわかります。 あえての右ハンドルがアメリカで人気 スカイラインGT-Rをはじめとして、1990年代から2000年代前半に発売された日本製スポーツカーの中古車相場が軒並み高騰しています。その原因の一つが、アメリカの25年ルール。これは、もともとアメリカで右ハンドルの車を売ることができなかったところ、製造から25年が経過すると販売と登録が解禁される制度で、アメリカのバイヤーは25年の解禁を待って、日本の中古車を買い付けているのです。 A80型スープラは、まさにこの25年ルールに当てはまっています。さらに言えば、映画ワイルドスピードのヒットにより、“右ハンドルの日本車”が好まれるため、もともと左ハンドルの北米モデルがあるにもかかわらず、日本で販売されていたA80型スープラの中古車価格が高騰しているのです。 雰囲気を味わうだけならNAのATモデルがおすすめ これ以上価格が上がる前に、なんとかA80型スープラを購入したいと考えている方も多いと思いますが、余程強いこだわりがない限り、NAのATモデルをおすすめします。もちろん、A80型スープラと言えばツインターボの6速!といいたいところではありますが、やはり中古車としては高すぎると言わざるを得ません。 また、いくら高性能なFRスポーツとは言え、年式と走行距離からくる“ヤレ”は避けることができず、本来の走りを取り戻すためには相応のメンテナンス費用を覚悟する必要があるでしょう。 NAでは物足りないのでは?と思うかもしれませんが、最新のエンジンに比べ複雑な制御が介入していない分、直6大排気量NAの滑らかでトルクフルな感触をダイレクトに楽しむことができます。 リセールバリューは高値安定 A80型スープラが2002年に販売を終えてから、およそ17年後に5代目スープラ(DB型)が復活。BMWとの共同開発で誕生し、BMW Z4の兄弟車としても大きな話題となりました。そんな現行型スープラは、当然のことながらA80型スープラよりも高い走行性能と最新の安全装置を備えていますが、なんでも新しければ良いと言い切れないのが“車”という文化の面白いところ。 最新型が発売されてもA80型スープラの人気は衰えることはなく、余程保管状態が良くない、または修復歴車でもない限り、買取相場が落ちることはないでしょう。 ただし、A80型スープラならどんな店舗でも高く買ってくれるかと言えばそうではありません。そのため、今回の記事でご紹介したようなA80型スープラの価値をしっかり理解している買取店に相談することが大切です。 [ライター/増田真吾]

