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増田 真吾の記事一覧

ル・マン24時間耐久レースの勇姿が蘇るフォード GT40のレプリカGTD40
旧車の魅力と知識2023.04.17

ル・マン24時間耐久レースの勇姿が蘇るフォード GT40のレプリカGTD40

1966年から1969年のル・マン24時間レースを4連覇したことで有名一躍有名になったフォードGT40。アメ車らしい迫力のある走りに多くのファンが魅了され、さまざまなレプリカモデルが製作されました。 今回は、数あるレプリカのなかでも完成度が高く、今も人気が高いGTD40を紹介します。フォード GT40の歴史とともに振り返りましょう。(フォード GT40は通称名で、正式名称はフォード GT) 輝かしい功績を残したフォード GT40 GTD40のベースであるGT40は、1960年代にレースシーンで活躍したレーシングカーです。伝説とも言われるGT40の活躍は「フォードVSフェラーリ」という映画でも描かれました。まずは、フォード GT40の歴史を振り返りながら、その魅力に迫ります。 ライバル・フェラーリに勝つために誕生 1963年、フォードは経営難にあったフェラーリの買収を試みます。しかし、契約書のレース予算の決定権を巡って交渉は決裂、買収には至りませんでした。 そこで、フォードの2代目社長ヘンリー・フォードは、レースでフェラーリに勝てるレーシングカーの開発を命じます。こうして誕生したのがフォード GT40です。 ル・マン24時間耐久レース優勝 GT40は、開発当初こそトラブルに悩まされますが、参戦わずか2年目の1966年には、ル・マン24時間耐久レースを制します。しかも、当時無敵の強さを誇ったフェラーリを制し、GT40は1位〜3位を独占。ヘンリー・フォードの要求に答えるマシンを、フォード開発陣は見事に作り上げました。 さらに、初優勝から4連覇という偉業を成し遂げ、多くのファンを魅了しました。フォードの高い技術力を証明したマシンとして、今もなお高い人気を誇ります。 レプリカとして製作されたGTD40 ル・マンでの輝かしい成績によって、GT40の人気は一気に高まります。しかし、GT40は量産車ではないので、簡単に購入できるわけではなりません。オークションに出品されても軽く一億円を超える値段がつけられ、現実的に入手は困難でした。 そこで、多くのカスタムカーブランドがレプリカ製作に乗り出します。なかでも、日本に正規輸入代理店のあったGTD社製のGTD40ル・マンが国内でもっとも有名になりました。 GTD40とは GTD社が製作したGTD40は、オリジナルのもつ雰囲気をうまく再現したレプリカです。 レーシングカーと同仕様の車両を作ることは現実的には不可能ななか、こだわるべきところにこだわってGT40の魅力をしっかりと詰め込んで製作された、GTD40の仕様を詳しく紹介します。 アメ車らしいV8エンジン GTD40に搭載されたエンジンは、5.0L~5.4LのV型8気筒エンジン。レーシングカー仕様だった実物のGT40でも4.7L〜7.0Lだったことを考えると迫力十分のエンジンです。数字的な情報は不明なものの、大排気量のV8エンジンの生み出すパワーとトルク、音はアメ車ならではの力強さを感じさせてくれます。 また、レーシングカーさながらのクロス配管であるエキゾーストパイプを採用している点も、GTD40がレプリカとして評価の高い理由の一つです。安価なレプリカでは排気管まで作り込まれていないモデルも少なくありません。見えない部分ではありますが、排気効率という車の性能そのものにかかわる部分だけに手を抜かずに作り込まれています。 特徴的な右ハンドル右シフト仕様 GTD40は、オリジナルのGT40と同様の右ハンドル右シフトという特徴的な仕様を採用しています。当時のサーキットは右ピットが多かったため、右ハンドルのほうがドライバー交代で有利だったためです。さらに、大排気量のMRレイアウトのため、ボディサイドに変速用ロッドを通すことでエンジンとの干渉を防ぐために右側にシフトをレイアウトしました。 当時のレーシングドライバーと同じ視点と操作感覚を味わえる点が、GTD40の大きな魅力と言えるでしょう。(アメリカで販売されたモデルは法律の関係上、左ハンドルのモデルもあります) レーシングカーを感じさせるボディ設計 GTD40は、ボディ設計もできるだけオリジナルを踏襲して開発されました。セミモノコックボディのドアを開けると、レーシングカーらしい極太のサイドシルが印象的です。 サイドシルは燃料タンクも兼ねており、大排気量エンジンを長時間走らせるのに十分な燃料を搭載できます。また、ボディ上部まで開閉するサイドドアは、ドライバー交代をしやすくするために開発されました。GTD40も同様の構造で、全高が低いながらも比較的乗り降りがしやすくなっています。 GTD40といった希少車でも高価買取 GTD40は、フォード GT40のもつ魅力を余すことなく再現したレプリカ車両です。ただし、レプリカながら生産台数は少なく、現在では本家GT40に負けず劣らず入手しにくい希少車となってしまいました。 旧車王では、希少なGTD40を800万円で買い取った実績があります。世の中にあまり出回っていない希少車であっても、旧車王ならきちんと査定いたしますので、愛車の売却を検討中の方はぜひ一度ご相談ください。 ※価格は2023年4月執筆時

NAエンジンのスポーティモデル10代目スカイラインR34型「25GT-V」を紹介!
旧車の売買と鑑定市場2023.03.30

NAエンジンのスポーティモデル10代目スカイラインR34型「25GT-V」を紹介!

スカイラインとして10代目のR34型は、第二世代の最終型として登場しました。そして、GT-Rを最上位グレードに設定した最後のスカイラインでもあります。これまでのスカイライン同様、GT-R以外にも個性豊かな多くのグレードがリリースされました。 今回はR34型で販売されたグレードのなかでも、特別限定車として販売された「25GT-V」にスポットを当てます。NAエンジンでありながらターボ車同様の足回りを装備し、高い走行性能を誇ったR34型日産 スカイライン 25GT-Vの魅力を振り返りましょう。 幅広いラインナップが用意されていたR34型 1998年5月から2002年12月まで販売された10代目スカイラインR34型。ボディのサイズアップと丸みを帯びたデザインが批判を浴びた先代R33型の反省から、R34型ではホイールベースを55mm短縮し、シャープなスタイリングに見直されました。 R34型に限らずスカイラインを象徴するのは、最上位グレードのGT-Rですが、第二世代スカイラインは魅力的な幅広いグレードが用意されていることも特徴の一つです。R34型でもセダンモデルの標準車25GTやターボ付きの25GTターボ、四輪駆動方式の25GT FOURなど個性的なグレードが展開されました。 エンジンは全てのグレードにRB型直列6気筒DOHCを搭載。2.6Lツインターボ仕様、2.5LターボとNA、2.0LのNAと合計4種類のエンジンがグレードによって使い分けられています。さらに、ボディタイプは2ドアクーペと4ドアセダンの2種類が用意され、エンジンと吸気方式、駆動方式との組み合わせによってさまざまなグレードが生み出されました。 スポーツグレードER34型として販売された25GT-V 不評だった先代のスタイリングを見直し「ドライビングボディ」「ボディは力だ」をキャッチコピーに直線基調のウェッジシェイプに生まれ変わったR34 スカイライン。 R34スカイライン 25GT-Vの位置付けを、第二世代のR32、R33を踏襲して用意された豊富なラインナップと共に紹介します。 R34型スカイラインには4つの型式が存在 R34型スカイラインには「BNR34」「ER34」「ENR34」「HR34」の4つの型式が存在します。なかでも今回紹介する25GT-Vなどが展開されたER34型は多くのグレードが展開されました。 NAエンジンを搭載する25GTと25GT-V、ターボ搭載の25GTターボ、内外装を充実させたGT-XやGT-Xターボと実に幅広い仕様が相次いでリリースされました。 25GT-Vは当初特別限定車だった 直列6気筒RB25DE型のNAエンジンを搭載する25GT-Vは、1999年2月に特別限定車として4ドアセダンのみが発売されます。NAエンジンモデルにもかかわらず、足回りを中心に多くの点でターボ仕様車と同じ装備が施された運動性能に優れたモデルでした。 当初は3月末までの販売予定でしたが、人気の高さから4月以降も生産を継続。翌2000年には2ドアクーペも生産され、セダン、クーペともに後期型は限定車ではなくカタログモデルとなりました。 NAながら充実した装備の25GT-Vが放つ魅力 ターボと比較すると非力なNAエンジンを搭載しながらも、充実した装備を足回りにととのえた25GT-V。優れた走行性能を発揮する25GT-Vは、ターボ車と比べて30万円以上も価格を抑えられた、お財布にもやさしいモデルでした。 GT-Rでもターボ車でもないのに、上質なスポーティ感を味わえるR34型スカイライン「25GT-V」が放つ魅力を紹介します。 似ているようで大きく違う25GTと25GT-V 25GT-Vと混同されがちなのが「25GT」です。どちらも同じNAエンジンを搭載し、ボディタイプやトランスミッションの設定も変わりません。しかし、足回りの仕様によってドライブフィールは大きく異なります。 ER34型のベーシックモデルといった位置付けの25GTのホイールサイズは16インチで、足回りもNAエンジン仕様です。一方、25GT-Vは17インチホイールを始め、足回りや駆動制御システム(リヤビスカスLSD)、ブレーキシステムがターボエンジンを搭載する25GTターボと同じ仕様になっています。 急ハンドル時の収束性に優れている電動スーパーハイキャスと、安定したコーナリング性能を生み出すリアスタビライザーを装備し、ブレーキには4輪とも対向ピストンキャリパーを採用しています。NA仕様とはまったく異なるスポーティな足回りに仕上げられました。 NAエンジンながら、ターボエンジンを搭載する上位グレードの25GTターボと25GT-Vは同等の位置付けだとわかるポイントがエンブレムです。25GTはブルーのエンブレムを付けているのに対し、25GT-Vは25GTターボと同じ赤いサイドエンブレムを装着しています。 街乗りとしても楽しめるナチュラルな吹け上がり 瞬発力のある加速感が特徴のターボ車と比べて、NAらしいナチュラルな吹け上がりのある25GT-Vは、街乗りでもスムーズな走りを楽しめる一台です。 しかも、ターボ車譲りの締め上げられた足回りによって高い安定感を実現しているため、NA独特のフィーリングを味わいながら躊躇いなくアクセルを開けられます。 状態によってはターボ仕様並の高値で取引される25GT-V 25GT-Vは、NAエンジンにターボ車の足回りという通好みの存在です。GT-Rやターボ仕様の25GTターボに比べるとこれまであまり高い評価はされてきませんでした。 しかし、アメリカの「25年ルール」やハリウッド映画での起用による、R34型GT-Rの人気の高まりにともなって25GT-Vも高値傾向にあります。大手中古車情報サイトでは、走行19万キロ以上の1999年式25GT-Vで400万円以上の価格の個体も存在しました。 旧車王での買取価格も上昇傾向で、希少性から状況次第ではターボ車並みの価格がつけられることもあります。NAなのにターボと同等の運動性能を発揮するR34型スカイライン 25GT-V、今後の価格動向から目が離せません。 ※価格は2023年3月執筆当時

