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アストン・マーティン DB7は、1994年にデビューしたイギリスのラグジュアリースポーツカーです。クーペスタイルと「ヴォランテ」と呼ばれるオープンタイプがラインナップされています。
DBの名前を冠したモデルはDB6、DBS(初代)以来、実に23年ぶりです。新しい経営陣に入れ替わり、近代化と質感の向上に成功。程よい丸みとリアまで続く低く流麗なラインは、現行車にも継承されている「新時代のアストン・マーティン」の原点となりました。長いボンネットが優美な円弧を描くキャビン、立体感豊かなリヤといった完璧なプロポーションのデザインは今でも美しく、見る者を釘付けにする魔力をもっています。
さらには量産可能な体制を整えることで、7,000台のセールスを記録します。アストンマーティンの販売台数を大きく広げた、歴史的にも意味のある1台です。
前期型は1998年まで生産され、ジャガー製で330psを発生する直6(AJ6)3.2Lエンジンを搭載。外装の一部こそ他社との共有パーツがあるものの、インテリアはコリノーレザーやウッドパネルを余すことなく使用し、アストンらしい品格と洗練された風格はイギリスのジャーナリスト達からも好評でした。
1999年には後期型にマイナーチェンジされます。5.9Lの自社製V12エンジンを搭載、420psを発生させ、「DB7ヴァンテージ」の名を冠するようになりました。このモアパワーに準じてトランスミッションも進化させ、ATモデルはドイツ・ZF社と共同開発したタッチトロニックと呼ばれるシステムを採用。
また、2002年にはGT(MT)とGTA(AT)なる限定車をリリースしました。エアロパーツやオリジナルのアロイホイールが装着されたほか、通常の後期型より最終減速比を小さくするなど乗り味にも変化を持たせました。双方合わせて総生産台数302台という大変レアなモデルです。
2004年にはDB9へバトンタッチし、10年間のモデルライフに幕を閉じました。
1994年から2004年にかけて製造されていたことから、少ないながらも市場に流通しており、クラシックカーの域に入っているDB4、5、6、DB(初代)とは状況が大きく異なります。
また、1999年にV型12気筒エンジンが投入されたことで、それまでの直列6気筒エンジンから大きく性格も変わりました。アストンマニアの間でも評価が分かれており、まったく異なるモデルのように扱われています。
GT/GTAに関しては、日本国内に正規輸入された記録は各1台ずつとの噂もあり、国内現存数がはっきりしていません。それゆえかなりの希少価値があると考えてよいでしょう。
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