スポーツカーの買取は専門店が高い?その理由と方法を解説
旧車市場動向 2022.02.02

スポーツカーの買取は専門店が高い?その理由と方法を解説

昨今、スポーツカーの価格が​高騰しているという話をよく耳にします。 実際、中古店舗に並んでいるスポーツカーには高額なプライスタグが付けられています。しかし、いざ売却するとなると、「何から調べたらよいのかわからない」や「売却までの流れがわからずスムーズに進まない」などと感じる方は、意外と多いのではないでしょうか。 ここでは、業者選び及び売却の際のポイントについて解説します。また、スポーツカーの買取事例も紹介しますので、参考にしてください。 スポーツカーの買取市場 セダンやミニバンなどのいわゆる乗用車とスポーツカーの売却の際の大きな違いは、年数が経過しても値が下がりにくい傾向にあることです。中でも1990年代から2000年代初頭にかけて発売されたスポーツカーは、中古車価格が異常なほど高騰することがあります。したがって、スポーツカーは高い買取額が期待できますが、市場の影響を受けやすいという側面もあります。 理由としては、趣味性の高さが挙げられますが、上がり過ぎた買取相場の反動という見方もできます。また、多くの買取業者はスポーツカー買取に不慣れなため、適正に評価されないケースが​多々あります。特に一般的な買取店で、その傾向が強く見られます。  業者選びのポイント 車の売却といえば車一括査定を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 車一括査定の特徴は、1回の情報入力で複数の見積りを手に入ることです。しかし、想像以上に電話がかかってくるため、多くの時間を割かれることになります。また、レアなケースを除き査定額が大きく変わらなかったり、買取を断った後も何度もダイレクトメールが届いたりといったデメリットが存在します。 一方で、専門業者はスポーツカー買取のノウハウや専門知識を豊富に持った査定スタッフが在籍しているため、1台1台状態が違うスポーツカーを正しく評価することができます。また、確実な再販ルートや独自の相場情報をを持っており、市場の動向に大きく左右されることなく、常に高額買取を行うことができます。さらにカスタムパーツに対する知識が豊富で、プラスアルファの査定が可能です。 つまり、 スポーツカーの場合は、専門業者に査定を依頼した方が様々なメリットを得ることができるのです。 スポーツカーを売る時のポイント スポーツカーは、高く買い取ってくれる業者を探すだけでは希望額に届かせることはできません。理由は、スポーツカーの所有者側で確認すべき点があるからです。その代表といえるのが、「定期点検整備記録簿」です。 「定期点検整備記録簿」とは、車検や12ヶ月点検をはじめとする法定点検を行った際に、その点検内容を記録する書類のことをいいます。「定期点検整備記録簿」には、メンテナンスに関するアドバイスやブレーキパッドの残量などが細かく記録されていますので、愛車がどのようなメンテナンスを受けてきたのかが一目見ただけではっきりと​わかります。 もし「定期点検整備記録簿」がなかったとしたら、どんなにきちんとメンテナンスしてきたとしても、それを証明することができません。 また、改造車やチューニングカーであれば、保安基準を満たしているのかという点も重要なポイントになります。さらに、改造した箇所を具体的に説明する必要がありますが、購入時の請求明細書があれば漏れなく説明することができるはずです。 つまり、全ての記録を残しておくことで、例え改造車であったとしても正確な査定を受けることができるのです。 買取事例 所有するスポーツカーを高く売却したいなら、まずは大体いくらくらいで売れるのかを知ることが大切です。そのひとつの方法が査定を依頼する業者の買取事例です。 旧車王の買取事例は以下のとおりです。 NSX タイプT 4AT 査定時期:2021年5月 年式:2004年 走行距離:1,100km 買取金額:1,700万円 R33 スカイライン GT-R LMリミテッド 査定時期:2021年6月 年式:1996年 走行距離:不明 買取金額:645万円 インプレッサWRX STI GDB S203 査定時期:2021年5月 年式:2005年 走行距離:84,000km 買取金額:295万円 これはほんの一例に過ぎませんが、最初のNSXでは当時の新車価格の約1.7倍で買取しています。また、最後のインプレッサWRX STI S203では、走行距離が8万km以上走っているにもかかわらず、約65%の残価率を維持しています。 まとめ ここまで、スポーツカー買取の特徴や専門業者に依頼するメリットについて解説してきましたが、「具体的にどこに査定を依頼すればよいのか?」​と迷う人も多いのではないでしょうか。 そこでおすすめしたいのが、スポーツカーの買取に特化した旧車王です。旧車王では、「ネットを見て安心できる会社だと思いました。」や「希望どおりの査定をしていただいたので大変満足できました。」などの高評価な口コミを多数見ることができます。また、メーカーや年式を問わず様々なスポーツカーを買取しているので、例えば輸入車を乗っているユーザーでも安心して査定を任せることができます。 ぜひ希望額での買取が実現した際には、また違った魅力を持ったスポーツカーを検討してみてください。 [ライター/旧車王編集部]