S14シルビアはもう不人気じゃない!前期・後期の違いや魅力を紐解く
旧車の魅力と知識2023.03.29

S14シルビアはもう不人気じゃない!前期・後期の違いや魅力を紐解く

日産 S14型シルビアは、フルモデルチェンジで不評を買った日産車としてR33スカイラインと並んで有名です。共通点は「大型化」と「丸みを帯びたデザイン」で、先代のもつスタイリッシュで軽快なイメージを壊したことが不人気につながりました。 しかし、国産スポーツカーの人気の高まりとともに、不遇の評価を受けていたS14の魅力が見直されつつあります。FRスポーツクーペとして確かな実力を備えていたS14。今回はS14の登場時の状況を振り返りつつ、本当の実力と魅力に迫ります。 販売当時は不人気だった不遇のシルビアS14 シルビアの地位を確立したS13に対してフルモデルチェンジしたS14は、登場から大きな批判を浴びます。大きくて丸みを帯びたボディデザインは、S13ファンを落胆させました。 結果的にS13の3割にも満たない販売台数になってしまった、S14の当時の様子を振り返ります。 デートカーとして一世を風靡したS13 初代シルビアの登場は1965年。商業的に大きな成功はしませんでしたが、精力的にモデルチェンジを繰り返しました。そして、1988年に5代目として登場したS13が、デートカーとして一世を風靡し大成功をおさめます。 近未来的でスタイリッシュなボディデザインと高い走行性能から販売台数は約30万台にも及び、5年間販売されました。 大型化が裏目に出たS14 5年ぶりのフルモデルチェンジを図ったS14シルビアの登場は1993年。S13の成功後だけに、大きな期待が寄せられていました。しかし、全体に大型化が図られ軽快さがスポイルされたことに加え、丸みを帯びたデザインが重たいイメージに拍車をかけたために批判を浴びます。 実はボディサイズの拡大にはメリットもあったのですが、エンジンとプラットフォームの基本部分が先代からの踏襲で、目玉となる変更点が外観だっただけに悪い点ばかりが目立ってしまいました。 マイナーチェンジで人気の回復を願うも時代にも見放される 振るわない販売台数を増やすべく、日産は1996年6月にマイナーチェンジが実施され、後期型が登場。タレ目で弱々しいと言われていたヘッドライトを直線基調のツリ目フェイスに変更したことに加え、ベースグレードとなるQ’sの新車販売価格を10万円値下げしました。 しかし、直線基調のヘッドライトともともとの丸みを帯びたリアデザインの前後バランスが悪く、かえってユーザーの不評を買ってしまいます。また、後のSUV人気にも発展するRV車の台頭によって、スペシャルティの人気が下がっていたことも逆風となって思うように販売台数は伸ばせませんでした。 その後も特別仕様車を投入するなど精力的に販売数の増加に取り組みますが、先代S13とほぼ同等の販売期間にもかかわらず、8万5千台あまりの販売でS14の生産は終了します。 大型化による恩恵がS14を見直すきっかけになった ボディを大型化したことが、S14が不人気となった大きな理由でした。しかし、魅力が見直された理由は、皮肉にもボディサイズの拡大と当時は不評を買った丸みを帯びたデザインです。また、悪い面ばかりが注目されたS14ですが、S13に比べて大幅な性能アップも果たされていました。 ここからは、S14のエンジンや評価されているポイントを紹介します。 ほぼ完成の域に近づいていたSR20型エンジン S14シルビアに搭載されたエンジンは、S13後期から引き続きSR20型でした。しかし、後継のS15に搭載されたSR20エンジンと比べても遜色のないほど、大幅なパワーアップが図られています。 自然吸気のSR20DEで160ps、ターボのSR20DETでは220psの最高出力を発揮。1997年に作られたオーテック特別仕様車は、250psとS15とまったく同じ出力です。 実は車重の増加に見合うポテンシャルの引き上げがしっかりと行われていたので、見た目のイメージほど走行性能は犠牲になっていません。 ドリフトシーンで高い評価を受けた大型化 S14シルビア不人気の理由となった、ボディサイズの大型化はクルマの運動性能という意味では決してマイナスではありませんでした。トレッド幅とホイールベースの拡大によって走行安定性が向上。限界領域でのコントロール性能も高かったことから、当時盛り上がりを見せていたドリフトシーンで注目を集めます。 また、ボディ剛性も曲げ剛性で約200%、捻り剛性で約150%とS13から大幅にスペックアップしていたことも、ボディに無理を生じさせるドリフトには有利な点でした。さらに足回りも。S13と共通ながらストローク量が確保されていて安定性が増しています。 いずれのポイントも、ボディの大型化によって実現した性能です。 魅力として見直されつつある当時のデザイン 当時の日産デザインを象徴するS14の丸みを帯びたやわらかなスタイリングと、大型のボディサイズによる高い居住性は現在では魅力の一つとして見直されています。 S14と同様に大型化で不評を買ったもう一つの日産車がR33型スカイラインです。しかし、R32の高騰を皮切りに大きく見直され、海外を中心に高い評価を得るようになったのはご存じの方も多いでしょう。 また、前期と後期でフロントマスクがまったく異なる点も、S14をファンが楽しんでいる理由です。前後期でフロント部分をスワップして、自分好みのスタイリングを楽しんでいます。 今なら状態の良い個体も見つけられるS14 人気のS13や販売台数の少なかったS15と比較すると入手しやすい価格ですが、価値が見直されていることから価格は徐々に高騰しつつあります。大手中古車サイトで探したところ、安いものは100万円前後から購入可能ですが、1993年式のK'sで455万円もの個体もありました。 ドリフト車として人気が高かった一方で、大柄でおとなしいデザインからノーマルのまま日常車として使用するオーナーも多かったため、状態の良い車両もまだ比較的市場に残っています。S14シルビアを手に入れたい方は早めに検討しましょう。 また、手元に状態の良いS14がある方は、価格が高騰している今が高値で販売できるチャンスです。状態が悪くなってしまう前に、ぜひ旧車王に一度ご相談ください。 ※中古車価格や経過年数は2023年3月記事執筆時

