Gクラスは、1979年から製造・販売されているメルセデスの本格SUVです。軍用車輌の「ゲレンデヴァーゲン」を乗用にアレンジしたことからGクラスの歴史がはじまります。
日本では「ゲレンデ」と呼ばれ親しまれるGクラスですが、その「ゲレンデ」とは、ドイツ語でオフローダーを意味する「ゲレンデヴァーゲン」の略であり、頭文字である「G」をクラス名にそのまま用いています。
強靭なラダーフレームによる高い悪路走破性を誇り、上質な乗り味から高級SUVとしての地位を確固たるものにしたモデルです。大きく3世代に分けられるGクラスですが、デビュー当時から現行に至るまで保たれている一貫したルックスも、長きにわたって愛されている理由の1つでしょう。
初代(W460)1979年〜1990年
オーストリアの軍事企業シュタイア・プフとの共同開発にて、軍用車両として誕生したGクラス。ドイツ本国では1981年から販売が開始され、日本には1983年に初上陸しました。
まずは直列5気筒ディーゼルモデルである300GDのショート(3ドア5人乗り)とロング(5ドア7人乗り)、およびキャンバストップのカブリオタイプが輸入されました。5ナンバー枠に納めるべく、この段階ではオーバーフェンダーは装備されませんでした。
やがて直列4気筒ガソリンエンジンの230GEも上陸。ホイールや内外装が簡素化されたベーシックモデルから、ワイドフェンダーを備えた基本モデル、最上級の230GEロング、特別仕様車「プレディカート」など、多彩なモデルがラインナップされました。
2代目(W463)1990年〜2018年
フルタイム4WDへと進化し、サイドステップ導入や内装モダン化などによって、空前のロングセラーとなったのがW463です。
基本モデルはグレードやマイナーチェンジごとに直列6気筒 3.0L〜3.2L、V型6気筒 3.2Lを搭載。数量限定生産のV型8気筒エンジンモデルの500GE、500GE-6.0やG36、G55やG63 AMG 6x6などのAMGモデル、V型12気筒エンジンを搭載したマイバッハバージョンのG650など、さまざまな特別仕様車が導入されたことでも話題となりました。
3代目(W463A)2018年〜
先代で圧倒的人気だった5ドアタイプのみとなり、車内空間が拡張されました。その分全長・全幅ともに長くなったものの、改良されたボディ素材が車重軽量化に貢献しています。その他にも9速AT、LEDライト、レーダー波による衝突安全支援モジュールなど、ドライバー目線における操作性も大幅に進化しました。
ラインナップは、ディーゼルモデル2種、V型8気筒エンジンモデルのG550、高出力V型8気筒エンジン搭載のAMG G63が基本です。もちろん特別仕様車のバリエーションも豊富で、装備品のカラー選択が可能なプログラムや限定ボディカラー、22インチホイールなど、主にAMG G63からの展開が目立っています。