日本大衆車の先駆け!アメリカで低評価だったスバル360が高値で取引されている理由
旧車市場動向 2022.01.31

日本大衆車の先駆け!アメリカで低評価だったスバル360が高値で取引されている理由

日本大衆車の先駆け!アメリカで低評価だったスバル360が高値で取引されている理由 日本初の大衆車として、戦後国内の自動車事情を支えてきたスバル360。キュートで印象なフォルムは「てんとう虫」の愛称で親しまれ、現在でも根強い人気を誇っています。しかし、そんな360でもアメリカ市場では辛酸を舐め、辛い時代があったのです。 今回はスバル360がアメリカで受け入れられなかった理由、そして現在は高値で取引されている現状を解説していきます。 まだマイカーが浸透していない時代に誕生した360 日本では1950年代当時、戦後の経済成長を図るために「国民車構想」という自動車生産計画が提唱されていました。 排気量350~500ccで、価格は25万円以下。さらに、最高時速100km/h、車両重量400kg以下で4人乗車可能という当時の技術では厳しい条件が示され、各メーカーは頭を悩ませます。 そんななか、スバルが1958年に発売したのが360という全長3mにも満たない小さな自動車でした。 機械遺産にも選ばれた技術の結晶 余計なフレームを必要としない「モノコックボデー」を採用し、FRPと0.6mm鋼板を使用することで385kgという軽さを実現。リアに横置きされた排気量360ccの空冷2気筒2ストロークエンジンは、最高出力16馬力ながら4人乗車の状態でも最高速度83km/hを記録しました。 そして、サスペンションには省スペースの「トーションバースプリング」を使用し、家族4人が座れる室内空間を確保しています。 価格は425,000円で、360が発売された1958年当時、一般的なサラリーマンの月収が16,000円程度だったことを考えるとまだまだ高値の花。しかし、時が経つにつれ国民の給料も上がっていき、1970年に生産が終了するころには、累計で約39万台を売り上げる大ヒットとなりました。 創意工夫を重ね、日本にマイカー時代を到来させた360は現代でも評価されており、2016年には日本機械学会が定める「機械遺産」として認定されています。 アメリカでの360の価格上昇 そんな一時代を築いた360ですが、半世紀経った現在において市場価格が上昇しています。 2020年1月時点のアメリカで10,100ドル(約110万円)だった1969年式の360が、1年後には44,300ドル(約486万円)まで上昇。さらに2020年10月には、上位グレードの「デラックス」が50,000ドル(約550万円)で取引されています。 半世紀も前に販売されていた360の価値がわずか1年の間で4倍以上も上がっているのは、一体どういうことなのでしょうか。 360はアメリカの道には適さなかった もともと360は1968年にアメリカ市場でも展開されており、出荷台数は累計1万台とそれほど振るいませんでした。 360は28km/Lという燃費の良さも売りでしたが、当時のアメリカでは燃費にあまり関心がなく、むしろ車体重量の軽い360は「安全基準の低い車」と捉えられ、良いイメージは与えられなかったのです。 アメリカ車と比べた場合の衝突安全性に、加速性、後部ヒンジドアが走行中に開いてしまう問題など、あらゆる点を考慮した上で360は北米の道路を走るには適さない車だと結論づけられました。 なぜ今になって価格が上がってきているのか? そんな評価の低かった360が現代のアメリカで再評価され、価格も高騰しているのはなぜなのでしょう。日本のクラシックカーには多くのファンが存在しており、時間が経過するにつれ価値は上がっていきます。 そのなかでも日本大衆車の始祖という立ち位置の360は、海外ファンにとってはジャパニーズクラシックとして非常に人気。年数が経つことで価値が増すクラシックカーと、360の持つ歴史的価値が相まって価格の上昇が起こっているのです。 360の中古車相場と直近のオークション価格 海外での需要が高い360ですが、日本国内の大手中古車サイトでの消費税込みの車体価格は、90万円~220万円。最高額の個体はエンジンの出力アップや、内外装を洗練させた「ヤングSS」というスポーティグレードで、1972年式で走行距離は14,000kmと低走行で、ファンの方なら220万でも高くはない買い物かもしれません。 直近の海外オークションでも50~120万円の相場になっていますが、状態の良いものが出品されれば200~300万越えは当たり前になってくるでしょう。 まとめ スバル 360は1958年の発売から日本国内で市民権を得ることに成功し、日本に「マイカー」を定着させました。 比較的安価で、小さな車体に家族4人が乗れるというコンセプトは日本の生活ではピッタリ。しかし、“大きく重く強い”ことが良しとされていた当時のアメリカでは快く受け入れられませんでした。 しかし、現在はその歴史的かつ技術的価値が見直され、クラシックカーとして多くの人々に愛され需要が上昇。日本国内の中古市場でも手ごろとは言えませんが、個体によっては手の届く範囲の価格ですので、360に乗って道路上で周りの注目を得てみるのも面白いかもしれません。 [ライター/増田真吾]