六本木のカローラと呼ばれたBMW3シリーズの2代目「E30型」の魅力を紹介
旧車の魅力と知識2023.03.29

六本木のカローラと呼ばれたBMW3シリーズの2代目「E30型」の魅力を紹介

BMWジャパンの創設以来、最大のヒット作となった2代目3シリーズの「E30型」。バブル景気の恩恵も相まって、記録的な販売台数を達成しました。 セダンタイプを世に送り出したあとも、クーペやカブリオレ、そしてステーションワゴンなど、豊富なモデルバリエーションを発展させたE30型は、販売終了から25年以上たった今でも、ファンの心を躍らせる名車です。 単に高級志向の高まりという時代背景だけではなく、欧州高級セダンとして確かな実力を備えていたからこそ大ヒットにつながったBMW E30型の魅力を紹介します。 BMWらしさが感じられるコンパクトセダンE30 BMWの主力モデルで、今もなお最多量販車種である3シリーズ。なかでも2代目のE30型は、コンパクトボディの中にBMWらしさをギュッと詰め込んだ人気の1台です。 クルマ好きのあいだでは「イーサンマル」の愛称で親しまれたこの車種は、ベンツ190Eと並び、バブル期を象徴する高級輸入車でした。 BMWの発展期に登場した「E30型」 BMWの主力車種である3シリーズは、BMW 2002の後継「E21型」を初代として、1975年6月に歴史の幕を開けます。当時はまだBMWの日本法人が存在せず、正規ディーラーであるバルコム・トレーディング社が輸入販売をおこなっていました。 そして、BMWジャパン(正式名称はビー・エム・ダブリュー株式会社)が創設された翌年に登場したのが、2代目のE30型です。まさにBMWがプレミアムブランドの基盤を固めていく、発展期真っ只中でのデビューでした。 E30型は、初代3シリーズのE21型のテイストを継承しながらも、ボディのサイズアップや全グレードを4灯化するなど大幅な進化を遂げ、プレミアムセダンとしての地位を確立します。また、E30型はセダンだけではなくカブリオレやステーションワゴンといった幅広いボディタイプも展開されました。 時代を味方につけ「六本木のカローラ」と呼ばれるるほど大ヒット E30型のヒットを揶揄して「六本木のカローラ」という言葉まで生まれました。東京の遊び場の中心だった六本木では多くのE30型BMWが走っていて、当時国内でもっとも売れていたカローラ並にその姿が目撃されていたためです。 E30型が市場に投入された1982年の日本は、まさにバブルの黎明期。庶民層の所得も引き上げられ、高級志向の高まりから「ハイソカー」と呼ばれる国産高級車や外国車が注目され始めていた時期です。 クルマとしての完成度の高さに加えて、スモールセダンというちょっと背伸びをすれば手の届くクラスだった点が、時代背景と見事に重なって空前の大ヒットにつながります。また、正規輸入だけではなく円高進行で並行輸入車を手にしやすかったこともE30型のヒットを後押ししました。 欧州車らしい走行性能とスタイリングを詰め込んだE30型 E30型のヒットは、単に日本が豊かになったからというわけではありません。クルマとして完成度が高かったからこそ、多くのユーザーの人気を集めました。 欧州プレミアムカーにふさわしい仕上がりとなっているE30型の魅力を紹介します。 欧州車ならではの走行性能はまさに「駆け抜ける歓び」 E30型の魅力は、欧州車ならではの優れた走行性能です。最大170psを発生する直列6気筒SOHCエンジンをはじめ、軽い吹き上がりが気持ちの良い4種類のエンジンが搭載されています。 また、サスペンションはフロントにストラット式、リアにセミトレーリングアーム式を採用し、軽量ボディとあわせて高いハンドリング性能を実現しています。 絶対的なパワーや性能を誇っているわけではないものの、モデル全体としてどのグレードでもスポーツセダンとして文字通り「駆け抜ける歓び」を感じられるクルマでした。 クラウス・ルーテの魔法にかかったデザイン E30型のデザインは、アウディも手掛けるドイツのカーデザイナー、クラウス・ルーテが担当しました。初代と比べて車両寸法が拡大し、丸みのあるボディラインとしたことで、スモールセダンながら欧州セダンの風格のあるデザインに仕上がっています。 また、初代では上級グレードにしか装備されていなかった4灯ヘッドライトも、全グレードに標準装備。現在に比べるとまだ小さいキドニーグリルと合わせて、E30型BMWの象徴となりました。 インテリアでは、運転席に向けてデザインされたBMW伝統のセンターコンソールが、オーナーだけが味わえる優越感を演出します。また、シンプルな3本スポークステアリングに象徴されるように、欧州車ならではの高級感を漂わせながらも、ドライバーズカーとして過度に主張しない落ち着いたデザインが印象的なインテリアです。 豊富なボディバリエーションもE30型の特徴 豊富なボディバリエーションを設定していたのもE30型の特徴です。1982年のリリース時には、2ドアセダンとバウア社製トップカブリオレがまず投入されました。翌年1983年には、爆発的な人気を集める4ドアセダンが登場します。 さらに、フルカブリオレとスポーツセダンも追加され、1989年には2002シリーズのハッチバックに由来するステーションワゴン「E30ツーリング」まで販売されました。 E30型は希少性があがると一気に高騰する可能性 E30型は1990年にモデルチェンジされ、後継の第3世代3シリーズE36型に移行します。また、一部モデルチェンジ後に販売が継続されたステーションワゴンとカブリオレも、それぞれ1993年、1994年には販売終了しました。しかし、BMWらしいスタイリングと走行性能の高さから現在でも根強い人気のある車種です。 ボディタイプとエンジンのバリエーションが多いことから中古車価格も幅が広く、100万円を切るものから、200万円を超えるものまであります。 買取価格についてもモデルや年式、エンジンによって大きく変わりますが、旧車王では先日325i Mテクニックを200万円で買い取りました。 E30型BMWは販売台数が多かったことから、これまであまり大きな値上がりが見られませんでしたが、販売終了からすでに30年以上が経過し、今後状態の良い個体は減少していくでしょう。人気の高いモデルだけに、希少性が高まると一気に価格が上昇する可能性があるので、今後の価格動向には注目です。 ※価格は2023年3月執筆時 

日産 フェアレディZの礎になったのはS130だった?! 国産車初となる装備など初代以上の魅力を紹介
旧車の魅力と知識2023.03.27

日産 フェアレディZの礎になったのはS130だった?! 国産車初となる装備など初代以上の魅力を紹介

初代同様アメリカンテイストに仕上げられたロングノーズショートデッキの特徴的なスタイリングに、国産車初のTバールーフを備えたS130型2代目日産 フェアレディZ。 先代を踏襲したデザインだったこともあり、初代のS30型が登場したときほどの大きなインパクトはなかったものの、性能面、スタイリング共に完成度の高い一台として今も人気を博しています。今回は、フェアレディZの伝統をつくり上げた2代目S130型の魅力を詳しく見ていきましょう。 初代の成功を受けて誕生したS130 9年間に渡って生産された初代S30型の成功を受けて、1970年代後半にフェアレディZ初のモデルチェンジによって登場したのがS130型です。 高い人気にもつながった初代のスタイリングを踏襲しつつ、実は大きく刷新されていたS130の概要を振り返ります。 240Zが時代を作った初代フェアレディZ フェアレディZの初代S30型は、ダットサン フェアレディの後継車として1969年に登場。欧州のGTカー並みの高いスペックを誇りながらも、価格をかなり低く抑えていたために市場に大きなインパクトを与えました。 エンジンは、L型直列6気筒エンジンを搭載。ロングノーズショートデッキという特徴的なスタイリングに加え、北米には低中速域がトルクフルな2.4Lモデルを投入していたことから特にアメリカで高い人気を獲得します。全世界で販売台数55万台という大ヒットを記録しました。 S30型の成功受けて製造されたS130型 初代S30型フェアレディZの成功を受けて、初のフルモデルチェンジを果たして登場したのがS130型2代目フェアレディZです。デザインこそ初代をそのまま踏襲していましたが、実はシャーシからすべてが一新されていました。 全体にワイド化し、より力強く安定感のある印象を与えるスタイリングを手に入れます。さらに、全長を伸長しキャビンの居住性を確保したことで、2 + 2モデルの後席の居住性が大きく向上。リアサスペンションの刷新や四輪ディスクブレーキの採用も含めて、スポーツカーというコンセプトを維持しつつも、GTカーの性格が色濃くなりました。 販売台数は42万台と初代には及ばなかったものの、ユーザー層の限られるスポーツカーとしては大成功と呼べる記録でした。また、初代の約9年間に対してS130の販売期間が約5年間ということ考えると驚異的な数字です。現在まで続くフェアレディZの人気を、不動のものにしたモデルといえます。 国産車初のTバールーフが印象的なS130 外観上は初代をそのまま踏襲したかのような印象を受けるS130。しかし、国産車初となるTバールーフやわずか5年という販売期間中も進化し続けたエンジンなど、意欲的に開発されたモデルでした。 S130で初めて採用された装備のいくつかは、その後のフェアレディZの伝統になったものもあります。現代のフェアレディZにつながる礎ともなったS130の特徴的な装備を紹介しましょう。 フェアレディZの象徴になったTバールーフを初めて採用 S130型は、フェアレディZシリーズとしてだけではなく、国産車として初めてTバールーフを採用したモデルです。しかし、実は発売時にはラインナップにありませんでした。発売から2年後の1980年に、新仕様車として投入されます。 ルーフガラスを外すとオープンカー並みの開放感を得られるTバールーフは、フェアレディZのアメリカンテイストをより強調する装備でした。日本車離れしたデザインのTバールーフを印象付けたのが、ドラマ「西部警察」の劇中車として登場した、ガルウィングに改造された「スーパーZ」です。S130型以降、TバールーフはフェアレディZの象徴ともいえる仕様として定着しました。 積極的に開発したエンジンは初のターボモデルも投入 S130型は、Tバールーフと同様にシリーズ初の仕様が追加されます。ターボエンジンです。先代の2.4Lから400cc排気量を増やしてラインナップされていた、2.8L直列6気筒L28E型エンジンにターボを搭載し、180psを発生するL28ET型が北米モデルに投入されました。 さらに、S130型末期の1982年には、国内販売される2.0Lモデルにもターボが追加されます。北米向けには「280Z」として販売されていたため、「フェアレディZ」としては初のターボモデルとなりました。 近代的に洗練されたインテリア エクステリアはS30型を踏襲したデザインだったS130型フェアレディZですが、インテリアは大きく洗練されて近代的になりました。ステアリングホイールも、スタンダードな3本スポークから逆V時型の先鋭的なデザインのものに変更されています。 一方で、センターコンソール上部の3連メーターは、フェアレディZのアイデンティティとして初代を踏襲した形で残されました。 新型フェアレディZにもつながるS130 フェアレディZシリーズで、登場時に大きなインパクトを与えたのは初代のS30型です。しかし、Tバールーフやターボ仕様、洗練されたインテリアといったその後のフェアレディZにつながる装備を初採用したのはS130型でした。 S30型よりも大幅に性能が向上しているS130型は、現在でも根強い人気を誇ります。ただし、生産終了から40年が経過しているため入手は難しくなってきています。 大手中古車サイトで検索したところ、10台強しか見つからなかったうえ、多くの個体では価格が開示されていませんでした。北米仕様として販売されていた個体の販売価格は、1983年式ということ以外、走行距離もグレードも不明にもかかわらず、510万円もの本体価格が付けられていました。 ※中古車価格は2023年3月執筆時

