BMW5シリーズは、1972年から製造・販売されているBMWの上級セダンです。スポーティかつ快適性の高いモデルとして人気を博し、2008年には累計販売台数が500万台に到達しました。
ノイエクラッセ(BMW 1800・2000)の後継車として誕生したのが、5シリーズの初代(E12型)です。4灯のヘッドライトに印象的なキドニーグリルなど、現在も受け継がれているBMWらしさは当時からすでに息づいていました。
1983年には2代目(E28型)が登場します。初代よりもさらに技術が発展したモデルで、1984年にはBMW初のディーゼルモデル524tdが追加されました。走る楽しさをさらに深く追求したスポーツグレード・M5は、この世代から追加されました。
1988年に発売された3代目(E34型)では、ボディが大型化して剛性も向上しました。Cd値は0.30を達成し、空力性能も優れたモデルです。また、1992年に5シリーズ ツーリングが登場したことも大きなトピックです。
1996年発売の4代目(E39型)では、日本人の永島譲二氏がデザインを担当。先代よりもボディサイズが大きくなりましたが、量産車では世界初となるオールアルミ製サスペンションを採用したこともあり、車重はほとんど変わりませんでした。
2006年には、5代目(E60・E61型)がそれまでのBMWとは一線を画す特徴的なデザインで登場します。削り出された表面のあしらいが、クルマにパワフルさと躍動感を与えています。また、ステアリングギア比を速度によって変化させるアクティブステアリングや、安定した操縦性と乗り心地を確保するダイナミックドライブなど、先進技術も豊富に盛り込まれました。
2009年には6代目(F07・F10・F11型)登場しますが、セダンやツーリングワゴンよりも先に、BMW初のグランツーリスモであるGT F07が発表されました。高級セダンとしてのラグジュアリー感とスポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)の柔軟性、グランツーリスモの機能性がそれぞれに活かされたモデルとして話題になりました。
F10型とF11型も四輪操舵システムをはじめとしたさまざまなテクノロジーの導入によって人気を博し、200万台もの販売台数を突破しています。
2017年より販売されている7代目(G30・G31型)は、スポーティで上品な仕上がりのモデルとして多くのファンの心を掴んでいます。モダンなボディラインを実現しつつ、ダイナミックなフロントマスクを構えた、「BMWらしさ」に溢れています。