落札額6000万超え!ワイルド・スピードにも登場したA80型スープラの中古市場動向
旧車市場動向 2022.01.28

落札額6000万超え!ワイルド・スピードにも登場したA80型スープラの中古市場動向

今も現役のスポーツカーとして販売されているトヨタ スープラは長い歴史の中で人気を博してきた車です。先代モデルのA80型スープラは特に人気が高く、中古市場では走行距離10万km近い個体でも当時の新車価格を超える車体もあります。現時点で28年も前の車がなぜそこまで人気なのか、その理由は国内だけではなく、海外の影響もあるのです。 グランドツーリングからピュアスポーツに方向転換したA80型 1990年代前半当時は、日産 「R32 GT-R」やマツダ「 RX-7 FD3S」など魅力的なスポーツカーが数多く発売されていました。そんな車好きを熱くさせた1993年5月、ニュルブルクリングで幾多の走行テストを重ね、研究し尽された新型スープラが誕生。これまでのグランドツーリング志向の歴代モデルに比べ、よりピュアなスポーツカーとして登場しました。 「THE SPORTS OF TOYOTA」のキャッチコピーのもと発売されたA80型スープラは、曲線を多用したグラマラスな外観ながら、ツインターボエンジンやダブルウィッシュボーンサス、大型ブレーキ、ゲトラグ社の6速MTなど、多くの魅力的な装備が備わっています。 1000馬力にも耐えうる2JZエンジン 全長4,520mm×全幅1,810mm×全高1,275mmのボディに搭載される2JZ型はパワーとトルク、耐久性にも優れており「トヨタ最強エンジン」との呼び声も高いエンジンです。 シーケンシャルツインターボを搭載したRZグレードは、最高出力は自主規制いっぱいの280psでありながら、最大トルク44.0kgmという当時のライバルたちを蹴散らすかの性能を発揮しました。 おまけに鋳鉄製のエンジンブロックはとても頑丈で、およそ1000psのパワーにも耐えることができ、チューニング業界でも非常に重宝されています。その性能の高さから、GRヤリスなど現在の車にも載せ替えが積極的に行われており、ドリフトやゼロヨンなどでは未だ現役のエンジンだといえるでしょう。 ワイルド・スピードへの登場で人気は加速 そんなA80型スープラは、北米でカルト的とも言える人気を誇っています。その理由は2001年に第一作が公開され、現在までシリーズが続くカー・アクション映画「ワイルド・スピード」の存在です。 故ポール・ウォーカー演じる主人公「ブライアン・オコナー」が駆るA80型スープラは、劇中でもその力強い走りを見せつけ、多くのファンを生み出します。 しかし、主演のポールは実生活でもスープラを所有するほどの車好きでしたが、2013年11月に自動車事故に遭い、40歳という若さでこの世を去ってしまいました。この衝撃的なニュースにファンは深い悲しみに暮れ、その後公開された7作目「ワイルド・スピード SKY MISSION」はポールの遺作となったのです。 なぜ中古市場が高騰しているのか 2021年6月17日〜19日にラスベガスで行われた「バレット・ジャクソン・オークション」では、ポールが劇中で乗ったA80型スープラが出品されました。 劇中どおりのオレンジのボディカラーとアルミ製の大型リアウイングが装着されたその姿にオークションは沸き、55万ドル(約6106万5950円)もの価格で落札されたのです。A80型スープラの海外人気はワイルド・スピードの影響もありますが、北米仕様として販売された日本車を純日本仕様にカスタムする「JDM」がブームだったことも関係しています。 そして、北米での制度により、製造から25年が経過した車は自由に販売、運転することができるため、日本の多くのA80型スープラは海外に輸出されました。その「25年ルール」の影響でA80型スープラの需要は急増、それに従って日本国内の中古車価格も高騰している現状です。 A80型スープラの中古車価格と買取相場 では、A80型スープラの中古車価格はどうなっているのか、車両本体価格と買取相場について見ていきましょう。 2021年6月時点での中古車は、最安個体でNAのSZグレードが243万円であるに対し、最高額はRZグレードの1080万円と、新車価格の4倍近い価格でした。やはり「RZ」や「RZ-S」といったターボ付きグレードは年式、走行距離問わず高額で取引されており、10万km走行車でも600~800万円の価格がついています。 旧車王での買取相場は「SZ」が100~300万円、「RZ」が200~700万円と、車両の状態によっては新車価格以上の買取が期待できることから、A80型スープラの需要は非常に高いことがわかります。 まとめ A80型スープラは2002年7月に新設された排気ガス規制に対応できず、販売を終了していますが、その人気は新型が発売されても未だに衰えることがありません。 チューニング、モータースポーツ、ワイルド・スピード、25年ルールなど、国外問わずさまざまな要素がA80型スープラを取り囲んでいます。 販売期間中の売上台数はわずか3万台ほどで、国内の在庫も着実に減っていっており、中古車相場はますます高くなる可能性があるでしょう。それほどの魅力に満ち溢れたA80型スープラ、購入を検討しているならば早いうちが得かもしれません。 [ライター/増田真吾]

ジャパニーズスポーツカーの雄!日産 フェアレディZの価値は空冷ポルシェ911並ぶか!?
旧車市場動向 2022.01.27

ジャパニーズスポーツカーの雄!日産 フェアレディZの価値は空冷ポルシェ911並ぶか!?