オープン2シーターとして人気のホンダ S2000!世界一を目指したSシリーズの歴史と魅力に迫る
旧車の魅力と知識2023.03.23

オープン2シーターとして人気のホンダ S2000!世界一を目指したSシリーズの歴史と魅力に迫る

オープン2シーターにロングノーズショートデッキ、ヘッドライトやボンネットの形状こそ現代風ながら、ホンダの自動車開発の歴史を切り開いたSシリーズ伝統のスタイリングを踏襲したホンダ S2000。1999年からわずか10年間の生産にもかかわらず、現在でも個性的なスポーツカーとして高い人気を誇っています。 しかし、S2000の魅力はスタイリングだけではありません。スポーツカーとしての高い性能に裏打ちされたS2000の魅力と、世界を目指したSシリーズの歴史を紹介します。 Sシリーズを究極進化させたS2000 ホンダ初の普通乗用車としてS500が登場したのは1960年代初頭。日本の自動車産業の黎明期に、世界にも通用するクルマとして開発されました。オープン2シーターに高い性能を詰め込んだFRスポーツは、Sシリーズとしてホンダの歴史を作り上げた存在です。 ホンダの50周年を記念して開発されたS2000は、単なる記念モデルではなくクルマとして完成されたSシリーズの名に恥じないモデルでした。 自動車メーカーとしてのホンダの礎となったSシリーズの歴史から振り返って紹介します。 世界を目指して開発されたホンダSシリーズ 2000年目前に発売されたS2000ですが、Sシリーズの歴史は1960年代にまで遡ります。当時2輪しか製造していなかったホンダが、初の4輪として開発したのがSシリーズの起源であるSports 360でした。(同時に軽トラックのT360も開発) Sports 360は、オープン2シーターという当時としては挑戦的なスタイリングを採用しました。その後のSシリーズにも受け継がれます。残念ながらSports 360は発売にはいたらなかったものの、普通車として開発したS500を1963年10月に発売。「出すからには世界一でなければ意味がない」という本田宗一郎氏の信念のもと、ホンダ初の普通乗用車ながら世界最高峰の性能を誇るオープン2シーターは国内外の大きな注目を集めました。 Sシリーズの開発は精力的におこなわれ、次々と新モデルが投入されます。S500発売の翌年1964年にはS600、1966年にはS800を発売。1968年発売の最終モデルであるS800Mまで、マイナーチェンジを含めるとほぼ毎年モデルチェンジを繰り返しました。 ホンダ設立50周年を記念して発売されたS2000 Sports 360から続いたSシリーズが生産終了した1970年から29年後、1999年4月15日にホンダの創立50周年を記念して、久々のSシリーズ・S2000が登場しました。 オープン2シーターというSシリーズの伝統は、S2000でも踏襲されます。また、Sシリーズの系譜を受け継いだのはスタイリングだけではありません。世界最高峰の性能という点も、初代のS500同様に妥協することなく追求されていました。 高出力の新開発エンジンに、高剛性を実現した専用フレームとホンダのもつ技術が惜しみなくつぎ込まれた一台です。 過去のSシリーズ同様最高の性能を追い求めたS2000 S2000の本当の魅力は、スポーツカーとしての高い走行性能です。“エンジンのホンダ”とも言われるように、特にエンジンはこだわって開発されました。また、エンジン性能に負けないボディ剛性もS2000がただのオープンカーではなく、スポーツカーとして評価されている理由の一つです。 発売後も意欲的に開発され続けたS2000の性能面の魅力を紹介します。 ピュアスポーツと比べても遜色のない走行性能 オープン2シーターというボディスタイルは、開放感があって個性的な反面、スポーツカーとしての性能は妥協しているモデルも少なくありません。しかし、S2000は性能面だけを見てもピュアスポーツカーと遜色のない高い走行性能を備えています。 まず、新開発されたF20C型2L直列4気筒VTECエンジンは、自然吸気ながら250psを発生。しかも、フロントミッドシップに配置することで、スポーツカーとして最適な前後重量配分50:50を実現しています。一般販売されている車両にもかかわらず、9,000回転まで回るホンダ特有の、レーシングカーのような高回転型エンジンでした。 また、S2000専用に開発された「ハイXボーンフレーム」は、クローズド設計のスポーツカー並の剛性を発揮。さらに、前後の足回りには剛性を確保できるダブルウィッシュボーンを採用し、クルマ全体の剛性を極限まで高めています。しかも、“分離加圧式ダンパー”で高レスポンスを実現したことで、現在でも一線級のコーナリング性能を誇ります。 前後期でエンジン特性が異なる 1960年代のSシリーズ同様、S2000も発売後にも進化を続けました。10年間の販売期間のなかで、2度のマイナーチェンジを行っています。マイナーチェンジ時期によって前期・中期・後期と呼ばれ、なかでもビッグマイナーチェンジが施されたのが後期型です。 前期と中期は、型式は同じAP1で基本的には大きな変更はありません。スタビライザーとサスペンションの味付けがややマイルドに変更されました。 型式がAP2となり、唯一のビッグマイナーチェンジとなった後期型での最大の変更点はエンジンです。2LだったFC20型エンジンが2.2LのFC22型に変更されました。排気量を上げることで、FC20型で課題だった低中回転域でのトルク不足を解消します。最高出力は242psに抑えられたものの、S2000の求める「速いだけでなく、乗り手が『楽しい』と思える性能」がさらに熟成された上質なフィーリングのエンジンです。 国内生産は10年で2万台あまりの希少車 S2000の生産は、約10年間で国内では2万台ほど、全世界でも約11万台程度しかありません。しかも、スポーツ走行を楽しむオーナーも多く、状態のいい中古車はさらに年々減少しています。 中古車情報サイトで調査したところ、中古車は300万円前後を中心に取り引きされているようです。走行が35,000kmと少ない2008年のAP2型で、1,100万円というモデルもありました。 旧車王でも、10年以上前のクルマにもかかわらず、新車販売価格と同水準の350万円での買取実績もあります。今後S2000の入手を検討している方は、ぜひ早めに状態のいい車体を見つけてください。 ※中古車価格は2023年3月執筆当時

