専門店が解説・ダッジ バイパーとは
アメリカンマッスルカーの極みと言っても過言ではないバイパー。登場したのは1991年で、それから2017年までおよそ半世紀にわたって製造・販売されました。
1989年に北米国際オートショーにてクライスラーが発表したVM-01コンセプトカーをベースに誕生したモデルです。1960年代後半に登場したシェルビー・コブラを意識して開発され、車名もコブラと同じく毒蛇を意味する言葉「バイパー」が採用されました。
初代 1991年〜2002年
搭載されたエンジンは、7.9L V型10気筒OHV。出力を重視したチューニングをが施され、最高出力は約406psを誇りました。ダッジ ラムに搭載されていたエンジンをベースに製造されており、アルミニウム化されています。
当初はオープンモデル(RT/10)がラインナップされていましたが、1995年には約456psを誇るクーペモデル・GTSが追加されました。
ボディサイズは、全長4,490mm、全幅1,980mm、全高1,190mmです。サスペンションにはダブルウィッシュボーンを採用。ブレーキにはブレンボを選定しており、パワフルすぎる性能で人々の心を鷲掴みにしました。
日本には「クライスラー・バイパー」の名で正規輸入されました。ちなみに正規輸入されたのは初代のみです。
2代目 2002年〜2010年
2002年のモデルチェンジの際に「バイパーSRT/10」というサブネームが与えられました。当初オープンモデルのみでしたが、2006年にクーペが追加されます。
エンジンに関しては、先代よりも排気量がアップして、8.3L V型10気筒OHV、最高出力は約517psに。2008年のモデルチェンジの際には、排気量が8.4Lに拡大され、最高出力も約608psにパワーアップしました。
当時クライスラーに在籍していた日本人の鹿戸治がデザインを手掛けたことも有名です。ボディサイズは、全長 4,460mm、全幅1,920mmと少し小さくなったものの、全高は1,230mmと背が高くなりました。
2008年モデルからは「バイパーSRT-10 ACR」というレーシングモデルが登場します。空力性能の向上を目的としたフロントディフューザー・カナードとGTウィング、レーシングサスペンションが専用装備として与えられました。
このバイパーSRT-10 ACRは、2008年8月にドイツのニュルブルクリンクの走行テストでが7分22秒1というタイムを叩き出し、ニュルブルクリンクにおける市販車最速の称号を獲得します。
3代目 2012年〜2017年
オープンモデルが廃止され、ラインナップは全車クーペのみとなります。エンジンは先代のままですが、ピストンやインテークマニホールド、エギゾーストパイプなどが改良され、最高出力は脅威の約649psをマークするほどに。
クライスラーのハイパフォーマンスカー開発部門「SRT(Street and Racing Technology)」にブランドが移行され、「SRT・バイパー」と「SRT・バイパー GTS」とモデル名にもSRTの名が冠されました。上級モデルのGTSはベースモデルより車重が軽く、ショックアブソーバーを組み込んだアクティブサスペンションを標準搭載しています。ちなみに、2014年にはSRTが廃止されて、再びダッジブランドに統合されました。
その底力を遺憾なく発揮し、レース活動でも活躍しています。市販モデルをベースに作られたバイパー GTS-R、SRT・バイパー GTS-R、SRT・バイパー GT3-Rは、ル・マン24時間レースを中心にそれぞれ華々しい成績を残しています。
ダッジ バイパーの買取り相場について
アメリカンパワーと称される力強さとボディの曲線美で、多くの人を魅了するバイパー。熱狂的ファンの多い個性はモデルであり、買取価格に関しても高値が提示されえうる可能性が高いでしょう。