2021年8月に待望の新型車が発表されることが正式に決まった日産 フェアレディZ。1969年に登場した初代となるS30型は、日本のみならず、北米市場も席巻し、日産を世界的企業へと押し上げた1台となりました。 日産の高い技術力と個性的なデザインが融合したフェアレディZは、どのモデルも常に独創的で、日産ファンのみならず、全ての自動車ファンが注目するモデルのひとつ。今回は、日産の地位を世界的なものにしたフェアレディZの歴史と、中古車価格から見る現在のZシリーズの人気についてご紹介します。 新型が登場する日産 フェアレディZの歴史 2021年8月に新型車の発表をすると正式にアナウンスがあった日産 フェアレディZ。 初代の登場は半世紀以上前となる1969年で、現在まで発売されたモデルは全6世代です。 どのモデルも個性的で人気の高いフェアレディZの初代から現行の6代目までの特徴を順にご紹介します。 S30型(初代:1969年~1978年) 初代フェアレディZが登場したのは1969年。登場から10年に渡り、世界累計55万台を売り上げるロングヒットモデルとなりました。 特徴的な、ロングノーズ・ショートデッキの独特のフォルムは、海外でも人気が高く、高い走行性能に対して価格の安い、いわゆるコスパのいいことも手伝って、海外、特に北米での売上を伸ばし、日産の名前を世界に知らしめた1台です。 S130型(2代目:1978年~1983年) 国産車初のTバールーフ車となった2代目Zは、初代のフォルムを引き継ぎながらややワイド化したモデルでした。 ド派手な爆破シーンとカーアクションで大人気の刑事ドラマ、西部警察で大門刑事(渡哲也)が乗るスーパーZとして活躍したのが記憶に残っています。 Z31型(3代目:1983年~1989年) ロングノーズ、ショートデッキという基本的なフォルムは継承しつつ、2代目までとはイメージが大きく異なるモデルです。 フェアレディZシリーズ唯一のリトラクタブルヘッドライトが特徴的で、エンジンもハイパワーのターボエンジンVG30ETを搭載するなど、ハイパフォーマンススポーツカーという新しいZの方向性を決めたモデルになりました。 Z32型(4代目:1989年~2000年) 先代からスーパースポーツカーへと変更した方向性を、より発展させたモデルとなりました。 一番大きな変更点は、フェアレディZの外観上の特徴だった、ロングノーズ・ショートデッキを改め、スポーツカーの象徴であるワイド&ローにデザイン変更したこと。 これによって、主要マーケットであった北米で、ポルシェなどと同等の高級スポーツカーの地位を確立しました。 Z33型(5代目:2002年~2008年) 1969年の初代登場から途切れる事がなかったフェアレディZの歴史上、唯一の空白となった2年間を経て登場したのが5代目となるZ33型です。 ボディタイプは、クーペとロードスターの2種類で、伝統の2by2モデルを排して、2シーターのみの設定でした。日産リバイバルプランの目玉の一つとして登場したのも記憶に新しいところです。 Z34型(6代目/現行型:2008年~) 現行型となるフェアレディZ6代目のZ34型は、Z33型を正統に進化させたと言えるモデルです。 フォルムは前作を引き継ぎつつ、エンジンは排気量を200cc増加させて最大355馬力を発生するV型6気筒3.7Lエンジンを搭載。ドライブトレインやボディ・シャシー設計の見直しを行うなど、性能面を徹底的に煮詰めたモデルとなりました。 歴代フェアレディZの中古車相場について 現行車種が販売中にも関わらず、歴代モデルも人気の高いフェアレディZの中古車相場を調べてみました。 歴代のフェアレディZは、古いモデルほど相対的に高値で取引されている傾向があります。特に初代となるS30型の価格は高値となっていて、中古車価格は軒並み500万円以上で、中には1000万円を超えるものもあるほどの人気車種です。 一方で、Z31型以降は100万円台から400万円程度と、今のところ常識的な価格で推移しています。 30年以上経過していても100万円以上の買取実績も しかし、旧車王での買取実績を見ると、新車登場からすでに30年以上が経過しているZ31でさえ、100万円での買取実績もあり、Zシリーズはやはり人気の高いモデルであることは間違い有りません。 フェアレディZシリーズは、特に海外では安定した人気があり、今後海外での価格動向次第で、国内での中古車価格が上がる可能性もあり、今後の動向に注目です。 フェアレディZは空冷ポルシェ911のようになれるか 2010年代半ばから起こったポルシェ911の価格が、世界的に暴騰したことをご存知でしょうか。 ポルシェ911はアメリカ市場において、2010年台に入るまで徐々に価格が上昇していたものの、日本円換算約500万円以下で取引されていました。 しかし、2010年代に入り、約650万円を超えたあたりで、車のコレクターだけではなく投機家の注目も集め、2015年には約1300万円と2倍に高騰。特に保存状態が良いという理由で、日本で流通していた993型以前の空冷モデルは海外のバイヤーから注目されたこともあり、日本の中古車市場相場を押し上げる要因となりました。 アメリカ市場で急騰するフェアレディZ!今後の価格動向に注目 元々海外での人気が高く、比較的高値で取引されることの多かったフェアレディZシリーズは、近年、ポルシェと同じ様な値動きをしています。 特に初代となるS30系は、2020年の300万円前後から2021年には、400万円弱まで急騰していて、アメリカ市場といえども今後の値動きから目を話せない状況です。 海外での日産の地位を確立したフェアレディZは現代でも健在 独特のデザインと、バーゲン価格というべき驚きの低価格設定で、日産の技術力を世界に知らしめたS30型、そしてポルシェなどと同等の高級スポーツカーとしての地位を海外で確立したZ32型。 フェアレディZの歴史は、日産を世界企業にした歴史と言っても過言ではありません。 初代S30系Zの登場から半世紀以上経った現在でも、新型が発表されるという点からも、フェアレディZの存在が日産にとって特別であることが分かります。 [ライター/増田真吾]