V型12気筒横置きエンジンの元祖スーパーカー!ランボルギーニ ミウラの魅力
旧車の魅力と知識2023.02.28

V型12気筒横置きエンジンの元祖スーパーカー!ランボルギーニ ミウラの魅力

1966年から1972年まで製造されたランボルギーニ・ミウラ。大排気量のV型12気筒エンジンを横置きでミッドシップレイアウトにおさめた元祖スーパーカーとして、革新的なデビューを飾りました。 FRが主流だったロードゴーイングGTの世界に、MRパッケージで彗星のごとく現れたミウラの開発秘話とすべてのモデルの歴史を紐解いていきます。 ベアシャーシでの初披露から始まったランボルギーニ・ミウラ 初代ランボルギーニ・ミウラの前身、TP400がトリノ・オートショーで初披露されたのは1965年。しかし、その姿はボディがなくV型エンジンを載せたベアシャーシのみでした。 そして、翌1966年にマルチェロ・ガンディーニ氏による架装が施され、新鋭ランボルギーニ・ミウラ P400は、ついにジュネーブショーで初披露されます。流れるような流線美が注目の的となったミウラの開発秘話を紹介します。 フェラーリを超えるために生み出された元祖スーパーカー ミウラの特徴といわれる3.9LのV型12気筒エンジンは、1960年中盤に生産が始まったFR車、ランボルギーニ350GT/400GTに搭載されていました。しかし「フェラーリを超える車をつくりたい」と考えていた開発責任者のジャンパオロ・ダラーラは、4Lに迫るこの大型エンジンをコックピット後方に搭載する決断をします。 当時はミッドシップレイアウトそのものが珍しく、3Lクラスのエンジンとなると、フェラーリ 250LMのみでした。大型エンジンを搭載するMR車両が当時は他になく開発は難航しましたが、ダラーラは横置き配置にするという斬新な方法で解決。3.9LのV型12気筒エンジンを搭載するミッドシップスーパーカー「ランボルギーニ・ミウラ」を誕生させました。 当時、唯一無二といわれたこのミッドシップスポーツカーは、その後多くのGTカー開発を追随し「元祖スーパーカー」といわれる存在になりました。 横置きレイアウトでコンパクトなプロポーションを実現 ミウラの代名詞である横置きエンジンは、イギリスの自動車開発者のアレック・イシゴニスが設計したBMCミニからヒントを得て開発されました。 ミニは、エンジンの下にギアボックスを配置していましたが、ダラーラはトランスミッションをエンジンの後方、ディファレンシャルギアをセンター寄りにレイアウトすることで全高を抑え、低重心化を図りました。 ミウラは、ダラーラの画期的なアイディアで安定感のある重量配分とコンパクトなプロポーション、そして快適なキャビンスペースを実現しました。 奇才のデザイナーとトップエンジニアたちによって結成された開発プロジェクト ミウラの開発プロジェクトは、イタリアの若き奇才デザイナーとトップエンジニアたちによって布陣を固められました。  自動車メーカーのランボルギーニ社をベースに、シャシー設計は数々の名車を生み出していたダラーラ社が担当。ボディ設計及びデザインは、アルファロメオやフィアットの設計にも携わったベルトーネ社が手腕を振るったといいます。 当時のイタリアを代表する自動車関連メーカー3社による、最強の布陣だったからこそ、まだどこも開発していなかった唯一無二のミウラが生まれました。 車名「ミウラ」のルーツは闘牛牧場 「ミウラ」とは、スペイン最古の闘牛牧場「ミウラ牧場」が由来です。 ランボルギーニのエンブレムを、自身の星座である牡牛座に由来し闘牛をモチーフにしたフェルッチオは、ほかにも「ランボルギーニ・ディアブロ」「ランボルギーニ・ムルシエラゴ」「ランボルギーニ・アヴェンタドール」と、勇ましい闘牛の名前を車名にしました。 ランボルギーニ・ミウラ P400からP400SVへの歴史 人口わずか7,300人ほどの小さな町、サンタガータ・ボロネーゼの工場で出荷されたミウラ。 初代P400は、さまざまな課題を解決しながらP400S、P400SVへと、一台一台生産するごとに改良を重ねていきました。 3シリーズそれぞれの歴史と特徴を紹介します。 P400 (1966〜1968) 1965年のベアシャーシモデル TP400の発表からわずか1年後の1966年、初代ミウラであるP400型が登場しました。最高出力350ps、最大トルク37.5kg-mを誇る3.9L V型12気筒エンジンがわずか980kgの車体に搭載され、最高速度は280km/hを記録。流線型の美しいボディデザインとともに市場に衝撃を与え、シリーズ中もっとも多い475台が生産されました。 一方で、PT400のあまりの反響に開発を急いだため、見切り発車での発売となった感は否めない仕様も見受けられます。たとえば、スポーツ走行に欠かせないLSD(リミテッド・スリップ・デフ)の採用は見送られ、高速走行時の安定性が課題として残りました。 P400S(1968〜1971) 2代目のミウラはP400S型、チューニングをしたという意味を込めて「S」=Spintoが付け加えられました。エンジン出力は370psまで引き上げられ、装備の追加などで車両重量が1,050kgに増加したにもかかわらず、最高速度は285km/hを記録します。 ベンチレーテッド・ディスク・ブレーキ、等速ジョイント、リアサスペンションの強化とエンジンパワーの向上に合わせて全体にチューニングが施されました。また、パワーウィンドウやエアコンといった快適装備を充実させたのもP400Sの特徴です。1968年から1971年の3年間で140台が生産されました。 P400SV(1971〜1972) ミウラの最終進化型であるP400SVは、シリーズ史上最高となる385psまで出力を引き上げたエンジンで、最高時速は300km/hに到達。インテークの拡大やバルブタイミングの変更、さらにはキャブレターの仕様変更など意欲的なチューニングが施されました。 外観では、9インチホイールへの変更に伴ってリアをワイドフェンダー化したほか、ヘッドライトのトレードマークだった“まつ毛”と呼ばれるフィン状のパーツが取り外され、フロントグリルの形状も変更。P400SVは、シリーズのなかでもっとも見た目の変更が加えられました。生産台数は150台です。 旧車王は超希少車種ランボルギーニ・ミウラP400Sの買取実績あり 1960年代のロードゴーイングGT界に新風を巻き起こした、元祖スーパーカー「ランボルギーニ・ミウラ」。V型12気筒横置きエンジンを包み込む美しく流れるようなフォルムのミッドシップスポーツカーは、今もなお魅力的な一台です。 ミウラは、1960年代から70年代初頭のわずか6年間のみの生産で、3シリーズ合わせても750台前後しか販売されなかった希少車種です。中古車サイトでもほとんど見かけることはありません。 しかし、旧車王では2023年1月に1969年製ミウラ P400Sの買取実績があります。初代P400よりも生産台数が少ないモデルですが、旧車王だからこその高価買取が実現しました。希少車でも買取可能な旧車王にぜひご相談ください。 ※価格や経過年数は2023年2月記事執筆時のもの

