初代のN10型は日産初のFFモデルとして1978年に登場しました。人気を博したチェリーの後継モデルでもあります。発売当初は、ファストバックスタイルながら独立したトランクを持つ4ドアセダンのみでしたが、後に3ドアハッチバックや5ドアハッチバックが追加されました。
1982年にモデルチェンジが実施され、N12型が登場します。ボディタイプは3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、2ドアノッチバッククーペの3種類。2ドアノッチバッククーペは、リトラクタブルヘッドランプを採用した「パルサー・エクサ」シリーズとしてラインナップされました。少し遅れて4ドアセダンも追加され、結果として先代以上のモデル数になります。
3代目のN13型は1986年にリリースされました。この世代から2ドアノッチバッククーペが「エクサ」として独立しました。日産は1986年に初のフルタイム4WDシステムとしてビスカスカップリング方式の「フルタイム4WD」を発表し、翌年にパルサーに採用。さらに兄弟車のラングレー、リベルタビラ、エクサと共に日産初の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞します。
4代目のN14型は、1990年に登場します。N13型まで存在していた兄弟車のリベルタビラとラングレーは、モデルチェンジと同時にN14型に統合されました。ボディタイプは、N13型と同様に3ドアハッチバック、5ドアハッチバックと4ドアセダンを展開します。
N14型の目玉でもある「GTI-R」には、230psを発生させる2.0Lの直列4気筒DOHCターボエンジンが搭載されました。さらに、ビスカスカップリング付きセンターデフ式フルタイム4WDであるアテーサを、独自のチューニングを施して装備。ボンネットのパワーバルジや大型リアスポイラーで、ひと目で「GTI-R」と認識できます。
最後のパルサーであるN15型は、1995年に発売されます。ボディタイプは、N14型と同様に3ドアハッチバック、5ドアハッチバックと4ドアセダンが展開され、4ドアセダン以外には「セリエ」のサブネームがつきました。
この世代では、先代の「GTI-R」のような強烈なスポーツモデルはラインナップされませんでしたが、1997年には1.6Lで175psを発揮するSR16VEを搭載したVZ-Rが追加されます。さらに、1998年には「VZ-R・N1 VersionⅡ」が、限定300台で発売されました。この「VZ-R・N1 VersionⅡ」には、チューニングが施されたVZ-RのSR16VEが搭載されており、1.6Lクラス最強の200psを発揮します。
しかし、チャンネルの統廃合や販売台数の伸び悩みなどが理由で、N15型を最後に22年の歴史に幕を下ろすことになります。