【特報】高騰中の注目車種の特徴はこれだ!
旧車市場動向 2022.01.24

【特報】高騰中の注目車種の特徴はこれだ!

このページをご覧のあなたは、間違いなく車好きですよね? そんなあなたに、日々、様々な名車から、高級車、スポーツカー、SUV、ミニバン、軽自動車、時にはトラックやバイクの買取のご依頼までいただく旧車王が、プロの目線でどんな車が高く売れるのか、価値のない車はどんなものなのか。現在のコロナ禍における自動車売買のトレンドをわかりやすくお伝えします。 中古車の価値はどのように評価されるのか? さて、まずはじめに中古車の価値はどのように評価されると思いますか? どれくらいきれいか? メンテナンスはしっかりされているか? 快適なガレージで保管されているか? オーナーはお金持ちか? 1オーナーか? 事故歴はないか? カスタムはしてあるのか? 本革のシートか? サンルーフは装備されているか? ほかにもまだまだ様々な要素があげられることでしょう。 結論を申し上げると、どれも正解であり、正解でないということになります。 では、正解を。 資本主義の原則通り、需要と供給がすべてです。 つまり、欲しい人がたくさんいて、でもあまり多く台数が存在しない車は価値が上がります。逆に、欲しい人があまりいない、または欲しい人はいるが、それ以上にたくさんの台数が販売されている車は価値が上がりません。 なので、一言でいうと、欲しい人が多ければ多いほど、台数が少なければ少ないほど価値は高まります。 あまり値段のつかない車の特徴 あまり価値のない車、買取価格が付きにくい車の一例をあげるとこのようなイメージです。 10年落ちの4人乗り軽自動車 最近はとてもおしゃれで機能満載の軽自動車も多数販売されていて、安全性も格段に向上しています。新車でも100万円前後から購入できる軽自動車の世界においては、実は10年も経ってしまうとほとんど需要が発生しません。そのため、市場における販売価格も低く(数万円から10万円程度)、買い取る業者の提示価格も非常に低いものになってしまっている可能性があります。 90年代、当時は先進的な技術を搭載していたスポーツカー 90年代のスポーツカーは総じて、価値が上がっている昨今ですが、それに合致しないモデルがいくつか存在します。スープラやシルビア、スカイライン、NSXなどが評価を大きく上げているのに対して、一部で価値の上がらないモデルがあります。例えば、4輪操舵や4WDなど複雑な機構を持ち、技術を押し出していた車です。このようなモデルは、新車から数年は問題ないのですが、年月が経過しすでに20年、30年が経過してくると、メーカーからの部品供給も終了しており、修理ができない、または十分な整備ができずトラブルが頻発するという懸念から、ユーザーから敬遠されます。つまり「いいな」とは思っても「欲しい!」と思う人がいないということになります。そのため、このケースだと価値は高くない場合が多いと言うことになります。 一般的なファミリーセダンやコンパクトカー 現在の需要は、ミニバンやSUV、軽自動車でもSUVスタイルやミニバンスタイルが主流になっています。そのため、普通のセダンやコンパクトカーは、あまり多くの需要が見込めません。このような車種の中古車を求めるケースは、とりあえず足になる車があればよいというユーザーであり、車の性能や色や形よりも安ければ安いほどありがたいということになります。そうなると、安い金額でなければ販売できないため、仕入れるときに安い金額で仕入れるという流れになってしまうのです。 