第3世代ランエボの違い!熟成と進化を遂げた3つのモデルを比較
旧車の売買と鑑定市場2023.02.28

第3世代ランエボの違い!熟成と進化を遂げた3つのモデルを比較

三菱 ランサーのスポーツモデル・ランサーエボリューションは、“ランエボ”の愛称でファンから絶大な支持を集めました。1992年の初代登場から2016年の最終型まで実に24年間に渡って続いたランエボの歴史の中で、最強との呼び声が高いのが第3世代である2000年代に登場した3つのモデルです。 熟成と進化の結果生み出され、現在でも高い人気を誇るランエボVII・VIII・IXの3モデルの違いを詳しくお伝えします。 2000年代に登場した第3世代ランエボ 第3世代ランエボはベースであるランサーのモデルチェンジに伴って、2001年に登場しました。 新開発のボディや各種装備など、大幅なポテンシャルアップを果たした第3世代ランエボについて詳しく紹介します。 ベースとなったのはランサーセディア 第3世代ランエボのベース車両は、6代目ランサーとして2000年に発売された“ランサーセディア”です。先代ランサーから大型化された新開発のボディには、スポット溶接の追加や取付部の補強に加え、専用レインフォースメントまで装備され、剛性面で圧倒的な進化を遂げます。 また、HIDヘッドライトやアクティブ・センター・ディファレンシャル(ACD)という先進装備の採用も積極的に行われました。特にACDは、各種センサーから読み取った「車両の旋回状況」に合わせて前後輪の差動制御を電子的に実施するという、運動性能向上につながる画期的な装備です。 4G63エンジン搭載最後のモデル 第3世代ランエボは、三菱の名機の一つである4G63型エンジンを搭載する最後のシリーズになりました。 2.0L直列4気筒ターボの4G63型エンジンはすでに完成の域に達しつつありましたが、第3世代ランエボでさらなる熟成を重ねます。最高出力こそ先代と同様の280psだったものの、モデルを追うごとにトルクの向上が図られました。最大トルクは、ランエボVIIで先代から1.0kg・m増の39.0kg・m、VIIIで40.0kg・m、最終モデルのIXでは41.5kg・mにも達します。 エンジンのもつポテンシャルが限界まで高められていることは、第3世代ランエボが最強と呼ばれる理由の一つです。 ランエボ史上“初”のバリエーションが加えられた 幅広いユーザー層を取り込むため、第3世代ランエボには史上初のバリエーションが2つラインナップに追加されました。 一つは、ランエボVIIに追加された初のAT採用モデルです。INVECS-IIと呼ばれるスポーツモード搭載の5速ATが搭載されました。エンジンの出力こそ272psに抑えられていたものの、最大トルクの発生をMTモデルよりも500rpm低い3,000rpmに設定。低中回転域のトルクを重視した扱いやすい特性に仕上げられていました。 もう一つが、ランエボIX発売後に投入された初のワゴン仕様車です。ランエボIXをベースに、ランサーワゴンの設計を流用して開発されました。エンジンを始め多くの仕様はランエボIXを踏襲しており、ステーションワゴンながら高い性能を発揮。ワゴン化によって低下した剛性もスポット溶接の追加で補っており、280psを発生する4G63型エンジンのパワーを十分にいかせるモデルでした。 ランエボVII・VIII・IXの違い 第3世代ランエボは、すべて同型のランサーセディア(2003年以降の名称は「ランサー」)をベース車両として開発されています。また、4G63型エンジンを採用している点も共通です。 しかし、それぞれのモデルを改めて比較してみると、実はいくつかの違いがあります。ここからは第3世代ランエボのモデルごとの違いについてチェックしていきましょう。 2度の大きな方向転換をしたグリル形状 第3世代ランエボの外観上の違いでもっとも特徴的なポイントはグリル形状です。ランエボVIIのグリルは、比較的スタンダードな長方形に近い形状を採用していました。しかし、ランエボVIIIでは大きなデザイン変更が施されます。 三菱が新しく迎えたデザイナー、オリビエ・ブーレイが三菱車共通のアイデンティティとして提唱した、通称“ブーレイ顔”と呼ばれる富士山のような意匠を中央に配置したデザインに変更。しかし、ブーレイ顔への変更は、冷却性能の低下や空気抵抗の増大を招くなど発売当時大きな不評を買いました。 ランエボIXでは、不評だった“ブーレイ顔”を廃止。再びコンサバティブなグリルデザインに変更されます。ただし、下部に丸みをもたせるなど現代的でシャープな印象のグリルになりました。 性能はモデルごとに着実に進化 ランエボVIIからVIIIへの変更で大きく変わったポイントは、不評だったグリルだけではありません。トランスミッションがシリーズ史上初めて6速化され、向上したトルクを最大限いかせるようになりました。 ランエボIXでは、性能面でさらなる進化を遂げました。型式こそ4G63型と、同型エンジンですが、ランエボとしては初めて、三菱の連続可変バルブタイミング機構である“MIVEC”を搭載したエンジンを採用します。さらに、ターボについても性能向上が図られました。コンプレッサーハウジングの見直しやコンプレッサーホイールの素材をマグネシウム合金に変更。最大トルクをランエボVIIIから1.5kg・mも向上させ41.5kg・mとしたうえ、発生回転数も500rpm低い3,000rpmまで下げました。 高騰する第3世代ランエボ クルマとしての基本性能が高められ正統進化を遂げた第3世代ランエボは、三菱の名機4G63型エンジンが搭載された最後のモデルということもあり、現在でも高い人気を集めています。 大手中古車サイトで確認したところ、状態によって価格にばらつきはあるものの、全体的に高騰している様子でした。高値の車両でみると、2001年式のランエボVIIで498万円、2003年式のVIIIだと958万円、2006年式のIXも950万円もの価格がつけられていました。 また、旧車王でもランエボIX MRを350万円で買い取った実績があるほか、買取価格の上限は、ランエボVIIが250万円、VIIIが380万円、IXでは500万円にものぼります。 最強のランエボを手に入れたい方は、ぜひ早めに探してみてください。手元にあるランエボを手放したい方は、価格が高騰している今がチャンスです。 ※価格は2023年2月執筆時  

2代目サニトラが人気の理由とは?! ロングセラーモデルの魅力に迫る
旧車の魅力と知識2023.02.22

2代目サニトラが人気の理由とは?! ロングセラーモデルの魅力に迫る

通称サニトラと呼ばれる、日産・サニートラックは、国産大衆車の雄である日産のサニーをベースに開発されたボンネットトラックです。特に2代目サニトラは、生産終了から30年以上も経った現在でも高い人気を誇っています。 ノスタルジックなスタイリングから「旧車カスタマイズの入門車に最適」と言われる2代目サニトラの魅力を詳しくお伝えします。 サニトラは37年も続いたロングセラーモデル 2代目サニトラの販売期間は、1971年〜2008年(国内は1994年)の実に37年間にも及びます。途中マイナーチェンジはあったものの、派生モデルが1世代だけでこれだけ長期間販売されたクルマはあまり例がありません。 2代目へのモデルチェンジで、長く愛されるパッケージングと高い走行性能を手に入れたサニトラの歴史を振り返ります。 発売と同時に人気となったサニトラ 初代のサニトラは、ベース車両のサニー発売の1年後である1967年に登場しました。キャビンと荷室が一体化したスタイリングは当時としては画期的で、瞬く間に小型トラック市場の中心的存在になります。 すでに人気の高かったサニトラの地位を不動のものにしたのが、サニーのフルモデルチェンジに合わせて1971年に登場した2代目B120型です。人気のあったボディスタイルはそのままに全体にスペースを拡大、排気量を1.2Lに引き上げたエンジンによって居住性と走りの両面で大きく性能を向上させました。 また、ライバルが小型トラック市場から撤退したタイミングと重なったこともあり、同市場でオンリーワンの存在となります。結果的に2代目サニトラは、国内でも1994年、海外では2008年まで販売されるという異例のロングセラーモデルとなりました。 軽量FRという仕様が走り好きの心も掴んだ サニトラが人気となった理由の一つは、駆動方式がFRだったことです。ベースとなるサニーのプラットフォームを踏襲して開発されたサニトラも、駆動方式にはFRを採用。もともとの軽量コンパクトという特性と合わせて、小型トラックながら走りも楽しめるモデルだったことから、走行性能を求める層からの支持も集めます。 サニー自体がツーリングカーとして多くの実績を残していたこともあり、サニトラもチューニングベースとして注目されました。実際に1980年代のサファリラリーにも出走しています。 シンプルで頑丈なA12型エンジン サニトラに搭載されるA12型1.2リッターOHVエンジンは、68psを発生。現在の基準から考えると控えめに感じますが、当時としては十分な出力で、重量730kgのサニトラを軽々と走らせてくれました。 また、日産エンジンのなかでも名機と言われるA型エンジンは、シンプルな構造で耐久性の高いエンジンです。多くの車種に搭載され、チューニングベースとしての人気も高かったことから、サニトラでもチューニングを楽しむユーザーが増加しました。 カスタマイズを手軽に楽しめる2代目サニトラ 懐かしさの漂うフォルムから、オールドスタイルファンの心をつかんで離さないサニトラ。しかも、旧車にもかかわらず、手軽にカスタマイズを楽しめる点はサニトラの大きな魅力です。海外では2008年まで販売されていたため、多くの部品が比較的簡単に入手できます。 さらに、販売期間が長く愛好家も多いことから、アフターパーツの種類も豊富です。2代目サニトラのカスタマイズについて紹介します。 外装を好みのデザインにカスタマイズできる サニトラは外装のアフターパーツも豊富です。さまざまなパーツを組み合わせて、自分好みの外観に仕上げられます。 たとえば、後期の角型ヘッドライトを前期の丸型へのスワップやチンスポイラーの装着は、2代目サニトラの王道のカスタムスタイルです。また、リアバンパーをスムージングすると、旧車ながらもモダンなデザインを楽しめます。 なお、荷台のフックの取り外しも定番のカスタマイズのため、中古車を購入する際はフックの有無も確認しておきましょう。 素性のいいA型エンジンはチューニングベースに最適 サニトラに採用されるA型エンジンは、レースに使用された実績もある高性能エンジンです。ノーマルのA12型エンジンの排気量を1.3Lに拡大し、130psを発揮するものもありました。 多くのパーツが販売されているので、もともと搭載されているA12エンジンをチューニングするだけでも十分楽しめます。仮に購入した車両のエンジンの状態が悪くても、販売台数が多いため別のエンジンを探すことも容易です。さらに、排気量のより大きなA14型へのスワップも人気で、よりパワフルなサニトラを楽しんでいる方もいます。 カスタマイズできるのはエンジンだけではありません。純正の4MTを5MTへ変更するキットが販売されていて、チューニングしたA12型エンジンのパワーを余すことなく使えるようにできます。給排気系についてのカスタムパーツも豊富です。パワーや好みに合わせてチューニングすることで、キャブ車ならではのクラシカルなサウンドを楽しめます。 中古車を探すなら最終の後期型がおすすめ サニトラは1989年11月にビッグマイナーチェンジが実施され、後期型と呼ばれる最終モデルが登場しました。エンジンの改良やフロントにディスクブレーキを採用するなど、現代のクルマに近い仕様になっているほか、昭和63年の排出ガス規制(自動車NOx・PM法)にも対応しています。また、後期型は南アフリカで2008年まで生産されていたため、部品の入手性の高さもおすすめポイントです。 販売台数の多かった2代目サニトラは100万円前後から購入できます。販売初年度から50年以上、国内販売終了からでも29年が経過している旧車としては比較的入手性の高い車種です。しかし、少しずつ流通数は減ってきており、1992年式で328万円もの価格の車両もありました。また、旧車王では1992年式のサニートラック ロングボディデラックスを100万円という高値で買い取っています。 今後さらに台数が減少すると、サニトラの豊富なカスタマイズを楽しめる機会も減ってしまうかもしれません。 ※中古車価格は2023年2月執筆当時

今狙い目のタイプRはこれ!EP3型2代目シビックタイプR
旧車の売買と鑑定市場2022.12.26

今狙い目のタイプRはこれ!EP3型2代目シビックタイプR

「シビックタイプRといえば高回転型NAエンジン!」とイメージする方も多いのではないでしょうか。EK9型から始まったNAエンジンのシビックタイプRは、その官能的なエンジンフィールで令和になったいまもクルマ好きを魅了し続けています。しかし一番人気の初代EK9は、500万円近いプライスがついており、簡単に手が出せるクルマではありません。 そんな中「どうしてもNAエンジンのシビックタイプRが欲しい!」という方におすすめなのが、EP3型2代目シビックタイプRです。そこで今回はEP3型2代目シビックタイプRが狙い目の理由と、その魅力を紹介します。 イギリス帰りの異端児!EP3型2代目シビックタイプRとは 2001年12月に発売されたEP3型シビックタイプRは、欧州向けシビックをベースに開発された高性能3ドアハッチバックです。まずはその概要を紹介します。 ベースは欧州仕様の3ドア仕様 EP3型シビックタイプRの発売当時、日本では5ドアのシビック(EU型)しか販売されていませんでした。代わりにベースとして選ばれたのが、欧州仕様の3ドア仕様のシビックです。 欧州仕様のシビックをベースに装備がアップデートされ、タイプRとして初めての逆輸入車となりました。そのデザインは「Dangan(弾丸)」といわれるスポーティなもので、タイプR専用エアロフォルムバンパーや大型テールゲートスポイラーを装備しています。 ハッチバックで最強のNAエンジン エンジンは同時期のDC5型インテグラタイプRと同様に、2リッターのK20Aが搭載されています。専用にチューニングを施されたK20Aは、最高出力215PS/8000rpmを発生。6速MTとの相性もよく、そのままサーキットへ持ち込めるマシンです。 エンジンスペックは同型のK20Aを積むDC5型インテグラタイプRと比べ、5PS低くなっていますが、パワーステアリングが電動化されたことでパワーロスが少なくなっているため、体感的にほとんどその差は感じません。 サーキットからワインディングまで楽しめる 同時期に発売されたDC5型インテグラタイプRは、サーキットでの走りを重視すべく、足回りがガチガチに固められていました。対して、EP3型シビックタイプRはサーキットだけでなくワインディングも気持ちよく走れるように味付けされています。 また前後オーバーハングを切り詰めたデザインは回頭性もよく、ジムカーナなどの速度域の低い場面でも強さを発揮します。 タイプR伝統の装備は健在 控えめなデザインが特徴のEP3型シビックタイプRですが、内装はタイプR伝統の赤ベースで、レカロ製の真っ赤なバケットシートやMOMO製ステアリングを装備しています。 また、スポーツタイプとしては珍しいインパネから生えるシフトノブもEP3型シビックタイプRの特徴です。ステアリングから近い位置にシフトノブを配置することで、クイックなシフト操作が可能となっています。 発売当初は賛否両論あったインパネシフトも、スポーツ走行時も操作がしやすく、ユーザーからも好評でした。 EP3型2代目シビックタイプRの日本導入は予定されていなかった 開発当初EP3型シビックタイプRは、日本へ導入される予定はありませんでした。しかし、逆輸入という形でタイプRの発売が決定したのはなぜなのでしょうか。ここでは当時の背景を振り返ります。 日本はミニバン全盛の時代に欧州専用モデルとしてタイプRの開発がスタート 2000年代当時の日本は、ミニバン全盛の時代です。日本版シビックはスポーティさを前面に出さず、前後ウォークスルーができるスペース効率の良いファミリーカーとして販売されました。一方、イギリスをはじめとする欧州では、実用性に優れたスポーティなハッチバックの人気は根強く、市場の3割を占めるほどでした。 そんな中、ヨーロッパでシビックの存在感を示すため、最上級グレードとしてタイプRの開発がスタート。他のタイプRと同様に、日常でもサーキットでも走れるスポーツモデルを目指し開発が進められます。 また、ヨーロッパは日本よりも速度域が高く、快適で疲れないクルマが必要だったこともあり、結果としてライントレース性が高く、高速でも疲れない新しいシビックタイプRが完成しました。 トップの一言で日本向けシビックタイプRの開発が決定 日本向けのシビックタイプRが開発されるきっかけを作ったのは、7代目EU型シビックの新型試乗会です。会場には、展示車として欧州向けの3ドアモデルがあり、評論家から非常に高い関心が寄せられました。 その光景を見た当時の社長が懇親会で発した一言により、急遽日本仕様のシビックタイプRが開発されることになったのです。 日本ではタイプRといえばサーキットのイメージが強く、荒れた公道を想定した欧州向けとは足回りの味付けを変える必要がありました。日本向けシビックタイプRは、欧州仕様の高速巡航性能をそのままに、ステアリングの応答性能を向上させました。加えて、サーキットやワインディングを気持ちよく走れる仕様に変更されています。 EP3型2代目シビックタイプRの中古車相場 大手中古車情報サイトを見ると、2022年12月の原稿執筆時点で、修復歴なしのEP3型2代目シビックタイプRの中古車相場は105万円から248万円です。 EK9型が180万円から498万円、FD2型は188万円478万円で、2代目シビックタイプRが手の届きやすい価格であることがはっきりとわかります。しかし、現存する台数が少なくなりつつある現状を考えれば、今後は値上がりが予想されるでしょう。 まとめ 2022年9月、新型シビックタイプRが発売されました。その人気はすさまじく、400台というひと月の生産台数に対して、その4年分程度の注文が入っているといいます。 最高出力330㎰を発生する新型シビックタイプRのターボエンジンは魅力的かもしれません。しかし、高回転NAのVTECエンジンがホンダの一時代を築いたことは、誰もが認める事実です。 EP3型シビックタイプRは高回転NAエンジンが楽しめ、誰でも購入できる唯一のタイプRとも言えます。ホンダならではの官能的なVTECエンジンを搭載するEP3型シビックタイプRを購入検討しているなら、今がチャンスなのかもしれません。