同世代の他メーカーのモデルよりも動力性能が優れていた輸入車スポーツカー 当時は300馬力越えのスポーツモデルはまだまだ少なく、パフォーマンスは圧倒的に優位な車でした。しかし、前述のモデルと同様に、このモデルにはオーナーを悩ませるある欠点がありました。デスビがウォーターポンプの下にあり、定期的に交換する消耗品ではあるが、そのたびにウォーターポンプも外しての作業が必要。水回りの漏れが発生すればやはり被害を受けるというもので、構造的にちょっと難あり。そのため、その前後の世代の同モデルは価値は上がっているのですが、その世代だけが取り残されている。。。といったケースもあります。 価値の高い車、評価が上がっている車 ここまでは、あまり価値の付きにくい車についてお話ししました。では、大きく価値の上がっている、評価の上がっている車は何でしょうか? これは、大雑把に言うとこんな感じです。 2ドア マニュアルミッション スポーツカー これを満たすモデルであれば、基本的には評価が高くなり、買取金額も相応に上がります。評価が高いので具体的に車種名を言っても、車の名誉は傷つかないのでお伝えしましょう。※以下でご紹介する車両は価値が高い車の中のごく一部です。 ニッサンスカイライン 特に、ハコスカ、ケンメリ、ジャパン、鉄仮面、32、33、34のマニュアル車は非常に評価が高いです。ノーマル車も改造車、カスタム車も評価が上がっています。2ドアのモデルであれば、マニュアル車以外でも価値の上がっているものがあります。また、GTRはどの世代も非常に価値が高いです。モデルによっては、数千万円で取引されることも珍しくありません。また、ハコスカやケンメリは、長期間放置されていた不動車でもしっかり評価ができるためおもわぬ買い取り額をご提示できることもございます。 トヨタスープラ スープラも非常に人気の高い車種です。特に80のターボ車は大変評価が高くなっています。NAモデルでもカスタムなどがしっかりされていたり、1オーナーフルオリジナル車両なども探されているユーザーが多いため、買取金額にもその需要が反映されていきます。事故歴のあるような個体でも、走行に支障のないものであれば、しっかり評価が可能です。 フェラーリやポルシェ いわずもがな車好きなら誰もが憧れる名車です。世界中で愛されているメーカーですが、絶対数が非常に少ないため、どのモデルも総じて高価で取引されています。ですので、フェラーリ、ポルシェをお持ちの方は、いつでも高い評価で売却していただくことが可能です。 コスモスポーツ 一見すると海外のクラシックモデルにも思える流麗なデザインと、ロータリーエンジンの軽快さが魅力の国産スポーツカー。歴史的にも大変価値のあるモデルであり、なおかつ非常に台数が少ないため、年々評価は高まっています。もし、納屋に眠っている個体がある、もう何年も乗ってないなあーというオーナーさんはぜひすぐにお知らせください。専門の鑑定士が価値を見定めます! まとめ まだまだ、たくさんの価値の上がっている車たちはあるのですが、スペースの都合上今回は以上とさせていただきます。このコロナ禍において、高額な買取が可能な車は、簡単に言うと、2ドアでマニュアルのスポーツカー全般ということになります。お乗り換えや、ご売却、減車を検討されている方は、実は今がチャンスだということをご認識ください。 [ライター/旧車王編集部]

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