MR-Sはエンジンスワップで最強スポーツカーに生まれ変わる! スワップにおすすめのエンジンもあわせて紹介
旧車の魅力と知識2022.12.23

MR-Sはエンジンスワップで最強スポーツカーに生まれ変わる! スワップにおすすめのエンジンもあわせて紹介

トヨタ MR-Sは、軽量ボディにMRレイアウトというスポーツカーに必要な要素を備えた理想的な2シーターのオープンスポーツカーです。しかし、唯一の弱点は非力なエンジンパワーと言われています。そこで、有効なチューニングメニューとして挙げられるのが、エンジンスワップです。軽量なボディと相まって、名車MR2にも引けを取らないパワフルなマシンに仕上げることができます。 今回は、MR-Sの魅力を最大限に引き出せるエンジンスワップについて詳しく解説します。 名車MR2の後継車として登場したMR-S トヨタ MR-Sは、1980年代から生産されていたMR2の後継車です。ライトウェイトなボディだけではなく、国産唯一のMRレイアウトを採用したオープン2シーターという点でもスポーツカー好きの心を惹きつけました。まずはそんなMR-Sの魅力について詳しく見ていきましょう。 唯一の国産オープン2シーターMRスポーツカー トヨタ MR-Sは、1999年に発売されたライトウェイトスポーツカーです。同年に販売が終了したMR2の後継車種として登場し、2シーターのオープンカーにMRという、当時の国産大衆車にはないユニークな存在でした。(MRとしては同時期にホンダ NSXが販売されていたが基本パッケージはクーペ) 国産量産車として初めて、シーケンシャルマニュアルトランスミッションを搭載し、スポーツカーとして意欲的に仕上げられています。内装も独立配置されたメーターや本革巻き3本スポークステアリングなど、スポーツカーならではの満足感を十分に得られるクルマです。 軽量安価でベース車両として最適 MR-Sの最大の特徴は、軽量コンパクトなパッケージングです。コンパクトカー“ヴィッツ”の基本コンポーネントを流用したプラットフォームに1.8Lの1ZZ-FE型エンジンを搭載し、車重は1tを切るわずか970kgに抑えられていました。(安全装備の変更により最終的に1,020kgに増加) また、登場時の新車価格は200万円を切り「MR」「オープン」「スポーツカー」という要素を考えると破格の設定でした。軽量なうえに安価、チューニングのベース車両として、MR-Sは最適な条件をそろえたクルマです。 エンジンスワップでMR-Sを高性能化 MR-Sは、エンジンスワップによってさらに戦闘力の高いマシンに生まれ変わります。加えて、純正で搭載されている1ZZ-FEエンジンの後継エンジンなら、作業も比較的容易です。 MR-Sのエンジンスワップ事情について詳しく紹介します。 MR-Sはエンジンスワップ例が多い MR-Sの弱点は、搭載された1ZZ-FE型エンジンの最大出力が140馬力とやや非力な点です。しかし、車両そのものが安価なこともあり、エンジンを載せ替えて乗っているユーザーも少なくありません。 軽量なMRレイアウトというスポーツカーとして理想的なパッケージングは、チューニングベースとしても人気です。、ホンダ製2リッターVTECのK20型エンジンや同じトヨタ製の3S-GTE型エンジンに載せ替えたチューニングカーが作られています。 名機3S-GEの正統な後継エンジン2ZZ-GE MR-Sに載せ替えるエンジンとしておすすめなのは、2ZZ-GE型エンジンです。2ZZ-GE型Jはトヨタのスポーツエンジンの名機、4A-GEと3S-GE型エンジンの後継機として開発されました。連続可変バルブタイミング・バルブリフト機構(VVTL-i)を搭載していて、わずか1.8Lで190馬力を発生するハイパフォーマンスエンジンです。 最終型のMR2に搭載された3S-GE型エンジンが、2.0Lで200馬力(NA)ということを考えると、ほぼ同等のパワーを200ccもダウンサイジングしたエンジンで実現していることになります。 MR-Sの車重が1tとして、190馬力の2ZZ-GE型エンジンを搭載した場合のパワーウエイトレシオは約5.26kg/PS。(1ZZ-FE型エンジンの場合は7.14kg/PS)最終型MR2が約5.1kg/PS(ターボ5MTモデル)であることを考えると、公道で気持ちよく走るスポーツカーとしては十分なパワーです。 また、2ZZ-GE型エンジンはMR-Sに搭載されている1ZZ-FEをベースに開発されているため、大規模な加工をせずに比較的簡単に載せ替えられます。 MR2と同等性能をより年式の新しいクルマでしかも安価に手に入れる 国産MR車両として人気の高いMR2。しかし、MR2は1999年に製造終了しており、最終型でもすでに20年以上が経過しています。また、中古車価格もMR2のほうが高く、多くが300〜400万円前後、大手中古車情報サイトでもっとも高いものは、1997年式のSW20型MR2で695万円の値がついていました。 一方、MR2と入れ替わりに登場したMR-Sの販売は2000年代以降が中心で、最終型は2007年式です。中古車価格も100〜200万円台が中心で、もっとも高い車両でも約300万円。100万円以下と価格を押さえた車両も複数確認できたため、エンジンスワップをする前提であれば、あえて安い個体を購入するのもおすすめです。 MR2に比べて10年前後も高年式で、公道で気持ちよく走るには必要にして十分なパワーを安価に実現できるMR-Sのエンジンスワップをぜひ検討してみてくださいね。 ※価格や経過年数は2022年12月記事執筆時のもの

アリストのベースグレードとどこが違う?今も人気のベルテックスエディションを詳しく紹介
旧車の魅力と知識2022.12.23

アリストのベースグレードとどこが違う?今も人気のベルテックスエディションを詳しく紹介

欧州車を思わせる個性的な外観に高級感あふれる内装、さらにハイパワーエンジンをFRレイアウトにパッケージングしたことで、アリストはラグジュアリースポーツセダンとして確固たる地位と人気を獲得しました。そんなアリストの特別感をさらに高めたのが、ベルテックスエディションです。高級スポーツセダンとして人気を集めた16系アリストに設定されたベルテックスエディションについて、ベースグレードと比較しながら詳しく紹介します。 国産最速セダンとも呼ばれたアリスト アリストは、高級セダンとして他車に遜色のないデザインや装備を纏いつつ、スポーツカー顔負けの高い走行性能も備えるという、当時の国産車ではあまり例のない性格をもつ車種でした。 ここでは、そんな“国産最速セダン”とも呼ばれたアリストについて紹介します。 最後のアリストとなった160系 初代140系アリストは、クラウンマジェスタの姉妹車として1991年に登場しました。そして、登場から6年後の1997年に、最初で最後のフルモデルチェンジを実施して登場したのが2代目160系アリストです。 アリストの特徴は、初代・2代目とも一貫しています。高級セダンとしての車格にふさわしく、贅沢で丁寧に仕上げられ内外装と、高い走行性能を両立していました。「ハイパフォーマンス4ドアセダン」として、他の高級セダンと明確な差別化が図られていた車種です。 トヨタ最強のハイパフォーマンスターボエンジンや、四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用するなど、スポーツカーさながらの装備となっています。 ベースグレードは2種類 アリストのベースグレードは、V300とS300の2種類。大きな違いは吸気方式の違いで、V300がターボの2JZ-GTE、S300が自然吸気の2JZ-GEを搭載しています。 アリストは、海外向けには“レクサスGS”として販売されていましたが、レクサスGSにはターボエンジン搭載モデルはありません。アリストの魅力を最大限表現しているのは、国内向けのグレードであるターボモデルのV300です。 現在でも人気の名機2JZエンジンを搭載 アリストに搭載されているのは、ターボ、自然吸気ともに3L直列6気筒の2JZエンジンです。2JZ型のエンジンは、今もなおドリフト競技で多くの支持を集めています。 なお、先代で設定されていた4LのV8エンジンを搭載するグレードは、160系のアリストでは廃止されたため、2代目に搭載されるエンジンは2JZ型のみです。 ターボモデルの2JZ-GTEエンジンは、国内自主規制最大となる280psを発生しました。当時、トヨタのフラッグシップスポーツカーであった80スープラと同型エンジンというところからも、いかにアリストが“走り”にこだわっていたのかがわかります。 「走りのアリスト」を引き立てるベルテックスエディションのベースグレードとの違い 160系アリストには、V300、S300の両方で、ベースグレードのほかに“ベルテックスエディション”というグレードが用意されていました。ラグジュアリーセダンとしての性格に、よりスポーティで洗練されたイメージを付加したグレードです。 ここではベースグレードとベルテックスエディションの違いを紹介します。 黒を基調にまとめられたインテリア ベルテックスエディションとベースグレードで大きく異なる点は、内装色です。全体が黒で統一されており、アリストがもともと備えた高級感に加え、都会的でスタイリッシュな印象になっています。 ベースグレードから変更されたのは、それだけではありません。ダッシュボードやドアパネル、カーペットやシートにいたるまで、別のクルマといえるほどほぼ全面的に仕様が変更されています。高級セダンとしては一般的な、ベージュとグレーというベースグレードの配色はまったく残っていません。 ただし、ベルテックスエディションに標準装備されているシートは、黒とグレーの布製シートである点には注意が必要です。ベルテックスエディションの象徴的なイメージのある黒本革シートですが、実際にはオプション扱いになります。 特別感のある専用外装パーツを装備 ベルテックスエディションには、外装面でも2点の専用パーツが用意されました。アルミホイールとトランクスポイラーです。 高級感だけではなく、走行性能の高さもアリストの魅力の1つ。トランクスポイラーによって、より“走り”のイメージが際立ちます。 また、ターボモデルのV300のベルテックスエディションでは、専用デザインの17インチアルミホイールが装備されています。 アリストの中古車は今が狙い目 当時としては最高ともいえる高級感と、高い走行性能を備えたアリストは、中古車として狙い目の車種です。160系アリスト、ベルテックスエディションの中古車相場は、ターボ車のV300でも100〜200万円前後です。 大手中古車サイトで検索をしてみたところ、走行距離5万km未満、修復歴ナシという程度の良いV300ベルテックスエディションが300万円前後という価格でした。同じ2JZエンジンを搭載したモデルの80型スープラが、800万円前後で取り引きされていることを考えると、かなり手頃な価格です。 一方、旧車王では、V300ベルテックスエディションを160万円で買い取った実績があり、買取価格はやや上昇傾向にあると言えるかもしれません。 高級感と最高の走行性能を味わえる160系アリスト ベルテックスエディションに魅力を感じたのなら、早めに探し始めた方がいいでしょう。 ※価格は2022年12月執筆時  

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